富 山大 学教 育 学部 紀要No.5 6:7 9
‑
8 7 (平 成1 4年)低 酸 素 室 を 用 い た L i v i n g H i g h
‑T r a i n i n g L o w
ト レ
ーニ ン グ の 試 み
一
呼 吸 循環機能 と 1 5 00
mや 5 0 0 0
mの ラ
ン ニ ング記 録 に 及 ぼ す 影響
‑山地 啓 司
,橋 場 理 恵
※,橋 爪 和 夫
(2 0 0 1年8月2 8 日受理)
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Y AM A J I
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H I B A ,K
a z u oH A S H I Z U M E
キー ワ ー ド: L H‑T L トレー ニ ング, 最 高 有 酸 素 的ラン ニ ング速 度, 乳 酸 性 作 業 閲 値に おける ラン ニ ング 速 度, 1 5 0 0m レコ ー ド, 5 0 0 0m レコ ー ド
Key w o rds: L iving H i
g h ‑
Tr aining Lo w,vV o2m a X,VL T,1 5 0 0m r e c o rds,5 0 0 0m r e c o rdsⅠ.
緒 論
高 所トレ‑ ニ ング が高 所で の作 業 成 績 (pe rfo r m ‑
J
a n C e) を 高め ること は確 実で あ るo し か し, 高 所トレ ー ニ ングが低 所に おける作 業 成 績を高め る か 否か につ いて は今な お統 一 さ れ た見 解が得ら れ て いない(Ja cks o n と S ha rkey,1 9 8 8) 。 その 一 つ の原 因は高 所で は低 所で の競
技
に必 要な強 度のトレ ーニ ング が低
額
素の影 響を受けて不 足 気 味に な ら ざ るを 得ないた めであ る (Saltin,1 9 6 7;Stin eら,1 9 9 2; W olsk i ら,19 9 6)。 こ の短 所を補う 一 つ の方 法と し て Da niels と 0 1drid ge (1 9 7 0) は, ア メ リ カの エ リ ー ト中 距 離ランナ ー 6 人を対象
に標 高2 3 0 0m の高 所に 7 日 か 1 4 日滞 在し, その後 低 所 (s e ale v el) に 5 日 か 1 1 日滞 在 することを 交 互に 4 回 線り返 す 断 続 的 高 所 トレ ‑ ニ ン グ を 試み た. その結 果,
Vo2m a Xが 5.0%
高
まり, 3マイル走 行 中の% Vo2m a Xが 9 1.7% か ら 9 7.5 % に高ま る。 さ ら に, 3 マイ ル
走の記 録が改 善 する だけで なく, 6 人の被 験 者で 計1 4の自 己 記 録を更 新し たことを 報 告し た。 し か し, 高 所 トレ ー ニ ン グの主 流は今な お高 所に長 期 滞 在 する Living H i
g h
‑Trianing H ig h
(L H‑T H)が維 持されている。
19 9 0年 代に入っ て, Le vin eと Str ay
‑
G u nde r s e n (1 9 9 2) は従 来の 高 所に滞 在 し 高 所で ト レ ー ニ ング する, すな わ ち L H ‑T H の最 大の欠 点である高 所 での速い速 度での トレ ー ニ ン グの不 足を補う方 法 と して, 2 5 0 0m の高 所で生 活し, 1 25 0m の低 所に 下 山してト レ ー ニ ング を実 施 する"Living H i
g h
‑Tr aining Lo w
' ' (L H‑T L) 方 式の優 位 性 を 実 証し たo すな わ ち, 高 所 馴 化に よ る赤 血 球 数や総 H b 量の増 加と低 所の イ ンタ ー バ ル ・ トレ ‑ ニ ン グ に よ る ラ ン ニ ング速 度と 02 flu x の維 持に よっ て,
1 5 0 0m と 50 0 0m の ラ ンニ ン グ記 録が高 まること を 報 告し た。
し か し, こ の方 法 を 実 施 する た めには適 切な高
※ 入善 小学 校 非 常 勤 講 師
‑
7 9‑
め ら れ る。 そこ で, わ が国の前 嶋 (1 9 9 6) とフ ィ ン ラ ンドのRu sko ら (1 9 9 5) は可 動 性の低 酸 素 室 を 作 成し, こ の低 酸 素 室 を 用いることによ っ て平 地で の L H ‑T L トレ ー ニ ング を 可 能に し た。 ま た,
1 9 9 9年に は文 部 省 登 山 研 修 所や鹿 屋 体 育 大 学に低 酸 素 室が建 設さ れ, わが国の ス ポ ー ツ界 もいよい よ低 酸 素 トレー ニ ング時 代に入っ た。 し か し, 低 酸 素 室を利 用し た トレ ー ニ ング に関 する研 究は そ の緒に つ いた ば か りであ る。
そこ で本 研 究は, 低 酸 素 室を利 用し て通 常の ト レ ー ニ ン グの中に短 期のIJH‑T L トレ ー ニ ング を 断 続 的に行うこと が, 1 5 0 0m や 5 0 0 0 m のラ ン ニ ン グ記 録の改 善に有 効で あ る か否か, ま た一 仮に有 効とする と呼 吸 循 環 機 能の改 善か らみて その要 因 が何である かを 追 求 する糸口 を見っ けることを 目 的と し た。
Ⅱ.
研 究 方 法
本 研 究は, 通 常の トレー ニ ン グの中に標 高2 5 0 0
1 5,4% ) で 1 日1 6時 間 以 上 生 活し, シ ー レ ベ ルに 近い低 所 ( 標 高1 0 0 ‑ 5 0 0m) で トレ ー ニ ングする L H
‑
T L トレ ー ニ ング を 断 続 的に加え たo 第 一 次L H‑T L トレ ー ニ ング は 7 泊8 日, その後1 3泊14 日 の低 所で の通 常のトレ ー ニ ング, 続いて 5 泊6 日 の 第二次L H ‑T L トレ ー ニ ング, さ ら に, 2 2泊2 3 日の低 所での通 常の トレ ー ニ ングを 行っ た後, 1 週 間ご と に 2 泊3 日の L H
‑
T L トレ ー ニ ン グ を 3 回 行う第三次L H ‑T L トレー ニ ン グ を行っ た ( 図1).1 . 被 験 者
被 験 者は大 学 陸 上 競 技 部の 中・ 長 距 離 ランナ ー 男 子6人で, その ト レ ー ニ ン グ歴は 3 ‑ 6 年であ っ
た. た だ し, 大 学に入 学 後は過2 回の合 同トレ ー
ニ ング と過5 回の自 主トレ ー ニ ン グ を行っている
が, 1週 間の走 行 距 離は約5 0 ‑1 4 0 k m と個 人によっ て大 きな差が あっ た。 な お, 年 齢や身 体 的 特 性は 表1 に示し た。 被 験 者は, 全 員 雨 天 時あ るいは 冬 期 間に トレッ ドミ ルを用い てトレ ー ニ ングを 実 施して いる関 係か ら, トレッ ド ミル走に は十 分 慣
第
1次 トレー ニン 第2次 トレ ー ニング
8 / 1 6 8 / 2 3 9 / 6 9 / 1 1 1 0 / 4
第3次 トレ ー ニング 1 1 / 1
8/2 8 9/4
十 十 十
T2 T3 T4
1 0/9 1 0/2 0 1 0/ 2 3.2 4
十
T 5
*
+
Iま1 5 0 0m と5 0 0 0m の妃 録 会日,十
は1 5 0 0mの把 録会日,◆
は5 0 0 0m の配 線 全日図1 . ト レ ‑ ニングお よぴ1 5 0 0m や 5 0 0 0m の レ ー ス日程
表1 . 第1次‑ 第3次L HIT L ト レ ー ニングにお け る被 験 者6 人の身 休 的 特 性と そ の変 動
T l と T 2 と の間 ●Pく0.0 5
'+'P<0.0 0
低酸 素 室を用いた L iving H igh‑Tr aining Low ト レ ー ニ ングの試み
表2 ‑ 1 第1次 低 車 乗ト レ ー ニ ングの内 容
トレーニング トレーニング
1 7日( 火) 1 8日( 求) 1 9E)( * ) 2 0日( 金) 2 1日( 土) 2 2日( 日) 2 3日( 月)
4 0分 ジョギング 4 0分 ジョギング
4 0分 ジョギング 8 0分 ジョギ ング 3 0分 ジョギング
3 0分 ジョギング 3 0分 ジョギング
2 2 km持久走
ファートレ ツク走(7 0分) 1 6 km 持久 走(称名 の沌ませ
1 5 0 0mタイムトライアル + 2 0分 ジョギング フ ァートレツク走(7 0分) 2 2 km 持久 走 テスト
表2 ‑ 2 第2次 低 敢
素
ト レー ニ ングの内容
トレーニン グ トレー ニン
7日( 火) 8日( 水) 9E) ( * ) 1 0日( 金) 1 1日( 土)
テスト 4 0分 ジョギ ング 3 0分 ジョギング
3 0分 ジョギング
3 0分 ジョギング
3 0分 ジョギング
2 2 km持久走
1 0 0 0m X 7本 インター′くル 2 2 km持 久 走
1 5 0 0mタイムトライアル+ 2 0分 ジョギング テスト
表2 ‑ 3 第3 次 低 鞍
素
ト レー ニ ングの内 容朝トレーニング 大トレーニング
1 0月 9日( 金) 6 0分 挿 枕 元 1 0日( 土) 4 0分 ジョギング フ ァートレ ツク走(○o分) 1 1日( 8 ) 6 0分 ジョギング
1 0月1 6日( 金) 8 0分 持 競 走 1 7日( 土) 4 0分 ジョギング ファ‑トレ ツク走(6 0分) 1 8日( 日) 8 0分 ジョギ ング
1 0月3 0日( 金) 6 0分 拝 領 走 3
̲
]日( 土) ヰ0分 ジョギング 2 0 km持株走1 1月 1日( 日) 6 0分 ジョギング
れて いた。 被 験 者には あ ら か じ め トレー ニ ングの
目 的, 目 標, 具 体 的 内 容t 効 果 等を十 分 説 明し,
被 験 者と し ての承 諾を得た。
2 . 走ト レ ー ニ ング 内 容
L H‑T L トレー ニ ング中の走トレ ー ニ ン グ はシ ー レベル ( 標 高1 0 0‑ 5 0 0m) の道 路 上 を持 続 走やファ ー
ト レッ ク走を, 1 日平 均 約2 0 ‑ 3 0 k m 行 っ た ( 義 2)。 低 所で の トレ ー ニ ング は遡2回の合 同トレ ー
ニ ング ( ビ ル ドア ッ プ走や イ ンタ ー バ ル走), 残
り 5 日間は自 主トレー ニ ン グ ( 主に持 続 走) を 行っ た。 その走 行 距 離は普 段と同じ で あ っ た。
3. 実 験 方 法 (1) 血 液 検 査
第 一 次L H
‑
T L トレ ー ニ ン グ前 後 (Tlと T2) お よび第二次L H‑T L トレ ‑ ニ ング前 後 (T3と T4) の ト レッ ドミ ルテス ト前に採 血を行い, 血 液 検 査 を行っ た. 血 液 検 査 項 目の変 動は表3 に示し た.
(2) ト レッ ド ミ ル テ ス ト
第 一 次L H
‑
T L トレ ー ニ ン グ前 後 (Tlと T2), 罪二次L H‑T L トレ ー ニ ング前 後 (T3と T.) お よ び第 三次L H ‑T L トレ ー ニ ング後 (T5) の計5 回, 最 大お よ び最 大 下のトレッ ドミ ル走テストを 行っ た。
被 験 者は テスト前に身 長, 体 重, 労 研 式 皮 脂 厚 計 で皮 下 脂 肪 厚 ( 上 腕 背 部+ 肩 甲 骨 下 部) を測 定し た。 続い て被 験 者は具 体 的な実 験 内 容お よ び諸 注 意を受 け, その後テス ト順 番に合わ せて各 自が自 由に ウォ ー ミ ン グ ・ アッ プ (W ‑U P) を行っ た.
W ‑U P終 了 後, Mo rga n ら (1 9 8 9) や山 地 (1 9 9 8)
の負 荷 方 法に な らって, 毎 分2 3 0rr
.
, 2 4 8m , 2 6 8m ,2 9 3m , 3 3 3m のそ れ ぞ れの ラ ン ニ ング速 度で各3 分 間の ラ ンニ ング を1 分 間の休 息 期を は さ み な が ら行 う、 断 続 的 漸 増 負 荷 法でトレッ ド ミル走テス ト を行っ た ( 図2)。 な お, トレッ ド ミル走テス ト は西 川 鉄工製トレッ ド ミルを用い, 傾 斜 角 度を 0 度に固 定し て行 った. 走 行 中は被 験 者の腰 部と胸 部に安 全 ベ ルト を装 着し, さ ら に トレッ ド ミル の
両サ イ ド に補 助 者 をつ け る等, 安 全 性に は十 分 配 慮し た。
テス ト前に胸 部に心 拍 数 測 定の た めの電 極 をは り, 顔に は酸 素 摂 取 量 を 測 定 する た め にフ ェイス マ スクを 装 着し た。 各 速 度で の 3分 間の トレッ ド ミル走テス ト中, 日本 電 気三栄 製 自 動 代 謝 分 析 器 (Pr o c e s s o rUnit1 3 2 8 と Expir ed Ga s M o nito rl H 21 B) を用い て, 連 続 的に肺 換 気 量 ( VE) と酸 素 摂 取 量 ( Vo2) を 測 定し た。 これ に同 期し て胸 部 誘 導 か ら 日本 電 気三栄 製テ レ メ ー タ ー (N E C B io vie w
1 0 0 0) を用いて, 連 続 的にJL、拍 数 (I
I
R) を 測 定し た。 そ して, 各ラン ニ ング速 度の2 分 目か ら 3 分 目の1 分 間の
V
E, V o2, H R を その ラ ン ニ ン グ 速 度に おける測 定 値と し た。 そ し て, 走 行 中 疲 労 困 億 (e xha u stio n) に達し た時, あるいは, 次の段 階へ の トレッ ドミ ル走 を 拒 否 し た時に は その被 験 者の最 大 作 業と み な し, その時のVo2を最 大 酸 素‑
8 1 ‑分 間の心 拍 数 を最 高 心 拍 数 (H R m a x) と み な し た。
各ラン ニ ング速 度で 3分 間のラ ン ニ ング終 了 後,
た だ ち に, 被 験 者の左 手の薬 指の指
尖
か ら採 血し,京 都 第 一 科 学 社 製ラ ク
'
テ ー ト ・ プロ (La ctatePr o) を用いて血 中 乳 酸 濃 度 (L A) を測 定し た。 e xha u s‑tio n に達し た後の採 血は運 動 終 了 直 後と4 0
‑
6 0秒後の二回 行い, 高い値の方 をe xba u stio n 時の乳 酸
値 (L Am a x) と,した。 な お, 2 3 0m ・ min 1
, 2 4 8
m ・ min
‑
1, 2 6 8m ・ min1
1, 2 9 3m ・ min ‑の 4 ランニ ング速 度とVo2 お よび4 ラ ン ニ ン グ速 度と H R のそ れ ぞ れ 一 次 方 程 式か らVo2 m a 又と E Rm a x 時
のランニ ング速 度, すなわち, vVo2m a X とvH R m a x
を算 出し た (M o rga n ら,1 9 8 9)。 ま た, さ ら に測 定された各 個 人のテンニ ング速 度と乳 酸との曲 線 か ら作 図 法で 4 m m ol/1 を乳 酸 性 作 業 闘 値 (L T) と し, その時の ラン ニ ング速 度 (VL T) を求め た。
(3) 1 50 0 m と5 0 0 0m の ラ ンニ ング音己録
実 験 開 始 前の 一 年 間の各 自 己 最 高 記 録 をトレ ー
表3 . 第1 次‑第2 次L H IT L ト レー ニングにみら れる 被墳者6人の血 液検査項 目の変 動 (X ±S. D.)
書1次 トレ肋 書1次トレ故 井2次トレ廿 yF2次トレ故 (T 1) (T 2) (T 3) (T 4) 血,1 鉄 udd(
1 0 ヰ± 2 0 1 3 0 士 2 0 9 7 ± 2 2 1 1 3 ± 2 丁 白血球 政 × 1 03/mI Ti
5.0 ± 0.8 5.9 士 0.9 5.2 ± 1.0 5.4 ± 0.6 赤血球 政×10./mn
'
4.¢2 ± 0.1 8 4.6 4:土02 8. 4.5 6 士 0.2 74.5 5 ± 0.2 6 ヘモグロビン d J1
1 4.5 ± 0.6 1 4,4 ± 0.7 1 4.2 j=0.8 1 4.1 士 0.7 ヘ マケノット9 も
43.0 土 1.5 4 3.5 ± 2.ら 4 2.8 士 2.5 4 2.6:±2.4 辞状赤血 球 ‰
7 ± 2 1 1 士 3+ ー0 ± 1 1 1 ± 3
血小板赦 x1 03
1 B 1 ± 3 8 1 9 2 ± 3 5 1 7 6 ± 3 6 1 8 3 士 4 4 エリスE )ポエテ ン MⅠU/m l
1 7.2 ± 3.2 1 7.4 ± 4,1 1 5,8 土4.1 1 7.2 ± 3.6
T l とT 2 と の闇 ‑Pく0.01
本 実 験 期 間 中のク ラ ブの記 録 会 又は競 技 会での記 録 を 本 研 究の1 5 0 0m と5 0 0 0m のランニ ング記 録と み な し た。
4 . 統 計 処理
統 計 処 理は S P S S Ba s eSyste m 1 0.O J を 用いたo
測 定 項 目 間の相 関は Pe a r s o n の相 関 係 数を用い, 有 意 水 準は p<0.0 5 と し た。
Ⅲ.
結 果
1 .
体
重と除 脂 肪 体 重体 重と除 脂 肪 体 重は Tlと T2との間に そ れ ぞ れ 5
% 水 準 と0.1% 水 準で有 意な減 少が認め ら れ た。
し か し, % Fat の間に は有 意な変 化が認め ら れ な か っ た。 ま た, T.と T5との間には体 重で平 均0.4 k g の減 少が, 除 脂 肪 体 重で は0.1 k g の増 加が あっ た が, 有 意な差は認め ら れ な か っ た ( 衰1 参 照)o
2 . 血 液 検 査
Tlと T2お よ び T.と T4の網 状 ( 幼 若) 赤 血 球 ( % ) に 1 % 水 準で有 意な改 善が認め ら れ る以 外, 若 干
の増 減が認め ら れ るもの の有 意な改 善が認め ら れ るまで に至ら な かっ た ( 表3 参 照)0
3 . ト レッ ド ミ ル走テスト V o2m a X (1・min
Ⅰ
;ml・k g 1・ min
【
1) に は Tlか ら T5の どの間にも 若 干の変 動が あ るもの の有 意な差 認め ら れ な か っ た ( 表4)。 また, vVo2 m a X は Tl1分 1分 1分 1分 1分 1分
3分 3分 3分 3分 3分 3分
園2 . ト レッ ド ミ ル テ ス ト のプロ トコ ー ル
低酸 素室を用いた L iving H igh ‑Tr aining Lo w ト レ ー ニ ングの試み
と T5の間に 4.0% の増 加 傾 向 を 示 す もの の, 有 意な 変 動は認め ら れ な か っ た。 H R m a x は T.と T2,
Tlと T4との間に有 意な (p < 0.0 1) 低 下が認め ら れ た. し か し, vH R m a x に有 意な変 動を認め る まで に至ら な か っ た。 vL T と L A で は Tlか ら T5までに 3.6 % と 1 3,9 % の増 加 傾 向 を 示 す もの の有 意な改 善 は認め ら れ な かっ た。 こ のよ うに, vVo 皿 a X, VL T,
お よ び L A で は若 干の 増 加 傾 向を示 す もの の, 育 意な変 化 を 認め る まで に至ら な か っ た ( 図3)0
4. R P E
R P E に は有 意な (p >0.1) 改 善が認め ら れ な か っ た.
5. 1 5 0 0m と 5 0 0 0m の ランニ ング 記 録
L H‑T L トレ ー ニ ング前 一 年 間の各 個 人の1 5 0 0m の ベ ス ト記 録の平 均タ イム は 4 分3 6秒で あっ たも
の が, T5まで に 4分2 6秒 すな わ ち 1 0秒 (3.6 % ) 短 縮し た ( 衰5)。 同じ よ う に 5 0 0 0m では Tlか ら T5
ま でに平 均4 1秒 (3.9% ) 短 桁し た。
Ⅳ.
考 察
体 重と除 脂 肪 体 重に は第 一 次L H
I
T L トレ ー ニ ン表4. 第1次‑ 第3次L H‑T L ト レ ‑ ニングにみ ら れ る被 戟 者6人の呼吸循 環 機 能, R P E の変 動 (x ±S. D.)
第1次トレ前 第1次トレ鼓 第2次トレ解 第2次トレ後 第3次トレ後
(T l) (T 2) (T 3) (T4 ) (T 5)
ウo 2m a x(L.mini
3.7 5±0.34 3.81 ±0.42 3.8:±0.29 # 3.7 4 ± 0.3 寸o 2rr'a x(r n卜kg
ー
ー.n.inn6 3.4=土 5.2 65.1 士 5.0 6 4.0±5.ー # 6 3.8± 5.0
∨寸o 2r TI a X(m.r nin1
)
32 4 ±2 5 3 2 0±17 33 6:± 21 # 3 37± 3 9 H Rm a x(be a t s.r nin
ー1
)
ー94 士5 18 6:±7* * ー87 ± 9 1 8 6:± 9* * 193 ± 7 VH Rn ーa X(m .minl
)
3 1 9 士1 5 3 1 1±1 7 3 1 0 ±ー8 3 1 4± ー
.
7 3 2 5:± 7VL T(m .min
‑
1)2 7 7±33 2 8 8±2 8 2 87 ±3 1 2 84:± 2 7 287 ±27 L A(r nM.L
‑
1)1 ー.5士2.0 ー0.2土1.2 ー18. ±2.3 1 2.O土 2.8 13.1士2.3 R P E
18.8±0.7 ー8,0±1.0 1 7.6 ±1.4 1 9.0±0.9 ー8.8 ±0.4
・ #明ら か に、 呼 気ガス漏れ が生 じた部 分
・ T l と T 2 及 び T 3とT 4との間 書*P<0.0 1
n=被 験 者の人 数
‑10 ‑5 0 5 10 15
変 化 率 ( % △) 図3 . L HIT L ト レ ー ニング (T l‑T 5) に よる 生玉里学 的 項 目と競 技 記 録の変 化 率 ( % △),
書P< 0.0 5
‑
8 3‑
\ l …l :
9L*u前l
8,2 8A
,,.A
. .,2 .I
. o,2 3̲2 .1 5 0 0 m
言± S. D. 4'3 6 ± 1 9 4'4 3 ±1 5 4'5 0:±2 2 4'2 8 ± 1 5 4'2 6 ± 1 1
5 0 0 0m 8/2 5 1 0/9
言± S . D. 1 7'2 9 ±1 '0 1 8'2 1 ±1'0 1 7'5 4 ± 2 4 1 6'4 7 ± 1'4 1 6'4 8 ± 4 4 *
'P<0.0 5, ただ し, L H‑T L ト レー ニング前1年 間のペ スト記 録 との間
グの前 後 (Tlと T2) に有 意な減 少が認め ら れ た が,
本 実 験の最 初と最 後 (Tlと T5) には有 意な改 善が 認め ら れ な か った。 これまで多 くの研 究 者 ( 朝 比 奈ら, 1 9 6 3 ; K la u s e n ら, 1 9 9 1 ; 山 地ら, 1 9 9 9) に よ っ て, 高 所トレ ー ニ ングに よ る体 重の減 少 傾 向 が報 告さ れて い る。 高 所トレ ー ニ ングにお け る体 重の減 少は, 高 所に お け る安 静お よ び作 業 時の脂 肪 代 謝 量の増 加に伴うエ ネル ギ ー 消 費 量の増 加に よ るものと推 測さ れ る。 こ の点につ い て高 桜 (1 99 8) はt 高 所に お け る動 脈 血 酸 素 飽 和 度の低 下に より 呼 吸 数や心 拍 数の増 加あ るい は カ テコ ー ル ア ミ ン やホ ル モ ン感 受 性リパ ー ゼ (H S L) 活 性の元 進が 生じ, その結 果 末 梢 組 織に おける脂 肪の異 化
作
用の促 進や, 安 静エ ネル ギ ー 消 費 量の増 大 を 招 き一
体 垂や体 脂 肪 量の滅 少が生じ たもの と み な して い る。 し か し, 本 研 究の体 重の減
少
は主に除 脂 肪 体重
の減 少に よ るもので あっ た。 本 研 究では栄 養 士 に よ って栄 養の質と量が考 慮さ れ」 1 日の エ ネル ギ ー 摂 取 量が 4 0 0 0 kc al 以 上 常に確 保さ れて い た。少なくとも 被 験 者の日頃の自 炊や外 食が中 心の食 生 活より も 充 実し ていた といえ る。 さ らに, 本 被 験 者 全 員は本 実 験の数カ月 前に 一 週 間の L H
‑
T Lト レ ー ニ ング を経 験して い たこと か ら, 食 欲の減 退を訴え た者はい な か っ たo さ らに, トレー ニ ン グ後と就 寝 前 等に十 分 水 分を取る ように指 示して い たにもか か わ らず 除 脂 肪 体 重が減 少し た。 し か し, 本 実 験 全 体 (Tlと T5との間) には体 重 及び除 脂 肪 体 重との間に有 意な差が認め ら れ な か った。
し た が って, 普 段のトレ ー ニ ングの中に断 続 的に L H
‑
T L トレ ー ニ ン グ を加え る場 合に は体 重や除 脂 肪 体 重に 一 時 的に若 干の増 減が あ る に し ても, 体 重や除 脂 肪 体 重の減 少 傾 向が永 続 的に保た れ る と は言ない, といえ る。これ ま で に高 所 トレ ー ニ ングによっ てH b 濃 度 や Hct値に増 加を認め た報 告は, 少なくとも 高 所 滞 在 期 間が 3 週 間 以 上の場 合である。 た と え ば,
Ingje r と M yhr e (1 9 9 2) はエ リ ー ト・ クロ スカン ト リ ー スキ ー 選 手を対 象に し た 3 週 間の高 所トレ ー
ニ ング (1 9 0 0 m) に よっ て E b 濃 度と Hct値の増 加を, ま た C hapm a n ら(1 9 9 8) は 4週 間のL H
I
T L の 高 所トレ ー ニ ングによっ て, エ リスロ ポエ チンと 総 赤 血 球 数の増 加を, そ れ ぞ れ認めて い る。 本 研 究では第一 次L H ‑T L トレ ー ニ ング前 後 (Tlと T2)の網 状 ( 幼 若) 赤 血 球に有 意な増 加 を 認め た。 本 研 究の よ う に 1 週 間 余り の短い L H
‑
T L トレ ー ニングの断 続 的 低 酸 素 暴 露では幼 若な赤 血 球は増 加 し たもの の, 赤 血 球 数や H b 濃 度 を 改 善 する まで に至 ら な か っ た とい え る。 C hapm a n ら (1 9 9 8) は L H
‑
T L の トレ ー ニ ン グを 行い, 5 0 0 0m 走の記 録に改 善が認め ら れ た者 (r e spo nde r) と認め ら れ な か った者 (n o r e spo nde r) に区 別し た ところ,前 者のみV o2m a X が約6.5% 高まり, こ の両 者の差 が エ リス ロ ポエ チ ンと総 赤 血 球 数の増 加によ るも
のと み な して いる。 その 一 方で, 高 所トレ ー ニ ン
グに み ら れ る H b 濃 度 や Ⅲct 値の増 加 は脱 水 (dehydr atio n) に原 因 する とも 考え ら れ る (A lle n
ら,1 9 8 8;Fris a n cho,19 7 9)。 水 分 摂 取 不 足が血 液 粘 性 を 高め, 酸 素 運 搬 への マ イ ナス効 果が指 摘さ れ る (W o od と Ap pe n z elle r,1 9 8 8) こと か ら, 本 研 究
では被 験 者に実 験に先だ っ て トレ ー ニ ング後や就 寝 前に水 分 摂 取 を十 分 行う よ う に指 示し た。 Ingje r と M yhr e (1 9 9 2) は高 所トレ ー ニ ン グ前の H b 濃 度と H ct値が低い者は ど改 善の割 合 ( % ) が大き い ことを 指 摘して い る。 本 研 究の被 験 者の Tlの H b 濃 度 (1 4.5g・dl 1) や Hct値 (4 3.0% )が必 ずし
も 高 くない にもか か わ らず 改 善が認め ら れ な かっ