Non‑directive(非指示的)方法並にその批判と、
これを補わんとするNon‑authoritarian
(非権威的)方法の方向について
―治療心理学論争の新しい方向―
澤 英 久
〔1〕緒 言一一相談と指導との差異
本稿に入るに先だつてCounseling(相談)とGuidance(指導)との相違につv・て明確に して置ぐ必要を感ずる。 〔(指導)は個人の惰緒,教育,職i業,並に一身上の聞題につV・て指 導者が個人を援助し認る程度個人の立場を瓦硯して忠告,勘告,点出,暗示等をなすに議して
(相談)は上記の部面に封して個人が如何なる在り方に適鷹するかを確かめ,個人が理解し,
個人が適用しようと企圖するように,個人と協議し,相談し,個人の要求を基盤として,個人 を援助しようとするものである。〕斯く定義すると直ちにGuidanceとCounselingの二者 の相違につv・て疑問が生じて湿るであろう。即ち上記の定義を認めるとすれば,Guidanceは
.歴制的であり,Connselingは民主的であることを是認することになる。このようにGuidance とCounselingは言葉の持つ意味が一面,前者が樺威的であり,後者が相談的であるのであろ
うか。
BlumとBalinskyは Guidanceという言葉は歴更的意義を持っているが,:最早時代邊 れめ感があって,現在ではCounselingなる言葉が人口から好まれ流行してv・る。こうなった 理由は多分,今迄のGuidanceの〔仕:方〕が極めて直接的,字面的,忠告的であった爲であっ
て,現在では之に及して,その方法,技術が能動的でなくなったからであろう。そうして Counselingとv・う言葉がGuidanceという言葉よりも・より上記の性質をより多く含んで いるのである。そこで我汝はこの趨勢に從ってCounselingとv・う言:葉を使用することにす る 1)と構してv・るのに從って本稿に於てはGuidanceなる語を慶して,專らCounselingな る語のもとで面接技術について論述する。
q〕非指示的方法
さて,所謂〔面接〕技術は患者と相談者とが會話を通して思想や態度を交換し,その結果,
患者の持つ問題を解決したり,少なくとも患者の態度や行動に或る程度の攣化を來たそうとす る目的を持って計劃される患者治療の一方法である。三って・その場の關係を親密にする爲に 原則的に面接の場には一入の患者と一人の相談者がいるにすぎなV・のである。ここに於て考え のられることは面接に於て患者と相談者との何れに重点が置かれるべきであるか,或は何れにも
重点が置かれなv・ものであるか,ということである。この重:点の野方によって面接技術の在り
:方がi墜化するであろうことは容易に想像され,ることであって,相談者に重点を置ぎ相談者の思 想,態度によって患者に影響を及ぼそうとする〔灌仁君方法〕或は〔指示的方法〕はBlum及 びBalinskyが指摘してv・るように〃相談者中心の面接は,相談者を中心として蓮行ずる。相
談者は友情的に患者と親密になろうとする。相談者は活躍し,屡汝自分の態度や感情を●自由に 表現する。而して相談者は面接の主導性を持ち,屡汝早計にも患者に暗示を與え,患者自身の 感情,態度を十全に嚢展させようとしない。即ち相談者は磁心を有し,潜門家を以て任じ,主 導性をi持ち,評比し,忠告するのである。〃2)
上記の簡軍な面明で明らかなように〔虚威的面接〕は出盛的方式や鑑定なしに展開,される。
即ち〔灌威的面接〕は屡汝患者の要求を十分吟味することなく,相談者が最善と思う通りに面 接を処理して行くのである。その結果相談者が画面者として患者を璽迫する爲に〔樺威的面 接〕は患者と患者の持ってV・る問題とを消え失せさせ,患者の行動を権威者としての相談者の 水準にまで引き墨げさせることになる。その結果,患者は相談者の忠告に適磨出來す,實行不
可能に陥り面接の目的を十全に達成し得なV・ことになるのである。
例えばCorsiniは男子囚入の職業相談の取扱で〔権威的面接〕の方法を用いて,相談者自身 が囚人の職業を選点し,渤寵し,忠告した結果失敗したことを報告してV・る。而してその経1瞼 の結果〔椹威的〕乃至〔指示的〕面接の方法を排除したのである。3)Corsiniの方法は確かに
⊂指示的〕方法を排除しようと努力したにも拘わらすRogersの批判するように,完全な:意 味に於ける〔非指示的〕でなくless−directive〔指示の僅少な方法〕であった。りそれにも拘 わらすCorsiniは彼の方法によって〃囚人の職i業相談は知識,勿論それは重要:なことである けれども,それが最も重要なことでなく,面接に於ての中心は情緒の問題である。多くの曲解 は何を爲すのが最善であるかを知っているのであるが,情緒的理由でそれを行爲に移さなv・の である。患者の心緒と感情の眞に重要なことを忘却する爲に,Counsellingが失敗に終ること をCOrsiniは認めるに至ったのである。5)
i衆知の如く我汝は〔理論で読得させ感情で挽服させ得なV、多くQ事實を知ってV・る。〕それ.
程に人聞の持つ本質的のものは情緒と感情に裏づけられているにも拘わらす,一般には,この 根抵におる情緒と感情 との封策を講じなV・で,表面的言動を毛焼に認めようとするのである。
而してこの表面的言動のみに重点を置くこと,換言すると〔人間は一般に情緒的に熱心されな v・ものである。〕とv・う立場に立つことによって〔樺面的面接〕の成功を期することは理論的 にも,現面的にも不可能なことである。
ここに於て〔面接〕の中心を相談者に置くことを止め,情緒と感惰に色どられた患者の側に 置くNon−directive〔非指示的〕面接技術が考案される。
この技術は衆知の如くRogersの経験の結果公式化されたものであって,彼の立場は(個 人は能力を有し,成長嚢画するものである。)とv・う理論D上に立ってv・る。其故にRogerS は相談者は患者の内に成長島民する力の表現を助けるべきであるとして,次の條件を列面して
V・る06)
(1)〃個人は基本的に自已自身責任を持つ〃という原則を守ること
(2)〃患者は:成熟し,祉面的に適磨し,猫愉し,生産的になり度v・と強く欲している〃こ とを認め,相談者自身の力によらないで患者の持つ力を認めること
(3)〃患者の持つ態度や感情の自由な表出〃をさせるごと
(4)制限を置くとすれば簡軍な行動制限,例えば窓を破壊したり,面接中,室から出るこ とを禁止するが,熊度の制限,例えば窓を破り度いという感情の制限はしなV・。
(5)相談者は面接中に上記の手績や技術のみを用い患者の情緒化された態度を其儘,明確 化し,相談者が患者に溢して質問したり,探りを入れた・り,非難,解繹,忠告,暗示,
影面,或は患者を安心させたりするような態度に酷なv・で,何処までも患者の問題は患 者によって解決させるようにする4と。 −
一51一
以上のことを更にRogersに從う〃と効果的な相談助言とは明確に構成された受容的關係に 於て患者をして自己自身を理解せしめ,新しい方向をめざして,積極的に歩み得るようにする
ことである。〃7)
吾人は本稿を明確にする爲に〔非指示的方法〕の一般的論述を去って具体例を引用すること にする。8)
患者は30才の女性,彼女は他人が彼女を批評するのを怖れて屡汝暉がする。
患者:その通りです(同意)(長い休止)若し私が直ちに仕事につV・たとしたら雇主によ くなV・であろう。私。ほんとうに,このような氣i持の時に,良く行くとは思わない。
(自己に出して消極的態度)o私はそう直りて》・いであろうか。この点が私にとつ で重大な問題です(洞察一自己の心中で葛面している)。
:相談者:あなたはうまく行くまV・と思っている。同時にあなたの心の申に疑問が起ぎてV・る。
(感情の明確化)
患 者:その通りです(同意)(休止,笑う)あなたは首を振っている(否定的)そうなの ですか。(相談者の指示を求めてv・る。)
相談者:あなたは私が答を知っている筈だと思っている。(感情の明確化)
患者:そうです(同意)仕事につくことが雇主に魅して正しい事であろうか(休止)。正 當でしようか(情報を求めてV・る)。
相談者:あなたぱそうすることは雇主をあざむくかも知れなv・と思ってv・る。
患者:そうです。前にもそう言v・ました。(長v・休止)(笑う)。答は何だろう。答を私 が予想していいだろうか(情報を求めている。但し,相談者に封して消極的態度と、
なる。)
相談者:あなたは自分で答がみつかるかどうか疑ってV・る。そうですがね。
患 者:私は:以前より梅底から攣化して來たようだ。態度其他にも攣化があるように思う。
具体例で明瞭であるがJonesに從ってRogersの方法を夏に整理段階づけると。
(1)患者が助けを求めてやって鳴る。
(2)相談者は忠告したり,働止したりしない。相談の時闇は患者の:專有である。從って相 談者は患者が自己の感情を自由に表現し得るように,患者を地幅づけるが,読得する ことなく,患者の自由な表現を受入れてV・るにすぎない。
(3)相談者は患者の表現している知的文脈或は亦,善悪の問題に慮じなV・で,患者の〔感 情〕に鷹じてやらなければならなv・o即ち患者の〔感情〕を相談者が言語化し,明確 化してやらなければならなV・。これが最も重大な段階である。
(4)患者の〔感情〕は最初は消極的であるが,漸次積極的となり,洞察可能となれば,既 に新しい統合の水準に前進したことである。相談を繰返すことによって統合された積 曽 極的行動が増加して痴る。
(5)最後に患者の猫立心が増大し,相談者からの援助が不要となる。g)
以上の段階をたどる〔非指示的立場〕はHadleyによれば〃:第一に各患者は:彼等の生活中で 彼等を不幸と苦痛にさせる力を理解する基本的能力を持ち,第二に各患者は:窮極的には患者の 努力によって彼等の生活中の悪しき・力に打ち勝ち,よぎ力を増大することが出湯る。而して第 三に以上の力は友情,親切,理解ある寡圃氣申で容易に,速かに,より効果的に作り出され
る。ハ。)とv・う〔假設〕を信じているのである。其故に〔面接〕は:〔上記の力の檜大を持ち來 らす情勢の形成〕即ちLewin, K・のv・うB=f(P・E)の公式に而て患者Pが猫二二に環境Eを 統禦し得るようにP其自体の性格形成をめざしているということが出門る。11)と同時に
:Lewin, Kの使用するJordan curve12)即ち閉ざされた領域としての境界を相談者の力に よって開かれた領域としなv・で,患者自身の内面力によって∫ordan Curveの境界膜を浸透さ すか,或は境界膜を貫通させる,その方法を患者自身に見出さすこと,一立場を攣えると患 渚肯身にそれだけの力があるか否かが問題として残るのであるが一即ち見透をつけさせるこ と,換言すれば感情によって遮断され,閉じ込められた領域を,開くことによって,生活室間
・の全領域に行動を振大して行くζと,或は亦Lewin, K.の〔廻り道〕即ち迂路の理論を用v・
て,感情のベールに包まれた患者の進路を感情の明確化とV・う手段を用いて再体制化を策する こと,13)斯かる解決こそ永遠性を持つものであり患者の心身に一大攣革を來たすて面接方法〕
の一画革命である。即ちRogersが言うように〃この方法は古からの方法とその目標が全く 一異なっている。即ち,この新しい方法は,若も相談者が問題の解決に力を貸すならばこのよう
な結果となるであろうと予想するよりも寧ろ患者のより大をな自律性と統合とを直接に目指し ている。焦点は人闇であって〔指示的方法〕の目指す如き具体的問題其者ではなV・。一りの特 殊な問題を解決するのが目的でなく,個人を援けて成長させ,現在の問題及び將來の問題にi封
して,よりょく統合された方法で解決出翻るようにするのが目的である。〃N)其故にRogers 獄〔相談〕とは〃第一に,個人が成長し健全になり,心密に向ってV・るのであるとV・うことを 極めて重撫しているのである。治療は個人に幽して何かするということでもなければ,個入を
して自己自身に封して何かさせようとすることでもなく,正常に成長し嚢展するために解放し 再び前進語誌るように障碍を除去することなのである。:第二に,知性に急ぎを置くことよりも 情緒性即ち其:場の感情的な面に重をを置v・てv・るのである。盗みをする少年はそれが悪v・こと であり,感心すべぎことでないことを知っているし,客室から逃げ出す大面生は:,そうしては:
いけなv・理由を知的に承知してv・るのである。從って,これを除去する方法は,知性的な仕方 で情緒的な再体制化を企歯するよりも寧ろ,出來る限り,直接に感情や情緒の王國え働きかけ ようとするのである◎第三に個人の過去に於けるより.も現在の場により大く重心を置いてい る。即ち他の方法に於ては面接後,個人は成長し,輻換し,より良く決心するように期待して いるのであるが,この:方法では面接其自体が成長する経験なのである。個人は面接に於て自己 自身を理解することを學び,自主的な選揮を効果的ならしめることを學びとるのである。この ことを他の例を以て読明すれば,盛宴教育は人生にとって準備であるか或は虫魚教育自体が人 生であるかと問はれた際には,〔非指示的方法〕は後者の立場に立つものであって,面接自体 hが患者の韓換であることを強調するのである。15)
然しながら,ここに注意すべき・〜=とは,Rogersが彼の:方法に:よって〔構面的:方法〕や〔指 示的方法〕によって失敗に終った患者に画して〔非指示的方法〕を用いて,治療に成功してい
るにも拘わらす,その成功の範園に極めて注目すべき ものを見出すのである。
即ち第一に〔非指示的方法〕では第一表の示す如く 知能低き・患者 に亡して不成功に慮る率が大である。第二に,年令的にみて老年者 が一大体50才以上一自己の生活を面体磁化することが不可能で ある,第三に,倉話を中心とする〔面接〕治療に於ては10才以下の 子供に封しその効力を獲話し得なV・ようである。16)
更に亦,〃虚血的,精神的,其他家庭の影響等を考慮して,患者 との面接を開始するに當って患者が生活過程を攣える力,若はその 能:力を畑島し,而して患者の資質が余りに貧弱過ぎるならば,治療
第 一 表
・・Q■不成功率
70〜79 80〜89 90〜109 110〜
66%
23〃
21〃
10〃
の大道としての〔相談〕は役に立たないようである。〃と述べて,Rogersは:〔非指示的方 法〕の限界を示してV・るのである。1コ)
一53一
〔羅〕非権威的方法
〔非指示的方法〕は方法として正しい処法である。然しながらRobinsonが指摘するよう に,〃この方法の欠陥は相談者に融通性が許されてv・なv・とv・うことである。 (嚴格にも患春 の感情の明確化のみに終始し,それ以上一歩も出ようとしなV・のである)。從って,〔非指示 的方法〕では,面接討論の後,患者に試して,患者の持ってV・る困難さにつV・ての理解,分析了 解を得させることは出由るが,換言すると,患者が自己の無能力を治療したv・と決心すること を援助出來るかも知れなv・が,然し,この患者の持ってv・る困難さを治療することについては興 味がなv・のである。即ち患者は問題を理解するが患者は依然として困難さから逃れることが二 面なv・のである。〃18)と非難してv・ることは是認きるべき・ことで患者が自己の持ってv・る問題 や面接によって明瞭にし ,自己分析し,而も,その困難を自己の力によって或は自己の資質に
よって打解し得る能力の所有者のみ〔非指示的方法〕によって威功することを物語っている。
〃患者の力のみを認める。〃 〃患者民心に徹底する。〃而して桐三者はこの限界を一歩も出な V・立場に立つ〃非融通性〃,これが=非指示的方法〕をして部分的には徹底的に成功させると同 時に他方に於て極めて独い二二に閉じ込められた方法たらざるを得ないことになるのではある まいか。(非指示的方法〕の立場に立つ精脚療法者達もJonesが言うように〃非指示的方法が不 適二者の総てに當はまると高言しているのではなく,この方法は:不適二者が情緒的障碍を二っ ている時に役立つと考えてv・るのである。從って感情障碍をほぐす一方法なのである。〃・g)
声言教育では種汝の型の不適豪者がv・る。情緒障碍を含んだものも,そうでなv・ものも雑多 にv・るのであるから,井坂氏が〃常に,v・かなる患者や問題に封しても指示的立場をとり得る 相談もなければ,亦,同じく患者や問題によっては指示的なものも幾らか必要もあるのである。
一所謂directive(指示的)の意昧ならば賛成しかねる。患者申言で患者の自発活動を援助する為の融通 性,伸縮自在の意味で賛成する。斯く解釈しないと患者のneedsに応ずることと矛盾することになる一 要は相談はあくまで患者の必要(needs)に懸じ,効果的な助力を與えるようなServiceであ ることを本体とすることであり,相談がその正しV・機能を失わなV・限り患者の自己理解,自己 制断,そしてそれに基く患者, 自らの行動の改善と進歩が目的でなければならないからであ
る。從って,如何なる立場をとるべぎかは相談者自ら渉決定するのではなくて,患者及び:その 問題によって決定されるものであるとv・わなければならなv・。〃恥と言ってv・ることは,
Thoナneが〃最善の技術は二三な規則や組織の中に成立しなv・で,各個人の情i勢につv・ての それに即した特殊な要求(needs)に鷹する方法に適合しようとすることの中に成立する。〃2、)
と言っている事と併せ老察する時,〔非指示的方法〕が相談の唯一一の方法であると強調する人 欧に警告を高したものと考えることも出山る。
ここに於て〔非指示的方法〕の〃非融通性〃を補う爲に出現したと考えられるものが〔非僅 威的方法〕であると思うのは誤りであろうか。〔非樺威的方法〕は〔椹面的方法〕の相談者中 心に樹立して患者中心主義でありながら〔非指示的:方法〕の如く〃融通性〃の欠陥したもので なV・と話している。從って,この方法は,〔非指示的方法〕と同様,患者中心に面接し,㌔患者・
の資質により,患者が自嚢活動し得る限りに点て,患者其自体の再体制化鷺目標としているの であるが,患者の無力を診断し,その処置の必要を感ずる時は,患者に封し,暗示,忠告,論 得,安心,解繹,情報,其他,環境の巧みな取扱を試みるのである。勿論その暗示其他は生の ものでなく,患者自身が自己螢展し,その忠告によって,合理的或は情緒的に健康な決定に達 するような技術を用いるのである。
Thorneは〃指示的にも非指示的にも各種の段階がある〃22)という。〔非灌威的方法〕は患 者中心とV・う意味で〔非指示的方法〕の側に立ちながら,その方法が固定せす,伸縮自在であ
ることを特色とする。而してこの:方法はThorneの提唱する Directive Psycho therapy 一言葉の嚴密な意味に於て指示的と繹することは當らないようで,所謂Rogers一派の非指示
,的方法の非融適性を補うものと考えることが正當と思われる一一或は Dynamic therapy
(力動的治療)一一力動的治療は情勢に於て與えられ,力の相互作用から刻汝導き出され,即 刻鷹用されるものである一に類似したものと老えられるのである。即ち〃患者の治療は〔非 指示的方法〕のように患者の感情を明確にするだけで面接過程が完了したとすることは出來な v・。患者が自己の惰態や葛籐を認めたり,明確にしたりした後に,理解の段階を超えて行くこ と,即ち患者の將來の行動に証して組織づけられた計劃を建てることが一般に必要になって來 る。この將來に封ずる再体制化を患者の大部分は自力でなし得なv・。〃23)そこに〔非指示的方 々〕の不備があり,その欠を補う意昧に於ても〔非蝿頭的方法)の蓬頭を見出すことが出配る。
:Keetは二つの面接技術,即ちExpre$sive〔表現的:方法〕とinterpretive〔解読的方法〕
を用いて,その爾者につv・て比較評臥してv・る。彼の用いた〔表現的方法〕は〔非指示的方法〕
に,〔解読的方法〕は〔非樺威的方法〕に夫汝類似したもので,〔表現的:方法〕では患者の表.
現のみが唯一の方法であるが,〔解設的方法〕では患者の自由な表現が望ましV・時には〔非指 示的方法〕のよ5に相談者は受身的,消極的になり,解読が必要な時には相談者は,患者の自 嚢活動を考慮に入れながら,積極的になるというように,伸縮自在の立場をとるのである。
Keetは實験で30人の患者を用いて,その患者に語の連想テス㍗を施し,情緒障碍を嚢熟し ようとした6手綾は先づ中性の語と同時に障碍と蓮合する語,traumatic word(創傷語)を 含ませた學習晴勢を設定した◎患者は一一般に中性語は想起するが,創傷語は想起しないであろ うと予想されてv・た。事實30人中6人は創傷語を想起したが折りの24人は失敗した。第二段の 手纏で患者に創腰当を想起するようにする爲に,13人に〔表現法〕12人に〔解読法〕を適用し
て,その影響を調べた。患者が實験で創傷語の蓄え填た時に,その語を想起するならば,その 語は既にその患者にとって蓮想を妨害していなv・ことを意味してv・る。Keetの實験によると
〔表現法〕を施された13人は全員失敗であったが〔解読法〕を施された12人前11人掛成功した と報告している。即ちKeetによるとこの結果から〔表現法〕即ち〔非指示法〕よりも〔解読 二法案即ち〔非権威法〕の技術が優ってV・ることを主張するのである。2{)
Keetの實験は研究途上にある。その意昧に於て各方面からの反響を見出すことが出漁る◎
例えばMerri1125)及びGrummonとButler26)はKeetの運動を追試することに:よって 蟹験其者に疑問を有すると同時に,Keetの使用する二つの〔相談方法〕に於ける差異につ
V・て疑問を投げかけているのである。從って面接に於ける二つの方法〔非指示的方法〕乏〔非 権威的方法〕との論孚の結末の將來は未だ問題として鍵されてV・るものと言わなければならな
い。即ち問題は〔非指示的方法〕で成功する資質のある患者に封しては〔非指示的方法〕を用 い,〔非指示的方法〕で成功しなv・患者に聴して〔非鳥威的方法〕で成功するか否かという問 題である。從って我汝はKeetの實験を更に吟味し,被験者の選揮を誤ることなく,追試し,
嚢展させ,撰大さすごとによって,患者の立場に立つ〔非灌威的:方法〕の伸縮自在性が優位で あるか,或は只軍に從來の如く〔指示的方法〕と〔非指示的方法〕の争v・,それの解決として の〔折衷的方法〕とV・う立場に絡嚇するかは〔面接技術〕の將來をトするものとして看過し得 なV・ものがあるのである。
〔VD結 、 論
〔相談〕は小見山氏の〔相談者は本來的に被相談者に責任を持つものであるが;窮極的には 批會に癒して責任を負うものである。〕2ワ)とv・う誤まれる:方向でなくWebster辞典による
〔協議であり,相互の意見の交換であり,共汝に協力して落着V・て思案することである。〕即
一55一
1ち相談は二人の個人間に於ける人格的,力動的關係で,一毅には相談者が患者よりも年長で経 験多く,より賢明であるが,此等相談者と患者とが患者自身の人格性並に患者のもつ問題をよ
り明確にし,患者自身がその解決に當って自己決定出頭るようにまで協力することである。從 って何処までも〔指示的方法〕,〔樺威的方法〕を排除すると同時に,前述のように〔非指示 的方法〕が患者の全人格,特に患者の情緒障碍排除の有力な方法であり「ながら〔面接〕に於け る全能な方法でなV・ことを銘記することにより,〔非指示的方法〕をその中に包みながら,よ り廣き融適性を持つ〔非灌威的方法〕を使用することにより,患者が了解し,理解する殺階に 留るだけでなく,更に進んで彼の行動を起さす爲に,二三三種汝の情勢,患者其自身の徴候,
観察結果の適切な処理に注意しながら,而も可能な限りに於て患者自身に閉ざされた境界を切 り開かすと同時に,それの困難な患者に嘱しては,相談者は患者と親睦を保ちながら,患者に 自由に噂話させ,批評,読振を行わす,特に患者6表現の中止されたもの一賓はそれが患者 にとって最も重大な問題である場合が多V・のであるが一一を制別し,伸縮自在性と融適性を相 談の本質とする〔力動的相談技術〕に進展する必要を感ずるものである。而して,その爲にぱ Keet及び:その反封者の實験を追跡することにより一〔面接技術〕とv・う興味ある治療方法・
としての〔非指示的方法〕と〔非樺威的方法〕との比較を進め,其処に残された未解決の問題 を實験的に明証する段階にたち到つ起のである。(暗黙は第二報告に記載する)
文 献
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27) . alNfit ptX‑ ; {itfE}BrgC: is tr 6 kupaO ca pm if6#)bpa 4 ig l li; P . 43
‑ 57 p‑'