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北海道企業の活性化方策 に関する実証研究

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(1)

北海道企業の活性化方策 に関する実証研究

一 経 営 成 功 要 因 と変 革 へ の対 応 方 策 一

出 川

¥ 山早

は じ め に

21世 紀 を 目前 に控 え 日本 国 で は 財 政 が 極 め て 厳 しい状 況 に あ り,抜 本 的 な 財 政 改 革 が 進 め られ よ う と し て い る 。 北 海 道 経 済 は こ れ まで 国 か らの 地 方 交 付 税 や 各 種 補 助 金 等 に大 き く依 存 して き て お り,財 政 改 革 の 影 響 は甚 大 で あ る こ と が 予 想 さ れ る 。 した が っ て,従 来 の 様 な 国 の 予 算 に頼 っ た 経 済 構 造 を改 革 し な け れ ば な らな い が,こ の た め に は,北 海 道 の 産 業 が 自 らの 努 力 で市 場 を 開拓 し, 収 益 を確 保 す る と い う努 力 が 必 要 と な る こ とは 言 う まで も な い。

本 稿 は こ の よ う な認 識 の も と,中 小 企 業 が 大 多 数 を 占 め る北 海 道 企 業 が 成 功 す る た め の経 営 成 功 要 因 と こ れ を 身 につ け る た め の 具 体 的 な対 応 方 策 を明 らか

にす る こ とを 目的 と した 分 析 結 果 で あ る。

分 析 に は,道 内 企 業5219社 を対 象 に した ア ン ケ ー ト結 果(1996年 実 施)1)を 用 い て お り,経 営 成 功 要 因 及 び対 応 方 策 の 明確 化 に成 功 して い る 。 た だ し,こ の分 析 結 果 は 北 海 道 の全 企 業 を対 象 と した もの の た め,設 立 後 の経 過 年 数 や 従 業 員 規 模,業 種 な どで規 定 さ れ る よ り具 体 的 で 小 さ な企 業 セ グ メ ン トに対 して は,抽 出 した経 営 成 功 要 因 や 変 革 時 の 対 応 が 必 ず し も有 効 で な い場 合 もあ る と 予 想 され,こ れ らの セ グ メ ン トに つ い て の さ ら な る分 析 の 必 要 性 も示 唆 して い

る。

な お,本 稿 の 分 析 の 手 順 は 図 表1に 示 す 通 りで あ る。

〔91〕

(2)

92

商 学 討 究 第49巻 第1号

(1)

経 営 に 成 功 して い る 企 業 の 定 義 (SPAセ グ メ ン ト)

↓ (2)

成功 してい る企業 が 相関 を示す 変数 の抽 出 と 定性 的 な経営 成要 因 の設 定

(3)

経 営成 功要 因 の精微 化及 び有 意性 の確 認

↓ (4)

経営 成功 要 因 問の相 関の 明確化

↓ (5)

経 営成 功要 因 と変革 時 の対応 方策 との相 関に基 づ く分析

↓ (6)

経過 年 数,企 業規 模,業 種 に よ り規 定 され る各 セ グメ ン トご との 経営 成功 要 因 と改革 時の 対応 方策 との相 関 に基づ く分 析

図 表1分 析手順

1.経 営 に 成 功 し て い る 企 業 の 定 義

経 営 成 功 要 因や 具 体 的 な対 応 方 策 を 企 業 ア ンケ ー ト結 果 か ら明 らか に す る た め に は,ど の よ う な 企 業 が 経 営 に成 功 して い る とす るか 定 義 しな け れ ば な ら な い 。 通 常 は 利 益 や 売 上 を指 標 とす る場 合 が 多 い が,本 稿 で は 以 下 の 様 に 定 義 し た 。

① 売 上 が 伸 び て い る

② 利 益 が 伸 び て い る

③ 経 営 に対 して積 極 的 で あ る

(3)

北 海 道企業 の 活性化 方 策 に関す る実証研 究

93

こ の な か で 特 に③ を組 み 込 ん だ 理 由 は,利 益 や 売 上 だ け で 定 義 す る と,前 述 した よ うに 公 共 投 資 な どに よ って 構 造 的 に潤 っ て い る企 業 が 優 れ た 企 業 と見 な され て し ま う た め で あ る。

経 営 に対 す る積 極 さ は意 識 的 要 因 で あ り,何 が 経 営 に と っ て 必 要 か つ 有 効 な

「 積 極 さ」 か につ い て は議 論 の 残 る所 で あ るが ,本 稿 で は,以 下の3つ の設問 結 果 を用 い て い る 。

「 業 界 の リー ダ ー を 目指 して い る」

「自社 の 発 展 の た め に は競 合 他 社 との 競 争 も辞 さな い 」

「 新 規 事 業 や 新 市 場 開 拓 ,新 技 術 開発 に 積 極 的 に乗 り出す 」

なお,先 に示 した 「 売 上(Sales)」 「 利 益(Pro趾)」 「 積 極 さ(Activity)」 に 基 づ くセ グ メ ン トを以 降 で はSPAセ グ メ ン トと呼 ぶ が,具 体 的 なSPAセ グ メ ン トの設 定 の仕 方 につ い て は 付 録1に 示 す 。

2.成 功 してい る企業が相関 を示す変数の抽出 と定性的 な経営 成功要因の設定

第1章 で 導 入 し た 各SPAセ グ メ ン ト との 相 関 を調 べ,以 下 の4つ のSPA セ グ メ ン トと明 らか な 正 の 相 関 を示 した 変 数 を抽 出 す る。 こ れ は 「 次 の4セ グ メ ン トと相 関 を示 す 変 数 は,経 営 を成 功 させ る た め の 何 らか の 要 因 に な っ て い る 」 とす る仮 説 に基 づ く もの で あ る。

・SPA111(売 上 利 益 と も伸 び て お り ,積 極 的)

・SPA112(売 上 利 益 は伸 び て い る が ,非 積 極 的)

・SPA121(売 上 が 伸 び て お り ,積 極 的)

・SPA211(利 益 が伸 び て お り ,積 極 的)

抽 出 さ れ た 変 数 は55変 数 で あ るが,こ れ らを以 下 の9つ の グ ル ー プ に類 型 化

し,経 営 成 功 要 因 を 設 定 した 。 結 果 を 図 表2に 示 す 。 た だ し,こ の 類 型 化 は定

性 的 な もの で あ り,統 計 的 な 裏 付 け な どは な い。

(4)

94

KFSl KFS2

KFS3 KFS4 KFS5 KFS6 KFS7 KFS8 KFS9

商 学 討 究 第49巻 第1号 無謀経 営の 回避

企業 間競 争の厳 しさの認識 地域 や北海道 に とらわれない経営 変革 的な取組

経営者 の資質 顧客 ・市 場尊重 情報活用 人的資 源の尊重 組 織運営 の効率化

図表2定 性 的 な経 営成功要 因の類型化結 果 類 型 化 し た

経営 成功 要 因 抽 出 し た 変 数

(KFS1)

無 謀 経 営 の 回 避

重点 市場 セ グ メ ン トへ の経 営 資源 の集 中 衰退 分野 か らの早 期撤 退

製 品 ラ イ ン は 強 い も の に 限 定

緻密 な計 画 力

(KFS2)

企 業 間 競 争 の 厳 し さ の 認 識

商 品やサ ー ビス の差 別化

製 品 ラ イ ン,品 揃 え,サ ー ビ ス メ ニ ュ ー の 豊 富 さ

価格競争力

流 通 チ ャ ネ ル の 強 さ

マ ー ケ テ ィ ン グ情 報(商 品,サ ー ビス 情 報)

製 品情報

(KFS3)

地 域 や 北 海 道 に と らわ れ な い 経

道外 へ の事 業展 開の 必要性 生 産販 売活動 の広 が り(道 内) 生産 販売 活 動の広 が り(道 外) 生 産販売 活動 の広 が り(海 外) 国 際化 の必 要性

(KFS4) 変 革 的 な 取 組

新 しい ア イデ アの受 け入 れ

冒 険心

(5)

北 海道 企業 の活 性化 方策 に関す る実証研 究

95 (KFS5)

経 営 者 の 資 質

繊 細 さ ・気 配 り

統 率力

持続力

社 長 の リ ー ダー シ ップ (KFS6)

顧 客 ・市 場 尊 重

民 間か らの安 定 的 な受 注 官 公庁 か らの安 定 的な受 注 変 革時 の対応 と しての新 規市 場 開拓 変 革時 の対応 と しての新 規事 業 の展 開 新規 顧 客開拓 力

最 終利 用状 況の把 握 組織 的 な顧 客防 衛

マ ー ケ テ ィ ン グ情 報(顧 客 情 報 、 消 費 者 動 向) (KFS7)

情 報 活 用

情報収集能力 業 界内 で の情 報 流通

公 的 機 関 な どの 対 面 式 コ ンサ ル テ ィ ン グ,カ ウ ン セ リ ン グ

社外 の専 門家の ア ドバ イス

情報 化教 育 の必 要性

情 報化 教育 の適切 な教育 内容 の把 握 情 報化 教育 の担 当 セ クシ ョンの設 置 情 報化 教育 の社 外 セ ミナーへ の参 加

ワ ー プ ロ 専 用 機 の 利 活 用 パ ソ コ ン を ワー プ ロ と して 利 活 用

パ ソコ ンを表計 算 として利活 用

パ ソ コ ン をDBと して 利 活 用

中 型,大 型 コ ン ピ ュ ー タの 利 活 用 イ ン タ ー ネ ッ トや パ ソ コ ン通 信 の 活 用 (KFS8)

人 的 資 源 の 尊 重

営 業力 の 強 さ 技術 開発力

製 品 ・サ ー ビ ス の 企 画 力

変 革時 の対応 と して研 究 開発 の 強化 公 平 さ

従 業員 の新 規事 業展 開や 経営 へ の参加 の積 極性 社内研修

社外研修 従業 員 の社外 活 動

変 革時 の対 応 としての 人材 の登 用

(KFS9)

組織 運営 の効率 化

合 理化 された業 務運 営

変 革時 の対応 としての組 織 の再編 成

(6)

96

商 学 討 究 第49巻 第1号

3.経 営成功要因の精緻化及び有意性の確認

図 表2に 示 した 経 営 成 功 要 因 は,恐 ら くそ れ ほ ど不 適切 な設 定 に な っ て い る もの は ない と思 わ れ る が,定 性 的 な 判 断 に基 づ く もの な の で,解 釈 の 誤 りな ど を含 ん で い る可 能 性 もあ る 。

そ こで,9つ の 経 営 成 功 要 因毎 に,因 子 分 析 お よ び信 頼 性 分 析 を 行 っ て,不 適 切 な 変 数 を そ れ ぞ れ の 経 営 成 功 要 因 か ら除外 し,経 営 成 功 要 因 を よ り精 緻 化 す る 。

精 緻 化 の 具 体 的 な手 順 は 図 表3の 通 りで あ る 。 ま た,図 表4に 各KFSに そ

類型 化 した経 営 成功 要 因 ごとの 全変 数 を対象 とす る

対 象 と した 変数 に対 して 因子 分析 を行 い 第1因 子 の結 果 か ら最 もそ ぐわ ない変 数

を見出 して お く

因子 分析 を行 った変 数 に対 して 信頼 性分 析 を行 い α値 を求め る

(α1)

先 の 因子分 析 の第1因 子の 結果 か ら最 もそ ぐ わ ない変数 を除外 した 変数 に対 して,信 頼性 分 析 を行 い α値 を求め る(α2)

α1>α2NO‑一 一■ 〉

YES

α2を 示 した 変数 群 (そ ぐわ ない 変数 を 除外 した 変数 群)を 新 た な対 象 とす る a1を 示 した変 数群 を 当該経営 成功 要 因

を構 成す る変数 とす る

図 表3経 営成 功要 因 の精緻 化 の手順

(7)

北 海道 企業 の活 性化 方策 に 関す る実証研 究

97

図 表4KFS1の 精緻 化 の過程

1回 目 2回 目 3回 目 4回 目 5回 目 6回 目 7回 目

α

1

K F S

α値 .3666 .3869 ,3460

重点セグメントへの経営資源の集中 .62040 .67959 .77763

衰退分野からの早期撤退 .65736 .61064

製品ラインは強いものに限定 .66765 .71761,77763

緻密な計画力 .34953 }

K

D r ρD 9臼

α値 .5655 .6299 ,7072 .7202 .6710

商品やサー ビスの差別化 .60846 .60808 .36117

製品ライン,品 揃え,サ ービスメニューの豊富さ .77731 .77730 .60882 .78108 価格競争力 .73903 ,73949 .55823.79394 .75282 流通チ ャネルの強 さ .79043 .79068 ,63271 .82963 .75282 マーケテ ィング情報(商 品,サ ービス情報) ,18289 .18174

製品情報 .01905

K

D r

S 3

α値 .5675. 6279, 6117

道外への事業展開の必要性 .77294 .59973 .70805

生産販売活動の広がり(道内) ,0461

生産販売活動の広がり(道外) .72281 .52606 .60860 生産販売活動の広がり(海外) .66778 .44193

国際化の必要性 .66682 、44430 .40288

K 4

α値 .3788

新しいアイデアの受け入れ .78728

冒険心 ,78728

K

Dr

S 5

α値 .5178 .6830 .6511

繊細 さ ・気配 り .73752 .54551

統率力 .80934 .66195.74136

持続力 .79245 ,62979 ,74136

社長の リーダーシ ップ(率 先力) ,13851

KDr Sρo

α値 .1646 .3526 .3712 .3842 荏228 .4401 .4287 民間からの安定的な受注 .71576 ,68696,69726 .69845 .70079 .72008 .79828

官公庁からの安定的な受注 「5606

変革時の対応としての新規市場開拓 .31633 ,36026.36529 、38151 ,40400 変革時の対応としての新規事業の展開 ,14909 .22529、20236

新規顧客開拓力 .59391 .71097.71543 ,71973 .72446.73296 .79828

最終利用状況の把握

.01249

,18681

組織的な顧客防衛 ,14562 .20593 .22202,21108 マーケテ ィング情報(顧 客情報,消 費者動向) .56976 .53076,53229 .54322.54489 .60151 K

F S 7

α値 .6359 .6425 .6456 ,6371

情報収集能力 .34853 .34804,34512 .32680 業界内での情報流通 .26053 .26013 .25889 公的機関などの対面式コンサルティング,カウンセリング ,13869 .13664

(8)

98

商 学 討 究 第49巻 第1号

α

1

K F S 7

社外の専門家のアドバイス ,34453 .34282,33941 ,32772 情報化教育の必要性 .49506 ,49624 .49958.49755 情報化教育の適切な教育内容の把握 ,43714 ,43820 .43618.42439 情報化教育の担当セクションの設置 ,48338 .48432 .48496 .48673 情報化教育の社外セミナーへの参加 ,55249 .55173 .54763 ,53362

ワー プロ専用機の利活用 .06742

パ ソコンをワープロと して利活用 .53939 ,54273 .54470 .55688 パソコンを表計算として利活用 .48074 .47929 .48137 .50187

パ ソコンをDBと して利活用 .56748 ,56782.56964 .57530 中型,大 型 コンピュー タの利活用 ,31475 ,31142 .31922 .31756

インター ネッ トやパソコ ン通信の活用 ,63429 ,63531 .63787 .63542

K F S 8

α値 ,6473 ,6653 .6690 ,6722 ,6660

営業力の強さ .51424 .51393 ,50794 。52092 .54516 技術開発力 .65103 .65071.65597 .64177 .67289 製品 ・サー ビスの企画力 .69734 ,69792.70331 ,69932 .73291 変革時の対応としての研究開発の強化 .30277 .30291 .31873

公平さ ,26445 26486

従業員の新規事業展開や経営への参加積極性 ,63727 .63765 .64193 .64578 ,64123

社内研修 ,57001 .57080 ,57219 .58389 .56625

社外研修 ,57132 ,57225 、57689 .58542 ,56962

従類 の社外活動

,42215 .42205 .41744 .44128}

変革時の対応としての人材の登用 .02670

K Qソ

α値 .0393

合理化された業務運営 ,71390

変革時の対応としての組織の再編成 .7239

K F S 10

α値 .2175 ,3457 ,3654 ,3647 緻密な計画力 .22138 ,55058 .55086 .56818

商品やサービスの差別化 「2517

マーケテ ィング情報(商 品,サ ー ビス情報) ,5405

製品情報 .5318

生産販売活動の広がり(道内) .05731 ,14530.13711 ,12810

社長の リーダーシ ップ(率 先力) .1303

官公庁からの安定的な受注 .70535 ,51426 、51118 .49332

変革時の対応としての新規市場開拓 .1870

変革時の対応としての新規事業の展開 ,08492 .16212 ,17577 ,18434 最終利用状況の把握 ,39595 ,48376 ,48766 .48369 組織的な顧客防衛 ,02633 ,11333 .11700 ,11219 公的機関などの対面式コンサルティング,カウンセリング .52733 ,40591 .40347,39167 ワープロ専用機の利活用 .25922 .25982 .25588.24907

公平さ .31648 .56003 .56022 .57348

変革時の対応としての研究開発の強化 .0951

(9)

北海 道 企業 の活性 化 方策 に関す る実 証研 究

99

α

1

K F S 10

変革時の対応としての人材の登用 ,13784 .10861 ,11480 合理化された業務運営 ,08634 ,39072,39563 ,40364 変革時の対応としての組織の再編成 ,11188 .09069

K F S n

α値 ,1855 ,2668 .2711 .2664 商品やサービスの差別化 .61936 .69001 ,70775,71955 マーケティング情報(商 品,サ ー ビス情報) .42986 .46618 ,43896,46797

製品情報 ,23713 ,23246

社 長のリーダー シップ(率 先力) ,30183 ,35253 ,36966 変革時の対応としての新規市場開拓 .49916 .42862,42149 .43362 変革時の対応としての研究開発の強化 .54262 ,51844,55054 .59188

変革時の対応としての組織の再編成一 ,2891

K E

α値

製品情報 ,7163

変革時の対応としての組織の再編成 .7163

ぐわ な い変 数 を除 去 す る過 程 で の 第1因 子 の 値 と α値 を示 す 。

な お,こ の 精 緻 化 の 過 程 で 除去 さ れ た 変 数 は,SPAセ グ メ ン トと相 関 が あ る もの の,変 数 の 類 型 化 が 不 適 切 なた め 除 去 され た と解 釈 で きる 。した が っ て, 適 切 な類 型 化 を見 出す 必 要 性 が あ る。 こ の た め,除 去 され た変 数 に つ い て も図 表3の 方 式 を適 用 し,α 値 に 基 づ い て 類 型 化 す る 。 図 表4のKFS10以 降 は こ の 結 果 を示 す も の で あ る。 つ ま り,KFS10の 変 数 はKFS1〜KFS9の 精 緻 化 の 過 程 で 除 去 さ れ た 変 数 と な っ て お り,続 くKFS11はKFS10の 精 緻 化 の過 程 で 除 去 され た も の で,KFS12つ い て も 同様 で あ る 。 た だ し,KFS12ま で残 っ た2変 数 は,因 子 分 析 の 結 果 逆 方 向 を示 す 変 数 な の で,と も にKFSと して は採 用 され な か っ た 。

図 表4に 抽 出 した 経 営 成 功 要 因 の 有 意 性 の確 認 は,定 数 項 を持 つ 重 線 型 回帰 分 析 に基 づ い て行 っ た 。 重 線 型 回帰 分析 に あ た り,従 属 変 数 は 第1章 で 用 い た SPAセ グ メ ン トを規 定 す る3変 数(い ず れ も3点 尺 度)を1〜3の 値 で3(要 す る に最 大 値)が 最 も望 ま しい値 に 変 換 した う えで 合 計 した 合 成 変 数 を用 い た 。

また 独 立 変 数 は,第3章 で精 緻 化 した 各 経 営 成 功 要 因 ご とに,構 成 す る 変 数 を

1〜5の 値 を もつ5点 尺 度 で,5が 最 も望 ま しい値 に変 換 し,こ れ を合 計 し た

合 成 変 数 を採 用 した 。 ま た,重 回 帰 分 析 は 独 立 変 数 の 投 入F確 率 を0.05,除 去

(10)

ヱ00

商 学 討 究 第49巻 第1号

確 率 を0.1と す る ス テ ップ ワ イ ズ 方 式 で 行 っ た 。 ス テ ッ プ ワ イ ズ 方 式 を用 い る こ と に よ っ て,各 経 営 成 功 要 因 の 従 属 変 数 に対 す る 寄 与 率 と も言 え る 係 数 (Beta係 数)が 求 め られ る ば か りで な く,有 意 性 の低 い 経 営 成 功 要 因 を 除 去 す る こ と もで きる 。

結 果 を図 表5に 示 す 。 図 表5に は,精 緻 化 の効 果 を確 認 す る た め,図 表2に 示 した精 緻 化 して い な い経 営 成 功 要 因 の 構 成 変 数 に よ る結 果 も併 せ て示 す 。 な お,精 緻 化 前 の場 合 も従 属 変 数 は 同 じ と した 。

図表5重 回帰 分析 によ る経 営成 功要 因 の序列 づ けの結 果 精 緻 化後 の結果 精 緻化 前 の結果

R2乗 係 数 .52877 .51946

合 R2乗 係 数 の 平 方 根

.27960 .26984

度 調整 済 みR2

.27391 .26490

投 入 された経 営成 功 要因 と KFS2(,122566) KFS2(.211518)

Beta係 数(括 弧 内)

KFS3(.116850) KFS3(.141339)

KFS6(。193659)

KFS5(,058866)

KFS7(.100543) KFS6(.159927) KFS8(.121894) KFS7(,075874) KFS10(.091366) KFS8(,162066) KFS11(.135692)

除去 され た経営 成功 要 因

KFS1 KFS1

KFS4 KFS4

KFS5 KFS9

※KFS9は 事 前 に 除 去 済

図 表5の 結 果 よ り,精 緻 化 した 経 営 成 功 要 因 の 方 が 適 合 度(調 整 済 みR2の 値) が 高 い 重 線 型 回 帰 モ デ ル を導 出す る され た こ とが わ か る。 また,精 緻 化 す る こ

とに よ っ て,KFS5(経 営 者 の 資 質)が 経 営 成 功 要 因 か ら除 去 さ れ た 。

精 緻 化 処 理 を施 した経 営 成 功 要 因 変 数 を用 い た ス テ ップ ワ イ ズ 方 式 の 重 線 型

回帰 分 析 よ り抽 出 さ れ た 経 営 成 功 要 因 は以 下 の 通 りで あ る 。

(11)

北 海道 企業 の活 性化 方 策 に関す る実証研 究 KFS2:マ ー ケ テ ィ ング 機 能 の 重 要 性

KFS2を 構 成 す る変 数 は 以 下 の 通 りで あ る。

・製 品 ラ イ ン,品 揃 え,サ ー ビスメニ ューの豊富 さ(の 重要性)

・価 格 競 争 力(の 重 要 性)

・流 通 チ ャ ネ ル の 強 さ(の 重 要 性)

101

KFS2は そ も そ も は 「企 業 間 競 争 の 厳 し さ 」 の 観 点 で 定 性 的 に 類 型 化 し た 変 数 群 で あ っ た が,上 記 し た3つ の 変 数 の 意 味 す る 内 容 は,そ れ ぞ れ 順 に 製 品 (Product),価 格(Price),流 通(Place)と な っ て お り,「 マ ・…一ケ テ ィ ン グ 機 能 」 の 重 要 性 を 示 し て い る と 考 え ら れ る 。

KFS3:北 海 道 に と らわ れ な い経 営

KFS3を 構 成 す る 変 数 は 以 下 の 通 りで あ る。

・道 外 へ の 事 業 展 開 の必 要 性

・生 産 販 売 活 動 の 広 が り(道 外)

・生 産 販 売 活 動 の 広 が り(海 外)

・国 際 化 の 必 要性

KFS3の 構 成 変 数 が 意 味 す る も の は,ほ ぼ 当 初 の とお り 「 北 海 道 に と ら わ れ ない 経 営 」 と解 釈 す る こ とが で きる 。

KFS6:民 間市 場(民 需)

KFS6を 構 成 す る 変 数 は 以 下 の通 りで あ る。

・民 問 か らの安 定 的 な受 注

・新 規 顧 客 開拓 力

・マ ー ケ テ ィ ン グ情 報(顧 客 情 報 ,消 費 者 情 報)

KFS6は,最 初 は 顧 客 ・市 場 尊 重 と し て 類 型 化 さ れ た 経 営 成 功 要 因 で あ っ

た が,精 緻 化 に よ っ て 残 っ た 上 記3変 数 は,「 民 間 市 場(民 需)」 の 重 要 性 と考

え る こ とが で き る 。

(12)

ヱ02

商 学 討 究 第49巻 第1号 KFS7:情 報 活 用 技 能

KFS7を 構 成 す る変 数 は 以 下 の通 りで あ る。

・情 報 収 集 能 力

・業 界 内 で の 情 報 流 通

・社 外 の 専 門家 の ア ドバ イス

・情 報 化 教 育 の 必 要 性

・情 報 化 教 育 の 適 切 な教 育 内 容

・情 報 化 教 育 の 担 当 セ ク シ ョ ンの 設 置

・情 報 化 教 育 の 社 外 セ ミナ ー へ の 参 加

・パ ソ コ ンを ワー プ ロ と し て利 活 用

・パ ソ コ ン を 表 計 算 と して 利 活 用

・パ ソ コ ン をDBと して 利 活 用

・中型 ,大 型 コ ン ピ ュ ー タ を利 活 用

・イ ン タ ー ネ ッ トや パ ソ コ ン通 信 の 活 用

KFS7は も と も との 定性 的 類 型 化 の 通 り,「 情 報 活 用 技 能 」 の 重 要 性 を示 す もの とな っ て い る 。

KFS8:人 的技 能

KFS8を 構 成 す る変 数 は 以 下 の通 りで あ る。

・営 業 力 の 強 さ

・技 術 開 発 力

・製 品 ・サ ー ビス の 企 画 力

・従 業 員 の新 規 事 業 展 開 や 経 営 へ の 積 極 的参 加

・社 内研 修

・社 外 研 修

・従 業 員 の社 外 活 動

KFS8は,元 は 「 人 的 資 源 の 尊 重 」 と して 類 型 化 し た 変 数 の 集 ま りで あ っ

た が,上 記 変 数 を み る と,「 人 的技 能 」 の重 要 性 を示 す 内 容 に な っ て い る。

(13)

北 海道 企業 の活性 化方 策 に関す る実 証研 究 KFS10:そ の 他 の経 営 成 功 要 因(度 外 視)

KFS10の 変 数 は以 下 の 通 りで あ る。

・緻 密 な 計 画 力

・生 産 販 売 活 動 の広 が り(道 内)

・官 公 庁 か らの 安 定 的 な受 注

・変 革 時 の 対 応 と して の 新 規 事 業 の 展 開

・最 終 利 用 状 況 の 把 握

・組 織 的 な顧 客 防 衛

・公 的 機 関 な どの 対 面 式 コ ン サ ル テ ィ ング ,カ ウ ン セ リ ン グ

・ワー プ ロ専 用 機 の活 用

・公 平 さ

・変 革 時 の対 応 と して の 人 材 の登 用

・合 理 化 さ れ た 業 務 運 営

ZO3

KFS10を 構 成 す る 変 数 は,KFS1〜KFS9の 精 緻 化 の 過 程 で 除 去 さ れ た 変 数 が 元 に な っ て お り,上 記11変 数 を見 て も ま とま りは 感 じ られ ない 。ち な み に, 上 記11変 数 を 因子 分析 す る と4つ もの 因 子 が 導 出 され る(図 表6参 照)。 また, KFS10のBeta係 数 も他 のKFSのBeta係 数 と比 較 す る と最 も小 さ く,逆 に標 準

図 表6KFS10の 変数 か ら抽 出 され る4因 子

Factor1 Factor2 Factor3 Factor4

緻密 な計 画 力

.55082 .43062

.06576

.24285

生 産販売 活動 の広 が り(道 内)

.13711 一 〇5596 .53474 .07609

官公 庁 か らの安 定的 な受 注

.51118 .54705 .07085 .16272

変革時の対応としての新規事業の展開

.17577 .02396 .55846 .53351

最終 利用 状 況の把 握

.48776 .04369 .06606 .16060

組織 的 な顧客 防衛

.11700 .24109 .27964 .57724 公 的 機 関 な どの 対 面 式 コ ンサ ル

テ ィ ン グ,カ ウ ンセ リ ン グ .40347 .59239 .08972 .20744

ワー プロ専用 機 の利活 用

.25588 .24362 .15719 .42560

公平 さ

.56022 .42689 .01340 .23345

変革時の対応 としての人材の登用

.11480 .26456 ,61237 .23977

合理 化 され た業務 運営

.39536 .31523 .05807 。11368

(14)

ヱ04

商 学 討 究 第49巻 第1号 誤 差 は最 大(図 表7参 照)と な っ て い る 。 こ れ らの 点 か ら,KFS10と して ま と め ら れ た 経 営 成 功 要 因 は,「 そ の他 の 経 営 成 功 要 因」 と判 断 せ ざ る を えず, 有 意 性 も抽 出 さ れ た 経 営 成 功 要 因 の 中 で は 最 も低 い 。 実 際 に,ス テ ッ プ ワ イ ズ 法 に よ る重 線 型 回帰 分 析 の 投 入F確 率 を0.003ま で 下 げ る と本 変 数 は 除 去

され る(図 表8参 照)。

図 表7抽 出 さ れ たKFS の標 準 誤差

KFS2 .375517 KFS3 .320606 KFS6 .336793 KFS7 .566217 KFS8 .423831 KFS10 .739861 KFS11 .568625

これ らの 点 か ら,KFSIOは 以 降 の分 析 に お い て,度 外 視 して 扱 う こ と とす る 。

図表8重 回帰分 析 に よ る経 営成 功要 因の序 列 づ けの結 果 (ステ ップ ワイズ法 の投 入F確 率0.003の 時)

精 緻化 後 の結果 精 緻化 前 の結果

R2乗 係 数 .52212 .51190

合 R2乗 係 数 の平 方根

.27261 .26204

度 調整 済みR2

.26769 .25872

投 入 され た経 営成功 要 因 と KFS2(.134594) KFS2(.214346)

Beta係 数(括 弧 内)

KFS3(.109640) KFS3(.144662) KFS6(.183115) KFS6(.173267) KFS7(.113395) KFS8(.206433) KFS8(.148548)

KFS11(.120231)

除去 され た経営 成功 要 因

KFS1 KFS1

KFS4 KFS4

KFS5 KFS5

KFS10 KFS7

※KFS9は 事 前 に 除去 済

KFS9

KFS11:新 商 品 開発 に よ る差 別化

KFS11を 構 成 す る変 数 は以 下 の 通 りで あ る 。

・商 品 や サ ー ビス の 差 別 化

・マ ー ケ テ ィ ン グ情 報(商 品 ,サ ー ビ ス情 報)

・社 長 の リー ダ ー シ ッ プ(率 先 力)

(15)

北 海 道企 業 の活性 化方 策 に関す る実 証研 究

105

・変 革 時 の対 応 と して の 新 規 市 場 開 拓

・変 革 時 の対 応 と して の研 究 開発 の 強 化

上 記5変 数 は 「 新 商 品 開発 に よ る差 別 化 」 と解 釈 で き る。 一 見 す る と社 長 の リ ー ダ ー シ ップ(率 先 力)だ け が 異 質 に 感 じ られ る が,こ れ は 新 商 品 開発 に伴 う投 資 の 意 思 決 定 な ど,社 長 の 率 先 的 な リ ー ダ ー シ ップ な しに は 新 商 品 開 発 が 進 ま な い こ と を考 え合 わせ る と,決 して 不 自然 な組 み 合 わせ で は な い。

以 上 の 考 察 よ り注 目 す べ き経 営 成 功 要 因 お よび そ の 序 列 は 図 表6のBeta係 数 の大 き さ よ り以 下 の 通 りで あ る。(括 弧 内 はBeta係 数 値)

①KFS6:民 間 市 場(O.193659>

②KFS11:新 商 品 開 発 に よ る差 別 化(0.135692)

③KFS2:マ ー ケ テ ィ ン グ機 能(0.122566)

④KFS8:人 的技 能(0,121894)

⑤KFS3:北 海 道 に と らわ れ な い経 営(0.116850)

⑥KFS7:情 報 活 用 技 能(0.100543)

な お,上 記 序 列 に つ い て は ス テ ップ ワ イ ズ 法 の投 入F確 率 を0.003と した 図 表8の 結 果 で は 異 な っ た もの と な っ て い るが,KFS6が 最 も重 要 な経 営 成 功 要 因 で あ る こ とは 双 方 の結 果 か ら言 え る 。

4.経 営成功要因間の相関の明確化

第3章 で 明 らか に し た経 営 成 功 要 因 が北 海 道 企 業 の 経 営 に大 き く寄 与 して い る こ と は 間 違 い な い が,実 際 の 企 業 が どの よ う に して これ らの経 営 成 功 要 因 を 身 につ け て い くか が 現 実 的 な 課 題 で あ り重 要 と な る 。

こ の 点 を明 確 に す る た め に は まず,抽 出 され た経 営 成 功 要 因 ど う しの相 関 を

確 認 す る こ とが 有 効 と考 え られ る。 とい うの は,そ れ ぞ れ の経 営 成 功 要 因 が 独

立 し た 関 係 に あ れ ば,経 営 成 功 要 因 を1つ ず つ 身 に つ け て い け ば よ い こ と に な

り,そ れ が 可 能 と思 わ れ る か らで あ る。 逆 に,経 営 成 功 要 因 ど う しが 強 い 相 関

を示 す こ と に な れ ば,経 営 成 功 要 因 は そ れ ぞ れ に 身 に つ け る こ と は困 難 で,何

(16)

106商 学 討 究 第49巻 第1号

らか の他 の 方 策 を も っ て,複 数 の 経 営 成 功 要 因 を 同 時 に身 につ け て い か な け れ ば な らな い か らで あ る。

第3章 で 抽 出 した6つ の経 営 成 功 要 因 の 相 関 を 図表9に 示 す 。 図表9抽 出 した経営成 功 要因 の相関

KFS2 KFS3 KFS6 KFS7 KFS8 KFS11

KFS2 1.00 1996** 3439** .2163** .4560** .2764**

KFS3 1996** 1.00 1517** 1940** 2733** 3250**

KFS6 3439** 1517** 1.00 2152* 3796** 3247**

KFS7 2163** 1940** 2152* 1.00 .4366** 1814**

KFS8 .4560** 2733** 3796** .4366** 1.00 2639**

KFS11 2764** 3250** 3247** 1814** 2639** 1.00 凡 例:*‑Signif.LE.05**‑Signi£LE.01

図 表9の 結 果 よ り,抽 出 され た6つ の 経 営 成 功 要 因 は 明 らか に強 い 相 関 を示 して い る。 した が っ て,こ れ らの経 営 成 功 要 因 が 企 業 に お い て 身 につ く場 合 に は,そ れ ぞ れ が 個 々独 立 に 身 につ く もの で は な く,何 らか の 施 策 に よ っ て ほ ぼ 同時 に 醸 成 さ れ て い く もの と考 え られ る。

5.経 営成功要因 と変革時の対応方策 との相関に基づ く分析

経 営 成 功 要 因 が そ れ ぞ れ独 立 に身 につ か な い と した 場 合,ど の よ う な 方 策 に よ っ て そ れ ら を ほ ぼ 同 時 に 身 に つ け て い け ば 良 い か を 明 らか に し な け れ ば な ら な い 。

こ の た め,経 営 成 功 要 因 と変 革 時 の対 応 方 策 の相 関 を調 べ る。 ア ン ケ ー トで 調 査 して い る変 革 時 の 対 応 方 策 は 以 下 の12項 目 で あ る 。 この12項 目 と経 営 成 功 要 因 の相 関 を図 表10に 示 す 。

・経 営 ポ リ シ ー の変 更

・組 織 の 再 編 成

・人 員 削 減

(17)

北海 道 企業 の活性 化 方策 に関す る実 証研 究

107

・経 費 削 減

・研 究 開発 の 強 化

・業 務 の 効 率 化

・職 務 分 掌 の 変 更

・新 規 市 場 の 開 拓

・新 規 事 業 の展 開

・人材 の 登 用

・他 社 との 合 併 ・連 携

・大 手 系 列 傘 下 へ の 加 入

図 表10変 革時 の対 応 方策 と経 営成功 要 因 との 相関

変 革 時の対 応

KFS2 KFS3 KFS6 KFS7 KFS8 KFSIl 経営ポ リシーの変更 .0094 。0242 .0442 .0884** .0028 .0246

組織再編成

.0021 .OlO2 .Ol34 .096α* .0202 .055P

人員削 減

.1229** .0304 .0570ネ .0436 .0922** .1043**

経 費削 減

.109P* .ll85** .0736** .1379料 .ll97** .1869**

研 究開 発強化

.ll76** .2660** .0904** .0915** .177P* .3662**

業務効率化

.0335 .0835*ホ .0043 .0097 .0351 .0894**

職務 分掌 の 変更

.0247 .0824串* .0546* .0473 .0439 .1031**

新規市場開拓

.06工2* ,1255** .1364** .0505 .0712* .5063**

新規事業展開

.0331 。0743* .0699" .0293 .0831** .0262

人材 の登 用

.0436 .0060 .Ol25 .0368 .0236 .0395

他社 と合 併

.0078 .Ol27 .Ol62 .0269 .O!60 .0083

大手 傘下加 入

.0267 ,0248 .0074 .0515* .0364 .OO54

*‑Signif

.LE。05**‑Signif.LE.Ol

図 表10に は,正 の相 関 だ け で な く負 の相 関 も示 して い るが,正 負 につ い て は 相 関係 数 の符 号 か ら識 別 す る こ とが で きる。 した が っ て,経 営 成 功 要 因 に全 般

的 に 好 影 響 を 及 ぼ す 対 応 方 策 は,

・研 究 開発 の 強 化

・新 規 市 場 の 開 拓

で あ り,逆 に

(18)

108

商 学 討 究 第49巻 第1号

・人 員 削 減

・経 費 削 減

につ い て は 明 らか な 悪 影 響 を及 ぼ す こ とが わ か る。 要 す る に北 海 道 企 業 の全 般 的 な傾 向 と して,成 功 して い る 企 業 は,研 究 開 発 の 強化 や 新 規 市 場 の 開 拓 を進 め る こ とに よ っ て,前 述 した経 営 成 功 要 因 を 強 め てお り,逆 に成 功 に い た っ て い ない 企 業 は 経 費 削 減 や 人 員 削 減 な ど の方 策 に よ っ て経 営 成 功 要 因 を 弱 体 化 さ せ て い る と考 え られ る の で あ る 。

しか し この結 果 は,業 種 や 規 模 等 の 属 性 に よ らな い全 北 海 道 企 業 の 全 般 的 な傾 向 を示 す もの で あ り,こ れ らの 属性 に よっ て規 定 され るセ グ メ ン ト毎 に み る と, 必 ず し もこ の全 般 的 な傾 向 に 当該 セ グ メ ン トの 企 業 群 が準 じる とはい え ない 。

そ こで 以 降 の 章 で は,設 立 後 の経 過 年 数,従 業 員 規 模,業 種 で規 定 され る そ れ ぞ れ の セ グ メ ン トに つ い て,経 営 の 成 功 を規 定 す る構 造 が,第3章 で抽 出 し た経 営 成 功 要 因 に準 ず る か 否 か,準 じた 場 合 に,そ れ ぞ れ の セ グ メ ン トの 実 際 の対 応 方 策 が どの よ う な傾 向 を示 して い る か な ど につ い て分 析 を行 う。

分 析 の 方 法 は,第3章 で 抽 出 した 経 営 成 功 要 因 同 士 の 相 関 の 強 さの 度 合 い, 及 び,本 章 で既 に 明 らか に した 経 営 成 功 要 因 に つ い て 好 悪 影 響 を及 ぼ す4つ の 施 策(研 究 開発 の 強 化,新 規 市 場 の 開 拓,人 員 削 減,経 費 削 減)と 経 営 成 功 要 因 の相 関 の 強 さ に よ る確 認 で あ る。 これ に よ っ て,そ れ ぞ れ の セ グ メ ン トが ど の程 度,全 般 的 な傾 向 と同 じ傾 向 を示 して い る か を把 握 す る こ とが 可 能 と思 わ れ る 。 逆 に い う と,あ ま り相 関 を示 さ ない セ グ メ ン トは,全 般 的 な傾 向 と は異

な る,特 異 な構 造 を有 す る 可 能 性 が 高 い と言 え る 。

(19)

北 海 道企業 の活 性化 方 策 に関す る実証研 究

109

6.経 過年数 と経営成功要因に関する分析

北海道企 業の設立 後の経過年 数毎 の分析 を行 うに当 り,経 過 年数の 区分 を図 表11の 様 に 設 定 す る 。 こ の設 定 は,そ れ ぞ れ

の 区 分 の論 理 的 な 意 味 合 い だ け で な く,相 関 分 析 等 の統 計 処 理 を 施 す に あ た り,対 象 と な る 企 業 数 の 分 布 もあ る 程 度 考 慮 し て定 め た も の で あ る 。な お,設 立 後 の 経 過 年 数 は ア ンケ ー ト実 施 時 点(1996年)の 経 過 年 数 を用 い て い る。

次 に 図表11の 区分 ご と に,6つ の 経 営 成 功 要 因 毎 の相 関 を調 べ た 結 果 を 図 表12に そ れ ぞ れ の 相 関 の 強 さ を記 号 で 示 す 。

図表11経 過年 数毎 の 区分

区 分 対象社数

10年 未 満 36

10年 以 上15年 未 満 77 15年 以 上20年 未 満 117 20年 以 上25年 未 満 210 25年 以 上30年 未 満 205 30年 以 上35年 未 満 198 35年 以 上40年 未 満 182 40年 以 上45年 未 満 172 45年 以 上50年 未 満 155

50年 以 上 86

※社数 に は無効 回答社 数 も含 む

図表12経 過年 数 区分 毎 の経 営成 功要 因間 の相 関

KFS2 KFS3 KFS6 KFS7 KFS8 KFS11

10 未満

KFS2*

KFS3

KFS6

KFS7 **

KFS8 * **

KFS11 10

15

KFS2** ** *

KFS3 *

KFS6 *** ** *

KFS7 *** *

KFS8 ** * ** **

KFS11 * * *

15 20 未満

KFS2 ** ** * ** **

KFS3 *** ** *

KFS6 **** ** **

KFS7 * * ** **

KFS8 ** ** ** **

KFS11 ** * **

(20)

ヱヱ0

商 学 討 究 第49巻 第1号

20 251

KFS2 * ** ** ** *

KFS3 * * * ** **

KFS6 ** * ** ** **

KFS7 ** * ** **

KFS8 ** ** ** ** **

KFS11 * ** ** ** **

25 30

KFS2 F ** ** ** **

KFS3 * **

KFS6 ** ** ** **

KFS7 ** ** ** **

KFS8 ** * ** ** **

KFS11 ** ** ** ** **

30 35

KFS2 * **' ** ** **

KFS3 * ** ** **

KFS6 ** ** ** **

KFS7 ** ** *

KFS8 **' ** ** ** **

KFS11 ** ** ** * **

35 40

KFS2 * ** ** ** **

KFS3 * ** * ** *

KFS6 ** ** ** ** **

KFS7 ** * ** ** *

KFS8 ** ** ** ** **

KFS11 ** * ** * **

40 45

KFS2 ** ** ** **

KFS3 ** ** ** **

KFS6 ** ** **

KFS7 ** **

KFS8 ** ** ** ** **

KFS11 ** ** ** **

45 50

KFS2 ** ** * ** **

KFS3 ** ** ** **

KFS6 ** ** ** **

KFS7 * ** ** **

KFS8 ** ** ** ** **

KFS11 ** ** ** **

50

KFS2 ** * ** **

KFS3 *

KFS6 ** ** **

KFS7 * **

KFS8 ** ** **

KFS11 ** . * *「

(21)

北 海道 企業 の活性 化 方策 に関す る実 証研 究111

図 表12の 結 果 よ り,設 立 後 の経 過 年 数 が15年 未 満 の2セ グ メ ン ト(5年 未 満 と5〜10の セ グ メ ン ト)と50年 以 上 の セ グ メ ン トにお い て,経 営 成 功 要 因 相 互 の相 関 が 弱 い よ うで あ る 。 これ らの セ グ メ ン トに つ い て は,別 途,経 営 を成 功 させ る 要 因 等 に 関 す る分 析 が 必 要 と考 え られ る 。

な お,そ れ以 外 の セ グ メ ン トは,ほ ぼ経 営 成 功 要 因 相 互 の 相 関 を示 して い る

図表13経 過年 数 ご との 経営成 功 要因 と対応 方策 の相 関

経過年数 対 応 方 策

KFS2 KFS4 KFS6 KFS7 KFS8 KFS11

15年 以 上 20年 未 満

悪影響 人員 削減

経 費削 減

* ** * **

好影響 研 究 開発 強化

** **

新規市場開発

**

20年 以 上 25年 未 満

悪影響 人員削 減

* * *

経 費削 減

* * **

好影響 研 究 開発強 化

** ** **

新規市場開発

** * **

25年 以 上 30年 未 満

悪影響 人員削 減

経費削減

**

好影響 研 究 開発 強化

* ** * ** **

新規市場開発

**

30年 以 上 35年 未 満

悪影 響 人員削 減

経 費削 減

* ** ** * ** **

好影響 研 究 開発 強化

** **

新規市場開発

* ** **

35年 以 上 40年 未 満

悪影響 人 員削 減

**

経 費 削減 好影響 研 究 開発 強化

** * ** **

新規市場開発

**

40年 以 上 45年 未 満

悪影響 人員削 減 経費削減

好影響 研究開発強化

** ** **

新規市場開発

** * **

45年 以 上 50年 未 満

悪影響 人員 削減

経 費削 減

** *

好影響 研 究 開発 強化

** **

新規市場開発

**

(22)

ヱ12

商 学 討 究 第49巻 第1号

よ うで あ る。 これ ら の セ グ メ ン トに つ い て,具 体 的 な対 応 方 策 と経 営 成 功 要 因 の 相 関 の 強 さ を 図 表13に 示 す 。 な お,図 表13も 図 表12と 同 様 に相 関 の 強 さ の み

を示 す 。

図 表13の 結 果 よ り,設 立 後 の 経 過 年 数 が25年 未 満 の 企 業 にお い て は,経 費 削 減 や 人 員 削 減 の経 営 成 功 要 因 の 醸 成 に 悪 影 響 を 及 ぼ す と考 え られ る対 応 法 策 を 取 り易 い 傾 向 が 出 て い る よ うで あ る 。 次 の25年 以 上30年 未 満 の 企 業 セ グ メ ン ト

に お い て は,研 究 開 発 の 強 化 とい う経 営 成 功 要 因 に とっ て好 影 響 を 及 ぼ す 方 策 が 強 くで て,経 費 削 減 や 人 員 削 減 とい う方 策 は弱 くな っ て い る。 とこ ろ が,次 の30年 以 上35年 未 満 の 企 業 セ グ メ ン トで は再 び,経 費 削 減 の 悪 影 響 が 強 く出 て い る。 そ の 後 の35年 以 上40年 未 満,40年 以 上45年 未 満 の 企 業 セ グ メ ン トで は, 人 員 削 減 や 経 費 削 減 は弱 くな っ て い る が,最 後 の45年 以 上50年 未 満 の セ グ メ ン

トで は,経 費 削 減 の 悪 影 響 が 再 びや や 出 て い る よ うで あ る。

7.従 業員規模 と経営成功要因 に関する分析

第6章 の 設 立 後 の 経 過 年 数 と同 様 の分 析 を,北 海 道 企 業 の従 業 員 規 模 で 規 定 され る セ グ メ ン トに対 して行 う。 図 表14に 設 定 した 従 業 員 規 模 の 区分 を 示 す 。 な お,従 業 員 数10人 未 満 の 企 業 は,そ もそ も ア ンケ ー ト調 査 対 象 か ら除外 し た が,こ こ で 用 い た デ ー タ は や や 古 い

もの で あ り,ア ンケ ー トの 設 問 と し て 調 査 した 従 業 員 数へ の 回答 に は10 人 未 満 の 数 字 も多 くみ られ る 。 今 回 分 析 に 用 い た 図 表14の 区 分 は ア ン ケ ー ト結 果 の 従 業 員 数 に基 づ くもの で,結 果 的 に従 業 員 数 が10人 未 満 の 企 業 も対 象 と な っ た 。

図表14設 定 した従 業 員規模 の 区分

区 分 対象社数

0人 以 上20人 未 満 332

20人 以 上50人 未 満 520

50人 以 上100人 未 満 250 100人 以 上300人 未 満 258

300人 以 上 92

図 表15に そ れ ぞ れ の 区 分 に お け る経 営 成 功 要 因毎 の 相 関 の 強 さ を,図 表12と

同 様 に記 号 で 示 す 。

参照

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