• 検索結果がありません。

社会的笑いに関する心理学研究の動向

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "社会的笑いに関する心理学研究の動向"

Copied!
13
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

【要 約】

本稿は,これまでの社会的笑いに関する心理学研究を,①笑いの分類,②社会的笑いの機能,

③自然な笑いと作り笑いの差異,④笑いの発達,⑤笑いの識別,⑥笑いと文化の6つの視点か ら概観した。笑いの分類については笑いを分類した研究を概観し,表出者の感情状態に注目し た。社会的笑いの機能については社会スキルとして表出されている笑いの研究を表出者の意 図,目的の視点で紹介した。自然な笑いと作り笑いの差異については,顔面表出の静的(static)

と動的(dynamic)の両方面から強調した。笑いの発達については,人間の笑いは外界と無関 係に生じる段階から社会性を持つようになる過程を述べた。笑いの識別については,発達の視 点を入れて笑い識別についての研究をまとめ,子どもの笑い識別についての研究はまだ稀であ り,今までの研究では一致な結果が得られなかったため,今後の研究においては子どもの表情 識別の解明,などの課題を挙げた。最後に,笑いと文化について,社会的笑いに関する心理学 研究の多くは主にアメリカやヨーロパで行われていて,表情解読についての文化差についての 検討がなされなかった問題を挙げた。この現状にあたっては,独特な笑い文化を持つアジア圏 においての社会的笑いの機能や識別力についての研究も期待されている。

キーワード:笑い,楽しい笑い,作り笑い,社会的笑い,表情識別 

Ⅰ.緒言

笑いはわれわれの生活と共にある。面白いこ とを感じたとき,久しぶりの友人や家族と再会 したとき,何かの困難を乗り越えたとき,遊園 地で好きな乗り物を乗ったとき,射的場でビン を倒し,よいスコアを出したときには笑顔を浮 かべる経験があるように,笑いはそもそも楽し かったり,うれしかったりを表現するポジティ ブな感情表出行動として認知されている。しか し,笑いは自分自身の快感情はもとより,他人 の行動に対して「笑う」という表現を通じて,

自分の意思を伝えることにも使われている。例 えば,街中で偶然に会った知り合いと挨拶した とき,会社の上司のつまらない冗談を聞いたと き,失敗した仲間を励ましたとき,謝る友人を 許したとき,気に入らないプレゼントをもらっ

たときに笑いを示すような経験も少なくないで あろう。このように,笑いは単純に快感情を表 現するだけでなく,さまざまな社交機能を果た している。Ekman(1985 工藤力訳 1992)は 自然な笑い以外に,社会的な意味を持つ笑いを 18種類確認し,笑いの種類は全体で50種類も あると指摘している。

これゆえ,社会的な場面において表現された 笑いの文脈的な意味を理解し,多様な笑いを正 確に識別することは観察者にとって困難な場合 もある。その識別の失敗は,誤解を招いたり,

コミュニケーションを混乱させたりするかもし れないので,笑いがどのような感情の下で生じ たのかを理解することは重要である。自然な笑 いと作り笑いの差異は顔面筋肉の動きの部位や タイミングから脳波の変化までの研究が挙げら

社会的笑いに関する心理学研究の動向

目白大学大学院心理学研究科 

李  珊

     目白大学社会学部 

渋谷昌三

(2)

れる。われわれは笑い表出の発達にしたがって これらの差異を手がかりとして相手の笑い表情 を観察,知覚している。しかし笑い識別に関す る研究のほとんどは欧米で行われていて,日本 人の笑い識別の過程を詳しく検討する研究はほ とんど行われていない。笑いと文化は関係が深 く,文化的取り決めによってつくられる微笑の 解読や,その解読を行う際に生じた認知バイア スに影響を与える要因,さらにその解読が社会 的場面において観察者の行動への判断に至る影 響についての解明は,これから研究が進められ なければならない領域である。

本稿では,日本文化における笑いに対する知 覚,そしてそれによる認知の個人差や行動変容 の解明を目的とした研究の基礎として,これま での社会的笑いに関する心理学研究を①笑いの 分類,②社会的笑いの機能,③自然な笑いと作 り笑いの差異,④笑いの発達,⑤笑いの識別,

⑥笑いと文化の6つの観点から概観し,社会的 笑いに関する心理学研究の現状と課題を考察す る。

Ⅱ.笑いの分類

笑いは,笑い声の有無による分類,意思の笑 いと感情の笑い(浅田,2004),正常な笑いと 異常な笑い(角辻,1996)など,研究者により さまざまに分類されている。Giles & Oxford

(1970)は笑いの生じる状況によって,ユーモ アに対する行動的反応として生じる「滑稽笑い

(humorous laughter)」,笑う人を特定の社会集 団に統合させるのに役立つ行動的反応として生 じる「社会的笑い(social laughter)」,自分の無 知を隠すための行動的反応として生じる「無知 の笑い(ignorance laughter)」,特定の不安喚起 状況における緊張解消の行動的反応として生じ る「不安の笑い(anxiety laughter)」,一般的に 是認されていない行為をした人や異常な身体的 行動的属性をもつ人に対する,直接的損傷とし て生じる,または,それとなくあてこすりを言 った後の防衛的な意味からの行動的反応として 生じる「嘲笑(derision laughter)」,防衛的な 意味から,特定の行動を弱めるための「弁解笑 い(apologetic laughter)」,くすぐられるとき に生じる「くすぐり笑い(tickling)」の7種類

に分類している。また,志水(2000)は,笑い を「快の笑い」,「社交上の笑い」,「緊張緩和の 笑い」に三分類し,さらに快の笑いを「①本能 充足の笑い②期待充足の笑い③優越の笑い④不 調和の笑い⑤価値逆転・低下の笑い」に,社交 上の笑いを「①協調の笑い②防衛の笑い③攻撃 の笑い④価値無化の笑い」に,緊張緩和の笑い を「①強い緊張が緩んだ時の笑い②弱い緊張が 緩んだ時の笑い」に,下位区分している。

これらの笑いに対する分類の試みから笑いの 複雑さや概念の大きさが感じられる。笑う人の 感 情 状 態 に 着 目 す る と,Giles & Oxford

(1970)と志水(2000)の笑いの分類は快感情 を伴う楽しい笑いと快感情を伴わない作り笑い と2種類に大別できるであろう。社会的相互作 用の場面において,単純に快感情を表現する笑 いより,さまざまな社交機能を果たす笑いの方 が重大な意義を持っていると考えられる。そこ で本稿では,快感情を伴わない笑い,及び社会 的機能を持つ笑いに注目する。

この意味で「笑い」の分類を再検討する研究 は,早川(2000)が挙げられる。早川(2000)

は「笑い」について自・他の領域を仮定するこ とにより,その対人相互行為上の機能をA仲間 づくりの「笑い」,Bバランスの「笑い」,C覆 い隠す「笑い」の3種に分類している。自・他 の領域への出入りと「笑い」が付加される発話 内容の視点からさらにA仲間づくりの「笑い」

をA─1:共有期待の「笑い」(自分の話題に誘い 込むときの「笑い」),A─2:共有表明の「笑い」

(相手の話題に同意するときの「笑い」),A─3:

共通認識確認の「笑い」(「楽屋落ち」のように わかっている者にだけわかる「笑い」)に;Bバ ランスの「笑い」をB─1:自己の「恥」「照れ」

による「笑い」,B─2:相手に対する「厚かまし さ」による「笑い」,B─3:儀礼的「笑い」に;

C覆い隠す「笑い」をC─1:自己の話題に対す る「ごまかし」の「笑い」とC─2:相手の話題 に対する「とりあえず」の「笑い」に区分して いる。早川(2001)はこの3種の分類と付加さ れた発話の属性とのクロス分析を行った結果,

「親疎」関係において,A類の「笑い」は親しい 間柄に頻出し,B類は「普通」の間柄に頻出す ることを見出している。場面属性においてA類

(3)

は雑談,B類はミーティングに頻出することを 見出している。「年齢」関係においては,A類は 同年齢の者に対して,B類は自分より年上の者 に対して,多く出現することが数量的に実証さ れている。この結果から,「相手にいやな思いを させたくない」という日本人の笑い心性が窺え るといえる。これらの分類を踏まえて,さらに

Ⅲでは笑いの表出者の意図や目的の視点から社 会的笑いの持つ機能についての研究をまとめて いく。

Ⅲ.社会的笑いの機能

Ekman & Friesen (1975 工藤力訳 1987)

は表情コントロール技法の考察により社会的笑 いの機能を挙げている。Ekmanらは,人は自分 の感情を表出する表情をコントロールすること で他者に影響を及ぼそうとするが,コントロー ルする表情の中でも笑い,特に微笑が重要な役 割を果たしていると指摘している。例えば,自 分の感情表出の注釈として人はよく笑いを見せ る。怒った表情をした後に故意に微笑むことが あるのは,自分の怒りがそれほど強くはないこ とを補足的に伝えようとしているのであり,恐 怖や悲しみの表情を示した後で故意に笑顔を見 せるのは,自分が恐怖や悲しみに耐えられるこ とを他人に知らせる注釈行為といえる。また注 釈とは別に,真の感情を隠蔽,擬装するために も笑いは使われる。面白く感じていないのに空 笑いする(擬態),悲しみや恐怖の感情を他人に 悟られないようにするために笑顔を見せる(隠 蔽)などである。快感情を伴わない笑いについ ては,心理臨床場面において,内面と表出のず れについて注目されており,うつ病者の特徴と してさまざまな研究がなされている。例えば,

うつ状態にある人は生後最初に出現する「快の 笑い」が減少するが,「社交上の笑い」は失って いないことが示されている(坂本・河崎・志水,

1992;坂本,1995)。うつ病に陥る人の病前性 格として,勤勉,几帳面,まじめ,責任感が強 いなどのほか,他人に対する心遣いが強く,良 好な関係を保とうとする傾向が大きいことが指 摘され(志水,2000),それは礼儀正しい態度 や,人の見る目を気にするなどの形で現れる が,このような傾向も表出と関連があると思わ

れる。彼らは気分が落ち込み,話したくない時 でも相手を大切にし,微笑みを浮かべ対応する

(志水,2000)。また,うつ病の中でも特に若い 女性に多いのが「ほほえみうつ病」「仮面うつ 病」だと言われている。彼らは内面的にかなり 苦しんでいても,表面上は明るく振舞ってしま う(鈴木,2001)。他人から一見自然に見える 表情も,本人にしてみたら,内面とのずれを大 きく感じつつも,努力して表情を作っているこ ともあるといえる。

しかしながら,快感情を伴わない笑いはうつ 病者に限らず,われわれの日常生活においても 一つの社会的スキルとして頻繁に表出されてい る。Provineは笑いが生じる状況を調査した一 連の研究により,笑いはメディアなどの刺激が ない限りは,その大半が会話場面において表出 され(Provine & Fischer, 1989),しかも,冗談 などが語られる「可笑しい」状況で笑うのは 高々 20%程度であり,大部分は「可笑しくな い」状況で観察されている(Provine, 1993)。こ うした「可笑しくない」笑い状況で表出される 笑いが社会的相互作用において様々な機能を果 たしていると考えられる。これらの機能とし て,会話を調和させるため(Ekman, 1985 工 藤 力 訳 1992), 他 の 感 情 を 隠 蔽 す る た め

(Ekman & Friesen, 1982; Ekman, Friesen, &

O'Sullivan, 1988),口論での対立を避けるある いは緊張を軽減するため(Ikuta, 1999),相手 を操るあるいは欺くため (Keating & Heltman, 1994), 相 手 を な だ め る た め(H e c h t &

LaFrance, 1998)などが挙げられる。社会的機 能を持つ笑いを表出する側の感情状態を明らか にするために,桐田・遠藤(1999)は日常生活 における笑いの表出状況について,日誌法を用 いて検討している。その結果,笑いの原因の多 くは明確に意識化されていないが,社会的な状 況での笑いは,笑う側の他者志向性や演技性と 関連することが示唆されている。さらに具体的 に,押見(1999)は社会的スキルとしての作り 笑いを考察する実証的研究として,作り笑いの 意図や目的によって,日常生活において見られ る作り笑いの行動項目を収集し,作り笑い尺度 の作成を試みている。その結果,不愉快さや悲 しい気持ち,罰の悪い思いなど,ネガティブな

(4)

感情を解消ないし隠蔽する意図の「感情制御」

の作り笑いと,他者を和ませることで場の緊張 した雰囲気を解消したり,場を盛り上げようと したりする意図の「雰囲気操作」の作り笑い,

さらに他者の行為を矯正・統制しようとする意 図の「行為統制」の作り笑いがあることを明ら かにしている。このことから作り笑いは,対人 関係において何らかの個人的目的を達成ないし 促進するために,自己に注意を向けて行動の自 己調整に積極的に従事するという自己フォーカ スの性質を有するといえる。また,そのまま表 出すると自分にとってマイナスの効果をもたら す感情を隠蔽するなどの社会的受容の性質を持 ち,さらに冷笑・嘲笑の作り笑いのように自己 の価値判断に強く依存した自分本位の自己中心 性の性質を持つ反応であると考えられる(押 見,1999)。また,押見(2002)は作り笑いが 生じる状況の対人関係の親密さや,公的自己意 識が作り笑いの表出行動に影響を与えることを 見出している。福島(2008)は微笑が受け手に もたらす機能を探って,微笑に対する意識につ いて調査し,微笑に対する意識と,他者と円滑 な対人関係を形成・保持していくために必要な 社会的スキル,および対人葛藤場面における対 処方略の関連について検証を行っている。その 結果,微笑には心理社会的効果,感情表出・隠 蔽,社交上の笑い,機転の機能が見出され,こ れらの機能は社会的スキルと関連せず,対人葛 藤方略と関連していると検証されている。この ことに対して福田(2008)は,微笑で感情を表 出・隠蔽して,微笑は社交上の笑いであると思 っている人ほど対人葛藤場面で服従や回避の方 略をとっており,自己主張せずに他者の要求に 従ったり,感情を微笑で隠したりしてその場を 取り繕い不一致を回避していることが示唆され たと考察している。

これらの研究は快感情を伴わない笑いの表出 者を対象としている。表出側の意図についての 研究から,社会的な場面において笑いを正確に 理解するための基礎的な知見が得られる。しか しながら対人相互作用の過程においては,他者 の表情以外の文脈的情報源が極めて少ない場合 も存在する。この場合に観察者は他者の笑いを どう判断するのだろうか。楽しさから生まれる

笑いと,そうでない笑いと比較すると,それら の差異は微細であるが,自然な笑いは作り笑い では容易に真似できない特徴を持っている。Ⅳ では,この自然な笑いと作り笑いとの違いに関 する研究を概観していく。

Ⅳ.自然な笑いと作り笑いの差異

百年以上も前に,フランスの神経学者デュシェ ンヌ・デ・ブローニュは顔面筋肉の収縮が顔の 様相の変化に与える研究をする際に,本当に楽 しんでいる笑いと楽しんでいない笑いの違いを 偶 然 に 発 見 し た(Duchenne, 1862/1990)。

Duchenne(1862/1990)はこの違いについて

「正直な喜びの感情は大頬骨筋(zygomatic major)と眼輪筋(orbicularis oculi)がいっしょ に収縮する表情となって顔に現れる。前者(図 1.左)は意思に従うが,後者(図1.右)は魂 のやさしい感情によってのみ動かされる。偽り の喜びである嘘の笑いでは後者の筋肉を収縮さ せることができない……目の周りの筋肉は意思 には従わない。真の感情や同意できる感情によ ってのみ動かされるのだ。笑っているときに,

その部分が動いてなければ,愛想笑いしている 証拠である(pp.72)」と述べている。その後 Ekman, Roper, & Hager (1980)の研究は,誰 も眼輪筋を自発的に収縮させることができない というデュシェンヌの主張を確証している。し かし,意図的に収縮させるのが難しいのはその 筋肉の外側の部分だけであることが確認されて いる。すなわち作り笑い(unfelt smile)におい ては,眼瞼部(pars palpebralis)の活動はほと んど発生しないが,強い笑いやネガティブな感

図1.デュシェンヌの笑い

(Duchenne, 1862/1900)

(5)

情を隠す笑いには眼窩部(pars orbitalis)の活 動 を 伴 う こ と が あ る(Ekman & Friesen, 1982)。眼輪筋(特に眼瞼部)の収縮は目尻周 りにしわ(いわゆるcrowʼs feet, カラスの足跡)

を生ませ,頬を持ち上げ,目の下の皮膚を膨ら せ,眉毛を引き下げ,目を細めさせることによ っ て, 瞼 も い っ し ょ に 下 に 引 っ 張 ら れ る

(Frank, 2002)。眼輪筋の収縮を伴う笑い(いわ ゆるデュシェンヌ微笑)は表出者の楽しさの内 省報告の増加にしたがって増加し(Ekman, Davidson, & Friesen, 1990),その表出者が他 者からポジティブな気分と判断され(Scherer

& Ceschi, 2000),ポジティブな情動と同じよう な 神 経 活 動 を 行 う こ と が 確 認 さ れ て い る

(Davidson, Ekman, Saron, Senulis, & Friesen, 1990; Ekman et al., 1990; Fox & Davidson, 1988)。 ま た,Ekman, Hager, and Friesen

(1981)は,「笑え」と教示されたときの作り笑 いが,冗談に対する反応としての楽しい笑いに 比べて非対称的であることを見出している。そ の後,Skinner & Mullen (1991)はメタ分析を 用いて同様の結果を見出している。

これらの研究において,自然な笑いと作り笑 いの静的な(static)差異が注目されている。一 方で,動的な(dynamic)特性も表情の識別に 重要な役割を果たしていると考えらている(例 えば,Bassili, 1979; Bruce & Valentine, 1988;

Kamachi, Bruce, Mukaida, Gyoba, Yoshikawa,

& Akamatsu, 2001; Wehrle, Kaiser, Schmidt, &

Scherer, 2000)。自然な笑いと作り笑いの動的 な差異について,Ekman & Frisesn (1982)は 自然な笑いの持続時間が500~ 400 msである のに対して,作り笑いの持続時間がそれより短 かったり長かったりすることを指摘している。

さらに,この持続時間を開始期(onset,笑い表 出から最大限までの時間),頂点期(apex,最 大限の笑いの表出から減少する前の時間),相 殺期(offset,頂点から表出終了までの時間)の 3つの期間に細かく分けることができ,作り笑 いが快感情に喚起された自然な笑いより開始 期,相殺期の時間が短いことが検証されている

(Ekman & Friesen, 1982; Hess & Kleck, 1990;

Schmidt, Ambadar, Cohn, & Reed, 2006)。特 に,作り笑いは不規則な動きが多く,開始期と

相殺期が突然で躊躇うように見え,自然な笑い より段階的でスムーズではないと特徴づけられ て い る(Bugental, 1986; Weiss, Blum, &

Gleberman, 1987)。この他,中村(2000)は自 然な楽しい笑いと作り笑いの表出差について,

目と口,腹部における笑い表出の開始時間差を 分析する実験を行っている。ビデオ記録に加 え,眼輪筋及び大頬骨筋に筋電図,呼吸曲線を 記録し,YG性格検査の得点で被験者を社交群 と非社交群に分類している。コメディビデオを 見せた時の自然な笑い,面白くないコメディビ デオを見せた時の作り笑い,教示のみによる単 純な作り笑いを比較した結果,3種類の笑い間 で眼と呼吸の時間差に有意差がみられ,女性非 社交群と男性社交群で眼と口の時間差にも有意 差が見られている。

笑いの表出過程は極めて早い。自然な笑いと 作り笑いの動的な差異は社会的規則に帰すが,

それよりも表出者の基本的感情状態の下で生じ た結果であると考えられる。Schmidt, Cohn, &

Tian (2003)は,自然な笑いと作り笑いの動的 な差異が自動顔分析に適用しないことを指摘し ている。その一方,日常生活において表出され る笑いは静止ではないため,動的な差異を生か すことは,笑いの観察者を対象としている笑い 識別の実験的研究の刺激作成に役に立つと考え られる。

以上で述べたように,快感情を伴う自然な笑 いは快感情を伴わない作り笑いで容易に真似で きない静的な特徴と動的な特徴を持っている。

社会生活において,われわれは笑いの表出者で ありながら笑いの解読者でもあり,自分の笑い 表出を経験しながら他者の笑いを解読してい る。笑いは表情表出の中でも最も頻繁に見られ る も の で あ り, 人 生 の 早 い 段 階 で 現 れ る

(Ekman, 1985 工藤力訳 1992)。Ⅴでは社会的 笑いの発達について述べていきたい。

Ⅴ.社会的笑いの発達

人間が生まれてすぐに見せる笑いは自発的微 笑と呼ばれるもので外界刺激とは無関係に生じ る。生後1年間の間に,赤ん坊にはデュシェン ヌ笑いとそうでない笑いが両方生じる。赤ん坊 の観察によるデュシェンヌ笑いの出現は早産児

(6)

(Rosenstein & Oster, 1988),満期産児(Emde, McCartney, & Harmon, 1972; Messinger, Dondi, Nelson-Goens, Beghi, Fogel, & Simion, 1998),そして生後3週間(Wolff, 1987)に報 告されている。生後1ヶ月以内において,デュ シェンヌ笑いの出現は比較的稀であり,ほとん どの新生児の笑いと同じように睡眠時間に表れ る。

生後2ヶ月から3ヶ月までの間に,赤ん坊の 起きている時間帯にも笑いの出現が観察され,

その頻度と持続時間は共に増加する。早い時期 の乳児は笑いを母親の顔や声のような視覚聴覚 の刺激に対する反応として表すが,生後3ヶ月 頃になると,簡単な刺激では有効に赤ん坊の笑 いを引き出せなくなる。この時期の赤ん坊は,

毎日のよくある挨拶,社会生活の習慣的行為

(たとえば,母親との対面遊び),社会的ゲーム

(たとえば,いないいないばあ)によって笑いを 表出するようになる(Emde & Harmon, 1972;

Kaye & Fogel, 1980; Sroufe, 1995; Wolff, 1987)。

生後2ヶ月から5ヶ月までの間に,赤ん坊は 母親の笑顔を見たときや母親との対面遊びにお いて母親を凝視したときにデュシェンヌ笑いを 表出する(Fogel, Dickson, Hsu, Messinger, Nelson-Goens, & Nwokah, 1997; Messinger, Fogel, & Dickson, 1997)。また,Messinger, Fogel, & Dickson(1999)が子どもと母親との 対面相互作用を観察した結果,生後2ヶ月から 6ヶ月の間に,赤ん坊はデュシェンヌ笑いより 先に,口元の動きのみ伴う笑いが連続して起こ ることが明らかになっている。生後10ヶ月の 赤ん坊は知らない人が近づいてくると笑うが,

目の周りの筋肉は動かない。ところが,母親が 近づいてきたときには,目の間の筋肉もするこ とが確認されている(Fox et al. 1988)。1歳児 になると,赤ん坊のデュシェンヌ笑いが他の笑 いと比べて,母親とのもの遊びや父親との読書 行動において多く表れる(Dikson, Walker, &

Fogel, 1997)。

以上の先行研究をまとめると,乳児の早い時 期の笑いは主に外界をとらえ受けとめることに 使用され,特定の愛着対象からの働きかけに受 動的に反応したものが多く,楽しい感情状態の

表出であると考えられる。一方,笑いという手 段を用いて,他者との相互コミュニケーション を行うための発達的変化も見られるといえる。

10ヶ月の赤ん坊が寝転がったままで知らない 人に心から笑いかけるとは思いがたいが,この 年齢になると,社交的な笑みを浮かべることが できるようになる。情動の社会過程理論(social process of emotion, Dickson, Fogel , & Messinger, 1997; Fogel, Nwokah, Dedo, Messinger, Dickson, Matusov, & Holt, 1992; Fogel, Nwokah, & Karns, 1993)によると,人々の行動パターンは外界か らの影響を受けるだけではなく,とりたいコミ ュニケーションによって影響を受けている。す なわち,どのようなコミュニケーションをとり たいかによって,行動パターンは変わってく る。生後10ヶ月の赤ん坊の見知らぬ人に向け た「愛想笑い」は 情動の社会理論を支持するも のと考えられる。赤ん坊はこの社会的ダイナミ ックスの影響を受け続け,次の段階ではどんど ん自分の世界を広げていく。2歳ごろから子ど もは世界を広げ,周囲の子どもにも親しみを感 じるようになると,子ども同士の笑いが生じる ようになる(友定,1993)。2歳児になって笑 いを他者との関係で能動的に使用することがで きるようになっていき,まだ明確な「社会意識」

といえるものは獲得していないが,自分を他者 との関係で意識することに伴った笑いが出現し 始める(友定,1992)。そして3歳児になると,

相手の共感を引き出すことを目的としたような 笑いが現れることが明らかになっている(恩 田・松澤,2007;友定,1993)。幼稚園児は他 者から期待はずれの贈り物を受け取ったときに 失望の感情を隠すために笑いを表出することが 確認されている(Cole, 1986; Josephs, 1994)。

笑い表出の発達に伴って,幼児は笑いに対する 識別力も身につけている。心の理論(Harris, 1990; Taylor, 1996)によって,学齢前の子ども は本心と表面的な情動を区別できるようにな る。Josephs(1994)は物語の主人公の表面的 な表情を絵で提示し,本当の感情を解読できる かどうかの課題を行った結果,4歳児と5歳児 は主人公の本当の感情を正確に解読できること を確認している。課題の読解や記憶的の負荷を 軽減するために,Banjerjee, (1997) は同様の

(7)

課題を面接方式で行った。その結果,3歳児も この識別能力を持っていることが報告されてい る。この3歳児のような早い段階で本心を解読 できることは,深い意味を持っている。学齢前 の子どもは本心と表面的な表情について言葉で 表現することが困難である。特に,他者に自分 の感情を隠す理由とその状況をあげること

(Saarni, 1989)や,その隠された本当の感情の 正当化(Harris, Donnelly, Cuz & Pitt-Watson, 1986)については堪能ではない。それに対し て,6歳児の多くは他者に自分の感情を隠す状 況とその理由を述べることができ(Saarni, 1989),顔面表情の制御によって他者を惑わせ うることまで理解している(Gross & Harris, 1988)。このような知識の発達は児童後期まで 続き,10─11歳児は相互作用の友好関係の程 度,社会地位の差異,本当の感情の強さなどの ような様々な表情制御に作用しうる要因を考慮 できるようになっている(Saarni, Mumme &

Campos, 1998)。他の子どもの本当の気持ちを 知るために,子どもは表出された顔面表情にだ けでなく,模倣あるいは隠された表情にも注目 しなければならない(Gosselin, Perron, Legault,

& Campanella, 2002)。Ⅵでは,発達の視点を入 れて笑い識別に関する研究を紹介していく。

Ⅵ.笑いの識別

観察者の自然な笑いと作り笑いとの差異の気 づきについて,Darwin (1872/1998)以来,い くつかの研究がなされている。情動的表情の識 別に関する判断の研究は主に欺くことを見抜く 能力に焦点を当てている。これらの研究では,

参加者に対して協力者の短いビデオを見せ,ビ デオにおいて協力者が本当の感情を正直に表出 しているのか,感じた感情を隠しているのか,

他の情動を模倣しているのかについての判断を 求めた(Ekman & Friesen, 1974; Ekman & Oʼ Sullivan, 1991; Gosselin, Kirouac & Doré, 1995;

Hess & Kleck, 1994)。その結果,大人でも提示 された顔面表情は本心かどうかについての判断 が 困 難 で あ る こ と が 明 ら か に な っ て い る。

Soppe(1988)は似たような方法を用いて,隠 蔽と模倣の表情を見抜く能力の発達を検証した 結果,6歳から12歳児はネガティブ感情の隠

蔽と抑制を見抜くことができるが,ネガティブ 感情の模倣,ポジティブ感情の隠蔽,抑制と模 倣については見抜くことができない。それに対 して,大人はネガティブ感情の模倣以外のすべ てのだます表情を見抜くことができることが明 らかになっている。

しかし,これらの研究では,解読者が顔のど の部分の動きに注目して判断を下すのかについ ては明らかにされていない。言い換えると,こ れらの研究では解読者が本心とだます表情をど のように区別しているのかについて,具体的な 検証が行われなかった。それに対して,Frank, Ekman, & Friesen (1993)は,大人が自然な笑 いと作り笑いを識別するときに頬の上がる具合 と笑いの持続時間差に対する反応について調査 している。参加者は楽しい話をしながら笑って いる人物と楽しくない話をしながら笑っている 人物の短いビデオを見せられた。刺激材料にお いて自然な笑いは頬の上がり,口元の引っ張り があり,適度な持続時間を持つ一方,作り笑い は口元の引っ張りのみがあって,非常に短いあ るいは長い持続時間となっている。その結果,

大人は頬の上がりに,より反応することが明ら かになっている。特に口元の動きのみがある人 物より頬の上がりと口元の引っ張りが両方あっ た人物のほうを楽しい笑いと判断する傾向があ ると報告されている。さらに,参加者は眼輪筋 の収縮を伴う笑いが多数の人格特性を表す項目 において,眼輪筋の収縮を伴わない笑いよりポ ジティブに評価されている。同様の研究として は空港での荷物紛失という場面を設定した Scherer and Ceschi (2000),自然な笑い・作り 笑い・ニュートラルな顔,それぞれのモデルの 着 て い る T─ シ ャ ツ に 対 す る 評 価 を 用 い た Peace, Miles, & Johnston (2006)があげられ る。また,社会的場面を表したゲームを用いて,

笑い識別の行動までの影響を検討する研究とし て,Krumhuber, Mansread, Cosker, Marshall, Rosin,& Kappas (2007)は,自然の笑いと作り 笑いの表出の時間差を利用し,真顔,自然な笑 い顔(開始期,相殺期が長い),作り笑い顔(開 始期,相殺期が短い)のアニメーションをパソ コンによるビデオクリップを用いて,ペアでの 信頼ゲームを行い,笑いの差異は社会的交換場

(8)

面において信頼及び協力行動の決定に影響を与 えるかどうかを検証している。その結果,顔面 表情の差異はパートナーの選択と協力への意思 決定に影響することが立証されている。自然な 笑いを表出する人物がパートナーとして選ばれ ることが多く,さらにより多くの協力を得られ ることが明らかになっている。

Bugental, Kopeikin & Lazowski (1991)は大 人と交流するとき子どもの楽しい笑いと愛想笑 いに対する視覚の反応について研究した。楽し い笑いは頬の上がりと口元に引っ張りを持つ笑 いと定義され,愛想笑いは頬の上がりが同時に 生じない笑い,ネガティブな感情を伴う笑い,

そして会話調整とかかわる行動ユニットを伴う 笑いと定義されている。子どもの凝視は年齢と 虐待経験に関連することが明らかになってい る。7歳以下の非虐待家族の子どもは愛想笑い に目線を避ける。10歳児の場合,非虐待家族の 子どもは愛想笑いに視線を避けないが,楽しい 笑いに持続して注目している。一方,これらの 発達の変化は虐待を受けた子どもには見られて いない。研究に参加したすべての虐待家族の子 ども(3歳~ 13歳)は愛想笑いに目線を避けて いる。

Bugental et al. (1991) はこの非虐待家族の 子どもの発達の変化を,楽しい笑いと作り笑い の重要性に対する理解の発達の反映として考察 している。愛想笑いは,年少の子どもに対して は,意図を理解できないものとして認識された 結果,社会的脱退(social withdrawal),つまり 目線の回避となり,年長の子どもに対しては,

ささいなありふれたごまかしとして認識されて いる。この研究で見出された3歳から6歳児の 凝視行為パターンから子どもたちは楽しい笑い と愛想笑いを識別していることが示されている が,年長の子ども(10歳~ 13歳)はこの2種 類の笑いを楽しい笑いあるいは愛想笑いとして 解釈しているかどうかについて考察していない ため,年長の子どもが笑いの識別に関する知識 を持っているとはっきり言えない状態である。

近年,子どもの笑い識別の手がかりに注目 し,子どもと大人の笑い識別能力を比較する研 究もなされている(たとえば,Del Giudice &

Colle, 2007; Gosselin, Beaupré, & Boissonneault,

2002; Gosselin et al., 2002; Thibaut, Gosselin, Brunel, & Hess, 2009)。これらの研究の結果が 一致していないため,子どもの笑い識別力につ いてはまだ確証が得られていない。子どもは大 人ほどの笑い識別力を持っていなくても,表出 者の一定の顔面動きを手がかりとして表情認知 を行っている。笑いに対する反応を適切に測定 できる理想的な刺激状況は何か,この識別力は 幼児期のどんな発達段階で現れたか,この識別 力の発達に影響する要因は何かなどは,今後研 究が展開していく中で明らかにされなければな らない課題である。

社会的笑いに関する心理学研究を概観する と,これらの研究の多くは主にアメリカやヨー ロッパでのみ行われていることに限っている。

すなわち,これらの研究では,表情解読の文化 差についての検証が行われていない。しかし,

笑いの表出は,文化と深く関わっており,多く の文化において笑いは,様々な形で儀礼的に制 度化されている。よって,笑いの研究を行うに あたっては,社会的生活に適応するための文化 を理解し,文化差へ配慮することが必要となっ てくる。Ⅶでは,笑いと文化について述べてい く。

Ⅶ.笑いと文化

笑 い の 文 化 差 の 問 題 に 対 し てThibault, Leveaque, Gosselin, & Hess (2007)はフランス 系カナダ人と中国人の笑い識別について比較し ている。参加者は自分と同じ文化背景を持つモ デルのデュシャンヌ笑いのない弱い笑い,デュ シャンヌ笑いのない中程度の笑い及びデュシャ ンヌ笑いのある中程度の笑いが提示され,評価 した結果,フランス系カナダ人がデュシャンヌ 微笑によって笑いを識別するのに対して,中国 人は同じ強度の笑いをデュシャンヌ微笑がなく ても自然な笑いと判断する傾向にあることが確 認されている。この結果は文化が笑い表出に影 響を与えた結果と考えられるが,中国人の笑い 識別力を実証する研究はまだ少ないため,さら なる研究が必要であると考えられる。一方,日 本人の笑い識別率が低いことを言及した研究に は中村(2000)があげられるが,その識別の過 程を詳しく検証する研究はほとんど行われてい

(9)

ない。アメリカやヨーロッパにおいては表情を 強く表出する文化が存在するのに対し,アジア 圏においては違う表出文化及び民族特性が存在 し,笑いに対する認知バイアスの差異が生じる と考えられる。独特な笑い文化を持つアジア圏 においての社会的笑いの機能や識別力について の研究も期待されている。

Ⅷ.結語

本稿は,これまでの社会的笑いに関する心理 学研究を,①笑いの分類,②社会的笑いの機能,

③自然な笑いと作り笑いの差異,④社会的笑い の発達,⑤笑いの識別,⑥笑いと文化の6つの 視点から概観した。笑う人の感情状態に着目す ると,笑いは快感情を伴う楽しい笑いと快感情 を伴わない作り笑いと2種類に大別できる。社 会的相互作用の場面において,単純に快感情を 表現する笑いより,様々な社交機能を果たす笑 いの方が重大な意義を持っていると考えられ る。社会的笑いに関する心理学研究を概観する と,笑いの表出者を対象として,表出側の意図 や目的から顔面動きの差異までの研究がたくさ ん行われている。一方,解読者を対象として,

笑い解読過程に対する具体的な検証を行う研究 がまだ始まったばかりで,観察実験に用いられ るすべての変数をコントロールすることは難し い現状であり,今後笑いに対する反応を適切に 測定できる理想的な刺激状況で実験を進めてい く必要があると考えられる。また,子どもの笑 い識別についての研究はまだ稀であり,今まで の研究では一致な結果が得られなかったため,

子どもの表情識別やその発達,及び笑い識別力 の発達に影響を与える要因の解明は今後の課題 である。さらに,笑い解読を行う際に生じた認 知バイアスに影響を与える要因について,文化 の差異以外に,解読者自身の特性も考えられ る。独特な笑い文化を持つアジア圏においての 社会的笑いの機能や識別力についての研究やそ の解読が社会的場面において観察者の行動への 判断に至る影響についての解明も期待されてい る。

【引用文献】

浅田由美 (2004).心理臨床場面における笑いの 取り扱い─その効用と実際,展望について 

九州大学心理学研究,5,153─161

Banerjee, M. (1997). Hidden emotion: Preschoolersʼ knowledge of appearance-reality and emotion display rules. Social Cognition, 15, 107─132.

Bassili, J. N. (1979). Emotion recognition: The role of facial movement and the relative importance of upper and lower areas of the face. Journal of Personality and Social Psychology, 37, 2049─

2058.

Bruce, V., & Valentine, T. (1988). When a nodʼs as good as a wink: The role of dynamic information in facial recognition. In M. M. Gruneberg, P. E.

Morris, & R. N. Sykes (Eds.), Practical aspects of memory: Current research and issues (Vol.

1, pp. 169─174). New York, NY: John Wiley &

Sons.

Bugental, D. B. (1986). Unmasking the ‘‘polite smileʼʼ: Situational and personal determinants of managed affect in adult–child interaction.

Personality and Social Psychology Bulletin, 12, 7─16.

Bugental, D. B., Kopeikin, H., & Lazowski, L.

(1991). Childrenʼs responses to authentic versus p o l i t e s m i l e s . I n K . J . R o t e n b e r g (E d .), Children’s interpersonal trust: Sensitivity to lying, deception, and promise violation (pp. 59─

79). New York: Springer-Verlag.

Cole, P. M. (1986). Childrenʼs spontaneous control of their facial expression. Child Development, 57, 1309─1321.

Darwin, C. (1872/1998). The expression of the emotions in man and animals (3rd ed.). London:

Harper Collins.

Davidson, R. J., Ekman, P., Saron, C. D., Senulis, J.

A., & Friesen, W.V. (1990). Approach-withdrawal and cerebral asymmetry: Emotional expression and brain physiology: I. Journal of Personality and Social Psychology, 58, 330 ─341.

D e l G i u d i c e , M . D . a n d C o l l e , L . , (2007).

Differences Between Children and Adults in the Recognition of Enjoyment Smiles, Developmental Psychology, 43(3) , 796 ─803

Dickson, L., Fogel, A., & Messinger, D. (1997). The development of emotion from a social process view. In M. Mascolo & S. Giffen (Eds.), What

(10)

develops in emotional development, (pp. 253 ─ 273). NY: Plenum Press.

Dickson, L., Walker, H., & Fogel, A. (1997). The relationship between smile-type and play-type du r i ng pa rent - i n fa nt play. D e v el o p m e n t Psychology, 925 ─ 933.

Duchenne, B. (1862/1990). The mechanisms of human facial expression or an electrophysiological analysis of the expression of emotions (A.

Cuthbertson, Trans.). New York: Cambridge University Press.

Ekman, P., (1985). Telling lies. New York: W W Norton & Co Inc.

(エクマンP.工藤 力 (訳編) (1992).暴かれ る嘘 虚偽を見破る対人学 誠心書房)

Ekman, P., Davidson, R. J., & Friesen, W. V.

(1990). T h e D u c h e n n e s m i l e : E m ot i o n a l expression and brain physiology: II. Journal of Personality and Social Psychology, 58, 342 ─ 353.

Ekman, P., & Friesen, W. V. (1974). Detecting deception from the body or face. Journal of Personality and Social Psychology, 29, 288─

298.

Ekman, P., & Friesen, W. V. (1982). Felt, false, and m iserable sm i les . Jo u r n a l o f No n v e r b a l Behavior, 6, 238 ─258.

Ekman, P., Friesen, W. V., & OʼSullivan, M. (1988).

Smiles when lying. Journal of Personality and Social Psychology, 54, 414 ─ 420.

Ekman, P., Hager, J.C., & Friesen, W.V. (1981).

The symmetry of emotional and deliberate facial actions. Psychophysiology, 18, 101─106.

Ekman, P., & OʼSullivan, M. (1991). Who can catch a liar? American Psychologist, 46, 913─

920.

Ek m a n , P. , Rop er, G . & H ager, J. C . (1980).

Deliberate facial movement. Child Development, 51, 86 ─ 91

Emde, R. N. & Harmon, R. J. (1972). Endogenous and exogenous smiling systems in early infancy.

Jo u r n a l of Am e r i c a n Ac a d e my of Ch i l d Psychiatry, 8, 57─67

Fogel, A., Dickson, K. L., Hsu, H., Messinger, D., Nelson- Goens, G. C., & Nwokah, E. (1997).

Communic ative dynamics of emotion. In K. C.

B a r r et t (E d .), N e w D i r e c t i o n s i n C h i l d Development: The Communication of Emotion:

Current Research from Diverse Perspective, 77, 5 ─24. San Francisco: Jossey-Bass.

Fogel, A., Nwokah, E., Dedo, J., Messinger, D., Dickson, K . L ., Matusov, E ., & Holt , S . A.

(1992). Social process theory of emotion: A dynamic systems approach. Social Development, 1, 122─142.

Fogel, A., Nwokah, E., & Karns, J. (1993). Parent- infant games as dynamic social systems. In K.

MacDonald (Ed.), Parent-child play. Albany, NY: SUNY press.

Fox, N. A., & Davidson, R. J. (1988). Patterns of brain electrical activity during facial signs of emotion in 10-month-old infants. Developmental Psychology, 24, 230─236.

Frank, M. G. (2002). Smiles, lies, and emotion. In M. H. Abel (Ed.), An empirical reflection on the smile (pp. 15─43). Lewiston, NY: Edwin Mellen Press.

福島明子 (2008).笑いに対する意識と対人コミ ュニケーション 御茶ノ水大学人間文化創成科 学論叢,11,399─411

Giles , H . , & Oxford, G. S . (1970). Towards a multidimensional theory of laughter causation and its social implications. Bulletin of the British Psychological Society, 23, 97─105 Gosselin P., Kirouac, G., & Doré, F. Y. (1995).

Components and recognition of facial expression in the communication of emotion by actors.

Journal of Personality and Social Psychology, 68, 83─96.

Gosselin, P., Beaupré, M. G., & Boissonneault, A.

(2002). Perception of genuine and masking smiles in children and adults: Sensitivity to traces of anger. Journal of Genetic Psychology, 163, 58─71.

Gosselin, P., Perron, M., Legault, M., & Campanella, P. (2002). Childrenʼs and adultsʼ knowledge of t he d i st i nc t io n b et we e n e nj oy me nt a nd nonenjoyment smiles. Journal of Nonverbal Behavior, 26, 83─108.

Gross, D., & Harris, P. L. (1988). False beliefs about emotion: Childrenʼs understanding of misleading emotional displays. International Journal of Behavioral Development, 11, 475─

488.

Harris, P. L., Donnelly, K., Guz, G. R., & Pitt- Watson, R. (1986). Childrenʼs understanding of

(11)

the distinction between real and apparent emotion. Child Development, 57, 895 ─ 909.

早川治子 (2000).相互行為としての「笑い」─

自・他の領域に注目して─ 文教大学文学部紀 要,14(1) ,23─ 43

早川治子 (2001).「笑い」の分類に基づく数量的

分析 文教大学文学部紀要,14(2) ,1─24

Harris, P. (1990). Children and emotion: The development of psychological understanding.

Oxford, UK: Basil Blackwell.

Hecht, M. A., & LaFrance, M. (1998). License or obligation to smile: The effect of power and sex on amount and type of smiling. Personality and Social Psychology Bulletin, 24, 1332 ─1342.

Hess, U., & Kleck, R. E. (1990). Differentiating emotion elicited and deliberate emotional facial expressions . Euro p e an Jour n al of Soci al Psychology, 20, 369 ─385

Hess, U., & Kleck, R. E. (1994). The cues decoders use in attempting to differentiate emotionelicited and posed facial expressions. European Journal of Social Psychology, 24, 367─381.

Izard, C. E. (1994). Innate and universal facial expressions: Evidence from developmental and cross-cultural research. Psychological Bulletin, 115, 288 ─299.

Josephs, I. E. (1994). Display rule behavior and understanding in preschool children. Journal of Nonverbal Behavior, 18, 301─326.

角辻 豊 (1996).笑いのちから─ストレス時 代の快楽学 東京:家の光協会

Kamachi, M., Bruce, V., Mukaida, S., Gyoba, J., Yoshikawa, S., & Akamatsu, S. (2001). Dynamic properties influence the perception of facial expressions. Perception, 30, 875─887.

K aye , K . & Fog el , A . (1980). T he t emp or a l structure of face-to-face communication between mothers and infants. Developmental Psychology, 16, 454 ─ 464.

Keating, C. F., & Heltman, K. R. (1994). Dominance and deception in children and adults: Are leaders the best misleaders? Personality and Social Psychology Bulletin, 20, 312 ─321.

桐田隆博・遠藤光男 (1999).会話における笑い の表出機能─ “Laugh-speak”に着目して 電 子情報通信学会技術研究報告,33,1─ 6

Krumhuber, E., Mansread, A. S. R., Cosker, D., Marshall, D., Rosin, P. L., & Kappas, A. (2007).

Facial dynamics as indicators of trustworthiness and cooperative behavior. Emotion, 7, 730 ─735 Messinger, D., Dondi, M., Nelson-Goens, C., Beghi,

A., Fogel, A., Simon F. (1998). Neonatal smiles.

Infant Behavior and Development, 21 (special ICIS issue), 573.

Messinger, D., Fogel, A., & Dickson, K. L. (1997).

A dynamic systems approach to infant facial action. In J. A. Russell & J. M. Fernandez-Dols

(Eds.), The psychology of facial expression.

(pp. 205 ─228). NY: Cambrige University Press.

Messinger, D., Fogel, A., & Dickson, K. L. (1999).

Whatʼs in a smile? Developmental Psychology, 35, 701─708.

中村 亨 (2000).自然な笑いと作り笑いにおけ る表出の時間差の分析 電子情報通信学会技術

研究報告,1,1─8

恩田真弓・松澤正子 (2007). 幼児期における人 に向けた笑いの発達 昭和女子大学生活心理研 究紀要,10,131─136

押見輝男 (1999).社会的スキルとしての笑い  立教大学心理学研究,42,31─38

押見輝男 (2000).公的自己意識と作り笑い 心 理学研究,73,251─257

Peace, V., Miles, L. & Johnston, L. (2006). It doesn't matter what you wear: The impact of posed and genuine expressions of happiness on product evaluation. Social Cognition, 24, 137─

168.

Provi ne, R . R . (1993). Laughter pu nctuates speech: Linguistic, social, and gender contexts of laughter. Ethology. 95, 291-298

Provine, R. R., & Fischer, K. R. (1989). Laughing, smiling, and talking: Relation to sleeping and social context in humans. Ethology formerly Zeitschrift für Tierpsychologie. 83, 295 ─305 Rosenstein, D. & Oster, H. (1988). Different facial

responses to four basic tastes in newborns.

Child Development, 59, 1555 ─1568.

Saarni, C. (1989). Childrenʼs understanding of strategic control of emotional expression in social transactions. In C. Saarni & P. L. Harris

(Eds.), Children’s understanding of emotion

(pp. 181─208). New York: Cambridge University Press.

坂本 栄 (1995).うつ病者の笑いの精神生理学 的研究 大阪大学医学雑誌,47,21─32 坂本 栄・河崎建人・志水 彰 (1992).うつ病者

(12)

の笑いのポリブラフィー的研究 臨床精神医学,

21,1045─1050

Scherer, K. R., & Ceschi, G. (2000). Criteria for emotion recognition from verbal and nonverbal expression: Studying baggage loss in the airport. Personality and Social Psychology Bulletin, 26, 327─339.

Schmidt, K. L., Ambadar, Z., Cohn, J. F., & Reed, L. I. (2006). Movement difference between deliberate and spontaneous facial expressions:

Zygomaticus major action in smiling. Journal of Nonverbal Behavior, 30, 37─ 52

Scherer, K. R., & Ceschi, G. (2000). Criteria for emotion recognition from verbal and nonverbal expression: Studying baggage loss in the airport. Personality and Social Psychology Bulletin, 26, 327─339.

Schmidt, K. L., Cohn, J. F., & Tian, Y. (2003).

Signal characteristics of spontaneous facial expressions: Automatic movement in solitary and social smiles. Biological Psychology, 65, 49─

66.

志水 彰(2000)笑い その異常と正常 東京:勁 草書房

Skinner, M., & Mullen, B. (1991). Facial asymmetry in emotional expression: A meta-analysis of research. British Journal of Social Psychology, 30, 113 ─124.

Sroufe, L. A. (1995). Emotional development. NY:

Cambridge University Press.

鈴木映二(2001).最近のうつ病診断と分類 ここ ろの科学,97,14─21

Thibault, P., Gosselin, P., Brunel, M., & Hess, U.

(2009). Childrenʼs and adolescentsʼ perception of t he aut hent icit y of sm i les . Jo ur n a l of Experimental Child Psychology, 102 , 360─367 Thibault, P., Levesque, M., Gosselin, P., Hess, U.

(2007). Wrinkles around the eyes or not?

  A cultural dialect for smile authenticity.

  Manuscript submitted for publication.

友定啓子 (1992).乳幼児における笑いの発達

─1歳児から2歳児へ 日本家政会誌,43(8) ,

735─743.

友定啓子 (1993).幼児の笑いと発達 勁草書房.

Soppe, H. J. G. (1988). Age differences in the decoding of affect authenticity and intensity.

Journal of Nonverbal Behavior, 12, 107─119.

Taylor, M. (1996). A theory of mind perspective

on social cognitive development. In R. Gelman &

T. Kit-Fong Au (Eds.), Perceptual and cognitive development (pp. 283─329). New York:

 Academic Press.

Wehrle, T., Kaiser, S., Schmidt, S., & Scherer, K. R.

(2000). Studying the dynamics of emotional expression using synthesized facial muscle movements. Journal of Personality & Social Psychology, 78, 105─119.

Weiss, F., Blum, G. S., & Gleberman, L. (1987).

Anatomically based measurement of facial expression in simulated versus hypnotically induced affect. Motivation and Emotion, 11, 67

─81.

Wolff, P. H. (1987). The development of behavioral states and the expression of emotions in early infancy. Chicago: University of Chicago Press.

(13)

A Review of Soial Laughter

Shan Li

Graduste School of Psychology, Mejiro University

Shouzo Shibuya

Fauilty of Studies on Contemporary Soiety, Mejiro University

Mejiro Journal of Psychology, 2011 vol.7

【Abstract】

This article reviews psychology studies about social laughter/smile in view of ① classification of laughter, through which we can notice the emotional state of the displayer; ② function of social laughter/smile, which is being used as a social skill; ③static and dynamic differences between spontaneous laughter/smiles with enjoyment and forced one without enjoyment; ④development of social laughter/smiles from laughing as spontaneous reflection to laughing with sociality; ⑤perception of laughter/smiles, with a developmental point, showing the necessity of establishment of childrenʼ s sensitivity to posed and genuine laughter/smiles with certainty, since the result of preceding studies are differ from each other; and ⑥laughter/smiles and cultural, noting that the studies on smile perception had been restricted to Western countries, which is suggestive of a display rule that would need to be acquired during socialization in different cultures. Thus it is expectant that the illumination of the sociable function and perception of laughter/smiles in Eastern countries, where there is a specific culture of laughter.

keywords : laughter/smiles, enjoyment smile, posed smile, social smile, social perception

参照

関連したドキュメント

Recently, Velin [44, 45], employing the fibering method, proved the existence of multiple positive solutions for a class of (p, q)-gradient elliptic systems including systems

Instead an elementary random occurrence will be denoted by the variable (though unpredictable) element x of the (now Cartesian) sample space, and a general random variable will

Furthermore, the upper semicontinuity of the global attractor for a singularly perturbed phase-field model is proved in [12] (see also [11] for a logarithmic nonlinearity) for two

Next, we will examine the notion of generalization of Ramsey type theorems in the sense of a given zero sum theorem in view of the new

Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A

[9, 28, 38] established a Hodge- type decomposition of variable exponent Lebesgue spaces of Clifford-valued func- tions with applications to the Stokes equations, the

We have introduced this section in order to suggest how the rather sophis- ticated stability conditions from the linear cases with delay could be used in interaction with

This is a special case of end invariants for general (geometrically tame) Kleinian groups, coming from the work of Ahlfors, Bers and Maskit for geometrically finite ends (where