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中国企業における監督 ・教育の基盤

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神奈川大学大学院経営学研究科 r研究年報j第13 2009年3月 3

■ 研究論文

中国企業における監督 ・ 教育の基盤

ⅠⅠ血astructureofthe"Overseel・&Education"inChineseCompanies

神 奈川大学大学 院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

ⅩUANJINGZHE

■キーワー ド

コーポレ‑ 卜・ガバナ ンス、コーポレー ト・ガバナンス原則、監督基盤、教育基盤、企業独自原則

1

は じめに

1978年の改革 ・開放政策以前における中国の 企業は、国家が無限責任 を負 うような工場制企業 であり、経営自主権が行政に占有 され、非効率的経 営状況に陥っていたのであるDそのため、国営企業 の積極性 を高 め ることを目的に、1978年 の改革 ・ 開放政策 を契機 に、企業自主権 を拡大 し、利潤 も企 業 に残す ような 「放権譲利」改革 が実施 された。

さらに、1992年末の部小平 「南巡講話1」 を契機 に、

公有制企業の株式会社化が加速度 的に進め られ、

本格的な 「近代的企業制度2」の確立がな された。

本稿では、近代的企業制度のもとで形成 された コーポ レー ト・ガバナンスの現状 を考察 し、中国 におけるコーポレー ト・ガバナンスの構築におい て、コーポ レー ト ガバナ ンス原則 (以下 「原則」

とい う)3を中心 とする監督基盤 と、原則が企業に 浸透するための教育基盤が重要であることを解明 するのが目的である。

その ために、 まず、中国におけ るコーポ レ‑

ト・ガバナンスの系譜 を考察する。つ ぎに、今 日 における中国の コーポ レー ト・ガバナンスの現状 を、株式所有構造、企業経営機構、企業内党委員 会の3つの側面 か ら考察 し、それぞれの問題点 を 指摘す る。 くわえて、中国証券監督管理委員会 (以 下 「証監会」 とい う)の機能 を明 らかに し、証監 会 より策定 されている 「中B]上場会社 コーポ レー ト ガバナンス原則 (以下 「上場会社原則」とい う)

の内容 と意義 を整理する。最後に、原則の企業へ の浸透過程 を考察 し、中国におけるコ‑ポ レー ト ガバナ ンスの構築において、監督機能 を持つ監督 基盤 と、指導機能 を持つ教育基盤の整備が土台的 役割 を果たすことを主張する。

2

中国における「改革 ・開放政策」とコー ポ レー ト・ガバナンスの系譜

2.1 「改革 ・開放政策」以前におけるコーポ レー ト・ガバナンスの性質

中国におけ る経済改革 に ともな うコ‑ポ レ‑

(2)

4 神奈川大学大学院経営学研究科 r研究年報J 第13 2009年3月

図表 1 中国における 「改革 ・開放政策」の実施 にともなうコーポ レー ト・ガバナ ンスの系譜

■1949年 中華人民共和国の成立

(出所)金 山権[2007]167‑184頁、李推安 [1998]48‑52頁、劉永鵠[2005]126‑145頁 を参考に、筆者 作 成。

ト・ガバ ナ ンスの系譜 は、図表1の ように表 す こ とがで きる。

第1に、1970年代 における改革 ・開放政策実施 以前の中国企業 をみ ると、国営企業が主流であっ たO そ して、企業への投資は、ほとんど国家財政 の支出によって行われ、政治 が国営企業の経営自 主権 を最大限に剥奪す ることとなった。 ようする に、証券 や債券 などの資本市場がまったく存在 し ない仕組みであったといえるO この段階 を中Blで は 「政治型 ガバナ ンス」 と呼んでいる40

金 山権 [2008] は、政治型 ガバ ナ ンス段階 に おける中国企業の特徴 を、つ ぎの3つ に まとめて い る。1つ 目と して、企業管理の手段 は、主 に行 政手段 で行 い、企業 は規 模 の大小 と管轄 関係 に よって ランクづけ され、企業の経営者 は行政の主 管部門 よ り任命 され ることである。2つ 目と して、

企業の生産計画 は、国家のマクロ計画 に依存す る ものであ り、企業経営のパ フォーマ ンスの指標は、

企業が作 り出 した経済価値 ではな く国家計画の達 成度 によって判 断 され ることで ある。3つ 目と し て、企業経営者 は、経営 自主権 がな くて経営成果 の享受 もで きず、企業のパ フォーマ ンスの向上 よ りも、む しろ企業規模の拡大 を助長 させ ることで ある5

2.2 「改革 ・開放政策」以降の コーポ レー ト・

ガバナンスの性質

第2に、1980年代 における改革 ・開放政策実施 以降の中国企業 をみ ると、新規投資に対 して初め て今 までの財政支出か ら銀行の貸 し出 しに改める 試行で ある 「機攻貸6」 が行 われた。 この政策 に より、企業 は借 りた資金に利息 をつ けて返す こと となったため、従来のような効率 を無視 した投資 の拡大 に歯止めをかけることが期待 されたのであ る。 この段階は、経済制度 が計画経済か ら市場経 済へ と移行 され る時期であ り、政府 が経営権 を企

(3)

中国企業における監督 ・教育の基盤 5

業 に委譲 し、利潤 も譲与す るよ うないわゆる 「放 権譲利」改革 を進める時期であったのである。 こ の段階 を中国では 「契約型 ガバナ ンス」 と呼んで いる

李 維安 [1998] に よれ ば、契約型 ガバ ナ ンス 段階における中国企業 は、各地で さまざまな企業 自主権の拡大が試み られ、ある程度の企業 自主権 を拡大す ることには成功 したとされ る。 しか しな が ら

、「 4

つの分離」 (政企分離、両極 分離、党企 分離、社企分離)が明確でないため、行政手段 が まだ重要 な役割 を果た しているとされ る。 そのた め、国有企業 は、依然 として市場に直接参入す る ことがで きず、それが、国有企業の活性化や効率 化 を低迷 させ、赤字企業の増加 をもた らした と主 張 している7。

第3に、1990年代 における近代 的企業制度 の確 立以 降の 中国企業 をみ ると、企業 自 らが社債 と 株式 を発行す ることになったのである呂。 そ して、

株式市場 の発展 に と もない、1992年 に 「株式 制 企業試点弁法」、 「株式会社規範意見」、「有限会社 規範意見」がそれぞれ公布 され、 これ らの改編集 と して、1993年 に 「会 社法」 が制定 され たので ある。 よ うす るに、行政 と企業の分離および財産 権 と所有権の明確化 などを、企業法制度 に基づい て定めることとなったのである。 この段階 を中国 では 「制度型 ガバ ナ ンス」 と呼んでいる。

制度型 ガバ ナ ンス段階 における中国企業 では、

主 に、株式所有構造の改革 と企業経営機構の構築 といったコーポ レー ト・ガバ ナ ンス問題 に直面す ることとなった。具体的に、株式所有構造の改革

図表2 全国上場会社の株式構成比率 (1998年〜2002年)

(単位 :%) 株式種類 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 流通株計 : 34.80 35,20 35.62 34.90 35.70 A株 (国内投資家向け株) 23.86 26.90 29.46 25.14 26.50 B棟 (海外投資家向け株) 5.42 4.30 2.87 3.31 3.10 H株 (香港での上場株) 4.52 3.90 3.29 6.45 6.10 非流通株計 : 66.20 64.80 64.38 65.10 64.30 国有株 62.73 61.20 61.99 64.54 69.40 その他 3.47 3.60 2.39 0.56 ‑5ー20

(出所)呉淑儀 [2006]111頁.

図表3 上海証券取引所上場会社の株式構成比率 (2003年〜2007年)

(単位 :%) 株式種類 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 流通株計 : 27.52 28.26 29.25 22.94 23.92

A株 .(国内投資家向け株) 26.16 27.10 28.21 22.25 23.42 B棟 (海外投資家向け株) 1.36 1.16 1.04 0.69 0.50 非流通株計 : 72̲48 71.74 70.75 70.06 76.08 国有株 57.12 57ー59 57.25 44.69 39.63 その他 15.36 14.15 13.5 25.37 28.26

(出所)上海証券取引所 [2003]、 [2004],J[2005]、[2006]、 [2007a]、 [2007b] を参考に、筆者作成o

(4)

6 神奈川大学大学 院経営学研究科 r研究年報』 第13号 2009年3月

では、主に、投資家による国有企業への投資環境 を整 えるような株式制度 を形成することと、企業 経営が国家行政機関か ら独立 し、企業の経営管理 も行政の直接関与か ら分離 されることであったの である9。一方、企業経営機構の構築では、主に、「新 三会 (株主総会、取締役会、監査役会

)

」 を設置 す ることと、「老三会 (党委員会、従業員代表大会、

労働組合)」の ガバ ナ ンス機能 を新三会へ移行す ることであったのである川。

3 中国 にお け るコーポ レー ト・ガバナ ンスの現状

3.1 中国における株式所有構造 とコーポ レー ト・ガバナンス

制度型 ガバナ ンス段階における中国の株式所有 構造は、図表2と図表3のように表すことがで きる。

まず、図表2は、1998年か ら2002年 までの中国 における上場会社の株式構成比率 を表 している日。

これをみると、中国の株式 は、大 きく流通株 と非 流通株 に分 け られ、流通珠 は一貫 して30%台に とどま り、非流通株 は一貫 して60%を上 回って いたことがわかる。 また、非流通株の うち国有株 がほとんどを占めていたこともわかるO

つ ぎに、図表3は、2003年か ら2007年 までの上 海証券取引所における上場会社の株式構成比率 を 表 している2。 これ をみ ると、今 日における中国

の株式所有構造は、依然 として非流通株が流通株 よ りは るかに多い ことがわか るo その一方、非 流通株 の内訳 となる国有株 は、2004年度 以降か ら、次第に減少 していることがわか る。 これは、

2005年4月末か ら、実施 されて きた国有株の流通 化改革 が背景 となったのである13。それに しても、

国有株 は、全体の40%を占め、政府の上場会社に 与 える影響は、依然 として大 きいことが考 えられ

る。

つ まり、中国のコーポ レー ト・ガバナ ンス改革 において、国有株 を代表する政府機関の取 り組み が重要であるといえるO また、先進国のように機 関投資家などの私的機関を中心に企業経営 を監督 す るよりも、む しろ政府機関による原則の策定 と 企業への浸透 を図 ることが近道だと考 える。

3.2 中国における企業経営機構 とコーポ レー ト・ガバナンス

中国の企業経営機構 に関 しては、図表4と図表 5に表わ され る企業経営機構構造に基づいて考察 することにす る。

まず、企業経営機構構造について国際的比較 を 行 う場合 に、図表4に示 され るよ うな3つのモデ ルが中心 となるといわれている14

1つ 目は、 アメ リカや イギ リスなどの よ うに、

意思決定 ・監督機関 と執行機関が少 し重なった「英 米モデル」 である。2つ 目は、 ドイツや フランス

図表4 企業経営機構構造の国際的比較

英米モデル 大陸モデル

(出所) 平 田光 弘[2003]161頁を参考 に、筆者作成。

日本モデル

(5)

中国企業における監督 ・教育の基盤 7

図表5 中国にお ける上場会社 の企業経営機 構構造 党 委 民 主 選

株 主 総 会

(国家 .国有法人、棲関投 資 家、

一般法 人、個 人投資 家)

監 重 役 会

( 3

名以上) 監査役会会長

( 1

名) 株 主代表

( 1

名以上) 軽 業員代表

l

(

1

名以上 )

事兼任

監督

党 委 員 会

( 9‑11

名)

・党 委書 記

( 1

名)

・党委

( 8 ‑1 0

名)

部兼任

取 締 役 会

( 5‑1 9

名) 取締 役会 会長 (

1

名 ) 取締 役 (複 数)

・独立取締 役

( 1 / 3

以 上) (監 査 ・指 名 ・報 酬 )

‑1社 内取締 役】

(戦 略 ・危機 ・投 資 ) 監督・任免 執行・報

執 行 役 会

(13

名)

社 長補佐(5名 )

経 営参加

(出所) 筆者 作成。

な どの よ うに、監督機 関 と意思決定 ・執 行機 関が 完全 に分離 され た 「大陸 モデル」で あ る。3つ 目は、

日本 の よ うに、監督機 能 が取締役会 と監査役会 に 求 め られ、意思決定 ・監督機 関 であ る取締役会 と 執 行機 関が大 きく重 な った 「日本タ デル」 で ある.

つ ぎに、 中国 にお け る企業 経 営機 構 は、 図表5

の よ うに表 わ され る。

想教育

第1に、取締 役 会 は、株主 総会 よ り選 任 され る 取締役 よ り構成 され る。取締 役会 の主 な役割 と し て 、会 社 の基本 的 な管理制度 を定 め る ことや、企 業 の 経 営 計 画 を決 定 す る こ と、 お よび執 行 役会 に対 して意思決定 を行 い、執行役 を任 免 ・監督 す る こ とで あ る15。 また、 ア メ リカモ デル の委 員会 設置制度 が導 入 されてお り、独立 取締 役の人数 は、

(6)

8 神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』第13 20093月

取締役全員の3分の1を超 える必要 がある。独立 取締役は、それぞれ監査、指名、報酬委員会に配 属 されている16。そのほか、社内取締役に関 して

も、戦略、危機、投資といった委員会が設置 され、

各委員会 に配属 され ることで役割 と責任の明確化 を図っているo

第2に、監査役会は、株主総会 と従業員大会 よ り選任 され る監査役より構成 される。監査役の主 な役割 として、会社の財務 を監査することや、取 締役 と執行役の職務執行を監督すること、および 法律、行政法規、会社定款、株主総会決議原則な どの遵守状況 を監督す ることである7。監査役会 の人数は、3人 を下 回ってはな らず、従業員代表 の比率 は、監査役全員の3分の1を下 回 ってはな

らないことと定め られている

O一般的に、上場 会社における監査役の人数は、3人、5人、7人 と いった奇数より構成 され、監査役会会長1名 を除 き、株主代表 と従業員代表がそれぞれ半々の割合 となっている。なお、監査役会会長は、監査役の 過半数の民主的選挙により選出 され ることと定め られてあるが、一般的に、株主代表が会長役 を務 めることが多く、株主代表側が優越であるといわ れている9。

3に、執行役会 は20、取締役会 と執行役会会 長 よ り選任 され る業務執行役員より構成 され る。

執行役会の主な役割 として、会社の基本的な管理 制度 を立案す ることや、取締役会 より定め られた 経営計画にそって 日常的業務を執行するとと、お よび定期的に取締役会に対 して業務報告 を行 うこ とであるZlo執行役会 は、一般的に、執行役会会 長1名 と最高財務責任者1名、取締役秘書1名 と副 社長数名22、そ して、社長補佐数名 より構成 され ている。その うち、執行役会会長、最高財務責任 者、取締役会秘書、副社長は、取締役会より任免 されることとな り、社長補佐は、社長 より任免 さ れることとなっている。

第4に、企業内覚委員会 は、企業内共産党員大 会 より選任 される党委 より構成 されるo企業内党 委員会の主 な役割 として、全従業員に対 して共産 党方針 を中心 とす る思想教育 を行 うことである。

こうした中国における企業内党委員会は、先進諸 国 と異な り、中国企業における唯一の機関である。

そのため、企業内覚委員会に関する詳細は、3,3「中 国における企業内党委員会 とコーポレー ト・ガバ ナ ンス」 において、 されに論 じることにす る。

以上より解明 され ることとして、中国における 企業経営機構構造は、英米モデルの委員会設置制 度 と日本 モデルの監査役会制度,そ して大陸モデ ルの従業員参加型監査役会制度 をそれぞれ交えて い ることが、1つの特徴である。 また、株主総会 と取締役会、監査役会 と執行役会のほかに、企業 内覚委員会が設置 されていることが、 もう1つの 特徴である。

3.3 中国 にお ける企 業 内党委 員会 とコーポ レー ト・ガバナンス

中国の共産党貝は、中国法律はもちろん、中国 共産党全国代表大会で算定 され る 『中国共産党規 則(2007年10月改訂

)

lや r中国共産党基層組織 (覚 委員会)選挙条例 (2006年5月改訂)jなどといっ

た共産党関連規則 も遵守することとなる。

まず、共産党関連規則における 町中国共産党規 則j の内容 をみ ると、「企業、農村、学校、人民 解放軍などといったあらゆる組織において、正式 党員が3人以上 いれば、党の基層組織 (党委員会) を組む必要 がある」 とされている23。 この ことか

ら、中国における上場会社のような優秀な組織に は、必ず3人以上の共産党貝がいて、必ず企業内 覚委員会が設置 されていることとなる。

つ ぎに、r中国共産党基層組織選挙条例」の内 容 をみ ると、「企業内党委員会 は、国有企業や非 公有制企業 において政治的核心の役割 を果た し、

企業が重大 な経営戦略を決める際に参与する必要 がある」 とされてい る240 この ことか ら、企業内 党委員会は、必ず企業の意思決定に関与 し、コー ポレー ト・ガバナンスに影響を与えることとなる25。

このようななか、中B]の企業内においても、企 業内覚委員会関連規則が策定 されている。そして、

企業内覚委員会の職務 と責任、および権限に関 し ては、企業 ごとに策定 された 『企業内党委員会業

(7)

中B]企業における監督 ・教育の基盤 9

務条例』 において定 め られてい る。 ここで、筆者 は、湖北博盈投資株式会社 (以下 「湖北博盈」 と い う) が

2 0 0 4

年 に策定 した企 業 内覚委 員会 業務 条例 を取 り上 げて、企業 内党委 員会の職務 と責任 、 および権限 を考察す ることに したい。

その理 由は、湖北博盈 の株式構成比率 をみ ると、

非流 通株46%と流通株54%、そ して、非流通株 の 内訳 とな る国有株 が0%であるところにあ る26.っ ま り、湖 北博盈 は、国有株 が0%とい う純 粋 な民 間株式会社で あ り、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの 側面 か らみ ると、 もっとも行政 および企業 内覚委 員会 の影響 を避 けるはずである会 社の1つ で ある と判断で きる。 それに もかかわ らず、湖北博盈 は、

きちん と企業 内覚委員会業務条例 を策定 し、企業 内覚委員会の行動すべ き指針や有すべ き権限な ど を明確 に定 めたか らで ある。

湖北博盈 の企業 内覚委員会業務条例 は、全6章 よ り構成 され て、企業 内覚委員会 の職務 と責任、

お よび権 限 に関す る内容 だけ を絞 ると、図表6の よ うに6項 目とな る

なかで も、第2項 において、企業 内覚委員会 は、

「企業 における重大 な経営戦略 と人事管理 の決定 に参加」す ることと定 め られてい る。具体 的に、「重 大 な経営戦略の決定 に参加す る」 とは、会社 の今 後の改革方 針や生産運営、発展計画や年度事業の

まとめ、および財務決算 などを研究 し、意見や要 求 を提案す る権利 を持つ ことを意味す るので ある。

また、 「重大 な人事管理の決定 に参加す る」 とは、

企業経営機構構造の調整や設置 を研究 し、高級管 理人 員 (取締役、監査役、執行役)の選任 と業務 執行 につ いて、意見や要求 を提案す る権利 を持つ

ことを意味す るので ある27。

以上、中国におけるコーポ レ‑ ト・ガバ ナ ンス の現状 を、株式所有構造、企業経営機構、企業内 党委 員会 の3つ の側面 か ら考察 して きた。 そ して、

明 らかになった ことは、中国の コーポ レー ト ・ガ バ ナ ンス改革 において、政府機 関の取 り組みが重 要 で あることで ある。 また、 その重任 は、政府機 関である証監会 が担 うことに大 きな期待 を寄せ る。

4

中 国言正券 監 督 管 理 委 員会 と コ ー ポ レー ト・ガバナンス原則

4.1 証 券 監 督 管 理 委 員会 の 機 能 と上 場 会 社 コーポ レー ト・ガバナ ンス原則

中国 にお け る制度型 ガバ ナ ンスは、1993年12 月に会 社 法 が制定 され て か ら本 格 的 に進 め られ た と考 え られ る。 そ して、議 論 の 山場 を迎 えた の は

、2 0 0 2

1

月 に、証 監 会 に よ り公 表 され た 上場会 社原則 で ある。 なぜ な らば、 この原則 は、

図表6 企業 内党委 員会 の職務 と責任、 および権 限

(1)覚蚕の主 な職務は、共産党の改革路線や方針、政策 を企業へ浸透 させ ると同時に、それを保証す るこ とである。

(2)党委は、企業における重大な経営戦略と人事管理の決定 に参加 し、株主総会 と取締役会、監査役会 と 執行役会の法令遵守を支持 し指導することである。

(3)党蚕は、共産党思想を強化 し、会社の精神思想や精神文明の創造 を指導す ることである。

(4)覚要は、労働組合 (工会) と共青団、従業員大会 をサポー トし、企業を道徳、文化、紀律のともな う 組織 として発展 させ ることである。

(5)覚要は、取締役会 と監査役会、そして執行役会に入 ることができ、兼任 も可能である。必要であれ ば、党委書記と取締役会会長 を兼任す ることも可能であるが、分離する必要がある場合 に、党委書記は 副董事長 と兼任 しなが ら、会社の経営戦略の決定に参加 し、それを監督することが可能である (一般的に、

党委書記と副董事長の兼任が多いのである)0

(6)企業内党委員会の活動費用は、すべて企業負担 となっている。

(出所)湖北博盈投資株式会社

[ 2 0 0 4

] を参考に、筆者作成。

(8)

10 神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報」 第13 2009年3月

OECDが1999年 に公表 した世 界標 準原則 といわ れ る FOECDコーポ レー ト・ガバナ ンス原則 (以 下 「OECD原則」 とい う)ZS』 を参考 に した もので あるか らである29。 また、今 日、中国において次々 と策定 されているコーポ レー ト・ガバナ ンス原則 の参照基準 とな り、基礎 的情報 を与 えているか ら である。

証監会 は、中国国務院の直轄下 にある事業単位 の1政府機 関であ り、1992年 に設立 され たのであ る。証監会の設立 目的 として、中国の証券市場を 統一的に監督 ・管理す ることによって、証券市場 の秩序 を保護 し、証券市場の健全な発展 を目指す ことであるO証監会 の主 な機 能 は、図表7の よう に表す ことがで きる。

第1の監督機能においては、証券市場 と関わ り のあるすべての機関 を対象 とし、主 に、証券の発 行な らびに取引の情報公開、証券業従事機関の行 動基準の制定 と実施、および関連資格 などを監督 す ることである。

第2の指導機能 においては、証券市場 の健全 な

発展 を目的に、証券の発行や売買、登記手続 きや 清算 などを指導す るほかに、証券関連原則の遵守 や運営なども指導す る。指導の対象機関は、証券 会社や上場会社などのような直接的に証券 と関わ りのある機 関のほかに、会計士事務所や弁護士事 務所などの ような間接 的に証券 と関わ りのある機 関 も含む。

第3の処罰機 能 においては、証監会 内に行政処 罰委員会 とい う専門機関が設置 され、主 な機能 と して、証券関連法律や関連行政法規 などの違反行 為 を判断で きる原則 を策定す ることと、企業 が証 券関連原則 を違反 した場合 に、違法判断原則に基 づいて行政処罰 を行 うことである31

この よ うな監督 ・指導 ・処罰 の3つ の機 能 は、

証監会 とい う1機 関に集約 されたため、各機能 が 単独で働 くのではな く、相互の補完的作用によっ て、より効果的な機能 を発揮で きると考 えられ る。

たとえば、証監会が上場会社 を規律づけるための 監督関連規範 を策定 した場合に、企業の遵守状況 に対 して一定の監督機能 を有す ると同時に、企業

図表7 中国証券監督管理委員会の主 な機能 と相互作用

(出所) 上海証券取引所研究中心[2003]103‑104頁 を参考に、筆者作成。

(9)

中国企業における監督 ・教育の基盤 11

がよ り効果 的に関連規範 を遵守 および応 用で きる ための指導機能 も有 す る。 また、上場会社 が証券 関連法律 を違反 した場合 に、上場会社 に対 して処 罰機 能 を有す ると同時に、再発防止の ために、上 場会社 に対 して一定の指導機能 も有 し、 よ り有効

な監督関連規 範 を策定す ることもで きる。

そ して、証監会 よ り策定 された上場会 社原則は、

95の条文 よ り構成 され、重要 な 内容 に焦 点 を し ぼ ると、図表8の ように4項 目とな る32。

第1「株主総会 の運営 と株主権利 の保護」 にお いては、主 に、機 関投資家が株主権力 を発揮で き るよ うなシステムを構築す るといった内容 であ り、

株主総会の形骸化や少数株主の発言権の縮小化問 題 に対処す ることが 目的であると考 え られ る。

第2の 「上場会社 の独立性」 において は、主 に、

支配株主 による不正行為の防止 を目的に、財務運 用や経営活動 に関す る支配株主 の権力問題 に制限 をかけるといった内容 で あ り、支配株主 の発言権 過剰化問題 に対処 す るものであると理解 で きる。

第3の 「企業経営機構の強化」 においては、主 に、

独立取締役 を積極 的に採用 し、専門委員会 を設置 す ることと、監査役会 の権力 を強化す るといった

内容 であ り、監督機能 を一層強化 させ ることが狙 いで あると考 え られ る。

第4の 「情 報 開示 と利 害 関係者 」 に おいて は、

主 に、企業の一般情報 を公平 かつ適時に提示す る ほかに、 コーポ レー ト.ガバ ナ ンスへの取 り組み 情報 も開示す ることと、従業員 に対す る福利厚生 問題や企業 の社会 的責任 を重視す るといった内容 であ り、企業 と利害 関係者 との信頼 関係 を深 化 さ せ ることが 目的であると考 え られ る。

4.2 コーポ レー ト・ガバナ ンス原則の企業への 浸透

今 日、中国において上場会社原則 を皮切 りに多 くの原則 が策定 され、大 きく政府原則、証券取引 所原則、企業独 自原則 の3極洋 に分け ることがで きる:i4。1つ 目の政府原 則 は、全 国人民代表 常務 委員会、証監会 、国賛蚕 な どの国家の統一的方 針 を定 め る政府機 関 が策定 した原則 を指す。2つ 目 の証券取引所原則 は、上海証券取 引所 と深 シ ン証 券取 引所 が策定 した原則 を指す。3つ 目の企業独 自原則 は、上場 してい る個 々の企業が策定 した原 則 を指す。

図表8中国上場会社 コーポ レー ト ガバナ ンス原則の概要 と特徴 (1)株主総会の運営と株主権利の保護

機関投資家が経営者のインセンテ ィブ体制や監督などに関す る重大な方策決定に参加でき、株主権利 を 発揮できるようなシステムを構築 し、株主の訴訟提起請求権 を認めるべ きである。 これは、株主総会の形 骸化や少数株主の発言権の縮小化問題に対処することが目的であると考 えられる。

(2)上場会社の独立性

支配株主による不正行為を防止す ることを目的に、役員選任や資産管理、財務運用や経営活動に関する 権力問題に制限をかけるべ きである。いずれ も支配株主の発言権過剰化問題や国家行政機関の関与により 発生す る企業不祥事に対処するものであると理解できる。

(3)企業経営機構の強化

独立取締役 を積極的に採用 し、専門委員会 (指名 ・監査 ・報酬 と審査 ・戦略) を設置すべ きであり、指 名、監査、報酬 と審査委員会は、独立取締役の構成比率 を高 くして設定すべ きである。監査役会に関 しては、

独立性 と取締役会に対する説明請求権の強化などが特徴となる。

(4)情報開示 と利害関係者

幅広い利害関係者に対 し、真実で正確な情報を公平かつ適時に提示する一方、コーポ レー ト ガバナン スへの取 り組み情報 も開示すべ きであるO経営者 と従業員との積極的な対話 を求めるほかに、福利厚生、

環境保護、公益事業などといった企業の社会的責任を重視すべ きであるO (出所)証券監督管理委員会 [2002]を基に、筆者作成。

(10)

12 神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』第13 2009年3月

図表9コーポ レー ト ガバナンス原則の企業への浸透

(出所) 筆者作成。

そ して、以上の原則 は、最終的に図表9が表す ように、企業への浸透 を図るのである。 まず、政 府原則は、世界標準原則の強い影響 を受けなが ら 成熟化 し、証券取引所原則の策定に基礎的情報 を 与 えるのである。つ ぎに、証券取引所原則 も世界 標準原則の影響 を受けつつ、政府原則 を参考に し なが ら、最善の規範 となる原則 を策定するのであ る。 くわえて、政府原則 と証券取引所原則 は,相 互 に連携 しなが ら企業へ浸透 し、企業経営者が自 社の経営環境に適合する企業独自原則 を策定す る ことに大 きく役立 たせ るのである。最後に、企業 独 自原則が策定 され、その実効力が発揮 されるこ とによって、企業のコーポ レー ト ガバナ ンス関 連問題が解決 されることが可能だと考 えられる。

5

おわ りに

5.1 監督基盤 と教育基盤の整備 によるコーポ レー ト・ガバナンスの健全化

中国におけるコーポレー ト・ガバナンスの構築 において、原則 を中心とする監督基盤 と、それ を サポー トする教育基盤が不可欠だと考 え、おおむ ね図表10のように表すことができる。

まず、政府機関は、証監会などを中心に、上場

会社におけるコーポ レー ト・ガバナンス関連の監 督基盤 と教育基盤 を整備す ることであるO監督基 盤は、原則 を中心 とするものであり、主に監督機 能 を持 ち、教育基盤は35、原則 を企業に浸透 させ るためのサポー ト的な役割を果た し、指導機能 を 持つ と考 えられ る。

つ ぎに、両法的基盤は、相互に連携 しなが ら同 時に企業へ浸透する。そして、その法的基盤が実 効力 を発揮 してい くことによって、企業のコーポ レー ト・ガバナ ンス関連問題が解決 されることが 可能だと考 えられ る。

くわえて、企業は、両法的基盤を遵守すると同 時に、定期的に報告 し、経営実践の中で出現 され る問題点について意見などを提示することが可能 である。最終的に、企業独自が自社の経営環境に 適合するガバナ ンスシステムを構築することが証 券市場の健全性につながると考 えられ る。

5.2 今後の課題

以上のように本稿では、まず、中国におけるコー ポ レー ト・ガバナンスの系譜 を、政治型 ガバナ ン ス、契約型 ガバ ナ ンス、制度型 ガバナ ンスの3つ の段階に分けて考察 し、中国におけるコーポ レー ト・ガバナ ンスの周辺問題 を明 らかに した。 くわ

(11)

中国企業における監督 ・教育の碁盤 13 図表10 監督基盤 と教育基盤の整備 とコーポ レー ト・ガバナ ンスの健全化

証 券 市 場 の健 全 性

(出所 ) 筆者作成。

えて、中国のコーポ レー ト・ガバ ナ ンス構築 にお いて、証監会の役割 を考察 し、 コーポ レ‑ ト・ガ バナ ンス原則 を中心 とす る法的基盤づ くりの重要 性 と企業への浸透 を論 じた。最終的に、監督機能 を持つ監督基盤 と指導機能 を持つ教育基盤 とを合 わせた両基盤が中国の コーポ レー ト・ガバ ナ ンス 構築 において土台の部分 となるだろうO

今後の課題 として、監督基盤 と教育基盤 はあく まで も土台的役割 を果 た し、企業の自己統治 と自 己規律が可能なシステムは、どのよ うに構築 され るべ きか、をより深 く研究する必要があると考 え る。

具体的に、監督基盤 においては、政府原則 と証 券取引所原則は、企業独 自原則が構築 され るため のサポー ト的な役割 を果 た し、企業独 自原則が主 導的な役割 を果たすべ きである。たとえば、企業

独 自原則 を策定す る際に、政府 または証券取引所 は、一方的な方向性 を伝 えるのではな く、い くつ かの選択肢 を与 え、その会社が自主 的に自社の経 営環境 に適合す る企業独 自原則 を策定す るべ きで あると考 える。

一方、教育基盤 においては、経営者教育の主体 となる証監会 と証券取引所 は、企業経営者 に対 し て、強制的に経営者教育 を受 けることを求 めるべ きではな く、合格基準 も株式市場の自由な規律 に 任せ るべ きであると考 える。た とえば、経営者教 育 システムは、企業経営者 に緊張感 を与 えるので はなく、む しろサポー トす る側面 に重点 を置 くべ きであ り、合格基準 も教育機関が設定す るよ りも、

実践の中で企業独 自が判断 してい くべ きである。

したがって、中国におけるコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの構築 において、政府機 関 によ る法 的基

(12)

14 神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』第13 2009年3月

盤の整備 を通 じて、強固な倫理性 を持つ企業経営 者 を育 て ることが第1歩 であ る と考 える。つ ぎに、

企業経営者 が主導的役割 と して、 自社の経営環境 に適合す るオ リジナル の ガバ ナ ンス システムを構 築す ることであると考 えるO本稿 では、単 に政府 機 関の取 り組 みにつ いて考察 を行 ったが、今後 は、

企業経営者 が主導 的役割 を果 た しなが ら取 り組む ことに重点 を置 いて研究 を進 め る必要 が ある

【注】

1 1978年 改革 ・開放政策 以 降 の急 な経 済 シス テムの変化は、所有権 と財産権の分離などを め ぐる改革 の不徹底 化によ り国有企業の活性 化や効率化 を低迷 させ、赤字企業の増加 をも た ら して しまったの で あ る。 また、1989年 の天安 門 事件 は 中国 を国 際社 会 か ら孤立 さ せ、旧 ソ連の崩壊 は中国 をは じめ とす る社会 主義 に対す る不信感 さをもた らして しまった のである。 これ らを背景 に して、中国政府 は、

1978年 か ら実 施 され て きた改革 ・開放政 策 を一層 「放」 (綬 め る) の方 向へ と揺 り返 す 必要 が あったので ある。 これ をきっか けに、

1992年 初 、部小 平 氏 は沿 海 都 市 を次 々 と視 察 し、10年 以上 の改革 教訓 や更 な る発展 の 必要性 と重要性 、新 たな改革方 針 な どを熱 く 語 りEilってい るO これがいわゆ る「南巡講話」

で ある。●詳 しくは、朝 日新 聞1992年3月13日 付 を参照の こと。

2 「近代 的企業制度」 は、1993年 に開催 され た 中国共産党第14期3中全会 において確立 され たので ある。 その内容 は、主 に、所有権 の帰属、

財産権 と所有責任の明確化、政企分離、科学 的管理 制度 の形成 、 とい った4つ の改革 目標 が中心 に構成 され たのであ る。

3 本稿 におけるコーポ レー ト・ガバ ナ ンス原則 とい うは、単 な るある機 関 か ら策定 され た1 つ に限 るものではな く、 いわゆ るコーポ レー

ト・ガバ ナ ンス問題 を解決す ることを目的に 策定 され た さま ざまな規定 ない しの っ とるベ

き原則 な どを指す。

4 中 国 で は、1970年代、1980年 代、1990年代 の ガバ ナ ンス型 を、 それぞ

「政治型 ガバ ナ ンス」、 「契約型 ガバ ナ ンス」、「制度型 ガバ ナ ンス」と呼んでいるO詳 しくは、劉 永鵠[2003] 162‑165頁 を参照の こと。

5 金 山権 [2008]98頁.

6 中国の国営銀行は、財政支出の代 わ りに、次 第に企業投資 とい う形の資金源 と して変化 し たので ある。最初 は、国営企業 を中心 に資金 を提 供 して きたが、摸 改 貸 制度 は、1984年 か ら全国 に広 が り、銀行か らの中長期融資が 中国の債券市場の主役 となったのである。

7 中国 にお け る税 収入率 は、1984年 の24.2%か ら、1989年 の17.2%に ま で 下 落 し、 さ らに 1992年 に9.7%に まで下 落 した と され る。 ま た、全 国 の国有 鉱工 業 企 業総 数 に 占め る赤 字 企 業 の比 率 は、1985年 の9.7%か ら1992年 の23.4%に まで増加 したとされ る。詳 しくは、

李維安 [1998]51頁 を参照の こと。

8 1987年 に株 式 制度 が導 入 され、1990年 に上 海 証券 取 引所、1991年 に深 シ ン証券 取 引所 が相次いで設立 され、 これ を機 に、株式市場 は成 長期 を迎 えるこ とに なった。詳 しくは、

唐燕霞 [2004]138頁 を参照の こと。

9 金 山権 [2007]170‑171頁.

10李維安 [1998]176頁.

11 呉涌儀 [2006]111頁.

12詳 しくは、上海証券取 引所 [2003]、[2004]、

[2005]、[2006]、[2007a]、[2007b] を 参 照の こと。

13 中国政府 は、2005年4月末 に、 中国証券監督 管理委員会 を中心 に、 よ うや く非流通株の解 消改革 に乗 り出 した。解消 改革の実施 され る 当時 は、解消手続 き中の企業 が900社 を超 え ていたのである。一方 、 まだ多 くの企業では 対処 が遅れていて、健全かつ理想 的な株式競 争市場 を形成 す るには、長 い時間がかか ると され る。詳 しくは、 日本経済新聞2006年5月 22日付 を参照の こと。

(13)

中国企業における監督 ・教育の基盤 15

14平 田光弘 [2003]161見

15

r

中華人民共和 国会 社法j 第47条.

16 証券 監 督管理委 員会 [2001] 第1条3項 ,第5 粂4項.

17 F中華人民共和 国会社法j第54条.

18 F中華人民共和 国会 社法j第118条.

19上海 証券 取 引所 が2007年 に上場会社135社 を 対象 に行 った コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス実態 調査 に よれ ば、監査役会 において従業員代 表 比 率 が1/3未 満 の会 社 は59.2%で あ る と され る。 この ことは、 多 くの上場会社 において会 社 法 が遵 守 され て いない こ とが解 明 され る。

詳 しくは、上海 証券 取 引所 研究 中心 [2007] 57‑58頁 を参照 の こと。

20 中国 にお け る上場会 社の執行役 は、会社 法上、

高級管理人貝 と称 されてお り、 その代表 を総 経理 (本稿 では、 「執行役 会会長」とす る) と 呼 んでい る。 そ して、総経理 をは じめ とす る 高級 管 理 人 員 を経理 陣 (本 稿 で は、 「執 行役 会

」 )

と呼んでい る。

21 T中華人民共和 国会社法』 第50条 .

22取締 役秘 書 は、株主 総会 と取締役会 会議 にお いて、会議 準備や文書保管 、株主 資料の管理 や情 報 開示事務 の担 当な どの仕事 をす る重要 な職務 の1つで ある。詳 しくは、 「中華人民共 和国会社 法』 第124条 を参 照の こと0 23

r

中国共産党規 則』 第29条,第32各 24

r

中国共産 党基層組織 選挙条例』 第2象 25 これ が また、 なぜ 中国会 社法 において企業 内

覚委員会 に関す る行動指針 が定 め られて いな い もの の、企業 経営 には関与 して い るの か、

とい った疑 問 が解 け る重 要 な要素 にな ると考 える。つ ま り、企業 内覚委員会 に関す る行動 指 針 は、企業法 制度 で はな く、 それ よ りも強 制性 が高 い と思 われ る共産党 関連規 則 におい て定 め られ ていた こ とで あ る。

26 湖北博盈 投 資株 式会 社 [2007]4頁.

27 湖北博盈 投 資株 式会 社 [2004]

28 平 田光 弘 [2001] は、OECD原則 をデ ジュー レ ・ス タ ンダー ド (公的標準) で ある として

いる。

29 儲誠忠 [2001] に よれ ば、上 場 会 社原 則 は、

会 社法や証券 法 な どの法律 に基 づ き、OECD 原則 を参 照 しなが ら、 中国上場会 社の実態 を 考慮 した うえで、策定 され た と して い る。

31上海証券取 引所研究 中心 [2003]103‑104頁.

32 証券監督管理委員会 [2002]

34 中国 におけ るコ‑ポ レ‑ 卜 ・ガバ ナ ンス原 則 の詳細 は、宣京哲 [2008a]を参 照の こと。

35 中国の上場会 社 にお け る教育基盤 は、経営者 教育原 則 を中心 に展 開 され てい る。詳 しくは、

宣京哲 [2008b] を参照 の こと。

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