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一 当該職員の質問検査権等 (復興財確法32条)

1  当該職員の質問検査権

 国税庁、国税局又は税務署の当該職員が復興特 別所得税に関する調査を行う場合には、国税通則 法の質問検査権、提出物件の留置き、納税義務者 に対する事前通知等の調査手続及び団体に対する 諮問等に関する規定を準用し、所得税と同様の権 限を定めています(復興財確法32①)。

2  身分証明書の携帯等

 国税庁、国税局又は税務署の当該職員が復興特 別所得税に関する質問、検査若しくは物件の提示 若しくは提出の要求をする場合又は団体への諮問 をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、

関係人の請求があったときは、これを提示しなけ ればならないこととされています(復興財確法32

②)。

二  復興特別所得税に係る所得税法の 適用の特例等 (復興財確法33条)

1  他の法令の読替規定

 復興特別所得税が課される場合における所得税 法、租税特別措置法、国税通則法その他の法律の 適用について、必要な読替規定が定められていま す(復興財確法33①、復興特別所得税政令13、復 興特別所得税省令 8 )。

⑴ 所得税法

① 家事関連費等の必要経費不算入

 復興特別所得税は、所得税における所得金 額の計算上必要経費に算入しないこととされ ています(所法45、所令97)。

② 外国税額控除

 所得税の外国税額控除制度では、当年分の 控除対象外国所得税の額が当年分の所得税の 控除限度額と地方税控除限度額との合計額を 超える場合に、前年以前 3 年内の控除余裕枠

を使って所得税の額から控除することが認め られていますが、その合計額に当年分の復興 特別所得税の控除限度額を加えることとされ ています(所法95②、所令223、224)。

③ 前年分の所得税額及び復興特別所得税額の 更正等に伴う更正の請求の特例

 所得税及び復興特別所得税について修正申 告書の提出等をしたことにより、その修正申 告書の提出等に係る翌年分以後の各年分で決 定を受けた年分に係る所得税及び復興特別所 得税の納付額が過大となる場合又は還付額が 過少となる場合には、更正の請求ができるこ ととされています(所法153)。

④ 信託財産に係る利子等の課税の特例  次の制度は、所得税と同様に、復興特別所 得税も対象とすることとされています。

イ 信託会社が引き受けた集団投資信託の信 託財産について納付した所得税額及び復興

特別所得税額の控除(所法176③、180の 2

②、所令300②、306の 2 )

ロ 集団投資信託の信託財産について納付し た所得税額及び復興特別所得税額のその集 団投資信託の収益分配金への加算(所法 176④、180の 2 ③)

⑤ 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書等 の記載事項

 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、

退職所得の受給に関する申告書又は簡易な公 的年金等の受給者の扶養親族等申告書の承認 申請書の記載事項に、支払済みの給与等、退 職手当等又は公的年金等について徴収された、

又は徴収した所得税の額及び復興特別所得税 の額を記載することとされています(所規73

②三、77①、77の 4 ①)。

⑵ 租税特別措置法

① 特定口座に関する帳簿の備付け等

 金融商品取引業者等が備え付ける特定口座 に関する帳簿には、その特定口座において徴 収又は還付をした所得税の額及びその所得税 に係る復興特別所得税の額の合計額に関する 事項その他必要な事項を記載しなければなら ないこととされています(措令25の10の11⑫、

25の10の13⑯、措規18の13の 6 ④、18の13の 7 ⑤)。

② 公益法人等に対して財産を寄附した場合の 譲渡所得等の非課税

 公益法人等に対して財産を寄附した場合の 譲渡所得等の非課税の適用対象となった財産 につき、その寄附を受けた公益法人等が公益 目的事業の用に供さなくなった場合には、そ の公益法人等を個人とみなして、その非課税 となった寄附時点の含み益に対して所得税を 課すこととされていますが(措法40③、措令 25の17㉓)、その際には復興特別所得税も併 せて課税することとされています。

③ 利子税の割合の特例

 利子税の割合の特例について、復興特別所

得税に係る利子税も同様に対象とすることと されています(措法93)。

⑶ 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等 に関する法律による所得税及び復興特別所得税 の減免

 災害減免法の規定により所得税の減免又は徴 収猶予がされる場合には、その所得税に係る復 興特別所得税についても同様に減免等の対象と することとされています(災害減免法 3 、災害 減免令 3 の 2 、 4 、 5 、 6 、 8 )。

⑷ 租税条約等実施特例法

① 免税芸能法人等の役務提供の対価に係る復 興特別所得税の源泉徴収・還付

 免税芸能法人等に該当する相手国居住者等 が支払を受ける芸能人等の役務提供に係る対 価(以下「免税対象の役務提供対価」といい ます。)については、租税条約の規定による 所得税及び復興特別所得税の免税の適用があ る場合であっても、いったん支払時にその免 税対象の役務提供対価につき源泉徴収すべき 所得税に併せて、その所得税の2.1%の税率 で復興特別所得税の源泉徴収が行われること とされています(復興財確法28①②、実特法

3 ①)。

 この源泉徴収された復興特別所得税につい ては、所得税の還付請求と併せて還付請求す ることにより、税務署長から所得税に併せて 免税芸能法人等に対して還付することとされ ています(実特法 3 ②、実特令 2 、実特規 1 の 3 、復興特別所得税省令 8 ③一)。なお、

還付の時期は、その免税芸能法人等が芸能人 等の役務提供報酬について徴収すべき所得税 及び復興特別所得税を納付した後とされてい ます(実特法 3 ③)。

② 割引債の償還差益に係る復興特別所得税の 還付

 相手国居住者等が支払を受ける割引債(平 成25年 1 月 1 日から平成49年12月31日までの

間に発行されたものに限ります。以下同じで す。)の償還差益又は外国法人が支払を受け る割引債の株主等償還差益につき租税条約の 規定による所得税及び復興特別所得税の軽減 又は免除の適用がある場合には、その割引債 の発行者は、その割引債の発行の際に源泉徴 収された所得税の額に相当する金額の全部又 は一部とその所得税の額につき併せて源泉徴 収された復興特別所得税の額に相当する金額 の全部又は一部とを併せて還付することとさ れています(実特法 3 の 3 ①②、実特令 3 ①

~③)。

 なお、この復興特別所得税の還付は、相手 国居住者等又は外国法人が所得税の還付請求 書とその所得税に係る復興特別所得税の還付 請求書とを併せて提出した場合に限り、割引 債の償還の際に還付することとされています

(実特令 3 ⑦、実特規 3 の 4 、復興特別所得 税省令 8 ③一)。

③ 国内に恒久的施設を有しない相手国居住者 等が支払う特定社会保険料に係る復興特別所 得税の還付

 国内に恒久的施設を有しない相手国居住者 等が、その給与又は報酬から特定社会保険料 を支払った場合又は控除される場合には、そ の給与又は報酬につき源泉徴収された所得税 の額のうち特定社会保険料に対応する部分の 金額とその所得税につき併せて源泉徴収され た復興特別所得税の額のうち特定社会保険料 に対応する部分の金額とを併せて還付するこ ととされています(実特法 5 の 2 ⑤)。

 なお、復興特別所得税の還付請求書は、所 得税の還付請求書に併せて提出することとさ れています(実特令 4 の 2 ⑤、実特規 6 の 2

⑤⑥、復興特別所得税省令 8 ③一)。

④ 双方居住者の取扱い

 所得税法等と同様に、居住者で租税条約の 規定によりその租税条約の相手国等の居住者 とみなされるものは、復興財確法の施行地に 住所及び居所を有しないものとみなして、復

興特別所得税に関する規定(上記Ⅱ六(納税 地)に関する規定を除きます。)を適用する こととされています(実特法 6 )。

⑸ 内国税の適正な課税の確保を図るための国外 送金等に係る調書の提出等に関する法律  国外財産調書の提出があった場合又はなかっ た場合の過少申告加算税等の特例について、復 興特別所得税に係る過少申告加算税等も対象と することとされています(国外送金等調書法 6 、 国外送金等調書令12①)。

⑹ 国税通則法

 次に掲げる国税通則法等の規定の適用につい て、復興特別所得税は所得税と同様の取り扱い とすることとされています。

① 国税通則法第 2 条(定義)、第15条(納税 義務の成立及び納付すべき税額の確定)、第 21条(納税申告書の提出先等)、第30条(更 正又は決定の所轄庁)、第33条(賦課決定の 所轄庁)、第37条(督促)、第43条(国税の徴 収の所轄庁)、第46条(納税の猶予の要件等)、

第60条(延滞税)、第65条(過少申告加算税)、

第75条(不服申立て)、第85条(納税地異動 の場合における異議申立先等)及び第86条(異 議申立事件の決定機関の特例)

② 国税通則法施行令第 5 条(納税義務の成立 時期の特例)、第13条(納税の猶予の期間)、

第23条(還付金等の充当適状)、第24条(還 付加算金)及び第41条(納税証明書の交付の 請求等)

③ 国税通則法施行規則第12条(審査請求に係 る書類の提出先)

⑺ 相続税法

 相続税の債務控除の対象となる公租公課の範 囲に、復興特別所得税が加えられています(相 法14、相令 3 )。

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