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数理モデル構築と予測に関する研究

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(1)

厚生労働科学研究委託費(新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業)

業務報告書(業務項目)

数理モデル構築と予測に関する研究

担当責任者    筒井  俊之 

(独)農研機構動物衛生研究所  ウイルス・疫学研究領域長

研究要旨

  感染症の集団内での動態を解析する手法の一つに数理モデルがあり、

集団を感染ステージなどを考慮した小集団に区分し、時間経過に伴う集 団間の個体の遷移を微分方程式などで表現することで解析する。本研究 では、2014 年から西アフリカ地域で大規模な流行を起こしたエボラ出 血熱について、同病の特性を踏まえた数理モデルを構築し、感染拡大状 況を予測するとともに、この結果を公表データと比較した。また、構築 したモデルを用いて、感染者の隔離を例に、対策の有効性の評価を試み た。ギニア、リベリア、シエラレオネの3か国を均一な集団と仮定し、

発生後の本病の感染拡大を再現したところ、公表されている感染者数及 び死亡者数のデータとよく一致した。この結果、1人の感染者が一世代 の間に新たに感染させる感染者数を示す基本再生産数R0は1.32と推定 され、既報と同程度の値となった。また、現在の西アフリカ地域では、

発症者の隔離までに約5.2日かかっていると推定された。構築した数理 モデルから、R0と隔離までの日数について検討したところ、隔離までの 日数が3.4日未満であれば、大規模な感染拡大は起こらないと推定され た。このことから、流行地域での医療体制の強化等により、現在の隔離 までの日数を大きく短縮できれば、流行の沈静化が十分可能であること も示唆された。一方、モデルによる予測の結果は、最近の流行データに 対しては過大な結果を示しており、最近の国際的な対策の強化により、

流行地域での感染拡大が鈍化しつつあると考えられた。本研究の結果か ら、感染症の流行の解析に数理モデルが有効であること、モデルを用い た対策の検討など、広範な応用が可能であることが改めて確認された。

今後、公衆衛生及び獣医衛生の様々な疾病に対して、本手法が応用でき ることが期待される。

(2)

A.研究目的   感染症の

る手法の一つとして、対象となる集団を 感染ステージなどに応じて

に分け、

移率を数式で表現

る手法がある。実際に流行している伝染 病に対する

モデル

ローチを検討するため、

西アフリカ地域 ボラ出血熱

と作成したモデルを用いた感染拡大及び 対策の有効性の予測を試みた。

B.研究方法 B-1. 

  西アフリカ地域での 行状況につ

されて数字などをとりまとめ、

きに

A.研究目的

感染症の集団内における

る手法の一つとして、対象となる集団を 感染ステージなどに応じて

に分け、それらの小集団の間の 率を数式で表現

る手法がある。実際に流行している伝染 に対する同手法の適用可能性の検証と、

モデルから有用な情報を得るためのアプ ローチを検討するため、

西アフリカ地域 ボラ出血熱について、

と作成したモデルを用いた感染拡大及び 対策の有効性の予測を試みた。

B.研究方法

  流行状況に関する 西アフリカ地域での 行状況については、各国 されて数字などをとりまとめ、

きにインターネットで公表されている。

図1.  コンパートメント

集団内における

る手法の一つとして、対象となる集団を 感染ステージなどに応じて

それらの小集団の間の 率を数式で表現した数理モデル る手法がある。実際に流行している伝染

同手法の適用可能性の検証と、

有用な情報を得るためのアプ ローチを検討するため、2014

西アフリカ地域で感染が拡大しているエ について、数理モデルの構築 と作成したモデルを用いた感染拡大及び 対策の有効性の予測を試みた。

流行状況に関するデータ

西アフリカ地域でのエボラ出血熱の流 いては、各国・

されて数字などをとりまとめ、

インターネットで公表されている。

コンパートメントモデルの概要 集団内における動態を解析す る手法の一つとして、対象となる集団を 感染ステージなどに応じて複数の小集団

それらの小集団の間の個体の 数理モデルを用い る手法がある。実際に流行している伝染

同手法の適用可能性の検証と、

有用な情報を得るためのアプ 2014年当初から 感染が拡大しているエ 数理モデルの構築 と作成したモデルを用いた感染拡大及び 対策の有効性の予測を試みた。

データ

エボラ出血熱の流

・機関から報告 されて数字などをとりまとめ、1〜数日お インターネットで公表されている。

モデルの概要 動態を解析す る手法の一つとして、対象となる集団を 複数の小集団 個体の遷 を用い る手法がある。実際に流行している伝染

同手法の適用可能性の検証と、

有用な情報を得るためのアプ 年当初から 感染が拡大しているエ 数理モデルの構築 と作成したモデルを用いた感染拡大及び

エボラ出血熱の流 報告 数日お インターネットで公表されている。

今回は

表データを元に整理された 該当ページに

主要な流行国であるギニア、リベリア シエラレオ

数及び死亡者数 これらの国における データ

B-2.

  今回のモデルでは、

を仮定せず、

定した。

ネにおける人口はそれぞれ 430

の流行が起こったと仮定した。

感染ステージについては

過後の感染者の多くが死亡することを考 慮 し 、

(Expos 症)、

モデルの概要

今回は WHO

表データを元に整理された

該当ページに掲載されている情報 主要な流行国であるギニア、リベリア シエラレオネの

数及び死亡者数 これらの国における データを参照した。

2.  数理モデル 今回のモデルでは、

を仮定せず、3

定した。ギニア、リベリア ネにおける人口はそれぞれ 430百万人、610

口 2,210 百万人の地域で、エボラ出血熱

の流行が起こったと仮定した。

感染ステージについては

過後の感染者の多くが死亡することを考 慮 し 、S(Susceptible

Exposed、潜伏感染)、 症)、D(Died、

WHO などの国際機関 表データを元に整理された

掲載されている情報 主要な流行国であるギニア、リベリア

ネの 3 か国における 数及び死亡者数の数値を用いた これらの国における人口は外務省

を参照した。

数理モデル

今回のモデルでは、地域 3か国全体を ギニア、リベリア ネにおける人口はそれぞれ

610百万人であるので、総人 百万人の地域で、エボラ出血熱 の流行が起こったと仮定した。

感染ステージについては

過後の感染者の多くが死亡することを考 Susceptible、 未 感 染

、潜伏感染)、

、死亡)及び

などの国際機関や各国の公 表データを元に整理された Wikipedia

掲載されている情報のうち、

主要な流行国であるギニア、リベリア か国における、感染者 の数値を用いた。また、

人口は外務省の

地域ごとの小集団 か国全体を一つの集団と仮 ギニア、リベリア、シエラレオ ネにおける人口はそれぞれ1,170百万人、

百万人であるので、総人 百万人の地域で、エボラ出血熱 の流行が起こったと仮定した。

感染ステージについては、潜伏期間経 過後の感染者の多くが死亡することを考

、 未 感 染 )

、潜伏感染)、I(Infected 及びR(Recovered

や各国の公 Wikipedia の

のうち、

主要な流行国であるギニア、リベリア、

、感染者 また、

の公表

ごとの小集団 一つの集団と仮

、シエラレオ 百万人、

百万人であるので、総人 百万人の地域で、エボラ出血熱

潜伏期間経 過後の感染者の多くが死亡することを考

)、E Infected、発 Recovered、

(3)

回復)

ト)

隔離されれば、その感染者からの感染拡 大が起こらないと仮定し、

非隔離

離発症者)に細分した。

うち、

公的機関等によって発見されず、統計数 値に計上されないと仮定し、

detected non-

た。したがって、モデルにおける 数が

とDd

に対応することとなる。

感染ステージ間の単位時間あたりの遷 移率は、文献値がある場合には

用い、

表データに最もあてはまるようになる を推定した

になる る率)

接触 すると 移する人数

で表すことができる。

感染者 源にも いる。

は 、

(Chowell, 2014 1/11.4

はR

間の推定値が

とされていることから、

発症者は

回復)の 5 つの

)に大きく分けた。

隔離されれば、その感染者からの感染拡 大が起こらないと仮定し、

非隔離発症者)と

離発症者)に細分した。

うち、隔離されずに死亡した感染者は、

公的機関等によって発見されず、統計数 値に計上されないと仮定し、

detected、 届 出 死 亡 者 -detected、非届

したがって、モデルにおける 数が公表データの死亡

dの合計頭数が に対応することとなる。

感染ステージ間の単位時間あたりの遷 率は、文献値がある場合には

用い、ない場合には

表データに最もあてはまるようになる を推定した(最尤推定)

になる率(新たに未発症の感染者が生じ 率)は、感染者

接触で新たに生じる感染者数を すると、単位時間あたりに 移する人数dSは、

で表すことができる。

感染者(Ih)と死亡者 源にも被感染者にも いる。また、E

は 、 潜 伏 期 間 の 推 定 値 が Chowell, 2014

1/11.4とし、Ifまたは R への遷移率 間の推定値が約

とされていることから、

発症者は遷移率

つの小集団(コンパートメン に大きく分けた。さら

隔離されれば、その感染者からの感染拡 大が起こらないと仮定し、I

)とIh(I hospitalized 離発症者)に細分した。また、

隔離されずに死亡した感染者は、

公的機関等によって発見されず、統計数 値に計上されないと仮定し、

届 出 死 亡 者

、非届出死亡者 したがって、モデルにおける

公表データの死亡者数に、また、

の合計頭数が公表データの感染者数 に対応することとなる。

感染ステージ間の単位時間あたりの遷 率は、文献値がある場合には

ない場合には、モデルの結果が公 表データに最もあてはまるようになる

(最尤推定)。例えば、

(新たに未発症の感染者が生じ 感染者1人と非感染者

で新たに生じる感染者数を

、単位時間あたりに は、

で表すことができる。ここで、

と死亡者(Dn

被感染者にもならないと仮定して EからIへの遷移

潜 伏 期 間 の 推 定 値 が

Chowell, 2014)とされていることから またはIhから

率(γ)は、感染性持続期 約10.0日(Chowell, 2014 とされていることから、1/10.0

遷移率τで隔離されることとし コンパートメン さらに、発症後に 隔離されれば、その感染者からの感染拡

IをI(f I free hospitalized、隔

また、死亡者の 隔離されずに死亡した感染者は、

公的機関等によって発見されず、統計数 値に計上されないと仮定し、DをDd

) と Dn( 出死亡者)に細分し したがって、モデルにおけるDdの頭

者数に、また、

データの感染者数

感染ステージ間の単位時間あたりの遷 率は、文献値がある場合にはその値を モデルの結果が公 表データに最もあてはまるようになる

例えば、Sが

(新たに未発症の感染者が生じ 非感染者1 人 で新たに生じる感染者数をβと仮定

、単位時間あたりにS からI に遷

ここで、隔離後の

n、Dd)は感染

らないと仮定して への遷移率(κ 潜 伏 期 間 の 推 定 値 が 約 11.4

されていることから からDd、Dnまた は、感染性持続期

Chowell, 2014 1/10.0 とした。

隔離されることとし コンパートメン

に、発症後に 隔離されれば、その感染者からの感染拡 I free、

、隔 死亡者の 隔離されずに死亡した感染者は、

公的機関等によって発見されず、統計数

(D

(D に細分し

の頭 者数に、また、Ih

データの感染者数

感染ステージ間の単位時間あたりの遷 その値を モデルの結果が公 表データに最もあてはまるようになる値 がE

(新たに未発症の感染者が生じ 人の と仮定 に遷

隔離後の

)は感染 らないと仮定して κ)

11.4 日 されていることから また は、感染性持続期 Chowell, 2014) とした。

隔離されることとし

た。

者の割合

=0.5

合であっても

=0.6

こととした。

タの関係の概要 用いた微分方程式を図 B-3.

  公表データ 年

名)であるが、最初の感染者が から、

感染が拡大するまでには相当の時間がか かっていると考えられる。このため、

行の開始から

推定の対象とした。

果と、実際のデータを比較することで、モ デル

τ、 は、

染者数と死亡者数を 応する

亡者数を 図

た。適当な文献値はないが、

者の割合は隔離しない場合の

=0.5)と仮定し、

合であっても死亡した患者のうち 0.6)は発見され

こととした。モデルと タの関係の概要

用いた微分方程式を図 3.  パラメータの値の推定 公表データ

年 3 月25 日(感染者

名)であるが、最初の感染者が

から、86名の感染者が報告される程度に 感染が拡大するまでには相当の時間がか かっていると考えられる。このため、

行の開始から最初の通報までの日数 推定の対象とした。

果と、実際のデータを比較することで、モ デルのうちの未知のパラメータ

、d)に対する推定値を得た。

、公表データから得られた時点 染者数と死亡者数を

応する、モデルで得られた感染者数と死 亡者数を mt

図2. モデルに用いた微分方程式 適当な文献値はないが、

隔離しない場合の と仮定し、また、

死亡した患者のうち

発見されて報告値に計上される モデルと遷移

タの関係の概要を図 1 に示し 用いた微分方程式を図2に示し

パラメータの値の推定 公表データでの最初の報告日は

日(感染者 86 名)であるが、最初の感染者が

名の感染者が報告される程度に 感染が拡大するまでには相当の時間がか かっていると考えられる。このため、

最初の通報までの日数 推定の対象とした。構築したモデルの結 果と、実際のデータを比較することで、モ

のうちの未知のパラメータ に対する推定値を得た。

公表データから得られた時点 染者数と死亡者数をkt、l

モデルで得られた感染者数と死

、nt とすると、

モデルに用いた微分方程式

適当な文献値はないが、死亡する患 隔離しない場合の 0.5 倍

また、隔離されない場 死亡した患者のうち6割

報告値に計上される 遷移率のパラメー に示し、モデルに

に示した。

パラメータの値の推定 最初の報告日は

86 名、死亡者 名)であるが、最初の感染者が感染して

名の感染者が報告される程度に 感染が拡大するまでには相当の時間がか かっていると考えられる。このため、

最初の通報までの日数 構築したモデルの結 果と、実際のデータを比較することで、モ

のうちの未知のパラメータ(β、

に対する推定値を得た。具体的に 公表データから得られた時点 t

ltとし、これに対 モデルで得られた感染者数と死

とすると、ある値の モデルに用いた微分方程式

死亡する患 倍(μ 隔離されない場 割(ν 報告値に計上される 率のパラメー モデルに た。

最初の報告日は 2014 名、死亡者59 感染して 名の感染者が報告される程度に 感染が拡大するまでには相当の時間がか かっていると考えられる。このため、流 最初の通報までの日数 d も 構築したモデルの結 果と、実際のデータを比較することで、モ

、δ、

具体的に t の感 とし、これに対 モデルで得られた感染者数と死 値のβ、

(4)

δ、τ 与えら

られる確率は、

と算出することができ、これを用いて、

全ての時点t は、

と表される。計算を簡単にするために Likelihood(

数尤度 合わせを の計算は

コンパートメントモデルの数値計算には deSolve

実施には B-4. 

  まず、モデル 率を表した常微分

図 3.  モデルによる推定値と観察データの比

較(●:実際の感染者数、

実線:推定された感染者数 死亡者数)

τ、dからなる 与えられたとき られる確率は、

と算出することができ、これを用いて、

全ての時点tのデータに基づく

と表される。計算を簡単にするために Likelihood(θ)の

数尤度、L)、これを 合わせをNelder の計算はR 3.1.2

コンパートメントモデルの数値計算には deSolveパッケージを用い、

実施にはoptim

  隔離対策の有効性の検討 まず、モデル

率を表した常微分

モデルによる推定値と観察データの比

:実際の感染者数、

実線:推定された感染者数 死亡者数)

からなるパラメータセット たときに、観察データ られる確率は、

と算出することができ、これを用いて、

のデータに基づく

と表される。計算を簡単にするために の負の対数をとり(負の対

)、これを最小にする Nelder-Mead法で求めた。

3.1.2を用いて行った。特 コンパートメントモデルの数値計算には

パッケージを用い、

optimパッケージを用いた。

隔離対策の有効性の検討 まず、モデルの感染ステージ間の 率を表した常微分方程式から、感染行列

モデルによる推定値と観察データの比

:実際の感染者数、×:実際の死亡者数、

実線:推定された感染者数、点線:

パラメータセットθ 観察データkt、ltが得

と算出することができ、これを用いて、

のデータに基づく θ の尤度

と表される。計算を簡単にするために をとり(負の対 にするθの組み で求めた。全て を用いて行った。特 コンパートメントモデルの数値計算には

パッケージを用い、最尤推定法の パッケージを用いた。

隔離対策の有効性の検討

感染ステージ間の遷移 方程式から、感染行列 モデルによる推定値と観察データの比

:実際の死亡者数、

点線:推定された

θが が得

と算出することができ、これを用いて、

の尤度

と表される。計算を簡単にするために をとり(負の対 の組み 全て を用いて行った。特に、

コンパートメントモデルの数値計算には 最尤推定法の パッケージを用いた。

遷移 方程式から、感染行列T

と遷移行列

Generation Matrix

を用いて

の最大固有値として基本再生産数(

求めた。また、

τ)との関係について検討した。

τの値を様々に変えてモデル

染者数と流行期間中の最大収容人数を算 出し、隔離が流行に与える影響を予測し た。

(倫理面への配慮)

  本研究で用いたデータは

タであり、また、個人を特定できる は含まれていない。

C.研究結果 C-1

  最尤推定の結果 規感染者の発生 ら隔離までの日数(

されない場合の死亡率 発生からの経過日数 ぞれ推定された。

  これらの推定値を用いた感染拡大状況 と公表されているデータを比較した結果 を図

果と

タの終わりの

タを大きく上回っていた。

C-2.

  モデルに用いた 初期(

移行列 た。

モデルによる推定値と観察データの比

:実際の死亡者数、

推定された

遷移行列

Σ

を Generation Matrix

を用いて NGM

の最大固有値として基本再生産数(

求めた。また、

)との関係について検討した。

の値を様々に変えてモデル

染者数と流行期間中の最大収容人数を算 出し、隔離が流行に与える影響を予測し た。

(倫理面への配慮)

本研究で用いたデータは

タであり、また、個人を特定できる は含まれていない。

C.研究結果

1.  パラメータの値の推定 最尤推定の結果

規感染者の発生 ら隔離までの日数(

されない場合の死亡率 発生からの経過日数 ぞれ推定された。

これらの推定値を用いた感染拡大状況 公表されているデータを比較した結果 を図 3 に示した。

果とデータはよく一致しているが、デー タの終わりの方では

タを大きく上回っていた。

2.  対策の有効性の検討 モデルに用いた

初期(S=N)と

移行列

Σ

はそれぞれ次のように算出され た。

を作成し、次世代行列(

Generation Matrix、 NGM

NGM を算出し、さらに の最大固有値として基本再生産数(

求めた。また、R0と隔離までの日数

)との関係について検討した。

の値を様々に変えてモデル

染者数と流行期間中の最大収容人数を算 出し、隔離が流行に与える影響を予測し

(倫理面への配慮)

本研究で用いたデータは

タであり、また、個人を特定できる は含まれていない。

パラメータの値の推定

最尤推定の結果、単位時間あたりの 規感染者の発生率(β)は

ら隔離までの日数(1/τ)

されない場合の死亡率(δ 発生からの経過日数(d) ぞれ推定された。

これらの推定値を用いた感染拡大状況 公表されているデータを比較した結果 に示した。おおむね推定された結 データはよく一致しているが、デー 方では、推定値が観察デー タを大きく上回っていた。

対策の有効性の検討

モデルに用いた微分方程式から、感染

)とすると、感染行列

はそれぞれ次のように算出され 次世代行列(

NGM)の公式

算出し、さらに NGM の最大固有値として基本再生産数(

隔離までの日数

)との関係について検討した。また、

の値を様々に変えてモデルから最大感 染者数と流行期間中の最大収容人数を算 出し、隔離が流行に与える影響を予測し

本研究で用いたデータは全て公表デー タであり、また、個人を特定できる

パラメータの値の推定

単位時間あたりの は 0.39、発症か

)は5.2日、隔離 δ)は 0.63

)は202日と

これらの推定値を用いた感染拡大状況 公表されているデータを比較した結果 おおむね推定された結 データはよく一致しているが、デー

、推定値が観察デー タを大きく上回っていた。

対策の有効性の検討

微分方程式から、感染 すると、感染行列

T

はそれぞれ次のように算出され

次世代行列(Next

)の公式

NGM の最大固有値として基本再生産数(R0) 隔離までの日数(1/

また、

最大感 染者数と流行期間中の最大収容人数を算 出し、隔離が流行に与える影響を予測し

全て公表デー タであり、また、個人を特定できる情報

単位時間あたりの新 発症か

、隔離 0.63、初 日とそれ

これらの推定値を用いた感染拡大状況 公表されているデータを比較した結果 おおむね推定された結 データはよく一致しているが、デー

、推定値が観察デー

微分方程式から、感染

T

と遷 はそれぞれ次のように算出され

(5)

これらの 値である

と算出され、

γ、

は1.32 R0の値が

行を起こす感染拡大は起こらず、伝染病 の発生は収束する。隔離までの日数 すると

を考えたとき、

R0の値も減少し、

ためには、

られた。

  このことについて確認するため、

までの日数の値を させて、

行規模と 求めた

図4. 

これらの値を用い である基本再生産数

と算出され、最尤推定

、τ のそれぞれの 1.32 と推定された。

の値が 1より小さければ、

行を起こす感染拡大は起こらず、伝染病 の発生は収束する。隔離までの日数 すると

q

=1/τであるので、

を考えたとき、

の値も減少し、

ためには、

q

<3.4 られた。

このことについて確認するため、

までの日数の値を

させて、それぞれの場合における最終流 行規模と、流行期間中の

求めた(図4)。この結果、最終流行規模

  発症から隔離までの日数 値を用いると、NGM 基本再生産数R0

最尤推定の結果得られた それぞれの値を代入すると と推定された。R0

より小さければ、

行を起こす感染拡大は起こらず、伝染病 の発生は収束する。隔離までの日数

であるので、

を考えたとき、

q

が小さくなるにつれて の値も減少し、R0が1より小さくなる 3.4 日となればよいと考え

このことについて確認するため、

までの日数の値を1日から

それぞれの場合における最終流

、流行期間中の最大収容人数を

。この結果、最終流行規模

発症から隔離までの日数

NGMの最大固有 は、

の結果得られた 値を代入すると、

0の特性として、

より小さければ、大規模な流 行を起こす感染拡大は起こらず、伝染病 の発生は収束する。隔離までの日数を

q

であるので、R0

q

の関係 が小さくなるにつれて より小さくなる となればよいと考え

このことについて確認するため、隔離 日から7日まで変化 それぞれの場合における最終流 最大収容人数を

。この結果、最終流行規模

発症から隔離までの日数(横軸)

最大固有

の結果得られたβ、

、R0

の特性として、

大規模な流 行を起こす感染拡大は起こらず、伝染病

q

と の関係 が小さくなるにつれて より小さくなる となればよいと考え

隔離 日まで変化 それぞれの場合における最終流 最大収容人数を

。この結果、最終流行規模

と最大収容人数は隔離までの日数が減少 するにつれていずれも減少し、

の日数が 行規模も

とが確認できた。

D.考察

  数理モデルを用いた手法では

の感染拡大を感染ステージ間の状態遷移 ととらえ、対象とする感染症の特徴を まえて

することにより、興味のある感染症の 染拡大の予測や対策の効果の評 となる。

らの

な治療法がなく、

染拡大を抑制する必要があることなどの エボラ出血熱の特性を踏まえたモデルを 作成することで、公表データが示す感染 拡大

  一方で、

リベリア、

な集団と

(横軸)と最終流行規模及び

と最大収容人数は隔離までの日数が減少 するにつれていずれも減少し、

の日数が 3.4

行規模も最大収容人数もわずかになるこ とが確認できた。

D.考察

数理モデルを用いた手法では

感染拡大を感染ステージ間の状態遷移 ととらえ、対象とする感染症の特徴を まえて単位時間あたりの遷移

することにより、興味のある感染症の 染拡大の予測や対策の効果の評

となる。本研究では、発症前の感染者か らの感染拡大が起こ

な治療法がなく、

染拡大を抑制する必要があることなどの エボラ出血熱の特性を踏まえたモデルを 作成することで、公表データが示す感染 拡大状況を再現することができた。

一方で、本研究のモデルは、

リベリア、シエラレオネの な集団と仮定していること、

最終流行規模及び流行中の最大収容人数

と最大収容人数は隔離までの日数が減少 するにつれていずれも減少し、

3.4 日より少なければ、最終流 最大収容人数もわずかになるこ とが確認できた。

数理モデルを用いた手法では

感染拡大を感染ステージ間の状態遷移 ととらえ、対象とする感染症の特徴を

単位時間あたりの遷移

することにより、興味のある感染症の 染拡大の予測や対策の効果の評

本研究では、発症前の感染者か 感染拡大が起こりにくいこと、有効 な治療法がなく、感染者の隔離により感 染拡大を抑制する必要があることなどの エボラ出血熱の特性を踏まえたモデルを 作成することで、公表データが示す感染

状況を再現することができた。

本研究のモデルは、

シエラレオネの 仮定していること、

流行中の最大収容人数

と最大収容人数は隔離までの日数が減少 するにつれていずれも減少し、隔離まで 日より少なければ、最終流 最大収容人数もわずかになるこ

数理モデルを用いた手法では、感染症 感染拡大を感染ステージ間の状態遷移 ととらえ、対象とする感染症の特徴を

単位時間あたりの遷移率を数式化 することにより、興味のある感染症の 染拡大の予測や対策の効果の評価が可能

本研究では、発症前の感染者か りにくいこと、有効 感染者の隔離により感 染拡大を抑制する必要があることなどの エボラ出血熱の特性を踏まえたモデルを 作成することで、公表データが示す感染

状況を再現することができた。

本研究のモデルは、ギニア、

シエラレオネの 3 か国を 仮定していること、流行に伴う

流行中の最大収容人数との と最大収容人数は隔離までの日数が減少

隔離まで 日より少なければ、最終流 最大収容人数もわずかになるこ

感染症 感染拡大を感染ステージ間の状態遷移 ととらえ、対象とする感染症の特徴を踏 数式化 することにより、興味のある感染症の感 価が可能 本研究では、発症前の感染者か りにくいこと、有効 感染者の隔離により感 染拡大を抑制する必要があることなどの エボラ出血熱の特性を踏まえたモデルを 作成することで、公表データが示す感染

状況を再現することができた。

ギニア、

か国を均質 流行に伴う

との関係

(6)

対策の変化を考慮していないことによる 制約があることに注意する必要がある。

前者については、例えば、ギニアの 1 感 染者が、同じ村に居住する非感染者と同 じ確率で、遠く離れたシエラレオネの感 染者を感染させると仮定していることに なり、感染の指数増殖期には、非現実的 な感染者を生んでしまう。また、本研究 のモデルで得られた結果が、最近の公表 データに対して過大な推定を与えたこと は、最近の国際的な対策の強化による感 染拡大の抑制を、モデルが適切に反映し ていないことによるものと考えられる。

今後、流行地における対策はさらに強化 されると考えられることから、適切なモ デルを構築するためには、時間的推移に 伴う対策の有効性の変化を反映できるモ デルとする必要がある。

  数理モデルによる手法の有効性の一つ は、感染症の特性について、数値解析的 に理解することが可能なことである。本 研究では、モデルに用いられる微分方程 式から、解析的に基本再生産数R0を1.32 と算出することができた。基本再生産数 は、感染初期に感染者が一世代の間に感 染させる平均二次感染者数を示しており、

麻疹では20程度、風疹で10程度である のに対し、エボラ出血熱では2000年のウ ガンダにおける、今回と同じザイール株 の流行で1.34(Chowell、2004)、今回の 西アフリカの流行で 1.71-2.02(WHO、

2014)とそれほど高くないことが知られ ている。今回の推定値もこれらの値と近 いものとなった。R0の重要性は、感染症 の流行に対する対策の有効性についても、

解析的に知ることができることである。

本研究では、R0と隔離までの日数kとの 関係式を得ることで、現状の西アフリカ

地域で 5.2 日程度となっている隔離まで の日数が 3.4 日以内であれば、大規模な 流行は起きないと推定された。この結果 は、一つには、感染者を発症から 3 日以 内に隔離できる国・地域であれば、本病 の流行が起きないことを示している。こ れまでの本病の流行では、発見された発 症者への徹底した聞き取り調査などによ り、発症前に潜在的な感染者を隔離して きており、こうした体制が整っていれば、

本病が流行する懸念はないことになる。

また、すでに流行が起こっている西アフ リカ地域においても、医療体制の整備や 感染防止の重要性に関する啓蒙活動など により、感染者の隔離までの日数を短縮 できれば、本病は制圧可能であることが 示唆される。

  本研究は、非常に大胆な仮定に基づく、

単純な数理モデルを応用した事例である が、実際の感染データが示す感染拡大を よく再現できること、また、対策の有効 性の検討も可能であることが示された。

同様の手法は、公衆衛生及び獣医衛生に おける様々伝染病に応用可能であり、こ の結果を踏まえ、さらに多くの疾病を対 象に、より複雑な事象も考慮した取り組 みが求められる。

E.結論

  西アフリカ地域の 3 か国を均一の集団 ととられた数理モデル構築することで、

実際のデータと整合性のある、感染拡大 状況の予測が可能であった。構築したモ デルから、本病の基本再生産数は1.32と 推定され、この値から、感染者の発症か ら隔離までの日数が3.4日以内であれば、

本病の流行は起こらないと考えられた。

(7)

F.健康危険情報

(総括研究報告書にまとめて記入)

G.研究発表 1.論文発表

なし(本分担研究は初年度である)

2.学会発表

なし(本分担研究は初年度である)

H.知的財産権の出願・登録状況     (予定を含む)

1.特許取得   なし

2.実用新案登録   なし

3.その他   なし

参照

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