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coliの貪食能、TNF αの産生能について比較した

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

1 申 請 者

防衛医科大学校 石切山 拓也

2 論文題目

Liver X Receptorが肝臓の固有Kupffer細胞と遊走マクロファージの機能に及ぼす 役割の検討

3 論文の内容の要旨(博士:2,000字程度)

(1)目的

肝臓のマクロファージ(Mφ)には、貪食と殺菌を主体とする胎生期のYolk Sac 由来の肝固有Kupffer細胞(固有KCs)と、サイトカイン産生や抗腫瘍機能に関与す る骨髄由来の遊走マクロファージ(遊走 Mφ)の 2 種類が存在し、それぞれ役割分 担をしている。本研究の目的は、2種類のMφの特徴をより詳細に検討した上で、

コレステロール代謝を調節する核内受容体の Liver X Receptor (LXR)を介したシ グナルが、これらの固有KCs及び遊走Mφの免疫機能及び脂質代謝に対してどの ように影響を与えるかを解明することである。

(2)対象並びに方法

C57BL/6Jマウス(WT)の肝臓をコラゲナーゼ処理した後に、Percoll 比重遠心法 を用いて単核球(MNCs)を分離した。それらの細胞からフローサイトメトリー法に よりCD45、Ly6G、F4/80、CD11bを用いて固有KCs及び遊走Mφを分類し、そ れらのMφにおけるLy6C、MerTK及びCLEC4Fの発現、E. coliの貪食能、TNF αの産生能について比較した。2 Gyの放射線照射が両細胞群に及ぼす影響につい ても検討した。次に、LXR agonist (T0901317)にて肝MNCsをin vitroで刺激し、

固有KCsによるE. coliの貪食能及びLPS刺激における遊走MφのTNFαとIL-12

の産生能をcontrol群(DMSOのみ)と比較した。また、野生型、LXRαノックアウ トマウス(LXRαKO)、LXRα/βノックアウトマウス(LXRα/βKO)における 2 種 類のMφの分布を比較し、E. coliの貪食能及びE. coli投与時のサイトカイン産生 能について検討した。LXRαKO マウスについては貪食能だけでなく貪食殺菌能 についてもpHrodo-E. coliを用いて検討した。さらに、WT、LXRαKO、LXRα/ βKOにおいて両細胞群のacetylated low density lipoprotein(acetylated LDL)の貪 食能と変性LDLのスカベンジャー受容体であるCD36の発現を比較検討した。

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(3)成績

肝単核球はF4/80high CD11blow Ly6Cの肝固有KCsとF4/80low CD11bhigh Ly6Chigh

or lowの遊走Mφに分類された。固有KCsの多くはMerTK陽性であり、対照的に 遊走MφはMerTK陰性であった。固有KCs の特異的なマーカーであるCLEC4F は、固有KCsの細胞表面だけでなく細胞内にも発現しており、その発現の無い遊 走Mφと明確に区別された。固有KCsは高いE. coli貪食能を持つがTNFαは産 生していなかった。また、放射線照射を受けても割合はむしろ増加し、貪食能に も変化は見られなかった。遊走MφはTNFαの産生能を有するが、放射線照射に より割合および数が減少し、また TNFα産生能も減弱した。LXR agonist による LXRの活性化は固有KCsの細菌貪食能を亢進し、遊走 MφによるTNFαの産生 能を低下させた。LXRα/βKOマウスはWTマウスに比較し固有 KCsは減少し、

E. coli貪食能も低下していた。LXRα/βKOマウスの遊走MφはWTマウスに比

較し増加し、E. coli投与後のサイトカイン産生能もWTマウスに比較して高かっ た。LXRαKO マウスの固有 KCs おいては貪食殺菌能を評価する pHrodo-E. coli の取り込み能がWTマウスに比較して低かった。LXRαKOマウスおよびLXRα/

βKOマウスの固有KCsはacetylated LDLの取り込み能がWTマウスに比較して 低く、逆に変性LDLのスカベンジャー受容体であるCD36の発現はWTマウスに 比較して高かった。

(4)考察

マウスの肝臓のMφは表面抗原により固有KCsと遊走 Mφの2種類に分類で き、非致死性の放射線照射は固有KCsに影響を与えないが、遊走Mφを減少させ そのサイトカイン産生能を抑制した。この2種類のMφにおいて、コレステロー ル代謝の核内受容体であるLXRの活性化が固有KCsの機能亢進および遊走Mφ の機能低下を促した。そのためLXRKOマウスでは固有KCsの機能が低下し、逆

に遊走Mφの機能が亢進することを見出した。また同時にLXRKOマウスにおい

てコレステロールの取り込み低下とCD36の発現亢進を認めることから、LXRは 固有KCs の機能と遊走 Mφの免疫能だけでなく、主に固有KCs を介してコレス テロール代謝に影響を及ぼすと考えられた。

(5)結論

固有 KCs の表面マーカーは Ly6CMerTKCLEC4Fであり、一方で遊走 Mφ の表面マーカーはLy6CMerTKCLEC4Fであった。また、固有KCsは放射線感 受性が低く、低線量放射線による機能的影響をほとんど受けないが、遊走Mφの 放射線感受性は高く、低線量放射線によって機能が減弱することが明らかになっ た。

LXR を介するシグナルは固有 KCs の細菌貪食能およびコレステロールの取り 込み能を増強する一方で、相反して遊走MφによるTNFαの産生を抑制すること が明らかになった。

参照

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