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FASB 概念フレームワークに関する公聴会の分析 : FASB 概念フレームワークの討議資料(1974年)を中心にして

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椛 田 龍 三

FASB 概念フレームワークに関する公聴会の分析

―FASB 概念フレームワークの討議資料(1974年)を中心にして―

目次 Ⅰ はじめに Ⅱ FASB 概念フレームワークの討議資料(1974年)に関する 公聴会での意見聴取(1) Ⅱ-1 1974年9月23日午前の部の意見聴取 Ⅱ-2 1974年9月23日午後の部の意見聴取 Ⅲ FASB 概念フレームワークの討議資料(1974年)に関する 公聴会での意見聴取(2) Ⅲ-1 1974年9月24日午前の部の意見聴取 Ⅲ-2 1974年9月24日午後の部の意見聴取 Ⅳ おわりに Ⅰ はじめに すでに別稿1(椛田[2019a])では,意思決定・有 用性概念の起源を,当時,シカゴ大学にいた経済学者 の Clark[1923]の理論―異なった目的のための異 なった原価を主張―に由来することを明らかにした。 その後,シカゴ大学にいた Vatter[1945]が Clark の 見解を継承していき,Vatter を介して,原価計算の領 域において,Horngren[1962]が意思決定・有用性 ―関連原価計算―を継承していった。さらに,Vatter を介して,財務会計の領域において,Staubus[1961] と Sorter[1969]が意思決定・有用性を継承してい き,Sorter の会計思想が,Trueblood 報告書(AICPA

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的,質的特性,および利用者の情報要求を主軸に据え た概念フレームワークの開発へ急旋回していくのであ る。つまり,この段階(1973年10月以降)に至ると, FASB では,もともと作成者指向=「古典的アプロー チ」5)に深く関係すると思われていた会計選択の差異 の縮小問題を破棄し,まさに意思決定・有用性アプ ローチへ大転換し,利用者指向という発想の転換をそ の底流に据え置き,会計目的―特に経済的意思決定= 意思決定・有用性―の模索を第1に重要視する概念フ レームワークの設定活動が胎動してくるのである。そ れでは,以下において,このような Armstrong の発 言を踏まえて,公聴会の内容を詳細に分析してみよ う。

(1番)Exxon Corporation(作成者:A. L. Monroe) は,つぎのように述べている。 「財務報告の受託責任の機能(stewardship func-tion)」に関連した,Trueblood 報告書(1973年)の第 5の会計目的に「同意する。」「財務諸表の基本的な目 的(purpose)は,企業の経営者の受託責任(manage-ment’sstewardship)に関して,主要な利用者(現在 と潜在的な株主)に報告することである。」「会計と報 告に関しての第1の〔会計〕目的(primary purpose and objective)は,経営者が,受託責任の結果(re-sultsofitsstewardship)に関する有意義で有用な〔会 計〕情報を提供することである。」また,「受託責任の 報告に際して,経営者により提供された実際の〔会 計〕情報」は,「主要な利用者」が「彼ら自身の予測 (forecasts)」のために利用することができる,と感じ ている。しかしながら,Trueblood 報告書(1973年) の第3の会計目的に関する「予測プロセスや予想の (predictiveprocessandforecasting)ための〔会計〕 情報」の強調,「将来キャッシュ・フローの強調」お よび「予測を開示する理念(idea of disclosing fore-casts)」に対しては反対する。すなわち,「現在と将 来の株主の個人的な現金の収支」は,「将来の配当」 や将来の株価に依存するが,それらの金額は「正確に 予測することができない」ので,「企業の将来キャッ シュ・フローについての〔会計〕情報を開示する」こ とには「反対する。」Trueblood 報告書(1973年)の 第1の会計目的に関して,「経済的意思決定」目的は, 「受託責任」の観点より「予測プロセス」を含むので 「支持しない。」さらに,Trueblood 報告書(1973年) の第7の会計目的に関して,「現在価値(current val-ue)」は,状況によって,異なった意味,金額,およ び定義となり,「継続企業の現在価値(currentvalue ofagoingconcern)」と,「解散企業の現在価値(cur-rentvalueofacompanyinliquidation)」とは異なる とし,暗に批判している(FASB[1974b]pp.8,9,10, 12,13,14,15,19)。 ここでは,会計の「基本目的」が,Trueblood 報告 書(1973年)の第5の会計目的である「経営者の受託 責任会計(management stewardship accounting)」 (FASB[1974b]p.18)であるとして,強く支持して いる。また,Trueblood 報告書(1973年)の第1の会 計目的である経済的意思決定=意思決定・有用性と, 第3の会計目的であるキャッシュ・フローの予測等, および第7の会計目的である現在価値の情報に関して は反対している。 (2番)DanM.GuyandM.HerschelMann(Texas 工 科大学の教員)は,つぎのように述べている。 Trueblood 報告書(1973年)の第3の会計目的に関 して,「財務諸表の重要な〔会計〕目的」は,関連す る不確実性の金額やタイミングに関連して,「キャッ シュ・フローを予測する際に有用な〔会計〕情報を提 供することである」としているが,この提案には「反 対である。」「財務諸表は,予測プロセス(predictive process)のための十分な〔会計〕情報」をすでに提 供してきたので,「キャッシュ・フローの予測可能性 (cash flow predictability)に関する〔会計〕情報」

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目ごと(item-by-item)」に接近すべきである(FASB [1974b]pp.40,43)。 ここでは,Trueblood 報告書(1973年)の第3の会 計目的と第7の会計目的に反対しているが,現在価値 に関する会計情報は取引で生じた実現利益とは区別し て,報告されなければならないとしている。 (3番)PriceWaterhouse&Co.(監査法人:HenryP. Hill)は,つぎのように述べている。 Trueblood 報告書(1973年)の第1の会計目的に関 連して,会計「情報のための利用者ニーズ」は,あま り「確実」ではない。Trueblood 報告書の第7の会計 目的に関して,「現在価値」は,「市場性のある投資 (marketableinvestments)」に対しては「有用な概念」 かもしれないが,工場等に「現在価値」を適用するこ とはできない。「現在価値」は,「棚卸資産の市場価値 (market value)」を測定するに際して,「継続企業概 念」のもとでの「取替原価(replacementcost)」を適 用するという「会計方式(accountingformula)」と同 じではない。したがって,「現在価値」は,「FASB に より〔今後の〕個別的な研究の題材(subject of a separatestudybyFASB)」にすべきである。 ここでは,会計情報のための利用者ニーズを理解す るのには不確実性がともなうとしており,これは,暗 に Trueblood 報告書(1973年)の第1の会計目的に反 対しているものと思われる6)。また,Trueblood 報告 書 ( 1973年 ) の 第 7 の 会 計 目 的 に も 反 対 し て い る (FASB[1974b]pp.58,65)。 (4番)Trueblood 報告書(1973年)を作成した時の中 心人物7)であった GeorgeH.Sorter(NewYork 大学 の教員)は,つぎのように述べている。 会計における「異なった測定は,異なった正確さの レベル(differentlevelofprecision)」や「異なった原 価(differentcost)」を意味するが,それは,会計に おいてなぜ「測定」をするのかということを知るうえ で重要である。Trueblood 報告書(1973年)は,「財 務諸表の諸目的(objectives)は,経済的意思決定の ための有用な〔会計〕情報(useful information for economicdecisions)を提供することである」と規定 している。「私〔Sorter〕」は,それらを「経済的意思 決定と呼ぼうが,財務的意思決定と呼ぼうが(wheth-eryoucallthemeconomicorfinancialdecisions)」, 問題はないと思っている。「経済的意思決定の本質 (essence)」は,「犠牲と便益の釣合い(trade-offbe-tweensacrificesandbenefits)」であり,そのために は,「金額,タイミング,および関連した不確実性」 に関する「犠牲と便益の変わりやすい目的適合性(rel-evantvariablesofsacrificesandbenefits)を確認する」 ことである。「FASB」は,Trueblood 報告書(1973 年)の諸目的を「採用すべきである。」Trueblood 報 告書(1973年)の第1の会計目的から第6の会計目的ま では,FASB が「即座に採用する」ようにすべきであ る。Trueblood 報告書(1973年)の第7の会計目的か ら第10の会計目的までは,「FASB により追加的な研 究(additionalresearch)や議論をした後に」,個別的 に研究されるべきである(FASB[1974b]pp.80-81, 82,83,95,98)。 ここでの異なった測定は,異なった原価を意味する といった記述は,意思決定・有用性の起源とされてい る Clark[1923]の見解―異なった目的のためには, 異なった原価を適用する―に,影響を受けたものと思 われる8)。また,ここでは,FASB は,Trueblood 報 告書(1973年)の諸目的(第1,第3,第5,および第7 の会計目的)を採用すべきであると記述しているの で,Trueblood 報告書(1973年)の第1の会計目的, 第3の会計目的,および第5の会計目的に同意してい る。しかし,第7の会計目的に関しては,追加的な研 究等をすべきとしている。それゆえ,第7の会計目的 に関しては,同意している側面と,反対している側面 ―より一層の研究をすべきであるという側面―とが併 存していると解釈しておきたい。

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5,および第7の会計目的に同意するとともに,第1の 会計目的と第5の会計目的は,衝突しないとしてい る。これは,Brinkman の仕事が,政府や企業等の評 価問題を取り扱っているからであると推察される。 (8番)AmericanAccountingAssociation:Committee onConceptsandStandardsforExternalFinancialRe-ports(アメリカ会計学会:外部財務報告のための概 念基準委員会:KermitD.Larson)は,つぎのように 述べている。 会計における「概念フレームワークという言葉」そ れ自体は,「非常に多様な見方(wide variety of per-ceptions)」を提起しているが,FASB が,Trueblood 報告書(1973年)における「目的1と3〔第1の会計目 的と第3の会計目的〕を正式に承認すること(formal acceptance)」を歓迎する。「目的5〔第5の会計目的〕 の内容」は,「目的1と3〔第1と第3の会計目的〕の拡 張(amplification)」を促すものでなければ,あまり 意味がない。「われわれ〔AAA〕の結論(Ourconclu-sion)」は,「財務諸表の経済的,政治的,および社会 的な役割(economic,politicalandsocialroleoffinan-cialstatements)」を,「会計政策の決定(accounting policydecisions)」,すなわち会計基準の設定に際して 組み込まれるべきであるというものである(FASB [1974b]pp.178,180,192)。 ここでは,財務諸表の経済的,政治的,および社会 的な役割を重視するという立場から,Trueblood 報告 書(1973年)における第1の会計目的と第3の会計目的 に同意しながらも,第5の会計目的が,第1と第3の会 計目的を拡張するものでなければ,意味がないとして いる。これは,Trueblood 報告書(1973年)の第1と 第3の会計目的と,第5の会計目的が対立する場合は, 第5の会計目的に同意しないということを暗示してい る。それゆえ,ここでは,第5の会計目的に関して, 状況によっては,同意する場合と,反対する場合があ ると理解しておきたい。 (9番)FederalGovernmentAccountantsAssociation: FinancialManagementStandardsBoard(連邦政府会 計士連盟:財務経営基準審議会:Donald L. Scantle-bury)は,つぎのように述べている。 ここでは,「政府の財務諸表の目的は,組織の目標 を達成するために」,いかに効率的な資源管理をして いるか否かを,「評価するための有用な情報を提供す ることである」(FASB[1974b]p.201)と述べている が,Trueblood 報告書(1973年)の第1,第3,第5, および第7の会計目的に関して何も意見を述べていな い。 Ⅲ FASB 概念フレームワークの討議資料(1974 年)に関する公聴会での意見聴取(2) Ⅲー1 1974年9月24日午前の部の意見聴取

(10番)Touche Ross & Co.(監査法人:Robert S. KayandMartinS,Gans)は,つぎのように述べてい る。

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図表 2  公聴会で意見聴取した20団体・個人の分析結果 同 意 反 対 1 3 5 7 1 3 5 7 (1番)ExxonCorporation(作成者:A.L.Monroe) ○ × × × (2番)DanM.GuyandM.HerschelMann(Texas 工科 大学の教員) × ×

(3番)Price Waterhouse & Co.(監査法人:Henry P.

Hill) × × (4番)GeorgeH.Sorter(NewYork 大学の教員) ○ ○ ○ ○ × (5番)FinancialExecutivesInstitute:CommitteeonCor-porateReporting(作成者の団体・財務担当重役協会:会 計報告委員会) ○ × × ×

(6番)Arthur Andersen & Co.(監査法人:George R. CatlettandHerbertMiller) ○ ● ○ (7番)DonaldR.Brinkman(作成者) ○ ○ ○ ○ (8番)AmericanAccountingAssociation:Committeeon ConceptsandStandardsforExternalFinancialReports (アメリカ会計学会:外部財務報告のための概念基準委員 会:KermitD.Larson) ○ ○ ○ × (9番)FederalGovernmentAccountantsAssociation:Fi-nancialManagementStandardsBoard(連邦政府会計士 連盟:財務経営基準審議会:DonaldL.Scantlebury) (10番)Touche Ross & Co.(監査法人:Robert S. Kay

andMartinS.Gans) ○ ○ ○ ○ (11番)ShellOilCompany(作成者:RobertC.Thomp-sonandRobertL.Koons) ○ × (12番)NationalElectricalManufacturersAssociation(作 成者の団体:ThomasB.Fauls) ○ × (13番)DiranBodenhorn(Cleveland 州立大学の教員) ○ × × × (14番)Ernst&Ernst(監査法人:RobertK.Mautz) ○ × (15番)RobertH.Schueler(Nevada-Reno 大学の教員) × × × × (16番)TheFinancialAnalystsFederation・FinancialAc-countingPolicyCommittee(利用者の団体・財務分析連 盟:財務会計政策委員会:FrancesStone) ○ ○ ○ ○ (17番)EdwardStamp(Lancaster 大学(英国)の教員) ○ (18番)Haskinss&Sells(監査法人:HectorAnton) ○ ○ × × (19番)National Association of

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ある会計責任や受託責任の支持(同意)が,圧倒的に 多かった(同意13,反対3)が,これは,すでに別稿2 (椛田[2019b])と別稿3(椛田[2020])で分析した FASB 討議資料(1974年)に対するコメント・レター 分析とほぼ同じ結果―第5の会計目的の支持(同意) が圧倒的に多い―である。この点は,Trueblood 報告 書(1973年)や FASB の概念フレームワーク第1号 (1978年)の基本目的=第1の目的が,経済的意思決定 =意思決定・有用性を据え置いていたのとは対照的で ある。しかし,公聴会で反対が多かった第7の会計目 的に関しては,FASB の概念フレームワーク第1号 (1978年)でも継承されていない。 すでに述べたように,設立してまもない FASB は, 1973年10月に公表された Trueblood 報告書(1973年) に多大な影響を受け,利用者指向を重視した意思決 定・有用性アプローチへ大転換していったので, FASB の概念フレームワーク第1号(1978年)では, Trueblood 報告書(1973年)の第1の会計目的―経済 的意思決定―を,主目的=第1の会計目的として継承 していったものと考えられる。ここでは,FASB の概 念フレームワーク第1号(1978年)は,FASB 討議資 料(1974年)に対する公聴会の支持の多寡―支持が多 かったのは,第5,第3,第1の会計目的の順番―に対 応した継承はされないで,Trueblood 報告書(1973 年)の諸会計目的―第1,第3および第5の会計目的― を,ほぼ同様の順番で継承していった,というあたり を結論としておきたい。したがって,FASB の概念フ レームワーク第1号(1978年)の諸会計目的が形成さ れる要因(原因)は,Trueblood 報告書の諸会計目的 の配列が主な要因(原因)で,FASB 討議資料(1974 年)に対する公聴会での諸会計目的の多寡が,副次的 な要因(原因)であると解釈することができよう。 1)これに関しての詳細は,椛田[2019a]を参照。 2)これに関しての詳細は,椛田[2019b]と椛田[2020]を 参照。 3)AAA[1977]p.5:邦訳[1980]9頁。

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4)これに関して,弾力性が問題となるとき,「統一性は,会計 原則における弾力性を除去するであろう」(DyeandVerrec-chia[1995]p.390n.2)と言われてきた。 5)AAA[1977]p.5:邦訳[1980]9頁。 6)これに関して,PriceWaterhouse&Co. の HenryP.Hill の コメント・レター(1974年)でも,「Trueblood 報告書の会 計『目的1は,FASB によって拒絶されるべきである』」とし ている(椛田[2019b]41頁)。 7)Sorter がTrueblood 報告書を作成した時の中心人物であっ たことに関する詳細は,椛田[2019a]を参照。 8)意思決定・有用性の起源である Clark[1923]の内容につ いての詳細は,椛田[2019a]を参照。 9)この会社(作成者)は,FASB 討議資料(1974年)に対す るコメント・レター(1974年)も送付しているが,そこでの 内容は,「第5の会計目的を除くほとんどの会計目的に反対し ている。」(椛田[2020]26頁)それ故,コメント・レター (1974年)の内容を踏まえて,Trueblood 報告書(1973年) の第1,第3,および第7の会計目的に反対しているとした。 10)この会社(監査法人)は,FASB 討議資料(1974年)に対 するコメント・レター(1974年)で,Tr ueblood 報告書 (1973年)の第7の会計目的に同意して,経済的資源に関する 現在価値の情報は,投資家に市場価格に関するより意味のあ る比較を可能にすると記述している(椛田[2020]20頁)。 11)この会社(作成者)は,FASB 討議資料(1974年)に対す るコメント・レター(1974年)で,Trueblood 報告書(1973 年)の第1の会計目的に対して反対している(椛田[2019b] 46頁)。 12)Trueblood 報告書(1973年)の会計責任概念は,受託責任 概念を包含していた。詳しくは椛田[2019a]を参照。 13)この大学の教員は,FASB 討議資料(1974年)に対するコ メント・レター(1974年)で,Trueblood 報告書(1973年) の第1,第3,および第7の会計目的に対して反対している (椛田[2019b]45頁)。 14)ここで,FASB 討議資料(1974年)の「一般的な論点」の B は,「FASB は,〔会計目的等〕の採用を決定する前に, 〔会計〕目的や質的特性を研究すべきか?」であり,論点 D は,「FASB が考えるべき財務諸表の目的に関するスタ ディ・グループの報告書において,設定された〔会計〕目的 や質的特性以外のそれらは,存在するか?」である(椛田 [2019b]32頁)。 15)この利用者の団体は,FASB 討議資料(1974年)に対する コメント・レター(1974年)で,Trueblood 報告書(1973 年)の第1,第3,第5,および第7の会計目的に対して同意し ていることを暗示している(椛田[2019b]30頁)。 16)Weston は,ArthurYoungandCompany の社員であるが, 公聴会での意見は,会社には関係のない個人の意見であると している(FASB[1974b]p.421)。 参考文献

AAA[1977]Statement on Accounting Theory and Theory Acceptance,AAA(染谷恭次郎訳[1980]『会計理論及び理論 承認』国元書房).

AICPA[1973]Objectives of Financial Statements,AICPA(川口 順一訳[1976]『務諸表の目的』同文舘).

Clark,J.Maurice[1923]Studies in the Economics of Overhead Costs,TheUniversityofChicagoPress.

Dye,RonaldA.andRobertE.Verrecchia[1995]“Discretion vs. Uniformity: Choices Among GAAP”, The Accounting Review,Vol.70,No.3,pp.389-415.

FASB[1974a]FASB Discussion Memorandum, Conceptual Framework for Accounting and Reporting : Consideration of the Report of the Study Group on the Objectives of Financial Statements, June6.

FASB[1974b] Volume 8, Public Recor d, Discussion Memorandum ―Conceptual Framework for Accounting and Reporting Consideration of the Report of the Study Group on the Objectives of Financial Statements , Par1-Transcript, December31.

FASB[1978]Statement of Financial Accounting Concepts No.1,Objectives of Financial Reporting by Business Enterprises, FASB,November(平松一夫・広瀬義州訳[1990]『FASB 財 務会計の諸概念〈改訳版〉』中央経済社).

Horngren,CharlesT.[1962]Cost Accounting : A manaagerial Emphasis, Prentce-Hall,Inc.

Sorter,GeorgeH.[1963]“ReviewofaTheoryofAccounting toInvestors”,The Accounting Review,Vol.38,No.1,pp.223-224. Sorter, George H.[1969]“An‘Events’ Approach to Basic

Accounting Theory”, The Accounting Review , Vol.44, No.1, pp.12-19.

Sorter,GeorgeH.andMarlinS.Gans[1974]“Opportunities andImplicationsoftheReportonObjectivesofFinancial Statements”, Journal of Accounting Research, Supplement, pp.1-12.

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Vatter,WilliamJ.[1945]“LimitationsofOverheadAllocation”, The Accounting Review,April,pp.163-176.

図表 2  公聴会で意見聴取した20団体・個人の分析結果
図表 3  Trueblood 報告書(1973年),FASB 討議資料(1974年)に対する公聴会,および FASB の概念フ レームワーク第 1 号(1978年)の関係性 Trueblood 報告書(1973年)におけ る会計目的の内容 FASB 討議資料(1974年)に対する 公聴会の内容(同意が多かった順番) FASB の概念フレームワーク第1号(1978年)の内容 (出所)AICPA[1973],FASB[1974b]および FASB[1978]の内容に基づき筆者が作成。    尚,   は,関係

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