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嚥下困難者用食品の物性に関する研究

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(1)

嚥下困難者用食品の物性に関する研究

著者名(日) 熊谷 仁

雑誌名 共立女子大学・共立女子短期大学総合文化研究所紀

巻 20

ページ 15‑24

発行年 2014‑02

URL http://id.nii.ac.jp/1087/00002967/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

礁下困難者用食品の物性に関する研究

熊 谷 仁

1 . はじめに

近年.

6 5

歳以上の高齢者が日本の総人口の

20%

以上という社会の高齢化に伴い.礁下機能が低 下した高齢者が増加している1)食物が食道から胃という正常な経路を通らず,気管から肺へ到達 してしまうことを誤礁という.誤礁の大きな理由のーっとして食塊が咽頭部通過時のタイミングが とれないことが挙げられ.高齢者では食塊の咽頭部での流速が大の場合.通過のタイミングが取れ ない可能性が高くなる.よって.水やお茶などの低粘性の食物は誤礁しやすく.ゲル化剤や増粘剤 を添加して適度な かたさ"や粘度を持たせた食物は誤嘆しにくいと言われており.ゼラチンなど のゲル化剤や各種増粘剤を添加した様々な介護食の開発が行われている2.3) し か し 暁 下 障 害 者 にとっていかなる物性

( p h y s i c a lp r o p e r t i e s )

の食物が適切かの科学的根拠は明確ではない.

一般に,

r

べたつき

J

の度合いが小さく.咽頭部での「まとまりやすさ

J

が良好な食品が礁下機 能の低下した高齢者に適しているとされる.この場合の「まとまりやすさ

J

とは. 口腔内におい て食塊形成をしやすい"という意味である4) ゼラチンなどのゲル化剤を用いた食品がこうした意 味でべたつきはそれほどではなく. まとまりやすい"ことは.直感的には納得できる.現在.岨鴫・

噴き下障害者用介護食に関する研究や品質評価の領域では.この「べたつき

J . r

まとまりやすさ」を.

TPA

試験

( T e x t u r eP r o f i l e  A n a l y s i s )

から得られる付着性,凝集性というパラメータでそれぞれ 評価しようとする傾向が多く見られる.

TPA

試験では.円筒形の試料の上部にレオメータに装着 した平らなプランジャーを当てて上下して試料に大変形を与え.応力JlS.歪みの関係を測定する.

そして,応力JlS.歪み曲線から後述のように.かたさ

( h a r d n e s s )

.付着性

( a d h e s i v e n e s s )

.凝集 性 (

c o h e s i v e n e s s )

という

3

つのパラメータを求める4) 厚生労働省は.旧「高齢者用食品

J

(1

9 9 4  

年策定5))にあった「そしゃく・えん下困難者用食品

J

を廃止し「えん下困難者用食品

J

の基準 を策定した

( 2 0 1 0

年に消費者庁に移管)6). この新基準では.

TPA

試験で求められる「硬さ

J

(硬 さという漢字が用いられている).

r

付着性

J . r

凝集性

J

が礁下困難者用食品の指標として採用され ている. しかし

TPA

試験から求められるパラメータがヒトの口腔内における食物・食塊の挙動 とどの程度関連があるかの根拠は明らかでない.

TPA

試験で求められるパラメータ.特に「凝集性」

を まとまりやすさ"の指標とすることについては疑問がある4.7)

誤礁の大きな原因の

l

つが,上述のように咽頭部における食塊の流動性と密接に関係しているこ とから.誤嘆しにくい食品物性の解明のためには.咽頭部における食物の流速と食物の物性との関 係を検討するのが有力なアプローチである.従来.咽頭部での食物の流れは

X

線によるビデオ撮

影法 ( V i d e o f l u o r o g r a p h y .VF)

によって観察されてきたが.

VF

X

線を用いるために被験者に

‑15 ‑

(3)

鴨下困難者用食品の物性に関する研究

対する被曝の問題があり.繰り返し実験を行うことができない.また,

X

線造影剤を添加すると.

食物の物性が変化しうる問題がある.我々は,トロミ剤,ゲル化剤などから調製される食物につい て,超音波パルスドプラ一法により測定される流速分布と物性との関係について検討を行ってき た814) その結果.咽頭部最大流速

V

maxが誤暁しやすい水では大きく,誤明言しにくいとされる水で は小さいことから ,

V

maxが誤礁の危険性の尺度となりうることを提唱した

本研究では,本研究では.ゲル化剤から調製される試料を用いて ,

r

えん下困難者用食品

J

の基 準にある

TPA

試験および咽頭部流速の測定を行い,得られたパラメータと咽頭部の流速との関係 について検討を行った.また.物理的意味が明瞭な動的粘弾性やゾルの粘度15)の測定を行い.そ れらのパラメータと暁下との関係についても検討を行った.

2 . 方法

2 . 1 .

試料および調製法

試料としては.ゲル化剤であるpカラギーナン製剤(クールアガー.新田ゼラチン株式会社,大阪) を用いた.また,比較対照試料として,誤礁しにくいといわれているヨーグルト(明治ブルガリア ヨーグルト

L B 8 1

(低糖),株式会社明治,東京)および誤喋しやすいといわれている水(天然水 南アルプス,サントリーホーデイングス株式会社.大阪)を用いた.

三角フラスコに蒸留水を秤量し.所定量のpカラギーナン製剤のパウダーを添加し,マグネテ ィックスターラーっきホットプレートを用いて提祥しながら

80t

まで加熱を行った.さらに8O:!:

2t

を保持しながら

5

分間撹排して完全に溶解させた.室温下で

55t

まで降温し濃度調整後,直径

4 O mm

,高さ

15mm

のステンレス容器に分注し,

20t

の恒温槽に

2 2

2

時間保持したものを試料 として測定に用いた.以下 Kーカラギーナン製剤を用いて調製した試料をゲル化剤試科と呼ぶこと にする.

2 . 2 .   TPA

試験

装置としては.山電(東京)社製のレオメータ, レオナー

RE

3 3 ∞ 5 "

(以下,

RE

・1)と レオ

ナー

RE 2 ‑ 3 3 ∞ 5 "

(加速時聞が短い改良型,以下,

R E ‑ 2 )

2

台を用いた.

TPA

試験に関しては,

r

えん下困難者用食品

J

の基準の測定方法6)に準拠して,直径

40mm

の ステンレス製のシャーレに高さあるいは深さ

15mm

に充填した試料を,直径

20mm

,高さ

8mm

の樹脂製円筒型プランジャーを用いてクリアランス

5mm

(変形率

66.6%)

で.試料の中心部を

2

団連続圧縮した(図

1

(a)).得られたテクスチャー曲線(応力vs.歪みプロット)から,

1

回目の 圧縮ピークの高さ

H

であるかたき,その直後の引っ張り過程のピーク面積

B

である付着性,

2

回 目の圧縮ピークと 1回目の圧縮ピークの面積比

A

2

/ A .

である凝集性を算出した(図1(b)). それぞ れの機器および測定速度に関して,同一波度の試料について,試料調製を

2

回以上行い,

1 5

回以上

測定した.

測定速度については 基準での試験方法で定められた

10mmls

に加え.一般的に多く使われて

U

(4)

( a )

定速2固圧縮鼠験

87t:~~,~S'

( b )  TPA

曲線と各パラメータの算出法 応カ

(N/m2)  H:かたさ(N/m2)

B:付着性 (J/mJ) A~/A 1:漉集性

歪み

1 TPA

試 験

( T e x t u r eP r o f i l e  A n a l y s i s )

の概要

きた速度である

1

mm/sでも測定を行った.測定温度は

20t

とした.

2 . 3 .

超音波パルスドプラ一法による咽頭部の流速測定方法

超音波パルスドプラ一法による咽頭部の流速測定方法は.既報の方法とほぼ同様である814)

超音波測定には医療用超音波診断装置

SSA

3 4 0 A

(東芝メデイカル(株))を用い. ドプラー測 定が可能なリニアスキャンプロープ

P L F

7 0 3 N T

を装着した超音波の周波数は比較的深度が浅い 部分の観察に適する

5 . 0 M H z

を使用した.

被験者は.岨噌・礁下機能に異常のない健常女性とした被験者はなるべく自然な状態で岨鴫.

喋下できるように椅子に腰掛け,背筋を伸ばした状態で噴き下した明言下量は主として

6g

とした 喉頭蓋を通過する直前の食塊を測定するため.超音波の進行方向は,水平に対して上向きに

6 0

。の 角度に固定した.嘆下した食物の流速の測定は.パルスドプラ一法で行った.またプロープを当て る位置を特定するために

B

モード,カラードプラーモードを使用した

.B

モードは,超音波の反 射が器官毎に異なることを利用し 咽頭部の断面を観察して測定部位を確認する方法である.カラ ードプラーモードは超音波パルスドプラ一法で測定された信号がカラー表示される.超音波の信 号強度は咽頭部を通過する食物の小片の数に比例するが.その小片を以下,食物の粒子

( p a r t i c l e )

と呼ぶことにする.得られた流速スペクトルから.ノイズをカットし粒子が確実に存在すると考え られる流速から最大流速

V

maxを求めた.

被験者は岨噌・喋下機能に異常がない

2 0

歳代の健常女性

l

人とした本試験はヘルシンキ宣言 の精神に則り.共立女子大学・共立女子短期大学研究倫理審査委員会の承認を受けると共に.被験

‑17‑

(5)

膜下困難者用食品の物性に関する研究 者に研究の趣旨および試験内容を十分に説明し同意を得て行った

2 . 4 .

動的粘務性15)

動的粘弾性とは.物体に角周波数

ω [ r a

d/

s ]

の微小な正弦的な応力を与えて検出される歪みの応答 から求められる物性である.応力に対しての歪みの位相遅れ

δと応力と歪みの振幅から.試料の

弾性的性質を表す貯蔵弾性率

G ' [ P a ]

と粘性的性質を表す動的粘性率

η , [ P a . s ]

が求められる.また,

動的粘弾性測定から物質の内部構造や状態に関しての情報を得る場合.いくつかのパラメータを定 義しておくと便利である.損失弾性率

G" [ P a ]

は,

G"=ωη ・ ( 2 )

のように表される.また 動的粘弾性の挙動を解析する際.複素平面で考えた方が便利なことがあ るので.以下のように複素弾性率 G

・ [ P a ]

を定義する.

G. = G' 

+  i 

G"  (3) 

ここでiは虚数単位である.粘性に関しては,複素粘性率ザ

[ P a . s ]

を以下のように定義する.

η ・ =G ・

l(iω)

( 4 )  

(2), (3), (4)式から.

η ・ =η'

i η "

(5)  となる. ここで.η"

[ P a ' s ]

η"=  G ・

/ ω ( 6 )

で定義されるパラメータである.

動的粘弾性測定は,

AR‑G2 (TA

インスツルメント社製)および悶

l e o s o l ‑ G 5 ∞ o (UBM

社製)を 用いて行なった.

AR‑G2

においては.治具として主には直径

4 0

m m  (1‑,ギャップ

2 4

n )

のコー ンプレートを使用したが.低濃度試料で機器の感度的に測定が難しくなる試料に関しては直径

6 0 mm  ( O S

,ギャップ

1 5

n )

のコーンプレートを使用した測定波度範囲はト

5%

であるが,

1% 

台を中心に測定を行った.問

l e o s o l ‑ G 5 ∞ 0

における測定濃度範囲は

2‑5%

とした.測定温度は

2 0

℃とした.

2 . 5 .

ゾルの粘度15)

一般にゲル化剤を用いて調製されるハイドロコロイドの場合.低濃度においては流動性のある ゾル (501),高濃度では弾性を有するゲル

( g e

1)となる.液体の流動性の程度を表す物性値が粘 度 (

v i s c o s i t y  ) μ

で,その挙動からゾルとゲルの境界であるゾルーゲル転移点

( s o l ‑ g e lt r a n s i t i o n   p o i n t )

を知ることができる.

液体の粘度(流動粘度

) μ

は以下のように定義される.

τ=μ す (7)

ここで

. τ

はずり応力,すはずり速度である.(η式から,粘度μの値が小さいほど,流体は流れや すいyに関わらずμが一定の流体をニュートン流体というが,多くの食品洛液は粘度

μ

がずり速度

‑18

(6)

に依存する非ニュートン流体である.非ニュートン流体に関して議論をする場合.ずり速度すを規 定する必要がある.

また.液体の場合.粘度

μ.η'

いずれも実測可能だが.この液体に関する粘度

μ

と動的粘性率と の関係を示すのが

C o x ‑ M e r z

の経験則15)である

.μ=μ(

) ( f

粘度

μ

がずり速度すの関数

J

の意味)

• η

(ω).η'=η , (ω).η"=η" ( ω )

であるが.

C o x ‑ M e r z

の経験則は.

y  = ω

のときに

. μ

と複素粘 性率

η

・の絶対値

1 1 1

・│が等しいことを主張しており.数式で表すと以下のようになる.

μ=1η ・ 1( =  ( η + η 1 1 2 )

a t y

=

ω ( 8 )  

た だ し レ オ ロ ジ ー で は 習 慣 上 . が の 絶 対 値 │η・│を単にがと書くことが多い.また, η"が小 さい液体では.ザキ

η '

となる.

粘度測定には.不均質な試料の測定も可能な

B

型粘度計.

BL/50 

(東機産業)を用いた.

5 0 0 m l  

(内 径

90mm)

ビーカーに試料を入れ.回転数

6 . 1 2 .   3 0 .   6 0  rpm

での

2

分 後 の 粘 度 を 測 定 し た 測 定温度は

2 0 ・ C

とした.ロータは試料の粘度に対応したものを.

N o .  1  ~ 4

および

BL

5

種類の 内から選択したまた.回転数は東機産業が示している換算係数を用いて.ずり速度すに変換した.

3 . 結果と考察

最初に.用いたレオメータ (RE・1およびRE・2)および測定速度によるテクスチャー曲線の差異 について述べる.図

2

(a)に.測定速度

1mm/s.

2 ( b )

には測定速度

10mm/s

での測定により

( a )

測定速度

Immls

3000 

2500 

も 2000

5 1 5

10

500 

mω│二巴│

︒川司

令﹄園町S

AU  川 m l 測 定 速 度  

t o  

側 側 側

aτ34

r s ζ

門 別 世

1000 

3 4 5  

ー 時間(s)

図2 ゲル化剤試科 (3%)のTPA曲線

‑ 1 9

(7)

膜下困難者用食品の物性に関する研究

得られたゲル化剤試料(濃度

3%)

の測定温度

20t

におけるテクスチャー曲線を示す.装置の応答 遅れの程度を明瞭にするために.横軸は時間

( s )

としてある.図

2 ( a )

に示す測定速度

1 mm/s

に おけるテクスチャー曲線に関しては

2

つのレオメータで得られたテクスチャー曲線の波形がほぼ 一致し,時間的なずれはほとんど認められなかった一方.図

2( b )

に示す測定速度

1 0 mmls

のテ クスチャー曲線に関しては

RE

1

R E ‑ 2

では波形が大きく異なり

2

回の圧縮にかかる時間にお いても

R E ‑ l

を用いた場合にはほぼ

7‑8

秒であるのに対して,

RE

2

ではほぼ

5

秒弱であった.つ まり,厚生労働省の基準にある測定速度

1 0mmls

の方が.使用機器による測定値の差異が大きい ことがうかがわれる.

図 3に.ゲル化剤試料についてかたさ.付着性,凝集性の濃度依存性のゲル化剤濃度依存性を示す.

浪度増加にともなってかたさの値は増加し.付着性についても増加する傾向はみられた.

しかし

10)()O

1:'

1 ∞ ∞   ε 

ζ 

‑4tI 

~

100・一一

10O 

2  3  4  5 

遭度(%)

; . ‑ 令 ー

1mmls(RE1

10nun/s(RE1)

‑+‑mmls (RE2)

?‑10mmls(

阻弓

1000 

10 

(

ε

﹃) 割拠 怠

。 4 

胡蝶 制時

。 。 5 

TPA曲線から求められるパラメータの漉度依存性

‑ 2 0 一

2  3  4 

温度(%) 図

3

(8)

凝集性については,濃度に対する単純な増加あるいは減少の傾向はみられなかった.また,図

2

の テクスチャー曲線の差から予想される通り,装置

RE

1

R E ‑ 2

とで測定値にかなりの差がみられ.

凝集性については.その差が顕著であった i~IJÆ速度については.

1  mm/s.  1 0  mm/s

での測定値 に多少の差がみられた.

4

に.超音波測定によって得られた咽頭部最大流速

V

maxのゲル化剤濃度依存性を示す.図に は比較のため.誤噴きしやすいとされる水と誤礁しにくいとされるヨーグルトの

V

m副のデータも示 しである

V

maxの値は.濃度の増加に伴って減少しヨーグルトの値に近づく傾向がみられた.こ のことは.既報の結果8‑).1)と同様で.誤礁の要因や鴨下困難者にとってゲル化剤を用いた食品やヨ ーグルトが誤嚇しにくいという経験則と矛盾しない.

(

、ε、0.8 

震 語

E

0.2 i 

、 H

.~カラギーナン製剤'

0

ヨーグルト 1 

。 水

~

弘 一

H

.度(%)

4

咽頭部最大流速

V . . . .

の漉度依存性

TPA 

測定から求められる

3

つのパラメータ かたさ 付着性凝集性の中では.かたさが濃度 に対して単調に増加しており(図

3 ) .

濃度に対して単調に減少している Vmax (図

4 )

との相聞は最 も高いと予想される.そこで 図

5

に 装置

R E ‑ 1

を用いて得られたかたさと咽頭部最大流速Vm

との関係を示す.図には比較のため.水とヨーグルトのデータも示しである.かたさの増加に伴っ て,

V

maxの値は減少しヨーグルトの値に近づく傾向がみられた.また,かたさの値が約

1 0 0 0N/ 

m2以上あれば. ヨーグルト並みの

V

回眠値になることも確認された.このことから ,

TPA

試験か ら求められるパラメータの中ではかたさが誤礁の危険性の尺度となりうると考えられる. しかし 図 2や図 3で見られるように.かたさの値は測定装置によって異なる.

6

に,ゲル化剤試料の動的粘性率

η

(ω=6 . 2 8  r a d / s )

と粘度μ(

す= 6 . 6 8 s ‑

l)の濃度依存性を示す.

Rh

o s o l ‑ G 5 0 0 0

および

AR

G

22

つの装置間で.濃度

2%

以上で測定した

η '

の値には大きな差異はな かった.このことから

.η'

は.

TPA 

測定から得られるパラメータに比べて.装置依存性がないこ とが確認できる

. η

・は.濃度上昇に伴い増加する傾向が見られたが.

1 . 5  ‑ ‑ 1 . 6%

では増加傾向が 顕著であった.また低濃度領域では.粘度μとη

'

は近い値となった.ωとナの値が近いときに

.η'

とμの値が近いのは.上述のように

C o x ‑ M e r z

の経験則により説明できることであり,増粘剤に関 する既報の結果12)ともほぼ一致する.こうした

η '

および、μの挙動から.用いたゲル化剤に関しては.

‑ 21‑

(9)

( a )

測定速度

Im

m/

s

06L 

0.5

J0.41

3

0 3 ; 三竺治 : : 。 : : i  C

0.2

r

・ ・

ヨーグルトのVm.u

I ! P  

0.1 

膜下困難脅 I 1 1 食品の物性に│則する研究

l

∞ 00 ・

K カラギーナン製剤

ム ヨーグルト(1IIIIII/s) A

ヨーグルト

(10

n l l u s )  

100 

(

同)測定速度

b

lωOmmn叫1ザ/

̲ ^' 

t o 

♂ υo 

E  ,

0.5 

::..‑ I 

  .

OA

t~

要 。 3 ト ・ ・ . . . . . . .

1 1

  ^ ~ [ : : : > : : : : : : : : : : : 込 ‑ x . : ア : e : : : : ; Cコ

0.

ヨーグルトの

v

! I  

0.1 

1000  かすこさ(NIII1

Z )

I( 10000 かたさ(N/m')

100 

咽頭部J~大流述Vnl.l._\とかたさとのl則係

ゲ ル

6 . 0  

5.0  4.0 

1 I  

AR・G2 ロ

1 /

Rhcosol G‑5000  61/03型給度計)

.司

ji 0 

・ 4 ・

j ヤ j

‑ " ^~; ! 6  : 

1.0  2.0  3.0  温 度 (%)

医 1 5

10

∞ 

100 

(挽

‑e

︒b

10  ゾル

ロ ロ 0.1 

0.01 

0.001  0.0 

ゲl

化弗

l 試料の動的粘性慾

1]

・と粘 l 変 μ の i 庚 J 変依存性 ω=  628  r a d l s   y=  6 . 6 8   s

8

‑ 2 2

ー 図

6

(10)

ゾル・ゲル転移濃度が1.

5 ~

1.

6%

付近であることが示唆された

7

に.動的粘性率

η '

と咽頭部最大流速 Vm蹴の関係を示す

V

maxの値は

.η'

の増加に伴って減 少したが.その減少率はゾル領域では大きく,ゾル・ゲル転移点付近から次第に緩やかになり.ゲ ル領域ではヨーグルトの

V

maxの値に近づいた.また.長谷川らの報告別0)どおり.

1  P a ' s

でヨーグ ル ト の 流 速 に 到 達 し た よ っ て 動 的 粘 弾 性 率 η'は.噴き下困難者用食品物性の指標になりうること が示唆された

ゾル・ゲル転移領様

06! ー し ; 水 ι 

ARG

L .

  1

ロ 町E即 却

lG

. 5 0 ω 1! 

:::..~ 0 . 5   I 

憎 0.4ト ・ : 

~ ~'.: l:~::::::::::::::::::::::::~::伯尚... . や

"

"

  I 

ヨーグルトのy

0 . 1

1" ゾル ゲル

│ 

官。│<:=:==> ~ご 1 二>1

動的粘性寧ゲ (Pa• s) 

図7 ゲル化剤試料の咽頭部最大流速V聞とη'との関係

ω=  6 . 2 8   r a d l s   y =   6 . 6 8  

S.I 

以上.TPA試験から求められるパラメータの中では.かたさが咽頭部最大流速

V

m凶との相関が 高く.明言下困難者用介護食の指標となりうることが示された. し か し 図2や図3で見られるよう に.かたさの値は測定装置によって異なる.噴き下困難者用介護食の指標としては.当然のことなが ら.測定装置に依存しない物性値であることが望ましい.図

6

に見られるように,動的粘性率

η '

は.

咽頭部最大流速

V

maxとの相関が高いうえに.装置によらない物性値である.よって.礁下困難者 用介護食の基準としては,

η '

の値の範囲についても検討すべきと考えられる.

4 . 結論

(1)  TPA試験から求められるパラメータである,かたさ.付着性.凝集性の値は測定装置によっ て得られる値に差異が見られたその差は,厚生労働省の基準にある測定速度10mm/sの方 がレオロジー測定でよく用いられる 1mm/sの場合の方が顕著だった.

( 2 )

かたさは咽頭部最大流速 Vnwcとの相関が高く 嘆下困難者用介護食の指標となりうることが 示された.

(3) 動的粘性率

η '

は,咽頭部最大流速

V

m副との相闘が高いうえに,装置によらない物性値である.

よって.鴨下困難者用介護食の基準としては,

η '

の値の範囲についても検討すべきと考えられ た.

(11)

暁下困難者用食品の物性に関する研究

引用文献

1 )  

総務省. 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施の状況に関する年次報告..平成

20

年度版.

2 )  

藤谷順子,金谷節子.林静子編:

r

嘆下障害食の作り方J

.

日本医療企画.

22 .  

3 )  

高橋智子:摂食と鴨下.

r

おいしさの科学事典J

.

山野普正編.朝倉書脂.

2 ∞ 3 .   pp.329

3 3 6 .

4 )  

熊谷仁.谷米(長谷川)温子,田代晃子,熊谷日登美.化学と生物.

4 9 .  6 1 0

‑6

1 9  ( 2 0 1 1 ) .   5 )  

厚生省生活衛生局新開発食物保健対策室:高齢者用食物の表示許可基準の策定について(1

9 9 4 ). 

6 )  

厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知:特別用途食品の表示許可等について

( 2 ∞ 9 ) .

7 )  

K. 

N i s h i n a r i .  

K. 

Kohyam a .   H .  K u m a g a i .  T .   F u n a r

凶.

and M. 

C. 

Boume. 

F:∞

dS ヒ i e n c eand T e c h n o l o g y .   R e s e a r c h .  1 9 . 5 1

与‑5

2 1

(初1

3 ). 

8 )  

長谷川温子.乙黒明子.熊谷仁.中沢文子.日本食品科学工学会誌.

5 2 . 4 4 1

‑44

7  ( 2 ∞

1

5 ) .  

9 )  

長谷川温子.中滞文子.熊谷仁.日本食品科学工学会誌.

5 5 .

お0‑

3 3 7( 2 ∞ 8 ) .  

1 0 )  

長谷川温子.中滞文子.熊谷仁.日本食品科学工学会誌.

5 5 .   5 4 1

5 4 8( 2 ∞ 8 ) .  

1 1 )   H .  Kumagai. A

.

T a s h i r o .  A

. Hasegawa. K

.  Kohyama

dH .  Kumagai.  Food S c i e n c e  and T e c h n o l o g y ,   R e s e a r c h .   1 5 .  2 0

3‑

2 1 0  ( 2 ∞ 9 ) .  

1 2 )  

A.

T a s h i r o .  

A. Hasegawa. K. 

Kohyam a .   H .  K

n a g a i .and H .  K u m a g a i .   B i o s c i .  B i o t e c

h. 

B i o c h e m . .  7 4 .  1 5 9

8‑

1 6 0 5  ( 2 0 1 0 ) .  

1 3 )  

A.

T a s h i r

・'0.K. 

O n o .  A

. H

a s e g a w a ‑ T a n i g o m e .  H .  K u m a g a i .  and H .  K u m a g a i .  J a p a n   J 

F:∞d En ,.g

1 1 .  1 7 7

1 8 5  ( 2 0 1 0 ) .  

1 4 )  

谷米(長谷川)温子.小倉聖美.秋問彩香.神山かおる.熊谷日登美.熊谷仁.日本食品工学会誌.

1 4 .   8 7 ‑ 9 6  ( 2 0 1 3 ) .  

1 5 )  

熊谷仁.熊谷日登美,日本食品工学会誌.

1 0 .  1 3 7 ‑ 1 4 8  ( 2 ∞ 9 ) .  

1 6 )   W. P .  C o x .  E .  H .  Merz.J  P o l y m .  5 ヒ : i . XXV m .   6 1

9‑6

2 2  

(1

9 5 8 )  . 

参照

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