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研究評価委員会 「太陽光発電システム共通基盤技術研究開発」(事後評価)第1 回分科会 議事録 日時:平成18 年(2007 年)1 月 10 日(水)13:00~17:30 場所:住友新宿ビル 1 階 B 会議室 出席者(敬称略、順不同): <分科会委員> 分科会長 石原 修 熊本大学 大学院 自然科学研究科 教授 分科会長 代理 高倉 秀行 立命館大学 理工学部 電子光情報工学科 教授 理工学部長 委員 梅田 靖 大阪大学 大学院 工学研究科 機械工学専攻 教授 委員 河本 映 静岡大学 工学部 電気電子工学科 助教授 委員 山田 明彦 財団法人 新エネルギー財団 常務理事 委員 若尾 真治 早稲田大学 理工学術院 教授 委員 脇坂 健一郎 三洋電機株式会社 クリーンエナジーカンパニー 担当部長 <経済産業省 推進者> 栗原 敦彦 経経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー対策課 課長補佐 中崎 尚俊 同上 <推進部門> 松原 浩司 NEDO 新エネルギー技術開発部 主任研究員 工藤 均 同上 主査 宇田 和孝 同上 主査 中山 亮治 同上 主査 猪股 洋介 同上 主査 梶原 日香里 同上 <実施部門> 菱川 善博 (独)産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 主任研究員 仁木 栄 同上 副センター長 土井 卓也 同上 主任研究員 猪狩 真一 同上 研究員 加藤 宏 (財)電気安全環境研究所 研究部 GM 高島 工 (独)産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 主任研究員 大谷 謙仁 同上 研究員 末永 章一 (財)電気安全環境研究所 研究部 GM 若林 始 同上 酒井 総一 太陽光発電技術研究組合 技術部 主任研究員 山下 勝也 シャープ(株) ソーラーシステム事業本部 薄膜事業推進センター 企画推進室 主事 竹岡 貞哉 シャープ(株) ソーラーシステム事業本部 ソーラーシステム事業部 第二技術部 副参事

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櫛屋 勝巳 昭和シェル石油(株) ニュービジネスディベロップメント部(CIS 開発グループ) 担当副部長 (主席研究員) 鈴木 博久 同上 担当課長 宗像 智郎 昭和シェル石油(株) 研究開発部企画管理課 主任 種田 直樹 旭硝子(株) 中央研究所 主幹 工藤 透 旭硝子(株) 板ガラスカンパニー日本・アジア本部 CSR室環境・安全グループ 主幹 <NEDO 企画担当> 楠瀬 暢彦 NEDO 企画調整部 課長代理 <事務局> 笹岡 賢二郎 NEDO 研究評価部 部長 高松 秀章 同上 主幹 森本 和夫 同上 主査 宮崎 智 同上 主査 <一般傍聴者> 10 名 議事次第 1. 開会、分科会の設置、資料の確認 2. 分科会の公開について 3. 評価の実施方法 4. 評価報告書の構成について 5. プロジェクトの概要説明 6.プロジェクトの詳細説明 (1) 太陽電池評価技術の研究開発) (2) 太陽光発電システム評価技術の研究開発 (3) 太陽光発電システムのリサイクル・リユース処理技術等の研究開発 (4) 太陽光発電システムの電磁環境性に関する研究開発 (5) 総合評価、まとめ(講評) 7.今後の予定、その他 8.閉会

1.開会(分科会会長、挨拶、資料の確認)

開会宣言、および分科会設置について資料 1-1、1-2 に基づいて事務局より説明した。 ・分科会長の挨拶。 ・出席者(委員、推進者、実施者、事務局)の紹介 ・配付資料確認

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2.分科会の公開について

・事務局から分科会の公開について資料2-1~2-4 に基づき説明した。議事は公開する ことで了承された。

3.評価の実施方法について

・事務局より資料3-1~3-5 とパワーポイントに基づき説明し、事務局案どおり了承さ れた。

4.評価報告書の構成について

・事務局より資料4に基づき説明し、事務局案どおり了承された。

5.プロジェクトの概要

プロジェクトの概要(事業の位置付け・必要性、研究開発マネジメント、研究開発成果、 および実用化の見通し)について、推進・実施部門から資料5-2に基づき説明が行われ、 引き続き質疑が行われた。

質疑応答

[石原分科会長] どうもありがとうございました。ただいまの工藤主査のご説明に関し て、ご意見、ご質問など、よろしくお願いしたいと思います。 [脇坂委員] 細かいことも含めて4 点ほどあります。この評価ということについてご質 問させていただきますと、中間評価が平成 15 年に実施されたと思いますが、そのときに 研究開発マネジメントと成果管理について、どのような指摘があって、その指摘を実際に その後のプロジェクトの運営にどのようにフィードバックされたのかということです。 大変多くの成果を出していただいていると理解しておりますが、プロジェクトをどのよ うに進めてこられたのか、中間評価がどのようにフィードバックされたのかということを お伺いしたいというのが一つです。 [石原分科会長] ただいまの脇坂委員のご質問にご回答願います。 [工藤(推進者)] 細かいところは承知しておりませんので、お話しできないのですが、 基本的な方向性としては、この方向性で進めていくということで評価をいただいたと理解 しております。 それで標準化等については、特にこの事業については知的基盤的な要素が強いというこ とで、できるだけ標準化に向けた活動をしてくださいという指摘があったかと思います。 国あるいは NEDO としても、標準化の推進の時期であり、そういった方向性に対して一 層、研究開発と結びつけてやっていくということを受けて、後半は特に標準化が進められ たと理解しております。 [脇坂委員] 評価技術や認証で多くの成果を出していただいたと思いますが、この分野 の性格上、たぶん目標設定や目標の達成度の評価は難しいのではないかというようなご指 摘があったのではないかと思います。そのへんのことをプロジェクトの中で具体的にお進 めいただいたということでしょうか。 [工藤(推進者)] 当初目標にしている、あるいは中間評価で指摘されているような、た とえば細かな校正技術のレベルをどれぐらいにしていきましょうという数値的な目標とい うのは、わりとわかりやすくて達成できるのですが、標準化の場合には、なかなか目標設 定しにくいというのが実態です。完了までに何件をJIS にしましょうといった目標につい ては、審議が進むものもありますし、進まないものもありますので、10 件やりましょうと いう目標を立てても、外部の標準化の動きが別途に動いてしまうというか、われわれの研

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究開発と連動していない部分もあります。 こういう状況のために、この達成に十分満足できるのか、あるいは満足したのかといっ た評価については、非常に主観的にならざるを得ない部分もあるというのは事実ですので、 いまの時点では絶対値的な成果、達成度を語るのは、おっしゃるとおり厳しいなというの が本当のところです。 [脇坂委員] わかりました。次の質問はパワーポイントの7 ページ目で、NEDO さんの 中でいろいろなプロジェクトが並行して走っているというご報告がありました。他のプロ ジェクトはきっと製造技術だと思うのですが、システム的にそこと何らかのリンクを持ち ながら進めてこられたのでしょうか。 [工藤(推進者)] 基本的に電池そのものの研究開発ではありませんので直接的ではあり ませんが、ここの共通基盤におきましては、それぞれの研究開発で出てきた成果について、 性能を評価するということをやってきております。これは常時やっており、たとえば先進 太陽電池では、こんな効率の電池ができましたといったときには、この電池の性能を評価 する最もふさわしい場所として、この共通基盤技術の中で推進してきております。 [脇坂委員] わかりました。あと細かい話で、16 ページ目の予算のところで総額 42 億 円ということですが、これを全部たしますと 42 億円になりません。その差額の部分は調 査研究等の支出ということでしょうか。 [工藤(推進者)] はい、そうです。 [脇坂委員] パワーポイントの 32 ページ、成果発表のところですが、最後の欄に特許 と報道を含むとあって、報道と特許が一緒になっているのは、ちょっとわかりづらいかと 思います。プレス発表は平成 17 年になさったのでしょうか。それを何回なさっているの かということと、特許は外国出願も含んだ件数になっているのでしょうか。国内だけを集 計されているのでしょうか。 [工藤(推進者)] 特許については14 件、報道関係は 11 件です。特許については海外 も含んでおります。 [脇坂委員] 14 件と 11 件で、たして 25 件ということですか。 [工藤(推進者)] はい、そうです。 [脇坂委員] わかりました。 [石原分科会長] よろしいですか。それでは着席順にお願いします。 [若尾委員] ちょうどこのページが出ておりますので。事業の性格から、いろいろな成 果ですとか、情報発信を広く行うことが非常に重要かと思っておりまして、このページの 上のほうには、かなり件数とかが定量的に書いてあるのですが、下のほうの、たとえばフ ォーラムですとか、あるいは学会でのシンポジウムですとか、ここの回数がだいたいどの 程度か教えていただければと思います。 [工藤(推進者)] いまちょっと正確な数字がありませんので、のちほどまたご報告させ ていただきたいと思います。 [若尾委員] それともう一つ、23 ページでたとえばシステム評価技術に関しては Web にて公開をされているということですが、これについてアクセス数や、実際にこういった システムを一般の方が使用されて、どういった反響であったかについてわかるでしょうか。 [大谷(実施者)] 詳細説明のときに、ご報告する資料がありますので、そのときに報告 させていただきます。 [若尾委員] わかりました。 [石原分科会長] それではお隣の委員、どうぞお願いします。 [山田委員] 17、18 ページで、研究開発マネジメントサイドからご覧になって、中間評 価前後から開発完了に至るまでの間で、太陽光発電をめぐる情勢はいろいろ変化している と思います。そこをマネジメントとして、どう取り入れたかというところに焦点をあてた

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補足説明がありましたら、お願いいたします。 [工藤(推進者)] ここでは主に開発項目ごとに、有識者が入った研究会等を開いて進め たのですが、もっと大きな枠組みとしては、ほかの研究開発の項目も含めて情勢変化等に 対応しています。前のページの 15 ページの体制のところで、それぞれの研究会でそのテ ーマごとの推進の中身を検討し、もっと大枠のかたちということでは、NEDO の新エネ部 の中に技術委員会があって、そこで電池の研究開発を含めて、この共通基盤技術の方向性 等について検討してきております。これは年に2~3 程度開催してきております。 [山田委員] もうちょっと具体的に、欧州への輸出が増えてきたとか、新型の太陽光発 電の開発の芽が出てきたので、こういった項目を追加したとか、あるいは従来の項目をこ のように変更していったとか、そんな具体的な例がありましたら、ご説明をお願いします。 [工藤(推進者)] 17 ページを使って簡単にご説明させていただきます。従来、太陽電 池の性能は標準条件で性能を表記する方法であるワットで表記する方法(出力定格)があ りましたが、この表記だけでは、実際のユーザーが求めている性能とちょっと離れてしま うということがあります。 実際にユーザーさんは、太陽電池は何年もつのですかとか、年間どのぐらい発電し、発 電したら何円になりますかという具体的な項目を求めています。この事業で当初設定して いたもの以上に求めているものがあるということで、たとえば発電量で性能を評価しまし ょうとか、太陽電池についても、今年度、CIS の薄膜太陽電池や多接合の太陽電池が商用 化され、お客さんにものが渡るということになりますので、それらの評価技術をより一層 早めて、標準化していきました。これは具体的に中身を修正しながら推進してきた一例で す。 [石原分科会長] よろしいですか。いまのこの画面で、中間評価分科会委員の中で、今 回も来ておられます河本先生の字が間違っております。失礼にあたりますので、修正して おいてください。ここは川本になっております。ご本人からは言いにくいでしょうから。 [工藤(推進者)] 大変失礼いたしました。早速、修正させていただきます。 [石原分科会長] ほかにご質問、ございませんか。 [河本委員] ただいまの説明は非常によくわかったのですが、これは個別のところでお 伺いしたほうがよろしいのかもわかりませんが、発電量定格というのはちょっと耳慣れな いというか、定格という言葉がどういうふうに出てきたのかということと、それからこう いうテーマが途中から加わった経緯は、ただいまご説明いただいたとおりであるというこ とでよろしいわけですか。 [工藤(推進者)] まず太陽電池の性能で細かいところは個別テーマのところでお聞きい ただきたいのですが、単純に言いますと、25℃の温度である決まったスペクトル光で性能 はどうかが、いままでの性能表記で、ワット(W)あるいはキロワット(kW)という表 示をされております。これは標準条件、スタンダードコンディションというかたちで評価 しているわけですが、実際には当然、温度も変わりますし、光の状態、強さ、すべて違い ます。 ですからいまあるワット(W)という表示だけでは、その太陽電池の性能を表記できて いないので、これをより現実的なワットアワー(Wh)で表示しょうというのが発電量定 格です。エネルギーレーティングといいますが、これが国際的にも徐々に重要であると認 識されてきております。 メーカーさんの35%がいま輸出ですから、メーカーさんにとっては非常に重要なマーケ ットですし、売り先の国でどのくらい発電するかは、買う側の立場からすると重要になっ てくるものですから、単にこの太陽電池は何ワット(W)出ますというだけでは満足でき ない状態になっております。ワットアワー(Wh)は、温度も含めて、より具体的なエネ ルギー表示をするというイメージです。

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[河本委員] おっしゃっている意味は非常によくわかるのですが、逆に言いますと、そ れは設置するサイトとか、何かの影響を非常に大きく受けて、電池あるいはシステムの評 価になるのかなという感じがちょっとしたものですから、あえて伺った次第です。 [工藤(推進者)] いま申し上げましたのは、あくまでも太陽電池のモジュールというか たちの性能評価であって、システムの性能評価ではありません。システムの性能評価は、 別途、出力係数で表記されております。ここではあくまでも太陽電池のモジュールの性能 ということだけに特化しております。 [河本委員] わかりました。またのちほど個別のところでお伺いすることにいたします。 もう一つは、たとえばシリコンの価格が非常に高騰しているということがあって、リサイ クル技術は、5 年前はそれほどではなかったけれども、今後は急にそういうものが必要に なってくるような状況になっているのか、つまり原料が手に入りにくいとか、高騰してい る背景があるのか。 そういったことで、この5 年間の研究マネジメントの中に具体的に何か取り入れられた ことがありましたら、ご紹介いただければありがたいのですが。 [工藤(推進者)] いまのご質問の結晶シリコン原料に関する情勢変化に対する対応とい うのは、昨年度までの期間では厳密には反映されておりません。 [梅田委員] 2 点質問させていただきます。1 点目はいまのご質問に関係して、リサイ クルという課題を立てられているのは、個人的には大変いいことだと思いますが、それは 何を目的にしたリサイクルでしょうか。すなわち太陽電池がごみ処分場にいっぱい捨てら れると困るということなのか、資源の問題なのか、もしくは製造時のエネルギー消費を減 らすとか、いろいろ課題があると思いますが、どういう理由で問題設定を立てられたのか ということをお伺いしたいと思います。 [工藤(推進者)] いまのご質問は非常に重要でもあり、なかなか答えにくい。一つはま だ10 年先、15 年先という想定なものですから、かなり前走りの研究開発という要素が強 いのですが、考え方としては、産業廃棄物にならないようにするということに対して優位 であるということが一つの目標であり、かつコストが非常にかかっては意味がないので、 現状の設定としては家電品の廃棄コストあるいは処理コストに対抗できるレベルを当初の 目標にしていたと聞いております。 数字的にはキロワット何円という数字設定がありまして、それを目標にして、スタート しております。 [梅田委員] そのへんの意図によって、成果の評価軸が変わってきます。それからもう 1 点は各論になるのかもしれませんが、(2)のシステム評価技術についても、問題設定と 総合的設計支援技術で何ができたのかというのがちょっと見えにくいのですが、後半に学 習するために、ざっとお伺いできればと思います。 [石原分科会長] 質問する方も、概要で質問していいのか、あとのほうで質問していい のか、微妙なところがあるものですから、あとの方で詳しくご説明があるのであれば、そ れでいいのですが、詳しい説明の前に概要的に、ちょっとさわりだけでも、ご説明いただ けますか。 [工藤(推進者)] 確かにおっしゃるとおりでして、なかなかこのへんのシステム評価と いうところについては、おわかりにくい部分はあろうかと思いますので、できるだけわか りやすくご説明させていただきます。 一つ目は14 ページもしくは 23 ページに示しています。総合設計支援技術というのは、 太陽電池のシステムをどのように設置したら、どのくらいの性能が出るとか、どんなシス テム、構成で設計してやったら、一番発電量が大きくなるとか、そういったものがわかる ような技術、あるいは計算を内蔵したような、簡易に設計できるようなツールというイメ ージです。

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それから性能診断技術ですが、太陽電池は壊れているか、壊れていないのかということ がわかりにくくて、実際に設置されている場所でそれを判定するというのは非常に難しい 状況です。それは電気的に太陽電池のモジュールとつなげた状態、あるいは系統とつなげ た状態であり、運転されているときには複数枚の太陽電池が正常に発電しているときと、 ある1 カ所が壊れていても発電するときがありますので、それがユーザーからはなかなか 見えにくい。毎日データを取って、きれいにグラフでも書いている人は別にして、普通の 人はそんなことは見ていません。しかし何年も経つと、だんだん発電量が少なくなるとい う問題がありまして、そういうときにシステムとして故障を判断する、あるいは性能診断 する技術について開発したものが故障診断です。 [梅田委員] 文面としては、ご説明でだいたいわかるのですが、それができたとか、1 番目の総合設計支援技術として、どんな総合支援ができるようになったかということが伺 いたかったところです。だいたいわかりました。 [高倉分科会長代理] これは事後評価ですので、この事業が終わった段階で、何が明ら かになって、どういう課題がこの5 年間で出てきたのかということのまとめがどこかにあ ってもいいのではないか。 目標を設定して、Plan・Do・See の目標をたとえば 98%まで達成しましたというところ まではいいのですが、おそらくいろいろな課題が新たに見えてきていると思います。そう いう課題をどこかで出していただけたら、ありがたいと思います。これはコメントです。 もう1 点は、これが基盤技術と言えるのかどうかわからないのですが、これからやって いかなければいけないこととして、たとえば日本の国がPV 産業をこれからもっと発展さ せていくという意味では、現状、ヨーロッパに向けて非常にたくさんの輸出量があって、 日本のPV はいま非常に忙しい時期にあるわけですが、やっぱり 5 年先、10 年先という事 業を考えるときに、これからは特にアジアに向けて技術者の養成という観点も必要になる のではないかと思っています。 そういう事業はどういうところでやられるのか、基盤なのか、NEDO の違う枠組みでや られるのか、そういう観点もこのPV の総合的な面では要るのかなというようなことを思 いました。あとは先生方のご意見等々でありましたので、ちょっとコメントだけになりま した。 [石原分科会長] いまの人的育成というか、これについてお答えはありませんか。何か コメントがあれば。 [松原(推進者)] いまの人的育成ということですが、最近はPV 業界の方からも人的育 成が重要である、特に日本はいまヨーロッパなどにかなり追い上げられているという状況 ですが、ヨーロッパでは人の養成が非常にうまくいっているのはいいことであると言われ ており、われわれも最近はそのように認識しております。 どういうかたちでやるかということは、この場ではまだはっきりしたものはないのです が、それは必要であるという認識で考えております。 [石原分科会長] ありがとうございました。どうぞ。 [若尾委員] 私のほうから一つだけ。21 ページに国際標準への提案ということで、6 件 のご提案があったということが成果としてありました。この提案に対する海外の反応とい うか、反響というか、これに関して、どういった感じであったか教えていただけるとあり がたいと思います。その成果がこういった標準にどういったかたちで取り込まれていきそ うなのか、そこの手応えがわかれば、ご説明いただきたいと思います。 [工藤(推進者)] この事業は性格上、標準化にかなり近い部分があり、本事業の研究開 発に対応していただいている実施者の方々がこういう国際標準の場に行って、提案活動し、 審議に加わっていただいております。 細かなことは私自身わかりませんが、基本的には日本が提案した内容については、総じ

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て採択の方向にあり、技術的な面、あるいは本質的な部分で、非常に中身が優位であると 聞いております。その結果として、その案が将来、国際標準の中に盛り込まれるという方 向にあると思います。 [若尾委員] ありがとうございました。 [山田委員] 10 ページですが、課題の(4)で、太陽光発電システムが電気的に安全な運 転を長期間できるのか判らない。電磁環境面を取り上げられていますが、これ以外にもい ろいろやられていると思います。それ以外のものがあれば、教えていただけますか。 [工藤(推進者)] システムの電磁環境面という件に関してはこれだけです。 [山田委員] 4 番に該当するのは電磁環境面だけではないと思いますが。 [工藤(推進者)] もちろんそうです。 [山田委員] これ以外にどういったことを安全面の研究ということでやられていますか。 [工藤(推進者)] 基本的にここのプロジェクトの中では、システム全体を電磁環境とい う面だけでとらえておりまして、それ以外の電気的なところというのは、たとえば個別の パワーコンディショナーの開発、あるいは系統とのつながりなどがあります。これらは分 野としてはずれるものですから、たとえばパワーコンディショナーですと別の分野で開発 されていますし、この中ではこれ以外の部分にはタッチしておりません。 [石原分科会長] まだご意見、ご質問などもあろうかと思いますが、先ほどお話ししま したように、概要説明に対する質疑ということで進めさせていただきました。あと詳細説 明のところで、またご説明いただいて、個別にご質問いただきたいと思います。よろしく お願いいたします。

6.プロジェクトの詳細

(1)太陽電池評価技術の研究開発(資料 6-1) 議題 6-1「プロジェクトの詳細説明資料(1)太陽電池評価技術の研究開発」について説 明が行われ、質疑を行った。 質疑応答 [石原分科会長] どうもありがとうございました。ただいまの太陽電池評価技術の研究 開発の詳細説明に関連しまして、ご意見、ご質問などをお出しいただきたいと思います。 先ほどと逆の順番でいきましょうか。こちらのほうから。 [梅田委員] 大変重要なデータの集積と手法の開発をやられていると思いますが、素人 でよくわからないので、一つお伺いしたいのは、どこが技術的にものすごくブレークスル ーなのか。ここがネックだったというものがあるとすれば、それをお教えいただけると、 より理解できるかと思います。 [菱川(推進者)] 新しい太陽電池の開発とは異なり、これがブレークスルーというのが 言いにくいところが確かにありますが、各項目について1 点だけ述べます。 まずモジュールの性能評価やセルの校正技術に関して、日本ではここがナショナルラボ と認められて、ちゃんとやっていますという位置付けをしっかりさせるというのが非常に 重要であったと思います。認証についても、日本で開始することができ、一歩踏み出した のが重要であると言えると思います。技術的なブレークスルーという切り口だと、ちょっ とご説明しにくいところがあります。 [梅田委員] 産総研さんがすばらしいから、最高品質の検査技術を持っているというこ とですね。 もう 1 点だけ、最後のスライドで、どう理解すればいいのかわからなかったのですが、 太陽電池を燃やしたというところまではわかりました。それでどうなったのでしょうか。

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[菱川(推進者)] これはJET のほうから説明いたします。 [加藤(実施者)] JET 側から説明させていただきます。このスライドはいろいろな試 験の検討をしていた中で、一つの例としてお出しした写真であるとご理解いただければと 思います。 ショッキングな写真が出ていますが、太陽電池モジュールの試験の中の火災試験です。 左側の耐火性試験(火種の大小)は、屋根の上の太陽電池モジュールに隣家から飛び火し てきたときの状況、右のほうは軒下から炎が上がって、太陽電池を巻き込んだときの耐性 を表している試験です。日本にはこういう太陽電池モジュールに限った火災試験はありま せんでした。 建材一体型の太陽電池については、建材としての建築基準法はありますが、IEC では太 陽電池モジュールを屋根の上に置いただけでも、こういう試験の対象になるということで、 今回、一例としてお出しした次第です。以上です。 [工藤(推進者)] ちょっとだけ補足させていただきますと、これ自体が通る、通らない という認証試験という意味ではありません。太陽電池の耐火性のクラスがクラスA である とか、B であるとか、C であるといったランクづけをするというものがあります。 [石原分科会長] ああいうものをわざわざ屋根を葺いた上に載せなくても良い。少しで も経費削減で屋根一体型にしてはどうかというようなことが進んでくると、建築基準法の 外装制限絡みではないけれども、それが関係してきて、こういうところでは使えないとい うことが出てきます。 [加藤(実施者)] IEC のルールが中心ですから、建築基準法に関して日本で省略でき る試験ができたとしても、今後、外国に出ていく場合には日本製と外国製をつくり分ける のではなくて、同じものをつくっていったほうがコスト的にも有利です。また試験につい ても、言葉は適正ではないと思いますが、日本でやったほうが有利であり、IEC 等をにら みながら、今後こういう認証試験の項目なりを検討していきたいと考えております。 [石原分科会長] ありがとうございました。それではお願いします。 [河本委員] スライド 37 ページで、日本の校正品質が世界トップレベルを確認とあり ますが、もう少し具体的にいくつか例を挙げていただけませんでしょうか。 [菱川(推進者)] 最終レポートが出ていない関係で、詳しい数値というのはまだ公開さ れていないのですが、世界トップレベルというのは、要するに再現性、そして平均値から どの程度ずれているか、それがちゃんともっともらしい変化をしているかというようなこ とをラウンドロビンが終わったあと、専門家が集まったミーティングであれこれ議論する のです。その中でも今回ホストになったドイツのPTB と産総研の AIST の差というのは、 記憶している限りでは 0.0~0.4%で、それが非常に系統だった変化をしている。平均値に 対しても同様という結果が見られていまして、これで平均値としても妥当であろうし、産 総研の値は世界的に整合していることもあるし、非常に中心値に近いというような結果が、 専門家の間で同意されているという状況です。変化の程度としては、先ほど申し上げたよ うな0.5%をちょっと切るような一致度であったということです。 [河本委員] ありがとうございました。もう1 点あります。スライド 42 ページ目にな ろうかと思いますが、CIS 系の太陽電池でデバイスごとにずいぶん特性が違うということ で、構造ごとの検証が必要だと書かれています。そしてJIS 化検討中とあります。検討中 でお答えいただきにくいかもわかりませんが、具体的にはどんな感じで検討していらっし ゃるのか。デバイスごとに考えなければならないというものの標準化というのは難しいと いう気がするものですから、お伺いします。 [菱川(推進者)] 一つの方法としては、まずある時間やって、もう一度同じことを繰り 返して、変化率が何%であればいいとか、そこまで繰り返すとか、たとえばそのようなも のが一つです。

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それからあとは非常に時定数が長くなってきますと、太陽は8~12 時間上がって、また 暗くなりますので、その繰り返しを一つのサイクルと見るとか、たとえばそういう方法が あるということです。 [河本委員] ありがとうございました。 [山田委員] 専門家ではないので、素人っぽい質問になろうかと思いますが、まず最初 にソーラシミュレータのスペクトルはどうですか。国ごとに違うような気もしますが、そ こはよろしいですか。 [菱川(推進者)] いまソーラシミュレータのスペクトルはないのですが、ソーラシミュ レータは普通キセノンランプを使いますので、いろいろな輝線がありまして、太陽光と完 全に同じというわけではありません。ただし色温度的には約6000K ということで、太陽の 色温度とほぼ同じですので、全体のスペクトルの分布は非常に似ているということで、ほ とんどすべてのソーラシミュレータはそのランプを使われていると思います。 そのソーラシミュレータの中での優劣というのがもちろんあり、キセノンランプにある 輝線スペクトルをどのように太陽光に近づけるかとか、太陽光には水蒸気吸収などがあり ますので、それをいかに近づけるかというようなことが、ソーラシミュレータの各々の設 計とか、性能にかかわってくる。これは実はクラスA、クラス B、クラス C というような ランクづけが国際規格のIEC でも、JIS 規格でも定められておりまして、通常クラス A、 クラスB の中のものを使っております。 産総研で使っているのはクラスA で、さらにその中でも高性能なものを目指していると いう状況です。 [石原分科会長] 事業原簿の25 ページのところに図があると思いますが。 [菱川(推進者)] はい、そうです。事業原簿25 ページの図 2.1.1-7、これが合致度の非 常によいソーラシミュレータと太陽光の基準太陽光スペクトルを重ねたものです。よいも のだと、これぐらい一致させることができるということです。 [山田委員] 次は加速試験で、こういった条件で190 という値がわかったということだ と思いますが、それだけの結果なのですか。あるいは100 にするためには、照度とか、温 度ストレスをこうやれば100 は出るとか、そういったことまでできるようなまとめ方にな っているのでしょうか。 [菱川(推進者)] 一応そのようになっております。46 ページです。説明では時間の関 係でスキップしたのですが、温度に関する加速係数と、これはちょっとミスプリで実は光 ですが、光に関する加速係数が実験結果から計算してありますので、その途中のものとい う条件も選ぶことができます。 [山田委員] わかりました。それからあともう1 点は、48 ページで長期屋外曝露試験の 劣化現象発生状況ですが、白濁現象は形式に依存ということで、EVA とか、いろいろ書い てあります。結果として、こういうもので起きたとか、起きないとか、それだけのものな のか、あるいは白濁現象というのはこういうことで起きるとか、EVA の黄変もこういう原 因で起きるとか、そういうところまでわかっているのでしょうか。 [加藤(実施者)] この発生状況というのは、8 機種、8000 枚のモジュールの集計結果 をこういう簡単なかたちで書いています。その中で発生原因にあっては、一部わかってい るもの、今後とも追及していかなければいけないものというかたちで、いま考えています。 たとえば白濁現象というのは、太陽電池のセルと EVA の間が剥離して、受光面から見 たときには、その剥離した部分が乱反射して白く見えるという現象であることがわかって います。それがなぜ起こるかということについてはいろいろな話が出ているのですが、そ の中ではセルをつくるときのフラックスの影響とか、温度が上がったとか、諸説ありまし て、今後4 年間かけて、それらのデータを整理して、まとめていく予定です。 それに伴って、黄変というのは 1990 年代前半では太陽電池モジュールの受光面ガラス

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にセリウムという紫外線吸収材を入れることによって解決されたとされていますが、それ についても発生原因については諸説出ております。それらを今後とも継続して、調査して いくということを今後の目標として掲げております。 [山田委員] わかりました。 [工藤(推進者)] これについてちょっとだけ補足させていただきます。現実にたくさん のデータを集めているのですが、環境が違ったりするので、厳密に原因と結果がうまくリ ンクしているのかというと、やはり実際のデータと産総研さんのほうで実施している加速 試験的なものを結びつけて、原因と白濁、黄変といった現象とリンクさせようとしている。 単純に言うと、こちらは実証データが欲しいというもの、かたやこちらは屋内で再現実験 をして、加速していくというものですから、そこをリンクさせるためのデータというふう にお考えいただければありがたいと思います。 [石原分科会長] どうもありがとうございました。それでは若尾委員、お願いします。 [若尾委員] 今回、加速劣化試験に取り組まれて、温度ストレスや光ストレスとの定量 的な関係を非常に明らかにされたということですが、海外の加速劣化試験技術の状況と、 今回やられた成果を海外と対比させた場合に、どういった意味合いがあるのか。 [菱川(推進者)] 複合加速ということで、3 Sun とか、そのレベルの光とともに熱のス トレス、もしくは湿度のストレスを同時にかけたような複合での加速の検討というのは、 各国でもされていない技術です。 [若尾委員] そういう意味では、こういった組み合わせた検討というのは非常に新しい と理解すればよろしいですか。 [菱川(推進者)] はい、そうです。 [若尾委員] ありがとうございました。 [工藤(推進者)] ちょっとだけ補足させていただきますと、これにつきましても海外の 全体的な動きとしては、日本は一歩、二歩、前に行っているものですから、これも早く技 術をある程度固めて、国際標準のところに持っていきたい。もちろん国内、JIS 規格もそ うですが、今後4 年間で温度と光だけでいいのかということを確認して、いま進んでいる 中でそれを標準化というかたちに持っていく。これまでその前段の事業というか、検討を したというところです。 [脇坂委員] いまのことに関連しまして、認証の場合は IEC の 61215 でやっていると 思いますが、それにこの複合加速劣化試験が取り込まれれば、3 カ月かかるとか、数カ月 かかるものがもっと早くなるから、そのへんをぜひやっていただきたいと思う。そのへん の状況はいかがかを教えていただければと思います。 それから加速劣化試験のフィールドでの劣化後の状況と、この複合加速劣化試験との相 関というか、長期屋外曝露のデータとの相関などがもしあれば、ご紹介いただきたい。 [菱川(推進者)] まずあとのほうのご質問については、屋外でも何らかの劣化が見られ るものがありますが、数年ぐらいですと、非常に劣化の程度が少ない関係で、屋内の加速 実験のように、しっかりした加速性、数値を計算するとか、そのようなところまでは、屋 外はなかなか進まないというところです。 複合加速試験のIEC への採用は、メリットが出るような条件が見つかれば、それを前提 に考えています。 [工藤(推進者)] 現状は、先ほど申しましたように、海外ではこういった加速試験方法 を積極的に進めるという方向にないものですから、まだ認証のIEC の型番に取り込んでい って、試験内容をより簡素化あるいは加速していくということにはまだなっていません。 逆にそういう意味では、日本がそれを提案していくという手も一つの成果かなと思ってい ますが、現状はまだそういう動きにはなっておりません。 [脇坂委員] わかりました。スライドの 48 ページの屋外曝露の部分ですが、白濁の傾

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向と出力低下の傾向が宮古、鳥栖、北見と、北見、鳥栖、宮古で逆転しています。これは、 白濁は多いけれども、出力低下は少ないということで間違いないでしょうか。またそれの 理由を何か解析されていたら、お教えいただきたいのですが。 [加藤(実施者)] まず白濁の結果ですが、これはこの試験を始める前の過去 10 年間、 俗にいう六甲サイト等で曝露試験が終わったモジュールを宮古、鳥栖、北見に持ち込んで、 白濁の増加傾向を見たものです。その結果、増加傾向としては、北見が一番、白濁が発達 するという結果が得られております。 あとは出力への影響ということで、低下なしということですが、まだ白濁による出力へ の影響が出るほど、白濁がまだ大きくなっていないということで、まだ低下なしと記載さ せていただきました。 [脇坂委員] わかりました。 [石原分科会長] 今日の午前中にJET さんで認証のいろいろなものを見せていただきま したが、あれは世界レベルで歩調を合わせなければいけないので、こう言っては失礼です が、非常にマニアックなというか、オーバースペックなものをやらされているのかなと思 います。たとえばドイツとか、ヨーロッパ系が非常に頑なに、こんなものもしろ、こうい うことをしろということで、致し方なく日本もやられているのか。いや、やっぱりこうい う状況があるかもしれないから、やっているところがあるということなのでしょうか。 たとえば午前中に、85℃・85%から 25℃・85%まで湿度一定で温度をガタッと下げて、 また 85%一定で 85℃まで上げてというご説明がありましたが、自然界ではあり得ない状 況です。何を想定して、そういうマニアックなことを非常に苦労してやっておられるので すか。 モジュール温度が 85℃から 25℃にガタッと落ちるということはわかります。日照面が 夜になってガタッと落ちます。そうすると外界の湿度は85%一定の状況もあるかもしれま せん。だけどあそこで再現されているのは、大気温度が 85℃・85%から 25℃・85%まで 湿度一定で落としなさいということが信じられないなと思って見ていたのですが。 [工藤(推進者)] それは非常に難しい技術でして、自然環境にはない状況です。まずそ れについては、つくる時点ではそこまで考慮していなくて、とりあえず図面上、書面上で つくったというのが実態のようです。 それともっと重要な点は、国際標準に関してはEU の大きな壁、外部からの侵入に対す る壁となっていて、彼らとしてはなるべくその壁を越えて来られないようにしたいわけで、 もともとそれをつくっているIEC は EU 系、ヨーロッパ系の規格ですから、彼らの国々が 固まって対抗しているという状況があります。彼らにとっては、この規格を通らないと、 ヨーロッパにはものを入れさせないための規格ですから、多少、無理難題を言う部分があ ります。 それでも日本の産業全体を振興させるという意味では、それらの壁を乗り越え、ここを 通さなければならないので、関連する認証の規格、IEC に関する規格が多少、過剰スペッ クであっても、早めにそれをクリアして、産業全体としてプラスになるよう、技術的に支 援していくことが NEDO としては非常に重要ではないかと思っています。かなりを無理 をしている部分、苦しい面はありますが、そういう意図が多少あるものですから、推進し ているというところです。 [石原分科会長] それは十分わかるのですが、自然環境下でのモジュールの曝露状態に、 あり得ないことをなぜやっているのかということが不思議で、ヨーロッパが壁をつくるた めにと言われれば、それだけですが、何か変なことをやらせているなと思います。あれは 何を想定しているのでしょうね。 [工藤(推進者)] 詳細については、もともとの原案というか、スタートしたのがかなり 古い時点で、そのスタートの時点で、どういう経緯でこういう項目を並べたのかというの

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はちょっとわかりかねますので、どういうスペックにして、どういう項目にしたのかとい うことは現状ではご返答できません。 [土井(実施者)] 私も当事者だったので、ちょっと聞いた話ですが、IEC で規格が出 てくるときに、ドイツのある大学の先生がそういう装置を持っていたということで、強硬 に押されたという噂です。ここで噂話を言っていいのかどうかはわかりませんが、そうい う話があってできたということです。ただ現実にはあり得ないと思いますし、あり得ると したら、たとえば熱帯地方の工場でつくって、ジェットで運ぶとか、そういう場合はあり 得るかもしれませんが、そういう極端な状況でないと、たぶんあり得ないと思います。私 どもでも試験をするときに、ちょっと苦労したときもありますので、同様の意見を持って おります。 [石原分科会長] ありがとうございました。ここの評価にはあまり関係ないのですが、 無理難題をやらされているなという気がしたものですから申し上げました。 [高倉分科会長代理] 私もちょっとコメントさせていだきますと、たぶん歴史的には地 上用の太陽電池の基準はアメリカのJPL が中心になってつくったと思いますが、75 年ぐ らいから、アメリカは研究してきて、雹をぶつけるというテストの仕方もあの頃からある ものです。だからずいぶん歴史を引っ張っている部分があって、太陽電池が非常に高い時 代に、これぐらいの性能を持たせなければだめだということがまず基本にあってつくった ものが、ずっと改訂されずにそのまま残っている。 そういう意味で、いま分科会長がおっしゃったような、自然現象にはないものをどうし てやるかというのは、やはりIEC の場でわれわれもきちんと主張しながら、それを変えて いくという努力をこれからしなければいけないだろうということを、私も少し現場に近い ところにいるものですから、いま感じているところです。 日本人が一番弱い国際規格にコミットできる技量もつけていけないのではないかという ことですが、電総研さんが中心になって世界一の技術レベルをこれまで維持されてきてい ますので、30 年という非常に長い技術経験を持たれて、いまのステータスがあるので、ぜ ひとも太陽電池の国際規格というのは、われわれが主張していかなければいけない部分で はないかなと思っています。 [工藤(推進者)] いまの件について、ちょっとだけ補足させていただきますと、いま認 証に関しても、他の国際規格に関しても、国内のそういう関連の団体なりに委託して行っ ていただいていますが、こういう測定方法あるいは評価方法はおかしいですよという問題 は国内で当然検討されて、それについては現状すでに問題がありますということで、改訂 なり修正なりという活動は別途推進しております。 もちろんそれの技術的なバックデータとして、こういった共通基盤の中で推進している という状況です。 (2)太陽光発電システム評価技術の研究開発(資料 6-2) 議題6-2「プロジェクトの詳細説明資料 (2)太陽光発電システム評価技術の研究開発」 について説明が行われ、質疑を行った。 質疑応答 [石原分科会長] どうもありがとうございました。それではただいまのご説明に関連し まして、ご意見、ご質問などお出しいただきたいと思います。 [高倉分科会長代理] 非常に複雑な動作をするPV システムを非常に地道にデータ解析 されたそのご苦労は非常に大きなものだと思います。いまの発表のところでも、今後とも モニターを続けていく必要があるというご発言がありましたように、最終的にもっともっ と非常に大きな数になったときに、何らかの異常診断を自動的にやるということを考えて

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いかないといけないのではないかという気がします。 基本的にはインバータが付いていますから、インバータあたりがそういう機能を持つよ うな方向性というのが、この成果から見えるのかどうか。もし見えるのであれば、そうい う方向に技術指導をしていただくようなことがあってもいいのではないかなと思うのです が、それはいかがでしょうか。 [大谷(実施者)] 私どもの開発したハードについて、今回は説明しておりませんが、こ れは後付けですべてのインバータに取り付けられる、1 時間未満で付けられるということ を検証しております。そのハードウェアについては、一つは低コスト、だいたい 20 万円 ぐらいになります。それと小型で住宅に置いても支障がないものという目標設定をして、 ハード開発をしました。 ただ先生がおっしゃったように、本来こういったものはインバータに標準的に組み込ま れるべきであろうと考えておりますので、先ほどの不具合の意識調査のところで、提言と して、こういったインジケータが必要だというかたちでまとめております。 [工藤(推進者)] 補足させていただきます。この事業で実施した各論的な成果は、いま のところは一体化されていないのですが、さらに次の共通基盤を進めておりまして、これ をやるためにはやはり本来あるべき姿の発電量という数字があって、それに対して実際の システムがどのぐらい発電しているのかということを常に対比しないと、故障しているか、 していないかということが現実的にはわかりません。 かたや実際にあるべき発電量をどうやって出すかというデータベースがまだ不足なもの ですから、現状は発電量を出すための日射に関するデータベースについて、先ほど報告し ました日射量については完璧に整ったと言えるのですが、将来のことを考えると、スペク トルのところを入れないと発電量が出せませんので、それを今後整備し、たとえばインタ ーネットからそのデータをパワコンに取り込んで、常に予測される発電量と実際の発電量 を対比しながら故障診断をするとか、性能診断するというような構想は可能かと考えてお ります。 [石原分科会長] ありがとうございました。 [山田委員] 全国各地の多数のデータをまとめられたということは非常に評価できると 思いますが、ちょっと気になるのは 55 ページで、本研究開発で判明したことということ で、1kW 当たり年間 994kWh というのは、むしろ判明したということよりも、従来から 1000kWh 程度は出るということでしたので、それを再確認というような位置付けではな いのでしょうか。 それからアンケートをとられていて、この必要性は非常にあると思いますが、評価技術 ということではなくて、実態がどうなっているかという実態調査のほうだと思います。評 価技術の研究開発というのであれば、これだけ多数の方がつけておられるのだから、これ の評価をどうやってするかという新しい手法があればよろしいかと思います。アンケート を主体にやっておられるので、評価技術の研究開発という名前とは違うのではないかとい う気がいたします。 それから 68 ページのエネルギー定格技術のアルゴリズムについて、だんだんモデルが 正確になっていくのは非常にいいことだと思いますが、これは一般家庭向けではなくて、 むしろメーカーとか、そちらの専門家向けだということでしょうか。 [大谷(実施者)] はい、そうです。 [山田委員] 今後いろいろ新型の太陽電池も登場してきますし、いろいろなバリエーシ ョンが生じてくると思うので、一般の家庭が自分の家庭で付けた太陽光発電がしかるべき 性能を発揮しているかどうかを調べるときというのは、やはり従来のやり方をベースにせ ざるを得ないのかなと思いますが、こんへんはどのような考えなのか、お聞かせ願えれば と思います。

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[大谷(実施者)] ただいまのご質問は 3 点あったかと思いますが、順番にご説明いた します。 まず一つ目になりますが、55 ページのスライドです。実はこれは書き方の問題でして、 ここでは対象がこういったユーザであったということをお見せするために数値を並べまし た。そしてその下に四角に赤で書いてあるのは、想定したと言いながら実態はこうでした よということを示すために書いてあります。それを区別するために、本研究開発でこの数 字がわかった。事前に想定した数値ではありませんという意味で書いたものです。ちょっ と誤解が生じる表現だったかと思いますが、この研究開発でだいたい1000kWh ぐらい発 電しますよということを明らかにしたという意味ではなくて、このテーブルの中ではこの 数値は所与の数値ではなくて、計算値をここに持ってきたということで、表現上の書き方 になります。誤解を生じさせてしまって申し訳ありません。 次のご質問は意識調査のシステム評価技術の中での位置付けということになりますが、 意識の調査をしたというだけでは、当然ながらこれは実態調査にすぎないというかたちに なります。ただわれわれの想定するシステムの総合技術というもの、どのようにしてシス テムを評価するかということをテーマとしてゴールを見据えたときに、ユーザはシステム をどのように評価しているのか。われわれ専門家ではなくて、一般のユーザさんがどのよ うに評価しているかということをまず知るということがテーマ設定には必要だと考えまし たので、これ自体は結果というよりは、中間的な位置付けを決めるための手法として、こ ういった調査を実施したということになります。 その中で発電量予測というものが、ユーザにとっては非常に評価しづらいということが 明らかになりましたので、故障診断については遠隔的にできるツールが必要であるという 判断をしまして、そういったゴールを設けた。おそらく 62 ページがご質問に対する一つ の回答になるかと思います。 この一番上の不具合の解明とユーザへのフィードバックですとか、システム動作環境把 握、これは単なるわれわれの調査にすぎないわけですが、矢印に示した部分はわれわれの システム評価技術の方向性ということで、ユーザの判断を組み込んでいったということに なります。 最後のご質問にありましたが、エネルギー定格技術に関しては、やはりこれは一般向け というよりは、どちらかというと専門家向けというふうに考えておりまして、専門家向け となりますと、再現性のほうが必要になってきます。ここで目指しているのは、共通のア ルゴリズムを使った共通のモードをどのように決めるかというかたちになります。 現在、ワットで表記するものはよく自動車の燃費でたとえられることが多いのですが、 定地燃費と呼ばれる一定速度で最大効率で走った場合の燃費に相当するものがワットだと 考えられます。それに対して10 モード、または 15 モードといった実際の環境に近い状態 を再現するモードをつくって、こういった共通のアルゴリズムで計算するというようなも のを決めていくことになります。 当然、10 モード、15 モードで計算された燃費は実態とは異なってきます。つまり観測 でわかってくる値というものも実態と違うわけですが、それについてはそれぞれ千差万別 ですので、私どもではモニタリングを通じて統計的な結論を出したということになります。 [石原分科会長] 私もご説明を聞いていて、ちょっと書きすぎではないかと思いました。 これは昔からわかっている話で、「本研究開発で判明した」というのは、「本研究開発で確 認できた」くらいの話ではないかと思って聞いておりました。 こっちの分厚いほうを見ますと、こういう表現はありませんが、パワーポイントの説明 資料というのは、皆さんの目に触れる資料になります。だれもこういう分厚いものは読ま ないので、できるだけパワーポイントのほうも正確にやっていただかないと、こちらのほ うが一人歩きしてしまって誤解を招くおそれがあると思いますので、お気をつけいただき

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たいと思います。 [梅田委員] ユーザの視点からというのは非常にいい視点と思いますし、実際にやられ ていることも、シミュレーションとか何とかでいい成果を出されていると思いますが、先 ほどの概要のほうと一致していない。書きぶりの問題だけだと思いますが、総合的な設計 支援という話と、こちらはどちらかというと、オペレーションの支援みたいなイメージで す。設計というと、やっぱり逆問題を解いて、この家に対して最適な配置方法はどうだと いう問題が解けたという話になると思いますが、そういう理解でよろしいのでしょうか。 [大谷(実施者)] 一つは、太陽光発電システムの設計とか、製品レベルに関係すること かと思います。たとえば自動車みたいに完璧に製品となっているものについては、わりと クローズドになっています。それぞれのパーツがすり合わせをされたかたちで、クローズ ドで設計されるというクローズド・アーキテクチャーと呼ばれるものになります。 太陽光発電システムに関しては、製品として出ていますが、非常にオープンなアーキテ クチャーになっている。しかも入出力インターフェースが標準化されていないわりと粗野 なアーキテクチャーというか、パソコンみたいにボードを集めてくれば製品ができるとい うものにわりと近いものになります。 そういったものの設計の最適化ということで、無理にこれが最適化だといっても、何が 太陽光発電で重要かというと、その住宅にピッタリ合うということが最適ということにな りますので、当初の目標としては、どちらかというと最適設計に焦点があたっていたよう になっておりますが、設計した性能どおりにうまく発揮できているかという運用、また竣 工検査のほうに、だんだんと向いていったということがあります。 [梅田委員] やられていることはいいと思っていますし、それは評価しているのですが、 概論のほうで、課題2 に対して総合的設計支援システムができましたということになると、 自己評価としてちょっと甘いのではないかという気がするということです。 [工藤(推進者)] そのようなとらえ方で申し訳ないなと思っています。 [梅田委員] ここまではできましたということでいいと思うのです。 [工藤(推進者)] 書き方としては、少し整合がとれていない部分があったかもしれませ んので、また訂正させていただけるものであれば、訂正させていただきます。 補足させていただきますと、かたや太陽電池の性能、コストを下げるための研究開発と いうものが進められて、それが進むと、当然安くなって、だれでもが買いやすくなるとい うことで、普及には必要な絶対条件です。 実際にこのシステムは高いお金をかけて、あるいは補助金等をかけて設置したのが、い ま 25 万軒ありますが、本当に機能として働いているのかどうか、問題があるのではない ですかということは、昔からいわれております。それは実際にどういう内容なのか、故障 するといっても、どういう問題で故障するのか、あるいは不満足というのは、なぜ不満足 なのかといったことを見ると、数%というレベルで発生してきています。現実にこういう 評価をしてやらないと、商品としては通常 ppm オーダーの故障率であることに比べて非 常に問題があります。 これを明らかにして、その部分を低下させる、故障なり、不満足というものを下げてい くということをしないと、大量に導入して、将来、2030 年には発電電力量の 10%になる という目標には近づかないでしょう。したがって第三者機関がきちんとそれを評価すると いうことです。地道であっても、なかなか数字に表しにくいかたちの性格があるなという ことで、△かなというご意見かもしれませんが、そういう意図がありますということでご 理解いただければありがたい。 [大谷(実施者)] 設計に関しては、現在、発電量推定法というのを JIS で制定が進め られて、もう間もなくできるところですが、このフィールドデータも利用させていただい てやっております。反映というかたちでやっております。

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[若尾委員] 二つほど教えていただきたいのですが、今回、シミュレーションで故障判 定をするうえでは±10%の差があった場合ということでやられておりますので、ある意味 ではシミュレーションの精度としては、実際と±10%以内の精度は保たれているという判 断をされているのだと思います。 これはいろいろなシステムがありますので、汎用性を持たせるということと、精度を上 げるということはトレードオフで、そのバランスもどういうふうなかたちで考えられたの かというのは難しいかと思いますが、この精度の件とバランスの件と、あとそれを既存の シミュレーションと比較して、今回はどういったところを工夫されたとか、それを教えて いただけますでしょうか。 [大谷(実施者)] まずシミュレーションの設計思想ですが、ユーザからの入力を非常に シンプルにすることを考えております。そのためにスペクトルなどの細かいスペックにつ いては、入力値から省いています。それがシミュレーション精度の限界というかたちにな ってくると思います。 ただこの 10%というものが何を目指したかというと、住宅用システムの結晶系ですと、 一つの太陽電池は3~4 本で構成され、薄膜シリコンですとそれが 6 本とか 8 本になるわ けですが、そのストリングがどこか欠落している、またはストリングの中に不良モジュー ルがあって、そのストリングがすっ飛ばされてしまったといったものの検出を目標にして おります。それが設計思想です。 それ以上のストリングの中で、どのモジュールが不良なのかということについては、自 動でやるレベルではありませんので、それは現地に行って現地調査をするアイテムで考え ています。このシミュレーションは、オンラインで診断できるレベルの精度を目標にして、 それに必要な入力パラメータを持ったシミュレーションとなります。 [若尾委員] もう一つは、こういった成果を広く情報発信して普及するという意味では、 Web 公開されて、広く一般の方々に参加いただいたというのは大変効果的なやり方だった と思っておりますが、実際に使われた方のコメントですとか、意見ですとか、そういうも のがフィードバックされるような形態はとられていたのでしょうか。またもしとられてい たとすると、何かそういうものを反映したとか、改善に生かしたということがあれば、そ のプロジェクトの高効率性というか、そういったところの参考になると思いますので、教 えていただければと思います。 [大谷(実施者)] まず反映というかたちについては、実際に使っていただいております。 国際的にはもう実用化していますので、やっておりませんが、このプロジェクト期間中は、 NPO 団体の打ち合わせに積極的に入って、設計をやってきたということです。ただその 場合は、どちらかというと使いやすさというかたちで反映させてきました。 あとはフィードバックというか、実際にこれで何が行われたかというと、このプロジェ クトの中ではなかなか言いづらいことではありますが、このシミュレーションで相当数の 現地診断が必要だということで、だいぶメーカーがおやりになっているそうです。そうい った不具合の情報が外に出てくるというのはなかなか難しいかと思いますが、いろいろツ ールとして役立ててもらえていると聞いております。 [若尾委員] どうもありがとうございました。 [石原分科会長] まだまだご質問がおありかと思いますが、予定を若干過ぎております ので、またメモでも、書面でも、ご質問いただきたいと思います。どうもありがとうござ いました。 (3)太陽光発電システムのリサイクル・リユース処理技術等の研究開発(資料 6-3) 議題 6-3「プロジェクトの詳細説明資料(3)太陽光発電システムのリサイクル・リユー

参照

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