コーポレートガバナンス価値創造会計
―日本の企業価値創造優良 38 社調査―
紺 野 剛
** 中央大学法科大学院教授
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 本研究の概要
Ⅲ コーポレートガバナンス価値創造会計
Ⅳ 課題と展望
Ⅰ は じ め に
コーポレートガバナンス (企業統治,Corporate Governance;CG ) は企業不祥事との関 係で改変・強化されてきた。日本的経営による高度経済成長がバブル崩壊で終焉し,社 外取締役重視の欧米型ガバナンスに移行しつつある。1989 年にはリクルート事件を背 景にインサイダー取引に刑事罰が設けられた。1991 年には,証券会社による巨額損失 補塡が問題視され,後の商法改正で,大企業には社外監査役の選任が義務付けられた。
バブルが崩壊し,1997 年には山一証券の経営破綻,第一勧業銀行の総会屋利益供与事
件などが生じた。商法改正により総会屋規制で刑事罰が強化された。2003 年の商法改
正は,大企業に社外取締役を起用する現在の指名委員会等設置会社の選択を認めた。社
外取締役に社長選任,報酬決定や監査の責任を負わせ,統治向上を狙った。しかし,絶
大な権限が制限されているために,大企業経営者は歓迎せず,導入はあまり進まない。
同時期,米エンロンやワールドコムの巨額粉飾が明らかになり,欧米型ガバナンスの課 題も浮上した。会計不正防止の重要性が叫ばれ,2006 ~ 2007 年の会社法と金融商品取 引法では,不正防止のため役員の責任を重くした。会社法では,業務の適正さを確保す る内部統制システム構築を大企業に義務付けた。金融商品取引法では,内部統制報告書 の公表を上場企業に義務付けた。2010 年には,欧米金融機関が得る高額報酬への批判 から,役員報酬の開示強化により,1 億円以上の報酬を得た役員の氏名などの公表を義 務付けた。
2013 年の「日本再興戦略」において,CG を見直し,日本企業を国際競争に勝てる体 質に変革するという政府方針が打ち出された。2015 年にはコーポレートガバナンス・
コード (指針)( Corporate Governance Code;CGC ) が適用され,複数の社外取締役を促 した。しかし,2011 年オリンパスの巨額損失隠しや 2015 年東芝不正会計問題では,複 数の社外取締役が不正を防げなかった。2018 年日産自動車のカルロス・ゴーン元会長 が報酬過少記載,業務横領罪で逮捕された
1)。同年にはスルガ銀行の不正融資,2019 年にはかんぽ生命不利益契約の不正,そして関西電力の金品受領問題が生じた。上場企 業の社外取締役の設置を義務付けるなどのガバナンスを強化する会社法改正案が,2019 年 12 月 4 日成立した。CG は,明らかにかなり強化されてきたが,必ずしも不祥事を 防げていない。企業はどのように CG と向き合い改革をし,企業価値に繋げていけるの か。企業価値の低迷
2)を打開するためには,CG 改革を進めて,形式からいかに実質を 高めるか,適切なリスクテイクを促し,より積極的な経営戦略を展開するかが期待され ている。
2019 年の総会は,不祥事はもちろん,業績不振企業に対して厳しい株主の監視の目 を向け始めた。会社提案に対する反対,株主提案には賛成率の増加が見られた。少しで も不透明な企業統治には反発し,総会の緊張感がより高まり,より積極的な対話を求め CG 改革を推進させようとしている。
本稿では CG 価値の基本的考え方の整理を前提に,その背景に存在する重要因子指標
を抽出・検証して行くプロセスを考慮している。CG 価値を創造するためには,主とし
て CG の本質的側面を基礎として企業価値に関連させなければならない。日本の時価総
額創造優良企業 38 社に限定して,CG 価値の状況,CG 価値創造を会計的・市場的・本
質的視点を踏まえて比較・検討し
3),相互関連性についても考察する。各社の CG 価値
創造の全体像を,CG 価値創造マップとして総括的に整理することも提案している。
Ⅱ 本研究の概要
1 .調査対象企業
本稿の目的は,CG を企業価値創造会計の視点から考察することにある。2015 年から 導入された CGC は,企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上とを目的にしている。
企業のガバナンスを見直し・改革しながら,企業価値の視点から経営管理方法を高度化 し,業績の向上を目指している。
2017 年 5 月に,経済産業省が価値協創ガイダンス「価値協創のための統合的開示対 話ガイダンス― ESG 非財務情報と無形資産投資」を公表した。この概要において,ガ バナンスとして以下の 7 項目を掲げている。
① 経営課題解決にふさわしい取締役会の持続性
② 社長,経営陣のスキルおよび多様性
③ 社外役員のスキルおよび多様性
④ 戦略的意思決定の監督・評価
⑤ 利益分配の方針
⑥ 役員報酬制度の設計と結果
⑦ 取締役会の実効性評価のプロセスと経営課題
このガイダンスは投資家との間の対話や,情報開示の質を高めるための基本的枠組み として活用できるし,CG 評価にとっても参考となる。
本稿は,日本のトップ 500 社に焦点をあてた調査分析に基づき
4),2017 年度 500 社 の株式時価総額増減額の 19・18 年間平均額を算出可能企業から,順位付けたら 1,000 億円以上の企業は 34 社となり,これらを日本の 企業価値創造優良企業 と位置付ける。
2018 年度の時価総額増減額を加味して算定し直すと,10 社 ( DH,AS,SI,DN,KM,
HS,MB,TY,TE,SB) が平均 1,000 億円を下回り,新たに 4 社 (東海旅客,住友不動産,
HOYA,テルモ) が平均 1,000 億円を超えた。株価変動の激しさが推測される。企業価値
創造優良企業でも,持続的に株価を増加させることがいかに難しいかを示唆している。
当初の 34 社に新たに 4 社を加えた 38 社を企業価値創造優良企業として,CG 価値の視
点から,各社を詳細にその特徴等を検討する。先端実務の CG 状況を理解する事例とし
て,本稿では 38 社を中心に考察する (図表 1 ) 。
2 .企業価値創造優良企業の状況
20 年間の企業価値創造優良企業は,純利益を確実に増加させながら,FCF はそれ程 増加していない。時価総額は変動を受けながらも大幅に増加している (図表 2 ) 。
図表 1 調査対象の企業価値創造優良企業 38 社名(2019 年 3 月末日現在)
業 種 企 業 名 社 数
建 設 大和ハウス工業( DH) 1 社
食 品 アサヒ GHD(AS ),JT 2 社
化 学 花王( KO),信越化学( SK) 2 社
医 薬 武田薬品工業( TK),中外製薬( CG ),テルモ( TR) 3 社
化 粧 品 資生堂(SD) 1 社
ガ ラ ス 旭硝子(AG ) 1 社
機 械 SMC(SM ),コマツ( KM ),ダイキン工業(DK ) 3 社
電 気 日立製作所( HS),三菱電機( MI ),日本電産(ND ),ソニー( SO),
キーエンス(KI),シスメックス(SI),デンソー(DN),ファナック(FN),
村田製作所( MU),HOYA(HY ) 10 社
輸送用機器 日産自動車(NS),トヨタ自動車(TY ),ホンダ(HO),SUBARU(SU ) 4 社
精 密 機 器 任天堂(NI ) 1 社
商 社 伊藤忠商事( IC ),三井物産(MB ),東京エレクトロン(TE ),三菱商
事( MS ) 4 社
情報・通信 KDDI(KD ),ソフトバンク G(SB) 2 社
サ ー ビ ス
小 売 り オリエンタルランド( OR ),ファーストリテイリング( FR),東海旅客
(TR ),住友不動産(SF ) 4 社
計 38 社
出所:筆者作成
出所:筆者作成
図表 2 企業価値創造優良企業の業績(億円)
-15,000 -10,000 -5,000 0 5,000 10,000 15,000
-1,000 -500 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500
99年度 01年度 03年度 05年度 07年度 09年度 11年度 13年度 15年度 17年度18年度
当期純損益 FCF 時価総額増減額
利益・FCF 時価増減
企業価値創造優良 38 社の 20 年間平均値との相関分析を以下の財務項目等について実 施してみた。当期純利益①,FCF ②,時価総額増減額③,売上高,ROS,資産回転率,
財務レバレッジ,ROE ④,ROA ⑤,営業利益,売上高営業利益率,営業 CF,単体年 収⑥,連結従業員数⑦,1 人当り利益である。2019 年 7 月 31 日現在の CG 関連項目も 加えて分析した。記述統計量は 図表 3 に示す。特徴的な相関は 図表 5 に示す。
CG 改革の進展は,最近なので財務項目等も直近 3 年間のデータとも比べた (図表 4) 。 機関設計は,指名委員会等設置会社 3,監査等委員会設置会社 2,監査役設置会社 1 と している。取締役会議長は,社外取締役 3,会長 2,社長 1 としている。特徴的な相関 は 図表 6 に示す。
図表 3 企業価値創造優良企業の記述統計量
項 目 度数 平均値 標準偏差 最大値 最小値
時価総額増減額(億円) 38 1,612 1,067 6,335 648 当期純利益(億円) 38 1,527 1,983 11,738 151 営業利益(億円) 38 2,345 2,621 15,085 233
営業 CF(億円) 38 3,164 4,363 25,470 202
FCF(億円) 38 236 1,210 1,996 -5,896
ROS 38 0.074 0.062 0.307 0.004
売上高営業利益率 38 0.125 0.095 0.486 0.021
ROA 38 0.049 0.029 0.116 0.004
ROE 38 0.090 0.034 0.202 0.011
AT 38 0.820 0.336 1.763 0.222
FL 38 2.636 1.511 6.88 1.08
連結従業員数(人) 38 57,810 76,081 331,976 3,406
単体年収(万円) 38 847 207 1,382 561
1 人当たり利益(万円) 38 533 572 2,573 31
取締役数 38 11.11 3.160 21 6
社外独立取締役数 38 4.08 1.851 10 2
女性取締役数 38 1.42 1.222 6 0
外国人取締役数 38 1.18 2.025 8 0
監査役数 28 4.50 1.139 6 0
社外独立監査役数 28 2.68 0.723 4 0
女性監査役数 28 0.54 0.693 3 0
社外独立取締役比率 38 0.379 0.162 0.857 0.167
取締役株式報酬割合 38 0.126 0.138 0.46 0
外国人株主比率 38 0.375 0.139 0.781 0.116 政策株保有割合(対資産) 38 0.022 0.027 0.095 0
出所:筆者作成
20 年間の財務データでは,利益と連結従業員数,FCF と時価総額増減額は負で,
ROE と ROA,ROA と連結従業員数は負での相関がある。直近 3 年間の財務データでの 相関も,20 年間の財務データ結果とあまり違わなかった。
図表 4 企業価値創造優良企業の記述統計量(財務直近 3 年平均)
項 目 度数 平均値 標準偏差 最大値 最小値
時価総額増減額 38 3,215 5,329 17,946 -12,967
当期純利益 38 3,146 3,796 20,693 387
営業利益 38 4,019 4,354 22,873 574
営業 CF 38 4,912 6,542 37,969 432
FCF 38 -146 5,087 6,879 -26,151
ROS 38 -0.115 0.075 0.389 0.029
売上高営業利益率 38 0.156 0.103 0.545 0.046
ROA 38 0.068 0.034 0.162 0.023
ROE 38 0.122 0.039 0.241 0.055
連結従業員数 38 69,928 80,461 368,146 5,537
単体年収 38 927 281 1,692 652
女性役員数 38 1.39 1.242 6 0
外国人取締役数 38 1.18 2.025 8 0
社外独立取締役比率 38 0.377 0.163 0.857 0.167 取締役基本報酬割合 38 0.599 0.255 1.000 0.116 外国人株主比率 38 0.374 0.139 0.781 0.116
政策株保有割合 38 0.022 0.026 0.095 0
機関設計 38 1.45 0.760 3 1
CGC 説明数 38 1.50 2.037 9 0
取締役会議長 38 1.82 0.609 3 1
CEO 報酬(百万円) 32 353 309 1,758 109
出所:筆者作成
図表5 主要項目間の相関
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ① Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
1 38 ② Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
-.210 .207 38
1 38 ③ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
.125 .453 38
-.627
※※.000 38
1 38 ④ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
.005 .974 38
.287 .081 38
.029 .861 38
1 38 ⑤ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
-.208 .210 38
.246 .137 38
.070 .678 38
.745
※※.000 38
1 38 ⑥ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
.177 .287 38
-.186 .264 38
.463
※.003 38
-.078 .642 38
-.069 .682 38
1 38 ⑦ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
.610
※※.000 38
-.019 .908 38
-.138 .410 38
-.332
※.042 38
-.424
※※.008 38
-.084 .617 38
1 38
※※ 相関係数は1%水準で有意(両側)※ 相関係数は5%水準で有意(両側) 出所:筆者作成図表6 主要項目間の相関(財務直近3年平均)
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ① Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
1 38 ② Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
-.151 .367 38
1 38 ③ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
.092 .584 38
-.480
※※.002 38
1 38 ④ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
.081 .630 38
-.310 .058 38
.009 .958 38
1 38 ⑤ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
-.323
※.048 38
.130 .437 38
.033 .845 38
.002 .988 38
1 38 ⑥ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
.131 .432 38
-.083 .619 38
.393
※.015 38
.006 .972 38
.066 .693 38
1 38 ⑦ Pearson の相関係数 有意確率(両側) 度数
.667
※※.000 38
.237 .152 38
-.097 .563 38
-.137 .412 38
-.466
※※.003 38
-.105 .532 38
1 38
※※ 相関係数は1%水準で有意(両側)※ 相関係数は5%水準で有意(両側) 出所:筆者作成Ⅲ コーポレートガバナンス価値創造会計
1 .コーポレートガバナンス価値の意義
CG 価値概念は,CG により企業が将来にわたって生み出す付加価値 ( Cash Flow;
CF ) の割引現在価値と定義できる。しかしほとんどの企業では,CG を企業価値的に定 義し,使用してはいない。それでも,今後は価値的側面からの考察も必要であろう。
CG 価値を創造する主要要因 (価値決定因子,Value Driver;VD ) にも焦点を当て,そ の要因を必要に応じて分解し,展開することがより現実的であろう。会計的企業価値創 造額とも関連させ,市場的企業価値創造額としての株式時価総額増減額にも注目しなが ら,本質的企業価値創造を探求しようとしている。CG 価値創造プロセスを明確化し,
その価値創造を促進するもっとも重要な要因である KVD ( Key Value Driver) ,さらによ り具体的な管理可能な指標である KVI (Key Value Index ) を確定していくことが重要課 題である。各指標は,基本的に各社の状況により選択されるが,その定義と算出方法の 妥当性をも確認しておくことが必要である。
CG 価値の創造戦略は,攻めの創造戦略と守りの創造戦略に区別することもできる。
攻めの CG 価値の創造戦略は,通常の経営活動 (成長戦略) により CG 価値の創造を進 める戦略である。守りの CG 価値の創造戦略は,企業価値の毀損を防ぐ,例えばリスク マネジメント,株主の権利を高めるための企業統治の仕組み作り等により,CG 価値を 守る (リスク回避) 戦略である。CG は守りだけでなく,攻めの側面をも考慮し,両者は 表裏一体として進めたい。CG の関連評価等も考慮すべき重要項目となる。
2 .コーポレートガバナンス価値創造会計の本質
CG とは,企業経営の意思および方向性を規定する枠組み・規律である。2015 年 6 月 1 日から,CGC が採択され,義務付けられ,ガバナンス報告書を公表しているので,各 社の状況を比較検討可能となった。しかし,形式的開示で,実質的評価はかなり難しい。
CG 価値は,CG により生み出される付加価値 (CF ) の割引現在価値であり,企業戦
略の執行能力であり,経営陣の経営の仕組みを評価し,ガバナンス体制,法令遵守,株
主権利の確保,情報開示等の妥当性を検証しながら算定する。結果として,資本コスト・
効率を意識した企業価値創造力にも繋がるので,CG 価値単独で判断する難しさがある。
企業の置かれた環境,直面する課題にも影響される。経営リスクを踏まえた業務執行の 監視システムとして機能しているかも評価する。特に,社外独立役員の役割・機能・人 数が,ガバナンス上どのような意味を果たしているか。CG 価値は,経営の基盤インフ ラとして,企業価値の全般的な側面から位置付けられる。
統一的に企業間比較をするのは難しく,各社が独自の評価システムを構築することが 望ましい。CG 改革の違いにより,CG 価値にも相違が生じ,今後は CG 価値のリスク を判断できるようになるであろう。各社がどこまで本気で,どのように CG を評価・見 直しを進め,実行しているかに注目している。
3 .CGC による全般的検討
CGC のすべてを準拠 (実施;Comply) している企業価値創造優良企業数は 19 社 (50.0 図表 7 CGC の説明(Explain)項目
項 目 社数 内 容
補充 4-10 ① 13 独立諮問委員会
原則 4-11 7 実効性確保の前提条件
原則 1-4 6 政策保有株式
補充 4-1 ③ 4 後継者計画
補充 4-3 ③ 3 CEO 解任手続
原則 5-2 3 経営戦略や経営計画の策定・公表
補充 1-2 ④ 2 議決権の電子行使
補充 4-1 ② 2 中期経営計画の株主へのコミットメント 補充 4-2 ① 2 インセンティブ報酬・自社株報酬 補充 4-3 ② 2 CEO 選解任手続
補充 1-2 ② 1 招集通知の早期発送および発送前の Web 公表
補充 1-2 ③ 1 総会日程
原則 1-7 1 関連当事者間の取引
原則 2-6 1 アセットオーナーとしての機能発輝
原則 3-1 1 情報開示の充実
補充 3-1 ② 1 英語での情報の開示・提供 補充 3-2 ② 1 取締役会および監査役会の対応 補充 4-8 ① 1 独立社外者の会合
補充 4-8 ② 1 筆頭独立社外取締役の決定
補充 4-11 ① 1 取締役会の多様性および規模に関する考え方の開示 補充 4-11 ② 1 兼任状況
出所:筆者作成
%) で,説明 (遵守しない) 項目は 図表 7 の通りである。コンプライ率の低い項目で,
2018 年 12 月末日現在市場一部企業でも同様に低いのは,補充 4-10 ① (52.1%) ,原則 4
-11 ( 69.9%) ,補充 4-1 ③ ( 70.4%) ,補充 4-2 ① ( 69.9%) である
5)。補充 4-2 ①につい ては,企業価値創造優良企業ではよりコンプライしている。
4 .株主構成と CG 価値
企業価値創造優良企業は外国人持株比率がかなり高い。外国人株主は CG により熱心 であり,結果として CG 価値創造により貢献している (図表 8 ) 。
図表 8 外国人持株比率
出所:筆者作成 0
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
CG HY NS SM SO TK FN KI NI KO HS KM SI MU SD MI HO SB SK IC ND DK TE MS DH TR SU AS KD MB AG SF DN TS TY JT FR OR
5 .機関設計と CG 価値
企業価値創造優良企業では,指名委員会等の割合 (16%) が他の上場企業と比べて高
くなっているが
6),それでも 71%が監査役設置会社である。機関選択は,企業価値創
造と必ずしも結び付いていない (図表 9 ) 。
6 .取締役会と CG 価値
取締役会の役割・機能としては,意思決定機能と監督機能に分けられる。取締役の構 成人数は,何人位が望ましいのか。過去にはかなり多人数であったが,執行役員制度の 普及もあり,徐々に減少していった。企業価値創造優良企業では 11 人,10 人,9 人,8 人の社数が多く,相対的に少人数化している。それでもかなり多い企業が存在する (図 表 10 ) 。
取締役会の資質構成バランスを検討するために,取締役資質の比較一覧 (スキルマト リックス) を作成することは分かりやすい
7)。 図表 11 は,A から D までは社内取締役,
E から G までは社外取締役と仮定している例示である。業務を執行しない取締役の活 用が注目されている。業務を執行していない取締役が客観的な立場から,取締役会の監 督機能を果たす役割である。これにより監督の実効性を高めることが可能となる。
独立社外役員に関しては,独立役員とは,経営者および特定のステークホルダーから 独立した役員であり,一般株主と利益相反が生じる恐れがないことが求められる。独立 役員は,一般株主保護のために行動することが期待される社外取締役または社外監査役 で,東証の「独立役員届出書」に記載し提出することが義務付けられている。独立性の 判断は,利害関係のないことを特に機関投資家等により厳しく要請されている。出来る だけ株主,取引先等に関係しない第三者を選任することが望ましい
8)。これを具体的に 明確にするために,各社は独立性基準を制定している。選任に関係するので,独立役員 選任基準に盛り込まれることもある。
CGC では,最低 2 名以上の社外取締役を置くことを求めている。監査役設置会社では,
社外監査役 2 名以上で,社外合計 4 名以上の選任が必要となる。社外取締役に期待され
出所:筆者作成
図表 9 機関の割合
指名委員会等16%
監査等委員会 監査役設置 13%
71%
る役割・機能に合致する資質を有する適切な人材をバランス良く選任すべきである。外 観上の独立性に疑いを生じる関係性は基本的に認めない方向であろう。
社外比率はより高いほうが,本来の役割を果たしやすいと考えられる。上場企業の取 締役に占める社外取締役比率は,2017 年度時点で 28%であるのに対して
9),企業価値 創造優良企業の平均は 36.8%でかなり高い (図表 12・13・14 ) 。しかし社外取締役と企 業価値の関係性については,現時点ではまだ明確にされていない
10)。社外取締役の知見・
経験をより活用しやすい方向に変えていくことが重要である。
環境変化が激しく,複雑な社会でグローバル化が進みつつあるこれからは,今まで以 上に異質性・多様性・国際性がより求められる。人材の異質性や多様性が必要であり,
当然取締役構成も同様の変化を遂げていかなければならない。ダイバーシティ (Diversity)
図表 10 取締役数
出所:筆者作成 0
1 2 3 4 5 6 7 8
21人 18人 16人 14人 13人 12人 11人 10人 9人 8人 7人 6人
図表 11 取締役の資質一覧 資質
取締役 経営 業界 国際 営業 製造 技術 行政 法律 会計
財務
A ★ ★ ★ ★
B ★ ★ ★ ★
C ★ ★ ★ ★ ★
D ★ ★ ★ ★
E ★ ★
F ★ ★
G ★ ★
出所:筆者作成
は,年齢,国籍,人種,宗教,性別等の観点からの多様性である。女性役員の登用が特 に嘱望されている。政府は女性役員比率 10%を目標に掲げている
11)。女性役員 (取締役,
監査役,執行役など) 比率の 3 割達成を目指す活動「 30%クラブ」が 2019 年 5 月 1 日,
日本でも始動した。日本の主要企業 100 社の女性役員比率は 17 年時点で 6.5%であるが,
図表 12 役員数
出所:筆者作成 0
2 4 6 8 10 12 14 16 18 20
SK TS DH KD MB MS SB TE FN SF IC DK OR SM FR TY CG JT AS SU KI KO KM DN ND AG SD NS TK MU SO HO MI SI HS TR NI HY
取締役数 社外取締役 監査役数 社外監査役 社外 人
図表 13 (社外)取締役数
出所:筆者作成 0
5 10 15 20 25
SK TS DH KD MB MS SB TE FN SF IC DK OR SM FR TY CG JT AS SU KI KO KM DN ND AG SD NS TK MU SO HO MI SI HS TR NI HY
取締役数 社外取締役 人
取締役会に占める女性の割合を 20 年末に 10%,30 年末に 30%にする目標を掲げてい る
12)。顧客目線が重要な消費財関連企業等では,女性の視点をより考慮すべきであろう。
企業価値創造優良企業では社外取締役のうち,平均 1 名の女性,1 名の外国人を選任 しているが,女性取締役がいない企業,グローバル化しているのに外国人取締役がいな い企業も存在しており,改善は必須であろう (図表 15 )
13)。
図表 14 社外取締役比率
出所:筆者作成 0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500 0.600 0.700 0.800 0.900
HY SO HS TK FR KO SD TR MU AG MI IC MS HO KM DN NS MB KD CG TY JT SI SU NI AS DK TE FN SB ND KI SM OR SK DH SF TS 1/3
図表 15 取締役の社外・女性・外国人数
出所:筆者作成 0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
SO HS TK NS MU HY MB HD TR KD MS MI FR SM SD KO SI SB SK JT DK TY DN TE DH IC SU AG KM CG FN TS AS NI OR SF KI ND
社外 女性 外国人
人
社外取締役の兼務も課題であり,物理的な時間を考慮すると,3 社以内とすべきであ ろう。兼務数が少ない人の方が,経営に与える影響が望ましいという示唆を示している 研究成果もある
14)。
社外役員の属性区分もかなり相対的な判断で分けざるを得ない (図表 16・17 ) 。取締 役の資質一覧のように多くの特性を複数兼ね備えている事例が多い。例えば国税関係官 庁に勤務し,後に大学教員になったり,税理士として開業したり,経営者に転職する場 合は,もっとも関係する重要な属性に分けている。
取締役会議長については
15),業務執行取締役である社長や会長が 87%で,社外取締 役の割合は,僅か 13%に過ぎない。社長ではない会長の割合が 58%で,分担されてい ることはある程度評価できるが,取締役会の監督機能の実効性を確保するためには課題 であろう。 図表 18 の企業価値創造優良 38 社でも,社外取締役議長は僅か 11%に過ぎ ない。取締役会議長は,監督される執行者は望ましくなく,非業務執行取締役が務める べきである。取締役会議長は経営者とは分離し,社長 (最高経営責任者) ,代表権のある 取締役の場合は改善すべきと思われる。
経営陣の指名に関しては,経営トップにより企業価値は大きく左右される。企業価値
図表 16 社外取締役の属性
出所:筆者作成
経営者47%
金融 12%
行政 11%
会計士・税理士 8%
教育8%
法曹 6%
その他8%
図表 17 社外監査役の属性
出所:筆者作成
弁護士 31%
会計士・税理士 23%
経営者18%
金融 11%
その他 17%
図表 18 取締役会議長
出所:筆者作成
社長29%
会長60%
社外取締役 11%
を最大化させる資質を有する人材に,ベストなタイミングで交代させることが望まれる。
特に CEO (最高経営責任者) の選任 (解任) が,適切になされているかは,最大の課題 である
16)。指名 (解任) の方針 (判断基準) ・手続きに透明性・公平性・客観性が強く求 められる。その前提には,経営者育成計画 (サクセッション・プラン) が欠かせない。後 継者育成計画については,将来の経営者交代を見据えて,十分な時間と資源をかけて計 画的・戦略的に後継者候補を育て,必要な資質を備えさせるとともに,後継者としても っとも相応しい人材を見極め,選び出すことで,適切な後継者指名を行うための中長期 的な取組,すなわち「後継者計画」に取り組むことが重要である。取締役会は,後継者 計画が適切に行なわれることを,実効的に監督することが求められる。
企業価値創造優良企業では,22 社 ( 68.8%) で任意の諮問委員会を設置している。し かし 10 社は任意の諮問委員会を設けていない
17)。任意の指名委員会・報酬委員会を設 置すると企業業績の伸び ( ROA の増加幅) には,一定の相関関係が見られる
18)。取締役 会の実質的な議論をより深めるための方法は,今後も模索し続けなければならない。
7 .取締役会の実効性評価と CG 価値
取締役会が,企業価値向上に向けて主体的な役割を発揮しているか。改善事項を明ら かにし,どのような取組を行い,効果を検証し,さらなる取組につなげる。継続的に PDCA サイクルを実行することである。取締役会等の実効性を評価して,課題を開示し,
その改善を目指して行く。具体的な課題を開示していない企業数がかなりあり,各社に
図表 19 取締役会評価の主な課題
課 題 社数 社 名
方針・戦略の議論 7 TR,HS,DN,HY,MB,KD,HO
サクセッション・プラン 6 AS,SD,HS,HY,SU,MS
取締役会の構成 4 DH,CG,TR,SD
社外役員への情報充実 4 DK,HS,S1,SU
情報共有の充実 2 HO,MB
執行とのコミュニケーション 2 KO,MI
戦略執行のモニタリング 2 MU,TY
議論が必要事項の洗い出し 2 SD,IC
社外取締役の構成・選定 2 SD,SO
社外取締役の支援体制・役割 2 TR,SD
報酬制度開示の充実 2 SO,HY
出所:筆者作成
より課題もかなり分散している (図表 19 ) 。
評価の独立性・客観性をより高めるために,第三者 (外部) 評価を実施している企業 はまだ少ないが
19),評価の実効性を高めるためには,内部 (自己) 評価の限界もあり,
必ず実施すべきであろう。企業価値創造優良企業 38 社のうち,6 社 ( 15.7%,SO,TK,
IC,TE,SD,AS ) が第三者評価を実施している。8 社 ( 21.1%,SB,HO,FN,MS,CG,
SU,DH,TR) が第三者機関の協力を仰いでいる。アンケート結果を詳細に開示してい
る企業もある。単なる表面的な評価は実効性を高めないし,企業価値を向上させない。
評価結果・企業価値の経緯を時系列に検討する必要性は重要である。
8 .役員報酬と CG 価値
報酬ガバナンスは,CG 価値に直結している。中長期の企業価値を創造するためには,
役員報酬とリンクさせる報酬方針を策定し,それに沿った制度設計と運用を推進しなけ ればならない。役員報酬は,固定 (基本) 部分と変動 (業績等連動) 部分から構成されて いる。変動部分は,短期 (年次賞与) と中長期 (長期インセンティブ;Long Term Incentive ) とに分けられている。金銭報酬と株式 (自社株) 報酬とにも分けられる。長期インセン ティブは,主に自社株式が使用される。2019 年 1 月 31 日に内閣府令第 3 号「企業内容 等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」が公布・施行され,役員報酬の 開示が強化された
20)。役員報酬の透明性・客観性・妥当性がより強く求められている。
業績連動報酬をいかに組み込むかが最大の課題であろう (図表 20 ) 。中長期的な企業 価値向上への動議付けのためには,業績や株価の変動に応じて得られる業績連動報酬や 自社株報酬を有効活用すべきである
21)。自社株を保有することにより,経営陣と株主 の価値共有に資するというメリットもある。経営戦略,経営指標 ( KVD,KVI,KPI ) と の関連で,経営計画に対応する報酬政策を検討しなければならない。
業績連動に係る指標,指標の選択理由は,各種各様である (図表 21 ) 。連動期間に関 して,短期的なインセンティブが強く,短期的な志向に偏る傾向があるので,中長期業 績により重点を置くべきであろう。非財務指標を組み込んでバランスをとりながら,よ り中長期志向を高める工夫が必要である。短期主義の弊害を除去するには,業績連動は 中長期業績連動に絞り込むことも考えられる。中長期業績は,短期業績の積み重ねでも ある。短期業績は,中長期業績に結果的には反映される。経営判断は,常に中長期重視 で行い,中長期のために毎期どうするかを意思決定する。
短期業績連動としての賞与報酬は,中長期連動に統合させて,自社株を活用すること
がより望ましい。企業価値創造優良企業は,賞与や株式の割合が高いが,それでも海外 と比べると改善の余地があろう。例えば短期業績連動として賞与報酬は廃止し,短期業 績を反映させて,次期固定 (基本) 報酬を見直す方法も考えられる。
中長期の企業価値と連動するインセンティブ制度が必要であろう
22)。業績評価指標 としては,全社業績である売上,利益,ROE,ROA,ROIC 等が用いられている
23)。業 績目標は,中長期戦略・計画と整合させる。インセンティブ報酬を中心とする報酬体系 に変更することにより,経営陣のポテンシャルを引き出し,企業家精神を高揚させ,よ りリスクテイクを促すことができる。事前に目標を定め,その達成度合いを客観的に評 価し,評価結果により支給額が決定される仕組みを構築する。業績に基づく報酬 ( pay for performance ) 制度の深化である。そして,事前にその旨が開示されていることが重 要である。中長期報酬は,原則として株式報酬として,一定期間の譲渡制限を設ける。
クローバック (Claw back;返還) 条項,マルス ( Malus; 没収) 条項も組み込むことが望 まれる
24)。
図表 20 取締役報酬内訳割合
出所:筆者作成
0.0000 0.1000 0.2000 0.3000 0.4000 0.5000 0.6000 0.7000 0.8000 0.9000 1.0000
KEND OR SNMD SMSG HYSF NSHT JTTS HOMR MSSB KDFR DIDN KMAG SEMB TRKO SDSM NTDH SBTY ICTK CGFN TE
基本 賞与 株式
図表 21 役員報酬業績基準
出所:筆者作成
利益 22%
営業利益 売上 22%
10%
経常利益 7%
ROE6%
営業利益率 6%
株価変動率 5%
ROA1% その他 21%
図表 22 営業利益と CEO 報酬との関係
出所:筆者作成
y = -0.0041x + 370.99
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000
CEO 報酬(百万円)
営業利益(億円)
図表 23 時価総額増減額と CEO 報酬との関係
出所:筆者作成
y = 0.014x + 308.13
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000
-15,000 -10,000 -5,000 0 5,000 10,000 15,000 20,000
CEO 報酬(百万円)
時価総額増減額(億円)
2010 年 3 月 31 日に施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正す る内閣府令」により,役員報酬の開示制度が導入された。個別報酬額開示の対象は 1 億 円以上の報酬額を得た役員に限定されている。将来的には,原則として,役員報酬は金 額基準だけでなく,役職上位の個別開示拡大等をも検討すべきであろう。
報酬制度の客観性と透明性を高めるために,任意の報酬委員会を活用することが考え られる
25)。社外独立取締役を中心に安定的な仕組みを構築し,説明責任を果たす。社長・
CEO 等の評価に基づき,報酬額の妥当性を検証する。
取締役報酬と執行役員報酬,使用人給与とを明確に区分して開示している企業もある ので,方針,手続き・開示の範囲については,執行役員等についても別途区分して示す べきであろう。業績連動報酬は,取締役以上に特に執行役員により結び付けられている。
CEO 報酬との関係性では,時価総額増減額と単体年収とは右肩上がりであり,営業 利益とは右肩下がりであった (図表 22・23・24 ) 。
9 .政策保有株式と CG 価値
政策保有株式 (安定株主) は政策保有の合理性を検討し,その説明をしなければなら ない。収益性 (資本コスト) との関連性,取引関係上の必要性等を総合的に検証する。
説得的な説明が可能なのかの判断も求められる。議決権の行使については,適切な対応
図表 24 単体年収と CEO 報酬との関係
出所:筆者作成
y = 0.191x + 169.25
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000
500 700 900 1,100 1,300 1,500 1,700 1,900 2,100
CEO 報酬(百万円)
単体年収(万円)
を確保するための基準を策定・開示すべきでもある。総資産に対する政策保有株式の比 率が特に 2%以上の場合には,速やかに縮減計画を策定して,計画的に対応すべきと思 われる (図表 25 ) 。
10.CG 価値創造主要ドライバー
CG に関する評価も大変難しい。ガバナンス報告書は参考になるが,比較検討は容易 ではない。各社のガバナンスの考え方に依存している。役員の役割,構成・数,うち独 立外部役員割合,役員報酬,研修状況,人権,コンプライアンス等基本的な事項をどの ように整備・運用し,改善しているかが問われる。CG 価値 KVD の評価 ( 500 社調査)
では,情報開示 ( 30%) ,独立性 ( 28%) ,経営執行 ( 25%) ,委員会 ( 9%) であり,ア ンケートでの CG 価値創造方法では,情報開示 ( 34%) ,経営と執行の分離 ( 27%) ,社 外的独立性 (22%) ,指名・報酬委員会 (11%) であった
26)。
企業価値創造優良 38 社の KVD では,独立性の割合はより高いが,任意諮問委員会 の割合は相対的により低くなっている。形式的に諮問委員会を設置するよりも,実質的 な効果を上げる方法を模索しているのであろう (図表 26 ) 。
CG 価値を創造するための主要目標・課題を特定し,その目標を達成するための
図表 25 政策保有株式の総資産に対する比率
出所:筆者作成 0.000 0.010 0.020 0.030 0.040 0.050 0.060 0.070 0.080 0.090 0.100
MB DN SF AG DK MI TY MS NI OR SK TE IC DH HS FN KD SD TS SM JT CG HO MU TR NS ND AS SI TK
SO KO KI HY SU SB FR KM
KVD・KVI を選別し,その KVD・KVI の達成状況をモニターしながら,必要に応じて 改善・工夫を施し,CG 価値の創造に繋げる一連のプロセスを構築・実施する。KVD・
KVI の適切性を検討しながら,より望ましい KVD・KVI を追求し続ける。CG 価値創造 のプロセスは,中長期的な経営革新の継続的推進でもある。
企業価値創造優良 38 社を想定して,CG 価値創造のマップを 図表 27 に例示したい。
図表 26 38 社の KVD
出所:筆者作成
情報開示 30%
独立性27%
経営執行 28%
委員会13%
その他2%
図表 27 CG 価値創造マップの例示
出所:筆者作成
C G 価 値 創 造 株 主
顧 客
人
後継者育成 報酬制度
透明性 リスクテイク
社外独立役員
社会 環境
建設的対話 執行と監督分離 情報開示
資本効率
リスク管理
委員会活用