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東北地方の温泉の特集にあたって

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Academic year: 2021

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25 温泉科学(J. Hot Spring Sci.),65,25(2015)

特集:東北地方の温泉

東北地方の温泉の特集にあたって

加 藤 尚 之

1)

Hot Springs in Tohoku District, Japan

―Introduction―

Naoyuki K

ato1)

 日本温泉科学会第 68 回大会が,東北を代表する温泉地のひとつ,天童温泉(山形県)で開催さ れる運びとなり,これを機に,「東北地方の温泉」の特集を組むことになりました.山形県におけ る本学術大会の開催は,昭和 33 年(1958)の上ノ山(現上山)温泉以来で,実に 57 年ぶりになり ます.環境省(平成 26 年 3 月現在)によると山形県内の温泉地数は 89,源泉総数 423,宿泊施設 数 337,温泉の温度別内訳は,25℃以下 76,25~42℃ 127,42℃以上 220 となっています.

 公開講演では,まだ日本ではあまり知られていないクアオルトについて,クアオルト研究室代表 の小関信行先生に講演をしていただきます.クアオルトとはドイツ語で「療養地」を意味し,ドイ ツでは温泉や泥・蒸気,気候,海といった自然の力を利用して自らの治癒力を高める治療手法とし て保険も適用されています.それを日本に合った日本型のクアオルトとして,現在 5 市が取り組ん でいますが,その一つが上山市のかみのやま温泉です.

 今回の特集は,東北地方の温泉としましたが,田宮良一先生には「山形県の地質環境と温泉」と 題し,山形県の温泉の泉質と岩石の関係を詳しく解説していただきました.その中で今回学会を開 催する天童温泉が硫酸塩泉の第 1 号であることが記されていました.山形県全般の地質構造と温泉 との関わりをまとめた論文は最近ではほとんど見当たらないので,温泉の研究者にとっては貴重な 資料となると思います.なお田宮良一先生には公開講演でも講演していただきます.

 益子保先生には「山形県上山温泉における新源泉開発について」と題し,どこの温泉地でも起こ りうる既存温泉地と新温泉開発との課題についてまとめていただいています.さらに新源泉開発の 揚湯に伴う既存源泉への影響をどのように防いでいくか,温泉資源を枯渇化させないための取り組 みについて解説していただきました.

 加藤礼識先生他には「湯治目的の重症患者が集う温泉地と地域医療体制の協調に関する研究」に ついて執筆していただきました.その中で秋田県の玉川温泉地区が代替医療の現場としてがん患者 の湯治に利用されていることへの問題点と現状について指摘され,その対応について提言していた だきました.

 今回の特集が切っ掛けで山形県での温泉研究がさらに活発になっていただければ幸甚に存じます.

1)東邦大学医学部化学研究室 〒143-8540 東京都大森西 5-21-16.1)Department of Chemistry School of Medicine, Toho University : 5-21-16 Omori-Nishi Ota-ku, Tokyo 143-8540, Japan.

参照

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