本
畳
ど
無
明
ど
の
交
渉
森
田
龍
倦
一 大 栗 起 信 論 は、 別 し て は 顯 敷 大 乗 の 精 要 を 朋 か す も、 総 じ て は 顯 密 二 敷 の 眞 髄 を 明 か す も の で あ る 故 に い は く、 如 來 の 廣 大 深 法 無 邊 の 義 を 総 撮 せ ん ど 欲 ふ が 爲 め の 故 に、 磨 さ に 此 の 論 を 説 く べ し ご。 叉 い は く、 是 の 如 く の 摩 訂 術 は 諸 佛 の 秘 藏 な り、 我 れ 巳 に 総 じ て 説 く ご。 大 乗 論 部 に お い て 第 一 位 を 占 む る ゆ ゑ ん こべ に あ る。 こ の 論 の 末 註 す こ ぶ る 多 き も、 繹 摩 詞 術 論 十 懇 は、 最 も よ く 眞 言 密 敷 の 幽 旨 を 示 す 秘 藏 の 論 で あ る 。 こ、 に 題 す る 本 畳 ご 無 明 こ の 交 渉 こ い ふ は 超 信、 繹 論 に お け る 難 解 の 問 題 な る が、 今 す こ し く こ の 内 容 に ふ れ て 見 る 。 起 信 論 は 絶 待 的 唯 心 論 に 立 脚 す る 。 絶 待 的 唯 心 な る が 故 に、 そ は 相 待 的 の 思 慮 分 別 心 ご 全 く 趣 き を 異 に す る 総 絃 萬 有 の 一 法 界 心 で あ る 。 こ れ は 自 己 本 具 の 一 心 な る ご、 も に 衆 生 本 具 の 二 心 で あ り、 衆 生 本 具 の 一 心 な る ご、 も に 諸 佛 本 具 の 一 心 で あ る 。 い は ゆ る ﹁ 心 佛 衆 生、 是 三 無 差 別 ﹂ の 一 心 に し て、 本 畳 ぐ 無 明 ぜ の 交 渉 一水 箆 と 無 明 ビ の 交 渉 二 眞 理 の 根 源、 萬 有 の 本 膿 で あ る 。 是 三 無 差 刷 の 一 心 な る も 迷 界 の 衆 生 を し て 肖 豊 せ し む べ く 起 信 に 言 言 , 諭 所 の 法 こ い ふ は、 謂 く 衆 生 の 心 な り し ご い つ て あ る 。 一 心 を 本 こ せ ば、 一 心 は 能 遍、 十 界 は 所 遍 に し て そ の 駈 具 ご 見 ら れ、 十 界 を 本 こ せ ぱ、 十 界 は 能 其、 一 心 は 所 其 で あ り、 能 具 者 に は 奪 卑 高 下 の 別 あ る も、 所 呉 の 一 心 は、 下 は 地 獄 よ り 上 は 佛 界 に い た り 一 如 季 等 で あ る 。 一 心 の 内 容 に は 不 鍵、 随 縁 の 二 義 が あ る。 不 攣 の 義 ご は、 一 心 は 無 始 無 終 な る が 故 に 不 生 不 滅 で あ り、 不 生 不 滅 な る が 故 に 時 塞 等 の 相 待 關 係 を 超 越 せ る を い ひ、 随 繰 の 義 ご は、 萬 有 は 種 々 の 因 縁 に 随 つ て 別 棺 を 現 す る、 こ れ み な 一 心 の 縁 起 に ほ か な ら 漁 を い ふ の で あ る 。 不 攣 の 義 は 興 諦 で あ り、 随 縁 の 義 は 俗 諦 で あ る 。 遣 ハ諦 は 無 爲 常 佳 な る が 故 に こ れ を 眞 如 門 こ い ひ、 俗 諦 は 有 爲 無 常 な る が 故 に こ れ を 生 滅 門 こ い ふ の で あ る 。 眞 如 門 よ り い は ゴ、 眞 實 に こ れ あ り ご 見 る善惡、 美 醜、 大 小、 優 劣 等 の 別 相 は、 も ざ こ れ 不 季 等 心 に 映 す る 假 象 で あ り、 騎 眼 に 見 ゆ る 塞 華 の 類 で あ る。 維 摩 経 に ﹁ 心 清 漂 な る が 故 に 有 情 清 浮 な り ﹂ ど あ る が、 こ れ を う ち か へ し て 見 れ ば、 眼 前 に 横 は る 不 清 浮 の 相 は、 不 清 浄 心 の 反 隈 な り ざ い ふ の で あ る 。 諸 法 は 因 縁 生 の 故 に 無 性 で あ る 。 無 性 は 眞 如 な る が 故 に 諸 法 に 一 味 の 眞 如 に 帰 せ ざ る を え な い。 妄 念 は 一 昧 の 眞 如 に 迷 ふ て 別 相 を 見 る、 別 相 を 見 る が 故 に 自 他 愛 惜 の 執 着 を お こ し て 自 縄 自 縛 す る 。 佃 味 の 翼 如 を 知 ら ば、 す べ て の 迷 情 が 遮 遣 さ れ る、 こ れ を 翼 如 門 に 具 す る 蓬 情 の 義 こ い ふ の で あ る 。
遮 情 の 義 を さ ご り を は つ て、 再 び 前 の 境 界 を 見 わ た す ど、 薔 に よ り 山 は こ れ 山、 水 は こ れ 水、 萬 有 依 然 ご し て 存 す る 。 そ れ は さ き の 妄 念 所 見 の 比 で は な く、 一 々 が 翼 如 の 妙 禮 こ し て 無 監 盛 嚴 の 光 り に み ち て ゐ る 。 こ れ を 遣 ハ如 門 に 具 す る 表 徳 の 義 こ い ふ の で あ る 。 遽 情 よ り い ふ も、 表 徳 よ り い ふ も、 煩 悔 菩 提、 生 死、 浬 盤 等 の 別 相 が な い、 こ れ す な は ち 眞 如 門 の 大 要 で あ る 。 生 滅 門 に つ い て は、 本 題 の 關 係 上 や、 詳 細 に わ だ ら な け れ ば な ら ぬ。 生 滅 門 に は 流 轄、 還 滅 す な は ち 海 上 向 下 の 二 門 が あ る 。 二 門 の 根 本 は 動 來 藏 ご 阿 梨 耶 識 ご に ほ か な ら ぬ 。 如 摩 藏 ご は 法 身 如 來 を 現 ぜ し む べ き 自 禮 ざ し て の 一 心 で あ り、 動 來 藏 に 多 種 あ る も 今 は 與 行 輿 相 如 來 藏 に あ だ る 。 行 ざ は 浮 法 を い ひ、 相 ご は 梁 法 を い ひ、 こ の 如 來 藏 は 生 滅 門 の 原 理 な る が 故 に、 染 浮 二 法 能 生 の 源 こ し て、 二 法 に 封 し ご も に カ を 與 へ て 登 現 せ し む る も の な る か ら で あ る。 陶 梨 耶 識 鷲 は 叉 阿 頼 耶 識 巴 も い ひ 含 藏 の 義 謡、 あ る、 縁 起 し て 萬 有さ な る べ き 潜 勢 力 を 含 藏 し、 そ の 直 接 的 本 源 こ な る も の で あ る。 阿 梨 耶 識 に ま だ 多 種 あ る も、 今 は 大 轟 主 阿 梨 耶 識 に あ た る。 こ れ は 喩 伽、 唯 識 に い ふ 第 八 識 は 勿 論、 こ の 本 末 二 論 に い ふ 三 細 相 癒 の 第 入 識 こ も 癌 別 し な け れ ば な ら 澱。 何 こ な ら ば 輩 に 有 爲 法 の 種 子 の み を 含 藏 す る に 止 ま る 喩 伽、 唯 識 の そ れ な り、 お よ び 三 細 相 懸 の そ れ ら は 内 容 に 限 り あ る も、 こ れ は 有 爲 無 爲 の 一 切 法 を 含 藏 す る 無 限 大 の 燈 な る か ら で あ る。 し か し そ の 膿 を 剋 す れ ば、 有 限 に 見 ら る、 か れ を 獲 大 せ し め た も の で、 か れ の 外 に こ の 別 騰 あ る べ き で は な い 。 本 畳 と 無 明 さ の 交 渉 三
な 登 ご 無 明 芝 の 交 渉 四 如 來 藏 芝 阿 梨 耶 識 こ の 關 係 は、 日 月 ご 光 明 ざ の 如 き 膿 相 の 不 同 で あ る 。 故 に 髄 よ り い はべ 如 來 上藏 で あ り、 相 よ り い はべ 阿 梨 耶 識 で あ る。 燈 相 に は 非 一 非 異 の 二 義 が あ る か ら、 非 異 の 義 よ り い はべ 如 來 藏 即 阿 梨 耶、 阿 梨 耶 即 如 來 藏 な る も、 非 一 の 義 よ り い はべ、 有 爲 無 爲 の 二 法 を 超 越 せ る が 如 來 藏 で あ り、 二 法 の 渾 融 せ る が 阿 梨 耶 識 で あ る 。 大 娠 圭 阿 梨 耶 識 の 内 容 は 此 圖 の 如 く 大 い に 昼 義、 不 畳 義 の 二 つ に 分 れ る。 畳 義 ご は 畳 知 畳 察 の 義 に し て 佛 性 こ い ひ 佛 智 見 こ い は る、 光 明 面 で あ り、 不 畳 義 ご は 無 明 煩 幡 巴 い ひ 罪 悪 こ い は る、 暗 黒 面 で あ る。 佛 性 は 理 智 の 二 つ に 分 つ ぺ き で あ り、 ま た 理 は 李 等 ご 無 磯 ご に 分 つ べ き が 故 に 眞 如、 虚 塞 の 二 種 こ す る、 こ は 眞 理 の う へ の 騰 用 の 二 義 で あ る 。 智 は 先 験 性 ご 経 験 性 ご に 分 つ べ き が 故 に 本 畳、 始 畳 の 二 種 こ す る、 こ は 叡 智 の う へ の 嘘 用 の 二 義 で あ る。 以 上 を 四 無 爲 の 澤 法 こ い ふ の で あ り、 畢 二 全 牧
鑑
概
彊
乳
の 關 係 あ る が 故 に、 多 く の 蕩 合 に 本 畳 を 代 表 名 詞 ざ す る。 不 畳 義 の 内 容 は、 根 本 無 明 お よ び 生、 佳、 異、 滅 の 五 種 に 分 ち、 こ れ を 五 有 爲 の 妄 法 こ い ふ の で あ る。 こ の 有 爲 無 爲 二 法 の 交 渉 い か ん に よ つ て 流 轄、 還 滅 二 種 の 天 地 が 開 か れ る 。 ま つ 流 縛 の 経 路 を い は ゴ、 無 明、 本 豊 を 薫 じ て 相 和 合 し、 こ、 に 本 畳 が 細 念 を 生 じ て 一 歩 生 死 界 へ ご 向 ふ、 こ れ を 第 一 の 業 相 こ い ふ、 業 は 動 起 の 義 ま だ は 因 の 義 で あ る。 本 畳 の 一 動 超 は、 未 來 に 招 く 生 死 苦 果 の 遠 因 な る か ら で あ る。 業 相 の 内 容 に 三 つ が あ る、 そ の 一 は 無 明 猫 自 の 能 力 た る 濁 力 業 相 こ れ で あり、 そ の 二 は 本 畳 猫 自 の 能 力 た る 濁 力 随 相 こ れ で あ り、 そ の 三 は 二 者 和 合 の 所 産た る 倶 業 動 相 こ れ で あ る。 ま だ 倶 業 動 相 は 麓 分 ご 細 分 ご に 分 れ る 。 業 相 は 一 韓 し 諸 境 を 縁 じ て 分 別 す ぺ き 能 力 あ る 縛 相 ご な り、 轄 相 は 化 し て 心 境 野 立 す る 現 相 ビ な る、 こ の 三 っ は 第 八 識 相 憾 の 微 細 法 執 な る が 故 に 三 細 の 戚ふ い の で あ る。 ま た 業 相 は 第 入 識 の 自 髄 分 に あ た り、 轄 相 は そ の 見 分 に あ た り、 現 相 は そ の 相 分 に あ た る、 し か し 軍 な る 相 分 で は な く 主 観 客 観 が 鋤 立 す る。 而 し て 現 相 内 の 客 観 た る 六 塵 の 境 風 が、 そ の 主 親 た る 心 水 を 鼓 動 し て や ま な い か ら つ い に 七 識 の 波 浪 こ な る、 こ れ が 智 相 以 下 の 六 麓 の 惑 品 相 癒 の 盟 で あ る。 い は ゆ る 第 七 識 に よ つ て 現 相 内 に 現 す る 六 塵 の 境 を ぱ 心 外 に あ り ご 思 ひ、 こ れ に 封 し て 好 悪 美 醜、 取 捨 愛 惜 の 心 を お こ す を 智 相 ど い ひ、 こ れ が 一 段 麓 な る 第 六 識 の 内 部 に、 じ み い つ て 無 間 に 相 績 す る を 相 績 相 こ い ひ、 こ の 二 つ は こ も に 法 執 で あ る。 相 綾 相 は さ ら に 培 大 し、 第 六 識 を 本 畳 と 無 明 と の 交 渉 五
本 豊 ご 無 明 巴 の 交 渉 六 し て 窪 他 男 女 の 相 に 著 し て 我 執 を 生 せ し む る に 至 る を 執 取 相 こ い ひ、 執 取 相 は 自 他 男 女 萬 物 の う へ に 種 々 の 名 字 を 立 て、 名 字 を 縁 じ て 我 執 を 逞 し ふ す る に 至 る を 計 名 字 相 こ い ひ、 こ の 執 取、 計 名 の 二 惑 は 我 執 で あ る 。 我 執 に よ つ て 善 悪 の 有 漏 業 を つ く る を 業 椙 こ い ひ、 業 に よ り 生 死 の 獄 に つ な が れ て 苦 を う く る を 業 繋 苦 相 こ い ふ の で あ る。 以 上 を 三 細 六 麓 の 九 相 品 の 惑 こ い ふ の で あ る 。 も し 四 相 に 配 せ ば、 第 一 の 業 相 は 無 明 よ り 生 す る 最 初 な れ ば こ れ を 生 相 に 配 し、 縛、 現、 智 相、 相 績 の 四 つ は 法 執 佳 著 の 義 に よ つ て こ れ を 住 相 に 配 し、 執 取、 計 名 の 二 つ は 我 執 の 義 に よ つ て こ れ を 異 相 に 配 し、 趨 業、 業 繋 苦 の 二 つ は 佛 性 善 根 を 衰 滅 す る 義 に よ つ て こ れ を 滅 相 に 配 す る 。 次 に 還 滅 の 経 路 を い は ぼ、 本 畳 は た ご ひ 無 明 に 蕪 せ ら れ て 生 死 に 流 輻 す と も、 自 性 清 澤 の 功 徳 は 毫 も 移 動 し な い の み か、 そ れ を も つ て 無 明 を 蕪 す る。 こ の 本 畳 の 内 薫 力 ご、 佛 菩 薩 等 敷 導 の 外 縁 力 こ の 因 縁 相 懸 に よ う、 無 明 の う へ に は じ め て 厭 悪 求 善 の 正 念 が お こ る 。 こ れ を 始 豊 智 こ い ひ、 始 覧 智 に よ つ て 叢 量 心因 果 の 理 を 信 じ 無 上 菩 提 を 期 す る が 故 に、 か の 起 業、 業 繋 苦 の 二 相 を 漸 す る、 こ れ を 十 信 の 菩 薩 こ い ふ の で あ る 。 次 に こ の 菩 薩 十 佳、 十 行、 十 廻 向 の 三 賢 位 に 進 み 人 無 我 の 理 を 謹 す る が 故 に、 計 名、 執 取 の 二 相 を 噺 じ、 次 に 初 地 に 入 つ て 二 塞 興 如 の 三 分 を 謹 す る が 軟故 に 相 綾 相 を 噺 じ、 第 二 地 よ り 第 七 地 に い た る 六 位 に よ つ て 智 相 を 断 じ、 第 八 地 に 現 相 を 断 じ、 第 九 地 に 轄 相 を 噺 じ、 第 十 地 の 因
満 位 に お い て 倶 合 動 相 の 麓 発 を 漸 じ、 妙 畳 佛 果 に の ぼ る ご、 も に そ の 細 分 ご 猫 力 業 相 ( 猫 力 随 相 は 非 可 断 の 法 なり ) お よ び 根 本 無 明 な る 三 つ を 断 じ、 始 豊 智 こ、 に 至 つ て 圓 満 す る 。 始 罷 智 は も は や 断 す べ き 所 封 が な く なり、 能 力 を 揮 ふ べ き 飴 地 が な く な る ご、 本 畳 に 還 雇 し て 始 本 不 二 の 歌 態 を 呈 す る、 こ れ が 大 渥 盤 の 境 で あ り、 恰 か も 一 黙 の 雲 騎 な き 天 際 に かっ、 る 賜 月 の 如 く で あ る。 こ の 大 潭 桑 の 位 よ り 自 然 に 報 癒 二 身 を 現 じ て、 か ぎ り な き 大 悲 利 他 の 業 用 が 現 す る、 か の 明 月 が 無 心 に 光 り を 放 つ て 萬 物 を て ら す が 如 く で あ る 。 蘇 東 坂 い は く ﹁ 其 の 攣 す る も の よ り し て 之 を 観 れ ば、 期 ち 天 地 も 曾 て 以 て 一 瞬 な る こ ご 能 は す。 其 の 憂 ぜ ざ る も の よ り し て 之 を 観 れ ば、 則 ち 物 ご 我 ご 皆 盤 く る こ ご な し ﹂ ご。 こ は お の つ か ら 翼 如、 生 滅 の 二 門 關 係 を 語 b し も の こ 見 ら れ う る。 二 門 は 一 心 の 爾 面 な る が 故 に 覇 時 不 離 な る こ ご な ほ し 大 海 の 水 波 の、 水 こ い ふ う へ か ら 親 れ ば 海 塗 膿 が 水 で あ り、 波 こ い ふ う へ か ら 観 れ ば 海 全 膿 が 波 な る が 如 き こ れ で あ る。 故 に も し 眞 如 門 よ り 観 れ ば 宇 宙 全 禮 が 翼 如 門 な ら ざ る は な く、 も し 生 滅 門 よ り 観 れ ば 宇 宙 全 禮 が 生 滅 門 な ら ざ る は な い 。 以 上 は 水 波 非 異 の 義 に よ せ て の 二 門 關 係 な る が、 水 波 非 一 の 義 に よ せ て の 二 門 關 係 よ り い は ゴ、 眞 如 門 は 李 等 に し て 生 滅 門 は 差 測 で あ り、 差 別 ご 李 等 ご は つ い に 混 同 す べ く も な い。 二 門 が 有 す る 雰 一 非 異 の 關 係 ご、 眞 言 籔 の 根 本 義 た る 爾 部 二 晦 不 二 の 思 想 ご は 全 く 同 じ い。 本 畳 亡 無 明 と の 交 滲 七
本 覧 と 無 明 と の 交 渉 八
二
眞 妄 關 係 の 大 禮 は 前 述 生 滅 門 下 に お い て あ ら は れ し も、 本 章 よ り し て は さ ら に 再 び こ れ を 詳 述 す べ き 要 が あ る 。 こ の な か ま つ 無 明 能 蕪、 本 豊 所 蕪 の 蕩 合 を の ぺ む に、 抑 も 根 本 無 明 は 無 始 以 來 そ の け が れ し 氣 分 を も つ て、 眞 如 本 畳 を 蕪 習 し て 自 己 に 同 化 せ し め や う ざ す る 。 眞 如 本 畳 に は 隔 縁 の 義 こ れ あ る が 故 に か れ に 薫 ぜ ら れ て 和 合 す る 。 し か る に 唯 識 論 等 に よ ら ば、 所 薫 者 に は 堅 佳 性、 無 記 性 等 の 四 義 を 有 し な け れ ば な ら す、 能 蕪 者 に も ま 元 生 滅 性、 増 載 性 等 の 四 義 を 有 し な け れ ば な ら ぬ。 第 入 識 は 無 始 相 綾 の 膿 に し て か つ 無 覆 無 記 性 な る が 故 に 所 蕪 者 だ る 義 が そ な は り、 七 轄 識 お よ び 心 所 は 生 滅 の 騰 に し て か つ 増 減 性 な る が 故 に 能 蕪 者 だ る 義 が そ な は る 。 眞 如 は 堅 佳 性 に し て か つ 純 善 清 澤 な る が 故 に 無 記 性 の 義 を 有 し な く、 不 生 滅 に し て か つ 不 増 減 な る が 故 に、 生 滅 性、 増 減 性 に 反 す る、 故 に 眞 如 に は 能 薫 の 義 も な く 所 薫 の 義 も な い こ い ふ の で あ る、 慈 恩 の 孫 弟 た る 漢 陽 の 智 周 は こ の 宗 義 よ り、 起、 信 解 明 の 眞 如 能 所 蕪 の 義 を 不 合 理 こ な し、 作 者 馬 鳴 を 破 す る 借 越 を さ け て 鐸 者 眞 諦 の 誤 ま り な ら む ご い つ て ゐ る。 し か し、 眞 如 の う へ の 不 憂、 随 縁 の 二 義 を な ら ぺ 解 す る ご、 輩 に 不 憂 の 一 義 を 解 す る と は、 罐 實 性 相 雨 宗 の 分 岐 黙 で あ る 。 法 相 宗 は わ つ か に 有 爲 法 に お け る 可 思 議 重 舳の み を 知 り、 未 だ 法 性 の 不 可 思 議 蕪 を 知 ら ざ る が 故 に か、 る 説 を な す ま で ゴ あ る。 無 明 が 本 畳 を 蕪 す る 邑 に よ つ て 生 す る 第 二 現 象 は 業 相 で あ る 。 無 明 は こ の 業 相 に 蕪 ぜ ら れ て 一 段 の勢 力 を ぬ て 本 畳 を 薫 す る、 本 畳 は 前 よ り は つ よ き 刺 撃 を う く る こ ご に よ つ て こ、 に 第 二 の 轄 相 を 生 す る。 纏 相 は 業 相 を 蕪 じ、 業 相 は 無 明 を 蕪 じ、 無 明 は 本 豊 を 蕪 じ て こ、 に 第 三 の 現 相 を 生 す る 。 現 相 は 韓 相 を 薫 じ、 縛 相 は 業 相 を薫 じ、 業 相 は 無 明 を 蕪 じ、 無 明 は 本 畳 を薫 じ て こ、 に 六 麓 を 生 す る 。 し か し て ま た 六 麓 は 三 細 を 薫 じ 三 細 は 無 明 を 薫 じ、 無 明 は 本 畳 を 蕪 す る 。 か く の 如 く 上 下 が 循 環 的 に 麓 細 互 ひ に 黒 す る こ ご に よ つ て、 こ、 に 生 死 の 境 が 反 覆 さ れ る の で あ る。 侃 し そ の 縁 起 が 時 間 的 に 前 後 の 不 同 こ れ あ る が 如 く に 見 ゆ る も、 こ は 輩 に 説 明 の 次 第 に 止 ま り、 實 は 無 明 が 本 豊 を 蕪 す る 一 刹 那 に お い て、 三 細 六 麓 の 四 相 は 同 時 に 生 起 す る の で あ る。 次 に 浮 法 能 薫、 無 明 所 薫 の 場 合 を の べ む に、 こ の 能 薫 に は 大 い に 本 蕪、 始 薫 の 二 義 が あ る o 本 重 軌 ご は 本 有 佛 性 の 騰、 相、 用 三 大 の薫 習 で あ り、 始 薫 ご は 向 上 の 五 十 一 位 に お け る 始 畳 智 の 蕪 習 で あ る 。 本 薫 の な か に 自 騰 相 重 描ご 用薫 こ の 二 義 が あ る 。 ( 一 ) 自 燈 相 蕪 ご は 眞 如、 本 豊 二 者 の薫 習 な る が、 禮 相 は 常 に 不 離 な る が 故 に 今 合 し て } こ す る。 ( 二 ) 用 黒 ご は 騰 相 二 大 よ り 外 的 に 登 動 す る 業 用 な る が 故 に 今 こ れ を 別 立 す る 。 本 畳 は 法 爾 こ し て ( 一 ) 大 智 慧 光 明、 ( 二 )遍 照 法 界、 (三 )眞 實 識 知、 ( 四 )自 性 清 深 心、 ( 五 ) 常 樂 我 浮、 ( 六 ) 清 涼 不 攣 自 在 な る 六 種 盤 義 の 徳 を 有 す る 。 こ の 六 義、 開 か ば 十 七 義 こ な り 二 十 五 義 こ な り、 乃 至 恒 沙 の 萬 徳 こ な る 。 こ の 本 畳 の 膿 性 は か の 不 生 不 滅 に し て 周 遍 挙 等 な る 眞 如 で あ り、 眞 如、 本 畳 の 二 者 は 萬 善 萬 徳 の 結 品 で あ る。 二 者 を も し 佛 陀 義 に つ い て い は ゴ す な は ち 次 で の 如 本 蜀 と 中無 明 と の 交 渉 九
本 箆 ご 無 明 こ の 交 渉 一○ く 理 法 身 ご 智 法 身 ご で あ る 。 現 智 二 法 身 は 無 明 に 薫 せ ら れ て 光 り を 没 す る も、 無 明 に 封 し 無 漏 清 浮 の 性 徳 を も つ て、 冥 厚 裡 に た ぬ す 蕪 習 す る、 こ れ を 自 騰 相 露 こ い ふ の で あ る 。 自 禮 相 の 用 た る 報 懸 二 身 は、 衆 生 界 の 封 象 本 電 こ な つ て、 紳 通 光 明 を 現 じ 説 法 敷 化 し て 登 心 修 行 せ し め る、 こ れ を 用 重 鋤こ い ふ の で あ る。 故 に 第 一 の 自 禮 相 薫 は 内 的 露 習 で あ り、 第 二 の 用 薫 は 外 的 蕪 習 で あ る 。 こ の 内 外 爾 面 の 蕪 習 に よ り、 根 本 無 明 は 長 夜 の 夢 さ め、 は じ め て 職 求 心 を お こ し、 本 畳 の 光 り を あ こ が る、 に い た る の で あ る 。 本 畳 は 無 明 の 要 求 に 癒 じ て 満 足 せ し む る た め に、 唯 一 侶 俘 こ し て 正 し く 指 遵 す る 始 畳 智 て ふ 一 鑑 力 を 與 ふ る、 こ れ が 始 勲 の 起 因 で あ る。 始 重 崩ご は こ の な か ゾ ま た 憲 識 蕪 ご 意 蕪 ご に 二 勢 さ れ る。 意 識 薫 ご は か の 本 蕪 の 分 化 た る 始 畳 智 に よ る が 故 に 信 前 邪 定 聚 の 凡 夫 は 進 ん で 十 信 位 に 入 り、 ま た 十 信 位 よ 参 三 賢 位 に 進 み う る。 こ の 地 前 四 十 心 位 の 凡 夫 は 我 執 相 癒 の 第 六 意 識 に お い て、 か の 始 畳 智 を も つ て そ の 所 樹 た る 執 取、 計 名、 起 業、 業 繋 苦 の 四 麓 す な は ち 異 滅 の 二 相 を 蕪 習 し て こ れ を 漸 す る を い ふ の で あ る 。 次 に 意 蕪 と は 第 七 末 那 識 に お け る 始 畳 智 の 薫 習 力 な る が、 繹 論 に あ つ て は 末 那 識 に 大 小 の 二 種 を 介 け る。 小 の 末 那 ご は 常 の 第 七 識 す な は ち 智 相 々 懸 の 識 で あ り、 大 の 末 那 ご は 相 績 相 々 癒 の 第 六 意 識 の 内 面 よ り 遡 つ て、 智 相 々 磨 の 第 七 識、 三 細 相 慮 の 第 入 識、 お よ び 根 本 無 明 な る 十 一 法 ( 根 本 無 明 を 除 き、 三 細 及 び 智 相、 相 績 の 五 つ に は 本 畳 よ り 來 る 紳 解 識 ご、 無 明 よ り 來 る 暗 鈍 相 こ の 義 を 具 す る が 故 に 十 法 こ な り、 こ れ に 無 明
を 加 へ て 十 一 法 こ な る ) を 一 括 せ し め だ る を い ひ、 十 地 の 菩 薩 が ま さ し く 眞 如 に ふ れ し 始 畳 智 を も つ て、 下 は 相 績 相 よ り 次 第 に 噺 じ ゆ き、 始 蝿 智 の 極 紀 る 佛 果 に 至 つ て 根 本 無 明 を 漸 じ、 こへ に お い て 大 浬 繋 を 成 就 す る 。 津 法 能 蕪、 無 明 所 蕪 の 大 要 か く の 如 く で あ る。
三
お よ そ 迷 心 を さ す 無 明 て ふ 名 聡 は 佛 教 全 般 に 通 す る も、 意 義 に 至 つ て は 淺 深 重 々 で あ る。 な か ん つ く 起 信、 繹 論 に い ふ 根 本 無 明 は、 菩 提 心 論 に い ふ 無 始 間 隔、 大 日 経 に い ふ 微 細 妄 執 ご 義 を 同 じ ふ せ る 法 性 同 膿 の 惑 で あ る 。 羅 論 第 五 に い は く ﹁ 根 本 無 明 は 甚 深 廣 大 な り、 能 く 過 ぐ る 者 な き が 故 に ﹂ ご 。 慈 行 こ れ を ﹁ 眞 に 附 い て 生 す る が 故 に 甚 深 ご 云 ひ、 眞 に 同 じ て 無 際 な る が 故 に 廣 大 ご 云 ふ ﹂ ご 繹 し て ゐ る 。 し か ら ば 根 本 無 明 は い か に し て 起 る か ご い ふ に、 逸 信 論 に小
手
御
大
壷
碑
茅
煮
識
本 覧 と 無 明 と の 交 渉 一一太 畳 巴 無 明 と の 交 渉 一 二 不 如 實 知 眞 如 法 一 故 不 畳 心 起 而 有 其 念 こ い へ る が、 こ れ は 繹 論 の こ、 ろ よ り し て は 門, 實 知 ご 眞 如 ご 法 こ の に 不 如 な る が 故 に、 不 畳 の 心 起 し て 而 も 其 の 念 あ り ﹂ ご 訓 す べ き で あ る 。 い は ゆ る 本 畳 一 味 の 叡 智 を 實 知 こ い ひ、 實 知 が 謹 す る 一 實 季 等 の 眞 理 を 眞 如 こ い ひ、 實 知 ご 眞 理 こ の 所 依 た る 如 來 藏 一 法 界 心 を 法 こ い ひ、 す な は ち 理、 智 一 心 の 三 法 で あ る 。 こ れ を 明 鏡 に た こ ふ れ ば 實 知 は 明 相 の 如 く、 眞 理 は 堅 質 の 如 く、 一 心 は 鏡 膿 の 如 く で あ る 。 故 に 本 畳 は 眞 如 を 離 れ す、 本 畳 ご 眞 如 ご は 心 を 離 れ な い、 い は ゆ る こ れ 本 禮 の 三 面、 眞 理 の 三 相 で あ る 。 衆 生 は 無 始 以 來 こ の 三 相 に 迷 ふ が 故 に、 こ れ よ り 縁 起 す る 眼 前 の 萬 有 に 蜀 し て 眞 相 の わ か る は す が な い 。 か く て 衆 生 は 本 髄 に も 迷 ひ 現 象 に も 迷 ひ、 何 れ より 見 る も 生 死 界 の 迷 人 た る こ ご は 動 か な い 。 迷 人 が 有 す る 迷 心 の 内 容 は 麓 細 淺 深 重 々 な る が、 こ れ ら 迷 心 の 源 こ し て の 最 極 微 細 な る 自 膿 を 根 本 無 明 ざ い ふ の で あ る 。 根 本 無 明 に 燈 用 の 二 義 が あ る。 盤 さ は 不 畳 暗 鈍 の 性 を い ひ、 用 ご は こ れ に ま た 通 別 の 二 義 が あ る、 い は ゆ る 諸 惑 能 生 の カ が 涌 用 で あ り、 不 如 が 別 用 で あ る 。 不 如 ご は 違 逆、 反 抗、 誤 認 の 義 で あ る。 た こ へ ば こ、 に 人 あ り 東 國 に ゆ く こ ご を 欲 し な が ら、 誤 つ て 西 國 の 道 を ご る に お い て は、 そ の 経 過 す る 山 河 草 木 等 は す べ て 誤 想 の 境 界 こ な る、 こ の 誤 想 は 東 西 を 賀 く 道 に 即 し て 相 離 れ な い o も し も ど よ り そ の 道 が な い な ら ば、 か、 る 誤 想 の 生 じ や う な き が 如 く、 か く の 如 く 本 來 理、 智、 囲 心 の 三 法 だ る 所
迷 の 境 あ る が 故 に、 こ れ に よ つ て 不 如 の 別 用 が お こ る の で あ り、 別 用 は も こ よ り 三 法 に 即 し て 相 離 れ な い 。 別 用 あ る こ ご に よ つ て 無 明 の 自 膿 が 存 立 し、 自 騰 が 存 立 す る こ ご に よ つ て 諸 惑 能 生 の 題 用 が 生 す る、 こ の 別 用 ご 自 膿 ご 通 用 と が 同 時 な る こ ざ い ふ ま で も な い 。 所 詮、 根 本 無 陽 が 無 始 以 來 一 心 の 本 源 に 迷 ふ て ふ こ ご を 考 ふ る に、 こ の 蕩 合、 能 迷 も 所 迷 も こ も に 一 心 に 外 な ら ざ る が 故 に、 所 詮 自 心 が 自 心 に 迷 ひ、 自 己 が 白 己 に 迷 ふ こ ご で あ る。 故 に 所 迷 の 自 己 を 離 れ て は 能 迷 の 自 己 が な く、 能 迷 の 自 己 を 離 れ て は 所 迷 の 自 己 が な い。 か く て 自 己 は 全 く 一 つ か と 見 れ ば 而 も 二 つ で あり、 本 來 二 つ か ご 見 れ ば 而 も 一 つ で あ る 。 所 迷 の 自 己 は 宇 宙 大 の 大 我 法 身、 萬 徳 荘 嚴 の 全 膿 で あ り、 能 迷 の 自 己 は 罪 悪 の 根 源、 生 死 の 圭 禮 で あ る 。 し か る に、 大 我 法 身 を 開 顯 し、 ま だ よ く こ れ を 謹 明 す る も の は 能 迷 の 自 己 を お い て 他 に 求 む べ き が な い か ら、 こ の 意 味 に お い て は、 所 迷 の 自 己 が わ ざ ご 能 迷 の 自 己 を つ く り い だ し た も の と も 考 へ ら れ る 。 そ れ は か の 大 日 法 身 が 自 心 よ り 金 剛 薩 唾 な る 春 薦 を 流 出 し て 主 件 因 果, の 二 聖 樹 立 し、 こへ に は じ め て 自 受 法 樂 の 説 法 が 行 は れ、 性 海 果 分 の 眞 相 が 登 揮 さ るへ ご 同 理 で あ り、 根 本 無 明 の 甚 深 な る ゆ ゑ ん こ、 に あ る 。 鐸 論 第 四 に 明 か す 六 無 明、 十 佳 地 の 羅 は こ の 見 地 に 立 つ も の で あ る 。 朋、 閣、 倶 是、 倶 非、 室、 具 足 こ れ が 六 無 明 で あ る 。 ( 一 ) 明 の 無 明 ご は、 無 明 は 本 來 法 牲 の 源 底 に 存 在 す る が 故 に、 法 性 の 源 底 を 知 る に 非 ざ れ ば そ れ の 噺 じ や う が な い 。 し か し て こ は ひ と り 佛 知 見 の 本 畳 と 無 明 と の 交 渉 一 三
取 畳 ゑ 無 明 と の 交 渉 一 四 み の よ く す る こ こ ろ で あ り、 程 論 決 澤 の ﹁ 根 本 無 明 佛 果 噺 ﹂ の 成 立 は こ、 に 立 脚 す る。 叉 無 明 は 法 性 同 膿 の 惑 な る が 故 に、 用 は 可 噺 な る も 膿 は 不 可 断 な り こ の ﹁ 根 本 無 明 自 腔 断 ﹂ の 成 立 も 意 義 深 い も の が あ る 。 要 す る に、 無 明 を 漸 す る こ い ふ は 無 明 即 明 ご 知 る こ ざ で あ り、 無 明 即 明 ご 知 る ご き に、 不 如 の 別 用 お よ び 諸 惑 能 生 の 通 用 が、 か へ つ て 萬 徳 能 生 の 用 こ な る。 佛 智 見 に 映 す る 無 明 は か く の 如 く 直 ち に 明 な り こ い ふ の で あ る。 ( 二 ) 闇 の 無 明 ご は、 無 明 は 佛 智 見 の 前 に は 常 に 明 な る も、 迷 者 の 前 に は 永 へ に 不 畳 暗 鈍 の 渦 源 な る を い ひ、 ( 三 )倶 是 の 無 明 ご は、 一 法 に 即 し て か、 る 明 闇 の 二 義 を 具 す る を い ひ、 ( 四 ) 倶 非 の 無 明 ご は、 明 闇 の 二 義 を 具 し て 決 定 せ ざ る が 故 に、 從 つ て お の つ か ら 非 明 非 闇 な る べ き を い ひ、 ( 五 )塞 の 無 明 ご は、 す で に 倶 非 な る が 故 に 無 自 性 塞 な る を い ひ、 ( 六 ) 具 足 の 無 明 ご は、 前 の 五 義 を 具 す る が 故 に 生 死 浬 繋 の 源 ざ な り、 清 濁 併 せ 呑 む で 具 徳 廣 大 な る を い ふ の で あ る o 次 に 十 佳 地 ご は ( 二 ) 闇 の 無 明 に つ い て 十 種 の 能 力 慣 値 を 見 い だ す も の な る も、 繁 を お そ る、 が 故 に 省 暑 す る 。 復 禮 い は く ﹁ 眞 法 性 本 よ り 浮 し、 妄 念 何 に 由 て か 起 る ﹂ ご 。 澄 観 こ れ を 通 繹 し て い は く ﹁ 眞 に 迷 ふ て 妄 念 生 す ﹂ ご 。 案 す る に、 か の 疑 問 の 根 底 に は 左 の 二 項 を 有 す る 。 一、 一 心 の 本 性 は 樹 性 清 浮 な る こ ご 。 二、 故 に 眞 は 前 に し て 妄 は 後 だ る こ ご 。
し か る に、 心 性 の 清 澤 な る こ こ は 何 に よ つ て み ど め ら る、 か ご い ふ に、 も し 心 性 以 外 に 何 も の も な け れ ば 清 浮 こ い ひ 不 清 浄 ざ い ふ が 如 き 見 分 け が つ か な い は す で あ る。 す で に 清 浄 の 心 性 が 存 す る に お い て は 同 時 に 不 清 浄 の 無 明 が 存 し な く て は な ら 漁。 從 つ て 眞 前 妄 後 の 見 解 は 無 意 義 こ な り、 ﹁ 何 に 由 て か 起 る ﹂ の 起 時 が あ る べ き で な い、 疑 問 の 根 底 に か、 る 誤 ま り あ る を 見 な け れ ば な ら あ 。 澄 観 は け だ し 眞 妄 同 時 の 見 地 よ り 通 繹 せ し も の な ら む も、 し か し、 何 故 に 眞 に 迷 ふ か は 依 然 こ し て 不 可 解 で あ る 圓 畳 経 に 無 明 生 鵡 の 相 を ﹁ 普 賢 汝 當 さ に 知 る ぺ し、 一 切 の 諸 の 衆 生 の 無 始 幻 の 無 明 は、 皆 諸 の 如 來 の 圓 畳 心 に よ つ て 建 立 す。 猶 し 虚 塞 華 の 室 に 依 て 相 あ る が 如 し ﹂ ご 説 い て あ る、 こ れ 無 明 無 始 本 有 の 實 義 で あ る。 喩 舐 経 大 勝 金 剛 品 に よ ら ば、 ご き に 奇 異 相 を 現 す る 一 障 者 が 忽 然 こ し て 會 瘍 に 現 じ た 。 來 虎 の 知 る べ き も の が な く、 會 傷 の 聖 衆 失 心 し て 酢 へ る が 如 く で あ り、 佛 は た ご 微 笑 し 玉 ふ て ゐ る 。 障 者 は 須 寅 に 憂 じ て、 金 剛 輪 を 足 下 に ふ み、 頂 上 に い た ゴ き、 胸 に 帯 し、 雨 手 に 持 し つ ㌧、 光 明 赫 変 た る 金 剛 薩 唾 の 相 を 現 じ た こ い ふ の で あ ウ。 宥 快 い 憾 ー 百 宗 の 意、 根 本 鉦 萌 を 以 て 金 剛 薩 唾 の 内 謹 法 門 ご 意 得 る な わ 二 云 ﹂ (糧 論 第 四 鈴 ) ご 。 根 本 無 明 は 性 宗 の 大 問 題 な る の み な ら す、 古 今 東 西 哲 學 上 の 大 問 題 で あ る 。
四
起 信 論 の 生 滅 門 下 に は 、 ま つ 如 來 藏 ご 阿 梨 耶 識 と の 關 係 を 示 し 、 次 に 阿 梨 耶 識 に 封 し て 、 本 覚 と 無 明 と の 交 渉 一 五鍛 開覚 と 無 明 ざ の 交 渉 一 六 此 の 識 に 二 種 の 義 あ り、 能 く 一 切 の 法 を 掻 し 一 切 の 法 を 生 す 。 云 何 ん が 二 つ こ す る、 一 つ に は 畳 義、 二 つ に は 不 畳 義 。 ざ い つ て あ る 。 阿 梨 耶 識 が 有 す る 畳 義 ご 不 畳 義 こ の 關 係 は 幽 遽 な る が 故 に、 賢 首 は 義 記 に お い て 豫 じ め 本 論 全 編 の 思 想 を 酌 む で 八 義 に 分 別 し、 義 豚 を 閾 明 せ し め む ご し て ゐ る が こ は 昧 ふ べ き 繹 な れ ば ま つ 圖 示 し の ち 説 明 に 移 る 。
妄
戒
事
蓮
他
順
自
順 自-成 二 妄 心 一 蓮 他 -覆 二 眞 理 一違
自
順
他
順 他 -能 知 二名 義 一成 二 浮 用 蓮 自-翻 封 詮 三 不 性 功 徳 一眞
随
縁
違
他
順
自
順 自 -内 薫 二 無 明 齢 起 二 澤 用 一 違 他-翻 二 封 妄 梁 一顯 二 自 徳 一違
自
順
他
順 他 -顯 二 現 妄 法 一 違 薗 -隙 二 自 眞 燈 一枝
末
不
畳
根
本
不
昼
始
畳
本
畳
一 心 ・ 眞
不
随
憂
縁
妄無
禮
即
塞
有
用
成
事
生
滅
門
眞
如
門
一 心 ご は、 二 門 総 括 の 一 心 す な は ち 絶 待 一 心 た る は 前 述 の 如 く で あ る 。 抑 も 宇 宙 萬 有 の 本 質 は、 大 い に 眞 如 ご 無 明 ご に 分 ち う る。 こ れ 本 迷、 本 悟 の 二 義 に し て、 そ の 關 係 は 二 而 不 二 で あ る。 し ば ら く 義 分 し て 考 ふ る に、 眞 如 に 不 憂、 随 縁 の 二 義 が あ り、 無 明 に も 無 膿 即 室、 有 用 成 事 の 二 義 が あ る 。 眞 如 の 二 義 を い はべ 問、 不 攣 ご 随 縁 ご は 二 律 背 反 し て、 爾 立 す ぺ く も な い。 何 こ な れ ば 不 攣 な ら ば 随 縁 せ ざ る べ く 随 縁 せ ば 不 獲 な ら ざ る か ら で あ る。 答、 明 鏡 は 本 來 透 明 な る も、 外 縁 に 随 つ て 浄 薇 美 醜 昌等 の 像 を 現 す る 。 本 來 の 透 明 騰 は い か な る 場 合 に も 増 減 憂 化 せ ざ る が 故 に、 縁 に 随 つ て す べ て の 像 を 中自 在 に 現 じ う る 。 も し 一 時 的 の 透 明 膿 な ら ば、 像 を 自 在 に 映 す ご い ふ 芝 が な り 立 た な い 。 明 鏡 が 随 縁 し て 美 な る も の 浄 な る も の を 映 す も 明 潭 の 度 が 増 す の で も な く、 醜 な る も の 稼 な る も の を 映 す も 明 浄 の 度 が 減 す る の で も な い 。 美 津 來 ら ば 美 浮 を 映 じ、 醜 磯 來 ら ば 醜 機 を 映 す ご こ ろ に そ の 公 季 無 私 に し て 常 住 不 憂 な る 義 な り た つ が 如 く、 眞 如 の 不 憂、 随 縁 二 義 の 關 係 も ま た こ れ に 同 じ い 。 不 憂 の 義 が 成 立 す る は 随 縁 の 義 あ る に よ つ てべ あ り、 随 縁 の 義 が 成 立 す る は 不 愛 の 義 あ る に よ つ て べ あ り、 二 義 相 本 豊 ご 無 明 と の 交 渉 二 七本 資 と 無 明 と の 交 渉 一 八 ま つ て 眞 面 目 が 知 ら れ る わ け で あ る 。 無 明 が 有 す る 二 義 ご は、 根 本 無 明 は 不 畳 闇 鈍 の 髄 な る が、 但 し、 か 見 る は 衆 生 邊 よ り い ふ こ ご で あ り、 佛 邊 よ り 見 れ ば 智 慧 光 明 の 騰 で あ り、 そ し て 佛 蓬 の 見 地 よ り は 衆 生 邊 の 所 見 だ る 闇 鈍 腱 は 存 在 し な い こ ごへ な る、 こ れ そ の 第 一 に 無 禮 即 塞 の 義 あ る ゆ ゑ ん で あ る 。 し か る に 衆 生 邊 よ り い はべ、 こ は 迷 界 の 唯 一 原 因 こ し て 百 般 の 事 物 こ れ よ り 現 出 す る 事 實 を み さ め な け れ ば な ら 蹟、 こ れ そ の 第 二 に 有 用 成 事 の 義 あ る ゆ ゑ ん で あ る 。 以 上 に よ り、 眞 妄 の 二 法 に 各 よ 二 義 を 具 す る 意 味 が 知 ら れ る の で あ る。 し か る に 眞 如 の 不 愛 ご、 無 明 の 無 髄 即 塞 こ こ の 二 義 が 一 團 こ な つ て、 こ、 に 一 心 の 孚 面 に 眞 諦 不 動 門 の 天 地 た る 眞 如 門 が 成 立 し ま た 眞 如 の 随 縁 ど、 無 明 の 有 用 成 事 ご、 こ の 二 義 が 融 合 し て、 こ、 に 一 心 の 孚 面 に 俗 諦 動 轄 門 の 天 地 た る 生 滅 門 が 成 立 す る ゆ ゑ ん で あ る 。 而 し て 眞 如 の 随 縁 ご 無 明 の 成 事 ご に 各 三 違 自 順 他、 違 他 順 自 の 二 義 を 有 す る、 こ は 眞 如、 無 明 が 有 す る 自 己 犠 牲 性 ご 自 己 保 存 性 ご で あ る 。 眞 妄 各 こ 二 義 を 有 す る を も つ て 四 義 こ な り 〇 四 義 各 こ 二 義 を 有 す る を も つ て 八 義 こ な る 。 眞 如 の 違 自 を ﹁ 隠 自 眞 農 ﹂ ご い ひ、 順 他 を ﹁ 顯 現 妄 法 ﹂ こ い ふ ゆ ゑ ん は、 眞 如 は 無 明 に 蕪 せ ら れ て 三 細 相 懸 の 第 入 識 こ な り、 そ の な か に、 己 が 自 鵬 を か く し て 存 在 を く ら ま す が ﹁ 隠 自 眞 盤 ﹂ で あ り、 か く て 三 細 の 濁 流 に あ つ て 相 共 に 六 麓 の 濁 波 を あ ぐ る が ﹁ 顯 現 妄 法 ﹂ で あ る。 ま た そ の 違 他 を ﹁ 翻 野 妄 染
顯 自 徳 ﹂ こ い ひ、 順 自 を ﹁ 内 蕪 無 明 起 浮 用 ﹂ こ い ふ ゆ ゑ ん は、 お よ そ 眞 如 ご 無 明 ご は 封 立 す る、 故 に 無 明 の 不 昼 暗 鈍 な る に 封 し て 眞 如 は 大 智 慧 光 明 燈 で あ る 。 ま た 無 明 の 所 見 の 制 限 的 な る に 封 し て 眞 如 は 遍 照 法 界 膿 で あ る 。 ま だ 無 明 の 諸 法 を 誤 認 す る に 封 し て 眞 如 は 眞 實 識 知 膿 で あ る o ま た 無 明 の 無 自 性 に し て 染 汚 な る に 封 し て 眞 如 は 自 性 清 澤 心 鰹 で あ る。 ま た 無 明 の 無 常、 不 安、 拘 束、 不 澤 性 な る に 封 し て 眞 如 は 常 樂 我 浮 燈 で あ る。 ま た 無 明 の 熱 幡、 衰 愛、 不 自 在 な る に 墨 し て 眞 如 は 清 凍 不 鍵 自 在 禮 で あ る。 乃 至 無 明 が 恒 沙 の 過 失 に み つ る に 樹 し て 眞 如 は 恒 沙 の 性 徳 に み つ る。 眞 如 に か、 る 無 漏 の 性 徳 を 具 す る が 故 に、 無 明 ご 和 合 す る も 任 運 に よ く こ れ を 蕪 じ て 制 伏 し、 つ い に は 己 が 性 徳 を 顯 現 せ し め す し て は や ま な い、 こ れ を ﹁ 翻 封 妄 梁 顯 自 徳 ﹂ ご い ふ の で あ る 。 妄 染 に 翻 封 し て 自 徳 を 顯 は さ ん が た め に は、 か の 自 禮 相 蕪 ご 用 薫 こ の 内 外 雨 面 よ り 無 明 を 蕪 じ て、 そ れ に 厭 求 心 な る 澤 用 を お こ さ し め な け れ ば な ら 論。 こ の 無 明 の 浮 用 は 眞 如 よ り 來 る の で あ る か ら そ は す な は ち 眞 如 順 自 の 用 に ほ か な ら 沁、 し か る に 今 は 内 蕪 を あ げ 外 蕪 を か ね て ﹁ 内 薫 無 明 起 浄 用 ﹂ こ い つ た も の で あ る 。 無 明 は 違 自 を ﹁ 翻 封 詮 示 性 功 徳 ﹂ い ひ、 順 他 を ﹁ 能 知 名 義 成 浮 用 ﹂ こ い ふ 。 無 明 は 眞 如 の 順 自 の 用 に よ つ て 眞 如 に 蹄 順 し、 つ い に 眞 如 の 性 徳 を 顯 現 す る に お よ ん で 同 時 に 自 己 の 存 在 を 失 ふ に い た る こ れ そ の 違 自 な る ゆ ゑ ん で あ る。 無 明 が 眞 如 に 露 順 す る こ ご に よ り、 師 友 に あ ひ 法 門 名 義 を 理 解 し て 向 上 す る、 こ れ そ の 順 他 な る ゆ ゑ ん で あ る。 叉 そ の 違 他 の 用 を ﹁ 覆 眞 理 ﹂ こ い ひ、 順 自 の 用 を ﹁ 成 妄 本 箆 と 無 明 と の 交 渉 一 九
本 畳 ご 無 明 と の 交 渉 二 〇 心 ﹂ こ い ふ、 置 如 は 湛 然 李 等 な る と 二 味 の 水 の 如 く な る も、 無 明 は 本 來 散 動 す る こ ご 風 の 如 く で あ る 無 明 の 風 が 心 水 を 囁 凱 す る を ﹁ 覆 眞 理 ﹂ こ い ひ、 眞 如 ご 合 し て 無 量 の 妄 境 を 現 す る を ﹁ 成 妄 心 ﹂ こ い ふ の で あ る 。 以 上 は 眞 妄 八 義 の 大 要 で あ る。 以 下 こ れ に よ つ て 生 滅 門 の 二 畳、 二 不 畳 が 成 立 す る ゆ ゑ ん を い は ベ 眞 如 の 違 他 の 用 ご、 無 明 の 違 自 の 用 ご、 こ の 二 義 合 す る が 故 に そ こ に 恒 沙 の 性 徳 に み つ る 本 畳 が 成 立 し、 眞 如 の 順 自 の 用 ご、 無 明 の 順 他 の 用 ご、 こ の 二 義 合 す る が 故 に そ こ に 向 上 のてあ あ る 始 昼 が 成 立 し ま た 眞 如 の 違 自 の 用 ご、 無 明 の 違 他 の 用 巴、 こ の 義 合 す る が 故 に そ こ に 煩 幡 の 源 把 る 根 本 不 豊 が 成 立 し、 眞 如 の 順 他 の 用 ご、 無 明 の 順 自 の 用 ご、 こ の 二 義 合 す る が 故 に そ こ に 三 細 六 麓 の 枝 末 不 畳 が 成 立 す る。 か く て 畳 義 は 本 始 二 畳 に 分 れ、 不 昼 義 は ま た 本 末 の 二 不 畳 に 分 れ る。 し か る に 始 畳 は 本 畳 の 用 な る が 故 に、 撮 用 脇 羅 瞠 せ ば 一 本 畳 こ な り、 枝 末 不 畳 は 根 本 不 囎覧 の 相 な る が 故 に、 擁 相 蹄 性 せ ば 一 不 畳 こ な る。 一 本 畳 ご 一 不 昼 ざ 融 合 し て 非 一 非 異 な る が 故 に 一 種 の 阿 梨 耶 識 こ な る。 こ の 阿 環 耶 識 は 現 象 世 界 だ る 生 滅 門 の 全 髄 で あ り 、 こ の 阿 梨 耶 識 の 本 質 が す な は ち 如 來 藏 で あ る 。 五 す で に 述 ぺ し が 如 く 、 本 有 の 佛 性 に は 鴨 相 、 用 三 大 の 義 が あ る 。 そ の 禮 は 不 生 不 滅 の 眞 如 で あ り そ の 相 は 萬 徳 輪 圓 の 本 畳 で あ る 。 も し こ れ を 人 に 約 し て い はへ 、 眞 如 は 理 法 身 で あ り 、 本 畳 は 智 法 身
で あ ろ 。 ま た そ の 用 は 理 智 二 法 身 よ り 現 す る 報 癒 二 身 で あ り、 か く て 佛 性 に 三 身 具 足 す る ゆ ゑ ん で あ る。 大 昭 経 よ り い は ゴ、 法 身 ご は 能 現 の 本 地 毘 盧 遮 那 で あ り、 報 癒 二 身 ご は 垂 跡 加 持 の 蝕 三 身 (受 用 鍵 化、 等 流 ) で あ る。 而 し て 眞 言 行 者 の 佛 身 威 見 に つ い て 同 疏 に は、 ま つ は じ め に は 加 持 身 を 戚 見 し 次 に は 本 地 身 を 戚 見 し、 の ち に は 行 者 の 李 等 智 身 を 戚 見 す る て ふ 三 重 の 次 第 を 示 し て あ る 。 い は ゆ る 淺 よ り 深 に 入り 麓 よ り 細 に す、 む で、 實 の 如 く 自 己 身 心 の 源 底 を 誰 梧 す る こ ご で あ る。 趨 信、 繹 論 等 の 説 に よ ら ば、 三 賢 位 の 菩 薩 に は 定 散 の 二 位 が あ る 。 定 位 ご は 第 入 識 に よ り 眞 如 観 に 入 つ て 萬 法 唯 心 の 理 を 観 す る を い ひ、 散 位 ご は 出 定 し て 俗 境 を 縁 じ 心 や、 散 飢 す る を い ひ、 そ し て こ の 位 に は 心 外 に 事 法 を 分 別 す る 第 六 意 識 に よ る か ら で あ る 。 こ の 散 位 お よ び 十 信、 二 乗、 邪 定 の 凡 夫 は こ の 識 を も つ て 心 外 に 法 を み こ め、 法 外 に 我 を み こ め、 未 だ か つ て 萬 法 唯 心 の 實 義 を 知 ら ざ る も の で あ b、 こ の 外 緑 の 第 六 識 に よ つ て 有 限 的 な る 三 十 二 相 の 癒 佛 を 戚 見 す る の み で あ る 〇 三 賢 の 定 位 お よ び 十 地 の 聖 者 は、 第 入 識 に よ つ て 自 心 中 に 贋 大 の 報 佛 を 戚 見 す 惹 。 三 賢 定 位 の 所 見 は な ほ 不 鮮 朋 な る も、 十 地 の 所 見 は 鮮 明 で あ る 。 細 論 す れ ば、 三 賢 位 に も 三 十 重 の 淺 深 あ る べ く、 十 地 に も 十 重 の 淺 深 あ る べ き で あ る。 す な は ち 初 地 は 百 葉、 第 二 地 は 千 葉、 第 三 地 は 萬 葉、 乃 至 第 十 地 は 不 可 説 々 々 々 葉 嘉 上 の 報 佛 を 見 る こ ご こ れ で あ る 。 一 葉 ご は 百 億 國 だ る 三 千 大 千 世 界 の 量 を い ふ の で あ り、 百 葉 藁 上 の 報 佛 ご は 百 の 三 千 大 千 世 界 を そ の 敷 化 範 園 こ な し て、 中 心 に 安 坐 す る こ ご で あ る か ら、 廣 大 な る 太 冨 覚 と 虹 崩明 ざ の 交 渉 二 一
本 畳う 無 明 ぐ の 交 渉 哺 二二 こ ご ほべ こ れ に よ つ て 知 る べ き で あ る。 第 八 識 の 内 容 に 業、 轄、 現 の 三 つ あ り て、 能 縁 能 見 の 主 騰 は 韓 識 な る が 故 に、 起 信 論 に 佛 身 は す べ て 韓 識 の 所 現 こ い へ る が、 二 乗 凡 夫 等 は こ の 理 を 知 ら な い か ら 有 限 の 慮 身 を 見 る の で あ る 。 し か る に 無 漏 の 佛 身 が 何 故 に 有 漏 の 韓 識 よ り 現 す べ き か に つざ 賢 首 は 起 信 義 記 に 七 重 の 問 答 を 設 け て つ ぶ さ に 生 佛 一 如 の 義 を 登 揮 し て ゐ る、 こ れ は 拙 著 ﹁ 眞 言 密 敷 の 本 質 ﹂ 中 ( 三 二六 ) に す で に 詳 論 せ し が 故 に 今 は 客 す る。 繹 摩 訂 術 論 は 千 古 の 偉 聖 た る わ が 宗 租 弘 法 大 師 を し て 異 常 に 共 鳴 せ し め た り し だ け あ つ て、 さ す が に 深 遠 に し て 凡 慮 の 推 測 を 許 さ ざ る 所 の 大 い な る 擢 威 に 充 ち て ゐ る も の が あ る。 抑 こ 本 論 一 部 の 根 本 義 た る や、 宇 宙 萬 有 の 本 髄 た る 最 高 實 在 を ば、 即 ち 衆 生 本 具 の 一 心 な り ご 定 め 而 し て こ の 一 心 を ば 静 的 不 憂 の 一 面 ご、 動 的 随 繰 の 一 面 こ の 爾 面、 即 ち 次 で の 如 く 眞 如 生 滅 の 二 門 に 開 い て、 も つ て、 衆 生 を し て 眞 如 生 滅 不 二 の 一 心 の 本 源 を 悟 ら し め む ご す る に 存 す る 。 こ の 中 眞 如 門 よ り 見 た る 宇 宙 は、 讐 へ ば 大 海 萬 甦 の 波 瀾 が さ な が ら 一 味 灘 性 不 憂 の 水 な る が 如 く に、 迷 悟 十 界 の 淺 深 差 別 相 が、 そ の ま、 一 味 孕 等 の 眞 如 牲 で あ る 。 云 云 八眞 言 密 激 の 本 質、 二 三 五 頁 )