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「総合的な学習」の共創と教育支援

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「総合的な学習」の共創と教育支援

須曽野 志■

小・中・高等学校において「総合的な学習」の時間が2002年度より本格的に導入され、

その学習内容・方法や時間数の取り方などについて検討が進んでいる。その導入にあたっ ては、学校現場において問題点が多く指摘されており、本報告では「総合的な学習」の特

徴・問題点を明らかにし、「総合的な学習」の時間の進め方や共創のあり方、学校現場に 対する教育支援について述べる。

キーワード‥総合的な学習、共創、教育実践、教育支援、インターネット、メーリングリ

スト、Webデータベース

1.はじめに

筆者は1997年3月まで三重県上野市内の公 立中学校に勤務し、選択授業や特別活動に時間 に、「芭蕉データベース」(1989‑1993)「環境 グリーンデータベース」(1991‑1993)の作成・

活用、Logoを用いたプログラミング学習、

「五七五&英語自己紹介ホームページ」(1996‑

1997)の作成などの教育実践を進めた。このよ うな教科の枠組みを越えた情報学習を進めるに は、学習時問の確保、学習環境の整備、教師の 学習支援が重要であった。

学校週5日制(2002年4月実施)に向けた新 学習指導要領が1998年12月〜1999年3月に文 部省から告示され、その中で、「総合的な学習」

の時間が小学校3年生から中・高等学校まで週 2〜3時間程度導入されることが明記されてい る。この時問が導入されると、筆者が実践して きたような地域に根ざした学習や児童生徒の発 想を活かし、学習成果の情報発信を重視した教 育実践が行いやすくなる。

現在、各学校においてや教育関係者の中で、

その時間数の取り方や学習内容などについて検 討が進められている。指導要領の移行措置によ

り、2000年度から準備が整った学校において

「総合的な学習」の実践が可能となっているが、

*

附属教育実践総合センター

その導入にあたっては、一般的な学校において 問題点が多く指摘されている。

本報告では、まず「総合的な学習」の特徴・

問題点を取り上げる。そして、「総合的な学習」

の時間をどのように共創するかや、教育学部附 属教育実践総合センターにおけるその実践に対

する教育支援について述べる。

2.「総合的な学習」導入の特徴及び問題

(1)導入される「総合的な学習」の特徴

「総合的な学習」が教育関係者の関心、をひく ようになったのは、中央教育審議会が1996年

7月に21世紀初頭の学習指導要領の基礎とな る第一次答申の中で「総合的な学習の時間」の 設置を提言したことがきっかけである。中央教 育審議会答申を受けて設置された教育課程審議 会は1998年6月22日に本答申を公表し、この 中で「総合的な学習」について中教審答申より 具体的に記述している。

教育課程審議会本答申に従って「総合的な学 習の時間」の特徴について、列挙すると次のよ

うになる。

1)教科の枠組みを超えた時間

「総合的な学習」の時間における具体的な学 習活動として、国際理解、情報、環境、福祉・

健康などの横断的・総合的な課題、児童生徒の 興味・関心に基づく課題、地域や学校の特色に

‑105‑

(2)

応じた課題などが例示されており、適宜、学習 課題や活動を設定して展開するようにすること が考えられる。その際、自然体験やボランティ

アなとの社会体験、観察・実験、見学や調査、

発表や討論、ものづくりや生産活動などの体験 的な学習、問題解決的な学習が積極的に展開さ れるだろう。

2)週2‑3時間の「総合的な学習」

「総合的な学習」は、一つの教科としてでは なく、学校教育において、道徳、特別活動と同 様に、領域として加わる。したがって、小・中 学校では、「教科」「道徳」「特別活動」「総合的 な学習の時間」の4領域となる。教育課程審 議会の「審議のまとめ」によれば、「総合的な 学習」は、小学枚3・4年で年間105時間、5・

6年で110時間が割り当てられており、いず れも過当たり約3時間が確保される。中学校で

は、1年生が70〜100時間、2年生が70〜105 時間、3年生が 70〜130時間であり、過当た

りで2‑3時間が割り当てられる。

3)社会の変化に主体的に対応できる能力を育

「総合的な学習」は、国際化や情報化をはじ め、社会の変化に主体的に対応できる能力を育 成することが導入のねらいとされている。21 世紀の社会を人間らしく生き抜く力として、

「自然との共生」「グローバル(国際的)な視点」

「情報の活用」「人への配慮」「人とのコミニュ ケーション」などが挙げられる。

4)各学校が創意工夫できる時間

これまで各教科の学習内容は文部省学習指導 要領により規定され、教科書を用いた学習指導 が行われてきたが、「総合的な学習」は学習目 標・ねらいだけが国レベルで示されているだけ であり、学習内容・方法については各学校・担 当教員に任されている。したがって、「総合的 な学習」は、地域や学校の実態に応じて各学校 が創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開す る時間となり、「規制緩和の時間」とも言えよ

つ。

5)地域・校区との連携

「総合的な学習」の実践では、児童生徒が教

室内での学習だけでなく、学校外に出向き、情 報の取材・収集をしたり、地域の図書館、公民 館などの公共施設を利用したり、地域住民から 教わる機会が多くなると考えられる。そのため に、学校側が地域との連携を日頃から深めてお く必要がある。

大学の附属学校においては、大学の施設(例 えば、三重大学の場合、附属農場、附属演習林、

附属演習船など)を利用した特色ある「総合的 な学習」の実践が実現可能であり、それらの連 携を取り合うことが重要である。

6)「教わる時間」より「学ぶ時間」

わが国の学校教育において、従来の教科の授 業では、

・多人数一斉指導型授業

・受動的情報受信型学習

・記憶・暗記中心的な学習

が主であった。今後、「総合的な学習」の時間 はでは、「教わる時間」より「学ぶ時間」とな

・少人数個別・グループ学習

・能動的情報発信型学習

・情報探索・知識活用型の学習

・プロジェクト型学習の推進 が重視される。

教師の活動も、「教授する」ということから

「児童生徒の学習を支援する」という役割が求 められている。

(2)学校現場での問題点・課題

「総合的な学習」導入に伴う学校現場での問 題点を調査するために、三重県・愛知県・岐阜 県の学校教職員及び社会教育関係者(102名) を対象にアンケートを行った(調査日1999年 7月12日三重大学教育学部主催社会教育主事講 習会にて)。その調査の中で、「問題点」として 記述されたものまとめたものを表1に示す。

「教師の仕事量・負担」として、「教師は総 合的な学習の準備に多大な時間が必要になる」

「先生たちがますますたいへんになる」「学校教 職員の定数が現状のままでは、多様な学習に対 応できない」という指摘が多い。「総合的な学

(3)

表1 教育現場における「総合的な学習」の問題点

(1)教師の仕事量・負担

・指導者が現状の定数では、多様な学習に対応できない。

・教室で行われないので、(教師の)人数が必要であろう。

・先生たちがますますたいへんになる。

・教師は準備に多大な時間が必要になる。

・新しいカリキュラムなど、教師の負担がますます増える。

・教材研究、情報収集が大変。

(2)教師の資質・発想転換

・教師の考え方(やわらかい思考)。

・先生の個人資質に左右(上下)する部分が多いのでは?

・これまでの指導に固定観念をもっておられる先生も多い。

・教員が研修不足である。せっかくの時間をムダにしてしまいそう。

・指導者が対応できないかも。

(3)学校での取り組み・推進体制

・考えていく時間、教師・生徒の中にある基盤づくり、協力体制づくり。

・担当者を決めること。そして、その継続性や方向性がバラバラにならないか。

・時間がかかること。

・係わる人が限られてくる。

・教師間の温度差があること。

・学校独自でまず研究していかなければならない。

・時間がかかる点。移行はすんなりとはいかない。

・教員の共通理解がはかれるだろうか。

(4)児童生徒の問題

・自主学習する下地が生徒にできていないなど。

・子ども一人一人のスピード・方向性が異なるので、その対応がむずかしい。

・コマ切れで継続的・集中的にできないのでは?

(5)地域との連携・管理職の理解

・地域や学校長などの理解・共通理解が得られるのか?

・地域の人を講師にする場合などの生活指導面。

・管理職の姿勢。

・地域と学校とのつながりがまだ密接でない。

(6)環境・施設設備の面

・条件整備が不十分である。

・施設や備品が少なく、予算ももらえそうにない。

・40人学級など、現在の教室配置では、子どもたちの学習意欲・興味に十分対応できない。

・学習を整えていくのに大変な準備が必要である。中学校の現場だけのことではないが、いろいろとや りすぎる傾向にあり、ついていけない。

・金銭的問題と、すぐ新しいものが出て、部品がなくなる。

(7)カリキュラムの開発

・あらゆることを考えて、カリキュラムを組む必要がある。

・2002年度から導入されても、今から構想を何通りも考えておかないと、何をやっていいのかわから なくなる。

・新たに開発していく必要が多い。現状はとても忙しい。

(8)従来の教科と関わって

・生活科と同様なことが起こりえる。(教科書、評定など)

・既存の学習内容をすべてこなすとするならば、教えることが多すぎるということにならないか?

・生活科と同じように、内容が画一的になる可能性がある。

・2002年実施に向けて、今から実践を積み上げることは大切。しかし、現在では時間が確保されてい ないので、各教科・領域から時間を削って生み出していること。

(9)学力に関連して

・各教科の授業時間数が減るのに学力が確保できるか。

・それぞれの教科の中で切り捨てない方がよい内容が切り捨てられ、基礎学力が低下する恐れがある。

・基礎学力の低下が問題になっているにもかかわらず、その上、教科の時間が少なくなる。

(10)受験・学歴社会と関わって

・学歴社会という考えがあるかぎり、必要性をきちんとアピールしなければならない。

・現在の受験制度を根本的に変えないことには、ますます、受験戦争が過熱するばかりか、学校間格差、

公教育離れが進む。

・入試制度への影響

(11)「総合的な学習」の実践に対する評価

・実践内容の教育的価値の有無。

・学校間格差が増大する。

一107‑

(4)

習」の実践のために、学習支援できる教師の数 を増やすことは必要である。「教師の資質・発 想転換」という点では、柔軟な発想・思考をす ることが教師に求められ、「総合的な学習」の 実践が教員の個人資質に左右されやすいことも 考えられる。

「学校でのとり組み」として、「総合的な学 習」について共通理解をはかったり、実践を進

めていく上での基盤づくり、協力・推進体制づ くりが指摘されている。また、「児童生徒の問 題」として、自主学習する下地を育てたり、学 習スピードや方向性が異なる児童生徒一人一人 への対応をどうするかが課題である。

「地域や学校長(管理職)などの理解をどの ように得ていくか」といったことも「総合的な 学習」を進めていく上で重要となる。さらに、

「総合的な学習」実践のための学習環境の面で の条件整備が必要であり、施設・備品での予算 を増やしたり、40人学級を改善することが必 要である。

「カリキュラムの開発」に関しては、「あら ゆることを考えて、カリキュラムを組む必要が ある」「2002年度から導入されても、今から構 想を何通りも考えておかないといけない」といっ

たことがコメントされている。「従来の教科」

「学力」と関わって、「内容が画一的になる可能 性」が指摘されていたり、「現在では時間が確 保されていないので、各教科・領域から時間を 削って生み出している」「各教科の授業時間数 が減るのに学力が確保できるか」「基礎学力が 低下する恐れがある」といったことが問題であ

る。「受験・学歴社会」と関わって、「学歴社会 という考えがあるかぎり、総合的な学習の必要 性をきちんとをアピールしなければならない」

「現在の受験制度を根本的に変えないことには、

ますます、受験戦争が過熱するばかりか、学校 間格差、公教育離れが進む」といったことが懸 念される。

(3)教育系大学における「総合的な学習」に対 する課題

一般の学校で「総合的な学習」を展開してい

くには、教科間の連携や斬新なアイデアが重要 であり、教育研究機関(大学、教育センターな

ど)の支援が必要である。

教育系(教員養成)大学において、各教科を 担当する教員養成が行われているが、教科の枠 組みを超えた「総合的な学習」の場合、教員養 成や教師教育(教師の学習支援を含め)にどの ようにとり組んでいくか、今後の課題と言えよう。

今後、「総合的な学習」のためのカリキュラ ムを開発したり、学校現場を支援する上で、行っ ていく上で、筆者が勤務する教育学部附属教育 実践総合センター(以下「実践センター」と略 す。他の国立教育系大学においても名称は異な

るが同様なセンターが設置されている)の役割 が重要となっている。

「実践センター」が学校現場における「総合 的な学習」の実践を支援する場合、教師と学習 者を対象にした支援が考えられる。

教師を対象にした支援では、即実践型の指導 マニュアルではなく、学校現場での教師の立場 にたち、教師独自のアイデア、学校現場でのチー ムワークを重視した支援が大切である。インター ネットを利用した教育支援として、「総合的な 学習」を実践していくために、教育情報の提供・

実践交流が望まれる。「実践センター」のスタッ フとして、地域の学校現場に自ら出向き、教育 情報の収集を行ったり、出前型での教育支援も 可能である。

学習者に対しては、インターネットを通した 学習情報の提供・整備が課題となるが、児童生 徒にとって身近なところから学習材を見っけ、

「総合的な学習」の学習を支援することが重要 である。また、教室内外での情報発信型の学習 を進めるために、学習成果を発表するためのプ レゼンテーションの仕方への支援、学校・教室 を結びつけたプロジェクトを推進することが

「実践センター」の役割として考えられる。

3.「総合的な学習」の共創

(1)「総合的な学習」の実践の進め方

前述したように、「総合的な学習」の中では、

(5)

学校での創意工夫や児童生徒の主体的な学習活 動が期待されるが、教員及び教員集団の姿勢と

して、「児童生徒の自主性に任せて何をやって もよい」「児童生徒が何を取り上げてもどんな やり方で学んでいってもよい」といった放任主 義では、「総合的な学習」は意義ある時間とは なりにくい。

2.で述べてきたように、「総合的な学習」

では実践する前の準備、特に担当教員の打ち合 わせ、教員の役割をどうするかといった点が重 要である。

まず、学校で考えるべきことば、「総合的な 学習」の実施計画の作成である。例えば、中学 校で「1年生が総合的な学習の時間においてど のような学習内容にとり組むか」ということを 考えると、「総合的な学習」でとり組む大きな テーマ、確保したい時間数、支援できる教師及 びその役割等が問題となってくるであろう。ま た、それらは学校全体での時間割編成にも関わっ てくるであろう。その後、生徒が大きなテーマ に基づき、どのような内容に着目し、どんな方 法で学習を進めるかといった点を考慮すること が必要となる。例えば、各個人や各グループで 大きなテーマに基づいたことで関連したテーマ を設け、それについて情報を収集、調査、まと めをすることが考えられる。

(2)「総合的な学習」の共創の実現

「総合的な学習」の実践の中には、大学での 卒業研究のように、一人一人がテーマをたて、

それを追求し、論文(レポート)をまとめると いった学習形式が考えられるが、学校・学年・

学級での「学び」を進める上で、クラス規模で のものからグループでの小集団のものまで、集 団での協同学習を重視すべきである。

筆者は、「総合的な学習」を指向したこれま での中学校での教育実践の経験から、「総合的 な学習」の学習活動において、児童生徒が何か のテーマに基づき、プロジェクト型の学習 (ProjectBasedLearning)を進め、作品(例 えば、ホームページ、データベース等)を共に 創り上げること、つまり、「総合的な学習」の

共創を提案したい。特に、地域をベースとした プロジェクト型学習の共創が重要となるだろう。

プロジェクト型学習を展開するには、学校現 場において、一人の教師が単独で学習設計・実 践を進めるのではなく、教師同士がチームを編 成したり、他の学校の教師とのネットワークを

作っていく必要がある。

「総合的な学習」の共創においてには、他に 次のことがらが重要である。

・学習環境の整備

・学校現場を支援する体制づくり

学習環境の整備に関しては、コンピュータな どの学習機器が、必要な情報を入手したり、情 報を加工・創造できるように環境が整っている ことが必要である。また、情報機器をコンピュー タ教室だけでなく、携帯性に優れた情報機器を 利用し、普通教室や学校外などで利用したり、

インターネットなどの通信回線を用いて、学習 成果を学校外に情報発信することが重要である。

「総合的な学習」の実践を展開していくには、

大学や教育研究機関が学校現場での実践を支援 することが必要である。筆者らは「実践センター」

としてインターネットを利用し、これまでイン ターネットを利用した具体的な支援として、

「総合的な学習情報交換メーリングリスト」の 管理・運営、「総合的な学習実践&アイデアデー タベース」の試作、学習者のための参画型プロ ジェクトの提案などを進めてきた。

4.インターネットを利用した「総合的 な学習」にかかわる教育支援

(1)「総合的な学習」情報交換メーリングリス トでの管理・運営

筆者は「実践センター」内のメールサーバー を利用し、「総合的な学習」情報交換メーリン

グリストを管理・運営している。このメーリン グリストのサービスは、1998年9月にスター トさせ、現在メーリングリストに登録されてい るメンバーは約750名である(1999年12月末 時点)。参加者の多くは、小学校・中学校・高 等学校に勤務する教員であるが、大学の研究者、

‑109‑

(6)

教育書出版関係の編集者、コンピュータ会社の SE、保護者の立場からの参加者も含まれてい

る。また、北海道から沖縄までの全国各地にと どまらず、世界に点在する日本人学校勤務の教 員も参加している。

メーリングリストに投稿されるメールの数は、

1999年12月末時点で1556通で、平均すると、

1日に3.3通のメールが交換されていることに なる。

現在、「総合的な学習」に関わって話題となっ ているテーマには、次のようなものが挙げられ る。

・授業公開研究会等の案内

・「総合的な学習」の時間に取り上げられて いるテーマ

・子どもによるプレゼンテーション

・「全国多地点方言交流」実践計画報告

・「総合的な学習」でのデジカメの活用

・高校における総合的学習について

・小学校で英語ですか?

・「どうすれば英語が話せるか」

・「総合的な学習の時間」の年間計画につい

・野外活動における事故について

・少子高齢化社会に向けての提言について

・総合的な学習の時間 例示されている「情 報」の課題とは?

・選択教科と総合的な学習の時間

・総合的学習の年間計画作成について

・複式の小学校での取り組みについて

・「総合的な学習」を実践できる時間割作成

・ポートフォリオ評価について

(2)参画型Webデータベースの作成・情報提供 筆者が担当する三重大学教育学部の授業で、

2つの参画型Webデータベースを作成し、イ ンターネット上で試験的に情報を公開した。

作成に用いたソフトウエアは、「ファイルメー カーProver4」である。それを用いると、ソフ

ト上で、共有設定を「マルチユーザ」に、ネッ トワークプロトコルを「TCP/IP」に設定すれ ば、Web上で情報の公開が可能なデータベー

スとなる。学生はセンター内コンピュータ学習 室のコンピュータを用いたり、インターネット 接続された外部のコンピュータから、データベー

スへのアクセスが可能となる。また、パスワー ドをかけることにより、使用者を受講学生や関 係者のみに限定できる。また、インターネット 上で情報公開するために、データベースサーバ (Macintosh)を三重大学教育学部附属教育実 践総合センター内に設置した。

1)「三重県総合学習素材Webデータベース」

須曽野が担当する「教育情報科学Ⅱ」の授業 (1998年10月〜99年2月、情報教育課程学生 対象、受講生十数名)で、学生が三重県内の学 校で「総合的な学習」の中でどのようなことが 学習できるかを考え、そのための素材を収集し、

「三重県総合学習素材Webデータベース」を作 成した。データベースへの基本的な入力項目は、

テーマ、分類(海、川、山、道、生き物など)、

領域(地域学習、情報、環境、自然体験など)、

関連教科(国語、社会、数学など)、説明、キー ワード、地区(北勢、中勢、伊賀など)などで ある。入力の際、分類や領域などではチェック ボックス、地区ではポップアップメニューが使 われ、予め用意された項目を選ぶことにより、

入力がスムーズに行われるように工夫されてい る。授業終了時点において、151件の情報が登 録された。(図1)

2)「学生による総合的学習テーマデータベー ス」

須曽野が担当する「教育工学」の授業(1999 年4月〜99年7月、教員養成課程学生対象、

須曽野担当、受講生は約40名)において、学 生が「総合的な学習」で学習可能なテーマを考

え、それを集めたデータベースの作成を行った。

「学生による総合的な学習テーマデータベース」

への基本的な入力項目は、テーマ、領域、関連 教科、説明、キーワード、学習方法(コンピュー

タ利用、視聴覚機器利用、プレゼンテーション、

グループ活動など)、教師の支援(ティームティー チング、外部講師、校外活動、学校間交流など) が設定されている。(図2)

(7)

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貞軋み ホーム ■■ ガイド 毒傭 フリント セキ1リナィ ¶止

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データべ一ス名:三重県結合学習素材データベース

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キーワード

壷旅

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伊賀(上野、名張など)

北勢(桑名、四日市、鈴鹿、

亀山など)中勢(津、久居、

佗飯など)伊勢志摩(伊勢、

鳥羽など)伊す(上野、名張

など)王妃州(尾鷲、毒ほ予な

ど)

伊千(上!亨.名張など)

(上!亨、名張など)

伊賞(上野、名弓畏など)

上野市 酬句、奥の細道

三重県 全域

名産品 伊勢エビ

松阪牛

歴史 前方後円墳

忍者、忍法

知i高 Ⅰ細示ii‑ "

図1 三重県総合学習素材データベース画面例

at d 藩主

●■ ガイF∴ ∴■i■ プリント セ●1リナイ ■止

小学生向き中

学生向き 小学生向き中 学生向舌

中学生向き高 櫻生向き

図2 学生による総合的な学習テーマデータベース画面

‑111‑

もり岩場.も

甲.雪空▲.・しヽ.∴∴

▲.1∵‑.)こい・点ゝヽ‖√L・J・、・∫

(8)

1)2)の実践を行い、その問題点・課題をま とめると、次のようなことが挙げられる。

・学生が入れた情報には偏りがある。特に「地 域学習」「自然体験」「社会(教科)」に関連

した情報が多く、「国際理解」「平和学習」と いったものが少ない。

・データベースの公開は限られた人に限定して きたが、今後、学校現場や教育関係者へどの ように公開していくかが課題である。

・データの改善をどのようにしていくか。現在、

パスワードを知っていると、入力者以外もそ れを行うことができるので、データの変更が 誰もが可能ということが現段階では問題であ

る。

・データベースに画像を取り入れていく。

5.おわりに

今後、学校現場への教育支援として、教師の ための「総合的な学習」実践紹介&支援ホーム ページの作成と、学習者のための参画型プロジェ

クトの推進を進めていく予定である。

「総合的な学習」で児童生徒の学習活動をど う評価することについても、学校現場では課題 となっており、その評価法についても検討して いきたい。

参考文献

1)須曽野仁志・下村 勉「インターネットを 用いた『総合的な学習』の教育支援」日本教 育工学会第14回大会講演論文集、p401‑402, 1998.9

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