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鳥類における性分化機構の解明:HINTW/HINTZ遺伝子を中心に

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Academic year: 2021

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(1)鳥類における性分化機構の解明 ∼HINTZ/HINTW遺伝子を中心に∼ 専攻  教育内容・方法開発専攻. コース 認識形成系教育コース自然系教育分野. 学籍番号 M11155A 氏名 上田 啓太郎.  異型配偶子での有性生殖を行うすべての動物. 成される時期において、DMRT1タンパク質が髄. は、配偶子を作る器官である生殖腺(精巣または. 質の精細管細胞の核に局在することがわかって. 卵巣)を持ち、種を継続するために重要な役割を. いる(Smitheta1.,2003)。また、雄の胚に対して. 担っている。この異なる生殖腺への分化決定、つ. RN州を用いて人為的に〃㎜〃遺伝子の発現量. まり性の遺伝的な決定様式は動物種によって異. を抑制すると、雄特異的に発現するマーカー遺伝. なり、また環境的要因によって異なる場合もある。. 子である80㎜の発現量が下がり、逆に雌特異的.  生殖腺の形態において、哺乳類と鳥類ではいく. に発現するマーカー遺伝子であるλ刀0〃の発現. つか類似した点があり、その形成機構には共通性. 量が上昇することから、刀M児〃遺伝子が雄性化. があると考えられている。しかしながら性染色体. 遺伝子であるといわれている(Smith et a1.,. の構成が哺乳類では雄ヘテロ型(w型)なのに. 2009)。しかしながら、雌雄モザイクのニワトリ、. 対し、鳥類では雌ヘテロ型(ZW型)であり、全く. 雄と雌の両方の特徴を持つニワトリの形態によ. 異なっている。また、哺乳類において同定された. り、鳥類の体細胞は性別のアイデンティティーを. 雄性化因子SRYノ&γの相同遺伝子は鳥類には. 自分自身で決め、哺乳類の体細胞においては細胞. 存在しない(E11egren,2000)。これらの点から、. 外分泌により体細胞の性分化を促す役割をもつ. 両者の性決定機構および性分化には明確な違い. 性ホルモンに鳥類の体細胞は依存しないという. が存在すると考えられる。. 研究結果が出ている(Zhao et a1.,2010)。また、.  鳥類の性決定機構については、2つの仮説が存. 刀M呪〃の発現時期(3.5日)より前の2日胚での体. 在する。その」つとして、Z性染色体に存在する. 細胞において性が決まっているということが、こ. 雄性化遺伝子の遺伝子量によって決定されると. の研究から分かった。これらの結果をふまえて. いうものがある。こちらの仮説を支持する候補遺. Amo1dは、ニワトリの性は性染色体上のいくつか. 伝子として、Z染色体上に存在する刀M亙〃が挙. の因子がそれぞれ別の遺伝子カスケードを作り、. げられる。DMRT1はDMドメインと呼ばれる. それらが互いに影響し合うことで決まるという. DNA結合配列を持つ転写因子で、脊椎動物では、. 説を提唱した(P.Amo1d,2011)。これはつまり、. 雄の未分化生殖腺で特異的に発現している. DMRT1だけが鳥類の性決定を担っているのでは. (Morrisheta1.,2002)。ニワトリの0M児ク7は、. ないということである。このことをふまえて、私. 性分化が始まる前であるステージ21(3.5目胚)に. はDMRT1の上流に別の性分化因子が存在、ある. おいて、生殖腺原基で発現を開始する。また、雌. いはDMRT1の下流に、性分化において後天的に. よりも雄において発現が強く、未分化生殖腺が形. 影響を及ぼす因子が存在するのではないかと考.

(2) えた。. た。. 鳥類の性決定様式における、もう一つの仮説と.  すると、HINTZを過剰発現させた雌の生殖腺. して、W性染色体上にある。㎜Wr豚遺伝子が一性決. において、雄特異的に発現する遺伝子である. 定を担っているという説がある。㎜灰はZ性. 80〃や〃の発現が見られた。このことから、. 染色体上に存在する㎜の相同遺伝子である. HINTZが生殖腺の雑化に関与していることが分. (Hori et a1.,2000;0’Nei11et a12000)。」㎜. かった。また、通常の雌の生殖腺において発現が. を含む舳rファミリーはHistidine冊iad(HIT). ほぼ見られない刀Mπηの発現も見られた。そし. モチーフ(His・x・His・x・His・x・x;x、疎水性アミノ. て興味深いことに、∫〃wzと刀Mπ〃の発現部. 酸)と呼ばれる特異な配列を持っている(Bremer. 位が重なり合わなかった。この二つの結果から、. eta1、,1997)。しかしながら、孤VrπはそのHIT. HINTZがDMRT1の雄性化への遺伝子カスケー. モチーフが欠損しており、雄の生殖腺において. ドより上流に位置していることが分かった。また、. HINTZの遺伝子産物はホモニ量体を形成し、リ. HINTZはDMRT1の発現に対して間接的に関与. ジン基とAMPの間を加水分解する酵素活性を持. していると考えられる。これはつまり、HINTZ. つのに対して、雌では∫”W〃と㎜WZの遺伝. とDMRT1との間で仲介となる雄特有の因子が存. 子産物がヘテロニ量体を形成し、HINTZのホモ. 在することを示唆している。また、㎜πをノ. ニ量体に対してドミナントネガティブに作用す. ックダウンさせた雌の生殖腺において、雄特異的. ることで雌性化のシグナルが働くと考えられて. に発現する遺伝子である〃の発現は見られた. いる(Hori et a1.,2000;0’Nei11et a12000)。この. が刀M児〃の発現は見られなかった。. ような特徴から、舳〃と舳r〃こそが.  これら全ての結果は、ニワトリの性は1性染色体. DMRT1の上流で性決定を担う因子なのではない. 上のいくつかの因子がそれぞれ別の遺伝子カス. かと私は考えた。そこで㎜を2日胚以降の. ケードを作り、それらが互いに影響し合うことで. 雌の生殖腺で過剰発現させると雌の生殖腺の雑. 決まるというAmo1dの仮説を支持するものであ. 化により、性分化因子の発現様式に変化が現れる. ると私は考える。また、HINTZ/HINTWが鳥類. のではないかと考えた。また、㎜r〃をノック. において性決定の」端を担っていることを解明. ダウンさせることにより、㎜を過剰発現さ. することができた。今後は、HINTZとDMRT1. せた場合と同様の結果が得られるのではないか. との間で仲介となる因子の特定とHINTZと. と考えた。よって私は、ニワトリの2日胚におけ. HINTWとの生殖腺における相互作用について調. る生殖腺予定領域に対してエレクトロポレーシ. べる必要がある。. ョンを用いて㎜VZZの。DNAもしくは、ノ孤WW 遺伝子に対するsiRNAを遺伝子操作で組み込ん. 主任指導教員  吉岡秀文. だウイルスベクターを導入し、それらを過剰発現. 指導教員 吉岡秀文. させて、その胚が生殖腺を形成する9∼12日胚ま. で38℃のインキュベーターで艀卵させて、その. 後生殖腺を回収し固定し、sectionFISH法によ って各性分化因子の生殖腺での発現様式を調べ.

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参照

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