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一茨城県を例として一 原田 榮*

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(1)

茨城大学教育学部紀要(人文・社会科学,芸術)42号(1993)65−86      65

市町村の地域的性格 一茨城県を例として一

原田  榮*

(1992年10月7日受理)

The Regional Characteristics of Administrative Districts(City, Town, Village):

ACase Study on Ibaraki Prefecture

Sakae HARADA*

(Received October 7,1992)

はじめに

地理学の研究対象である地域は,自然・社会両環境の上に人間生活が展開される地表空間であ り,その概念には形式的にも実質的にも種々の見解がみられるが,現代社会においては実在する地 域の基礎基盤として市町村をあげることができよう。市町村という地域は,個々の人間の出生・成 育・活動生活において流出や流入などの断続はあるものの,集団としての人間にとって市町村はそ こに居住・活動生活をすることを通して密接な地域であり,具体的に実在する地域であると考えら

れる。

わが国における行政区画としての市町村は,いわゆる自然村を幾つか合わせることによってその 地域を明治以降拡大してき,昭和29年(1954)頃の市町村合併後約40年を経過する間に市町村民の 一体感も高まり,日常的生活的に地域的機能を定着させているとみることもできよう。

そこで,極めて単純素朴な考え方として,市町村を基礎基盤地域としてとりあげ,その地域的性 格を茨城県の市町村を例として摘出しようとするものである。この場合の市村町という地域は,人 間集団としての市町村民が居住し活動(生産・生活)する地域社会であることはいうまでもない。

さて,地域の性格ないしは実体をみるときには,その地域の個有の事象を強調する場合と,他の 地域との相互比較による場合とがあるが,本稿ではその市町村がその上位地域とみなされ住民に

とっても意識にあると考えられる茨城県の全体的平均状態をベースにしてみることにした。つま り,それぞれの市町村を県レベルとの比較を通してより地域的性格を明らかにしようとするもので

ある。

*茨城大学教育学部地理学研究室(〒310 水戸市文京2丁目1−1:Laboratory of Geograph払Facultry of

Education, Ibaraki University. Mito, Ibaraki 310, Japan).

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第1図 土地利用の類型(1987)

・市町村名は第10図参照 一凡例資料出典は第1表参照

(3)

原田:市町村り地域的性格一茨城県を例として一      67

また,20市42町25村の計87市町村は当然ながら相似であったり同型であるとすれば,これら市町 村の類型化も地域的性格を明らかにするためには必要であり,これの解釈に際しては,広域活動が 活発化している実状に鑑み,茨城県内における各市町村の位置関係と首都圏との位置関係に立脚し て進めることにした。個々の市町村は,それ自体が存在する基盤を地域的性格としながらも,他の 市町村との関連においてさらに地域的性格が深化するとみることができるのではなかろうか。

1 土地利用による市町村の類型とその地域的性格

第1図は,各市町村の地積に占める田,畑,宅地,山林,原野,雑種地・その他の5分野につい て,全県の構成比16.5,19.5,8.8,32.1,23,3%以上の構成比を有するそれぞれの分野を並べて得 た23の類型の分布図である。この記号および分野は第1表に示すごとくである。

第1表 土地利用による市町村の類型(1987年)

② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧

山村原野

雑種・他

市町村数

2 2 5 3 6 12 8 3 6 7 1 1 1 1 1 1 6 2 4 1 5 4 5

茨城県地方課:「昭和62年版 茨城県市町村概況」による.

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第2図 市町村の人口規模(1990)

1990年国勢調査による.

(5)

原田二市町村の地域的性格一茨城県を例として一      69

これら土地利用の形態は,地形をベースとする自然環境と,位置による社会環境のそれぞれの相 違を反映しているものとみることができる。こうした環境的視点を考慮して3大類型に区分してみ た。以下に類型の意義・分布状況・分布要因などについて述べることにする。

第1の大類型は,田・畑・宅地のみの土地利用の組み合せからなるもので,都合30市町村が該当 し,その分布は瓜連・那珂両町勝田市以南の常磐線沿線,下館・下妻・結城諸市とその周辺町村の いわゆる県西地域,霞ヶ浦南部利根川流域などが核心地域をなす。これらの分布地域は,関東平野 を構成する茨城県の台地や低地の占める地域と,都市的地域およびその周辺地域に多く分布してお り,北部よりは南部の方にある市町村に多いとみることができ,①〜③はどちらかといえば農村 的,④〜⑥はそれに宅地が加わる都市的地域にみられる類型である。

第2の大類型は,必らず山林・原野が県の平均以上の構成比を有するものを摘出し田〜囹の記号 で示し都合29市町村になる。分布は田の山林・原野のみでしかも高率な地域は県北西部の八溝山系 の山間地に,[2】團はその斜面から平地にかけて,囚が県北多賀山地に,それぞれ分布し,團〜團は それぞれ1市町村のみであるが県北部に多い。この総体的分布では山地に関連して県北部に多く県 南部に少なくなっていて,分野の組み合せも北の田,南の畑・宅地・雑種地など,おかれた自然環 境や社会環境との関連を示唆するのをみるのである。

第3の大類型は,山林源野を含まないが雑種地・その他の分野を有する①〜⑧の記号で示さ れる28の市町村である。田は雑種地のみの美浦村であり,②〜⑤は田・畑を有する雑種地で鹿行

・霞ヶ浦沿岸にみられる。これらに住宅地を加えた⑥〜⑧は,石岡・土浦・取手・古河・岩井・

水海道などの諸市を常磐線沿線南部に多くみられ,都市的土地利用の進展している首都圏外縁部に 相当する地域ということができ,これら大類型は総じて県南部に多くみられるのである。

2 市町村の人口規模とその地域的性格

市町村の地域的性格を示すものに,「わが町の人口は……」のように人口数があげられるのがし ばしばである。第2図は,1990年の国勢調査の市町村別人口を任意に階級区分して図示したもので ある。この時点における茨城県の人口は,2,845,382人であり,87市町村の単純な平均は32,705人 でありその標準偏差は38,369で,これを基準に階級すべきであるが,俗に人口数を地域の指標とす ることが多い社会的現実を考慮に入れて,敢えて任意に階級区分したものである。

市については,20万以上が,水戸・日立の2市,10万〜20万には勝田・土浦・つくばの3市,10 万〜5万には北茨城・石岡・牛久・竜ヶ崎・取手の常磐線沿線の5市と下館・結城・古河の県西3 市の都会8市が区分される。これら5万以上の市に対して5万以下の市は高萩・常陸太田・那珂湊

・笠間の県北4市と下妻・岩井・水海道の県西3市の計7市があげられる。そして,これらの20市 は隣接ないしは連続するという特長がみられるのである。すなわち,北茨城市と高萩市,日立市と 常陸太田市,那珂湊市と勝田市と水戸市と笠間市,土浦市とつくば市,牛久市と竜ヶ崎市,下館市 と結城市と(小山市),岩井市と水海道市,取手市と(我孫子市と柏市)などがそれであり,相互に 競合や連繋による地域的諸関係を有するという地域的性格が存在するのである。

町は,42町の中,◎に相当する2。5万〜5。0万の人口を有するのは18町で,その中には4万人台の 那珂・鹿島・神栖・阿見・総和,3万人台の茨城・友部・波崎・三和・守谷・藤代などの11町は市

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第3図 年令別人口構…造の類型(1990)

1990年国勢調査による.

(7)

原田:市町村の地域的性格一茨城県を例として一       71

制施行地並みの人口を有していることがわかる。この分布は,水戸市近傍および周縁,鹿島工業地、

域,県南の首都通勤圏,県西地域に分布の核心が存在し,総体として県北部に対し県南部に多い分 布である。○の1万〜2.5万の町は21町で,内訳をみると2万以上には,美野里・大洗・岩瀬・潮来

・千代田・真壁・八千代・石下・利根の9町である。この階級の分布は,水戸市隣接の常北・大洗

・内原,霞ヶ浦沿岸の小川・玉造・麻生(村で同階級の北浦・出島・美浦・東)・江戸崎,小貝川

・鬼怒川低地の協和・真壁・明野・関城・八千代・猿島・石下などに分布が集まっていて,いわば 農村的な地域に多いとみなすことができる。oは町域が他に比して狭小な瓜連・牛堀と山間地の山 方の3町が相当する。これら町制施行を南北でみると,北部よりも南部に多く人口規模も大で,首 都圏の外縁的性格を示唆するものとみられる。

村は25村であり,△の東海は3.2万人で2.5万人以上の唯一の村である。これは原子力関係施設に 依るものであることはいうまでもないが,勝田・日立などの都市化地域との連動ともみられる。

△の2.5万〜1万は11村を数え,北浦沿岸の北浦・大洋・大野,霞ヶ浦沿岸の出島・美浦,利根川低 地の東・河内,市隣接の金砂郷・谷和原・新治など概して農村地域に多い分布である。△の1万以 下は,北部にあっては山間村がそれに相当し,里美・水府の多賀山地や美和・緒川・御前山・桂・

七会などの八溝系山地の村がいわゆる過疎地域としての人口減の継続の状態を物語るのである。南 部に村域の狭い千代川・五霞・桜川・新利根などが1万人以下の村として存在する。

人口規模の大小は,具体的な地域活動と関係することが多く,活動・生活の質的量的実現に相違 をきたすものと考えられ,茨城県にあっては,総じていえば,北部の町村は南部の町村に比して人 口規模の小さい町村が多いことが指摘できるし,市は隣接し合うことにより,より一層その地域的 機能の拡大充実させる可能性を有するということができよう。

3 年令別人口構造の類型とその地域的性格

前項でみた人口総数をさらに質的に考察することで地域的性格を明らかにするために,まず,年 令別人口構造をとりあげた。すなわち,第3図に示したように,1990年国勢調査の年令別構成によ

り,15歳未満を幼少年人口(Y),15〜64歳を青壮年人口(A),65歳以上を老年人口(0)とし全県 の平均19.6,68.5,11.9%を基準とした三角図表によりY,A,0, YA, AO, YOの6類型を得たが,

下館市が3者とも全県の平均と同じであったので敢てYAOの枠を考え都合7類型としその分布を 示したのが第3図である。

類型記号Y・A・0はYoung, Adult, Oldを表し, Aは都市的地域の人口を特徴づけ,0は農村的地 域,Yはどちらといえぼ宅地化の進行している地域の人口反映をみることができ,これらのミヅク スのYA, YOもまた前者が宅地化の進行している都市周辺後者が宅地化の進行する農村地域とみる ことができよう。このように3大年令別構造は一定期間における当該地域の社会・経済を反映する ものとして受け取ることができ,地域の発展方向を暗示するものでもある。

Y型の市町村は友部・美野里・潮来・守谷・三和の各町で宅地化の進行している地域で,これが 定着すれば発展が期待される地域であるが,核家族化・子育ての終了などで老年人口が増加するこ

とが予想される地域でもある。

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第4図 就業人口構i成の類型(1985)

1985年国勢調査による.

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原田:市町村の地域的性格一茨城県を例として一      73

A型に相当するのは,日立・水戸・石岡・土浦・取手の5市と東海村の常磐線沿線と古河市の東 北本線沿線などの7市村で,何れも事業所の集積の高い地域で就学の機会も多く都市的活動の活発 な地域であるといえる。

0型は37市町村で最も多い類型で,常陸太田・那珂湊・笠間・水海道などの第一次産業が産業活 動の中で大きな役割を果す市があるし,県北部の山間地の町村はおしなべてこの類型に入り里美・

水府・金砂郷・大子・山方・大宮・美和・緒川・御前山・桂・常北・七会などの町村がこれにあた る。また,水戸市周辺の大洗・那珂・内原・茨城などの近郊農村的なところに出現するし,水郷低 地の出島・麻生・牛堀・桜川・江戸崎・東・新利根・河内などの町村と総じて農山村的色彩の濃い 地域にみられ高令化地域を形成しつつあるといえる。

YAに属するのは14市町村で,市では勝田・竜ヶ崎・牛久・つくばの4市,町では鹿島・神栖・

波崎・千代田・茎崎・阿見・藤代・伊奈・利根の鹿行・県南の工業化・宅地化の著しい9町と県西 総和町がこれに相当し,総じて県南部に多い分布をみるのは,首都圏外縁の特徴を示すものである。

つまり宅地化による青壮年人口の定着が幼少年人口の養育と表裏一体となっての人口現象となって いるのであるが,育児の終了に伴う老年人口の増加にも連がる性質をも有するのである。

YOに相当するのは,22市町村で北茨城・高萩・結城・岩井・下妻の5市を含み玉里・小川・旭

・鉾田・玉造・北浦・大野などの地域,大和・協和・明野・関域・八千代・五霞・境・猿島・石下 などの県西地域での分布が多くなっている。これらの地域にほぼ共通することは何れも農業に多く の力点がおかれている地域であり,農業生産担当者の高令化を示すものである。

これら類型の県内における分布を総じて述べれば,北部には0型が極めて多く高令化の進展地域 と目されるが,南部では鹿行,常磐沿線・県西平地には複合型のYAやYOが多く,首都圏の外郊的 延長拡大の工業化や宅地化が進行に関係する幼少年人口の多い地域となっているのである。

4 就業別人口構成の類型とその地域的性格

人口の質的考察のために,1985年国勢調査時における産業別就業人口の15才以上の産業3部門別 の全県平均の第1次産業16.5,第2次産業34.7,第3次産業48.6%を基準とした3角図表により,

基準以上の構成比を有する市町村を1,2,3,1・2,2・3,3・1の6類型に区分し,図示した のが第4図である。これは,その市町村民の有業者がいかなる産業に従事するかを示したもので,

その市町村に職を有しているとは限らず,第2および第3次産業においては特にその傾向が高い。

さて,1類型に区分された市町村は30に及び市では常陸太田・笠間の2市,町では茨城・小川・

美野里・常北・岩間・那珂・大宮・山方・大子の県北9町と鉾田・玉造・麻生の鹿行の3町や筑波 山地の八郷,県西平地の八千代など都合14町である。また,この類型の村は,金砂郷・緒川・御前 山・桂・七会の5県北山間村,旭・大洋・北浦の北浦北部の3村,出島・桜川・東・(江戸崎)・

河内の水郷低地の5町村,つくぼ山地の新治が加わっている。総じていえば県北部と鹿行・霞ヶ浦 南岸に多くみられる。さらに1で県平均の構…成比16.5%の2倍以上を有する町村は,大子・金砂郷

・御前山・桂・七会・八郷などの山間村,茨城・鉾田・大洋・北浦・玉造・出島・八千代などの平 地村で農林業中心の経済活動をなすiの記号の13町村である。もっとも里美村は1・2であるがi

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第5図 民営事業従業員率の類型(1989)

総務庁統計局:1989年事業所の整備,事業所の変動に関する調査による.

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原田:市町村の地域的性格一茨城県を例として一      75

がつき第1次産業が高率である。

2類型に入るのは,7市町で北茨城・高萩・日立・下館・の4市,十王・伊奈・総和の3町であ り,北茨城・高萩・十王・日立は茨城県における鉱工業地域として地下資源の石炭・銅鉱石を資源 として成立発展してきた地域であることがより特徴的である。また,伊奈・総和は近時の工場進出 にともなうものである。

3類型に入るのは,水戸・石岡・土浦・竜ヶ崎・取手の6市,友部・茎崎・藤代・阿見・利根・

大洗の6町の12市町村で,いわゆるサービス業に相当する第3次産業に従事する市町民が多い地域 的特徴を有し,その分布は常磐線沿線に圧倒的に多く,県南部にあっては宅地化の進行地域に多い ことが特徴的である。

1・2類型は,総数で25市村になり下妻・結城・水海道・岩井など県西4市を中心に,真壁・明 野・関城・三和・境・猿島・石下・協和の8町と大和・五霞・千代川の4村計15市町村が県西部に 集中しており,この地域への工業団地の建設に伴う工場の進出の就労機会の増大を反映したものと みられる。また岩瀬は大和・真壁などとともに採石業に関与するであろうし,県北の里美・水府・

美和の山間村は土木建設への就労によるものとみなされる。このように,この類型は農業と工業,

農業と土木建設の組み合せが県南部と県北部での特徴ということができよう。

1・3類型は,内原・牛堀・美浦・瓜連・つくばの5市町村で,農…業を基礎としながらも第3次 のサービス業従事者の多い地域の,分散分布で美浦の日本中央競馬会のトレーニングセンターのよ

うな特徴もみられるし,つくばの研究学園活動もこれに入っている。

2・3類型は,勝田・那珂湊・東海が水戸の3日立の2の問に両地域の漸移的位置にあり,鹿島

・神栖・潮来が新しい工業地域を背景にあり,守谷・古河が分散しながら首都圏の工場と結合する。

県全体についてみると,県北山間の1と海岸の2,茨城台地の1,鹿島の2,土浦以南の3,県 西平地の1・2が眼立ち,北部に1系が多く,南部に2および3系が認められる形をなしている。

5 民営事業従業員率の類型とその地域的性格

前項は居住地における3大産業部門別就業構造であったが,ここでは,各市町村が如何程の事業 所従業員を雇用しているかをみることによってその市町村の職場の多少を明らかにすることにした。

すなわち,1989年の民営事業所従業員を1990年の国勢調査人口で除してその比率を求め,87市町村 の平均31.1%と騨偏差1。.1とから階級区分をし第5図のような結果を得た.0は全県平均よりも

高率,⊂)は全県平均よりも低率を示し,標準偏差に則して類型化したが,高率なところは雇用力が 大であり低率なところは雇用力が小であるとみることができ,市町村の職場の多少を示唆している。

最も高曜肋鮪するとみなされる⑤は,51.3−61.4%の住民を翻し得る従業員数鮪する

日立・水戸2市と鹿島・神栖の2町,五霞村の5市町村がそれで,水戸はサービス業相当事業所,

他の4市町村は製造業相当事業所の存在に係る従業員数の多さによるものである。

つぎに高曜肋鮪するとみなされる◎は,41.2−51.3%の住殿雇肌得る従類数鮪す る類型で,11市町村が該当し東海村・勝田市・石岡市・土浦市・大和村・下館市・下妻市・総和町

・水海道市・美浦村・谷和原村などである。それなりに事業所の多い地域を意味する。

(12)

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第6図 総産生額の3大別構成比の類型(1985)

茨城県統計課:「県民経済計算(県民所得)」による.

(13)

原田:市町村の地域的性格一茨城県を例として一      77

この下に0の31.1−41.2%の従類率鮪する市町村として25市町村礪する.県北部では北茨

城市・高萩市・大子町・大宮町・那珂湊市・大洗町・美野里町・笠間市・岩瀬町の9市町村,県南 部では牛堀町・潮来町・波崎町・江戸崎町・桜川村などの水郷低地の5町村,土浦市石岡市近接の 阿見町・新治村・玉里村の3町村,古河市・結城市・岩井市・境町・関城町・真壁町・千代川村・

石下町の8市町村となり,県南の16市町村と県北の9市町村と県南に多くなっている。

全県の平均的従業員率31.1%を下まわるのは,48市町村をi数え,⊂Dの31.1〜21.1%の類型には3 6市町村が入り,常陸太田・つくば・取手・竜ヶ崎の4市が含まれるがこれは事業所がそう多くは なくしかも小規模な事業所の多いことにもとずくのである。さらに,里美・美和・緒川・七会・金 砂郷などの山間村と山方・瓜連・那珂・内原・友部・岩間・茨城・小川などの農業村と目される8 町や高萩・日立両市に介在する十王町などが加わり,県北で17市町になる。県南部では鉾田・玉造

・麻生の3町の鹿行地域,守谷・取手市・利根・河内・東の利根川沿岸とその外側の伊奈・藤代・

竜ヶ崎などは,明らかに人口の割に事業所が少なく,自市町村での雇用よりも他市町村特に首都圏 流出の雇用形態をとるものとみることができる。また鹿行北部でのこの類型地域は鹿島・神栖の雇 用地域に関係するものであろう.また,鋪市近接の出島・千代田は土滞石岡の◎への吸弓1地 域,つくばは官公庁的試験場・研究所の存在が統計上表れないことによるものである。県西の協和

・明野八千代・三和・鵬の5町は周辺の0の地域に吸引される繊である.かくて,この鯉

は37市町村に達し,県北部に17市町村,県南部に20市町村と県南部に多いのである。

最後の⊂⊃の類型は,21.0〜10.9%の従業員率と低い地域で,県北の水府・桂の2村の山間村,

県南では鹿行の旭・大洋・大野・北浦の純農村的色彩の濃い地域と八郷・新利根の農業的地域,茎 崎・牛久の宅地化地域には事業所が少なく他へ流出する雇用が多い地域である。

全県を見渡すと,県北には常磐線沿いに平均以上の市町村,鹿島地域の高率型,県南の低率,県 西の高率と区々たる分布をみるが,内部完結の多い地域と外部依存の高い地域とが都市化地域・工 業化地域と農村地域・住宅地域(県南の)を背景にしているようにみることができよう。

6 総産生額の3大別構成比の類型とその地域的性格

地域は,住民が社会的生産に従事し,生計の維持と社会的貢献をなす場所でもある。それは資本 主義社会にあっては総生産額で象徴的に把握することができる。そこで,前述のように地域的特色 ないしは地域的性格を有する人口集団としての市町村民が,その地域の事業所の雇用従業員とどの ような関係にあるかをみてきたが,ここではその市町村の総生産額の特色を摘出するために,第1 次・第2次・第3次産業の全県的平均の5.2,47.5,47.3各%を基準として類型化して考察してみ

る。この類型には①,②,③,⑫⑬⑳がみられ,その市町撒ま,16,15,6,15,3 4,1の市町村となり,第1次と第3次の構成比が全県の平均より高い市町村が34に達し全市町村 の39%を占める。つぎに多いのは①の16市町村,②⑫の各15市町村がそれにつぐ。

①類型は,第1次産業が全県の平均よりも高い構成比を有する市町村でいわば農林水産業が中 心の経済活動が行われる市町村であり,県北では里美・金砂郷・緒川・桂・七会の山間5村,鹿 行では玉造町と旭・北浦・大洋の3村などの純農村,利根川低地の東村と霞ヶ浦北岸の出島,県

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第7図 昼夜間人口比の類型(1985)

1985国勢調査による.

(15)

原田:市町村の地域的性格一茨城県を例として一      79

西平地の結城市と真壁・八千代・猿島・三和・石下の5町が相当する。このように県北は山間地 の町村,県南部では平地の農業地域では第1次産業が経済活動の主力をなす地域である。

②類型は,第2次産業が中心的役割を果す経済活動の市町村である。県北部にあっては,高萩

・日立・勝田のいわゆる日立鉱工業地域,鹿行地域にあっては鹿島・神栖両町の臨海工業地域,

県南地域では阿見・美浦・玉里・守谷・取手・水海道・下館・総和・五霞・谷和原の10市町村が この類型に属する。これらの類型は,工業生産に特徴を有する市町村で,戦後における工業団地 造成と工場誘致が定着してきたものとみなされる。

③類型は,第3次産業に経済活動の主力をおく市町村ということができる。水戸・土浦・竜ヶ 崎・古河の4市と東海村と友部町が相当し都合6市町村である。4市の場合は,都市的機能の集 積によるサービス業務の総合的集積によるもの,他は卸小売業などのサービス業によるものであ

る。

⑫類型は,第1および第2次産業による生産額が全県の平均よりも高い地域で,15市町村 がこれに相当する。県北部では北茨城市・十王町・美野里町・岩瀬町,鹿行では波崎町,県南部 の江戸崎・茎崎両町と河内・新利根・千代田の3町,県西部では岩井市と境・関城・明野の3村 それに大和村が属する。これら15市町村は農業的基盤の上に工業団地の造成・工場誘致など工業 化を促進してきた市町村が多いのである。しかも,その分布は県南西部の隣県に接するか近い,

いわゆる首都圏工業の外延的拡大を受け止めるような分布なのが特徴的である。

⑭類型は,実に34市町村の多き燵しているところから推して,搬的な類型といえるの かもしれない。考えるに農業的基盤のところへ卸小売業と,サービス業が存在するのがわが国の 地方的地域の一般的生活構造で,それをそのまま総生産額に組み込まれることになるのである。

この分布は県北部に18市町村,鹿行に5町村,県南部に7市町村,県西部に4町村でかなり広い 分布をみるのである。

⑳類型は,石岡市のみが相当するもので,都市経済分野での活動が盛んとみなされる。

単独に延数をみると,第1次が75市町村,第2次が31市町村,第3次が51町村であり,全体を通 しては,県北部は第1次に中心があり,県南部は第2・第3次に中心があるように捉えられる。

7 昼夜間人口比の類型とその地域的性格

市町村居住の住民は,労働の場や教育の場などの社会的活動の場を自市町村だけでなく,他市町 村にも求めることがあり,住居と職場が必ずしも同一市町村で一致するとは限らない。特に労働賃 金が生活資金として重要になってきている現代社会においては,多かれ少かれ住民は職業・職場を 有することになり,交通手段就中自家用車の保有増大はこの傾向をますます高め広範囲に通勤交流 がなされている。この状況を市町村において捉える一方法として,昼間人口の夜間人口に対する比 率すなわち各市町村の昼夜間人口比をとりあげることにした。100%以上の市町村は昼間に人口を 吸引し,100%未満は人口を送出しているのである。第7図は任意に10%きざみで区分し○は100%

以上の,口は100%以下の市町村を階級別に表わしたものである。

◎は,121%以上の比を有す鹿島町で,事業所の集積する雇用地域の姿を表わし127.2%を示す。

(16)

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第8図・人口転出率の類型(1990)

総務庁統計局「平成2年住民基本台帳人口移動報告年報」による.

(17)

原田:市町村の地域的性格一茨城県を例として一       81

◎は,水戸市・神栖町・土浦市・五霞村の4町村で,水戸・土浦は中心地機能の集積,神栖町・

五霞村は工場立地によるものであり,ともに雇用力の大なる地域とみなされる。比は111〜120%で

ある。

Oは,110%までの比を有する市町村で,12市町村が該当する。すなわち,日立市・東海村・勝田 市などの鉱工業集積地,石岡・つくば両市の都市機能集積地,美浦村のトレーニングセンター,鉾 田の小中心地性,下妻市の都市機能,下館・水海道両市の商工業機能,総和・境町の工場などがそ れそれ周辺から昼間人口を吸引して比を高めているのである。

このように100%以上の昼間人口比を有する市町村は,就労の場が多いことと周辺に対するサー ビス機能を有することによって職場を存続させ昼間人口を吸引しているのである。しかし,その市 町村数は17に過ぎず全市町村の約20%にしかならず,概ね分散しているか,日立〜水戸のゾーン,

鹿島・神栖や五霞・総和・境のようなグループ的分布もみられ,相互に利便を分ちあっている。

これに対し,昼間に人口を送出している市町村は70に達し全市町村の80%を占めているのである。

この中10%ごとの階級別では,90%台が30市町村,80%が32市町村,80%以下が8市町村となって

いる。

90%台のやや小さい□は,高萩・北茨城・常陸太田の3市や里美・大子・山方・緒川・大宮など の町村,大洗・友部・岩瀬・小川の4町が県北に広範に分布している。これらは日立〜水戸のゾー ンに関連する送り出し地域とみなされるが,その率はそう高くはない。旭・玉造・麻生・潮来・波 崎の鹿行地域は,鹿島・神栖への送り出し地域であっても自町村の産業・事業にも関係してかその 比は高くなっている。県南では玉里・阿見・江戸崎・竜ヶ崎・谷和原の各町村,県西では大和・真 壁・関城・結城・八千代・猿島・岩井・石下の市町村がそれぞれの産業・事業の存在により送り出

しが少ない。

つぎに,80%台は,県北部に11市町村,鹿行に4町村,県南部に12市町村,県西に5町村の計32 市町村がこれに入り,70%台には県北に5市町村,県南に3町村の計8市町村が入っている。

これら類型の全県における分布のパターンとしては,100%以上の吸引地は工業集積地と中心地 性を有する市町村がこれにあたり,その周辺にあるいは近くあるいは遠くに比の差のある100%以 下の送り出しの市町村が存在することになるが,県南では首都圏への送り出しとみられる70%台と 80%の市町村が多目にみられる。このように,茨城県の昼夜間人口比分布は,対県内と対首都圏内

という二面性がみられる特色がある。

8 人口転出率の類型とその地域的性格

前項の昼夜間人口比は,一日における自市町村の出入による短時間の社会流動を示すものであり 産業・事業の展開の一端を大枠において示したものと解することができるが,ここでとりあげる人 口転出率は年間におけるやや長期にわたる人口の流動を示すものである。就労・入進学・転任・転 居などによる生活の根拠の移転は,大きくいえばそれぞれの市町村の産業・経済・社会を背景にし ているということができよう。

住民基本台帳の転出転入にもとついて転出率(転出÷転入×100)を,100%を基準に標準偏差

(18)

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第9図 乗用車保有率の類型(1991)

運輸省自動車交通局「平成3年車種別自動車働有車両数月報(9月)」による.

(19)

原田:市町村の地域的性格一茨城県を例として一      83

26.5により区分し,1・・%以上の転出が転入より多い4鰍を0の1−4で表わし,1・・%以下の

転出が転入より少ない3階級を⊂⊃の1〜3で図示したものが第8図である。かくて都合7階級が 得られた.0の転出型④一〇の市町村数は,1,2,4,22の計29市町村・oの転入型の

⊂D−〈⑳の市町村数は44,9,5の計58市町村である。

④の県内市町中最高の転出をみる水府村で185.5%(転出人・23・,転入人・124)となり山村離格にもとずくものとみることができ,つぎの◎もまた,太子町の153.5%,御前山木寸の176・2%の

ように第1図の山林・原野の土地地利用率を基盤として,順次にみた人口規模,年令別人口構造,

就業人口構成,民営事業所従業員率,昼夜間人口比等々においても,総合的に山村的性格を有して いることと関連していることを窺わせる。

◎は浬美・山方・美和の山馳の町村カミ,133・7,133・3・144・1%を有してこの類型に入るが・これは前の⑤の繊的性髄相似であることが背景をなすものであろう.他には斗ヒ潮で北潮岸

の農村であり,多少なりとも社会環境の整備が侯たれる地域であろうか。

0は,22市町村であるが,県加ま,炉・日立・那珂湊高萩・笠間の5市・大洗・内原・岩 瀬の3町,東海・緒川の2村の計10市町村がこれにあたり,山間地の緒川を除いては,どちらかと いえば市街地ないしは産業・事業活動が活発な事情を反映させての流出をみなされる。鹿行では,

牛堀・玉造・麻生・鉾田・鹿島がこの地域の農業・工業の産業・経済を関連した転出とみなせよう。

県南では桜川・東・河内のいわば水田村での転出が特徴的である。県西では水海道市と協和・真壁

・猿島3町となり,都市周辺や都市,農山村地域に多い類型とみなすことができるのである。

以上は,転出が転入より多い市町村であるが,全体を通しては,産業経済活動の活発な都市化・

工業化地域では流出がどちらかといえば社会的要請による積極的なもの,山間地や水田地帯では産 業経済活動の不調・停滞にともなう消極的なものとみることは無理であろうか。

これに反し,100%以下の転入が転出より多い市町村は,100%以上の29市町村の丁度倍の58市町 村となり,⊂Dへく豆)の市町村数は,44,9,5であり,⊂Dは市町村の50%に相当する44市町村 で県北に14市町,鹿行に4町村,県南に13市町村,県西に13市町村となり,それぞれの市町村に比 すると県西・県南・県北・鹿行の順の割合の高さとなっている。⊂2)は転入がやや多い階級で,友 部・瓜連・旭・潮来県北鹿行の4町村と,江戸崎・美浦・玉里・新治の県南4町村,県西の三和町 などである。(3)は転入の多い5市町村で,守谷,谷和原・竜ヶ崎・新利根などの県南4町村と県 西の五霞村である。この2類型は,いわばそれぞれ都市圏内部と首都圏とが関係する転入が多い地 域となり,全県的には,県南,県西の首都圏外縁地域と県北・鹿行の県内地域という対比がみられ

る。

9 乗用車保有率の類型とその地域的性格

現代社会において,市町村民は一定の地域としてその市町村を生活の基盤として,時には生活・

生産の場を自市町村域外に求めることがあるというように,行動範囲が拡大の方向に辿り,それだ け移動性が増大し地域間(他市町村との)連絡が密度を高めてきているのが実態である。その際,

大量輸送の公共輸送機関としてのバス・鉄道交通が重要な役割を果すわけであるが,地方地域は都

(20)

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第10図 市町村一覧と区分図(1992)

(21)

原田:市町村の地域的性格一茨城県を例として一       85

市地域に比して公共輸送の普及発達に不充分であり,公共輸送機関に代るものとして乗用車の保有 利用による交通欲求の充足が一般化しつつある。この保有はその市町村の交通状態を端的に表現す るものと視点から,乗用車保有率(乗用車保有台数÷住民基本台帳世帯×100)を,その標準偏差 21.1によって100%を基準とした6階級を得て図示したのが第9図である。

全県的な平均保有率は132.0%であるので,1世帯に1.32台ということになるか。図示したのは,

1世帯1台の100%を基準にしたものである。因みに,台数では1,054,099台で都道府県中第10位に 相当する。

類型中,保有率が184.5〜205.5%で最も高いのは,県西千代川村の202.5%のみである。つぎの 163.4〜184.4の類型には,金砂郷村・七会両村が県北,河内村が県南,大和村が県西にあってこれ ら5か村は専業農家率がいずれも金砂郷の18%を除いては10%未満なる故に農外収入の場を求めて の広範囲へ移動を示唆する保有率とみることができよう。

つぎの142.3〜163.3%に類型化された市町村は24に及び,県西が最多で8市町村(岩井・水海道 2市,協和・明野・八千代・石下・猿島・境の5町),県南の7市町村(八郷・谷和原の2町と東・

桜川・新利根・美浦・新治の5村),鹿行の旭・大洋・北浦3村と牛堀・麻生の2町,県北の水府

・美和・桂・茨城の4町村の計24市町村が相当し,県西・県南・鹿行の各地域が県北に比しこの類 型の市町村が多くなっている。

さらに,121.2〜142.2の類型は全県の平均保有率を有することから29市町村ともっとも多く,県 北では12市村,鹿行では6町村,県南では4町村,県西で7町村となっていて,この中には常陸太 田・笠間・下館・結城・下妻などの市が含まれている。さらに分布上の特色としては,市周辺の町 村にみられる傾向が強い。例えば水戸市と那珂・常北・内原・石岡市と美野里・出島・玉造,取手 市と伊奈町,下館・下妻・結城3市と真壁・関城・三和などがそれである。

また,100.0〜121.1%の類型には24市町村が相当し,県北の北茨城・高萩・勝田・水戸・那珂湊 の5市,大子・山方・瓜連・大洗・友部・小川の6町と緒川村の12市町村があり,鹿行は波崎村,

県南では土浦・つくば・石岡・牛久・竜ヶ崎の5市と隣接の茎崎・阿見・千代田・利根4町村の都 合9市町村,県西では総和が入る。このように県内の都市とその周辺にこの類型が多くみられる。

最後の78.9〜99.9のきわめて低い保有率は日立市・取手市・古河市と藤代・守谷2町の5市町で ここは鉄道の沿線と市街地化の進行する地区で,パーソナルな交通がそれらに負うことによるもの である。さらに県南の3市町と古河市のそれは首都圏交通の関連下にあるとみられなくもない。

県内の乗用車保有は全国的にみても高く,さらに県内各地によって相違がみられ,大まかにいえ ば,県北・県西・鹿行では保有率の高い類型に属す市町村が多く,県南では保有率の低い類型に属 する市町村が多くみられ,県南では東部を除いて保有率が,公共輸送機関に依存して低いのである。

まとめ

1 各種データを整理すると,茨城県の市町村の地域的性格からみて,第10図の区分(県行政など 用いられることが多いので,県民には親しみのある区分でもある)において,大きく県北部と鹿 行・県南・県西の3地域をまとめた県南部地域とでは微妙な相違をみせている。

2 例えてみれば,県北部は地方的地域として第1次産業が基盤で,主要交通路にそう常磐線・常

(22)

磐自動車道・国道6号沿線の工業化・都市化地域をなしている。県南部(先の3区分を含めて)

は大なり小なり首都圏との連動による工業化・都市化の進行地域となっていて対象的である。

3 これをさらに細見すると,県北部では西の山間部と東の沿海部に前述の地域的性格はより鮮明 になり,ここでは自然環境の相違が関連する地域性が現出している。県南部の東部鹿行は戦後の 工業開発によるもので,県北部の東部地域の性格を加味しながらも,首都圏への青果物出荷を前 提とする農業にも特色を有する。県南部の中央部の県南は首都圏の勢力下に宅地化地域としての 地域的性格が明確である。県西もまた,首都圏の地域的性格としての都市化・工業化・宅地化の 進行地域とみなせる。

4 これを,あらためてみると,県北部と鹿行を合わせた東北部,県南と県西を合せた西南部に大 別することによって,東北部のより茨城県性格(農林水などの産業を中核とするという意味),西 南部の首都圏的性格(第2次・第3次産業が新たな地域性格となりつつあるという意味)とみる

ことができよう。

5 茨城県市町村の地域的性格の実証は今後の課題として,予察な形で本稿を呈示することにする。

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