• 検索結果がありません。

環境管理 と市民化管理

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "環境管理 と市民化管理"

Copied!
44
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

環境管理 と市民化管理

菅 家 正 瑞

Abst ract

Mo de r nc o r po r a t i o nsha veno w as ys t e m o ft hr e ema na ge me nt s ,O r t hr e es t r uc t ur so fmanage me nt

(

i

.

e. , ̀ ̀ pr oduc t i o n , "" l a bor , " a nd

" c or por at ec i t i z e ns hi p , ' 'management 十 Thet as kofpr oduc t i on ma na ge me nti st oa c hi e vehi ghpr o duc t i o ne f f i c i e nc y,whi l et het a s ko f l a bo rma na ge me nti st oa vo i di mpe r s o na l i t yo fl a bo r e r sa ndma kego o d r e l a t i o ns hi psbe t we e nc a pi t a la ndl a bo r .Ho we ve r ,wha ti st het a s ko f c o r po r a t ec i t i z e ns hi pma na ge me nt?

Thepur po s eo ft hi sa r t i c l ei st oe xpl a i nt hec o r po r a t ec i t i z e ns hi p ma na ge me nt .Wha ti st hec o r po r a t ec i t i z e ns hi pma na ge me nt?Whydo mo de r nc o r po r a t i o nsne e dt hec o r po r a t ec i t i z e ns hi pma na ge me nt?And wha ta r et her e l a t i o ns hi psbe t e we e nt het hr e ema na ge me nts ys t e msa nd t hee nvi r o nme ntma na gme n t ・Wee xpl a i nt hedi f f i c ul t yo ft hè ̀ c o r ‑ po r a t ec i t i z e ns hi pma na ge me nt ' 'a ndr e l a t i o ns hi pt ot hee nvi r o nme nt ma na ge me nt .Mode r nc o r po r a t i o ns ,e s pe c i a l l yt o pma na ge me nt ,mus t ma kea ne f f o r tt obui l dne wpr l nC i pl e so fmo de r nma na ge me nt , whi c hi s t hemo s tdi f f i c ul ti nno va t i o no ft o pma na ge me nt . I ft o pma na ge me nt c a nno tbui l dt he m,ho we ve r ,mo de r nc o r po r a t i o nc a nno tl i vef o r e ve r ・

Keywords:Envi r onmentMana ge me nt ,Cor por a t eCi t i zens hi p , Mo de r nCo r po r a t i o nMa na ge me n t .

1

.序

現代企業は現代社会 における中核的制度であ り,現代社会の維持 ・発展に

(2)

決定的な影響力を持つ中心的構成要素である。 しか も,現代社会に対するそ の影響力は経済的権力のみな らず,強大化 した経済的権力を基礎に,政治, 教育,文化,科学,医療,な ど経済的領域以外の様 々な非経済的分野 にも及 んでいる と解 され る( 1 ) 。 したがって,企業管理論は大規模化 した現代企業を その経済的側面だけではな く,非経済的側面をも考察 しなければな らないの である ( 2 ) 0

さて,現代企業 を様 々な側面 を持 った統合的存在 として捉 え, 現代市民社 会 を構成する一員 とい う立場 か ら考察す る 「 企業市民 ( Co r po r a t eCi t i z e n‑

s hi p) 」 とい う思考方法 がある。企業 を疑人的な法人市民 として位置づけ, 社会の一員 とい う観点か らその行動や社会 との関連 を考察 ・分析 し,現代企 業の持つ諸側面を総合的に捉 えようとする考察方法がそれである。我 々は既 に,現代企業の持 つ非経済的側面 とその権力に注 目し,企業管理的観点か ら

「 市民化管理 ( Co r po r a t eCi t i z e ns hi pMa na ge me nt ) 」の成立 とその必要性 を主張 して きた。すなわち,現代企業が三重の経営構造 に分化 した ことによ

り,それ らの構造 の合理化 を課題 す る , 「生産管理」 , 「労務管理」 そ して

「 市民化管理」 とい う企業管理の三重構造の成立 とい う主張がそれである ( 3 ) 0 その際,企業市民 とい う企業理解の方法は , 「 市民化管理」成立の基礎理論 をなす ものである。

本稿の課題は,企業 を企業市民 とい う観点か らドイツにおける実態調査 を 基 に考察 しているマース とクレメンス ( Fr a nkMa a I もundRe i nha r dCl e me ns ) の所論 ( 4) を とりあげ,それを検討す ることによって 「 市民化管理」の企業管 理的必要性 とその本質 を明 らかにす る と同時 に,「 市民化管理」 と 「 環境管 理」を含む企業管理の体系 との関連性を考察することである。

注)

(1)ウル リッヒ

( H. Ul r i c h) はそのような領域として,1 . 自由,秩序,安全 ,2. 自然 ,3.

健康 ,4. 教育 ,5. 研究 ,6. 倫理,宗教 ,7. 芸術,美学 ,8. 娯楽,休養 ,9. 全体経済,

を挙げている。

(3)

Vgl . ,Ha nsUl r i c h,Unt e r ne hmun g s po l i t i k ,1, Auf

l

. ,Be r n/ St ut t ga r t1 9 7 8,S. 1 51 f f ・

拙著,企業管理論の構造』,千倉書房 ,平成

3

,21

頁 参照。

( 2 )

現代社会 と企業 との関連 に関す る経営学的文献 は

,

企業の社会的責任

,

企業環 境論 」

,

企業の社会的貢献論」

,

環境管理論」 あ るいは 「企業 メセナ諭 」 な どを中心 として多数 あ るのでそれ ら全てを掲 げ るこ とはで きないが,本論文 との関連 では,例 えば次の文献 を参照 されたい。

藻利重隆 (著)

,

現代株式会社 と経営者』,千倉書房 ,昭和

5 9

年。

小林俊治 (著),経営環境論の研究』,成文堂

,1 9 9 0

年。

棲井克彦 (著)

,

現代の企業 と社会』,千倉書房

,1 9 91

年。

奥村恵一 (普)

,

現代の経営 と社会』,中央経済社,平成 11年。

猪俣正雄 (著)

,

共生社会の支援 システム』,中央経済社,平成

1 2

年。

梅津 正 (著)

,

企業 と社会』, ミネルヴ ァ書房

,2 0 0 0

年。

丹下博文 (著)

,

企業経営の社会性研究』,中央経済社,平成

1 3

年。

斎藤 ・石井 (編著)

,

『グローバル時代 q)企業 と社会』, ミネルヴ ァ書房

,2 0 0 2

年.

稲葉元吉 (著)

,

社会の中の企業』,八千代 出版

,2 0 02

年。

入江 映 (著),市民社会論』,明石書店

,2 0 0 4

年。

H.Ul r i c h,Unt e me hmun gs po l i t i k

,1.

Auf

l

. ,Be r n/ St ut t ga r t1 9 7 8.

J . K .We i t z i g,Ge s e l l s c ha ft s o r i e nt i e r t eUnt e r ne hme ns po l i t i kund Unt e me hme ns u e r fa s s un g ,Be r l i n/ Ne w Yo r k1 9 7 9.

U.St e ge r ,Umu ) e l t mana ge me nt ,2. Au

fl

. ,Fr a nkf ur ta.M . 1 9 9 3.

拙著

,

企業政策論の展開』,千倉書房 ,昭和

6 3

年。

同, 企業管理論の構造』,千倉書房 ,平成3年 ,な ど。

( 3 )

例 えば,拙稿

,「

環境管理』 と 『企業管理

,

経営 と経済』,長崎大学経済学会 ,

8 4

巻第

3

,2 0 0 4

,1 9 5

頁以下 参照。 .

( 4 )Fr a nkMa aR,Re i nha r dCl e me ns ,Co r Po 7 deCi t i z e ns hi p ,Da sUnt e r ne hme na l s , , gut e rBdr ge r

"

,Wi es ba de n 2 0 0 2i

以下,本文献 については

" Ma a l

"

,あ るいは 「マース ら」 と略記す るO

2.

「企業市民」研究の課題

( 1 ) ドイツにおける企業市民活動の特質

① 市民活動 としての援助

(4)

マース とクレメンスによれば , 「 企業市民活動 ( Co r po r a t eCi t i z e ns hi p) 」

と称 される企業活動は,アメリカや イギ リスよりも広まってはいない として ち,企業による文化やスポーツに対する支援や,慈善的活動,社会 との市民 的関わ りは ドイツの伝統であ り,その内容には様 々な形態がある。それは企 業が 「良き市民 ( gut e rB也r ge r ) 」 と認め られようとする努力の現れである

と解される。 このような活動は 「 企業市民活動」 という概念で把握 され そ の内容はスポーツへのスポンサー的支援から芸術の保護あるいは社会福祉的 支援に至 るまで多種多彩である( 1 ) 0

② 中小企業 と個人の重要性

マース らによれば, ドイツの中間層 ( Mi t t e l s t a nd) は ドイツ社会における 重要な構成部分 として大 きな社会的役割を担 ってお り,大企業 よりも企業市 民 としての取 り組みにも積極的であ り重要性を持 っていると推測される ( 2) 0 と同時に, ドイツでは,市民的関わ りは,まだ大抵個人的で私的な 自由意志 と名誉によって行われてお り,企業活動 と同一視されることはない, と言わ れていることが注意 されなければな らない ( 3) 0

マース らの研究課題は,この ような ドイツ的特徴に対応 して中小企業に照 準を合わせ,その企業市民 としての活動領域,行動形態,動機を明らかにし, その透明性を確保 し,企業における戦略的意義を解明することである( 4 ) 0

( 9 企業市民活動の戦略性

このような問題意識 によって この研究が行われたのであるが,我 々にとっ

て興味あるのは企業市民活動が持つ戦略的意義である。なぜな らば,上述 し

たように ドイツでは中小企業が大 きな経済的役割を担 っていると同時に,企

業市民活動は明確な狙 いを持たない単純な市民活動 として理解 されるにすぎ

ないでのではな く,そこには中小企業 としての特色ある何 らかの戦略が意図

されているはずだからである。いかなる分野であろうと,意味のない企業活

動 は あ りえ な い。 この 戦 略 性 は , コ ミ ュニ ケ ー シ ョン 政 策 ( Kom一

muni ka t i o ns po l i t i k) と人事政策 ( Pe r s o na l po l i t i k) に強 く関連する ( 5) 0

(5)

( 2 ) 企業市民活動の定義

① 「企業フ ィランソロピー」 としての企業市民活動 ( 6 )

マース らは企業市民活動の定義を,まず国際的に使用 されてい る社会福祉 的 ・社 会貢献 的企業 活動 としての 「企業 フ ィラン ソロピー ( Cor por at e Phi l a nt hr o p y) 」( 7 ) とい う概念に求めてその内容をさらに厳格化す る。例 えば, 上述の用語は 「 私的 な慈善活動 ( pr i va t eWo hl t a t i gke i t ) 」 と 「自由意志 に

よる再分配 ( f r e i wi l l i geUmve r t e i l ung) 」 とい う表現 と同一視 され る。 した がって,企業市民活動 とは,財貨やサービスの市場では一般的ではない取引 であ り,かつ市場では得 られるか も知れない反対給付 を自由意志 によって放 棄するかあるいは特別条件が保証 されている取引である, と定義 される。

後 述 す る よ うに,企業 の公共 的支援 活動 に対 して,英語 で あ る " cor ‑ po r a t ec i t i z e ns hi p" あるいは ̀ ̀ p hi l a nt hr o p y' 'とい う用語 をそのまま使用 し ている ということは, ドイツには この ような活動 に対する適切な用語が存在

しない ことを意味する。あるいは,マース らが強調す るように,企業の社会 貢献的活動は ドイツの伝統 として広 く普及 して きたか ら,あえてそ こに特別 な用語 を使用する必要がなかった とも考 えられる。

② 企業市民活動概念の内容 ( 8)

マース らに よれば,企業フ ィランソロピーは次の様な三つの特徴 を持つ と

う 。

i)企業の 「自由意志」:企業意 思決定は企業管理 に よる自由意志 に委ね られる。

i i)「 反対給付」の放棄 :これ らの取引は費用 を発生 させ利益 を減少 させ る。部分的 に反対給付が得 られた として もそれ はフ ィランソロピーに変 りはない。

i i i ) 明確な 「支援 目的 」: これは決定的な特徴であ り,間接的 に公共福祉

に役立 った として も他の動機 による活動 はフ ィ

ランソロピーではない。

(6)

これ らを総括す ると,企業 フ ィラン ソロピー とは,① 明確な福祉 目的のた めに,② 自由意志で行われる,③全 くあるいは完全 には報い られない,④企 業の外で行われる企業活動, と定義 される ( 9 ) 0

③ 定義の総括

この ような定義 に対 してマース らは次の ように総括する。

i)定義の特徴 :「 企業市民活動は専門概念 として この国に もいつの間に か確立 され,しば しば企業 フ ィランソロピー として用 い られるので, 始 めに述べた ように,以下 ではその ドイツ語的翻訳 であ る,企業の 市民的な関連 と並 んで 『社会 関連』 と 『福祉志 向的取 り組 み』 と言

う概念 と同義 として用い られる 。 」 ( 1 0 ) のである。

要 す るに,マース らに よれば,企業市民活動 とは,企業の市民関 連的活動 である と同時 に,社 会関連的 ・福祉志 向的 な企業 に よる取

り組みを指すのである。

i i)戦略 としての企業市民活動 :ここで我 々が注意 しなければな らないの は,マース らによれば,企業市民活動 には企業の戦略的意図が内在化 されている, とい うことである。企業市民構想は単なる慈善的活動に す ぎないのではな く,企業の 「戦略的行動構想 ( ei ns t r a t e gi s c he s Ha ndl ungs ko nz e pt ) 」 の一つ として位置づけ られ 企業市民的行動代 替案は企業市民戦略の構成部分 をなすのである。

その本質 をマース らは,ヴ ェステベ ( We s t e bbe ) とローガン ( L 0 ‑ ga n) に拠 りなが ら,本来の企業活動 を超 えた社会問題 を解決するた めに,企業が関連する,企業 が持つあ らゆる資源をその特殊状況に応 じて利用 し,多 くの 「目標集団 」( Zi e l gr uppe n; いわゆ る 「 利害関係 者 ( s t a ke ho l de r ) 」 と同義)に対する社会的関連 を意識的に 目指すコ

ミュニケーシ ョン ( ll ) , と解 しているのである。

したがって,マース らによれば,企業市民構想は戦略的局面を含み,

福祉的な社会 との関連は企業 目標 と調和 し,マーケテ ィング戦略に統

(7)

合 され,体系的に外部へ と伝 え られる, とい うことが注意 されなけれ ばな らない。

④ 実践的調査の必要性

それでは, ドイツにおける企業市民活動の実態は どの ような ものなのであ ろうか。マース らによれば, ドイツにおける市民的な関連はそれ らの多 くが 私的で個人的な 自由意志 と名誉 によって行われてお り,企業 による活動が拡 大傾 向にある とはいえ,まだ一般化 されていない として も,その研究のため にはやは り実践的研究 が必要なのである。

以上の議論 を踏 まえて, ドイツにおける中小企業の公共福祉的行動は企業 市民活動の定義 と原則的に相応するのか,また どれほ ど相応するのか, とい う実践的課題 が解決 されなければな らない。 また,その際 ドイツ的特徴 も明 らかにされるであろう。

これが彼 らの本研究 における具体的な研究課題 である ( 1 2 ) 0

荏)

(1

)Vg

l.

,Maa

i

i , a . a .

0

. ,S.

ll

ドイツにおける 「企業 メセナ」に関 しては,次の文献を参照 されたい。

ハウス ・オイロバ芸術財団会長ルパー ト ・シュ トラクヴ ィッツ (稿),特集 :世界 のメセナ 「ドイツ」,(礼)企業 メセナ協議会 (編),『メセナ白書

1 995

,2 01

‑2 09

頁。

( 2 )vg

l.

,Maa R, a . a . 0. ,S.

1

. ( 3 )Ⅴg

l.

,Ma a

L

; , a . a . 0. ,S. 8.

なお, ドイツにおける個人 ・法人 と社会 との関係に関 しては,以下の文献 を参照 さ れたい。

豊 田謙二 (著),『質 を保証す る時代の公共性 ‑ ドイツの環境政策 と福祉政策』, ナカニシャ出版

,2004

年。

今泉みね子 (著),『ドイツを変えた

1 0

人の環境パイオニア』,白水社

,1 997

年。

同, 『ここが違 う, ドイツの環境政策』,白水社

,20 03

年。

( 4 )Ⅴg

l.

,Maa R, a . a .

0

. ,S. 2.

( 5 )

企業政策

( un t e r n e h mu n g s p o l i t i k)

について,詳 しくは次の文献を参照 されたい。

Ul r i c h ,α .

α

.

0.

S. 1 00‑1 07.

(8)

拙著,『企業政策論の展開』

なお,企業市民活動 と企業政策 ・企業戦略 との関連については,本稿

3.4.

を参照の こと。

( 6 ) Vg

l.

,Ma a R,a. a. 0. ,S. 3 ‑ 7.

( 7 )Vg

l.

,Ma a R,a. a.

0

, ,S. 4.

フィランソロピー とは,営利を 目的 としない社会貢献 ・篤志活動であ り,社会の様 々な分野で,個人や団体が寄付やボランテア活動をした り,人材 ・製品 ・技術 ・場所 ・ サービス ・情報等を提供 した りす るこ と, と言われてい る ((社)企業 メセナ協議会

(編),『メセナマネジメン ト』

,2 0 0 3

,2 4 4

頁)0

( 8 )vg

l

リMa a R,a. a. 0. ,S. 6.

( 9 )vg

l.

,Ma a R,a. a . 0. ,S. 6.

( 1 0 )Ma a R,a. a . 0. ,S. 71

(11

)Vg

l.

,A.We s t e bbe ,D.Lo ga n,Co ゆwat eCi t i z e ns h

ip.

Unt e r ne hme ni m ge s e l l s c ha f t ‑ 1 i c he nDi a l o g,Wi e s ba de n 1 9 9 5,S. 1 7・

( 1 2)

紙面の都合で この調査の基礎データおよびそれ らの内容のすべてを示す ことは出来 ないが,おおよその基礎データは以下の通 りである。

調査対象 とされたのは中小企業を中心 とする製造企業 とサービス企業であ り,調査 には十分な数 (回答企業数

4, 0 8 4

,未返送企業数

1 0 9 )

が得 られた。

(1)企業規模 (従業員数),①小企業 :従業員数

1 9

人以下,②中企業 :従業員数

2 0

人か

9 9

人まで, これは調査企業の

1 / 3

以上を占める,③大企業 :

1 0 0

人から

4 9 9

人までで, その数は調査企業の

1 / 3

以上である。

( 2 )

年間売上高,①小企業 :

1 0 0

万ユーロ以下で調査企業数の約

1 /1 0

,②中企業 :

1 0 0

1, 0 0 0

万ユーロで調査企業数の約

1 / 4

,③

1, 0 0 0

万ユーロ以上 (最高

5, 0 0 0

万ユーロ) は調査企業数の約

1 / 5

である

05, 0 0 0

万ユーロ以上は大企業 とされている。

また,従業員数 と売上高には何 らかの関連がみ られた。

(3)‑1業務領域 :①半分以上が製造業,(診建設業,商業,サービス業などで圧倒的数は サービス業,③その他サービス業 (信用業,保険業,運輸業など

1 6. 5 %)

.

( 3 )‑ 2構成の特徴 :全 ドイツ企業 と比較すると,①製造企業が比較的多い,②商業など

を含むサービス企業が圧倒的に多い,③その他サービス企業の比率は全産業 とほぼ同 じ, という特徴が見 られる。 ドイツ企業の全体構造 と対応させ るために大企業 も調査 対象に含めたが,サー ビス業や商業な どの小企業が多 く, したがってこの調査には小 規模経営的構造の特質が強 く出ている。

( 4 )

業務領域 と企業規模 :(∋製造企業は圧倒的な規模構造を持ち従業員数は最低で

3 5 0

人である,②サービス企業は大銀行が少ないが大保険業で補正されている,③部門的

(9)

相違は中間層において も明白である。売上高による産業部門の特徴が ここでも現れて いる。製造業は圧倒的に高い売 り上げを示 している。サービス部門における価値計算

7. 2

百万ユーロにすぎないが,製造業では

4

8

6 0

万ユーロである。

( 5 )

管理の相違 と企業形態 :①管理者経営企業は調査企業数の約

3 / 5( 6 3. 4 %)

,②所有 者経営企業は

1 / 3

( 3 6. 6 %)

,

( 1 9 9 8

年の

I f M

ボンの調査 によれば, ドイツの全企業

9 4. 8 %

は所有者経営企業である),③サービス関連企業の多 くは管理者経営企業で ある,④従業員数が多い企業は管理者経営形態が多 く,所有者経営企業では規模への 依存性は見 られない。企業規模が拡大すると調査への参加用意が上昇 し,これは経済 部門 と管理構造 に作用する。従業員数 と売 り上げ高 も関連性を示 している。なお,詳

しくは次を参照 されたい。

Ma a L i , a . a . 0 . ,S. 2 1 f f .

3

.企業市民活動の 目標と手段

企業の 目的は一般的 ・抽象的には 「 営利的商品生産」 と解 されるのである が, この一般的な企業 目標 に対 して 「 企業市民活動」はいかなる関連を有す るのであろうか。換言すれば,企業市民活動の 目標は企業 目的に対 して何 ら かの具体的影響を与えるものなのであろうか。

( 1 )企業市民活動の実施状況( 1 )

まず始めに, ドイツでは企業市民活動はほ とん どの調査企業で実施 されて

企業市民活動 を企業 は... 事例数 企業 割合 (%)

.‥実施 してい る

22 8 95. 0

その内 : 少 な くとも

5

年前 か ら

1 2 8 5 3. 3

この

5

年 間だけ

9 8 4 0. 8

期 間 申告 な し

2 ㌔ 0. 9

…今 まで実施 していない

1 2 5. 0

図3 ‑1

:企業市 民活動への参加

( 2 )

(10)

いる( 9 5 %) とい うことを確認 したい。 この事実は,本節 における問題提起 と その検討の意義 に大 き く関連するか らである。 ここで もマース らは,企業市 民的活動 は ドイツでは広 く用意 されているだけでな く伝統的活動であること

を強調す る。企業規模 による実施状況の違いは明 らかであるが,大企業は例 外な く実施 してお り,中小企業 もそのほ とん どが関与 しているか ら,企業市 民活動は大企業の領分であるとい うテーゼは誤 りであることが これで証明さ れた。

ドイツ全体で見 ると大企業数は相対的に少ないか ら,調査企業 と比較する と全企業の実施率は小 さ くなる ( 約 5分の 4近 くになる)が,企業市民活動 は経済部 門の違いを超 えて数多 く実施 されていることが証 明された。 この事 実は,本節で検討する問題 に大 きな意義を与 えることが確認 された。

全サ ンプル企業の参加 従業員数 による参加 19

人まで

20

人から

99

100

人から

499

500人以上

連邦規模の全企業 (概算)

0 20 40 60 80 / 0 0

◎1 f M Bo nn Ol 1 5 31

図 3 ‑ 2

:企業市民活動への企業の参加

( 3)

( 2 )企業市民活動の 目標 ( 4 )

企業市民活動 を行 っているあ らゆ る企業の 目標は,決 して純粋な 自己損失

的 ・利他主義的行動か らではな く,「自己利益 ( Ei ge ni nt e r e s s e) 」 的動機か

(11)

ら生 じている。マース らはそれ ら個別企業の 目標 を四つの範噂 に整理 してい る。その基準は企業活動が照準を当てる 「 人間領域 ( Pe r s o ne nkr e i s )

の違 いである。具体的には,それ らの領域は,①顧客,( 参協働者,③利害ある公 衆そして④当該企業の企業者あるいは管理者,に区別 される。

最 も重要な 目標は 「 公共関連的 目標」であ り,以下 「 人事関連的 目標」,

「 販売関連的 目標」 , 「 競争者の制限」および 「 企業者あるいは管理者の 自己 利益」 と続 くが,これ らの 目標間には大 きな量的差異は認め られない。

① 公共関連的 目標 ( Of f e nt l i c hke i t s be z o ge neZi e l e ) ( 5 )

公共 とは顧客や協働者か ら区別 された概念であるが,公共には潜在的顧客 も含 まれる。 この 目標はさらに, i) 企業 イメージの改善, i i) 社会的責任の 明文化,i i i ) 企業者像の改善, とい う目標 に細分化 される。 これ らは,社会 的外界 を維持 し支援す るという企業の意志を表現 している。

② 人事関連的 目標 ( Pe r s o na l be z o ge neZi e l e ) ( 6 )

人事関連的 目標 として掲げ られるのは, 企業内部 に向け られた作用を持つ, i )労働動機の促進, i i) 協働者の団結,i i i ) 雇用機会q) 改善,である。 これ らの 目標は全て重要であるが,最高の優先順位 として掲げたのは少数の企業 のみである。

③ 販売関連的 目標 ( Abz a t s be z o ge neZi e l e) ( 7)

企業市民活動 に とって興味があるのは,それが販売政策的局面 と関連 して いることである。半数の企業は,企業市民的方策 と共に販売政策的 目標をも 追求 している。社会的活動は,顧客関連は間接的に企業市民活動 を改善する ことに役立つ として多 くの企業に評価 され,また,販売増加にも結果 として 貢献 している。 この 目標はさらに, i) 顧客関連の改善, i i) 競争者の制限,

とに細分化される。

④ 企業者あるいは管理者の 自己利益 ( Ei ge ne i nt e r e s s ede rUnt e r ne me r / i nne nbz w.Ge s c ha f t s f 也hr e r / i nne nZi e l e) ( 8 )

企業市民活動 によって追求される私的 目標は,人事政策的 ・販売政策的 目

(12)

標の陰に隠されている。それにもかかわ らず,福祉活動の 1 5. 1 % はこれに最 高の優先度を示 し ,3 4. 4 %の企業がこの意義を他の意義 と同一視 している。

組織論的研究では個人の利害が組織 目標 に反映され ことを示 してお り,この ような動機は確かに一 つの役割を演 じている。

( 3 ) 目標達成の手段

( ∋ 企業市民活動の手段 ( 9 )

マース らは実態調査 に当た って,図3‑3 で示 されてい るように,企業市 民活動の形態 を 「 構想 ( Konz e pt ) 」 , 「用具 ( I ns t r ume nt ) 」 そ して 「 方策

( Ma f i na hme n) 」 に分額 している。

(戦略的)用具

贈与制度 寄付制 度 企業活動 への人的

金 物

利用許可サー ビス

銭 的 的 寄 寄 付 付

スボンサ‑制度 財団制度

ラン

ア制度 仮解任制度

企業者の名誉的活動 投 入

◎021

f MB 1 50 o

図 3 ‑ 3

:企業 の市民活動の構想 ,用具 ,方策 (10)

② 企業市民活動の 「 構想 」( ll )

構想 とは企業市民活動の基本的方向による分類であ り,それは 「 企業贈与 ( Co r po r a t eGi vi ng) 」 と 「ボランテア制度 ( Vo l unt e e r i ng) 」 に二分される。

i)企業贈与 とは 「 寄付制度」 と同一視 されることが多 く , 「スポンサー

制度」や 「 財団制度」を含む こともあ る。費用 を伴わない財 とサー

(13)

ビスの提供が特徴であ り,通常の業務過程 あ るいは要求者の 目的 に 応 じて修正 されることがある。

i i) ボランテア制度 とは 「 名誉的活動 」( e hr ena mt l i c heAkt i vi t a t )であ り,投入 され るのは労働力あ るいは人的資源のみであ る。 したがっ て,「 人間活動」のみが投入されるか ら人的 ・物的所有権が移転 され ないのが特徴である。最大の定義は全ての 「 名誉的活動」を含むが, マース らが認め るボランテア活動は 「 純粋 な名誉的活動」である。

それは,例外 を除いて報酬は保証 されず,私的分野ではな く社会 に 向けられた,企業の組織的領内で行われる行為である。

( 卦 企業市民活動の 「 用具 」( 1 2 )

用具 とは構想 を よ り具体化 した戦略的手段であ り,企業贈与構想では,

「寄付制度 ( Spe ndenwes en) 」,「スポンサー制度 ( Spons or i ng)」 お よび

「 財団制度 ( St i f t ungs we s e n) 」に細分化 され ボランテア制度では,「 仮解任 制度 ( Se c o dme nt ‑ Pr o gr a mm) 」 と 「 企業者の名誉的制度 ( Ehr e na m t l i c he

Pr o gr a mm) 」 とに分け られる。

i)典型的な寄付制度は,社会的 ・文化的あるいは公共的な設備への支援 であ り,例外的に利他主義的理 由から行われることもある。 目指 され たイメージが現れるまで受益者の反対給付は増 えないので,寄付者の 公共的命名によるかあるいはみずか らの紹介による積極的なコミュニ ケーシ ョン作用が 目指される。

i i) スポンサー制度は宣伝方策の一つであ り,企業のコミュニケーシ ョン 政策に価値ある方策である。 この制度に特徴的なのは,支援者が被支 援者に対 して常 に反対給付を要求することであ り,また具体的で公衆 作用的業務であることである。 この制度は常 に企業 目標に向け られて お り,スポンサー企業のマーケティング構想に結合 されている。

i i i ) 財団制度は,企業がその市民的関わ りの範囲や組織を作 り,企業基金

によって財団を設立する制度である。財団は,資産 と財務的運用によ

(14)

って維持 される,公共福祉 を促進する目的を持 った法的に独立 した存 在である。財団はその 目的を実現するために収益が投入され る長期的 存在であ り,企業 には継続的 ・持続的 ・構想的な支援 とい う緊張を強 いる。 しか し,多 くの財団は創立者の名前が冠 されるか ら,企業には 多 くのメリットがもた らされる。

④ 企業市民活動の 「 方策 」( 1 3 )

マース らによれば,企業市民活動の 目標を実現す るためにはあ らゆる経営 資源が手段 として投入 されるが,関連する手段すなわち企業方策 は多数存在 する。そ こで彼 らはこれ らの手段を整理 し,企業市民活動の実施形態を以下 の様な方策 に分類 している。

事例数 参加率

(

福祉 に従事する企業

%) 0 % 5 0 % 1 0 0 %

2 1 5. 9 4

.3

I I

1 9 0 8 3 . 3 l .

訳 : 物 的経営手段

1 2 9 5 6 . 6 I

企業の製品

1 2 7 5 5 . 7 匹

無料 サー ビス

1 7 4 7 6

.3

,

l

訳 : 特別実習生の提供

1 2 3 5 3 . 9 E l 三正

:iIIllI;:

企業の仕事

7 4 3 2 . 5

無料の教育

2 8 1 2 . 3 日 l

他 の無料サ ー ビス

6 2 . 6

1 l

訳 : 協働 着 く管理者は除 く)

1 0 2 4 4

.7 I

l l l

管理者

6 6 2 8 . 9 ∫

管理者の個人的従事

1 2 2 5 3 . 5 監 鮒

利用許可

1 0 4 4 5 . 6 囲

財 田の設 立

3 4 1 4 , 9 臨書 国 :

図 3 ‑ 4 :企業市民活動の方策 (1 4)

i)金銭的寄付 ( Ge l dz uwe ndung) :最 も頻繁 に利用 されてい る用具 は

「金銭的寄付」であ る。金額的 には 1 00 ユー ロか ら 1 万ユーロ以上 ま

(15)

で ( 例 えば財団の創設)幅広 く行われている。

i i)物的寄付 ( Sa c hz uwe nd ung) :第二番 目に多 いのは製品あ るいは生産 手段の贈与 であ る。企業の 5 分の 4 以上 は この ような物 的手段の贈 与を行 っていた ( 例 えば使用済みのパ ソコンの贈与) 0

i i i ) 無料サービス ( f r e i eDi e ns t l e i s t un g) :第三番 目の方法は無料サービス であ り,調査企業 の 4 分の 3 が行 っていた。 中心的な例 は教育活動 であ り,特 に重要なのは情報処理 における NPO の無料教育である。

i v) スポンサー制度 ( Spo n s o r i n g) :スポンサー制度はコミュニケーシ ョン 政策の重要な制度である。その利用度は少ないが,実践ではコミュニ ケーシ ョン政策上の重要な礎石 と認識 されている。 また これは多 くの 宣伝手段 と結びつけ られている。スポンサー制度を利用す る企業を刺 用 しない企業 と比較すると,販売宣伝 と販売促進が強化 され,コミュ ニケーシ ョン制度が向上 している。スポンサ ー制度は宣伝 ・コミュニ ケーシ ョン志向的企業政策の一部 として理解 されてお り,企業規模 と の関連性が見 られ る。また,顧客が最終消費者である企業は この制度 の利用頻度が高い。

Ⅴ) 協働者の職務免除 ( Fr e i s t e l l un gde rMi t a r be i t e r ) :第四番 目に行われ ているのが,協働者 の職務 を免除 して名誉的活動 に従事 させ るこ と である。調査企業の半数以上がこの ような活動 を行 っていた。

協働者 を 「 福祉 目的」のために職務 を免除 し, 人事政策的 ・戦略的 考慮か らこれを行 っている企業は現在の ドイツではほ とん どないが, 職務免除は予想 よ り多 く,かつ協働老 自身の動機 と刺激 が この活動

を推進 させてい ることが特徴的である。

ドイツでは,一般的な動機 に関連 す る職務免除は人事政策的効用

を認識 させ る。例 えば,企業管理が望む新 たな職業的経験 を得た り,

協働者達 が町で発生 している暴力に対処 した とい う例 では,協働者

が既 に私的 に取 り組 んでいたので,それを個人的利害や社会的意義

(16)

か ら考慮することによって,労働動機 にプラスに作用 したのである。

この方策では コミュニケーシ ョン政策的 目標 も一つの役割を演 じ る。地域の子供達 に企業施設 の利用 を許 し勤務時間内で彼 らを監督 す ることもある。 これはイメージ効果を も生 じさせ,公衆 における 企業者像の改善 という目標に関連する。

v i )経営者 らの職務免除 ( Fr e i s t e l l unge hr e na mt l i c he rUnt e r ne hme ro d e r Unt e r ne hmungs f 肋r ung) :調査企業の半分以上が挙げるのが企業市 民活動を保証するために管理者あるいは企業者の職務を免除すること である。 ここで問題なのは,地域の委員会な どにおける名誉ある協働 に企業がかかわることである。

v n)利用許可 ( Nut ungs ge s t a t t ung) :これは一時的に経営手段を失 って しま うに もかかわ らず,企業 が所有す る文化的施設の利用を認める ことである。

v n)財団制度 ( St i f t ungs we s e n) :共同利用 目的のために財団を設立する こ とが挙げ られ るが, この方策は高い財務的負担 を伴 うためにその 例は少ない。

以上の ような方策について確認で きることは,( ∋実践で利用されている方 策は多種多様であるということと,②社会的活動 に取 り組んでいることを示 すために,あ らゆる種類の経営的資源がそのために投入されている, という ことである ( 1 5 ) 0

これ らは,一つの方策で行われる場合 もあるし組み合わされれて行われる 場合 もある。いずれにせ よ,企業市民活動は,その 目標,用具 と方策 との関 連性の中でより合 目的的な 目的 一手段関係を考慮 しなが ら実施される0

( 4 ) 手段の 目標適合性

目標は適切な手段 ( 「 方式 」; ve r f a hr e n あるいは 「 戦略 」; St r a t e gi e ) を

選択 し実行することによって達成 される。

(17)

企業市民活動の方策

無料サー 協働者職 個人的従 利用許可 財団設立ビス 務免除

公共関連的 目標▼会社の イメージ改善 / o

+

o O o

・社会的責任の明文化 /

・企業者像の改善 O

+

o o + o

人事管理的 目標・労働動機の促進・協働者団結/経営的社会化

/ 十 +

o oo o

o

・採用機会の改善

/ +

o 0 0 0

顧客/販売関連的 目標・顧客関連の改善 o

十 十

・販売増加/顧客獲得 / o O 0

・競争者の制限 /

o

o

o

+ o

管理者の 自己利益 0 0 0 0 0 0

+

(十十)方式 は比較的多 く (特 に多 く)その時の 目標 の遂行 のために投入 され る。成果 は

5%

(1%水準)以上で有意である。

o 方式 は特定の 目標 の遂行のため に,他の用具 よ り多 くもな く少 な くもな く投入 され る

( Chi ‑ Qua d r a t ‑ Te s t s

の成果は有意でない)0

/ Ch i ‑ Qa r t r a t ‑ Te s t s

が利用で きないので,言明はない。

図 3 ‑ 5

:目的 一手段関係

( 1 6)

ここまでは 目標 とその方策は独立的に考察 されたが, 目標はそれを効率的 に達成 する手段 ( 方策) との関連で考察 されなければな らない。すなわち, 戦略的意図を支援方法の実行 と関連 させて考察す るこ とが重要 でなのであ

る。図3‑ 5 は企業市民活動の 目標 一手段関連の概観 を示 している.

協働者や管理者 といった人間の投入を前提 とす る手段 ( 方策)は,特定の 目標に結びつけ られ,意図された外部作用は選ばれた 目標集団に合わせた も のであ る。手段の選択 とその効果 には関連性が存在することが判 明 した。 よ

り詳 し く述べ ると以下の通 り。

(18)

① 公共性関連的 目標 と手段 ( 1 7)

ここでの 目標は, i) イメージの改善, i i ) 社会的責任の明文化,i i i )企 業者像の改善,である。費用が発生 しないサービスは,イメージを改善 し, 社会的責任を保証 し,販売を増大 させ,新たな顧客 を獲得する, といった 目 標 を持 っている。問題は,活動領域の詳 しい認識が無いこと,受け入れ側に 特殊な要求がある, といった種類の支援である。そ こで企業は受容者側 に助 言を し問題を整理することで,特別な準備 と異なる利害 と事態 との結びつきi を示 している。企業者像の改善が 目標 である場合には,しば しば所有者ある いは管理者が個人的に投入される。 この ような方法で,彼 らは市民意識 と行 動意志を示 している。

② 人事関連的 目標 と手段 ( 1 8 )

目標は, i) 労働動機の促進, i i ) 協働者の団結 ,i i i ) 採用機会の改善, である。名誉的活動のために協働者の職務 を免除することは人事関連的 目標 を持つ企業 と結びつき,人事管理 との結びつきを活発化 させる。名誉的活動 は,社会的に重要な問題 に対する態度 を示 している。多 くの例が示 している のは,管理者が 自己の労働力を名誉的活動への従事 に向ける場合 には, 自己 の利害が背景の前面に現れるとい うことである。

③ 顧客 ・販売関連的 目標 と手段 ( 1 9)

目標は, i) 顧客関連の改善, i i ) 販売増大 ,i i i ) 競争者の制限,である。

業務上の利害 と個人的な利害 とはなかなか分離で きないので,管理者の個人 的従事は顧客関連的で販売政策的利害 も負 うことが推測 される。人間の投入 は企業 に対 し公共的プロジ ェク トに対 する価値評価 を明確化 させ るから,蘇 客が この価値 を分割す るな らば,両者の結合は強化 され 完全な信頼的関連 の構築を もた らしうる。

( 4) 投入手段の効用 ( 2 0)

① 利用許可 :企業資産の利用許可 は何 よ りも社会的責任意識の確認 に役

(19)

立つ。工場な どを文化活動 に貸す ことは住民の入場 を保証す ることで, 公共的組織の如 く現れる。 この公開性は企業 と外界 との結びつ きを意識 的に形成す るりに役立 つ。

② 寄付,贈与 ,財 団 :これ らの手段 も多 くの 目標 の手段 とな りうる。 目 立 った 目標 一手段関係は生 じない。 これは財団設立 にも当てはまる。 こ れ らの手段は,社会問題 に対す る公開された企業 として,公衆 に も,蘇 客に も,従業員 に も,同 じ可能性 を提供 する。

これ らを総括 してマース らは以上 の検討 を次の ように締め くくる。結 論 として言 えるのは,「実践 で利用 されてい る用具 は多彩 であ る。社会 的従事 を示すためにあ らゆ る種類 の経営資源 と物資 が投入されている。

これは,物的利用 と,協働者 か ら管理者 に至 るまで,企業 に所属す る人 間の労働給付 を も含 んでいる 。 」( 2 1 )

荏)

(1)調査結果の具体的内容については,次 を参照の こと。

Ma a

f

も ,a . a . 0. ,S. 2 1 f f . ( 2 )Ma a

l

; , a . a . 0. ,S. 6 0.

( 3 )Ma a

R,a.

a

.

0. ,S. 6 1 .

( 4)企業市民活動の 目標 および 目標 と手段の関連 については,次を参照q)ことo Ma a i も ,a . a . 0. ,S. 8 1 f f .

( 5 )vg l . ,Ma a R, a . a . 0. ,S. 82 ‑ 8 4.

( 6 )Ⅴg l. ,Ma a l i , a . a . 0 リS. 8 4‑ 8 5.

( 7 )Ⅴg l. ,Ma a R, a . a . 0. ,S. 8 5 ‑ 8 6.

( 8 )vg l . ,Maa R, a . a . 0. ,S. 8 7.

( 9 )vg l . ,Ma a R, a . a . 0 リS. 6 2 ‑ 6 6.

企業市民活動の具体的内容については,次を参照の こと。

Ma a f i , a . a . 0. ,S. 8 f f. u. S. 8 2 ‑ 8 6.

企業市民活動の概念および手段については,次を参照の こと。

Ma a I も ,a . a . 0. ,S. 4 ‑ 7u. S. 1 0 f f ・ ( 1 0 )Ma a R, a . a . 0. ,S.

10.

(ll

)Vg l. ,Ma a l ; , a . a . 0. ,S. l l ‑1 4.

(20)

( 1 2 )vg l . ,Ma a R, a . a . 0. ,S. 1 0‑

ll.

( 1 3 )Vg l. ,Ma a A, a . a . 0. ,S. 8‑1 0u. S. 62 ‑ 66.

( 1 4 )Ma a A, a . a . 0. ,S. 6 2.

( 1 5 )vg l . ,Ma a R, a . a . 0. ,S. 6 6.

( 1 6 )Ma a R , a . a . 0. ,S. 8 8.

( 1 7 )vg l . ,Ma a l i , a . a . 0 . ,S. 8 2 ‑ 8 4.

( 1 8 )vg l . ,Ma a l ; , a . a . 0 リS, 8 4 ‑ 8 5.

( 1 9 )Vg l. ,Ma a l i , a . a . 0 "S. 8 5 1 8 6.

( 2 0 )vg l . ,Ma a R, a . a , 0 . ,S. 8 7 ‑ 9 0.

( 2

1

)Ma a l も , a . a . 0. ,S. 6 6.

4

.企業市民活動の 目標と戦略

( 1 )戦略の意味( 1 )

戦略 とは, 目標達成のために有限の経営資源を最 も有効に結合する方式を 言 う。 したがって,戦略的意思決定では 「目的 一手段」関係の合理性に関す る検討が重要になる。企業市民活動 においては,戦略的意志を被支援者の選 択 との関連で考察することが重要である。

ここで問題なのは企業市民活動の方策 と目標 とが一致するか どうかであ る。すなわち,前述 した 目的 一手段関連の考察 と分析が大事である。人間を 投入する方策は特定の 目標に結びつけ られ,意図された効果 と手段選択は関 連 しているか ら, 利害関係者 と意図された外部作用 との整合性が検討される。

( 2 )企業市民活動の戦略的合理性 ( 2)

企業が企業市民活動で最終的に獲得 しようとする目標集団 ( 利害関係者 ;

s t a ke hol de r ) を企業はなぜ支持するのか, という関連がマース らの研究の

最後の部分である。例 えば,中心 となるのは顧客 と協働者だが,検討によっ

てその背景にある 「 企業市民活動の戦略的合理性 ( s t r a t e g is c heRa t i o na r i t a t

de sCo r po r a t eCi t i z e ns hi p) 」が明 らかになる。 ここでは,次の ような問題を

検討 し解決 しなければならない。

(21)

( ∋ 業務上の コンフ リク トの存在 :供給者 と顧客,企業管理 と協働者 は, 契約以上の多 くの対立的行動期待を持つ。基本的問題は不十分な契約か ら 生 まれる。 しかし,始めか ら全てがわかる訳ではない。保証 も全ての行動 の安全を提供で きるわけではない。 したがって,パー トナーの業務道徳 を 信用することが大切である。

② 情報の非対称性 :当事者の得 られ る情報 は非対照的である。当事者 は 契約 によって 自分側の情報は得 られるが,他の側はそ うではない。両者の 利害を実現するためには, この情報の非対称性 を利用することを禁止 しな ければな らない。 しかし, これは契約的方法では確保 されない。 ここで重 要な役割を演 じるのは 「 信頼 ( zu v e r s i c h t ) 」 であ る。

③ 信頼の確保 :信頼は統一的業務実践 ( 一緒 に仕事 をす るこ と)によっ て生み出され確保 される。企業市民活動 はこれに貢献で きる。企業市民活 動以前 に,業務パー トナー間や経済的協働 における人間間に信頼 に満ちた 雰囲気を創造する基本動機 があ りうる。 イメージの育成,協働者の教育 と 動機付け,顧客 との接触の育成,な どがそ うである。

④ 企業市民活動の経済的合理性 :これは企業の社会的外界の ような領域 における道徳的意識 を明文化することで成立す る。明文化は企業の意思決 定 に当たって 自己利害のみな らず他の利害 も考慮する とい う意志を証 明す るものだか らである。信頼 に足 るためには企業市民活動は規則的に長期的 に行われる。 この ような基本態度 を継続的に通報 することで,企業 との関 連 を育成す る需要者,つま り様 々な社会的集団が創造 される。

「 顧客が高い信頼性を持 った競争者を選ぶ とい う認識の下で,多 くの企 業は ‑例えば市民的従事 において ‑道徳的基本態度を示す ことで道徳的行 動 を明文化することが明 らかに有意義である と思われる 。 」( 3)

⑤ その他の 目標集団 :企業 に生存 を依存す る関連集団が成立 し,そ こに

「 戦略的要求集団」が認識 される。それ らの要求集団は,例 えば,協働者 ,

顧客,供給者,官庁,株主,金融機関,等であ る。地域住民 ( 外部効果)

(22)

は潜在的権力を有する要求集団である。

マース らはこの ような検討 を行 った後 に,次の ように結論する。すなわち, 企業 と要求集団の間の関連構造 は,不十分な契約 と情報の非対称性によって 特徴づけ られる。そこか ら協働す る当事者の行動に不明確性が生ずる。信頼 の基礎 となるのが相互的受容であ り,それは協働の鍵機能 となる。企業市民 活動は道徳的行動の意志の明文化である。道徳的行動 か ら生まれる 「良き名 声 ( gut eRuf ) 」 は競争要因 となる ( 4) , と。

( 3 )企業市民活動 と戦略 ( 5)

企業は,戦略的構想を基礎 に,具体的プロジ ェク トへの参加を決定するの か,あるいは 自発的に行 うのかが問われる。例 えば,企業市民活動は 自発的 に行われた り状況関連的にも行われ,他方では決定 された管理構想に基づい ている とい う方式が対立する。それ らの問には,その他の多数の実践活動が ある。調査では,企業 目標 に適合 した管理文化の部分構想を形成する支援哲 学がつ くられた事例が見 られた。戦略的方式 を採 る企業 には , 「体系的計画 と創造的な 自由空間の間の正 しいバ ランス 」( 6) を見 つける課題が残 っている。

戦略 に依存する傾 向は多 く,構想 との関連 については大企業の方が勝 ってい る。

ここではまだ, 目標 と実現意思決定の種類の問題 が残 っている。 イメージ 育成では戦略的な方式が重要であ り,販売政策的 目標ではやは り指導構想が 重要であ り,人事政策的 目標 と名誉的活動では戦略的構想 との関連性は小 さ い。

マース らはこれ らの検討の最後 に 「 社会政策的課題 に没頭する企業は これ らを繰 り返 し長期的に行 うとい う概要 ( Re s t l me e) が引 き出され うる。企業 市民活動 は多 くの企業 において 自明な ものになっている 」( 7) ことを確認する。

以上が,マース とクレメンスによる ドイツにおける企業市民活動の実態 に

関する調査 と分析 に関する概要であ る。

(23)

注)

(1)いわゆる 「戦略」 については様 々な概念が用い られているが,本稿 における 「戦略 概念」は,ウル リッヒが展開す る企業管理の 「目標

「手段

「方式」 とい う段階の

方式」に当たる概念であ り, 目標達成 に投入される最適な 「手段」の組み合わせを 指す ものである。 これについては以下の文献を参照されたい。

Ul r i c h,α. α. 0. ,S. 1 8.

拙著,『企業管理論の構造』

,2

頁‑

3

,3 6

‑ 3 7

.

Ma a

I

も , a. a.

0

. ,S. 5 2 f f . ( 2 )vg 1 . ,Ma a R,a. a. 0. ,S. 1 0 4 f f . ( 3 )Ma a

l

も ,a. a. 0. ,S. 1 0 2.

( 4 )vg 1 . ,Ma a L ; ,a. a. 0. ,S. 1 0 4.

( 5 )vg l . ,Ma a L i ,a. a. 0. ,S. 1 0 4 ‑1 0 6.

( 6 )M.Br u hn ,S Po ns o r i n g. Sys t e ma t i s c hePl a nungundi nt e gr a t i ve rEi ns a t z

,

2. Au

fl.

,Fr a nkf ul ta. M.1 9 9 8,S. 6 4・

Vg l . ,Ma a I も ,a. a. 0. ,S. 1 0 5.

( 7 )Ma a R, a. a.

0

. ,S. 1 2 5.

5. 調査結果の検討

マース らは実態調査の結果の分析 か ら幾 つかの言 明 と重要な結果の概要 を 提示 している。 しかし,残念な ことに彼 らの総括は調査 か ら得 られた結果 を 任意 に並べただけであ って,それ らの言 明を体系的 に検討 した ものではない。

そ こで我 々は,本研究に とって重要 と思われる観点か らこれ らの言明を整 理 し,本論文の 目的にそった検討を行 うこととする。それは,彼 らの分析を もとに ドイツにおける企業市民活動 を一般的 と思われる実態 とドイツ的特徴 を示す事柄に整理 しなが ら, ドイツにおける企業市民活動 に見 られる長所 と 短所 とを明確化 し,何 らかの新たな言明を引 き出す知的前進への第一歩 を踏 み出す ことにな るであろう( 1 ) 0

企業市民行動 は企業 による公共的 ・福祉的活動であ り,それを主導するの

は企業の管理活動その ものにはかな らない。そ こで,我 々は彼 らが調査結果

か ら得た言明を,管理過程 ( マネジメン ト ・サイクル)の流れにそって整理

(24)

してみることとす る。企業市民活動の実行は,他の管理 と同じように ,

画 」‑ 「 遂行 」‑ 「統制 」( pl a n,Doa n dS e e i tD というマネジメン ト ・サイ クルの中で行われるか らである。 しか し, この作業は困難である。提示 され た言明は,必ず しもマネジメン ト ・サイクルに適合するものではな く,広 く 一般的な言明 と思われるものが多数存在するからである。

( 1 )企業市民活動の 「計画」的側面 ( 丑 企業市民活動の広範な展開

調査結果が示 した重要な認識は,企業市民活動は ドイツでは広 く行 き渡 っ た行動である, ということである。調査対象企業の圧倒的な企業数が企業市 民活動を実施 している。約 5分の 4の企業が連邦規模で福祉的 目的に従事 し てお り,企業規模の増大に伴 って 「 社会的責任」への用意が増加 している。

大企業で この活動 に取 り組 まない例はな く,中規模企業では企業市民活動が 強力に拡大 しているとはいえない として も,それは企業市民活動の後退を意 味するものではない。最小規模の企業でさえ 4分の 3以上の企業が何 らかの 活動 に従事 しているからである ( 2) 0

この調査成果は,企業市民的活動は もはや特殊な企業による特殊な活動で はな く,多 くの企業によって取 り組 まれている一般的な企業活動 と判断する ことを許す ものであると言えるだろう。 したがって,これは企業活動に体系 的に既に組み込まれた一つの管理体系の存在を暗示するものであ り,企業市 民活動の出発点すなわち計画の基礎を堅固なものにするであろう。

② 企業市民活動の長期性

企業市民活動は広 く短期的な成果計算に関係な く行われている。多 くの企 業は継続的 ・持続的支援活動 に努めているか ら,企業はこの 目標においても 中長期的なイメージの育成 に関心を持つのは明らかである ( 3 ) 0

この調査成果は我々に とって極めて重要な言明である。市民化管理の成立

は企業の長期的な維持 ・発展の観点に強 く関連するからである。実践的には

(25)

無限持続的存在 として認識 される現代企業は,絶 えず長期的な観点の下でそ の意思決定を行わなければな らない。企業市民活動の計画に当たって, この 言明は計画に関する意思決定の基礎 を形成するであろう。

③ 企業市民活動の従事者

企業市民活動 には従業員は もちろんの こと,管理者や所有経営者 も参加 し ている。その参加は個人的な無償の奉仕,公的な立場か らの社会問題への取

り組み,さらに政治的な助言活動 にまで及んでいる。それ らは個人的活動で もあ りうるし, 何 らかの資格を もった人 々による集団的活動で もあ りうる( 4 ) 0

公共福祉的活動は,その分野 における何 らかの資格 を持 った協働者 によっ てなされる方 が効果的であろう。また,管理者や経営者 によって行われるな らば,その経歴 と経験 が有効 に利用 され うるであろう。 この ような活動が個 人的動機 か ら出発 しあ くまで も個人的活動 と解 されるのは別 として,それが 企業の名の下 に行われるものについては,その実行は企業 自体 に よる公式的 な ものになるのは自明であろう。そ うであるな らば,他の企業活動 と同様 に それは企業管理の対象 として合理的に実行 されなければな らない。合理的企 業活動の出発点は,企業活動の合理的 「 計画」の形成である。

④ 企業市民活動の非公式的基礎

企業市民活動はその多 くが契約に拠 らない非公式的基礎の上で行われる。

契約に基づ く活動はスポンサー制度 とい う形態である。スポンサー制度はコ ミュニケーシ ョン政策 と同じ手段である。非公式的行為 は決 して非システム 的行動 ではな く,多 くの企業では戦略的あるいは政策的な範囲構想が作 られ るが,企業市民活動はそれ とは異なる基礎 に基づ き計画され,追加的に, 自 発的に,状況関連的に行われる ( 5 ) 0

生産活動や労務活動 がそれぞれ固有の異なった原理 に基づいて実施 される

ように, これ ら二つの企業活動 か ら区別 される企業市民活動 もまた異なった

原理 によるこ とはこれまでの検討 によって推測で きるであろう。企業市民活

動の計画に当たって,非経済的な公共福祉的活動 は,それが 目指す企業 目標

(26)

を効果的 に達成 しうる思考 と原理を明確に把握 しておかなければな らない。

すなわち , この計 画 は 「企業市民化 の原理 ( da sPr i nz i pde rCo r po r a t e Ci t i z e n i e r u n g ) 」 に基づいて作成 されなければな らない。

⑤ 企業市民活動の多面的領域

企業市民的活動 が最 も多 く行われる分野は 「 社会」である。それ以上 に, 文化 ・教育,スポーツへの支援 も拡大 している。 しか し,科学 と環境 とい う 領域では極めて少ない ( 6 ) 0

「 社会」 とい う分野 ( d e rBe r e i c h, , S o z i a l e s " )は,その他の領域での支援活 動 が具体的で明確 であ るのに対 して,概念的にかな りあいまいなので, この 分野が多数を占めている と推測で きる。企業市民企業活動はまさに社会 に対 する公共的 ・福祉的活動 と解 されるか らである。

それに対 して,科学 と環境 における支援活動がほ とん ど行われない とい う 結果は意外である。 これ らの分野は企業 レベルの問題ではな く,国家あ るい は国際的な政策的 レベルの問題であること,あるいは支援の対象 というより 企業の生産過程 における企業本来の活動領域であ り, ドイツに限 らず既 に企 業の当然の課題 として実施されているので,支援の対象 とはな りに くい, と いった理 由が考 え られ るであろう。

( 2) 企業市民活動の 「遂行」的側面

① 社会的投資 と経済的動機

この研究 によって,企業市民活動は社会政策的次元を持 った経済的動機 に

基づ く活動であることが示 された。マース らの関心の一つは,商人的計算を

行 う企業がなぜ社会問題の解決に没頭する用意があ るのか,であった。実践

的成果が明白に示 したのは,企業は経済的理性 に反 してまで市民活動 に従事

する, とい う理解 は不適切であるとい うことである。調査 された企業の多 く

は,福祉的活動 を社会 における投資 と見ていたのである。企業は企業存続の

機能的基礎の確保 を求めてお り,社会的問題の解決 と社会の発展は企業の生

(27)

得的利害なのである。同時に,企業市民活動は公衆 に認識 され共 同社会の要 請 に関心ある組織 と見 られる可能性があるか ら,社会的効用 を もた らすだけ でな く,企業政策的 目標の実施にも貢献する。 したがって,企業市民活動 は 純粋な経済活動 として も理解で きるのである ( 7) 0

企業市民活動 は,企業の長期的維持 ・発展のために必要な経済的動機 を伴 う社会的活動 である と理解 される。極端 に言 えば,企業市民活動 は非経済的 な社会的効用 を実現することによって,企業の維持 ・発展 に貢献する企業政 策的 目標か ら導 かれ る,まさに 「 社会 に対する投資」と解釈で きるであろ う。

したがって,企業市民活動計画の遂行は企業の維持 ・存続 に とって必要な, 長期的な非経済的分野 に対する投資 とい う経済的活動 とも理解 されるのであ る。 したがって, この遂行 に当たっては,純粋な経済的活動 として理解 され ることも必要なのである。

( ∋ 外部関連 の育成

企業 に とって重要な要求集団は多数存在するが,企業市民活動 は これ らの 要求集団 との友好的関連の獲得 を 目指す コミュニケーシ ョン政策的 目標 か ら

も行われる。企業市民活動の効用は, これ らの重要な要求集団に とってプラ スであ り,これ らの集団 と交流する領域で活動す ることによって得 られる。

したがって,企業市民活動の本質的な要素は, これ ら多 くの要求集団に対す る社会的従事を意識的 に 目指す コミュニケーシ ョンである。そ うでない場合 は これは 「 公衆関係 ( Publ i cRe l a t i o ns ) 」の手段 となる。その 目指す ところ は ,企 業 イメー ジ を転 換 す る こ とに よって彼 らか ら改善 され た 「好 意

( go o d wi l l ) 」 を得 ることである ( 8) 0

企業のいわゆ る 「 利害関係者」は数多 く存在 し,企業市民活動の遂行 に当 たってはこれ ら利害老集団に対 して積極的に働 きかけ,彼 らか ら企業 に対す る 「 好意」を得 るこ とによって,企業 との環境関連を改善 し企業の長期的な 維持 と存続を確保 しなければな らない。 これはまさに , 「 企業市民化管理」

の課題 を形成す るものであ り, したがって企業市民構想は 「 市民化管理」の

参照

関連したドキュメント

管理技術などの紹介,分析は盛んにおこなわれてきたが,アメリカ企業そのものの包括

  「教育とは,発達しつつある個人のなかに  主観的な文化を展開させようとする文化活動

「心理学基礎研究の地域貢献を考える」が開かれた。フォー

15 江別市 企画政策部市民協働推進担当 市民 30 石狩市 協働推進・市民の声を聴く課 市民 31 北斗市 総務部企画財政課 企画.

 県民のリサイクルに対する意識の高揚や活動の定着化を図ることを目的に、「環境を守り、資源を

条例第108条 知事は、放射性物質を除く元素及び化合物(以下「化学

▼ 企業名や商品名では無く、含有成分の危険性・有害性を MSDS 、文献

⑥同じように︑私的契約の権利は︑市民の自由の少なざる ⑤