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表計算ソフトを利用した選択実験の計測手順 あいざきひでお! 総合評価研究室合崎英男 1. はじめに 近年, 農業 農村計画分野において選択実験 ( 選択型コンジョイント分析 ) の適用が増えてきている たとえば, 稲作農家によるライスセンターの利用決定を対象とした選択実験を実施し ( 合崎 2001

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発行年月 2004年 8月 資 料 名 むらづくりテクダス 分類番号 38-013-01

表計算ソフトを利用した選択実験の計測手順

独立行政法人

農業工学研究所 農村計画部

選択実験(選択型コンジョイント分析)を利用して,農家による生産資材・サ ービスの購入や新技術の導入(評価)予測,消費者による新規農産物の評価など が試みられてきている。選択実験は,個人の意思決定モデルに基づいており,実 際の決定状況に近似させることも可能であり,その有用性は近年広く認められて きている。しかし,分析にあたっては一般に統計分析用ソフト・ウエアが必要で あり,農業・農村計画の現場での普及を阻んでいる。 そこで本稿では,比較的広く利用されているマイクロソフト社の表計算ソフ ト・ウエアであるエクセルを利用して,選択実験の回答結果を分析する手順を紹 介する。本稿の前半では若干の数式を用いて説明するが,後半ではエクセルの画 面を例示しながら分析の手順を具体的に説明しており,後半部分を読むだけでも 基本的な手順を習得できるように工夫している。

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表計算ソフトを利用した選択実験の計測手順

総合評価研究室 合 崎あいざき英男ひ で お! 1.はじめに 近年,農業・農村計画分野において選択実験(選択型コンジョイント分析)の適用が増 えてきている。たとえば,稲作農家によるライスセンターの利用決定を対象とした選択実 験を実施し(合崎 2001),その結果を利用してライスセンターの運営方策を総合的に評価 できるシミュレータを開発している事例(合崎2002a),イチゴの栽培技術に対する農業経 営者の評価を分析している事例(仲ら 2002),梨作農家の栽培面積の決定に与える梨価格 の影響を分析している事例(遠藤ら 2003),都市農村交流施設の整備内容に対する潜在的 利用者の評価を分析している事例(合崎2003a),環境との調和に配慮した水田農業計画が 地域住民にもたらす多面的機能(環境便益)の評価に適用している事例(合崎2003b),受 精卵クローン牛由来生産物(牛肉)に対する消費者の評価を分析している事例(合崎ら 2004),などがある。 選択実験は,新商品の開発にあたって,どのような特徴を持った商品を開発すれば消費 者から高い評価が得られるかを明らかにするために利用されているコンジョイント分析の 考え方と,個人の意思決定を確率効用理論に基づいて統計モデル化した離散選択モデルと が融合した手法と位置づけられる。 これまで利用されてきた(伝統的)コンジョイント分析については,日本語環境で利用 可能なソフト・ウエアやテキストが市販されており,さまざまな面で利用が進んでいる。 他方,選択実験については,選択肢集合(プロファイル)の作成は比較的容易な方法が紹 介されてきているものの(たとえば,合崎2002b),その分析については,統計分析用ソフ ト・ウエアを利用し,分析者自らが多少のプログラミングをしなければならない状況にあ る。選択実験の分析にあたっては,条件付きロジット・モデルとよばれる離散選択モデル の1 つが比較的多くのケースで利用されている。このモデルを適用するためには,対数尤 度関数と呼ばれる関数を最大化する必要があり,そのために統計分析用ソフト・ウエアが 利用されてきた。条件付きロジット・モデルの計測というハードルを下げることができれ ば,農業・農村計画に関連する現場でも,選択実験の適用が促進されるであろう。 そこで本稿では,選択実験の分析を比較的容易にするために,一般に広く利用されてい る表計算ソフト・ウエアであるマイクロソフト社のエクセルを利用して,条件付きロジッ ト・モデルを計測する手順を紹介する。 以下,2 節では,条件付きロジット・モデルとその計測方法の概要を述べる。3 節では, エクセルのソルバー機能を利用した条件付きロジット・モデルの計測の手順を,データを 使いながら具体的に説明する。2 節では多少の数式を利用して説明しているが,具体的な 例を用いることで数式(記号)での説明が苦手な方にも配慮した。もしも,わからない部 分があるときには,そこにはあまりこだわらずに話の流れに注意して先に進み,全体を一 !連絡先:029-838-7667 E-mail:aizaki@affrc.go.jp

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度通読するのがよいだろう。しかし,それでもわかりにくいという方のために,3 節を参 照されるだけでも,例題として示している条件付きロジット・モデルの計測が一応できる ように配慮したつもりである。3 節で使用するデータは,4 節に掲載しているので,実際に 同じ答えが得られるか再現して頂きたい。 なお,本稿では選択実験の基礎的な知識は得ているものの,(環境的に)選択実験の計測 ができない状況にあるような方を読者として想定している。選択実験の基礎的な事項につ いては,栗山(2000)や鷲田(1999)などを参照されたい。 2.条件付きロジット・モデルとその計測 1)条件付きロジット・モデル

条件付きロジット・モデル(conditional logit model)は,個人が複数の選択肢(選択肢集 合)の中から1 つの選択肢を選ぶ確率を表す統計モデルである。たとえば,消費者が米を 買いにスーパーに行ったとき,店頭に3 種類の米があり,その中からいずれの米を買うか という行動を分析,表現するために利用される。いずれの選択肢が選ばれるかは,各選択 肢から得られる効用(満足度)の大きさに規定されると想定する。条件付きロジット・モ デルに基づけば,ある個人n が選択肢集合 C から選択肢 i を選ぶ確率 Prn (i|C)は,以下の 式によって表現される。

Prn(i|C) = exp (Vin) / Σ jC exp(Vjn)

ただし,Vinは個人n が選択肢 i から得る確定効用(後述)である。また,exp(V)は,eV

e の V 乗)を表す。

たとえば,選択肢集合に含まれる選択肢が3 つあり,それぞれ 1,2,3 の番号で識別さ れるとする(C = {1, 2, 3}ということ)。ここで個人 n が 2 番の選択肢を選ぶ確率を数式で

表すと,次のようになる。

Prn (2) = exp (V2n) / { exp(V1n) + exp(V2n) + exp(V3n) }

おおざっぱに言えば(指数関数になっていることを無視すれば),分子が選択肢2 から得ら れる確定効用,分母が3 つの選択肢からそれぞれ得られる確定効用の合計(和)となる。 条件付きロジット・モデルでは,提示された複数の選択肢の中から個人がいずれの選択 肢を選ぶかは,各選択肢を選ぶことで得られる効用(満足度)の大きさに規定されると考 える。その効用は,2 つの部分から構成される。1 つは,確定効用(上記の式の V で表さ れるもの)であり,もう1 つは,確率項である。確定効用は,個人が選択肢から得る効用 (満足度)のうち,分析者から観測可能な部分を指す。個人の異質性が確定効用の大きさ に影響を及ぼさない(性別や年齢などの観測可能な個人属性によって選択肢(商品)の評 価が変わらない)と仮定すれば,選択肢から個人が得る確定効用の大きさは,選択肢の特 徴によってのみ規定される。このように考えると,確定効用の大きさは,選択肢の特徴を 表す変数X によってのみ変化する。 ここで線形の効用関数を仮定し,選択肢 i は k 種類の特徴を有するとすれば,個人 n の

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選択肢i の確定効用は,次のように表される。 Vin = Σ k βk Xik たとえば,稲作農家n が家畜ふん尿堆肥(以下,堆肥)の購入を検討している状況を考 えてみよう。稲作農家は2 種類の堆肥(堆肥 A と堆肥 B)のどちらを買うか,もしくは「ど ちらも買わない」かを検討していると仮定する。つまり,稲作農家の取りうる選択肢は 3 つである。2 種類の堆肥は,1 トンあたり価格,堆肥の運搬・散布サービスの有無,土壌検 査・施肥設計サービスの有無,の 3 つの点(特徴)で異なる(ほかの特徴は,2 種類の堆 肥について同等とする)。堆肥の価格を変数P,堆肥の運搬・散布サービスを変数 T,土壌 検査・施肥設計サービスを変数S で表す。変数 T および変数 S は,それぞれのサービスが 「あり」のときは「1」,「なし」のときは「0」の値となるダミー変数である。2 種類の堆 肥A と B について,それぞれを選択する(購入する)ことで得られる確定効用(VAVB), および「どちらも買わない」を選ぶことで得られる確定効用(VC)は,次のように表すこ とができる。 VAn = βPPA + βTTA + βSSA VBn = βPPB + βTTB + βSSB VCn = βASCASC ただし,βPβTβS,およびβASCは,それぞれ変数P,変数 T,変数 S,および変数 ASC の 係数である。選択実験の分析では,これらの係数(β)を求めることが目的となる。なお, 変数ASC は,選択肢固有定数項といい,このモデルでは「どちらも買わない」の選択肢に のみ設定される定数項(常に1 の値をとる)となっている。 2)条件付きロジット・モデルの計測方法 全体でN 人の個人から回答結果が得られたと仮定しよう。各回答者は,選択肢集合 C の 中から選択肢を1 つ選ぶ行為を行った結果を報告し,それを分析するといった場面である。 この場合,1 人の回答者から 1 つの回答結果が得られるため,分析の観測値数は回答者の 総人数と同じN となる。ここで,変数 dinを,個人 n が選択肢集合 C から選択肢 i を選ん だときに「1」の値,それ以外の選択肢を選んだときに「0」の値をとるダミー変数とする。 そうすると,N 人の回答者から得られた回答結果の尤度関数 L は, L = ΠNn=1ΠiCPrn(i|C) din となる。各個人の回答結果(din)およびそれぞれの選択肢の特徴を表す変数(Xik)の値は 既知であるため,この尤度関数は確定効用に含まれる未知の係数β のみの関数となる。し たがって,この式の対数をとった以下の対数尤度関数ln L を最大化するような係数 β を求 めれば(ln は自然対数を表す記号),確定効用の未知の係数 β を推定できる。 ln L = ΣnΣiC din ln Prn(i|C) 次節では,この対数尤度関数をエクセルのワークシート上で設定し,ソルバー機能を使 って,対数尤度関数を最大化する係数β の値を求めることとなる。

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なお,以上の条件付きロジット・モデルの解説から対数尤度関数の設定までの詳細を知 りたい方は,条件付きロジット・モデルを含めた離散選択モデルを取り上げたテキストを 参照されたい(交通工学研究会(1993),土木学会(1995),グリーン(2000),北村・森川 編著(2002))。 3.エクセルによる条件付きロジット・モデルの計測手順 1)計算手順を説明するために使用する事例の概要 本節での手順の解説にあたって,具体的な事例を1 つ設定する。それは,稲作農家によ る家畜ふん尿堆肥(以下,堆肥)の購入行動に対する価格等の影響を分析するために選択 実験を適用するという事例である。具体的には,図 1 に示すように,2 種類の堆肥のどち らかを購入するか,あるいは「どちらも買わない」を稲作農家に回答してもらう,という 選択実験である。 堆肥A 堆肥B 2000円 4000円 あり なし なし なし 堆肥A 堆肥B 1000円 2000円 あり なし あり あり 堆肥A 堆肥B 2000円 2000円 なし あり あり なし 土壌検査・施肥設計サービス

問16 つぎの2種類の堆肥が販売されているとします。どち らを購入したいと思いますか(1つに○)。 1.堆肥A  2.堆肥B  3.どちらも買わない 1トンあたり堆肥価格 堆肥の運搬・散布サービス 土壌検査・施肥設計サービス 問1 つぎの2種類の堆肥が販売されているとします。どち らを購入したいと思いますか(1つに○)。 堆肥の運搬・散布サービス 土壌検査・施肥設計サービス 1トンあたり堆肥価格 1.堆肥A  2.堆肥B  3.どちらも買わない 問2 つぎの2種類の堆肥が販売されているとします。どち らを購入したいと思いますか(1つに○)。 1.堆肥A  2.堆肥B  3.どちらも買わない 1トンあたり堆肥価格 堆肥の運搬・散布サービス 図1 本事例で使用する選択実験の質問例

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各堆肥は,1 トンあたり堆肥価格,堆肥の運搬・散布サービス(の有無),土壌検査・施 肥設計サービス(の有無),という3 種類の属性(説明変数)によって特徴づけられている。 運搬・散布サービスは,農家が希望する日時に指定した圃場に購入した堆肥を運搬,散布 してもらえるサービスである。土壌検査・施肥設計サービスは,圃場の土壌検査を実施し て,それに基づいて堆肥の施肥量などを設計してもらえるサービスである。 本事例では,「もっとも高い効用をもたらす選択肢を稲作農家が選択する」という考え方 に基づいている。稲作農家が2 つの堆肥から得る効用(堆肥を購入することで得られる満 足度)は,これら3 属性の取りうる内容(水準)によって決まる部分(確定効用)と,第 3 者からは観測できない要因によって決まる部分(確率項)の 2 つから構成される。 図 1 に示されているように,質問は問1 から問 16 までの 16 問から構成されている。16 個の質問で提示された各属性の値(水準)は,表 1 の通りである。16 問の質問は,4 水準 系の属性を 3 つ,2 水準系の属性を 6 つ,それぞれ設定できる混合表から,4 水準系の 2 属性に堆肥の価格(表 1 では“価格”と表記),2 水準系の 4 つの属性に堆肥の運搬・散布 サービス(運散)と土壌検査・施肥設計サービス(土施)の有無を表す属性をそれぞれ割 り当てて作成した1。 質問文として提示するときには,表 1 の左側に示す数字による表現を,右側に表示され ているように変換する。価格については「0」を「1000 円」,「1」を「2000 円」,「2」を「3000 円」,「3」を「4000 円」とする。2 つのサービスについては,「0」は「なし」,「1」は「あ り」とする。 回答者は全体で50 名である。各回答者は,提示される堆肥の価格と各サービスの有無の

1 使用した混合表は,N. J. A. Sloane 氏によるホームページ A Library of Orthogonal Arrays から

入手した(http://www.research.att.com/~njas/oadir/index.html[2004 年 6 月 25 日参照])。同ホー ムページには,さまざまな属性水準の組み合わせの直交表および混合表が示されており,選択 実験の選択肢集合を作成するにあたって大変有用である。

価格A 運散A 土施A 価格B 運散B 土施B 価格A 運散A 土施A 価格B 運散B 土施B PA TA SA PB TB SB PA TA SA PB TB SB 1 1 1 0 3 0 0 1 2000 あり なし 4000 なし なし 2 0 1 1 1 0 1 2 1000 あり あり 2000 なし あり 3 0 0 0 3 1 1 3 1000 なし なし 4000 あり あり 4 3 0 0 2 1 0 4 4000 なし なし 3000 あり なし 5 2 1 0 2 0 1 5 3000 あり なし 3000 なし あり 6 1 0 1 2 0 1 6 2000 なし あり 3000 なし あり 7 2 1 0 1 1 0 7 3000 あり なし 2000 あり なし 8 2 0 1 3 0 0 8 3000 なし あり 4000 なし なし 9 1 1 0 0 1 1 9 2000 あり なし 1000 あり あり 10 0 0 0 0 0 0 10 1000 なし なし 1000 なし なし 11 3 0 0 1 0 1 11 4000 なし なし 2000 なし あり 12 2 0 1 0 1 1 12 3000 なし あり 1000 あり あり 13 3 1 1 0 0 0 13 4000 あり あり 1000 なし なし 14 3 1 1 3 1 1 14 4000 あり あり 4000 あり あり 15 0 1 1 2 1 0 15 1000 あり あり 3000 あり なし 16 1 0 1 1 1 0 16 2000 なし あり 2000 あり なし 注:各変数名の下段に示す記号は,前章で説明した確定効用関数に含まれる説明変数に対応する。 堆肥A 堆肥B 質問 質問 堆肥B 堆肥A 表1 全 16 問で提示された堆肥 A と堆肥 B の属性水準

変換

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組み合わせが異なる16 個の質問全てに回答する。回答結果に無回答はなく,観測値数 800 (50 名×16 問/名)のデータが得られたとする。 なお,以下で利用する回答結果は仮想的に作成したものであり,4 節にデータの作成手 順と観測値数800 の全データを示す。 2)ワークシートの構造 エクセルのワークシートは,大きく3 つの部分から構成される。 第1 の部分は,選択実験の分析に必要なデータおよび選択肢ごとの確定効用と対数尤度 関数の値(計算結果)を集めた部分である。1 行が質問 1 つのデータおよび計算結果,つ まり観測値1 つに該当し,当該質問の選択肢として提示された各属性の水準,いずれの選 択肢が選ばれたかを示す回答結果,その回答結果をダミー変数として表した変数,各選択 肢の確定効用,および当該質問の対数尤度関数(個別)の値である。 第2 の部分は,確定効用関数に含まれる説明変数(属性)の係数を集めた部分である。 確定効用関数の説明変数として設定した変数の種類に応じて,それらの係数を表すセルを 設定する。 第3 の部分は,対数尤度関数(全体)の値を計算する部分であり,これは 1 つのセルか ら構成される。 (1)データおよび選択肢ごとの確定効用と対数尤度関数の値の部分 分析に必要なデータおよび選択肢ごとの計算結果を集めた部分について,今回の事例に 基づいて説明しよう。図 2 に,本稿で用いる事例のワークシートを示す。このうち1 行 A 図2 データおよび計算式を入力した後のワークシート

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列のセルと801 行 Q 列のセルを対角とする長方形の範囲が,データおよび選択肢ごとの計 算結果を示すセル領域である(赤色の枠で示されている範囲)。 1 行の A 列から Q 列までは,変数名等が明記されている。2 行以降が各変数等に対応す るデータおよび計算結果を示す。 A 列と B 列は,それぞれ回答者を識別するための通し番号(回答者番号)と,当該回答 者の回答した質問の番号(質問番号)を示す.例えば,2 行は 1 番目の回答者(回答者番 号が1)の 1 問目の質問(質問番号が 1)に関する情報を示す行であることがわかる。 C 列から H 列までが,選択実験の質問で示された各堆肥の特徴を表す。ピンク色の枠で 囲まれている3 列は,堆肥 A で示された特徴を示す。C 列は堆肥 A の価格(価格 A),D 列は堆肥 A の運搬・散布サービスの有無を表すダミー変数(運散 A),E 列は堆肥 A の土 壌検査・施肥設計サービスの有無を表すダミー変数(土施 A)である。同じく,オレンジ 色の枠で囲まれている3 列は,堆肥 B で示された特徴を示す。F 列は堆肥 B の価格(価格 B),G 列は堆肥 B の運搬・散布サービスの有無を表すダミー変数(運散 B),H 列は堆肥 B の土壌検査・施肥設計サービスの有無を表すダミー変数(土施B)である。 I 列の「定数」は,「どちらも買わない」選択肢のみに設定されている選択肢固有定数項 である。 J 列の「回答結果」は,「堆肥 A」,「堆肥 B」,「どちらも買わない」のいずれを選択した かを表す列である。「回答結果」列の各セルに示されている値は,「1」が「堆肥 A」,「2」 が「堆肥B」,「3」が「どちらも買わない」を選択したことをそれぞれ意味する。 K 列から M 列は,J 列の「回答結果」に応じて,「堆肥 A」,「堆肥 B」,「どちらも買わな い」のいずれが選択されたかを示すダミー変数をそれぞれ表している。K 列の「堆肥 A 選 択」は,「堆肥A」を選択したときに「1」,それ以外を選択したときに「0」の値をとる。 同様に L 列の「堆肥 B 選択」は,「堆肥 B」を選択したときに「1」,それ以外を選択した ときに「0」の値をとる。M 列の「非購入」は,「どちらも買わない」を選択したときに「1」, それ以外を選択したときに「0」の値をとる。回答者は,3 つの選択肢のうちいずれか 1 つ しか選べないので,1 行のデータ(1 観測値)では,K 列から M 列のセルのうち 1 つのセ ルだけに「1」が示され,残りの 2 つのセルには「0」が示されることになる。 N 列から P 列までは,各選択肢の確定効用の値を示す。N 列の「堆肥 A 効用」は「堆肥 A」から得られる確定効用,O 列の「堆肥 B 効用」は「堆肥 B」から得られる確定効用,P 列の「非購入効用」は「どちらも買わない」から得られる確定効用をそれぞれ示す(確定 効用の計算方法は後述)。 最後の Q 列の「対数尤度(個別)」は,当該行の対数尤度関数の値を示す(当該行の対 数尤度関数の計算方法は後述)。 (2)確定効用関数に含まれる説明変数の係数の部分 図 2 の右上のセル領域(緑色の枠で示されている範囲)が,確定効用関数に含まれる説 明変数(属性)の係数をまとめて計上している部分である。本事例では,2 行 S 列のセル から2 行 V 列のセルまでの 4 セルが係数の値に該当する。2 行 S 列のセルが堆肥の価格変 数の係数,2 行 T 列のセルが運搬・散布サービス属性変数の係数,2 行 U 列のセルが土壌 検査・施肥設計サービス属性変数の係数,2 行 V 列のセルが「どちらも買わない」選択肢

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のみに設定されている選択肢固有定数項の係数である。なお,各係数に該当するセルには, 初期値(0)を入力しておく。 (3)全体の対数尤度関数の値を計上する部分 図 2 の右上で係数の領域の下にある水色の枠で示されている範囲が,全体の対数尤度関 数の値を計上している部分である。1 行ごとに計算された個別の対数尤度関数の値(Q 列) の合計(和)を示しており,本事例では5 行 S 列のセルがその値に該当する。 選択実験の計測とは係数の値を求めることであり,本稿の作業に即して言い直せば,ソ ルバー機能を利用して全体の対数尤度関数の値を最大にするような各属性変数の係数の値 を求めることに相当する。 3)データの入力および計算 次に,図 2 を用いてデータの入力作業を解説する。 (1)属性水準のデータセットの作成 はじめに各選択肢で提示された属性データを入力する。上述したように,1 行が観測値 1 つ(ある質問で提示された属性データおよびその回答結果等)に対応する。本事例では, 回答者1 名あたり 16 問の選択実験の質問に回答している。したがって,回答者 1 名あたり 16 行を利用する。 たとえば,1 人目の回答者が回答した 16 問の選択実験の質問に関する情報が,2 行 C 列 のセルから 17 行 H 列のセルを対角とする領域に示されている(図 2 の紫色の枠で囲まれ ている部分)。つまり,この領域に,表 1 の左側で示した堆肥A と堆肥 B の各属性の水準 が示されている。ただし,価格については,表 1 の左側で「0」のものが図 2 では「1000」 円,同様に「1」が「2000」円,「2」が「3000」円,「3」が「4000」円と変換されている。 1 行ずつみていくと,2 行の C 列から H 列までの各セルが,1 人目の回答者が 1 問目で直 面した堆肥A と堆肥 B の各属性の水準を示す。続く,3 行の C 列から H 列までが,2 問目 で直面した堆肥の各属性の水準を示す。以下同様に,17 行の C 列から H 列までが,16 問 目で直面した堆肥の各属性水準を示す。 18 行から 33 行までの 16 行分は,2 人目の回答者が直面した 16 問の質問で提示された属 性の水準を示す。各回答者は同じ16 個の質問に回答するため,18 行の C 列から H 列まで に示されている水準は,1 人目の回答者の 1 問目に対応する 2 行で示されている水準と同 じである。 以下同様に,今回の事例では50 名分のデータセットとなるため, 50 人目の回答者が 16 問目で直面した属性の水準は,801 行の C 列から H 列までのセルに示されており,それら は他の回答者の16 問目に提示された水準と等しい2 I 列は,「どちらも買わない」選択肢のみに設定されている選択肢固有定数項を表す。定 2 このような人数分のデータセットを作成するときには,1 人目のデータセット(2 行 C 列か ら17 行 H 列の範囲のセル)を作成してから,その範囲をコピーして,残りの 49 人分のセル範 囲を指定して貼り付ければよい。エクセルのコピー機能など基本的な使い方については,市販 のマニュアルを参照されたい。

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数項であるため,この列の全セルには「1」を入力する。 (2)ダミー変数形式の選択結果データの作成 次に,回答者50 名の回答結果を入力する。J 列の「回答結果」の各セルに,対応する回 答者の回答結果を入力する。2 行 J 列のセルが 1 人目の回答者の 1 問目の回答結果を示し, 3 行 J 列のセルが同 2 問目の回答結果を示す。以下同様に回答結果を入力し,801 行 J 列の セルが50 人目の回答者の 16 問目の回答結果を示す。 すべての回答者の全回答結果を入力した後,ダミー変数形式の選択結果データを作成す る。K 列は「堆肥 A」を選択したときには「1」,それ以外の選択肢を選んだときには「0」 の値を示すようにする。このように設定するためには,エクセルに組み込まれているIF 関 数を利用する。図 3 に示すように2 行 K 列のセルに, 「=IF(J2=1, 1, 0)」 と入力する(カッコ「」記号は入力不要,以下同様)。IF 関数を利用した数式は,2 行 J 列 に示されている値が「1」,つまり 1 人目の回答者の回答結果が「1(堆肥 A を選択)」なら ば,「1」の値を返し,それ以外の回答結果であれば「0」を表示するよう指示している。 同様に,L 列は「堆肥 B」を選択したときには「1」,それ以外の選択肢を選んだときに は「0」,M 列は「どちらも買わない」を選択したときには「1」,それ以外を選んだときに は「0」の値を示すようにする。具体的には,2 行 L 列のセルには, 「=IF(J2=2, 1, 0)」, 2 行 M 列のセルには, 「=IF(J2=3, 1, 0)」, をそれぞれ入力する。 1 人目の回答者の 1 問目の回答結果は「3」,つまり「どちらも買わない」である。した がって,これら 3 つの数式(IF 関数)の結果は,「どちらも買わない」に対応する 2 行 M 列のセルが「1」となり,2 行 K 列および L 列のセルは「0」となる。 図3 回答結果のダミー変数形式データへの変換式

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以上のようにデータ領域の1 行目に回答結果をダミー変数に変換する数式を入力したら, 2 行 K 列から 2 行 M 列までの 3 セルの範囲をコピーし,同列の 3 行以降 801 行まで貼り付 けることで,50 名の全回答結果をダミー変数形式に変換することができる。 (3)各選択肢から得られる確定効用の計算 各選択肢から得られる確定効用を計算する。本事例では,「堆肥 A」,「堆肥 B」,および 「どちらも買わない」の3 つの選択肢に対応する確定効用を計算する必要がある。 確定効用は,各選択肢で提示された属性(説明変数)の値と対応する係数との積を全て の属性について求め,それらを合計することで得られる。たとえば,堆肥A であれば, 堆肥A の確定効用 = 堆肥の価格属性の係数 × 堆肥の価格属性 + 運搬・散布サービス属性の係数 × 運搬・散布サービス属性 + 土壌検査・施肥設計サービス属性の係数 × 土壌検査・施肥設計サービス属性 となる。 エクセルのシート上では,堆肥A についてみると,堆肥の価格属性が C 列,運搬・散布 サービス属性(ダミー変数)がD 列,土壌検査・施肥設計サービス属性(ダミー変数)が E 列にそれぞれ対応する。一方,各属性(説明変数)の係数は,本事例では 2 行 S 列から 2 行 V 列の各セルに示しており,2 行 S 列のセルが堆肥の価格属性の係数,2 行 T 列のセ ルが運搬・散布サービス属性変数の係数,2 行 U 列のセルが土壌検査・施肥設計サービス 属性変数の係数,2 行 V 列のセルが選択肢固有定数項の係数である。1 行が 1 観測値であ ることに注意して,1 人目の回答者による 1 問目の堆肥 A の確定効用を求めるためには, 図 4 に示すように2 行 N 列のセルに, 「=$S$2*C2+$T$2*D2+$U$2*E2」 と数式を入力する。ただし,ここでは絶対参照となっているので,「S2」「T2」「U2」では なく「$S$2」「$T$2」「$U$2」と$記号付きで表記されている。絶対参照とすることで,こ の数式をコピーして,他のセルに貼り付けたときにも,参照しているセルが固定されるこ とになる。 図4 確定効用の計算式

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同様に,堆肥B の確定効用を求めるためには,セル 2 行 O 列のセルに, 「=$S$2*F2+$T$2*G2+$U$2*H2」, 「どちらも買わない」の確定効用を求めるためには,2 行 P 列のセルに, 「=$V$2*I2」, をそれぞれ入力する。 これら3 セルをコピーして,それぞれ 3 行から 801 行までのセルに貼り付けることで, 回答者50 名の全質問における各確定効用を計算することができる。 (4)個別の対数尤度関数と全体の対数尤度関数の計算 最後に,個別の対数尤度関数の値を計算し,それらの合計(全体の対数尤度関数の値) を求める。 今回の事例では,まず図 5 に示すように1 人目の回答者による 1 回目の質問の対数尤度 関数の値を求めるために,2 行 Q 列のセルに, 「=LN((K2*EXP(N2)+L2*EXP(O2)+M2*EXP(P2))/(EXP(N2)+EXP(O2)+EXP(P2)))」, と入力する3。このセルをコピーして,3 行 Q 列から 801 行 Q 列までの各セルに貼り付け ることで,回答者50 名の全質問における個別の対数尤度関数の値を計算できる。 そして,図 6 に示すように,個別の対数尤度関数の値を合計した対数尤度関数(合計) を求めるために,5 行 S 列のセルに, 「=SUM(Q2:Q801)」, と入力する。 3 個別の対数尤度関数を求めるための式が,このように表されることについては 2 節,あるい はそこで紹介されている文献を参照されたい。 図5 個別の対数尤度関数の計算式

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4)ソルバーによる係数の推定 対数尤度関数(合計)の値が計算されている5 行 S 列のセルを選択(一度クリック)す る。 つぎに,図 7 のように,「ツール(T)」から「ソルバー(V)」を選択すると,図 8 のよ うに「ソルバー:パラメータ設定」というダイアログボックスが現れる4,5。 「目的セル(E)」と書かれている部分の右側にある欄(緑色の枠で囲まれている部分) に,対数尤度関数(合計)の値が計算されている 5 行 S 列のセル(緑色の枠で囲まれて 「-878.89」という値が示されているセル)が示されていることを確認する。ただし,ここ でも絶対参照となっているので,「S5」ではなく「$S$5」と$記号付きで表記されている。 「変化させるセル(B)」の下にある欄(オレンジ色の枠で囲まれている部分)をクリッ 4 ソルバーの使い方については,苅田ら(2003)などが参考になる。 5 「ツール(T)」から「ソルバー(V)」が現れない場合,ソルバー機能がインストールされて いない可能性がある。このときには,「ツール(T)」から「アドイン(I)」を選択し,アドイ ンのダイアログボックスを開いて,「ソルバーアドイン」がインストールされている(✓印が 付いている)か確認されたい。 図8 ソルバーのダイアログボックスでの設定 図7 ソルバーの選択 図6 対数尤度関数(全体)の計算式

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クし,変化させるセルの範囲を指定する。変化させるセルとは,具体的には係数を指す。 本事例では,2 行 S 列のセルから 2 行 V 列のセルまでの 4 セルが該当するので,その範囲 を指定する(オレンジ色の枠で囲まれ「0」が 4 つ並んでいるセルの範囲)。目的セルのと きと同様に,ここでもセルが絶対参照($記号付き)として表記されている。 最後に,「実行(S)」のボタンを押す(クリックする)と,図 9 に示す「ソルバー:探 索結果」というダイアログボックスが現れる。 「解を記入する(K)」が選択されている(「解を記入する(K)」の前に黒丸(●)印が 付いている状態)ことを確認して,「OK」ボタンを押す(クリックする)と,得られた解 (係数推定値)が係数を計上する2 行 S 列から 2 行 V 列の各セルに記入(確定)される。 本事例では,堆肥の価格変数(価格)の係数推定値は「-0.0002006」,堆肥の運搬・散布 サービス・ダミー変数(運散)の係数推定値は「0.5564」,土壌検査・施肥設計サービス・ ダミー変数(土施)の係数推定値は「0.3751」,「どちらも買わない」選択肢のみに設定さ れた選択肢固有定数項(定数)の係数推定値は「0.2189」であることがわかる。価格の係 数推定値はマイナスであることから,価格が高い堆肥であるほど農家は購入しない傾向が 強くなることを意味する。また,2 種類のサービス・ダミー変数の係数推定値はプラスで あることから,これらのサービスが堆肥に付加されることで,農家の堆肥を購入する傾向 が強くなることを意味する。 図9 ソルバーの実行結果

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さらに計測結果を使うことで,受益地域全体での堆肥の需要曲線を導くことができる6。 需要曲線とは,製品(ここでは堆肥)の価格とその販売量との関係を表すものである。図 10 に,その 1 例を示す。ここでは仮に受益地域全体で 500 戸の稲作農家が営農しており, 1 戸あたり水稲作付面積は 1ha,堆肥を利用する場合は 10a あたり 1t を投入すると設定し て,計測結果から受益地域全体での堆肥需要曲線を求めている。堆肥の運搬・散布サービ ス,土壌検査・施肥設計サービスともに「なし」として堆肥を販売した場合(図の凡例で は「両サービスなし」に該当),堆肥の需要曲線は紺色の曲線で表され,たとえば4,000 円 /トンで販売すれば,受益地域全体で 1,324 トンの販売量が見込まれることがわかる。運 搬・散布サービスが付加された場合(ピンク色の曲線に該当),他の条件を一定とすれば, より多くの堆肥が販売されると見込まれ,4,000 円/トンであれば地域全体で 1,929 トンと 予測される。同様に,土壌検査・施肥設計サービスが付加された場合(黄色の曲線に該当), 両サービスが付加された場合(水色の曲線に該当),4,000 円/トンで販売されれば,それ ぞれ1,719 トン,2,388 トンの販売量が予想される。 4.付録 表 2 に,回答者 50 名の回答結果(観測値数 800)を示す。ただし,80 観測値ごとに列 を変更している。たとえば,観測値数「1~80」の列の「データ数」が「1」の行は,1 人 6 堆肥の需要曲線の導出(予測)の詳細については,むらづくりテクダスの「耕種農家による 家畜ふん尿堆肥需要量の簡便な予測手法」を参照されたい。 図 10 堆肥の需要曲線の導出例(仮想例) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 受益地域全体での堆肥需要量(トン) 堆 肥 の 価 格 ( 円 / ト ン ) 両サービスなし 運搬・散布サービス あり 土壌検査・施肥設計 サービスあり 両サービスあり

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1~80 81~160 161~240 241~320 321~400 401~480 481~560 561~640 641~720 721~800 1 3 1 3 3 3 3 1 1 3 1 2 1 1 1 2 1 3 3 2 1 2 3 2 3 1 3 3 2 3 3 2 2 4 1 3 3 2 2 2 2 2 3 1 5 1 3 3 2 1 3 3 3 3 1 6 2 1 2 1 2 3 1 1 1 2 7 3 3 1 1 2 2 2 3 3 1 8 1 2 3 1 1 2 2 2 3 3 9 2 2 2 1 2 2 2 1 3 3 10 1 2 3 1 3 1 2 3 1 3 11 3 2 3 3 3 2 3 3 2 3 12 2 2 2 2 3 1 1 1 2 3 13 3 3 3 2 2 3 2 3 2 1 14 1 2 1 1 3 2 3 2 2 3 15 1 1 2 3 1 2 3 2 1 1 16 2 3 3 2 1 1 2 2 2 1 17 2 1 2 3 3 2 2 3 1 3 18 3 3 1 2 1 2 1 3 1 1 19 2 2 3 3 2 2 3 2 3 3 20 3 2 3 2 2 1 2 2 1 3 21 1 3 2 2 2 1 1 3 3 1 22 1 3 3 3 1 2 3 3 1 3 23 3 1 1 3 3 3 2 3 1 3 24 3 3 3 3 3 1 3 2 3 1 25 3 2 2 1 3 3 2 3 2 2 26 2 3 2 1 2 3 2 2 1 1 27 1 2 1 3 3 2 2 2 3 2 28 2 1 3 3 2 2 2 3 2 3 29 3 2 3 3 1 3 2 1 1 3 30 2 1 3 2 2 3 3 2 3 2 31 3 3 1 3 1 2 1 2 1 2 32 1 3 2 2 2 2 1 2 1 3 33 1 3 2 3 3 2 1 2 2 3 34 1 1 2 1 1 2 3 3 2 3 35 3 3 2 3 3 3 1 3 2 1 36 2 2 3 2 3 1 2 3 2 2 37 2 3 2 3 2 1 2 2 3 1 38 3 3 3 2 3 1 1 2 3 1 39 1 2 1 3 3 3 1 3 3 1 40 1 2 3 3 3 2 3 2 1 1 41 3 1 1 1 1 3 2 2 2 2 42 1 1 1 1 3 3 1 1 1 1 43 2 1 2 3 2 3 2 3 2 2 44 2 1 2 2 2 2 2 1 2 2 45 1 3 1 1 2 3 1 2 2 3 46 1 2 3 1 3 1 3 1 3 1 47 1 1 1 1 1 2 2 2 3 1 48 3 3 2 1 2 3 3 1 3 2 49 3 2 2 1 3 1 1 3 3 3 50 3 1 3 2 1 2 1 1 3 3 51 2 3 3 3 2 3 2 3 1 2 52 3 2 3 1 3 2 3 3 3 3 53 1 1 3 3 3 1 3 3 1 3 54 3 3 1 3 3 1 2 1 3 2 55 3 2 2 3 2 1 3 3 2 3 56 1 3 3 3 3 3 3 3 3 2 57 2 2 3 3 3 2 2 2 1 2 58 2 3 3 2 2 2 2 3 2 2 59 1 3 1 3 3 3 3 2 3 3 60 3 2 2 3 2 1 2 2 1 2 61 2 1 3 2 1 3 1 3 2 1 62 3 3 1 2 3 2 3 1 3 2 63 2 3 1 1 1 2 2 3 2 1 64 3 1 1 1 3 1 2 3 2 2 65 1 3 3 1 1 1 2 3 3 2 66 1 3 2 1 2 3 3 1 1 3 67 1 2 2 3 1 2 1 2 2 2 68 1 2 3 3 3 2 2 3 2 1 69 3 2 2 1 3 1 2 2 1 3 70 3 3 2 3 1 3 2 3 3 2 71 1 2 3 2 2 3 3 1 1 2 72 3 1 1 1 2 3 1 1 3 1 73 3 3 2 2 2 3 2 1 2 2 74 2 2 3 3 3 1 2 1 2 3 75 1 2 2 3 3 2 3 2 3 3 76 3 2 2 2 3 3 1 2 3 1 77 3 2 1 1 2 1 3 3 3 3 78 1 3 1 2 3 1 1 2 2 3 79 1 1 1 3 1 2 3 1 3 1 データ数 観測値 表2 本事例の回答結果(800 観測値:仮想データ)

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目の回答者による1 問目の回答結果が「3(「どちらも買わない」を選択)」であることを示 している。同様に,同列の「データ数」が「80」の行は,5 人目の回答者による 16 問目の 回答結果を示しており,それが「2(堆肥Bを選択)」であることを示す。また,観測値数 「81~160」の列の「データ数」が「1」の行は,6 人目の回答者による 1 問目の回答結果 が「1(堆肥 A を選択)」であることを示す。 これらの仮想的な回答者50 名の回答結果の作成手順は,次の通りである。 はじめに,価格の係数は「-0.00025」,運搬・散布サービス・ダミー変数の係数は「0.5」, 土壌調査・施肥設計サービス・ダミー変数の係数は「0.3」,「どちらも買わない」選択肢の みに設定された選択肢固有定数項の係数は「0」と設定して,全 16 問の各選択肢の確定効 用を作成した。各係数は個人で共通と仮定する。したがって,50 名の確定効用の値は質問 ごとに同じとなる。たとえば,A さんが問 1 の各選択肢から得る確定効用の大きさは,B さんが問1 の各選択肢から得る確定効用の大きさと同じである。 続いて,確率項の値を,ガンベル分布にしたがう乱数を発生させて作成した。 最後に,選択肢ごとに確定効用と確率項を足し合わせて,各回答者が各選択肢から得る 効用を求めた。そして最大の効用をもたらす選択肢を選択すると仮定して,回答者50 名に ついて全16 問の選択結果を求め,観測値数 800 の選択結果データを作成した。 参考文献 合崎英男(2001)「稲作農家の乾燥サービス需要と差別料金制度の導入可能性」『北海道農業経済研究』9 (2),pp.31-48. 合崎英男(2002a)「農業共同利用施設の運営政策シミュレータの開発」『農業経済研究』73(4),pp.151-160. 合崎英男(2002b)「直交配列表を用いたプロファイル作成の手順-農村計画における選択型コンジョイ ント分析の利用(1)-」『農業工学研究所技報』200 号,pp.21-32. 合崎英男(2003a)「仮想訪問行動による都市農村交流施設の事前経済評価」『農業土木学会誌』71(12), pp.13-16. 合崎英男(2003b)「生態系との調和に配慮した水田農業の環境便益の評価」『2003 年度日本農業経済学会 論文集』,pp.347-349. 合崎英男・佐藤和夫・岩本博幸(2004)「受精卵クローン牛由来生産物の社会的受容に対する消費者の知 識と態度の影響」『農業情報研究』13(2),印刷中. 土木学会(1995)『非集計行動モデルの理論と実際』土木学会(発売所:丸善),240pp. 遠藤和子・平野信之・合崎英男(2003)「日本ナシ栽培農家の栽培面積変動に関する農家行動分析」『2003 年度日本農業経済学会論文集』,pp.5-10. グリーン,W.H.(2000)『グリーン計量経済分析Ⅰ・Ⅱ改訂 4 版』エコノミスト社,1275pp. 苅田正雄・中西元子・上田太一郎著(2003)『Excel でできる最適化の実践らくらく読本-ソルバーで自 由自在に解く-』同友館,233pp. 北村隆一・森川高行編著(2002)『交通行動の分析とモデリング』技報堂出版,320pp. 交通工学研究会(1993)『やさしい非集計分析』交通工学研究会(発売所:丸善),141pp. 栗山浩一(2000)「コンジョイント分析」大野栄治編著『環境経済評価の実務』勁草書房,pp.105-132. 仲照史・藤本高志(2002)「選択型コンジョイント分析による農業技術の多面的経営評価」『農業経営研 究』40(1),pp.1-9. 鷲田豊明(1999)『環境評価入門』勁草書房,340pp.

参照

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