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キーワー ド :介護等体験,事前指導,障害児 ・者等 にかかわ る体験や学習 1.問 題

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(1)

介護等体験対象学生の大学入学以前 における障害児 ・者等 にかかわ る 体験や学習の状況 につ いて

笠 原 芳 隆*・河 合 康*

本研究では,本学学校教育学部学生が,大学入学 までに経験 してきた障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボランテ ィア体験や福祉 に関す る学習等 の状況を明 らかに し,介護等体験事前指導 における指導 内 容選定の基礎的資料 を得 ることを 目的 とした。

その結果,約 4 分の 3 の対象学生が,本学入学以前 に体験や学習を してきていること,体験や学習 の内容 として,高齢者や障害児 ・者 と直接ふれあ う活動が多い ことが明 らかになった。 しか し,高齢 者や障害児 ・者 の心理 の理解,障害 についての理解,福祉 の在 り方 に関す る理解等がなされた上で活 動が行われているか ど うか疑問が残 り,少 な くとも介護等体験事前指導 を行 う際 には, この ことに留 意 して指導を行 う必要があると考 えられた。

キーワー ド :介護等体験,事前指導,障害児 ・者等 にかかわ る体験や学習 1.問 題

近年,学校教育現場 におけるい じめの問題や,障害 児 ・者 との交流 の推進が クローズア ップされているO そのよ うな中,平成 9 年 に小学校及 び中学校 の教諭 の 普通免許状授与 に係 る教育職員免許法 の特例等 に関す る法律が制定 された。制定の趣 旨は,義務教育に従事 する教員が個人の尊厳及 び社会連帯の理念 に関す る認 識を深め ることの重要性 にかんがみ,教員 としての資 質の向上 を図 り,義務教育の一層 の充実を期す る観点 から,平成 1 0 年度大学入学者 よ り小中学校 の教諭 の普 通免許状を取得 しよ うとす る者 に介護等体験 を義務づ けた ところにある ( 全国特殊学校長会 ,1 9 9 8 ) 0

上越教育大学 においても,平成 1 0 年度学校教育学部 入学生か ら,特殊教育諸学校 2 日間,社会福祉施設 5

日間,計 7 日間の介護等体験が,一部教育実地研究 と 兼ね る形で実施 されている ( 笠原 ・大野 ,2 0 0 0 ) 0

実際に介護等体験 を経験 した学生の多 くは,体験 そ のものに満足感 を もち,障害者や高齢者 に対す る理解 が深 ま り,経験 した内容を何 らかの形 で教職活動 に生 かせ ると考 えてお り,一定の成果をあげている。 しか し一方で,体験中に コ ミュ、 ニケ‑シ ョソの取 り方が分 からず に戸惑 いを もっていた り,障害児教育 に進むつ もりがないか ら教職活動 には生かせない と考 えていた

'

上越教育大学障害児教育講座

りす る学生 も存在す る ( 笠原 ,2 0 0 0 ) 0

介護等体験を実施す る際には事前指導 を行い,その 趣 旨が十分生かされ るよ う配慮す る必要がある。 しか し,その時間が十分 に確保 されていないケースが多い ( 小川 ,2 0 0 0 ) 。本学 の場合 も介護等体験 に直接関係す る事前指導 の時間は約 9 0 分間 と短 く,介護等体験 の趣 旨や障害の とらえ,介助法 な どについて総花的にふれ る程度 に とどまってお り, この ことが学生の戸惑 いや 趣 旨理解不足 につなが っているもの と考 えられ る。事 前指導の時間を十分 とることが最善 の策であると考 え られ るが, カ リキ ュラムの関係で時間の確保が困難で あるとすれば,その内容を精選 してい く必要がある。

文部省 ( 1 9 9 0 ) は,昭和 5 4( 1 9 7 9 ) 年度か ら,小中

学校 において心身障害児に対す る理解 ・認識 を深め る

ための指導の在 り方 について研究を行 う 「 心身障害児

理解推進校」 を指定す るな どして,心身障害児 との交

流活動 を推進す る必要性を述べてお り,実際に各学校

で,特殊教育諸学校等 との学校間をはじめ様 々な形態

に よる交流活動が行われていた と考 えられ る。本学学

校教育学部入学 生 において も,入学 まで の間 に障害

児 ・者や高齢者 をはじめ とす る福祉 に関す る何 らかの

体験や学習を してきていることが予想 され る。その体

験や学習の状況を明 らかにす ることが,限 られた時間

で行われ る介護等体験事前指導の内容選定の一助 にな

るのではないか と考 える。

(2)

2. 日 的

本研究では,本学学校教育学部学生が,大学入学 ま でに経験 して きた障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボラ ンテ ィア体験や福祉 に関す る学習等 の状況を明 らかに し,介護等体験事前指導 における指導 内容選定 の基礎 的資料 を得 ることを 目的 とす る。

3. 方 法

(1)

対象

平成 1 3 年度上越教育大学学校教育学部入学生( 以下, 対象学生) 1 6 2 人

( 2 ) 方法

調査用紙 を直接対象学生 に配布 し,記入を求めた上 で回収 した。

(3)

調査実施時期

2 0 0 1 年 5 月 ( 介護等体験事前指導実施時) ( 4 ) 調査項 目

【調査項 目】

① 小学校 での障害児 ・著や高齢者 にかかわ るボラン テ ィア体験や福祉 に関す る学習等 の有無

・体験や学習の場 ( 機会)

・体験や学習の内容

・体験や学習の実施 に対す るとらえ

( 卦 中学校での障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボ ラン テ ィア体験や福祉 に関す る学習等 の有無

・体験や学習の場 ( 機会)

・体験や学習の内容

・体験や学習実施 に対す るとらえ

③ 高等学校での障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボ ラ ンテ ィア体験や福祉 に関す る学習等の有無

・体験や学習の場 ( 機会)

・体験や学習の内容

・体験や学習の実施 に対す るとらえ

⑥ 学校以外 の場での障害児 ・者や高齢者 にかかわ る ボランテ ィア体験や福祉 に関す る学習等 の有無

・体験や学習の場 ( 機会)

・体験や学習の内容

・体験や学習の実施 に対す るとらえ

【フェースシー ト項 目】

a) 性別

② 将来教職就職希望の有無

③ 障害児教育‑の関心の有無

⑥ 将来障害児教育就職希望の有無

⑤ 介護等体験実施 に対す る不安 の有無

⑥ 介護等体験義務づけに対する精神的負担感の有無

4. 結 果 ( 1 ) 回収率

対象学生 1 6 2 人全員 か ら調査用紙 を回収す る ことが で き,回収率 は 1 0 0 % であった。

(2)

対象学生の状況

① 性別

男子 6 5 人 ( 4 0. 1 %) ,女子 9 7 人 (5 9. 9 %) であった。

② 教職就職希望の有無

将来教職 に就 くことを希望す る者 は 1 4 9 人 ( 9 2. 0 %) , 希望 しない者 は 1 0 人 ( 6. 2 %) ,無回答 3 人 ( 1. 8 %) で

あった。

③ 障害児教育‑の関心の有無

障害児教育への関心の有無 についての回答結果 は図 1 の とお りであ り,「ある」, または 「 大変 ある」 と回 答 した者 を合わせ ると 6 9. 1 % と 7 割近 くに及 んでいる

ことが分か る。

⑥ 障害児教育就職希望の有無

将来 の障害児教育就職希望の有無 についての回答結 果 は図 2の とお りであ り,実際 に就職 とい うことにな ると,「ない」または 「 全 くない」が合わせて 6 9. 7 % と, 7 割近 くにのぼ っていることが分かる。

図 1 障害児教育への関心

図 2 障害児教育への就職希望

(3)

障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボランテ ィア体験 や福祉 に関す る学習等 の状況

小学校,中学校,高等学校 または学校外で障害児 ・ 者や高齢者 にかかわ るボランテ ィア体験や福祉 に関す

る学習等を した と回答 した者 は 1 1 9 人 ( 7 3. 5 %) ,全 く

していない と回答 した者 は 4 3 人 ( 2 6. 5 %) で,約 4 分

の 3 の対象学生が これ までに何 らかの体験や学習を し

(3)

てきていることが明 らかになった。 また,体験や学習 の場 ( 機会) としてほ,中学校が 8 4 人 と最 も多 く,つ いで小学校 の 61 人,高等学校 4 5 人,校外 3 9 人 ( 複数回 答,N ‑ 11 9)の順 であった。

(4)

小学校 での障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボ ラン テ ィア体験や福祉 に関す る学習等 の状況

① 小学校 における障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボ ランテ ィア体験や福祉 に関す る学習等の経験 の有無 小学校 において体験や学習経験があ るとした対象学 生は 61 人 ( 3 7. 2 %) で, 4 割弱の対象学生が小学校 の 段階で何 らかの体験や学習を していることが明 らかに

なった。

② 体験や学習の場 ( 機会)

体験や学習の場 ( 機会) は図 3 の とお りであ り,課 外活動や児童会活動 な ど,正課 の授業以外で体験や学 習をしている割合が高い ことが分かる。

③ 体験や学習の内容

具体的な体験や学習の内容 について 自由記述 をカテ ゴライズ した結果 は図 4 の とお りであ り,高齢者 との 活動が多い ことが分かる。

図 3 小学校における体験 ・学習の場

イ 障害児 ・者 との活動

障害児 ・者 との活動 としては,養護学校や障害者施 設への訪問 と校 内特殊学級 との交流が多かった。具体 的 な活動の内容 としては,障害児 と一緒 に授業や学校 行事 に参加す る,交流会で一緒 にレク リェ‑シ ョンを す る,車 いす体験 な どをした上で施設 に出かけ,一緒 に歌を歌 った り散歩 を した りす る,点字 クラブで点字 について学ぶ といった体験 のはか,特 に機会 を設定 し たわ けではな く, 自校 内の特殊学級や 自学級 にいる障 害児 と自然 に一緒 に遊ぶ といった体験 も複数寄せ られ ていた。

その他の活動

その他 の活動 として,震災地や発展途上国へ向けて の募金活動,アル ミ缶 リサイクルによる車 いす の贈呈, 高齢者や障害児 ・者 とは直接関係 しない通学路や公共 の場 の清掃 な どがあげ られていた。

④ 体験や学習の実施 に対す るとらえ

小学校 での障害 児 ・者 や高齢者 にかかわ るボ ラン テ ィア体験や福祉 に関す る学習等 を した対象学生 61 人 の うち ,5 4 人 ( 8 8. 5%) の者が 自分 自身のために役立 っ た と回答 していた。

(5)

中学校での障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボラン テ ィア体験や福祉 に関す る学習等の状況

① 中学校 における障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボ ランテ ィア体験や福祉 に関す る学習等 の経験 の有無 中学校 において体験や学習経験があるとした対象学 生は 84 人 ( 5 1. 2 %) で,対象学生の半数以上が中学校 の段階で何 らかの体験や学習を していることが明 らか になったo

② 体験や学習の場 ( 機会)

体験や学習の場 ( 機会) は図 5 の とお りであ り,小 学校 同様課外活動や生徒会活動 な ど,正課の授業以外 で体験や学習を している割合が高いことが分かる。

図 4 小学校における体験 ・学習内容

ア 高齢者 との活動

高齢者 との活動 としては,老人 ホーム訪問 ( 慰問) が多 く,具体的 な内容 としては高齢者 と一緒 に歌 を歌 う,話をす る,昔の遊 びをす る, ゲ」ムをす るといっ た直接交流や食事 ・入浴の手伝 い,車 いすを押 して?

散歩 な どの介助, ホームの ゴ ミ拾 いや清掃 な どの環境 整備 な どがあげ られていた。

図5 中学校における体験 ・学習の場

(4)

高齢者との

活動 4 8

%

ハンディキャッ プ体旗・ 学習

8 . 7 %

障害児 ・者と

の活動

1 3. 0%

図 6 中学校における体験 ・学習内容

③ 体験や学習の内容

具体的 な体験や学習の内容 についての 自由記述 をカ テ ゴライズ した結果 は図 6 の とお りである。 内容につ いて も高齢者 との活動 が多 い ことが分 か るが, ‑ ソ デ ィキ ャ ップ体験 や介助法 の学 習等 が新 た な カテ ゴ

リーとして入 ってきている。

ア 高齢者 との活動

高齢者 との活動 としては,や は り圧倒的に老人ホー ム訪問 ( 慰問) が多 く,具体的 な内容 としては,利用 者 の前で音楽演奏等芸能発表 をす るな どの他,小学校 の場合 と同様 に,利用者 と一緒 に将棋 をす る,話 をす るといった直接交流やホームの行事 ・食事 ・入浴の手 伝 い,車 いす を押 しての散歩 な どの介助,ベ ッドメ‑

キングや清掃 な どの環境整備 な どがあげ られていた。

イ 障害児 ・者 との活動

障害児 ・者 との活動 としては,養護学校や障害者施 設への訪問等 の他,身障者 スポーツ大会等障害者 を中 心 とした イベ ン トへの参加 もみ られた。具体的 な活動 の内容 としては,障害児 と一緒 に学校行事 に参加す る, 交流会 で一緒 に レク リェ‑シ ョソをす るな どの他,身 障者 スポーツ大会 の手伝 いや 車 いす デ ニスの ポール ボーイ,買い物 ボランテ ィア といった体験 があげ られ ていた。

‑ ソデ ィキ ャ ップ体験や介助法 の学習

このカテ ゴ リーに入 る具体的 な活動 ・学習の内容 と しては, アイマスク着用 に よる視覚障害体験,車いす 乗車体験,車 いすの使 い方 な ど障害者 との接 し方 の学 管,手話や点字 の学習,障害者 の講話聴取 な どがあげ

られていた。

その他 の活動

その他 の活動 として,高齢者や障害児 ・者 とは直接

・ 関係 しない通学路や公共 の場 の清掃,座礁船 の重油回 収 な どがあげ られていた。

⑥ 体験や学習の実施 に対す るとらえ

中学校 で の障害 児 ・者 や高齢者 にかかわ るボ ラン テ ィア体験や福祉 に関す る学習等 を した対象学生 8 4 人

の うち, 7 2人 ( 8 5. 7 %) の者が 自分 自身のために役立 っ た と回答 していた。

(6)

高等学校 での障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボラ ンテ ィア体験や福祉 に関す る学習等の状況

① 高等学校 における障害児 ・者や高齢者 にかかわ る ボラソテ ィア体験や福祉 に関す る学習等の経験 の有 無

高等学校 において体験や学習経験があるとした対象 学生は 4 5 人 ( 2 7. 4 %) で, 3 割弱 と小学校や中学校 の

ときよ りも少 な くなっている。

② 体験や学習の場 ( 機会)

体験や学習の場 ( 機会) は図 7 の とお りである。 こ れを見 ると,課外活動や生徒会活動 な どの他, 同 じく らいの割合で正課 の授業で も体験や学習を しているこ とが分かる。

③ 体験や学習の内容

具体的 な体験や学習の内容についての 自由記述 をカ テ ゴライズ した結果 は図 8 の とお りである。高齢者 と の活動 は小学校 の ときと同様 多 いが,高齢 者 や障害 児 ・老関連以外 のボランテ ィア活動等 の割合が増 えて い ることが分 かる。

̲図 7 高等学校における体験 ・学習の場

図 8 高等学校における体験 ・学習内容 ア 高齢者 との活動

高齢者 との活動 としては,老人 ホーム訪問 ( 慰問)

がほ とん どを占めていた。具体的 な内容 としては高齢

さ 者 と一緒 に歌 を歌 う,話 をす るな どの直接交流や食事

の介助 の他,畑仕事や カレンダーづ くりな ど直接利用

者 と交流 しないホームの業務 の手伝 いな どがあげ られ

ていた。

(5)

イ 障害児 ・者 との活動

障害児 ・者 との活動 としては,養護学校や障害者施 設,デ ィサー ビスセ ンターな ど‑の訪問な どの他, 自 校行事‑の障害者 の招待,障害者 のイベン ト‑の参加 があげ らていた。具体的 な活動 内容 は,施設主催 の行 事の手伝 い,養護学校生徒 との交流, マ ラソン大会で の障害者 の伴走,車 いすバスケ ッ トボールの審判, 2

泊 3 日の旅行の付 き添 いな どであった。

ハ ンデ ィキ ャップ体験や介助法の学習

具体的 な活動 ・学習内容 として,中学校 の ときと同 様に視覚障害体験,車 いす乗車体験,車いす の使 い方 などの学習,手話の学習,障害者 の講話聴取 などの他, 車いすで実際 に町 に出てのバ リアフ リーチ ェックがあ げられていた。

エ その他 の活動

その他の活動 として,患者 の清拭 な どの看護体験, 幼児の保育体験,街頭募金活動,通学路や公共 の場 の 清掃などがあげ られていた。

⑥ 体験や学習の実施 に対す るとらえ

高等学校 でのでの障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボ ランテ ィア体験や福祉 に関す る学習等を した対象学生 4 5 人の うち ,3 6 人 ( 8 0. 0%) の者が 自分 自身のために 役立 った と回答 していた。

( 7 ) 学校以外 の場 での障害児 ・者や高齢者 にかかわ る ボランテ ィア体験や福祉 に関す る学習等 の状況

① 学校以外 の場 における障害児 ・者や高齢者 にかか わ るボランテ ィア体験や福祉 に関す る学習等経験 の 有無

学校以外 の場 において体験や学習経験があるとした 対象学生は 3 9 人 ( 2 3. 8%) であった。

② 体験や学習の場 ( 機会)

体験や学習の場 ( 機会) としては,家庭,地域の子 供会, リーダーズ研修 な どがあげ られていた。

③ 体験や学習の内容

具体的 な体験や学習の内容 についての 自由記述をカ テゴライズ した結果 は図 9 の とお りであった。高齢者 との活動,障害児 ・者 との活動,その他の活動がほぼ 同じ割合であることが分かる。

ア 高齢者 との活動

高齢者 との活動 としては,学校 での活動 とほぼ同様 に老人ホーム訪問 ( 慰問) が多 く,具体的 な内容 も同 じものが多かった。

イ 障害児 ・者 との活動

養護学校や施設 で レクレーシ ョンによる交流や介助 活動の他,近所や身内に障害児 ・者がいて,特 に場面

を設定す ることもな くその人 と一緒 に遊 んだ り買い物 に行 った りした との回答 も寄せ られた。

‑ ソデ ィキ ャップ体験や介助法 の学習

具体的な活動 ・学習内容 として,視覚障害体験∴車 いす の使 い方 な どの学習,手話や点字の学習 な どがあ げ られていた。中には,福祉職員を している母親 か ら 障害児 ・者 との接 し方 について学 んだ との回答 もあっ た。

‑ その他の活動

その他 の活動 として,子供会 キ ャンプな ど年少の子 供 を対象 としたイベ ン トのサポー ト,海岸や公共の場

の清掃 な どがあげ られていた。

⑥ 体験や学習の実施に対す るとらえ

学校以外での障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボラン テ ィア体験や福祉 に関す る学習等を した対象学生 3 9 人 の うち ,3 7 人 ( 8 8. 5%) の者が 自分 自身のために役立 っ た と回答 していた。

(8)

介護等体験 に対す る不安感 ・負担感

① 介護等体験実施に当た っての不安感

これか ら実施 され る介護等体験 ( 特 に特殊教育諸学 校観察 ・参加) に対す る不安感 について尋ねた結果を 図 1 0 に示 した。「ある」または 「 大変 ある」とした対象 学生は 8 8. 2% にのぼ ることが明 らかになった。

9

学校以外の場における体験 ・学習内容

ある

8 2 . 3 %

図 1 0 介護等体験に対する不安感

② 介護等体験実施に当た っての負担感

これ か ら実施 され る介護等体験 ( 特 に特殊教育諸学 校観察 ・参加) に対す る精神的負担感 について尋ねた 結果 は図 1 1の とお りである。精神的負担感 については

「ない」 または 「まった くない」 とした者が 5 0. 8% と

(6)

6 割近 くであったが,反面負担が 「ある」 または 「 大 変 ある」 とした者が 4 2. 0% と 4 割 を超 えていた。

全く ない

大変ある

図 1 0 介護等体験に対する不安感

5. 考 察

今回の調査 では,対象学生のほ とん どが小学校就学 以後大学入学 までのいずれかの期間に,障害児 ・者, 高齢者 にかかわ る何 らかのボランテ ィア体験や学習等 を行 っていること, また,その具体的内容 としては, 老人 ホームや拳 護学校,障害者施設等 を実際に訪れて, 高齢者や障害児 ・者 とさまざまな活動 を とお して直接 ふれあ うといった ものが多い ことが明 らかになった。

平成 1 1 年告示 の小学校 をは じめ とす る学習指導要領 で新設 された総合的 な学習の時間において,「 福祉」が 取 り上 げ られ, ボランテ ィア活動等 を積極的 に取 り入 れ ることが推奨 されている。 また,平成 1 3 年 4 月には 中央教育審議会 に 「 青少年 の奉仕活動 ・体験活動 の推 進方策等 につ いて」諮問 され ( 文部科学省 ,2 0 0 1 ),奉 仕活動実施 について審議 されている。 しか し,本調査 の結果 か ら,それ以前 よ り学校 内外 で高齢者 や 障害 児 ・者 との直接交流やふれあい活動が実際 に行われて いた ことが分か った。一概 にはいえないものの,その 成果が,障害児教育 に対す る関心の高 さや,活動が 自 分 自身 に何 らかの形 で役立 ってい る とい う認識 の高 さ,介護等体験実施 における精神的負担感 の少 なさな どとある程度結 びついているもの と推察 され る。

一方 で今回の結果か らは課題が見 えて くる。今回明 らかになった具体的 な活動 の内容 は,確 かに高齢者や 障害児 ・者 との直接的 な交流体験が多 く, また,一部 で‑ ソデ ィキ ャップ体験 を した り,車いす に よる介助 法や手話 ・点字 を学 んだ りす るな ど具体的 な援助技術 の学習を している。 しか し,高齢者や障害児 ・者 の心 理 の理解,障害 につ いての理解,福祉 の在 り方 に関す る理解等 に関す る学 習 を した とい う記述 は大変 少 な い。 これ らに関 して何 らかの指導 を受 けた上で意 図的 に直接交流やふれ あい活動 に参加 したのか ど うか疑問 が残 る。

安藤 ( 1 9 9 9 ) 紘,介護等体験 において,障害児に対 し,偶発的で無意 図的 な身体接触 を行 った群 では否定

的 な障害者理解がなされ ることを示唆 している。高齢 者や障害児 ・者等の心理面 の理解,障害 についての理 解 が不十 分 なまま直接交流等 が行われ てい る とす れ ば,介護等体験対象学生において,偏見や同情 といっ た誤 った障害者等の理解がなされていることを否定で きない。障害児教育に対 して関心 はあるものの,その ことが実際 に障害児教育 に携わ ろ うとい う意諾餌こ結 び ついていない ことも,障害者等の正 しい理解がなされ ていない ことが背景の一つ と推察で きる.

人の心のいたみを理解す る人,一人一人の異 なる能 力を認め る人を育成す ることがで きる教員を養成す る 介護等体験実施 に当た り,限 られた時間の中で事前指 導 を行 う場合 には,対象学生の これ までの体験 ( 活動) や学習の内容を踏 まえる必要がある。す なわ ち,人間

として尊厳 を もって接す るための,高齢者や障害児 ・ 者 の心理 の理解,障害 についての理解,福祉 の在 り方 に関す る理解 といった面 に留意 して指導 し,その上で 具体的 な援助技術等 にもふれ るよ うな形 で進め る必要 があると考 えられ る。

6. 今後の課題

本研究では,介護等体験対象学生が,大学入学 まで に経験 してきた障害児 ・者や高齢者 にかかわ るボラン テ ィア体験 や福祉 に関す る学 習等 の状況 を明 らか に し,介護等体験事前指導 における指導 内容選定の基礎 的資料 を得 ることを 目的 とした。今後 は, まず実際 に 7 日間の介護等体験 を終 えた段階で,学生 自身が介護 等体験実施の趣 旨である 「 個人の尊厳及 び社会連帯 の 理念 に関す る認識」 を深め,教職就職への希望 に一層 結 びついているかを明 らかにす る必要 がある。併せて, 学生の体験 を踏 まえた事前指導 に対す るニーズが どの

よ うなものかを明 らかに し,事前指導 における指導 内 容 についてさらに改善 を図 ってい く必要があると考 え

る。

【 引用 ・参考文献】

安藤隆男 ( 1 9 9 9 ) 特殊教育諸学校 やの介護等体験が 学生の障害者理解 に及 ぼす影響.平成 1 0 年度教育 改善推進費研究成果報告書 ( 介護等体験 を実施 し た上での大学 の指導 の改善 に関す る基礎的研究), 1 7 ‑ 2 8 .

笠原芳隆 ・大野 由三 ( 2 0 0 0 ) 社会福祉施設 における 介護等体験学生の状況 と実施上 の課題.上越教育 大学研究紀要 ,1 9( 2 ) ,6 7 5 ‑ 6 8 5 .

笠原芳隆 ( 2 0 0 0 ) 社会福祉施設 における介護等体験

(7)

の後 の学生の意識 と実施上の課題. 日本学校教育 学会第 1 5 回研究大会発表要 旨集 ,7 8 ‑ 7 9 .

文部省 ( 1 9 9 0 ) 心身障害児の理解.大蔵省印刷局.

文部科学省 ( 2 0 0 1 )中央教育審議会 ・文部科学大臣 諮問理 由説 明.文部科学省 ホームペ ージ

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小川育男 ( 2 0 0 0 ) 「 介護等体験」の問題点を探 る‑盛 岡大学生の場合 ‑. 日本学校教育学会第 1 5 回研究 大会発表要 旨集 ,7 6 ‑ 7 7 .

全国特殊学校長会 ( 1 9 9 8 ) 盲 ・聾 ・養護学校 におけ

る 介 護 等 体 験 ガ イ ド ブ ック フイリ ア. THE

EARTH 教育新社.

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