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東日本大震災に係る復興財源確保法関係 ( 平成 23 年 12 月 ) Ⅰ 復興特別所得税創設の趣旨 東日本大震災 ( 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいいます ) からの復興を図ることを目的として 東日本大震災復興基本法 (

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復興特別所得税の創設

目    次 Ⅰ 復興特別所得税創設の趣旨……… 798 Ⅱ 復興特別所得税の総則……… 798 一 定義(復興財確法 6 条) ……… 798 二 法人課税信託の受託者等に対する復 興特別所得税の規定の適用(復興財確 法 7 条) ……… 800 三 納税義務者及び源泉徴収義務者(復 興財確法 8 条) ……… 801 四 課税の対象(復興財確法 9 条) …… 801 五 基準所得税額(復興財確法10条) … 802 六 納税地(復興財確法11条) ………… 803 Ⅲ 復興特別所得税の個人の納税義務…… 804 一 個人に係る復興特別所得税の課税標 準(復興財確法12条) ……… 804 二 個人に係る復興特別所得税の税率 (復興財確法13条) ……… 804 三 外国税額の控除(復興財確法14条) … 804 四 復興特別所得税申告書の提出がない 場合の税額の特例(復興財確法15条) … 805 五 予定納税(復興財確法16条) ……… 806 六 課税標準及び税額の申告(復興財確 法17条) ……… 807 七 申告による納付等(復興財確法18 条) ……… 809 八 申告による源泉徴収特別税額等の還 付等(復興財確法19条) ……… 811 九 青色申告(復興財確法20条) ……… 813 十 更正の請求の特例(復興財確法21 条) ……… 813 十一  更正及び決定(復興財確法22条) ……… 815 十二  更正等又は決定による源泉徴収特 別税額等の還付等(復興財確法23 条) ……… 815 十三  課税標準の端数計算等(復興財確 法24条) ……… 817 十四  充当の特例(復興財確法25条) … 819 Ⅳ 復興特別所得税の法人の納税義務…… 819 一 法人に係る復興特別所得税の課税標 準(復興財確法26条) ……… 819 二 法人に係る復興特別所得税の税率 (復興財確法27条) ……… 819 Ⅴ 復興特別所得税の源泉徴収……… 819 一 源泉徴収義務等(復興財確法28条) … 819 二 居住者の給与等に係る源泉徴収税額 及び源泉徴収特別税額の特例(復興財 確法29条) ……… 823 三 年末調整(復興財確法30条) ……… 825 四 源泉徴収に係る復興特別所得税の課 税標準の端数計算等(復興財確法31 条) ……… 826 Ⅵ 雑則……… 828 一 当該職員の質問検査権等(復興財確 法32条) ……… 828 二 復興特別所得税に係る所得税法の適 用の特例等(復興財確法33条) ……… 828 Ⅶ 罰則……… 833 一 復興特別所得税の脱税犯(復興財確 法34条) ……… 834 二 源泉徴収に係る復興特別所得税の脱 税犯(復興財確法35条) ……… 834 三 源泉徴収に係る復興特別所得税の不 納付犯(復興財確法36条) ……… 834 四 申告書不提出犯(秩序犯)(復興財 確法37条) ……… 835 五 検査忌避犯(復興財確法38条) …… 835 六 責任罰(復興財確法39条) ………… 835

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Ⅰ 復興特別所得税創設の趣旨

 東日本大震災(平成23年 3 月11日に発生した東 北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所 の事故による災害をいいます。)からの復興を図 ることを目的として、東日本大震災復興基本法(平 成23年法律第76号)に定める基本理念に基づき平 成23年度から平成27年度までの間において実施す る復興施策に必要な財源を確保するための特別措 置として、財政投融資特別会計財政融資資金勘定 からの国債整理基金特別会計への繰入れ並びに日 本たばこ産業株式会社及び東京地下鉄株式会社の 株式の所属替等の措置を講ずるとともに、復興特 別所得税及び復興特別法人税を創設するほか、そ の財源についての公債の発行に関する措置等を定 める「東日本大震災からの復興のための施策を実 施するために必要な財源の確保に関する特別措置 法」(以下「復興財確法」といいます。)が、衆議 院での議員修正を経て平成23年11月30日に参議院 本会議において可決成立しています(平成23年法 律第117号)。  税制措置については、①次の世代に先送りする ことなく、今を生きる世代全体で連帯し、負担を 分かち合うという観点、②未曾有の災害からの復 旧・復興に必要かつ十分な財源を確保する観点な どから、対象とする税目が検討され、政府が国会 に提出した法律案では、復興特別所得税、復興特 別法人税及び復興特別たばこ税による措置が提案 されましたが、衆議院での修正により復興特別た ばこ税は措置しないこととされました。また、復 興特別所得税については、政府が提出した法律案 ではその年分の所得税額(基準所得税額)の 4 % 相当額の付加税を平成25年から10年間課税すると いう内容でしたが、衆議院での修正により税率は 2.1%、課税期間は25年間に改められました。  以下、復興特別所得税の制度の詳細について、 法律の条文に沿って説明します。

Ⅱ 復興特別所得税の総則

一 定義

(復興財確法 6 条)

 復興特別所得税における用語の意義は、以下の とおりです(復興財確法 6 一~十八)。 ⑴ 居住者 所得税法の居住者(所法 2 ①三)と され、具体的には、国内に住所を有し、又は現 在まで引き続いて 1 年以上居所を有する個人を いいます。 ⑵ 非永住者 所得税法の非永住者(所法 2 ①四) とされ、具体的には、居住者のうち、日本の国 籍を有しておらず、かつ、過去10年以内におい て国内に住所又は居所を有していた期間の合計 が 5 年以下の個人をいいます。 ⑶ 非居住者 所得税法の非居住者(所法 2 ①五) とされ、具体的には、居住者以外の個人をいい ます。 ⑷ 内国法人 所得税法の内国法人(所法 2 ①六) とされ、具体的には、国内に本店又は主たる事 務所を有する法人をいいます。 ⑸ 外国法人 所得税法の外国法人(所法 2 ①七) とされ、具体的には、内国法人以外の法人をい います。 ⑹ 人格のない社団等 所得税法の人格のない社 団等(所法 2 ①八)とされ、具体的には、法人 ではない社団又は財団で代表者又は管理人の定 めのあるものをいいます。 ⑺ 確定申告書 所得税法の規定による所得税の 確定申告書(その申告書に係る期限後申告書を 含みます。)(所法 2 ①三十七)及び租税特別措 置法の規定による申告書(措法37の12の 2 ⑪等) をいいます。 ⑻ 復興特別所得税申告書 復興特別所得税の課 税標準及び税額を申告するための申告書をいい ます。

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⑼ 期限後申告書 国税通則法の期限後申告書 (通法18②)をいいます。具体的には、期限内 申告書を提出すべきであった者(申告書を提出 することができる者でその提出期限内に申告書 を提出しなかったもの及びこれらの者の相続人 等を含みます。)は、その提出期限後においても、 決定があるまでは納税申告書を税務署長に提出 することができ、その場合に提出する納税申告 書を期限後申告書といいます。 ⑽ 修正申告書 国税通則法の修正申告書(通法 19③)をいいます。具体的には、納税申告書を 提出した者(その相続人等を含みます。)は、 ①先の納税申告書の提出により納付すべきもの としてこれに記載した税額に不足額があるとき、 ②先の納税申告書に記載した純損失等の金額が 過大であるとき、③先の納税申告書に記載した 還付金の額に相当する税額が過大であるとき、 ④先の納税申告書にその申告書の提出により納 付すべき税額を記載しなかった場合において、 その納付すべき税額があるときは、その申告に ついて更正があるまでは、その申告に係る課税 標準等又は税額等を修正する納税申告書を税務 署長に提出することができ(通法19①)、また、 更正又は決定を受けた者(その相続人等を含み ます。)は、①その更正又は決定により納付す べきものとしてその更正又は決定に係る更正通 知書又は決定通知書に記載された税額に不足額 があるとき、②その更正に係る更正通知書に記 載された純損失等の金額が過大であるとき、③ その更正又は決定に係る更正通知書又は決定通 知書に記載された還付金の額に相当する税額が 過大であるとき、④納付すべき税額がない旨の 更正を受けた場合において、納付すべき税額が あるときは、その更正又は決定について更正が あるまでは、その更正又は決定に係る課税標準 等又は税額等を修正する納税申告書を税務署長 に提出することができます(通法19②)。これ らの場合に提出する納税申告書を修正申告書と いいます。 ⑾ 更正の請求 国税通則法の更正の請求(通法 23②)をいいます。具体的には、納税申告書を 提出した者は、原則としてその申告書に係る国 税の法定申告期限から 5 年以内に限り、税務署 長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額 等につき更正をすべき旨の請求をすることがで き、それを更正の請求といいます。 ⑿ 更正請求書 国税通則法の更正請求書(通法 23③)をいいます。更正の請求をしようとする 者は、その請求に係る更正前の課税標準等又は 税額等、更正後の課税標準等又は税額等、その 更正の請求をする理由、請求をするに至った事 情の詳細等を記載した更正請求書を税務署長に 提出しなければならないこととされています。 ⒀ 更正 国税通則法の更正(通法24、26)をい います。税務署長は、納税申告書の提出があっ た場合において、その納税申告書に記載された 課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法 律の規定に従っていなかったとき、その他その 課税標準等又は税額等がその調査したところと 異なるときは、その調査により、その申告書に 係る課税標準等又は税額等を更正することとし、 また、更正又は決定をした後、その更正又は決 定をした課税標準等又は税額等が過大又は過少 であることを知ったときは、その調査により、 その更正又は決定に係る課税標準等又は税額等 を更正(再更正)することとされています。 ⒁ 決定 国税通則法の決定(通法25)をいいま す。税務署長は、納税申告書を提出する義務が あると認められる者が申告書を提出しなかった 場合には、その調査により、その申告書に係る 課税標準等及び税額等を決定することとされて います。  なお、復興財確法第23条(更正等又は決定に よる源泉徴収特別税額等の還付等)で使用する 場合は除かれていますが、これは、同条におい て国税通則法で定める決定とは異なる概念の 「不服申立て又は訴えについての決定4 4」という 文言が使用されていることによるものです。 ⒂ 源泉徴収 復興特別所得税の源泉徴収の規定 (復興財確法第 4 章第 4 節)により所得税の源

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泉徴収の際に復興特別所得税を併せて徴収し、 所得税に併せて国に納付することをいいます。 ⒃ 附帯税 国税通則法の附帯税(通法 2 四)と され、具体的には、国税のうち延滞税、利子税、 過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税 及び重加算税をいいます。 ⒄ 充当 国税通則法の充当(通法57①)をいい ます。国税局長、税務署長等は、還付金等があ る場合において、その還付を受けるべき者につ き納付すべきこととなっている国税があるとき は、還付に代えて、還付金等をその国税に充当 しなければならないこととされています。  なお、復興財確法第30条第 1 項(年末調整) で使用する場合は除かれていますが、同項は源 泉徴収された復興特別所得税の税額の過不足の 充当・徴収の規定であり、この充当は、国税通 則法第57条第 1 号で定める充当とは異なる概念 であることによるものです。 ⒅ 還付加算金 国税通則法の還付加算金(通法 58①)をいいます。国税局長、税務署長等は、 還付金等を還付し、又は充当する場合において、 還付金等の区分に従い一定の日の翌日からその 還付のための支払決定の日又はその充当の日ま での期間(他の国税に関する法律に別段の定め がある場合には、その定める期間)の日数に応 じ、その金額に年7.3%の割合を乗じて計算し た還付加算金をその還付し、又は充当すべき金 額に加算しなければならないこととされていま す。

二  法人課税信託の受託者等に対する復興特別所得税の

規定の適用

(復興財確法 7 条)

⑴ 人格のない社団等は、復興特別所得税に関す る規定の適用において、所得税法の規定(所法 4 )と同様、法人とみなすこととされています (復興財確法 7 ①)。 ⑵ また、所得税法の法人課税信託(所法 2 ①八 の三)の受託者は、その引き受けた法人課税信 託の信託資産等(信託財産に属する資産及び負 債並びにその信託財産に帰せられる収益及び費 用をいいます。)及び固有資産等(法人課税信 託の信託資産等以外の資産及び負債並びにその 信託財産に帰せられる収益及び費用をいいま す。)に係る所得について、所得税と同様に復 興特別所得税の納税義務を有することになりま すが、その課税にあたっては、その引き受けた 各法人課税信託の信託資産等及び固有資産等ご とに、それぞれ別の者とみなして、復興特別所 得税に関する規定(下記「三 納税義務者及び 源泉徴収義務者」、「六 納税地」及び「Ⅶ 罰 則」に関する規定を除きます。)を適用するこ ととされており(復興財確法 7 ②)、その場合、 所得税法で定める法人課税信託の受託者及び受 託法人等に関する所得税法の適用に関する規定 (所法 6 の 2 ②、 6 の 3 、所令16①~③)を準 用することとされています(復興財確法 7 ③、 復興特別所得税政令 2 )。このように、その引 き受けた各法人課税信託の信託資産等及び固有 資産等ごとに、それぞれ別の者とみなすことで、 それぞれの所得を区分して別々に所得金額の計 算を行い、別の者とみなされた信託資産等と固 定資産等とが、そのみなされた別の者にそれぞ れ帰属することにより、法人課税信託の受託者 については、各別に計算された所得金額に応じ て、所得税及び復興特別所得税が課税されるこ とになります。 (注 1 )  信託資産等と固定資産等とを区別して適 用する復興財確法の規定の対象から、下記 「三 納税義務者及び源泉徴収義務者」、「六  納税地」及び「Ⅶ 罰則」に関する規定 が除かれていますが、これは、所得税法の 規定と同様に、信託資産等と固定資産等と を別の者とみなすことでそれぞれの所得を 区分して復興特別所得税を課税することと

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しているものの、法人課税信託の信託財産 に帰せられる所得についても納税義務者は 受託者である法人又は個人であり、また、 法人課税信託に係る収益の分配について源 泉徴収義務を有する者もその受託者である 法人又は個人であることから納税義務者や 源泉徴収義務者に関する規定、納税地に関 する規定、罰則に関する規定については、 別の者とみなすことなく、受託者に対して 復興特別所得税の規定を適用することによ るものです。 (注 2 )  所得税法第 6 条の 2 第 2 項は、各法人課 税信託の信託財産等及び固定資産等は、別 の者とみなされたそれぞれの者に帰属する ものとされ、同法第 6 条の 3 は、法人課税 信託の受託法人又は法人課税信託の委託者 若しくは受益者についての所得税法の規定 を適用する場合の通則が定められています。  また、所得税法施行令第16条第 1 項から 第 3 項までには、法人課税信託の併合又は 分割等があった場合の適用関係が定められ ています。

三 納税義務者及び源泉徴収義務者

(復興財確法 8 条)

1  復興特別所得税の納税義務者

 所得税法の納税義務者の規定(所法 5 )その他 租税特別措置法などの所得税に関する法令の規定 により所得税を納める義務のある居住者、非居住 者、内国法人又は外国法人は、下記五の基準所得 税額を課税標準として、復興特別所得税を納める 義務があります(復興財確法 8 ①)。

2  復興特別所得税の源泉徴収義務者

 所得税法の源泉徴収義務者の規定(所法 6 )そ の他租税特別措置法の規定により所得税を徴収し て納付する義務のある者は、その徴収して納付す る所得税と併せて、復興特別所得税の源泉徴収を する義務があります(復興財確法 8 ②)。

四 課税の対象

(復興財確法 9 条)

1  居住者又は非居住者

 居住者又は非居住者の復興特別所得税の課税の 対象は、居住者又は非居住者に対して課される平 成25年から平成49年までの各年分の所得税に係る 下記五の基準所得税額とされます(復興財確法 9 ①)。

2  内国法人又は外国法人

 内国法人又は外国法人の復興特別所得税の課税 の対象は、内国法人又は外国法人に対して課され る平成25年 1 月 1 日から平成49年12月31日までの 間に生ずる所得に対する所得税に係る下記五の基 準所得税額とされます(復興財確法 9 ②)。内国 法人又は外国法人については、その支払時に源泉 徴収により所得税が課税されるため、その年の所 得に対して課税(暦年課税)される居住者又は非 居住者とは異なることから、「平成25年 1 月 1 日 から平成49年12月31日までの間」という期間概念 によることとされています。

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五 基準所得税額

(復興財確法10条)

 基準所得税額とは、次の表の区分に応じ、同表 の基準所得税額の欄に掲げる金額とされています (復興財確法10)。 区  分 基 準 所 得 税 額 居 住 者 非永住者 以  外 所得税法の課税所得の範囲(所法 7 ①一)で定める所得(すべての所得)について、 所得税の税額の計算に関する法令の規定により計算した所得税の額 (注) 外国税額控除の規定(所法95)を除きます。 非永住者 所得税法の課税所得の範囲(所法 7 ①二)で定める所得(国内源泉所得及びこれ以 外の所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの)について、所得 税の税額の計算に関する法令の規定により計算した所得税の額 (注) 外国税額控除の規定(所法95)を除きます。 非 居 住 者 所得税法の課税所得の範囲(所法 7 ①三)で定める所得について、所得税の税額の計算に関する法令の規定により計算した所得税の額 内 国 法 人 次に掲げる所得について、所得税の税額の計算に関する法令の規定により計算した 所得税の額 ・ 所得税法の課税所得の範囲(所法 7 ①四)で定める所得(利子等、配当等、給 付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配及び賞金) ・ 租税特別措置法の国外で発行された公社債等の利子所得の分離課税等(措法 3 の 3 ②)で定める国外公社債等の利子等 ・ 租税特別措置法の民間国外債の利子の課税の特例(措法 6 ①)で定める民間国 外債の利子 ・ 租税特別措置法の外貨債の利子の課税の特例(措法 6 ⑪)で定める外貨債の利 子 ・ 租税特別措置法の国外で発行された投資信託等の収益の分配に係る配当所得の 分離課税等(措法 8 の 3 ②)で定める国外投資信託等の配当等 ・ 租税特別措置法の国外で発行された株式の配当所得の源泉徴収等の特例(措法 9 の 2 ①)で定める国外株式の配当等 ・ 租税特別措置法の懸賞金付預貯金等の懸賞金等の分離課税等(措法41の 9 ②) で定める懸賞金付預貯金等の懸賞金等 ・ 租税特別措置法の償還差益等に係る分離課税等(措法41の12②)で定める償還 差益 外 国 法 人 次に掲げる所得について、所得税の税額の計算に関する法令の規定により計算した 所得税の額 ・ 所得税法の課税所得の範囲(所法 7 ①五)で定める所得(国内源泉所得のうち 所得税法第161条第 1 号の 2 から第 7 号まで及び第 9 号から第12号までに掲げるも の) ・ 租税特別措置法の外国特定目的信託の利益の分配又は外国特定投資信託の収益 の分配に係る課税の特例(措法 9 の 6 ②)で定める外国特定目的信託の利益の分 配及び外国特定投資信託の収益の分配 ・ 租税特別措置法の懸賞金付預貯金等の懸賞金等の分離課税等(措法41の 9 ②) で定める懸賞金付預貯金等の懸賞金等 ・ 租税特別措置法の償還差益等に係る分離課税等(措法41の12②)で定める償還 差益

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六 納税地

(復興財確法11条)

1  復興特別所得税の納税地

⑴ 復興特別所得税(源泉徴収に係るものを除き ます。)の納税地は、復興特別所得税の納税義 務者の所得税の納税地とされています(復興財 確法11①)。具体的には、納税義務者が次に掲 げる場合のいずれに該当するかに応じ、それぞ れ次に掲げる場所となります(所法15)。 ① 国内に住所を有する場合  その住所地 ② 国内に住所を有せず、居所を有する場合   その居所地 ③ ①及び②に掲げる場合を除き、所得税法第 164条第 1 項第 1 号から第 3 号まで(国内に 恒久的施設を有する非居住者)に掲げる非居 住者に該当する場合  その国内において行 う事業に係る事務所、事業所その他これらに 準ずるものの所在地(これらが 2 以上ある場 合には、主たるものの所在地) ④ ①又は②により納税地を定められていた者 が国内に住所及び居所を有しないこととなっ た場合において、その者がその有しないこと となった時に③の事業に係る事務所、事業所 その他これらに準ずるものを有せず、かつ、 その納税地とされていた場所にその者の親族 その他その者と特殊の関係を有する者が引き 続き、又はその者に代わって居住していると き  その納税地とされていた場所 ⑤ ①から④までに掲げる場合を除き、所得税 法第161条第 3 号(不動産の貸付け等の対価) に掲げる対価(船舶又は航空機の貸付けによ るものを除きます。)を受ける場合  その 対価に係る資産の所在地(その資産が 2 以上 ある場合には、主たる資産の所在地) ⑥ ①から⑤までに掲げる場合以外の場合   一定の場所 ⑵ ただし、納税地の特例として、国内に住所の ほか居所を有する納税義務者は、その住所地に 代え、その居所地を納税地とすることが可能で あり、また、国内に住所又は居所を有し、かつ、 その住所地又は居所地以外の場所にその営む事 業に係る事業場その他これに準ずるもの(事業 場等)を有する納税義務者は、上記⑴①又は② に関わらず、その住所地又は居所地に代え、そ の事業場等の所在地(その事業場等が 2 以上あ る場合には、これらのうち主たる事業場等の所 在地)を納税地とすることができます(所法16)。 ⑶ なお、納税地の所轄国税局長による納税地の 指定があった場合には、その指定をされた納税 地が納税義務者の復興特別所得税の納税地とな ります(所法18)。

2  源泉徴収に係る復興特別所得税の納税

⑴ 源泉徴収に係る復興特別所得税の納税地は、 源泉徴収義務者の源泉所得税の納税地とされて います(復興財確法11②)。具体的には、給与 等の支払をする者その他所得税法第 4 編第 1 章 から第 6 章まで(源泉徴収)に規定する支払を する者の事務所、事業所その他これらに準ずる ものでその支払事務を取り扱うもののその支払 の日における所在地ですが、公社債の利子、内 国法人が支払う剰余金の配当その他の一定のも のについては、その支払をする者の本店又は主 たる事務所の所在地等の場所が納税地となりま す(所法17)。 ⑵ なお、納税地の所轄国税局長による納税地の 指定があった場合には、その指定をされた納税 地が源泉徴収義務者の源泉徴収に係る復興特別 所得税の納税地となります(所法18)。 (注) 復興特別所得税の納税地の指定の処分の取 消しがあった場合には、所得税法第19条(納 税地指定の処分の取消しがあった場合の申告 等の効力)の規定が準用され(復興財確法11③)、 納税地の指定の処分の取消しがあった場合に

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おいても、その取消しの時までのその取消しの 対象となった納税地を基準としてなされた申 告等の効力には影響しないこととされていま す。

Ⅲ 復興特別所得税の個人の納税義務

一 個人に係る復興特別所得税の課税標準

(復興財確法12条)

 個人に対して課する復興特別所得税の課税標準 は、個人のその年分の基準所得税額とされていま す(復興財確法12)。  個人は、非永住者以外の居住者、非永住者又は 非居住者に区分されますが、復興特別所得税の課 税標準である基準所得税額は、上記Ⅱ五の表の区 分に応じ、それぞれ同表に掲げる所得税の額にな ります。

二 個人に係る復興特別所得税の税率

(復興財確法13条)

 個人に対して課する復興特別所得税の額は、そ の個人のその年分の基準所得税額に100分の2.1の 税率を乗じて計算した金額です(復興財確法13)。 《算式》 復興特別所 得税の額 =各年分の基準所得税額 × 税率〔2.1%〕

三 外国税額の控除

(復興財確法14条)

 復興特別所得税申告書を提出する居住者が平成 25年から平成49年までの各年において所得税法第 95条第 1 項(外国税額控除)の適用を受ける場合 において、その年の同項に規定する控除対象外国 所得税の額が所得税の控除限度額を超えるときは、 その超える金額を一定の控除限度額の範囲内で、 上記二により計算した復興特別所得税の額から控 除することとされています(復興財確法14)。  この復興特別所得税における外国税額控除の控 除限度額は、その年分の確定申告書に係る基準所 得税額について上記二により計算した復興特別所 得税の額に所得税法施行令第222条第 1 項(控除 限度額の計算)に規定する割合、すなわちその年 の所得金額のうちにその年の国外所得の占める割 合を乗じて計算した金額になります(復興特別所 得税政令 3 )。 《算式》 控除限度額 = 復興特別所得税の額 × その年の国外所得金額 その年の所得金額  なお、復興特別所得税について外国税額控除の 適用を受けるためには復興特別所得税申告書、修 正申告書又は更正請求書に控除を受けるべき金額 及びその計算に関する明細を記載した書類を添付 しなければならないこととされています(復興財 確法14②)。この場合に控除されるべき金額は、 当該金額として記載された金額を限度とすること とされています(復興財確法14②)。

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四  復興特別所得税申告書の提出がない場合の

税額の特例

(復興財確法15条)

⑴ この特例は、所得税法第103条(確定申告書 の提出がない場合の税額の特例)と同趣旨で置 かれた規定ですが、所得税法では、所得税の確 定申告とその概算納付に相当する納付との関係 が定められており、その内容は、その年分の所 得税に係る予定納税又はその年分の所得税につ いて源泉徴収をされた、若しくはされるべき税 額がある居住者が、その年の所得税に係る確定 申告の義務がないときは、その者に対して課さ れる所得税の額は、その予納税額とその源泉徴 収所得税との合計額とするものです(ただし、 その者が任意に確定申告書を提出すれば、その 確定申告に係る税額によることになります。)。 ⑵ 具体的には、所得税と同様に、復興特別所得 税申告書を提出する義務のない者に対して課す る復興特別所得税の額は、上記「一 個人に係 る復興特別所得税の課税標準」(復興財確法12)、 上記「二 個人に係る復興特別所得税の税率」 (復興財確法13)及び上記「三 外国税額の控除」 (復興財確法14)により計算した復興特別所得 税の額によらず、その者のその年分の予納特別 税額及び源泉徴収特別税額の合計額になります (復興財確法15)。ただし、その年の所得税に係 る確定申告の義務がない場合であっても、還付 を受けるための申告により所得税の確定申告書 を提出する場合には、復興特別所得税申告書を 併せて提出する必要があることから(復興財確 法17③)、その場合のその者に対して課される 復興特別所得税の額は、予納特別税額及び源泉 徴収特別税額の合計額ではなく正規の計算によ り算定された復興特別所得税の額によることに なります。 (注 1 )  「予納特別税額」とは、次に掲げる税額の 合計額(その税額のうちに、出国申告書を 提出したことにより、又は出国申告書に係 る復興特別所得税につき更正若しくは決定 を受けたことにより還付される金額がある 場合には、その金額を控除した金額)をい います(復興財確法17④)。 ①  下記五 1 ⑵により納付すべき復興特別 所得税の額 ②  その年において出国申告書を提出した ことにより、又は出国申告書に係る復興 特別所得税につき更正若しくは決定を受 けたことにより、下記七又は申告納税方 式による国税等の納付(通法35②)の規 定により納付した、又は納付すべき復興 特別所得税の額 (注 2 )  「源泉徴収特別税額」とは、所得税の源泉 徴収税額に併せて源泉徴収をされた、又は 源泉徴収をされるべき復興特別所得税の額 (この復興特別所得税の額のうちに、出国申 告書所得税法第127条第 1 項から第 3 項まで の規定(年の中途で出国をする場合の確定 申告)による確定申告書に併せて提出する 復興特別所得税申告書をいいます。)を提出 したことにより、又は出国申告書に係る復 興特別所得税につき更正若しくは決定を受 けたことにより還付される金額若しくは非 居住者の人的役務の提出に係る対価につい て源泉徴収された復興特別所得税の額のう ち徴収が行われたものとみなされる金額が ある場合には、これらの金額を控除した金 額)をいいます(復興財確法17①三、復興 特別所得税政令 5 ②)。

(10)

五 予定納税

(復興財確法16条)

1  復興特別所得税に係る予定納税

⑴ 所得税においては、納税義務者の便宜、歳入 の均分化その他の理由に基づき、所得税額の一 部をあらかじめ分割納付させる予定納税の制度 を採用しており、その内容は、居住者についてそ の年 6 月30日現在の現況において予定納税基準 額が15万円以上である場合には、その予定納税 基準額の 3 分の 1 に相当する金額の所得税をそ れぞれ、第 1 期(その年 7 月 1 日から 7 月31日ま で)及び第 2 期(その年11月 1 日から11月30日ま で)に納付することとされています(所法104)。 なお、農業の収穫時期との関係で所得の大半が その年の 9 月以降に実現する特別農業所得者と して予定納税の納付義務のある居住者について は、その年 9 月15日の現況によりその予定納税基 準額を計算し、その 2 分の 1 に相当する金額の 所得税を第 2 期(その年11月 1 日から11月30日ま で)に納付することとされています(所法107)。 ⑵ 個人に対して課される平成25年分から平成49 年分までの各年分の所得税に係る基準所得税額 には、復興特別所得税が課税されることから、 予定納税についても同様に復興特別所得税を所 得税に併せて納付しなければなりません。  具体的には、平成25年分から平成49年分まで の各年分の所得税の予定納税基準額及びその予 定納税基準額に100分の2.1を乗じて計算した金 額の合計額が15万円以上である者は、所得税の 予定納税に係る復興特別所得税を、その所得税 の予定納税に併せて国に納付しなければならな いこととされています(復興財確法16①)。 ⑶ この場合の所得税の予定納税と併せて納付す べき復興特別所得税については、予定納税基準 額の計算の基準日、予定納税額の通知、予定納 税額の減額の承認の申請手続その他の所得税の 予定納税に係る規定(所法第 2 編第 5 章第 1 節、 所令第 2 編第 5 章第 1 節、所規第 2 編第 3 章第 1 節)を準用することとされています(復興財 確法16②、復興特別所得税政令 4 、復興特別所 得税省令 2 )。

2  復興特別所得税及び所得税に係る予定

納税額の納付

⑴ 復興特別所得税及び所得税の予定納税額の納 付があった場合には、その納付額を納付すべき 復興特別所得税の額及び所得税の額に按分した 額に相当する復興特別所得税及び所得税の納付 があったものとされます(復興財確法16③)。 ⑵ この納付があったものとされる復興特別所得 税の額(以下「復興特別所得税納付額」といい ます。)に 1 円未満の端数がある場合又は復興 特別所得税納付額の全額が 1 円未満である場合 において、その端数金額又は全額(以下「端数 金額等」といいます。)に①に掲げる合計額を 加算した金額から②に掲げる合計額を控除した 金額(以下「調整後端数金額等」といいます。) が50銭以下であるときは、その端数金額等を切 り捨てるものとし、その調整後端数金額等が50 銭超であるときは、その端数金額等を 1 円とし ます(復興特別所得税政令 4 ②)。 ① その復興特別所得税納付額に係る納付すべ き復興特別所得税の額のうち既に納付された 額について、切り捨てられた額の合計額 ② その復興特別所得税納付額に係る納付すべ き復興特別所得税の額のうち既に納付された 額について、 1 円とされた額を 1 円から控除 した額の合計額(その 1 円とされた額がない 場合には、零)。 ⑶ なお、復興特別所得税及び所得税の予定納税 額の納付があった場合における、納付があった ものとされる所得税の額は、その納付額から上 記により計算した復興特別所得税納付額に相当 する額を控除した額に相当する額とされます (復興特別所得税政令 4 ③)。

(11)

《計算例 》納付があったものとされた金額に 1 円未満の端数がある場合の端数計算(復興特別所得税政令 4 ②) 前提:予定納税基準額:150,000円

六 課税標準及び税額の申告

(復興財確法17条)

1  確定申告に係る復興特別所得税額の申

⑴ 所得税の確定所得申告(所法120①)、確定申 告書を提出すべき者等が出国をする場合の確定 申告(所法126①)又は年の中途で出国をする 場合の確定申告(所法127①)により確定申告 書を提出すべき者は、次に掲げる事項を記載し た申告書を、その確定申告書の提出期限までに、 税務署長に提出しなければならないこととされ ています(復興財確法17①、復興特別所得税省 令 3 ①一、三)。 ① その年分の確定申告書に係る基準所得税額 ② ①の基準所得税額につき上記二及び三によ り計算した復興特別所得税の額 ③ その年分の源泉徴収特別税額がある場合に は、②の復興特別所得税の額からその源泉徴 収特別税額を控除した金額 ④ ③の金額の計算上控除しきれなかった源泉 徴収特別税額がある場合には、その控除しき れなかった金額 ⑤ その年分の予納特別税額がある場合には、 ②の復興特別所得税の額(源泉徴収特別税額 がある場合には、③の金額)からその予納特 別税額を控除した金額 ⑥ ⑤の金額の計算上控除しきれなかった予納 特別税額がある場合には、その控除しきれな かった金額 ⑦ ①から⑥までの金額の計算の基礎及び次に 掲げる事項 イ 復興特別所得税申告書を提出する者の氏 名及び住所(国内に住所がない場合には、 居所)並びに住所地(国内に住所がない場 合には、居所地)と納税地とが異なる場合 には、その納税地 ロ その他参考となるべき事項 【第 1 期】 (102.1%)合計 (100%)所得税 (2.1%)復興税 復興税の端数 【第 2 期】 (102.1%)合計 (100%)所得税 (2.1%)復興税 復興税の端数 納付すべき金額 50,000.00 48,971.60 1,028.40 納付すべき金額 50,000.00 48,971.60 1,028.40 例①:一括納付の場合 50,000 48,972 1,028 ▲ 0.40 例①:一括納付の場合 50,000 48,972 1,028 ▲ 0.40 例②:分割納付の場合 例②:分割納付の場合 7 月31日:20,000円 20,000.00 19,588.64 411.36 0.36 11月30日:10,000円 10,000.00 9,794.32 205.68 0.68 調整後端数金額等 0.36 調整後端数金額等 0.68 端数処理後 20,000.00 19,589.00 411.00 ▲ 0.36 端数処理後 10,000.00 9,794.00 206.00 0.32 8 月31日:20,000円 20,000.00 19,588.64 411.36 0.36 12月28日:15,000円 15,000.00 14,691.48 308.52 0.52 調整後端数金額等 0.72 調整後端数金額等 0.20 端数処理後 20,000.00 19,588.00 412.00 0.64 端数処理後 15,000.00 14,692.00 308.00 ▲ 0.52 9 月30日:10,000円 10,000.00 9,794.32 205.68 0.68 1 月31日:25,000円 25,000.00 24,485.80 514.20 0.20 調整後端数金額等 0.40 調整後端数金額等 0.40 端数処理後 10,000.00 9,795.00 205.00 ▲ 0.68 端数処理後 25,000.00 24,486.00 514.00 ▲ 0.20 合計納付額 50,000.00 48,972.00 1,028.00 ▲ 0.40 合計納付額 50,000.00 48,972.00 1,028.00 ▲ 0.40

(12)

⑵ なお、確定申告書を提出すべき者が死亡した 場合の確定申告(所法124①)又は年の中途で 死亡した場合の確定申告(所法125①)により 確定申告書を提出すべき者は、上記⑴①から⑦ までに掲げる事項に加え、次に掲げる事項を記 載した申告書を、その確定申告書の提出期限ま でに、税務署長に提出しなければならないこと とされています(復興財確法17①、復興特別所 得税政令 5 ①、復興特別所得税省令 3 ①二、②)。 ① 各相続人の氏名及び住所(国内に住所がな い場合には、居所)、被相続人との続柄、民 法の規定によるその相続分並びに相続又は遺 贈によって得た財産の価額 ② 相続人が限定承認をした場合には、その旨 ③ 相続人が 2 人以上ある場合には、所得税の 額(源泉徴収税額があり、かつ、予納税額が ない場合には、所得税の額から源泉徴収税額 を控除した金額とし、予納税額がある場合に は、所得税の額から予納税額を控除した金額 となります。)を各相続人の相続分により按 分して計算した額に相当する所得税の額 ④ 死亡をした者の氏名及びその死亡の時にお ける住所(国内に住所がない場合には、居所) 並びに住所地(国内に住所がない場合には、 居所地)と納税地とが異なる場合には、その 納税地

2  還付申告に係る復興特別所得税額の申

 所得税の還付等を受けるための申告(所法122 ①)、確定損失申告(所法123①)その他租税特別 措置法の規定による損失の繰越控除を適用するた めに確定申告書を提出する場合は、上記 1 の確定 申告書を提出すべき者の確定申告ではなく、所得 税の申告義務のない者の確定申告となりますが、 この所得税の申告義務のない者が確定申告書を提 出する場合においても、上記 1 ⑴①から⑦までに 掲げる事項を記載した申告書を税務署長に提出し なければならないこととされています(復興財確 法17②)。

3  復興特別所得税申告書等の提出

 その年分の復興特別所得税に係る復興特別所得 税申告書、修正申告書又は更正請求書は、その復 興特別所得税と年分が同一である所得税に係る確 定申告書、修正申告書及び更正請求書に併せて提 出しなければならないこととされています(復興 財確法17③)。

4  非居住者給与等申告書を提出する場合

の復興特別所得税の申告

 所得税法第172条第 1 項(給与等につき源泉徴 収を受けない場合の申告納税等)の規定による申 告書(以下「非居住者給与等申告書」といいます。) を提出すべき者は、その年分の非居住者給与等申 告書に係る次に掲げる事項を記載した申告書を、 その非居住者給与等申告書の提出期限までに、税 務署長に提出しなければならないこととされてい ます(復興財確法17⑤、復興特別所得税省令 3 ②)。 ⑴ 所得税法第172条第 1 項第 1 号に掲げる所得 税の額及びその所得税の額につき上記二により 計算した復興特別所得税の額 ⑵ 所得税法第172条第 1 項第 2 号に掲げる所得 税の額及びその所得税の額につき上記二により 計算した復興特別所得税の額 ⑶ ⑴の復興特別所得税の額から⑵の復興特別所 得税の額を控除した金額 ⑷ その者が所得税法第171条(退職所得につい ての選択課税)に規定する退職手当等について 同条の選択をする場合には、次に掲げる事項 ① 所得税法第172条第 2 項第 1 号に掲げる所 得税の額及びその所得税の額につき上記二に より計算した復興特別所得税の額 ② 所得税法第172条第 2 項第 2 号に掲げる所 得税の額及びその所得税の額に併せて源泉徴 収をされた、又はされるべき復興特別所得税 の額(その所得税の額のうちに同法第170条 (分離課税に係る所得税の税率)の規定を適 用して計算した所得税の額がある場合には、 その所得税の額につき上記二により計算した

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復興特別所得税の額を含みます。) ③ ①の復興特別所得税の額から②の復興特別 所得税の額を控除した金額 ⑸ ⑴及び⑷①の金額の計算の基礎その他所定の 事項  なお、その年分の復興特別所得税に係る上記の 申告書(その申告書に係る期限後申告書を含みま す。)又はこれらの申告書に係る修正申告書若し くは更正請求書の提出については、上記 3 の復興 特別所得税申告書等の提出の方法に準じて行うこ ととされています(復興財確法17⑦)。

5  退職所得の選択課税による還付のため

の申告書を提出する場合の復興特別所得

税の還付の申告

 所得税法第173条第 1 項(退職所得の選択課税 による還付)の規定による申告書(以下「退職所 得の選択課税による還付申告書」といいます。) を提出する者は、その年分の退職所得の選択課税 による還付申告書に係る次に掲げる事項を記載し た申告書を、税務署長に提出しなければならない こととされています(復興財確法17⑥、復興特別 所得税省令 3 ②)。 ⑴ 所得税法第172条第 2 項第 1 号に掲げる所得 税の額及びその所得税の額につき上記二により 計算した復興特別所得税の額 ⑵ 所得税法第172条第 2 項第 2 号に掲げる所得 税の額及びその所得税の額に併せて源泉徴収を された、又はされるべき復興特別所得税の額(そ の所得税の額のうちに同法第170条の規定を適 用して計算した所得税の額がある場合には、そ の所得税の額につき上記二により計算した復興 特別所得税の額を含みます。) ⑶ ⑵の復興特別所得税の額から⑴の復興特別所 得税の額を控除した金額 ⑷ ⑴の金額の計算の基礎その他所定の事項  なお、その年分の復興特別所得税に係る上記の 申告書又はその申告書に係る修正申告書若しくは 更正請求書の提出については、上記 3 の復興特別 所得税申告書等の提出の方法に準じて行うことと されています(復興財確法17⑦)。

七 申告による納付等

(復興財確法18条)

1  確定申告に係る復興特別所得税額の納

⑴ 上記六 1 の所得税の確定所得申告、確定申告 書を提出すべき者が死亡した場合の確定申告、 年の中途で死亡した場合の確定申告、確定申告 書を提出すべき者等が出国をする場合の確定申 告又は年の中途で出国をする場合の確定申告に より復興特別所得税申告書を提出した者は、次 に掲げる表の区分に応じ、それぞれ納付すべき 復興特別所得税額に相当する復興特別所得税を その復興特別所得税申告書の提出期限までに、 国に納付しなければならないこととされていま す(復興財確法18①)。 区分 納付すべき復興特別所得税額 ①  源泉徴収特別税 額があり、かつ、 予納特別税額がな い場合 上記六 1 ⑴③の金額 ②  予納特別税額が ある場合 上記六 1 ⑴⑤の金額 ③  ①及び②以外の 場合 上記六 1 ⑴②の金額 ⑵ 復興特別所得税を納付する場合(期限後申告 書若しくは修正申告書又は更正通知書若しくは 決定通知書により復興特別所得税を納付する場 合(通法35②)を含みます。)において、確定 申告による納付(所法128)、死亡の場合の確定 申告による納付(所法129)又は出国の場合の

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確定申告による納付(所法130)の規定により 納付すべき年分が同一である所得税があるとき (期限後申告書若しくは修正申告書又は更正通 知書若しくは決定通知書により納付すべき年分 が同一である所得税があるとき(通法35②)を 含みます。)は、その復興特別所得税は、その 所得税に併せて納付しなければならないことと されています(復興財確法18②)。  なお、復興特別所得税及び所得税の納付があ った場合には、その納付額を納付すべき復興特 別所得税の額及び所得税の額に按分した額に相 当する復興特別所得税及び所得税の納付があっ たものとされることから(復興財確法18③)例 えば、一部納付の場合に、納付する者の意思に より復興特別所得税又は所得税のいずれかから 先に納付するということにはなりません。この 場合において、納付があったものとされた額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額が 1 円 未満である場合のその処理の方法は、上記五 2 の計算の方法に準じて復興特別所得税及び所得 税の納付額を計算することとされています(復 興特別所得税政令 6 ②)。

2  復興特別所得税の納付の延期、延納の

許可

⑴ 所得税では、確定申告書の提出により納付す べき第 3 期分の所得税の額の 2 分の 1 以上の金 額を納期限までに納付したときは、その残額に ついては、届出によりその年 5 月31日まで納付 を延期することができますが(所法131)、復興 特別所得税についても、復興特別所得税申告書 を提出した者が、納付すべき復興特別所得税の 額の 2 分の 1 以上の金額を所得税と併せて納期 限までに納付したときは、その残額については、 届出によりその年 5 月31日まで納付を延期する ことができます(復興財確法18④、復興特別所 得税省令 4 )。  なお、この納付すべき復興特別所得税の額に ついては、延払条件付譲渡に係る所得税額の延 納の手続き等(所法133①)により申請書を提 出する場合には、その納付すべき復興特別所得 税の額からその申請書に記載した延払条件付譲 渡に係る延納を求めようとする復興特別所得税 の額を控除した額とされます(復興財確法18④ 括弧書き)。 ⑵ 税務署長は、延払条件付譲渡に係る所得税額 の延納(所法132①)の規定により納付すべき 所得税の延納の許可をする場合には、その延納 に係る所得税の額に100分の2.1を乗じて計算し た金額に相当する復興特別所得税の延納を併せ て許可するものとされています(復興財確法18 ⑤)。  復興特別所得税の納付の延期又は延納の許可 については、所得税の確定申告税額の延納(所 法131②③)、延払条件付譲渡に係る所得税額の 延納(所法132②)、延払条件付譲渡に係る所得 税額の延納の手続等(所法133)、延払条件付譲 渡に係る所得税額の延納条件の変更(所法134)、 延払条件付譲渡に係る所得税額の延納の取消し (所法135)、延払条件付譲渡に係る所得税額の 延納に係る利子税(所法136)及び延納税額に 係る延滞税の特例(所法137)の規定を準用す ることとされています(復興財確法18⑥)。こ れにより、税務署長が延納の許可をする場合に は、その延納に係る所得税及び復興特別所得税 の額の合計額に相当する担保を徴することにな りますが、その延納に係る所得税及び復興特別 所得税の額の合計額が50万円以下で、かつ、そ の延納の期間が 3 年以下である場合には、担保 は不要とされます(復興財確法18⑥)。  また、税務署長は、延納の許可を受けた者が 提出した申告書に係る所得税及び復興特別所得 税につき修正申告書の提出又は更正があった場 合において、その申告又は更正があった後にお ける所得税及び復興特別所得税の額(以下「修 正後の年税額」といいます。)を基礎として延 払条件付譲渡に係る税額の計算に準じて計算し た金額が、修正後の年税額の 2 分の 1 に相当す る金額以下となり、又は30万円以下となったと きは、その延納の許可を取り消すことができま

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す(復興特別所得税政令 6 ①)。

3  非居住者給与等申告書を提出する場合

の復興特別所得税額の納付

⑴ 上記六 4 の申告書を提出した者は、その申告 書に記載した上記六 4 ⑶の金額(上記六 4 ⑷③ の金額がある場合には、上記六 4 ⑶の金額と上 記六 4 ⑷③の金額との合計額)に相当する復興 特別所得税をその申告書の提出期限までに、国 に納付しなければならないこととされています (復興財確法18⑦)。 ⑵ 復興特別所得税を納付する場合(期限後申告 書若しくは修正申告書又は更正通知書若しくは 決定通知書により復興特別所得税を納付する場 合(通法35②)を含みます。)において、所得 税法第172条第 3 項の規定により納付すべき年 分が同一である所得税があるとき(期限後申告 書若しくは修正申告書又は更正通知書若しくは 決定通知書により納付すべき年分が同一である 所得税があるとき(通法35②)を含みます。)は、 その復興特別所得税は、その所得税に併せて納 付しなければならないこととされています(復 興財確法18⑧)。  なお、復興特別所得税及び所得税の納付があ った場合には、上記 1 ⑵の取扱いに準じて復興 特別所得税及び所得税の納付があったものとさ れます(復興財確法18⑨)。この場合において、 納付があったものとされた額に 1 円未満の端数 がある場合又はその全額が 1 円未満である場合 のその処理の方法については、上記 1 ⑵を参照 してください(復興特別所得税政令 6 ②)。

八 申告による源泉徴収特別税額等の還付等

(復興財確法19条)

1  復興特別所得税申告書に係る還付

⑴ 復興特別所得税申告書の提出があった場合に おいて、その復興特別所得税申告書に上記六 1 ⑴④又は⑥の金額の記載があるときは、税務署 長は、その復興特別所得税申告書を提出した者 に対し、その金額に相当する復興特別所得税又 は予納特別税額を還付することとされています (復興財確法19①③)。  なお、所得税においては、還付の対象となる 源泉徴収税額のうちにまだ納付されていないも のがあるときは、その未納付相当額については 納付があるまでは還付しないこととされており (所法138②)、復興特別所得税においても、復 興特別所得税申告書に記載された上記六 1 ⑴④ の源泉徴収特別税額のうちにまだ納付されてい ないものがあるときは、還付金の額のうちその 納付されていない部分の金額に相当する金額に ついては、その納付があるまでは還付しないこ ととされています(復興財確法19②)。  また、予納特別税額に係る還付金の還付をす る場合において、復興特別所得税申告書に係る 年分の予納特別税額について納付された延滞税 があるときは、その額のうち、還付される予納 特別税額に対応する金額を併せて還付すること とされています(復興財確法19④)。 ⑵ 還付する復興特別所得税(予納特別税額に係 る還付金及び還付される予納特別税額に対応す る延滞税を含みます。)は、源泉徴収税額等の 還付(所法138)又は予納税額の還付(所法 139)の規定により還付する年分が同一である 所得税に併せて還付することとされており(復 興財確法19⑤)、復興特別所得税及び所得税の 還付があった場合には、その還付額を併せて還 付する復興特別所得税の額及び所得税の額に按 分した額に相当する復興特別所得税及び所得税 の還付があったものとされます(復興財確法19 ⑥)。  この場合において、還付があったものとされ た額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額 が 1 円未満である場合のその処理の方法は、上 記五 2 の計算の方法に準じて復興特別所得税及

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び所得税の還付額を計算することとされていま す(復興特別所得税政令 7 ②)。 ⑶ 復興特別所得税申告書の提出により復興特別 所得税又は予納特別税額を還付する場合は、所 得税に係る還付加算金の計算期間(所法138③)、 還付加算金の不加算及び延滞税の免除(所法 138④)並びに予納税額に係る還付加算金の計 算期間(所法139③)、還付加算金の不加算及び 延滞税の免除(所法139④)及び還付延滞税の 還付加算金の不加算(所法139⑤)の規定を準 用して計算した還付加算金を付して還付するこ ととされ(復興財確法19⑦)、還付する復興特 別所得税については、所得税の還付を受ける場 合の確定申告書の記載事項、還付すべき所得税 額の充当の順序、予納税額に係る還付加算金の 額の計算などの規定を準用することとされてい ます(復興特別所得税政令 7 ①、復興特別所得 税省令 5 )。 ⑷ 復興特別所得税及び所得税の還付加算金の計 算は、その年分の復興特別所得税及び所得税に 係る還付金の合計額により行い、算出された還 付加算金をその計算の基礎となった復興特別所 得税及び所得税に係る還付金の額にそれぞれ按 分した額に相当する金額が復興特別所得税又は 所得税に係る還付加算金の額とされます(復興 財確法24⑤)。  なお、復興特別所得税及び所得税に係る還付 加算金の端数計算は、復興特別所得税及び所得 税を一つの税とみなして行うこととされていま す(復興財確法24⑥)。

2  退職所得の選択課税による還付申告書

を提出する場合の復興特別所得税の還付

⑴ 上記六 5 の申告書の提出があった場合には、 税務署長は、その申告書を提出した者に対し、 上記六 5 ⑶の金額に相当する復興特別所得税を 還付することとされています(復興財確法19⑧)。  なお、所得税においては、還付の対象となる 源泉徴収税額のうちにまだ納付されていないも のがあるときは、その未納付相当額については 納付があるまでは還付しないこととされており (所法173③)、復興特別所得税においても、上 記六 5 の申告書に記載された上記六 5 ⑵の復興 特別所得税の額(下記Ⅴ一 1 により併せて徴収 されるべきものに限ります。)のうちにまだ納 付されていないものがあるときは、還付金の額 のうちその納付されていない部分の金額に相当 する金額については、その納付があるまでは還 付しないこととされています(復興財確法19⑨)。 ⑵ 還付する復興特別所得税は、所得税法第173 条第 2 項の規定により還付する年分が同一であ る所得税に併せて還付することとされています (復興財確法19⑩)。  なお、復興特別所得税及び所得税の還付があ った場合には、上記 1 ⑵の取扱いに準じて復興 特別所得税及び所得税の還付があったものとさ れます(復興財確法19⑪)。この場合において、 還付があったものとされた額に 1 円未満の端数 がある場合又はその全額が 1 円未満である場合 のその処理の方法については、上記 1 ⑵を参照 してください(復興特別所得税政令 7 ②)。 ⑶ 上記六 5 の申告書の提出により復興特別所得 税を還付する場合には、所得税に係る還付加算 金の計算期間(所法173④)の規定を準用して 計算した還付加算金を付して還付することとさ れ(復興財確法19⑫)、還付する復興特別所得 税については、所得税の還付を受ける場合の退 職所得の選択課税による還付申告書に添付すべ き明細書など(所令297、所規71)の規定を準 用することとされています(復興特別所得税政 令 7 ①、復興特別所得税省令 5 )。 ⑷ 復興特別所得税及び所得税の還付加算金の計 算並びに復興特別所得税及び所得税に係る還付 加算金の端数計算については、上記 1 ⑷を参照 してください(復興財確法24⑤⑥)。

(17)

九 青色申告

(復興財確法20条)

1  青色申告の承認を受けている者

 所得税の青色申告の承認を受けている者は、復 興特別所得税申告書及び復興特別所得税申告書に 係る修正申告書について、青色申告書により申告 をすることができます(復興財確法20①)。

2  青色申告の承認を取り消された者

 所得税の青色申告の承認を受けていた者が、そ の青色申告の承認を取り消された場合には、その 取消しに係る年分以後の各年分の復興特別所得税 についてその個人が青色申告書により提出した復 興特別所得税申告書及び復興特別所得税申告書に 係る修正申告書は、青色申告書以外の申告書(い わゆる白色申告書)とみなされます(復興財確法 20②)。

十 更正の請求の特例

(復興財確法21条)

1  各種所得の金額に異動を生じた場合の

更正の請求の特例

⑴ 所得税法は、確定申告した税額が過大であっ た場合に、国税通則法で定める更正の請求(通 法23)とは別に、所得税特有の後発的事由とし て次に掲げるものが定められており、これらの 事由が申告書提出後又は決定後において生じた ことにより税額が過大になった場合においては、 その事実が生じた日の翌日から 2 月以内に更正 の請求ができることとされています(所法152、 所令274)。 ① 事業を廃止した場合の必要経費の特例(所 法63)及び資産の譲渡代金が回収不能となっ た場合等の所得計算の特例(所法64)に定め る事実 ② 各種所得の金額(事業所得の金額並びに事 業から生じた不動産所得の金額及び山林所得 の金額を除きます。③において同じです。) の計算の基礎となった事実に含まれていた無 効な行為により生じた経済的成果がその行為 の無効であることに基因して失われたこと ③ 各種所得の金額の計算の基礎となった事実 のうちに含まれていた取り消すことのできる 行為が取り消されたこと ⑵ 復興特別所得税についても所得税と同様に更 正の請求の特例の規定が置かれており、復興特 別所得税申告書を提出し、又は決定を受けた者 (その相続人及び包括受遺者を含みます。)のそ の復興特別所得税申告書又は決定に係る基準所 得税額の計算の基礎となる各種所得の金額につ き上記⑴①から③までの事実が生じたことによ り、税額が過大であること等の事由が生じた場 合(通法23①一~三)には、所得税と同様に各 種所得の金額に異動を生じた場合の更正の請求 の特例が適用されます(復興財確法21①)。

2  前年分の所得税額等の更正等に伴う更

正の請求の特例

 所得税について修正申告をし、又は更正若しく は決定がされたことに伴いその翌年以後の年分の 既に確定している所得税について、税額が過大と なり又は還付金が過少となったときには、修正申 告書を提出した日又は更正若しくは決定の通知を 受けた日の翌日から 2 月以内に、税務署長に対し て更正の請求をすることができます(所法153)。  復興特別所得税についても、個人が、次の⑴か ら⑶までに掲げる金額につき修正申告書を提出し、 又は更正若しくは決定を受けた場合において、そ の修正申告書の提出又は更正若しくは決定に伴い、

(18)

その年分の翌年分以後の各年分で決定を受けた年 分に係る復興特別所得税の納付額が過大となると き、又は復興特別所得税の還付額が過少となると きは、修正申告書を提出した日又は更正若しくは 決定の通知を受けた日の翌日から 2 月以内に、税 務署長に対して更正の請求をすることができます (復興財確法21②)。 ⑴ 所得税の確定所得申告に係る確定申告書に記 載すべき次に掲げる金額(復興財確法21②一) ① その年分の総所得金額、退職所得金額及び 山林所得金額 ② 雑損控除その他の控除の額 ③ 課税総所得金額、課税退職所得金額及び課 税山林所得金額又は純損失の金額 ④ 課税総所得金額、課税退職所得金額及び課 税山林所得金額につき税額の計算の規定を適 用して計算した所得税の額 ⑤ 所得税の額の計算上控除しきれなかった外 国税額控除の額がある場合には、その控除し きれなかった金額 ⑥ 総所得金額若しくは退職所得金額又は純損 失の金額の計算の基礎となった各種所得につ き源泉徴収をされた又はされるべき所得税の 額(その所得税の額のうちに、源泉徴収税額 がある場合には、所得税の額からその源泉徴 収税額を控除した金額) ⑦ ⑥の金額の計算上控除しきれなかった源泉 徴収税額がある場合には、その控除しきれな かった金額 ⑧ その年分の予納税額がある場合には、所得 税の額(源泉徴収税額がある場合には、所得 税の額からその源泉徴収税額を控除した金 額)からその予納税額を控除した金額 ⑨ ⑧の金額の計算上控除しきれなかった予納 税額がある場合には、その控除しきれなかっ た金額 ⑵ 所得税の確定損失申告に係る確定申告書に記 載すべき次に掲げる金額(復興財確法21②一) ① その年において生じた純損失の金額及び雑 損失の金額 ② 翌年以後において総所得金額、退職所得金 額及び山林所得金額の計算上控除することが できる純損失の金額及び雑損失の金額 ③ その年において外国税額控除の規定による 控除をされるべき金額がある場合には、その 金額 ④ 純損失の金額又は総所得金額若しくは退職 所得金額の計算の基礎となった各種所得に係 る源泉徴収税額がある場合には、その源泉徴 収税額 ⑤ その年分の予納税額がある場合には、その 予納税額 ⑶ 復興特別所得税の復興特別所得税申告書に記 載すべき次に掲げる金額(復興財確法21②二) ① その年分の確定申告書に係る基準所得税額 ② ①の基準所得税額につき上記二及び三によ り計算した復興特別所得税の額 ③ その年分の源泉徴収特別税額がある場合に は、②の復興特別所得税の額からその源泉徴 収特別税額を控除した金額 ④ ③の金額の計算上控除しきれなかった源泉 徴収特別税額がある場合には、その控除しき れなかった金額 ⑤ その年分の予納特別税額がある場合には、 ②の復興特別所得税の額(源泉徴収特別税額 がある場合には、③の金額)からその予納特 別税額を控除した金額 ⑥ ⑤の金額の計算上控除しきれなかった予納 特別税額がある場合には、その控除しきれな かった金額

(19)

十一 更正及び決定

(復興財確法22条)

 復興特別所得税及び所得税に係る更正又は決定 は、年分が同一であるこれらの税に係る更正又は 決定に併せて行わなければならないこととされて います(復興財確法22①)。  また、税務署長は、青色申告書に係る年分の所 得税の更正をする場合には、納税者の記帳を尊重 して、更正通知書にその更正の理由を付記するこ ととされていますが(所法155②)、この所得税法 の規定は、個人が提出した青色申告に係る復興特 別所得税について準用することとされており(復 興財確法22②)、所得税の更正と併せて行う復興 特別所得税の更正についても、更正通知書にその 更正の理由を付記することになります。

十二  更正等又は決定による源泉徴収特別税額等の

還付等

(復興財確法23条)

1  復興特別所得税につき決定があった場

⑴ 個人の各年分の復興特別所得税につき決定 (国税通則法第25条の決定をいいます。)があっ た場合において、その年の復興特別所得税の額 から源泉徴収特別税額を控除する際に、その決 定による復興特別所得税の額から控除しきれな い源泉徴収特別税額があるときは、税務署長は、 その個人に対し、その控除しきれない金額に相 当する復興特別所得税を還付することとされて います(復興財確法23①)。 ⑵ ⑴の決定による源泉徴収特別税額の還付につ いて、還付金の額の計算の基礎となった源泉徴 収特別税額のうちにまだ納付されていないもの があるときは、還付金の額のうちその納付され ていない部分の金額に相当する金額については、 その納付があるまで還付しないこととされてい ます(復興財確法23③)。 ⑶ また、個人の各年分の復興特別所得税につき 決定があった場合において、その年の復興特別 所得税の額から予納特別税額を控除する際に、 その決定による復興特別所得税の額から控除し きれない予納特別税額があるときは、税務署長 は、その個人に対し、その控除しきれない金額 に相当する予納特別税額を還付することとされ ています(復興財確法23④)。この場合において、 その年分の予納特別税額について納付された延 滞税があるときは、その額のうち、還付される 予納特別税額に対応する金額を併せて還付する こととされています(復興財確法23⑥)。 ⑷ 決定により復興特別所得税を還付する場合に おいて、所得税法の決定による源泉徴収税額等 の還付(所法159)又は決定による予納税額の 還付(所法160)の規定により還付する年分が 同一である所得税があるときは、その復興特別 所得税は、その所得税に併せて還付するものと され(復興財確法23⑦)、復興特別所得税及び 所得税の還付があった場合には、その還付額を 併せて還付する復興特別所得税の額及び所得税 の額に按分した額に相当する復興特別所得税及 び所得税の還付があったものとされます(復興 財確法23⑧)。  この場合において、還付があったものとされ た額に 1 円未満の端数がある場合又はその全額 が 1 円未満である場合のその処理の方法は、上 記五 2 の計算の方法に準じて復興特別所得税及 び所得税の還付額を計算することとされていま す(復興財確法23⑩、復興特別所得税政令 8 ②)。 ⑸ 決定により復興特別所得税及び所得税を還付 する場合には、所得税法の決定による源泉徴収 税額等の還付に係る還付加算金の計算期間(所

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