九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
[16] 九州大学農学部農場研究資料表紙総括等
http://hdl.handle.net/2324/12571
出版情報:九州大学農学部農場研究資料. 16, 1994-03. 九州大学農学部附属農場 バージョン:
権利関係:
f
l口 抄 t
ブドウにおけるIDH, FDHおよびSODアイソザイムの遺伝解析
嬉野健次・白石美樹夫・若菜章・白石眞一 園芸学会九州支部研究収録、2:55−56、1993
アイソザイム遺伝子は、多くの植物において類縁関係や各種遺伝子群の連鎖関係等を明らかにする上で 有用なマーカーである。しかし、ブドウではマーカーとして利用できるアイソザイムは少ない。そこで、
本報告ではIsoc itrate Dehydrogenase(IDH:EC 1.1.1.42),Superoxide Dismutase(SOD:EC 1.15.1.1)およ びFormate dehydrogenase(FDH:EC 1.2.1.2)のアイソザイム変異とその遺伝について解析を行なった結果 を報告する。
材料および方法
九州大学附属農場で7組合せの交配を行って作出したF、およびその両親品種を用いた。IDH、 SODアイ ソザイムについては若葉を、FDHアイソザイムについては熟枝を供試した。 I DHアイソザイムについては Wendel and Parks(1982)の方法にほぼ従って抽出し、水平式デンプンゲル法を用いて定電流(125V,45mA)
4℃条件下で15時間泳動を行った。SODおよびFDHアイソザイムについては、 Beninら(1988)の方法に従 って抽出し、スラブ式アクリルアミドを用い、4℃でゲル1枚当たり10mA定電流条件で終点まで3.5時間 泳動を行った。3酵素とも泳動後、活性染色を行ってバンディングパターンを調査した。
結果および考察
IDH:交配に用いた親品種には2本、4本あるいは6本のバンディングパターンを認めた。6本のバンディ ングパターンの℃1202 の自家交配の場合、F、は2本あるいは6本であり、4本の デラウエア と
エンパイア・ステート の交配の場合、F、は2本あるいは4本を認めた。また、2本の ペリーア リカントA に4本の台木晶種 SO4 を交配した場合、 F、は6本を認め、種子親の2本のバンドを全て 有していた。また、これらのF、には花粉親の4本のバンドのうち陽極側の2本、あるいは陰極側2本の バンドが出現し、中間には両親晶種には認められない2本のバンドが出現した。これらのことから、IDH アイソザイムは1遺伝子(Idh−1)支配であり、ホモ固体でホモダイマーバンドを2本持つダイマー酵素で あることが明らかになった。なお、4本の デラウエアー と エンパイア・ステート およびそのF、
ではホモダイマーバンド1本とヘテロダイマーバンド2本とが重複していることが明らかになった。
SOD:3活性域が認められ、それぞれに1本または3本を認めた。いずれの活性域においても1本あるい は3本を認める品種問の交配によって作出したF、が1本あるいは3本を認めたことから、SODはダイマー 酵素であることがあきらかである。以上のことからSODは3遺伝子に支配されており、陽極側からそれぞ
れSOd−1, SOd−2,衡d−3とした。
FDH:1活性域が認められ、 SODと同様に1本あるいは3本のバンドが出現したことから、1遺伝子(Fdh−
1)支配のダイマー酵素であることが明らかになった。これらの5つのアイソザイムのメンデル遺伝への適 合度は、全て交配組合せにおいても5%水準で有意であった。
カンキツンにおけるAAT遺伝子の異常分離
若菜 章・一色司郎・白石眞一一 園芸学会九州支部研究収録2:1−21993
カンキッにおけるAATアイソザイムは三遺伝子座(Aat−1、 Aat−a Aat−3)に支配されており、Aat−1と Aa t−2は細胞質に、 Aa t−3はプラスチドに存在する。 Aat−1、 Aat−2、 Aat−3はそれぞれ独立して遺伝するが他 遺伝子との連鎖関係等を知るうえで、重要なこれらの遺伝子における分離のひずみについての知見は少な
い。そこで、これらの遺伝子における歪み分離を多数の交配組合せについて調査した。
材料および方法:カンキツ26品種及びカラタチを供試し、31組合せについて交配を行なった。これらの交 配親及びF、の成葉のAATは、前報に従って解析した。対立遣伝子記号は便宜上、最も陽極側のバンド
を支配する対立遺伝子から順にa,b,c…とし、零対立遺伝子はNと表記した。
結果及び考察:歪み分離は、Aat−1で4組合せ、 Aat−2で3組合せ、 Aat−3で10組合せに認められた。他の 組合せは全てP>0.05であった。Aat一ヱではヒュガナツXラフレモンの組合せを除き、ブンタンとブンタ
ンの血を持つ品種間あるいはブンタンの血を持つ品種間の交配であること、Aat−3でもヒュガナツ×ラフ レモンと清見X小柚を除き、同様な交配であることから、Aat−1とAat−3についてはブンタンに特有な不和 合性遺伝子と連鎖している可能性がある。 また、dat−3においてハッサク×福原オレンジでは組み替え 型と推測される遺伝子型の出現がほとんど見られなかったことから、Aat−3とこの遺伝子がごく近くに連 鎖しているものと考えられる。一方、Aat−3において、清見×小鼠では分離に規則性が認められないこと
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から、その歪み分離の原因については、現在のところ推測できない。Aat−2では、花粉親として用いた六 月ミカン(座臥×タチバナの雑種?)、ラフレモン(マンダリン類Xシトロン類の雑種?)及びシークワ シャ(マンダリン類Xタチバナの雑種?)の遺伝的背景から考えて、不和合遺伝子以外の遺伝子が歪み分 離に関与している可能性が高い。
以上の仮説については、歪み分離の原因となる他の可能性(転座や致死遺伝子等)を含めてさらに交配 実験を行って追究したい。
共同研究.皿乾燥地条件下における植物の生理、生体ならびに生産に関する研究 7.乾燥条件下での亜熱帯果樹の生産安定化に関する研究
九州大学大学院農学研究科果樹生産学 白石眞一一・久米 秀:鳥取大学乾燥地研究センター 竹内芳親 乾燥地研究センター共同研究要旨46−47、1992
目的:熱帯・亜熱帯地域において、乾期に果樹作物の結実生理に水ストレスが障害を与えている。乾燥条 件下における土壌の活性化に土壌細菌の効果について検討する。
材料及び方法:供試樹は、九州大学農学部附属農場で栽培しているアセローラ2年生樹を用いた。ビニル ポットに砂土を培地に栽培し、無施肥栽培で、灌水時に好熱性細菌と光合成細菌の培養物を1000倍に希釈 して施用した。対照区に培養物無施用で管理した。
研究経過の概要:1.本研究に使用した好熱性細菌は、農畜産廃棄物及び余剰汚泥コンポストから分離し た27株以上の好熱性細菌の混合培養物で農畜産廃棄物及び汚泥を安定して発酵可溶化することが認められ た。Bacillus sterothermophilus・Racillus sp.の有胞子の好熱性細菌は蛋白質分解酵素・生理活性物質 Thermus sp.は蛋白質分解酵素・色素物質、 Thermoactinomcyces sp.は抗生物質の生産及び悪臭の除去 Clostridium sp.は繊維質分解酵素を生産し、繊維質の分解を行なう。 また、これらの細菌群の特徴と して生育可能範囲の広いことが上げられる。生育可能なi]iH 6.0〜10.0、生育可能温度、30〜75℃である。
2.光合成細菌は、主に紅色非(無)硫黄細菌の集積混合培養で、ロドシュドモナス(khOdopseudomouas)
ロドスピリルム(Rhodospiri l lum)およびロドミクロビウム(Rhdomicrobium)の3属を含み、有機低分 子化合物を好んで資化する。さらに、このカロチノイド系色素を含む光合成菌の生菌体を施用すると、そ れを基質として繁殖する一般の従属栄養微生物、土壌有効菌、特に放線菌等の増殖を促す。
3.好熱性細菌と光合成細菌の施用効果は、植物生理的には生殖生長の促進、果実の着色効果、根の生長 効果、土壌微生物学的には根圏微生物相の正常化による土壌病害の抑制が認められた。特に、好熱性細菌 の施用は、これら細菌の生産する生理活性物質の効果で、完熟堆肥を施用した時の畑地土壌と同様な静菌 効果が期待できる。
共同研究1 乾燥条件下における植物の生理的・生態的適応に関する研究
1.乾燥条件下において亜熱帯果樹(ア阿附ーラ)に対する好熱性細菌と光合成細菌の施用効果 に関する研究
九州大学大学院農学研究科果樹生産学 白石眞一・久米 秀:鳥取大学乾燥地研究センター 竹内芳親 乾燥地研究センター共同研究要旨2−31993
目的:熱帯・亜熱帯において、乾期に果樹作物の結実生理に水ストレスが障害を与えている。乾燥条件下 における土壌の活性化に土壌微生物の施用効果について検討する。
材料及び方法:供試樹は、九州大学附属農場において繁殖・栽培しているアセローラ3年生樹を用いた。
ビニルポットに火山軽石を培地に栽植し、培養液にハイポネックスを用い、灌水時に好熱性細菌と光合成 細菌の培養物を1000倍に希釈して施用し、対照区には無添加施用とした。調査はポット中の微生物相、酵 素活性の変化及びT/R比を測定した。
研究経過の概要:1.微生物群は当研究室で農畜産廃棄物、汚泥コンポストから分離した27株の好熱性細 菌の混合培養物と紅色非硫黄の光合成細菌の集積混合物を共に接種施用実験した。好熱性細菌の混合培養 物は、蛋白質分解酵素・生理活性物質の生産が認められているdacillus stearothermophi−lus・Bacillus sp.の有胞子の好熱性細菌、蛋白質分解酵素・色素物質の生産が認められるThermus sp.(SK 542、肛研33 825)、抗生物質の生産及び悪臭の除去効果の認められる 11hermoactinoayces sp.(SK O53、 Ur研FERMP1359 8)及び繊維質分解酵素を生産し、繊維質の分解を行なうCIostridium sp.(SK522肛研34595)である。ま た、これらの微生物は好熱性細菌群の特徴として、生育可能範囲が広く、pH6.0〜10.0,30〜70℃である。
光合成細菌は、Rhodopseudomonas・RhOdospiri l l um及びlthOdomicro一 biumの3属で有機低分子化合物を
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好んで資化し、カロチノイド系色素を含む光合成菌の生菌体を施用すると、これを基質として繁殖する一 般の従属栄養微生物、土壌有効菌、特に放線菌等の増殖を促すことが認められる。2.微生物群の施用効 果として、植物生理的効果を検討するためにT/R比を測定した。定植前のT/R比の平均値1.250が定植 後微生物無処理区が1.161であったのに対し、散布処理区は0.864であり、根群および細根の生長促進 の効果が認められた。散布微生物の効果を測定するために根圏微生物数を平板プレート法で、また根圏酵 素活性をAPI−Z皿で測定した。細菌散布根圏微生物数は、無処理の根圏と比較して微生物数、特に放線 菌及び好熱性細菌の顕著な増加が認められ、完熟堆肥を施与した畑の土壌に類似した微生物相になった。
微生物や生体組織の酵素活性を測定するために開発されたAPI−ZYMは、19種類の酵素を測定できるが、
菌散布根圏は酵素活性が高く、特にプロテアーゼとキチナーゼの活性が大きかった。微生物群を接種する ことにより、砂地や軽石の場合も土壌と同様に根圏に良好な根熱暑生物相が形成されることを実証した。
燃料噴射調整装置によるトラクタのPTO全負荷性能(第2報)一アングライヒ装置一
中旬敬・劉鮫竜・坂井純
農業機械学会誌55(2):13−211993
小型乗用トラクタのPTO性能は、エンジンの調速機に付加される燃料噴射調整装置の種類、特性、性能 によって大きく変わる。第1報ではトルクスプリング装置について論じたが、本報ではもう一種の燃料噴 射調整装置であるアングライヒ装置とPTO性能、特に全負荷性能との関係を究明した。得られた知見は以 下の通りである。
1.アングライヒ装置のみを有するトラクタを供試して、装置の三つの設計要素、すなわち、ばね初期力 ばね定数、ストローク量がどのようにPTO性能に関与するかを実験によって明らかにした。
2.アングライヒ装置の作用力を解析し、回転数との関係を図式化した。アングライヒ装置は回転数につ いてトルクスプリング装置と逆に作用し、スプリング変位開始点、スプリング最大変位点、エンジン定格 点の各回転回を与える式を導かた。
3.アングライヒ装置の作用力と噴射ポンプのラック位置について、各設計要素の影響を定性的に示し各 設計要素を変えることによって、容易にPTO性能を変えられることを示した。
4.アングライヒ装置は全負荷性能に決定的に作用し、要求される全負荷性能を各設計要素の総合によっ て最適化することが可能なことを示した。
乳牛の乳量・乳質及び繁殖成績と飼料給与法との関連 一附属農場における実態調査一
増田泰久・岡野香・渡邊美佐江・大場憲子・山田定雄・中野豊・武藤軍一郎・五斗一郎
九大農学身丈47(1・2):33−42
附属農場飼料中の乳牛の乳生産と繁殖に関する成績及び給与飼料の栄養価と給与量に関する実態調査の 結果、乳量及び乳脂率の向上には粗飼料栄養価の改善が不可欠であること、また繁殖成績の改善には泌乳 期に応じた飼料給与法を確立することが重要であると認めた。
附属農場の飼料給与体系化は、1987年から青刈り給与体系から通年サイレージ給与体系へ徐々への切り 替えが、1989年以降の分娩成績の低下の原因の一つと考えられた。青刈りで給与される飼料作物は、まだ 若い生育段階で刈り取ることが多いため、水分は多いものの、一般に粗蛋白質含量が高い状態である。し かし、サイレージ調製の材料草は、高収量で良質なサイレージとなるよう水分含量や糖含量を考慮し、青 刈りより生育段階が進んだ時期に収穫するために、粗蛋白質含有率の低下は避けられない。また、利用作 物については、粗蛋白質含有率の高いイタリアンライグラスが減少し、エンバク、トウモロコシなどの粗 蛋白質含有率の比較的低いホールクロップセイレージ用材料草が増加している。これらの結果、粗飼料か らの粗蛋白質、ひいてはDCP給与量が低下し、繁殖成績にも影響を与えた可能性があるものと推察され
た。
通年サイレージ給与体系は、全国的に普及しているが、この体系が採用にあたっては、その栄養的特性 から良質のイネ壷草乾草あるいはマメ科草乾草の併給が不可欠である、本調査の分析結果によれば、現在 附属農場で給与している乾草は、高い乳量・乳質や良好な繁殖成績を得るための基礎飼料としては栄養価 が不適当であり、その改善がまず重要であると結論された。
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Classification of As ian Deepwater Rice (Oryza sativa L.) and Afr ican Deepwater Rice ( O. glaberrima Steud.) based on the SDS−PAGE Analys is of Seed Prote i ns
Jun INOUYE, Tosh iak i NISHITanI, Toshihiro MOCHIZUKI and Takashi ORITANI Japanese Journa i of Crop Sc i ence 61(4):691−692 1992
Seed prote ins of deepgvater r i ces of the two species were analyzed by SDS−PAGE. I n th i s s tudy,
33 var i eties and l i nes were Afr i can deepvvater r i ces and 785 were As ian deepvvater r i ces.
The Afr ican deepwater r ice contained 30 var i eties and l ines from N iger ia, each one from Gambia, GuiRea and Zatnbia. The As ian deeepwater rice contained 518 varieties at3dlines from Bang ladesh, 104 from Thailand, 67 from V i etnam,45 from India, 32 from Canibod i a,16 from )1yanmar and 3 from Chima. The procodures of electrophoresis using the discontinuous SDS−polyacryl−
amide gels were almost the same as those descr ibed by Laemml i.
As a result, there was difference in the electrophret ic pattern in low molecular we ight region (13−16KDa) between African and Asian deepwater rice varieties. All 33 African deep−
water r ice variet i es and strains had a specific band between 13 KDa and 16 KDa po lypeptides,
but all 785 Asian ones did not. Therefore it seems that African and Asian deepwater rices
can be d i s t ingxi i shed by the presence of th i s band.
ダイズにおける晩播き栽培用晶種の検索(予報)
望月俊宏・中川幸夫・久保広安 日本作物学会九州支部会報59:70−711992
北部九州においては秋ダイズの播種適期は7月上旬とされているが、この時期は梅雨末期に当たるため 適期播種を逸する場合力!多い。したがって、近年は早播き(6月上中旬)が奨励されているが、早播き栽 培においては過繁茂による倒伏及び病害虫による障害が問題である。そこで、梅雨明け後の天候が安定し た時期に播種を行なうことが秋ダイズ栽培の安定化につながるのではないかと考え、日本産221品種を含 む413品種を供試して、福岡県において晩播き栽培に適するダイズ品種の検索を試みた。その結果、生育 日数からみると、日本産品種の約6%及びインドネシア産品種の66%を除く372品種は、 7月23日播種 が可能と判断された。また、日本産品種の約42%は8月8日播種が可能と判断された。生態別にみると、
Vc及びIVcに類別されている晩生品種より皿cあるいはさらに早生の品種の中に晩播きに適する品種 のあることが示唆されたが、生態型内の変異も大きいので、特に登熟期における日長や気温の影響につい て、検討する必要があると思われる。
生態型別にみた開花までの日数、結実日数及び生育日数 (単位:日)
7月23日播種 8月8日播種
生態型品種数
開花までの日数 結実日敷 生育日数 開花までの日数 結実日数 生育日数
ababCbCCC II∬1豆皿皿WV 687151109
1﹂−← 0ム0乙−﹂23. 7 24. 4 28. 3 29. 0 27. 8
33
29. 4 34. 6 38. 7
54. 2 58. 9 46. 0 54. 3 57. 3
53
61.0
68. 1 71. 2
77. 8 88. 3 74. 3 83. 3 85. 2
86
90. 4 102. 6 110e 4
26. 2 28. 1 30. 9 30. 5 30e 7
34
31. 1 34. 4 37. 6
65. 2 65. 5 55. 2 62. 8 62. 5
58
66. 1 68. 1 71. 4
91. 3 93. 6 86. 1 93. 4 93. 2
92
97. 2 102. 5 109. 0
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畑作農業の展開と構造変化 一山西省黄土高原地帯一
武藤軍一郎 宮島昭二郎編著、現代中国農業の構造変貌(九大出版)1993、2:95−117
山西省は、年間降水量が700㎜以下という黄土高原畑作地が農地の大部分を占める。少数の大都市周辺 の農村の農民は、兼業の機会に恵まれているが、純農村、とりわけ山村部の農民にその機会は閉ざされて いる。山西省の106の市、県を対象に、農村社会治産値に占める農業産値の割合と農村の一人当たり農村 総産値の間の関係を求めたところ、両者の間に強い相関関係があることを見いだした。農家の若者が農業
を嫌って農外に走ろうとするのも、このことから理解できる。
次に、統計資料と文献によって、山西省において、1978年以降の個別請負制に移行したのち、農民層の 分解がどのように進行しているかを検討した。その結果、農業収入を高め、経済余剰を高めたん農家が出 現したが、一方、生活支出額が収入を上回る農家も多く存在することを明らかにした。
1990年10.月に山西省楡次市の5村で農家調査を行なった。楡次市は人口44.3万人、農業人口25.6万人で ある。市の下に15の鎮と315の村がある。工業の中心は紡績であって、他に加工、機械、科学工業、建築、
食品工業などがある。1989年における社会総時値は20.6億元、農村総噸値は5.6億元である。缶上村は1、
000戸で869ムウ(1ムウは7a)の農地と零細なため、ほとんどの農家は農外収入によっている。869ム ウの農地は250戸の農家が請け負っている。 安寧村は640戸で731ムウ、自給用として配分しており、請 負畑は無い。耳環村は1,215戸で5、940ムウ、自給畑に配分した残りの3,418ムウが請負畑として希望者に だされている。農業機械は集団所有である。煉仁村は508戸で3,980ムウ、請負畑に2,372ムウが出されて いる。この請負田を耕しているのは460人で、農業機械は個人有となっている。北湖村は173戸で4、093ム ウ、自給畑は一人に3ムウ、請負畑は250人に6.12ムウ平均で利用されている。農業機械は個人所有であ
る。
以上、村の自然・経済条件によって土地用は多様化していることがわかる。1988年の感慨面積は55。4%、
機械耕転面積は70.3%(山西省平均は48.5%)、1ムウ当たり化学肥料は8.6㎏である。
Study of the parentage of grape cu l t ivars by genetic interpretat i on of GPI−2 and rcM−2
1sozymes
Chie Oimi, Akira Wakana and Shin−ichi Shiraishi Euphytica 65:195−202 1993
Two high ly var iab l e enzyme systems o f g lucosephosphate i somerase(GPI) and phosphog lucomutas e
(PGM)were used to investigate the parentages of grape cultivars. Of 35 parent/offspring combinat ions that we investigatod, 30 combinations gave a l leles in the offspr ing wh ich were presented in the reported parents, whereas 5 combinat i ons gave alleles in the offspr ing which were not extractab l e from the reported parents. The Gpi−2 genotype of Hiro HaMburg and the Pgn−2 genotype of Pione indicated that Koshu Sanjaku and Cannon Ha l l Muscat may not have been the paterma1 parent respect i ve ly. lhe Gpi−2 genotype of New N iagara and the Gpi−2 and Pgm−2 genotypes of Ben i yanvab i ko i ndicated that Niagara and a hybr id from D × K−151 X
De laware may not have been the fitaterna i parent respective ly. The Gpi−2 genotype of Cannon Ha l l Muscat grown in Japan ind i cated that th i s cu l t ivar may not have or i g inated as a tetra−
ploid sport of Muscat of Alexandria . ブドウ新晶種 宝満 の育成
角 利昭・能塚一徳・白石眞一・平川信之・山根弘康・
栗山隆明・潮紅和・清水博之・松本亮司 福岡農総試長楽B−12:39−421993
宝満 は温暖多雨地帯の施設栽培用品種として、1974年に Campbell Early に Muscat of Alexan−
dria を交配して得られた交雑実生で、選抜の後 福岡4号 の系統名で1988年から系統適応性検定試験 に供試され、1992年7、月に ぶどう農林11号 として農林種苗登録された。新品種としての特性は次の とおりである。
1.樹勢はやや強く、新梢の伸びは中位、樹冠の広がりは種子親の Campbell Early より小さい。 熟梢 の登熟は容易である。
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2.果房の重さは300〜4009で、着粒程度は密、果房の外観は優れている。
3.果粒の形は短楕円、果粒重は平均89で℃ampbell Early より大きい。果皮色は紫黒である。
4. (;ampbell Early より糖度が高く、食味及び肉質は 巨峰 に似て優れている。フォクシー香が僅 かにある。
5.結果枝当たりの花穂の着生は多く、3〜4個である。結実性に優れ、多収で生産性安定である。
6.施設栽培条件下では、病害の発生は通常の薬剤防除で特に問題は無い。生理障害の発生も認められず 栽培性に優れている。
7.成熟期は、育成地である福岡でのビニルフィルム被覆の雨避け栽培では8月下旬であり、 巨峰 とほ ぼ同時期の中生品種である。
ブドウ新品種 博多ホワイト の育成
角 利昭・能塚一徳・白石眞一・平川信之・山根弘康・
栗山隆明・鶴丈和・清水博之・松本亮司 福岡農総試研報B−12:43−461993
博多ホワイト は温暖多雨地帯の施設栽培用品種育成事業において、施設条件下において高品質果実 生産を育種目標に1974年果樹試験場安芸津支場の成木を用い、 Italia に Rosaki を交配して得られた 交雑実生から選抜され、1988年から 福岡5号 の系統名で系統適応性検定試験に供試され1992年7月に
ぶどう農林12号 として農林種苗登録された。新品種としての特性は次のとおり。
1.樹勢は強く、新梢の伸びは旺盛で、樹冠の広がりは 巨峰 と同程度である。熟梢の登熟は容易であ
る。
2.果房の重さは250〜350gで、着粒程度は中、果房の外観は優れている。
3.果粒の形は短楕円から長楕円で、果三重は平均9gと比較的大きく、果皮色は黄緑色である。
4.肉質、食味は優れ、上品なマスカット香を有する。しかも果実の日持ち性がよく、脱粒し難い。
5.結果枝当たりの花穂の着生は中位で、2花穂を着生し、花振い性も中位で、結実性に優れ、生産性は 安定している。
6.病害抵抗性は欧州系ブドウとしては比較的強いが、うどんこ病にはやや弱い。また、裂果及び血止病 がわずかに認められる。
7.成熟期は、育成地の福岡での硬質プラスチック温室栽培およびビニルフィルム被覆栽培では、8月下 旬で、 巨峰 とほぼ同時期の中生品種である。
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