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重複障害児の社会的相互交渉での歌いかけの影響

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Academic year: 2021

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1.問題および目的

 前言語期の乳児と養育者の間にみられるやり取りには,音声でのリズムや音の高低・強 弱(プロソディ)を相互に調整しあうような共鳴的で情緒的なコミュニケーションがある ことが指摘されている(Malloch & Trevarthen,2009)。この音楽的やり取りは,間主観 的に相互の発信を予期・感知しながら共鳴し応答するものであり,人と人とのコミュニ ケーションの根底をなすものだという(大藪,2019)。そして,この養育者の原初的コミュ ニケーションが,その後の対人関係発達の足がかりになることも指摘されている(今井・

山田,2017)。

 筆者らは,前言語の発達水準に遅滞する児を対象に,音楽指導場面での指導者と対象児 の相互作用を検討している(田坂・白川・伊藤・松本,2020)。音楽を介した働きかけの 中で,対象児と指導者の二者間の相互交渉が増加していき,リズム同期が促進されていく ことが明らかとなった。指導者側の一方的な働きかけではなく,二者が互いにリズムを合 わせるといった調整行動の変化も認められた。それは,乳児と養育者にみられる相互の働 きかけと共通することも示唆された。しかし,リズムを介した二者間のやり取りが,どの ように成立し活性化していったのか,不明瞭なままである。

 上述の筆者らの研究では,打楽器を使用したリズム遊び場面を設定しているが,歌いか けを付加した場合には,さらに働きかけが活性したことがうかがえた(田坂・伊藤,

2017)。加えて,田坂らでは,歌いかけには,養育者が乳児に語りかけるマザリーズと共 通する音楽的要素があること,歌いかけが相互交渉の改善をもたらす可能性を示唆してい る。本研究では,歌いかけが,身体障害を伴う重複障害児とのやり取りにどのような変化 をもたらすのか,リズム遊び場面での追跡から,歌いかけというに音楽的働きかけ導入の 影響について検討することとした。

音楽指導場面にみられた

重複障害児の社会的相互交渉での歌いかけの影響

田坂 裕子/白川ゆう子/伊藤 啓子

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2.方法

(1)対象児

 対象児は,知的障害および身体障害を伴う 6 歳女児であった。3 歳から母親と共に集団 での音楽活動に参加しており,就学前年時からは,個別の音楽活動が実施された。本研究 では,この個別の音楽活動場面を分析対象とした。音楽活動開始直後の 6 歳 1 か月時にお ける対象児の発達状況は,下記の①②の通りである。

 なお,対象児の保護者には,研究への参加と研究についての学会や機関誌への発表の承 諾,および同意書への署名をいただいている。

 ①運動発達

 3 歳まで歩行が困難であり,6 歳になっても左右に揺れながらの前進がみられ,長時間 の歩行は難しかった。トランポリンを好んでいたが,手を支えてもらいながらのジャン プは,足裏が底面から離れることはなかった。片手指に欠損があり,手指操作は乏しく 物を把握することにも弱さが認められた。

 ②認知発達・言語発達

 田中ビネー知能検査Ⅴの発達チェックでは,認知面 7 か月相当,言語面 8 か月相当の 項目で通過がみられた。KIDS乳幼児発達スケールのプロフィールは,運動 25 か月,操 作 9 か月,言語理解 11 か月,概念 0 か月,社会性(子ども)0 か月,社会性(成人)0 か 月,しつけ 0 か月,食事 11 か月であった。

 言語発達は,「アー」「ウー」などの僅かな発声のみ認められ,有意味語はなかった。

養育者との非言語的行動でのコミュニケーションも乏しい状態であった。他者への興味 がみられず,他者からの働きかけには無反応が頻繁に観察され,笑顔などの情緒的な反 応を示すことは少なかった。

(2)実施期間および観察対象とした音楽活動

 対象児の就学前年に実施されたコミュニケーション支援を目的とした音楽活動(以下,

セッションとする)の指導プログラムには,毎回,打楽器(ギャザリングドラム)を用い たリズム遊び(約 10 分間,以下,リズム遊びとする)が含まれていた。

 初回のセッションでは指導者と対象児とのかかわりは殆ど認められなかった。対象児か ら指導者へのアイコンタクトや身体接触の増加,指導者と対象児が 5 秒以上連続的に同じ リズムを共有するリズム同期の成立が認められたのは,4 回目のセッションでのリズム遊

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び場面であった。二者間の相互交渉を検討するうえで,初回のセッションでは対象児との やり取りは不成立であったため,相互交渉の確認には 4 回目以降のセッションを分析対象 とした。第 4 回のセッション以降,2 か月ごとに実施した 3 つのセッション(4 回目,12 回目,

17 回目のセッション)では,ドラムを使用したリズム遊びを開始し,その後半に歌いか けを導入している。本研究では,この 3 セッションのリズム遊び場面を抽出し,歌いかけ がなかった場面,歌いかけがあった場面をそれぞれ分析した。

 歌いかけに使用した曲は,「げんこつやまのたぬきさん」「おもちゃのチャチャチャ」で あった。いずれも,対象児の馴染みのある好きな曲であった。

(3)分析方法・分析項目

 ギャザリングドラムを用いたリズム遊び活動場面における記録はDVDに録画し,観察 者が記録用紙に指導者と対象児の発声も含めた全行動を転記した。

 各セッションのリズム活動場面の記録から,対象児と指導者のやり取りの回数を確認し た。加えて,対象児と指導者のやり取りにおいて,歌いかけがなかった場面(以下,歌い かけなし場面)と歌いかけがあった場面(以下,歌いかけあり場面)について,田坂ら

(2020)が使用した項目を設定し分析をおこなった。分析項目は,以下の①②の通りである。

 なお,全観察記録において,指導者の働きかけについては,実際に指導をおこなった指 導者から「対象児へ働きかけた行動」として確認ができている。対象児の指導者に向けた 行動については,対象児からの自発的な行動に加え,指導者の働きかけの反応(無反応を 含む)として観察された行動を採用した。

 ①指導者が対象児に向けた働きかけ行動(表 1)

 指導者が対象児に向けた働きかけ行動は,対象児に動きやリズムを示す(「提示」), 対象児への質問や意向を尋ねる(「質問」),対象児の示した動作やリズムを同じ様にお こなう(「逆模倣」),逆模倣に声やリズムをさらに加えて示す(発展),対象児の動きを 読み取ってリズム化して示す(「代弁」),動きをとめて時間的間をとる(「静止」)であり,

その頻度を調べた。

 指導者の働きかけでは,「提示」が最も直接的な働きかけであり,「静止」は最も間接 的な働きかけである(田坂ら,2020)。表 3 に示した「提示」から「静止」までの働きか け項目には,侵入的働きかけから非侵入的働きかけへ,といった働きかけの積極性→非 積極性への移行も示されている(田坂・伊藤,2013)。

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表 1 指導者の対象児に向けた働きかけ(6 項目)

 ②対象児が指導者に向けた行動(表 2)

 対象児が指導者に向けた行動は,指導者へ動作やリズムを示す(「提示」),指導者へ 自分の要求を示す(「要求」),指導者の示した動作やリズムをまねる(「模倣」),指導者 の働きかけに何らかの反応を示す(「応答」),いったん動きをとめて時間的間が生じる

(「静止」),指導者の働きかけを無視して応じず関係ない行動をする(「無反応」)であり,

その頻度を調べた。

 対象児の指導者に向けた行動について積極性から分析項目を捉えると,「提示」から「反 応」まで,積極的から消極的な行動といった積極性の強→弱への変化を示すものであっ た(田坂ら,2020)。

表 2 対象児の指導者に向けた行動(6 項目)

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3.結果

(1)3つのセッションにおける相互交渉の総数

 第 4 回,12 回,17 回のセッションにおける指導者と対象児への二者間にみられた行動(相 互交渉)の総数を確認した。歌いかけなしの場面では,第 4 セッションでは 128,第 12 セッ ションでは 70,第 17 セッションでは 35 であった。歌いかけありの場面は,第 4 セッショ ンでは 87,第 12 セッションでは 60,第 17 セッションでは 54 であった。

 歌いかけなし場面では,セッションの経過とともに相互交渉が減少しているのに対し,

歌いかけあり場面では,第 4 セッション以降で減少するものの,歌いかけなし場面のよう な顕著な減少はみられなかった。第 17 セッションでは,歌いかけあり場面の方に相互交 渉数が多くなった。

(2)指導者が対象児に向けた働きかけ行動

 上述のように各セッション間での指導者と対象児の相互交渉の総数が異なるため,分析 項目ごとに出現率を算出した。各セッションにおける指導者が対象児に向けた働きかけ行 動の分析項目(6 項目)の出現率を,①歌いかけなし場面と②歌いかけあり場面に分け,

表 3 と図 1,表 4 と図 2 に示した。

 ①歌いかけなし場面(表 3 図 1)

 第 4 セッションでは,対象児の行動を指導者側がまねる「逆模倣」(26%),その「逆 模倣」にさらに声やリズムを付加した「発展」(48%)が多かった。第 12 セッションでは,

「提示」(40%)が増加し,「代弁」(19%)もやや増加,「発展」(10%)が減少した。第 17 セッションになると,再び「発展」(20%)が認められるようになったが,「提示」(40%)

は依然として多かった。3 つのセッションを通して「静止」は比較的少なく,「質問」

はみられなかった。

表 3 各セッションの歌いかけなし場面における指導者が対象児に向けた働きかけ行動出現率(%)

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図 1 各セッションの歌いかけなし場面における指導者の対象児に向けた働きかけ分析項目別出現率(%)

 ②歌いかけあり場面(表 4 図 2)

 第 4 セッションでは「代弁」(68%)が多く,その後,「代弁」は 2 つのセッションで 減少していくものの,他の項目に比べて最も多く認められた(42%,30%)。第 12 セッ ションでは,「提示」(32%)が増加し,「逆模倣」(15%)もやや増加したが,「発展」(0%)

はみられなかった。第 17 セッションでは,「提示」(13%)が減少し,「発展」(18%)

が認められるようになった。「静止」は,第 4 および第 12 セッションで比較的少なかっ たが,第 17 セッションで増加した(24%)。「質問」は,第 12 セッションで僅かにみら れた(3%)。

表 4 各セッションの歌いかけあり場面における指導者が対象児に向けた働きかけ行動出現率(%)

図2 各セッションの歌いかけあり場面における指導者の対象児に向けた働きかけ分析項目別出現率(%)

(7)

(3)対象児が指導者に向けた行動

 各セッション間での指導者と対象児の相互交渉の総数が異なるため,分析項目ごとに出 現率を算出した。各セッションにおける対象児が指導者に向けた行動の分析項目(6 項目)

の出現率を,①歌いかけなし場面と②歌いかけあり場面に分け,表 5 と図 3,表 6 と図 4 に 示した。

 ①歌いかけなし場面(表 5 図 3)

 第 4 セッションでは,対象児の指導者に向けた行動の殆どが「応答」(69%)であった。

指導者の働きかけに反応を示さない「無反応」(13%)が次に多かった。第 12 セッショ ンになると,「応答」(29%)だけでなく,明確な意思を伝える「要求」(19%)や相手 の行動をまねる「模倣」(27%)がみられるようになっていた。第 17 セッションは,12 セッ ションと比べ「無反応」(6%)が減少しており,「応答」(26%),「提示」(20%),「要求」

(20%)に加えて,「静止」(11%)が増加していた。

表 5 各セッションの歌いかけなし場面における対象児の指導者へ向けた行動の出現率(%)

図3 各セッションの歌いかけなし場面における対象児の指導者に向けた行動分析項目別出現率(%)

 ②歌いかけあり場面(表 6 図 4)

 第 4 セッションで多かったのは「応答」(49%),次に多かったのは「要求」(30%),「提 示」(12%)の順であった。第 12 セッションになると,「要求」(28%)が多く「応答」(23%)

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や「提示」(22%)も比較的出現していた。第 17 セッションは,「無反応」(0%)がな くなり,「要求」(33%),「応答」(30%),「提示」(24%)に加えて,「静止」(11%)が 増加していた。

表 6 各セッションの歌いかけあり場面における対象児の指導者へ向けた行動の出現率(%)

図4 各セッションの歌いかけあり場面における対象児の指導者に向けた行動分析項目別出現率(%)

4.考察

 3 つのセッションにおける二者間の相互交渉数は,次第に減少していった。第 4 セッショ ンと第 12 セッションでは,歌いかけなし場面の方が多かったが,第 17 セッションでは,

歌いかけあり場面の方が多くなった。各セッションの歌いかけなし場面と歌いかけ場面を 合わせたリズム遊びは,ほぼ同じ時間(10 分間)を設定していることから,セッション を重ねるにつれ,歌いかけあり場面の方へ相互交渉の比重が移行したことも予想される。

 指導者側の対象児への働きかけの分析項目(6 項目)をみると,歌いかけなし場面(表 3 図 1)では,第 4 セッションで対象児の行動をまねる「逆模倣」とそれに声やリズムを付 加する「発展」が大部分を占めた。その後のセッションでは,「提示」が最も多くなって いた。比較的間接的な働きかけ「逆模倣」「発展」から,直接的働きかけである「提示」

への移行がうかがえた。一方の歌いかけあり場面(表 4 図 2)では,第 4 回セッションは より間接的働きかけである「代弁」が過半数であり,その後の 2 つのセッションを通して

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最も多かったが,「提示」「逆模倣」「発展」といった働きかけのほか,「静止」も増加して おり,働きかけの広がりがみられた。

 対象児側から指導者に向けた行動の分析項目(6 項目)における歌いかけなし場面(表 5 図 3)をみると,第 4 セッションでは指導者側からの働きかけに対して何らかの反応を示 す「応答」が大半であった。第 12 セッションになると「模倣」や「要求」に増加がみられ,

加えて第 17 セッションになると「提示」も多くなった。このことから積極的な行動が生 じるようになっていったことがうかがえた。歌いかけあり場面(表 6 図 4)でも,第 4 セッ ションでは「応答」が多かったものの,次に多かったのは「要求」であった。この「要求」

は,対象児が指導者の手を取り(クレーン),ドラムを叩く(リズムをとる)行為であった。

第 12 セッションには「提示」の増加,第 17 セッションでは指導者の動きをみて立ち止まっ て間を取る「静止」も認められるようになっていた。

 歌いかけなし場面と歌いかけあり場面とも,第 4 セッションでは,指導者側は間接的な 働きかけを選択して対象児とかかわっていた。それは,対象児に「応答」といった反応が 多く,明確な行動(意図的な行動)が認められなかったことが影響したと思われる。第 12 セッション以降,二者の相互交渉に変化がみられたのは,対象児が指導者へ明確な行 動を示すようになり,積極的な行動への移行がみられるようになったこと,それにより,

指導者側もより直接的な働きかけが可能となったことが示唆された。

 歌いかけなし場面と歌いかけあり場面の差異であるが,第 4 セッションをみると,指導 者側は歌いかけなし場面で「逆模倣」や「発展」,歌いかけあり場面で「代弁」が顕著であっ た。この第 4 セッションで,対象児は両場面とも「応答」が中心であったものの,歌いか け場面の方が「要求」の他に「提示」も比較的認められていた。対象児の歌いかけなし場 面で,「提示」の出現率が高まったのは 17 セッションになってからであった。つまり,歌 いかけがあった方が,対象児にとっては「要求」や「提示」といった積極的な行動を生じ やすかったといえよう。対象児の「無反応」の割合も 3 つのセッションを通して,歌いか けあり場面の方が少なかったことにも,歌いかけによる積極的行動の出現傾向がうかがえ る。

 上述のように,歌いかけあり場面での指導者側に,子どもの気持ちを推察して「代弁」

する(岡本,2014,2016)働きかけが顕著に生じたのは,対象児の積極的な働きかけにより,

対象児の意図(要求)が読み取りやすかったことが影響したと示唆される。対象児の「要 求」行動の出現には,使用した曲が馴染みのある歌であったことから,次のフレーズ(音 楽の続き)の予測が容易だったことが要因としてあげられる。歌いかけの中で,既に音楽 を把握できていれば,その音楽を要求する行為が発生しやすくなると思われた。

 一方,特に第 4 セッションの歌いかけなし場面にみられたように,対象児の反応が不明

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瞭な段階では,指導者は対象児の意図を読み取ることができず,対象児の行動をまねる「逆 模倣」が多くなったと考えられる。そして,その「逆模倣」のパターン的やり取りに変化 を促すため「発展」をおこなったことも示唆される。これらのことは,乳児の応答を引き 出すために行動を調整(調律行動)し,やり取りに変化を添えるような行動を意図的に提 示する養育者の行動にも認められており(Stern,1985),本研究の指導者側か示した行動 と共通することが指摘される。

 子どもの情動を言語化して反映させるマザリーズ(児玉,2015)には,音楽的な要素が あることが明らかになっている(今井・山里,2017)。また,湯澤(2020)は,わらべ歌 などの童謡には身体的共鳴にも通じる「響き合う身体」(鯨岡,1997)があることを示し ている。本研究では,歌いかけを導入することで,対象児の行動に変化がみられたが,歌 いかけが,言語コミュニケーションに困難を示す児の相互交渉にどのような効果をもたら すかについては,マザリーズという言葉でのやり取りにも共通する音楽的要素の視点から も明らかにしていくことが,今後の課題となる。

 (付記)本研究はJSPS科研費 JP19K02939 の助成を受けたものである。なお,本研究は,

研究開始時に筆者らが所属していた大学の研究倫理委員会の審査を通過している。

5.引用文献

今井恭子・山田栞里(2017)乳児と養育者の「会話」におけるマザリーズ―プロソディの 分析から見える音楽性 音楽教育実践ジャーナル,第 15 号,76-84.

児玉珠美(2015)0 歳児におけるマザリーズの効果に関する一考察 名古屋女子大学紀要,

第 61 号(人文・社会編),261 〜 270.

鯨岡 峻(1997)原初的コミュニケーションの様相 ミネルヴァ書房.

Malloch, S., & Trevarthen, C. (2009) Communicative musicality: Exploring the basis of human companionship. Oxford University Press.

岡本依子(2014)親はどのように乳児とコミュニケートするか: 前言語期の親子コミュニ ケーションにおける代弁の機能 発達心理学研究,第 25 巻,23-27.

岡本依子(2016)妊娠期から乳幼児期における親への移行:親子のやりとりを通して発達 する親 新曜社.

大藪泰(2019)共同注意という子育て環境 総合人文科学研究センター研究誌WASEDA RILAS JOURNAL,第7 号,85-103.

Stern, D. N. (1985) The interpersonal world of the infant: A view from psychoanalysis and developmental psychology. New York: Basic Books .小此木啓吾・丸田俊彦(監

(11)

訳)(1989)乳幼児の対人世界Ⅰ 理論編 岩崎学術出版社.

田坂裕子・白川ゆう子・伊藤啓子・松本直子(2020)音楽を介したコミュニケーション支 援―重複障害幼児と支援者における相互交渉の変化― 音楽療法研究,第 9 号,17-29.

田坂裕子・伊藤啓子(2017)前言語期にとどまる知的障害幼児への個別音楽療法その 2 - 歌いかけによる相互交渉の変化― 音楽療法研究,第 6 号,41-45.

田坂裕子・伊藤良子(2013) 高機能自閉症スペクトラムの見たて遊びにおける指導者の 侵入的働きかけと非侵入的働きかけ. 日本発達障害学会第 48 回研究大会, 128.

湯澤美紀(2020)わらべうたの臨床発達心理学的意味の再考 臨床発達心理実践研究,第 15 巻 2 号,86-95.

表 1 指導者の対象児に向けた働きかけ(6 項目)  ②対象児が指導者に向けた行動(表 2)  対象児が指導者に向けた行動は,指導者へ動作やリズムを示す( 「提示」 ) ,指導者へ 自分の要求を示す( 「要求」 ) ,指導者の示した動作やリズムをまねる( 「模倣」 ) ,指導者 の働きかけに何らかの反応を示す( 「応答」 ) ,いったん動きをとめて時間的間が生じる ( 「静止」 ) ,指導者の働きかけを無視して応じず関係ない行動をする( 「無反応」 )であり, その頻度を調べた。  対象児の指導者に向けた行
図 1 各セッションの歌いかけなし場面における指導者の対象児に向けた働きかけ分析項目別出現率 (%)  ②歌いかけあり場面(表 4 図 2)  第 4 セッションでは「代弁」 (68%)が多く,その後, 「代弁」は 2 つのセッションで 減少していくものの,他の項目に比べて最も多く認められた(42%,30%) 。 第 12 セッ ションでは, 「提示」 (32%)が増加し, 「逆模倣」 (15%)もやや増加したが, 「発展」 (0%) はみられなかった。第 17 セッションでは, 「提示」 (13%)が減少

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