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− 5年2組『今、自分にできる、理想のお弁当』の実践から−

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Academic year: 2021

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新しい一歩を踏み出すP男君の学びを信じ続けて

− 5年2組『今、自分にできる、理想のお弁当』の実践から−

外 山 聡 子 1.P男君のとらえ

「家の人の手作りより、コンビニおにぎりやコンビニ弁当の方がおいしい」と38人のクラスの中で たった1人だけ書き記していた彼に、私は驚かされた。母親の愛情のこもったものを食べて育ち、家 庭の味を大切に思っている5年2組の子どもたちの中で、P男君のその言葉は強烈な異彩を放ってい

るように感じたからだ。4月に初めて出会ってから過1回の家庭科の時間の中で、彼は自分の感情を あまり言葉や表情に出さない。こういうP男君の姿が、一層私に「彼を知りたい」「彼の思いをとら えてみたい」という気持ちをつのらせていった。

そんなP男君が変わってきたなと感じることがある。それは9月教材『おいしいご飯を炊こう』で 3回目の炊飯をする時のことだった。2人組で炊くはずだった相棒が欠席し、1人で炊くことになっ た。私は、調理があまり得意でない彼がこれまでのように困るのではないかと心配になり、「誰かと 一緒にやれば」と声をかけた。しかし彼はきっぱりと十1人でやる」と答えた。そしてP男君は、水 加減や火加減を自分で調節しながら、上手にご飯を炊き上げた。その日のノートには、成功して嬉し いという言葉が書き記されていたばかりではない。いっも2、3行のコメントしかないノートに、時 間′の経過とともに、鍋の中の米の変化が詳細に記録されていたのだ。そんな彼の姿やノートを見て、

自分ひとりの力で炊飯が成功したことが余程嬉しかったのだろうと私は思った。同時に、彼の中では

「自分の力で作りたい」という思いが強まってきていることを感じた。口数も少なく、思いをなかな か表現しないP男君だが、「おいしいものを食べたい」「おいしく調理したい」という思いは強い。ま た、「自分にはこれがおいしい」「これは嫌いだ」という味に対するこだわりもはっきりしていること が、前教材『おいしいおにぎり大作戦!』で表れてきていた。

2.本教材におけるP男君への願い

P男君は、『おいしいおにぎり大作戦!』で、私が予想していた以上に強く「コンビニおにぎりみ たいにしたい」と口にした。コンビニおにぎりの、三角で平たい形に惹かれていた彼は、自分のおに ぎりを何とかそのおにぎりに近づけようと試みた。しかし、彼にとって三角形に握ることも技術的に 困難であった。それでも、コンビニおにぎりと母親の手作りおにぎりの実物を比較した時、P男君は

「コンビニおにぎりは体に悪いかもしれないけど、その分工夫してあっておいしい」と話し合いの場 で堂々と発言した。なぜ彼がそこまでコンビニおにぎりに固執するのか、私にはよくわからなかった。

彼は、自分にとっての「最高においしいおにぎり」を、塩なし、のりなし、具なしおにぎりだと決め、

最後の実習でそれを作った。友達がどうしたら最高においしいおにぎりになるのかとさまざまな工夫 を試みている時に、真っ白いおにぎりを淡々と作り、早々と片づけ終わり1人ぽつんと座っている彼 の姿はどこか寂しそうだった。本当は自分ならではのものにこだわりたいと思いながらも、技術的な 困難さを前に、思うようにならない切なさをP男君がかみしめているようにも私は感じた。

そんな彼にとって、本教材『今、自分にできる、理想のお弁当』に出会うことは、それ自体が大き な壁だ。しかし、食に対する好奇心やこだわりが強く、自分の力でおいしいものを作りたいという思 いが強まってきた彼ならば、きっと今度こそ自分の理想のお弁当に向かって、自分なりの工夫をし始 めるだろうと、私は信じたい思いでいっぱいだった。

おにぎりの時と同じようにきっとP男君は「コンビニ弁当みたいにしたい」と言うだろう。その時 私は、「コンビニ弁当のどういうところが理想なの?」と問うてみたい。どこに惹かれているのか、

どこがおいしいと思うのか、本当にそれが理想なのかをはっきりさせて調理に臨ませたいと考えてい

るからだ。しかし、40分間という限られた時間の中で、四苦八苦しながら作り上げたお弁当は、彼の

(2)

理想とするコンビニ弁当とは大きな隔たりがあると、彼自身が一番感じる。そんな彼に私は、「この お弁当は、P男君が一生懸命作った、P男君だけのお弁当だね」と言ってあげたい。なぜなら、「こ んなお弁当にしたい」という思いの強まりはあっても技術的な壁を感じると新しいことには躊曙して しまうこともある彼にとって、今、一番大事なことは、コンビニ弁当に近いお弁当を作ることではな く、自分で「これがいい」と判断したお弁当を、自分の力で作ることだと思うからだ。

経験が乏しく上手に調理することができないP男君が「どうしたら理想のお弁当ができるだろう」

と考えながら調理を重ねていくことで、少しずっ少しずっであっても「自分の力でできるんだ」と自 信を深めていく姿を、私は願っていた。このことは、彼が自分甲食生活にとって何が大切なのかを自

ら判断し、その思いを自分の力で実現していこうと、より前向きに動き出す姿につながっていくだろ うと考えていたのだ。

3.やっぱりコンビニ弁当が一番だ!

第1時で、「自分が食べたいお弁当を買ってきて食べてみよう」と投げかけると、彼は全く躊躇す ることなくすぐさま七ンどこに向かって歩き始めた。店に入ると真っ先にお弁当コーナーに向かった り、人との会話が不得手なP男君が、店員さんに買ったものを「温めてください」と頼んだりする様 子を見ていた私は、彼がコンビニでの買い物にかなり慣れているなと感じた。

友達は、思い思いの場所で思い思いのお弁当を選んできた。なぜその店や、そのお弁当を選んだの か聞いている時のことだった。彼は、ぱっと手を挙げて、こう発言したのだ。

C コンビニが好きだから。

T どういうところが好きなの?

C 食べ慣れている。

T、毎日食べてるの?

C 毎日じゃないけど、週に1回ぐらい食べてる。

この発言を聞いていた友達が「そんなに食べているの」と驚きの声を上げたが、この日のノートに は「自分ではコンビニ弁当が一番おいしそうに思い、食べたらおいしかった」と書き記していた。私 はこの言葉にコンビニでの彼の姿を重ね、P男君は自分が食べた経験のある範囲の味で満足しようと しているのではないか、新しい味を試そうとする勇気がまだ出ないのではないのかと思った。それは、

おいしいと思うものを自分の力で作りたいという思いをいださながら、一歩を踏み出せずにいるP男 君の姿そのもののようにも感じられた。

4.冷めたお好み焼きだけのお弁当もおいしいけれど……

1回目のお弁当作りで、彼はお好み焼き弁当′を作ることに決めた。P男君には、コンビニ弁当の中 でも、幕の内風のおかずがいろいろ入っているお弁当は理想の

お弁当ではないことがわかった。それでも彼が、キャベツしか 入っていない、お好み焼きだけのお弁当を作ると決めた時、私

は一体P男君の理想とするお弁当はどんなものか、ますますわ からなくなり、どう関わっていけばよいかも見失ってしまって いた。時間の制限や自分の技量を自覚して、おにぎりの時のよ

うに自分のできそうな範囲で妥協してしまっているのではない かと思うと同時に、今のP男君なら無理もないとも感じた。

お弁当作り当日、P男君はお好み焼きの生地を家で既に混ぜ てきてあった。この時間、それを焼くだけだったが、そのお好

み焼きをひっくり返すことも自分ではできずに、何度も私に助 くP男君が1回目に作ったお弁当〉

けを求めに来た。今まで自分から教師に声をかけてくることはなかったので、彼の「成功させたい」

という思いを、私は感じていた。

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試食の時、P男君は自分のお弁当箱を隠すようにして、あっという間にお好み焼き弁当を平らげた。

そして、教師が炊いて残っていたご飯を、白いご飯だけで2杯もお代わりした。そんな彼に、私は

「こんなにご飯を食べるなんて、お好み焼きだけでは物足りなかったんじゃないの?この次作る時は、

もう少しいろいろ入れてみたら?」と言葉をかけた。

お好み焼きだけのお弁当を選んだこと、家で生地を混ぜてきたこと、お弁当以外にご飯を食べた時 の表情から、私はP男君が、まだ本気で「今、自分にできる、理想のお弁当」に立ち向かっていない のではないかという気持ちを強くした。そして、まだ自分のできそうな範囲の中でしか試そうとしな い彼を感じながらも、自分ならではのお弁当を見つけてはしい、たとえ失敗しても「精一杯の力」を 出し切って立ち向かってはしいという、願いを強めたのだ。

5.僕も「精一杯の力」で作ってみよう

私は、子どもたちが作った1回目のお弁当の写真を、全員分家庭科室の後ろに掲示した。第7時、

改めて「自分草とっての理想のお弁当」を見つめる時間をとった時、P男君は友達の発表の間中、じっ とそれらの写真を見ていた。自分の理想への思いを熱く語る友達の発言を聞きながら、友達のお弁当 に、1回目の自分のお弁当作りをふり返っていたのだろう。「もっと彩りをよくしたい」「おかずの種 類を増やしたい」「野菜を入れたい」という友達の言葉を受け止め、自分のお弁当を、自身の立ち向 かい方も含めて見つめ直し、自分の理想とは何かを必死で模索する彼がいた。友達が意見を交わす中 で何も言わない彼の周りだけ空気が静かだったが、明らかにP男君の目が今までとは違って真剣なこ とに私ははっとしていた。彼が「友達の存在」を意識し、友達のお弁当や立ち向かい方を鏡に、自分 自身を見っめ始めたことを強く感じた瞬間だった。私は、自分の理想を見失わず、失敗をもおそれず 果敢に調理に立ち向かっていったJ男君の例を出し、「2回目のお弁当を、今、自分にできる、精一 杯の力で作ってほしい」と子どもたち全員に語った。しかしこの言葉は、長い間P男君を見っめてき た私にとって、彼への期待を込めた言葉だったのだ。それは、私自身のかけでもあった。話し合いの 後、2回目のお弁当をどうしていくのか、ノートに書く時間をとった時、P男君は一気にこう書き上

げた。

ノート

1回目よりいろいろなものを入れる。それでおいしくする。味と見た目をよくすることが、理想のお 弁当になる。

この文字を目にした時、驚きと同時に嬉しさを感じた。P男君が「いろいろなもの」を入れようと したり「見た目」を気にしたりしたことは、今まで一度もなかったからだ。今、彼は、自分が本当に 理想とするお弁当を求めて、大きな一歩を踏み出そうとしているのだ。しかし、実際にどんなお弁当

にするのか計画を立てようとする時、彼は立ち止まる。調理の経験が乏しく、新しい味に挑戟しよう としても、、何をどうやって作るのかがわからない。思い悩んだ末、P男君は私にはっきりと、「料理 の本見せてはしい」と言った。その言葉に私は一瞬耳を疑った。今まで、「必要ない」とどんなアド バイスも拒み続けてきたP男君が、はっきりと「本を見せてはしい」と言ったからだ。それは、小さ な変化かもしれない。だが、P男君にとっては、大きな大きな動き出しなのだ。彼がたとえどんなお 弁当にしようと判断しても、自分の精一杯の力で作ることができるように支えていこうと、私は本を 持って教室に戻っていくP男君の後ろ姿を見て、心に強く誓っていた。

6.できたよ、僕の理想のお弁当!

家へお弁当作りの本を3冊持ち帰ったP男君は、「照り焼きチキンサンドとポテトサラダのお弁当」

を作ることに決めてきた。彼が自分で決めたその挑戦に嬉しさを感じたが、一方で私の胸には「いき なりこんなに難しい料理で大丈夫だろうか」という不安もよぎった。鶏肉に中まで完全に火を通し、

その上たれをからめる照り焼きは、火加減も焼き加減も前回のお好み焼きより、何倍も難しいからだ。

(4)

だから、彼にとって2回目のお弁当作りに挑む前にとった、試しの時間は大きな価値のある時間と なった。生まれて初めて作る鶏の照り焼きは、私の支えをかなり必要としたが、P男君は何とか焼き 上げた。新しい一歩を踏み出し始めた彼の周りに、「鶏肉一つちょうだい。味見したい」と寄ってく

る友達がいる。「ちょっとしょっぱいな」と率直な感想を言ってくれるそんな友達を、まぶしそうに 見っめるP男君がいた。

いよいよ2回目のお弁当作り。P男君は、まず、時間がかかるからと家で茄でてきたじゃがいもと 人参、レタスをあえてポテトサラ、ダを作った。そして、鶏肉の照り焼き。始めのうち、まだ不安を隠 せない彼は「たれがしょっぱいみたい」「どうやって焼く

んだっけ?」と度々私に声をかけてきた。しかし私は「彼 に自分の力で成功させたい」という気持ちから、この時間 はなるべくP男君に関わらないようにしていた。彼は「あっ、

思い出した」と言いながら、前回の調理を思い出して鶏肉 を焼く。外側は焦がさないように、中まで火が通るように と、P男君の目はフライパンの上の肉にくぎづけだった。

こうして、彼は自分の力で、照り焼きチキンバーガーとポ テトサラダのお弁当を作り上げたのだ。′

T どう、1回目のお弁当と比べて?

こ 中1も、

。瘡  も

二去二三

〈P男君が2回目に作ったお弁当〉

C 色が明るくなった。

そう答えた彼の言葉を聞いた時、「お弁当も明るくなったけど、P男君、君も明るくなったよ」と 心の中で語りかける私がいた。

彼の作ったお弁当は、本のレシピをそのまま真似したものではなかった。パンの種類を変え、サラ ダの具を工夫し、自分で考えた自分ならではのお弁当を作り上げたのだ。′そこには自分の経験した範 囲の中だけで試そうとしたりあきらめの思いを感じさせたりする、それまでの彼の姿は全くなかった。

あれほどこだわったコンビニ弁当でも、毎週食べている母親の弁当でもなく、自分だけのお弁当を精 一杯の力で作り上げたからこそ、このお弁当は、彼にとっての理想のお弁当になり得たのだ。

さらに、2回目のお弁当作りの時には、「すーっげえ、ハンバーガーじゃん」「パンに挟むと、このチ キン、うまい」と彼の作ったものを試食し、講評し、傍らで共にお弁当を広げるたくさんの友達がい る。彼が友達のお弁当作りに向けた思いを感じ、自分自身も精一杯の力で立ち向かおうと■したから こそ、友達もP男君の思いを感じ、彼に寄り添ってきたのだ。

P男君が新しい挑戦をしたことによって得たものは、納得のいく、おいしいお弁当だけではなかっ た。P男君の自分に対する自信と、友達。彼が、楽しそうに友達とお弁当を広げる姿を見て、何とも 言いようのない心地よさを私は感じずにはいられなかった。      1

「子どもをとらえたい」という私の気持ちは、「子どもを 信じたい」という切なる思いに、いっしか変わっていた。

一見とらえどころのないP男君を長い間必死に見っめる間 には、.彼の思いがわからず、どう関わってよいかを見失う自 分がいた。たとえどんなふうに関わったとしても、P男君の 動き出しは期待できないかもしれないと、正直あきらめの気 持ちがよぎったこともある。しかし、「彼はどうしたいのだ ろう」「彼ならきっと自分の足で新しい一歩を踏み出すはず だ」とP男君を信じ続け、願い続けることの大切さを、教師 としての私は、ゆっくりと歩もうとした彼の姿から教えられ

た気がしている。 く楽しそうに友達と試食するP男君〉

(5)

5年2組 『今、自分にできる、理想のお弁当』追究のあらまし

[追究のあらまし】      [P男君の追究]

①②        〈自分が食べ_たいお▲弁当▲を買って来て食べてみよう〉

こうンどこ、デパ⊥トの地下、惣菜屋などに分かれて買いに行く

・1人でコンビニに行く

・時間をかけて吟味し、炊き込みご飯と揚げ出し豆腐を買う

*選び方や温めてもらう様子を見ていると、コンビニにか なり慣れているようだ

T:時間があるのでデパートの地下にも行って、他にどんなお弁当があるか見てこよう イカフライ

・学校に戻り、どの子も自分の選んだお弁当をおいしそうに食べる

T:どうしてその店の、そのお弁当を選んだのかな?

C:盛り付けがいいC:いっも買っている C:値段の割に量が多い C:見た目がいい C:好きな物が入っている C:サービスがいい C:変わっている C:温かい

T:自分にとっての理想のお弁当を作ろう C:自分特製のお弁当を作るぞ

C:えええ、できるかなあ(不安)

l

③④         〈どんなお弁当にするか、

T:来週お弁当作りをする時の条件を言う 1、40分間で作る

2、お弁当箱の中に詰める 3、家で下ごしらえをしてもよい

4、いたまない、余らないように材料を用意する 5、1時間目に作ってお昼に食べる

・どんなお弁当にするか、各自調べる C:見栄えのいいお弁当がいい C:私は味も大事だな

C:僕はおかずの種類が多い方がいいな

*自分の経験した限 られた範囲の中で しか行動しようとし ない彼にとって、新しい一歩を踏み出そうとする思いの 表れのように感じられた

1

「コンビニが好きだから」

「食べ慣れてる」

「週に一度は食べている」

確かに他の人のは、お得とか高級のやっとかあったけど、自分では コンビニの弁当が一番おいしそうに思い、食べた時はおいしかった

本やインターネットも参考にしながら計画を立てよう〉

・すぐにパソコン室に行き、インターネットを開く

T:何かいい情報あった?・お好み焼きのレシピを見ている

「お好み焼き

るつもりだから」

みたいに二つにやって

き弁当を選んだこ

*お好み焼 とを意外に感じたが、 彼が自 分で決めたことを認めたいと思った。細長いお弁当箱に 丸いお好み焼きを二つに折って入れようとしたことも、

P男君の精一杯のアイデアなのだ e:家で練習してみよう        T:お好み焼きに何を入れるの\?お肉とか・

・具体的にどんなお弁当にするのか、絵や言葉で書く C:デザートもつけたい

「豚はいらないや」       \

・お好み焼きの具はキャベツしか書いていない T:本当にお好み焼きしか入れないの?

「ソーセージも2本入れといた。焼くと時間がかかるかな あ。時間がかかると意味ないし……」

⑤⑥ 〈1回 目 の お 弁 当 作 り に 挑 戦 し よ.う〉

C:ちょっと自信がないなあ C:家で練習してきた

・自分の理想のお弁当作りに真剣に取り組む

「生地は家で混ぜてきた。お母さんが……」

「材料を用意したら、もうこうなってた」

L

・お好み焼きを焼き始める

・珍しく、P男君の方から、何度も教師に聞きに来る

*お好み焼きを「上手に焼きたい」という彼の思いを感じ

「すんごく固くてうまくひっくり返せない」

・教師がひっくり返す

・お好み焼きを包丁で切って弁当箱に2段に分けて入れる

・時間が足りなくて焦った子もいたが、40分間で作り上げた

t・昼に∴ 作った自分のお弁当

C:おいしい。7分で作った

C:焦げを取ったらおいしかった。自分オリジナルのおかずがうまい C:うま く詰められなかった

C:満足していない。形が悪いし、固くなった

を 試 食 す る

・自分のお弁当を隠すようにしてあっという間に食べ終わ

る。余っていた白いご飯を2杯もお代わりする

(6)

T:お好み焼きだけでは、物足りなかったんじゃないの?

「うん」

お好み焼きは焼くだけでも大変で、形が崩れた。お好み焼 きは薄くて見た目よりも少なかったけどおいしかった。お 弁当に入れてもおいしかったです

*P男君がまだ本気で理想のお弁当に立ち向かっていないのではないかと思った。

自分ならではのお弁当を見つめてはしい、「精一杯の力」を出し切ってほしい という、願いを強めた

T CC C

〈今、自分にできる精一杯の力で、理想のお弁当を作るにはどうしたらいいだろう〉

2回目のお弁当作りで気をっけたいと思うことは?

彩りをよくしたい

友達の発言を、後ろにはってある1回目のお弁当の写真

おかずの種類を増やしたい      と見比べながら聞いている 野菜をもっと入れたい       l

T:もう一つ条件を出すよ。「今できる精一杯の力で作る」。J男君のようにたとえ失敗しても、自分の力を出し切って理想のお弁当

C C C C

を作ってほしい とにかくやってみる

下ごしらえを自分でやってくる

冷凍食品は自分の精一杯の力でないから使わない 冷凍食品を使ってもいいと思う

T:2回目のお弁当を作る前に、来週試しの時間をとります

・2回目のお弁当の計画を立てる

ノートに2回目のお弁当の計画を書き始める

1回目よりいろいろなものを入れる。それでおいしくする。

見た目と味をよくする

・ここまでは一気に書くが、具体的に何を作るかで考え込む

1

T:P男君が本当に食べたいお弁当ってどんなお弁当なの?

「……」

T:先生、本、もってきたんだけど……

「本見せてほしい」

*今まで「本を見たら?」「こうやったらどうかな?」とどんなアドバイスをし ても拒み続けてきた彼からは、考えられない言葉だった

T:本を貸してあげるから、家で考えておいで

・3冊の本を家にもって帰る

⑧      〈2 回目 のお弁当作 り のため に、自分のや り た い こ と を試 しに C:卵焼きの練習をしよう

C:詰め方の練習をする C:揚げ物に挑戦してみる C:本を見て、サンドイッチの作り方を研究する

⑨⑩⑪

ー  ポ

本を参考にして「照 を作ることに決めた

吐謂

÷

簑銅

き り な

焼 照 万

く二・l 「  ̄q′ ヽ■一、・一一 ▼−1/ヽy一′/し■0  71Tも ソ 乃′L C

教師の支えをかなり受けながら 3人の友達が、次々と試食する

J男R男:「しょっぱい」M男:「うまい」

こき ㍗芯

今日作ったのはしょっぱかったけど、サンドしたらちょうどいいと思う

〈2 回 目 の お 弁 当 作 り に 挑 戦 し よ う〉

\      I

・本とは違う、バーガーパンを用意してある

トサラダを作った後、鶏肉を焼き始める

T:この前やったように、皮に穴を開けた?

「もうやった」

*試しの時間にやったことを生かしている。自分の力で鶏 肉を焼き上げた彼が、ちょっぴりたくましく見えた

・お弁当箱に詰める T:どう、1回目のお弁当と比べて?

るくなった

昼 に、 作 っ た 自 分 の お 弁 当 を 試 食 す る

・自分のお弁当と友達のお弁当を見比べたり、おかずを交換したりし ながら食べている

C:今日はおかずが増えたでしょう

C:自分のもおいしいけど、A子のもおいしい

「J男君がはしいって言ってくれた」

J男:「パンに挟むと、またうめえ」

・にこにこと嬉しそうな顔をする

・彼の周りには、たくさんの友達がいる

参照

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