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学位授与番号 32675甲第323号 学位授与年月日 2013‑09‑15

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全文

(1)

NPOと行政による地域の協働活動における成果要因 についての考察

著者 矢代 隆嗣

著者別名 YASHIRO Ryuji

発行年 2013‑12‑19

学位授与番号 32675甲第323号 学位授与年月日 2013‑09‑15

学位名 博士(公共政策学)

学位授与機関 法政大学 (Hosei University)

URL http://doi.org/10.15002/00009295

(2)

博士学位論文

論文内容の要旨および審査結果の要旨

氏名 矢代 隆嗣

学位の種類 博士(公共政策学)

学位記番号 第535号

学位授与の日付 2013年 9月15日

学位授与の要件 本学学位規則第5条第1項(1)該当者(甲) 論文審査委員 主査 教授 名和田 是彦

副査 教授 武藤 博己 副査 教授 中筋 直哉

NPOと行政による地域の協働活動における成果要因についての考察

本小委員会は、博士学位申請者矢代隆嗣氏からの博士(公共政策学)学位請求論文「NPOと行 政による地域の協働活動における成果要因についての考察」の提出を受けて、慎重に審査を行っ てきた。

1 本論文の主題と構成

本論文は、協働に関する理論的な考察と実証的な事例研究による協働の成果要因に関する研 究である。

本論文の目次は、以下の通りである。

第1章 序章 1.1.研究の背景 1.2.研究の目的 1.3.研究の方法 1.4.論文の構成

第2章 地域における新しい公共と協働 2.1.地域における協働

2.1.1.協働の考え方

2.1.2.協働の背景

2.1.3.住民(市民)の地域問題解決への関与とその経緯

2.2.新しい公共における協働

2.2.1.2つの「新しい公共」

(3)

2.2.2.新しい公共がめざす姿

2.2.3.新しい公共実現への課題

2.2.4.新しい公共における協働の取組について現状評価

2.3.地域でのNPOと行政との協働

2.3.1.協働パートナーとしてのNPO

2.3.2.NPOと行政の協働

2.3.3.NPOと行政との協働の課題

2.3.4.先行自治体における協働事業の現状と課題

第3章 協働活動で成果に影響を与える要因 3.1.先行研究

3.2.協働による問題解決活動をマネジメントする視点

3.2.1.協働活動とプロジェクト特性

3.2.2.プロジェクト・マネジメント

3.2.3.プロジェクト特性からのマネジメント対象

3.2.4.プロジェクト・マネジメントを地域での協働への活用について

3.2.5.効果的、効率的な事業内容に活かすプログラム評価

3.3.地域に適した問題解決策を創りあげる視点

3.3.1.地域協働と知識創造

3.3.2.地域協働での知識創造

3.4.協働活動で成果に影響すると考えられる要因の導出 第4章 事例研究

4.1.事例研究の目的

4.1.1.事例研究とは

4.1.2.リサーチ戦略としての事例研究を選択した理由

4.2. A市協働提案事業における協働事業の事例

4.2.1.調査方法

4.2.2.A市の協働提案事業の概要

4.3. 事例対象とした協働事業

4.3.1.協働事業の過程

4.3.2.協働事業の評価

4.4. 事例の考察

4.4.1.協働活動における成果要因

4.4.2.核となる成果要因

4.4.3.事例分析から新たに見えてきた成果要因

4.4.4.A市協働事業の評価

第5章 結論と課題

(4)

5.1.成果要因の仮説構築

5.1.1.協働活動面での成果要因についての仮説構築

5.1.2.核となる成果要因

5.1.3.実務における成果要因仮説の活用について

5.2.協働活動から成果を生み出すための優先課題

5.2.1.協働型人材の育成

5.2.2.協働型人材の育成上の課題

5.3.課題

なお、本論文は、A4版で157ページであり、字数にして約17万字となっている。

2 本論文の要旨

本論文の各章毎の内容はおおよそ以下のとおりである。

第1章「序章」では、「1.1.研究の背景」、「1.2.研究の目的」、「1.3.研究の方法」、「1.4.論文の構 成」が述べられている。以下略。

第2章では、「新しい公共における協働」というタイトルで、「2.1.地域における協働」、「2.2.新しい 公共における協働」、「2.3.地域でのNPOと行政との協働」が扱われている。以下略。

第3章では、「協働活動で成果に影響を与える要因」が考察されている。ここでは、「3.1.先行研 究」、「3.2.協働による問題解決活動をマネジメントする視点」、「3.3.地域に適した問題解決策を創 りあげる視点」、「3.4.協働活動で成果に影響すると考えられる要因の導出」が扱われる。以下略。

第4章では、事例研究が対象となるが、ここでは、「4.1.事例研究の目的」、「4.2. A市協働提案 事業における協働事業の事例」、「4.3. 事例対象とした協働事業」、「4.4. 事例の考察」が扱われ ている。以下略。

第5章では、結論と課題が述べられている。まず、「5.1.成果要因の仮説構築」では、これまでの 分析・考察を通じて、成果を生み出した要因が整理され、「5.2.協働活動から成果を生み出すため の優先課題」では、それらの要因から優先課題が析出され、そして最後に「5.3.課題」が述べられ て締め括られている。以下略。

最後に、「5.3.課題」では、本研究の今後の課題として、構築した仮説要因について、より精緻な 理論構造の構築とともに、多彩な協働現場での実践で活用できる成果要因の構造化を進めていく ことである、と述べられ、論文が閉じられている。

3 本論文の特色と評価

本論文は、協働に関する膨大な先行研究を渉猟しつつ、協働に関する重要な論点として、成果 をもたらすための要因であるとして、それを探るために、先行研究や先行事例の研究を踏まえて、

(5)

A市における事例をきわめて丹念に記述し、分析・考察した論考であって、審査小委員会としては これを高く評価するものである。

第1に、本研究は自治体の現場で非常に重要となっている「協働」に関するすぐれた実証研究で あると同時に理論研究でもある。まず実証研究の部分については、協働に関する活動報告や事例 説明などは数限りなく存在するが、研究という視点からみると、十分といえるものは少なく、本研究 はその意味で貴重である。第4章で選択された事例は、誰でも成果だと評価できる事例であり、そ れをきわめて丹念に描写している。この部分だけを取り出して記述方法を一般向けに書き替えれ ば、協働とは何かが誰にでもわかる解説書となる内容である。また、第5章では、これまでの研究を 踏まえて、成果要因を導き出している。ここでの要因は、第3章の理論的な作業の上に築かれてい るため、実務の上できわめて有用と考えられ、その意味で高い評価が与えられる。

また、第2に、協働に関する理論研究の側面については、海外の研究やその翻訳が主流であり、

日本の事例に則した理論的研究は少ない。本研究の第2章、第3章は、日本の研究を中心とした 先行研究の分析・考察に基づいて構築した協働事業の成果要因に関する理論研究として位置づ けられ、学術的価値が高いと評価できる。具体的には、第2章「地域における新しい公共と協働」で、

これまでの先行研究を渉猟して、今日における協働の重要性とそこのおける問題を指摘しており、

先行研究のポイントを取り出し、本研究の論旨に即してそれを位置づけている点など、理論的な研 究作業として非常に重要である。また第3章「協働活動で成果に影響を与える要因」では、プロジェ クト・マネジメント、プログラム評価論、ナレッジ・マネジメント論の考え方を利用して、「成果」要因を 探り出そうする作業を行っているが、こうした試みもオリジナリティのある研究作業と評価できる。

もちろん、協働という研究分野はまさに現在進行形的に多様な政策的試みが膨大に蓄積されつ つある領域であるから、本論文の課題として指摘すべき点もある。以下、2点の課題が指摘された が、省略する。

しかし、こうした課題があるとはいえ、審査小委員会としては、本論文がオリジナリティを備えた、

価値ある研究業績であり、博士の学位を授与するに値する業績であると認めるものである。

4 口頭試問

小委員会は、2013年6月29日に矢代隆嗣氏の口頭試問を実施し、その論文を中心とし、それに 関連のある学識確認の試問を行った結果、同氏が博士学位の授与に値する学識と研究能力を持 っていると判定した。

5 結論

以上を踏まえ、本小委員会は、矢代隆嗣氏が、研究能力並びに学位論文に結実した研究成果 の到達度の両面において、博士(公共政策学)の学位を受けるに十分値するものと判断した。

以上

参照

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