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地域 環境政 策 の展 開

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〈 研 究 ノー ト〉

地域 環境政 策 の展 開

横浜市におけ る自動車公害問題 の政策科学的研 究

清 水 嘉 治

1・ 問 題 の 所 在 一 い ま環 境 政 策 が 問 わ れ て い る一 一 2,地 域 環 境 政 策 と して の 自動 車 公 害 対 策 の 意 義

(1)「 中 公 審 」 の 環 境 政 策 の基 本 構 想 の 性 格 (2)ク ル マ 社 会 の メ リ ッ トとデ メ リ ッ ト 3.横 浜 市 に お け る 自動 車 交 通 の 現 状 と課 題

(1)自 動 車 保 有 台 数 の 問 題 (2)幹 線 道 路 網 の 現 況

⑧ 道 路 構 造 対 策 の 課 題 (4)道 路 交 通 量 の 問 題 点 (5)大 型 車 混 入 率 の 問 題 点

(6)大 型 車 交 通 量 の 経 年 変 化 の 問 題 4横 浜 市 に お け る大 気 汚 染 の 現 状 と問 題 点

(1)大 気 汚 染 の 現 状 (2)市 域 の主 要 構 造

5.自 動 車 公 害 対 策 の基 本 前 提

(1)横 浜 市 民 の 自動 車 公 害 に対 す る関 心 度

(2)「 中 公 審 」 の大 気 汚 染 と健 康 被 害 調 査 の 問 題 点

⑧ 改 め て環 境 権 を考 え る。

6.横 浜 市 に お け る 自動 車 公 害 対 策 の 政 策 科 学 的 課題 (1)自 動 車 公 害 対 策 の基 本 理 念

(2)現 代 資 本 主 義 と 自動 車 公 害

(3)自 動 車 公 害 の発 生 源 対 策,そ の 他 の 対 策 と 課 題

(4)今 後 の 課題

1.問 題 の 所 在 一 一 い ま 環 境 政 策 が 問 わ れ て い る一

い ま 日本 の環 境 政 策 は 大 き な 曲 り角 に きて い る。

とい うの は,最 近 の環 境 庁 の環 境 行 政 が 各 自治 体 や 地 域 住 民 の 要 求 を 充 分 に 吸 収 しな い で,む しろ 産 業 界 の要 求 を 受 け 入 れ る傾 向 を 示 して い る よ う

に 思 わ れ るか ら で あ る。 そ の典 型 的 な事 例 が 最 近 の 公 害 健 康 被 害 者 補 償 法(公 健法)の 改 正 で は な か ろ うか 。 こ の 主 張 に は,最 近,大 気 中 の硫 黄 酸

化 物(SO・)が 減 少 傾 向 に あ る の で,公 健 法 を 見 直 し,地 域 指 定 を 解 除 す る とい う内 容 の も の で あ る。

これ は,ま さに 環 境 行 政 の後 退 で は な か ろ うか 。 公 健 法 は,昭 和49年 に 発 足 し,こ の13年 間 にわ た り,大 気 汚 染 に よ る被 害 者 の 救 済 を は か る うえ で,か な り重 要 な 役 割 を 果 して き たQと こ ろ が, 中 央 公 害 対s:.'a'会(「 中 公 審 」)は,・:.年10月 30日,現 在 あ る41の 大 気 汚 染 指 定 地 域 を 全 面 的 に 解 除 す る と い う内 容 の答 申 を だ した の で あ る。 こ の 答 申 は,従 来 環 境 庁 大 気 保 全 局 自 身 が 行 った33 万 人 を 対 象 と した 疫 学 調 査 の 結 果,NO2が0.02^‑

0.03ppm(年 平均)以 上 に な る と,慢 性 気 管 支 炎 の主 要 症 状 が 発 生 す る と報 告 して い る 内 容 と矛 盾 す る。 の み な らず,1986年10月3日 の 「中 公 審 」 の 環 境 保 健 部 の 作 業 小 委 員 会 の 報 告 書 に 示 され て い る 次 の 内 容 と も矛 盾 す る。

「気 管 支 ぜ ん 息 の患 者 は,こ の10年 間 全 国的 に 増 加 傾 向 に あ り,そ の 増 加 率 は,昭 和50年 代 後 半 以 降 の被 認 定 者 の うち の 気 管 支 ぜ ん 息 の患 者 の 増 加 率 とは ほ ぼ 同 水 準 とな っ て い る。 全 国 的 に 気 管 支 ぜ ん 息 が 増 加 傾 向 に あ る こ と に つ い て は,国 民 の健 康 意 識 医 療 水 準 の 向 上,ア レル ギ ー素 因 者 の 増 加,都 市 的 生 活 様 式 の 拡 大 に よ る食 生 活,住 環 境 の 変 化,高 齢 化 の 進 展 等 の 原 因 も考 え られ る が,科 学 的 に 充 分 に 解 明 され て い な い 。」 こ の 後 者 の 報 告 は 今 後 の 課 題 で あ る と して も,こ の 内 容 が 地 域 的 指 定 解 除 に な る必 然 性 は な い の で あ る。

周 知 の よ うに,東 京 都,川 崎 市,横 浜 市 な ど大 都 市 を 中心 に大 都 市 地 域 に お い て は 窒 素 酸 化 物,

ア ス ベ ス ト等 の 大 気 汚 染 に 直 面 し,そ の 対 策 に 追 わ れ て い る。 と こ ろ が 「中 公 審i」 答 申(1986年1p

月31日)は,「 大 気 汚 染 と健 康 被 害 との 関 係 の評 価 等 に 関 す る 専 門 委 員 会 報 告 」 の 内 容 に逆 行 し,指

(2)

一52一 地域環境 政策の展 開 定 地 域 の 全 面 解 除 を 提 案 した こ と,な らび に 同報

告 書 が 強 調 した 幹 線 道 路 沿 道 の 汚 染 と児 童,老 齢 者 等 の 弱 者 保 護 の 留 意 事 項 な どを 半 ば 無 視 して し ま っ た こ とを ど う国 民 に 示 す の か 疑 問 は つ き な い 。

敢 え て い う。 こ の点 は,権 威 あ る とお もわ れ る

「中 公 審 」 の 失 策 で は な か った か 。 こ の 点 に 関 し て,同 年11月1日,川 崎 市 で 開 か れ た 第6回 日本 環 境 会 議 は い くつ か の提 案 を した 。 本 稿 に直 接 か か わ る項 目を 示 して お く とつ ぎ の 通 りで あ る。

「1二 酸 化 窒 素 を地 域 指 定 の 指 標 に 追 加 す べ き で あ る。

2幹 線 道 路 沿道 を速 や か に 地 域 指 定 す べ き で あ る。

現 在,都 市 の 自 動 車 公 害 は 危 機 的 状 況 に あ る。

沿 道 の二 酸 化 窒 素 の 環 境 基 準 達 成 率 は,三 大 都 市 で1984年 に は わ ず か26%で あ る。 一 方,自 動 車 走 行量 は 年h増 大 し,特 に 乗 用 車 の10〜20倍 の 窒 素 酸 化 物 を 排 出 す る とい う,大 型 車 は増 加 の 一 途 を た ど って い る。 沿 道 被 害 は,す で に 現 実 の もの と な って い る。 本 年6月 発 表 の東 京 都 調 査 は,こ の

こ とを 裏 づ け て い る。

3現 行 の不 十 分 な 沿 道 の測 定 体 制 を 整 備 し, 幹 線 道 路 沿道 の疫 学 調 査 を 実 施 す べ きで あ る。 自動 車 沿 道 の大 気 汚 染 は,三 大 都 市 に 限 ら ず,全 国 的 規 模 で 進 行 して い る。 『中 公 審 答 申』

は,す で に 現 実 化 して い る沿 道 被 害 に 目を つ ぶ り,

『局 地 的 汚 染 の健 康 影 響 に つ い て 評 価 を 行 な う に は,科 学 的 知 見 が 充 分 で な い』 と結 論 づ け た 。 そ うだ とす れ ぽ,沿 道 に 関 す る科 学 的 知 見 の集 積 の た め の 諸 施 策 は直 ち に 実 行 に 移 され な け れ ば な

らな い。 以 下 略 」

こ の 日本 環 境 会 議 の提 言 は,一 般 国 民 が み て も, きわ め て,環 境 政 策 的 視 点 に 立 った,当 然 の 提 案 だ とお も う。 に もか か わ らず,環 境 庁 は,こ う し た 提 言 を,う け 入 れ て い な い。 こ こに 問 題 が あ る。

東 京 都 公 害 監 視 委 員 会(岡 本 謙 一会長)は,同 年11 月14日,公 害 補 償 制 度 を 大 幅 縮 小 す る 中 央 公 害 対 策 審 査 会 の公 害 健 康 被 害 補 償 法 の 見 直 しの 答 申 を し,「 汚 した者 が 跡 を きれ い に す る とい う社 会 道 理 を 無 視 した も の と」 と強 く批 判 す る報 告 書 を ま とめ,鈴 木 都 知 事 に提 出 した 。 こ の主 な 内 容 を 紹

介 す る。

「窒 素 酸 化 物(NO。)を 中 心 とす る最 近 の大 気 汚 染 と健 康 被 害 に つ い て,東 京 都 は 今 年5月,女 性 の肺 が ん や 学 童 の 肺 機 能 低 下 な ど と関 連 性 が 示 唆 され る とい う調 査 結 果 を 発 表 した 。 と こ ろ が 中 公 審 は,前 述 した よ うに10月31日,今 後 新 しい公 害 病 患 者 を 認 め な い,な どを 主 な 内 容 とす る補 償 法 見 直 し の答 申 を 出 した 。」報 告 書 に流 れ て い る一貫

した 主 張 は,「 い か な る理 由 が あ ろ う と も,汚 し た 者 が 跡 を きれ い にす る とい う極 め て常 識 的 で社 会 生 活 の基 本 とな る道 理 を 無 視 し,『 汚 さ れ 損 』 を 認 容 す る に等 しい 判 断 が な され た こ とは 極 め て 遺 憾 で あ る」 と。 今 回 の 見 直 しで 汚 染 者 負 担 の 原 則 が 崩 れ よ う と して い る こ とを 強 く批 判 して い る。

(「朝 日新 聞」,1986年,11月15日)

東 京 都 で さ え も 国 の 環 境 行 政 は,こ れ で い い の か と問 い か け て い るの で あ る。 東 京 都,川 崎 市, 横 浜 市 は,地 域 住 民 の 要 求 す る環 境 保 全 ・創 造 を

ど の よ うに 守 って い くか を 改 め て 問 わ れ て い る。

こ の 点 で,開 発 志 向 の 国 の行 政 と,住 民 の 環 境 保 全 志 向 の 自 治 体 との 矛 盾 はか な り大 き い とい わ な け れ ば な らな い。 に もか か わ らず,い ま 自治 体 は 一 貫 して 地 域 住 民 の い の ち と く ら しを ど の よ うに 守 って,地 域 社 会 の 魅 力 と活 力 に み ち た 都 市 づ く

りを して い くか を 問 わ れ て い る。 つ ま りい ま差 し 掛 か って い る大 き な 曲 り角 を,市 民 自治 の原 理 に 基 づ い て,環 境 庁 は 軌 道 修 正 す べ きで あ る と考 え る。 こ の視 点 か ら改 め て,横 浜 市 に お け る 自動 車 公 害 対 策 の 問 題 点 を 示 す と同 時 に 政 策 科 学 的 視 点 に 立 って,横 浜 市 に お け る 自動 車 公 害 対 策 の あ り 方 を 吟 味 した い と考 え る。

日本 環 境 会 議 の提 言 に あ った よ うに,地 域 に お け る窒 素 酸 化 物 の状 況 を 正 し く把 握 し,今 後 の 指 定 地 域 の材 料 に す べ き こ とは も ち ろ ん で あ る 。 こ の 点 を,問 題 意 識 の ひ とつ に お き な が ら,他 方, 改 め て,い まや 激 増 しつ つ あ る 自動 車 排 出 ガ ス を

い か に 抑 制 し,市 民 の 生 活 を 守 って い くか を 改 め て 問 い た い の で あ る。

す で に横 浜 市 は,こ の 問 題 に つ い て,市 民 の 立 場 か ら,調 査 研 究 を 精 力 的 に 実 施 し,昭 和60年10 月19日,「 横 浜 市 に お け る 自 動 車 公 害 対 策 の 基 本

(3)

地域環境 政策の展 開 的 あ り方 に つ い て 」(横浜市公 害対策 審議会)の 答 申

を うけ た 。 こ の 答 申 は,市 民 サ イ ドか ら,従 来 の 公 害 対 策 の 延 長 線 上 で,ど の よ うに した ら,自 動 車 の走 行 量 に 伴 う大 気 汚 染,騒 音 等 の 自動 車 公 害 対 策 を 実 施 した ら よ い か を 検 討 した も の で あ る。

報 告 書 は,こ の点 に つ い て こ う指 摘 して い る。

「自動 車 公 害 問 題 に 対 処 す る た め,こ れ ま で, 個hの 自動 車 か ら の排 出 ガ ス や 騒 音 を規 制 す る発 生 源 対 策 を は じめ と して,道 路 構 造 の 改 善 策 の 各 種 対 策 が 講 じ られ て き て お り,発 生 源 対 策 に よ る 一 酸 化 炭 素 な ど の改 善 等 に よ る局 地 的 な 改 善 が み られ た もの の,全 市 的 に は,騒 音 や 二 酸 化 窒 素 等 に つ い て 環 境 基 準 を 超 え る地 点 が 多 くみ られ る。

こ の 自動 車 公 害 問 題 の 発 生 要 因 と して は,自 動 車 交 通 量 の急 増 に よ り,幹 線 道 路 を 中 心 に 自動 車 が 集 中 し,し か も,そ の道 路 沿 道 に住 居 が 密 集 し て い る地 域 が 多 い こ と,自 動 車 公 害 が 物 流 や 土 地 利 用 な ど社 会 経 済 活 動 や 市 民 生 活 の あ り方 と密 接 に 関 係 す る問 題 で あ る に もか か わ らず,こ れ らに つ い て の取 り組 み が十 分 で な か った こ と,さ らに, 従 来 の 自動 車 公 害 防 止 対 策 は,局 地 的 に 実 施 され

た もの が 多 く,広 域 的 な 視 点 か らの 対 応 が 不足 し て い た こ と な どが あ げ られ る。」

こ の 問 題 指 摘 は 正 しい し,こ の 問 題 点 に ど の よ う に,政 策 科 学 的 に 対 応 す る か で あ る。

周 知 の よ うに して,今 日,官 民 を 問 わ ず,一 般 市 民 の 間 に は,自 動 車 が 定 着 化 して い る。 こ の こ とを 前 提 と して,自 動 車 交 通 の利 便 性,機 能 性, 効 率 性,安 全 性 が 具 体 化 され て い る に もか か わ ら ず,そ の こ と 自体 が,都 市 環 境 を悪 化 す る とい う ア ンテ ィ ノ ミー(二 律 背反性)を も っ て い る 。 こ の

こ とを 自覚 した うえ で,自 動 車 公 害 問 題 の政 策 科 学 的 検 討 を 試 み た い 。

い ま や 企 業 も市 民 も,ク ル マ社 会 に と っぷ りつ か って い るQこ の こ と 自体 が,社 会 的 人 間 生 活 の ル ー ル に と って,メ リ ッ トとデ メ リ ッ トを 与 え て い る の で あ る。 こ の こ とを 踏 ま えた うえ で,改 め て,横 浜 市 に お け る 自動 車 公 害 対 策 の本 質 と現 状 を 考 え,政 策 科 学 的 提 言 を した い とお も う。 こ の た め に 何 よ りも まず,地 域 環 境 政 策 と して の 自動 車 公 害 対 策 の 意 義 を 考 え て み よ う。

一53一

2.地 域環 境政 策 と して の 自動車 公害 対 策 の意義

(1)「 中 公 害 」 の環 境 政 策 の 基 本 構 想 の性 格 地 域 社 会 は 本 来 住 民 の生 活,労 働,教 育,福 祉, 環 境 保 全 な どを 基 礎 に 成 立 して い る。 地 方 自 治 体 は,こ う した 住 民 の ニ ー ズ に 基 づ い て 運 営 され て い る。 市 場 経 済 を 前 提 と して も,地 方 自 治 体 や 中 央 官 庁 は 公 共 性 を 重 視 しな け れ ば な ら な い 。 い ま, 辛 う じて 日本 の環 境 が 守 られ て い るの は,根 本 的 に は 市 民 運 動 に 支}ら れ た 行 政 の 展 開 に あ る。 も ち ろ ん,市 民 運 動,市 民 科 学 の立 場 か らの環 境 保 全 策 の課 題 は 山 積 して い る。 い ま こ こで は そ れ を 問 わ な い 。 現 在 の資 本 主 義 の 発 展 は,生 産,流 通, 消 費,廃 棄 の総 過 程 が 利 潤 原 理 で成 立 して い る。

だ か ら,み ず か ら の お か れ て い る 立 場 は,こ の総 過 程 の 一 部 に組 み 込 まれ て い る の で あ る。 つ ま り 一 方 で 現 代資 本 主 義 の 市 場 原 理 に 足 を 入 れ な が ら,

こ の原 理 か ら ど の よ うに脱 皮 す るか の 反 稠 を 踏 え て こそ 環 境 問 題 の 基 本 が あ る。

社 会 主 義 に お い て も,社 会 主 義 的 効 率 性 に 基 づ く生 産 優 位 の 体 系 を 取 る以 上,環 境 問 題 が あ り, そ の 対 策 が 厳 し く問 わ れ て い る。 最 近,ソ 連,中 国 に お い て も環 境 対 策 を 重 視 せ ざ る を え な くな っ て い る。

と こ ろ で,従 来 の 新 古 典 派 経 済 学 は,資 源 の 合 理 的 配 分 を 一 定 の ル ール の も とに分 析 し,人 間 も 資 源 と して組 み 込 ん で きた 。 そ こ で は 、 生 産 手 段 の 私 的 所 有 制 を 前 提 に 理 論 が 組 み 立 て られ て い た 。

した が って 社 会 的 資 本 の あ り方 も,私 的 所 有 制 を 前 提 に した理 論 で あ り,現 実 に生 活 して い る 人 間 の 問 題 も,労 働 を提 供 す る生 産 要 素 と して 把 握 さ れ,人 間 の社 会 的,文 化 的,歴 史 的 な 存 在 はつ ね に 捨 象 さ れ て き た。 した が って 人 間 の生 活 が 環 境 破 壊 に よ って 妨 害 され て い る こ と も軽 視 され て き

た 。 した が って 自動 車 公 害 に よ って 引 き起 こ され る市 民 的 生 活 の 侵 害 に つ い て は 解 明 され て こな か っ た 。 と くに 従 来 の 経 済 学 は 自動 車 の 社 会 的 費 用 の問 題 だ け で な く,都 市 公 害,環 境 破 壊,大 量 の 廃 棄 物 とい っ た 諸 問 題 に つ い て も,そ の 解 決 す る 理 論 的 枠 組 を 提 供 して こ な か った 。 こ う した 反 省

(4)

一54‑一 地域環境 政策の展開 か ら,今 日の 環 境 問 題 を 考 え る こ とは,市 民 社 会

に お け る人 間 的 生 活 お よ び そ の環 境 の量 と質 を 充 実 させ る意 味 か ら も極 め て 重 要 な課 題 で あ る。

こ う した 問 題 意 識 を 前 提 に 現 代 日本 に お け る環 境 政 策 を 検 討 した い。 と くに 地 域 環 境 政 策 の 中 で 最 近 重 要 視 され て い る 自動 車 公 害 対 策 問 題 を 考 察

の 対 象 に した い とお も っ て い る。

1986年12月5日,中 央 公 害 対 策 審 議 会 と 自 然 環 境 保 全 審 議 会 は1986年 を起 点 に 向 こ う10年 間 の 環 境 政 策 の新 しい 指 針 を 示 した 。 そ の 主 要 タ イ トル は,「 人 間 と環 境 の健 全 で 恵 み 豊 か な か か わ り を 求 め て 」 とい う も の で あ る。

この 構 想 策 定 は 昭 和52年 の 「環 境 保 全 長 期 計 画 (昭和60年 目標)」 の性 格 の検 討 か ら出 発 して い る。

そ こで は,当 時 の 深 刻 化 して い た 公 害 の状 況 及 び 自然 環 境 保 全 へ の要 請 の高 ま りに緊 急 に対 応 す る よ う,公 害 防 止,自 然 保 護 の そ れ ぞ れ の分 野 で 保 全 目標 を定 量 的 に 示 し,そ の 目標 を達 成 す る た め の 方 策 等 を 明 らか に す る こ とに重 点 を お い た 。 だ が,必 ず しも,十 分 な 成 果 を あ げ な か った 。 「窒 素 酸 化 物 に よ る大 気 汚 染,閉 鎖 性 水 域 に お け る水 質 汚 濁,交 通 騒 音 な ど前 回 計 画 に 示 され た 目標 を 未 だ 達 成 で きず,今 後,抜 本 的 な 対 策 を 講 ず る こ と な しに は 困 難 な 問 題 も数 多 く残 さ れ て い る。 一 方,産 業 活 動 の 高 度 化 に 伴 い 従 来 とは 異 な る新 た な 環 境 汚 染 の可 能 性 が 増 大 す る と と もに,国 際 化, 情 報 化 の進 展 を 背 景 とす る東 京 圏 を は じめ 大 都 市 圏 へ の様 々な 機 能 の新 た な 集 中傾 向 か らみ て,大 都 市 に お け る環 境 問 題 は さ ら に 深 刻 化 す るお そ れ が あ る」(r答 申』)と 。 つ ま り環 境 政 策 の危 機 を 深 刻 に認 識 して い る点 を 評 価 した い。さ らに 「『生 活 の 質 』 の 向上 を 求 め て 快 適 な 環 境 の形 成 や 自然 と の ふ れ あ い へ の 社 会 的 要 請 が 高 ま って い る」 こ と を 自覚 して い る。 他 方,国 際 的 な環 境 問 題 へ の 対 策 の重 要 性 を も認 識 す る よ うに な った 。 したが っ て,今 回 の 「長 期 構 想 」 で は,「 環 境 を め ぐ る 諸 条 件 の 変 化 や 環 境 問 題 の複 雑 ・多 様 化 を 踏 え て, 人 間 と環 境 との か か わ りを 多 角 的 に と らえ た形 で 環 境 政 策 の積 極 的 展 開 を 図 る こ とを ね らい と して, 公 害 防 止 と 自然 保 護 を 共 通 の理 念 の 下 に で き るだ

け 一 体 的 に と らえ,定 量 的 な 目標 を 示 す こ と よ り

も新 しい 視 点 か ら環 境 政 策 の 展 開 の 方 向 付 け を 行 うこ とに 重 点 を 置 い て い る」

今 回 の構 想 は,環 境 の量 よ り質 を 重 視 し,現 実 的 路 線 を 選 択 して い る。 そ れ は,人 間一 環 境 系 の 新 視 点 に 立 ち,環 境 資 源 を 国 民 共 有 の 資 産 と して, 21世 紀 へ 引 き継 ぐ こ とを 大 き な 課 題 と して い る。

こ の 場 合,従 来 の環 境 政 策 の実 態 を 明 示 し,ど の 点 で メ リ ッ トが あ り,ど の 点 で デ メ リ ッ トが あ っ た か を 厳 し く反 省 した うえ で新 視 点 を 出 して ほ し か っ た。

環 境 政 策 の新 視 点 と して,(1)人 間 と環 境 とのか か わ りと(2)人間 一 環 境 系 の視 点 を 強 調 して い る。

(1)につ い て は,経 済 社 会 の展 望 と環 境 問題 との か か わ りの 総 括 を 展 開 して い る。 経 済 規 模 の 拡 大 な どに よ って よ り高 密 度 な 経 済 社 会 活 動 が 営 まれ, 環 境 に対 す る人 間 活 動 の 潜 在 的 イ ンパ ク トが 増 大

した こ と,新 た な 技 術 革 新 の進 展 に 伴 い,環 境 へ の イ ンパ ク トの形 態 が 複 雑 化 す る こ と,国 民 生 活, 国 民 意 識 の変 化 等 を 背 景 に,環 境 の 快 適 性 や 自然

との ふ れ あ い を 求 め る ニ ー ズ が 増 大 した こ と,な どを あ げ て い る。

経 済 学 の視 点 で 自然 環 境 を み る と,そ れ は 自 由 財 で は な く,稀 少 性 の あ る価 値 財 で あ り,人 間 に よ って 損 わ れ や す い も の で あ る。 ひ とた び 自然 環 境 が 損 傷 され た ら,人 間 が それ を 評 価 す る価 値 観 そ の も の を 失 って い くこ とに な る。 こ の点 が 人 間 と環 境 と のか か わ り合 い の 変 化 の 中 で 位 置 づ け ら れ て い な い 。 さ ら に 自然 環 境 の 価 値 は,対 象 者 で あ る人 間 が 作 り出す も の で あ るか ら,自 然 環 境 を み ず か ら の も の と して 大 切 に しな け れ ば な らな い。

人 間 と環 境 と のか か わ りを 公 害 防 止 と自 然 保 護 と を 結 び つ け る中 で環 境 政 策 を展 開 して い く必 要 が あ る。 こ の点 で,次 の指 摘 は重 要 で あ る。r人 間 一 環 境 系 の視 点 は,人 間 と環境 とのかか わ りを, 生 態 系 の 多 様 性 や 安 定 性 の維 持 を 前 提 と しつ つ, 人 間 の環 境 に 対 す る配 慮,人 間 と環 境 の ふ れ あ い, 環 境 が 人 間 に 与 え る恵 み とい う3つ の視 点 か ら把 握 し よ う」 とい う内 容 を示 した 点 に あ る。 この 点 は 評 価 した い 。

環 境 政 策 は,地 域 政 策 の計 画,実 践 の 中 で 具 体 的 に 示 され な け れ ば な らな い。 こ こ で対 象 とす る

(5)

地域環境政 策の展開 意 味 で 大 気 汚 染 に つ い て み よ う。 そ れ は 前 述 の

「構 想 」 の 基 本 的 施 策 の着 実 な 推 進 の 中 で,次 の よ うに位 置 づ け て い る。

「窒 素 酸 化 物 に つ い て は,低 減 技 術 の 開 発 を 促 進 しつ つ 自動 車 の排 ガ ス規 制 を 推 進 す るほ か,低 公 害 の 自動 車 へ の 代 替 ・転 換 を 推 進 す る。 さ らに

自動 車 交 通 対 策 の一 層 の 推 進 を 図 る」 と して い る。

日本 の環 境 政 策 は1970年 代 に 大 き な改 善 を み た とい う評 価 の前 提 に 立 って い る。 だ が そ れ は きわ め て 問 題 で あ る。 東 京,大 阪,横 浜,川 崎 な ど の 大 都 市 に お い て は,窒 素 酸 化 物 に よ る大 気 汚 染 はs 依 然 と して 深 刻 で,環 境 基 準 を 越 え て い る。 さ ら に そ れ は 湖 沼 や 海 域 の 水 質 汚 濁,幹 線 道 路 周 辺 の 交 通 騒 音 と と もに 環 境 目標 を 達 成 して い な い 。 さ らに 従 来 の 公 害 規 制 で は 対 応 が きわ め て 困 難 で あ る ハ イ テ クな ど先 端 技 術 産 業 に よ る新 種 類 の 汚 染 対 策 を ど うす る の か 不 明 で あ る 。ω民 間 活 力 に も とつ く新 事 業 とい わ れ る本 四 架 橋,関 西 新 空 港, 東 京 湾 横 断 道 路 に 対 す る環 境 ア セ ス メ ン トを ど の

よ うに展 開 す る の か な ど も,不 明 確 な 点 が 多 い。

こ う した 複 雑,高 次,多 岐 な環 境 政 策 を ど の よ うに 具 体 的 に 展 開 して い くの か を 明示 す べ きで は な か ろ うか 。 環 境 庁 次 元 の政 策 で は 限 界 な の で あ ろ うか 。 と に か く構 想 を 「絵 に か い た餅 」 に 終 わ らせ な い こ とで あ る。 そ れ に は 横 浜 市 や 神 奈 川 県, 東 京 都,神 戸 市 な どが 自 ら の地 域 環 境 政 策 の基 本 方 針 を 示 した 点 を踏 ま}て,環 境 庁 は 新 しい構 想 の も と に具 体 的 な 環 境 政 策 を 示 す べ き で は なか ろ うか 。

こ う して み る 限 り,私 た ち は,地 域 環 境 政 策 を 重 視 す る立 場 に立 っ て環 境 保 全 の 問 題 を 施 行 錯 誤 的 に検 討 して いか ざ るを え な い。 と くに こ こ で は 横 浜 市 に お け る大 気 汚 染 の 元 凶 とい わ れ る 自動 車 公 害 の問 題 に しぼ って 政 策 科 学 的 視 点 に 基 づ い て 検 討 した い と考 え る。 そ の た め に,先 づ クル マ 社 会 の パ ラ ン ス シ ー トを み よ う。

② ク ル マ 社 会 の メ リ ッ トとデ メ リ ッ ト 現 代 日本 の 社 会 は,ま さに クル マ社 会 で あ る。

クル マ が 物 や 人 の 自 由 移 動,快 適 生 活 を 享 受 す る の に これ ほ ど便 利 な も の は な い で あ ろ う。 今 日で

一 一55‑一

は 経 済 的 生 活 水 準 の 上 昇 の シ ソ ボ ル の ひ と つ が, 自 動 車 の 利 用 と ま で い わ れ て い る 。 こ の 日本 で も, 自 動 車 の 利 便 性 は,高 度 成 長 期 に 急 速 に 拡 大 し た 。 大 量 生 産,大 量 流 通,大 量 消 費 の 高 度 成 長 の メ カ ニ ズ ム の 中 で,自 動 車 は 普 及 し た 。1966年 は モ ー タ リゼ ー シ ョ ン の 出 発 点 で あ っ た 。1965年 に 自 動 車(乗 用 車,ト ラ ック,バ ス な ど四 輪 車 の 合 計)保 有 台 数 は630万 台 で あ り,普 通 車 で は,ト ヨ タ の コ

ロ ナ,ニ ッサ ン の サ ニ ー が 大 衆 車 と し て 急 速 に 普 及 し た 年 で あ る。 そ の 後 高 度 成 長 の 後 半 期 に な っ たY970年 に は 保 有 台 数1758万 台 と増 加 して い る 。 1973年 末 の 石 油 危 機 下 に お い て も増 加 し,2499万 台 と な っ た 。1975年 に は,わ が 国 に お け る 限 界 保 有 台 数 と い わ れ た3000万 台 の 枠 を 上 回 り,3006万 台 に な っ た 。 恐 る べ き 増 大 ぶ りで あ り,こ の 時 点

で,100人 に35台 と な り,西 ドイ ツ 並 み に な っ た 。 さ ら に1980年 に は3785万 台,1985年 に は な ん と 4815万 台 と増 加 した(日 産 自動 車 株 式 会 社 調 査 部 編

『自動 車 産 業 ハ ン ドブ ック』紀 伊 国 屋 書 店,1986年457ベ ー ジ)。 第1次 石 油 危 機 に 直 面 して も

,第2次 石 油 危 機 の 中 で も,自 動 車 保 有 台 数 は,不 況 を 知 ら ず に 増 大 し た 。 ま さ に 現 代 文 明 の シ ン ボ ル と し て の 自 動 車 社 会 が で き あ が っ た と い っ て も よ い で あ ろ う。 だ が 一 方 で,さ ま ざ ま な 問 題 を 含 ん で い る。

す で にT・ ベ ン デ ィ ク ソ ン は,『 脱 ク ル マ 優 先 社 会 』(Instead。fCars,1974)の 中 で 現 代 病 の 典 型 的 な 症 状 と して の ク ル マ 社 会 を 皮 肉 っ た 。 こ こ で 敢 え て 引 用 す る 。

「乗 用 車 と ト ラ ッ ク は 現 代 人 の 生 活 様 式 に 組 み 込 ま れ て し ま っ た 。 車 の 多 用 に 慣 れ す ぎ た せ い か, ち ょ う ど 無 数 の 窮 屈 な 靴 の よ う に 車 が 苦 痛 を 感 じ

さ せ る と き で さ え,人 び と は た だ ち ょ っ と肩 を す く め て や りす ご す だ け で あ る 。 耐 え る 以 外 に 仕 様 が な い と い わ ん ば か りだ 。 大 切 な 会 合 へ 急 ぐ途 上 で 交 通 渋 滞 の 渦 中 に 巻 き こ ま れ た ビ ジ ネ ス マ ン は, 心 配 顔 で 腕 時 計 に 眼 を 走 ら せ る 。 横 断 歩 道 の 前 で 信 号 待 ち を して い る 年 配 の 婦 人 が,思 わ ず 顔 を し か め る 。 大 型 トラ ッ ク の 発 した 轟 音 が 彼 女 の 両 耳 を つ ん ざ い た の で あ る 。 学 校 の 門 か ら走 り出 し た 子 ど も た ち は,往 来 に 立 ち こ め る 排 ガ ス の に お い を か い で,鼻 に しわ を 寄 せ る 。 日曜 日 の 夕 刻,.̲̲.

(6)

一一56一 地域環境政策 の展 開 日 の 行 楽 を 終 え て 郊 外 か ら市 内 へ 向 か う じ ゅ ず つ

な ぎ の 車 の 中 で は,い ら だ つ 家 族 を 母 親 が 懸 命 に な っ て な だ め て い る 。 一 家 の 主 人 は 自 動 車 保 険 掛 け 金 の 増 額 明 細 を に ら み な が ら,他 の 支 払 請 求 書 を 思 い うか べ て 頭 を 痛 め て い る 。 高 速 道 路 を と ぽ す ドラ イ バ ー た ち は,前 方 に 露 発 生 の 兆 候 を 見 て,

.,;;かす か な 恐 怖 に と ら わ れ る 。50万 台 も の 車 が 折 り重 な り,座 席 で 生 き た ま ま 焼 か れ た 人 間 の 姿 が 心 を よ ぎ る の だ 。 通 勤 者 た ち は 一 日 の 仕 事 の あ

と,つ か れ き っ た 様 子 で パ ス 停 に 長 い 列 を つ く る 。 バ ス は な か な か 来 そ うに も な い し,や っ と 来 た か

と 思 え ば き ま っ て 満 員 で あ る 。 買 い 物 客 た ち は ま る で 地 雷 源 を わ た る 歩 兵 の よ うに 緊 張 し て,動 い て い る 車 や と ま っ て い る 車 の 間 を ジ グ ザ グ に 通 り 抜 け て い く。 ド ラ イ バ ー た ち は 数 の 少 な い 駐 車 用 料 金 入 れ を 求 め て 競 争 し,た が い に 冷 た い 視 線 を 投 げ 合 う。

こ うい っ た た ぐ い の 不 安 や 不 快 さ は,現 代 病 の 典 型 的 な 病 状 で あ る 。 そ れ ら は ま た,日 常 生 活 に と っ て 大 切 な 何 か が 狂 っ て い る こ と を,人 び と に 警 告 して い る 。 ど こ へ い っ て も 同 じ問 題 が 生 じて い る。 巨 大 な 高 速 道 路 が で き た お か げ で,ま あ ま あ だ っ た 居 住 環 境 が だ い な し に な っ て し ま っ た と か,自 動 車 部 隊 の 進 撃 に よ っ て,公 共 交 通 機 関 が

せ ん 滅 さ れ た と か い う こ とで あ る」(植 松 重 信 訳, 時 事 通 信 社,昭 和55年1〜2ペ ー ジ 。)

こ れ は,市 民 の 日 常 生 活 の 中 で,ク ル マ に 内 在 し,ク ル マ 社 会 特 有 の デ メ リ ッ トを 感 覚 的 に 表 現 し た も の で あ る 。 現 実 に ク ル マ の 利 便 性 が い か に 他 の 人 々 に 対 して,デ メ リ ッ トを 与 え て い る か の 見 事 な 文 学 的 表 現 で あ る 。

1986年1月 現 在 の 自 動 車 事 故 に よ る 死 者 は, 9835人 で あ る と い う。 こ の5年 間 に 死 者 は 年 平 均 9000人 台 で あ る と い うか ら,ま さ に 交 通 戦 争 で あ る 。 負 傷 し た 者,精 神 的 打 撃 を うけ た 者 を 加 え る

と 年 に3万 人 以 上 に な る で あ ろ う。

ア メ リ カ で は,今 後10年 間 に 自 動 車 台 数 は,い ま の1.2倍,ま たEC諸 国 で は,い ま の1.5倍,日 本 で も1.5倍 に な る で あ ろ う と い う の で あ る か ら, こ れ に と も な う 自 動 車 の 社 会 的 費 用 は 増 大 す る ば か りで あ る 。

に もか か わ らず,こ う した クル マ の 増 大 は,交 通 事 故 に よ る被 害 者 を 増 加 させ るだ け で な く大 気

汚 染 を よ り増 大 させ て い る の で あ る。

こ う した事 態 を 改 め て,地 域 社 会 で,再 検 討 し, 市 民 の 快 適 環 境 を ど の よ うに保 全 して い くか とい

う問 題 を 厳 し く考 え て い く必 要 が あ る。 と りわ け, 環 境 政 策 の具 体 的 実 践 は 自動 車 公 害 対 策 に あ る と い わ れ る。 横 浜 市 の 環 境 政 策 の 重 要 課 題 と な って い る 自動 車 公 害 対 策 を どの よ うに 展 開 す るか に あ る。 す で に 私 た ち は,専 門 家,行 政 の専 門 家,市 民,関 係 業 界 の 代 表 と自 動 車 公 害 を 防 止 す る た め の 相 互 の 知 的 緊 張 関 係 の 中 で 議i論を して き た。 こ こ で は,こ う した前 提 に 立 って,改 め て横 浜 市 の 自動 車 公 害 対 策 の 内 容 を 共 有 し,同 時 に,検 討 し つ つ,具 体 的 な対 策 を 考 え て み た い とお も って い

る。

こ の課 題 は,な に よ りも ま ず 短 期 的 に 解 決 不 可 能 で あ る こ とを 自覚 して か ら出 発 した い。 従 来 の さ ま ざ ま な現 実 の姿 を 計 量 的 に 分 析 し,そ の成 果 を 客 観 的 に把 握 しつ つ,さ ま ざ ま な 立 場 か らの 政 策 的 提 言 を した い とお も って い る。 この10年 間 横 浜 市 公 害 対 策 に か か わ って き た ひ と り と して,ど の よ うな政 策 課 題 を示 す こ とが で き るか 。 横 浜 市 の 自動 車 公 害 対 策 の あ り方 を 踏 ま え て 検 討 した い 。

3.横 浜 市 にお け る 自動車交 通 の現 状 と 課 題

(1)自 動 車 保 有 台 数 の 問 題

1966年 の モ ー タ リ ゼ ー シ ョ ン 以 降,わ が 国 の 自 動 車 保 有 台 数 が 急 速 に 増 加 し た よ う に,横 浜 市 に お い て も 同 じ傾 向 を 示 し た 。 例 え ば,1965年 代 以 降,マ イ カ ー 中 心 に 増 大 し た 。1965年11万2千 台, 1970年 に30万 台,1978年 に61万 台,1980年 に68万

4千 台,1984年 に86万 台 と な り,こ の 数 は1965年 の7.7倍 増 で あ り(第1図 参 照),1985年 に は,90 万 台 以 上 に な ・り,人 口320万 で あ る か ら,3.5人 に

1台 の 割 合 で あ る 。

1984年 の 車 種 別 構 成 比 を み る と,乗 用 車 が 全 保 有 台 数 の 約65%,軽 自 動 車 が12%,貨 物 車 が17%, そ の 他6%と な っ て い る 。 こ こ で み る か ぎ り,乗 用 車 の 増 加 が 目 立 っ て い る 。 こ れ は マ イ カ ー 族 の

(7)

oo1

SO 保 有

so 台

数 40

20

地 域環境政 策の展開 第1図 横 浜 市 に お け る 自動 車 保 有 台 数 の 推 移

〔出 所 〕

912・665匿 鋼 普 通 貨 物 口 小 型 貨物 囲 乗合 車

¥¥° °用 車

¥¥¥¥¥¥̀特殊(種)車

■ 被 けん引 匿璽 小 型 二輪 罎蓑 軽 自動 車

40455051525354555657585960窺 三芝墜

横 浜 市 公 害 対 策 審 議 会 『横 浜 市 に お け る 自動 車 公害 対 策 の 基 本 的 あ り 方 に つ い て』(横 浜 帯,昭 和60年 工0月19日,69ペ ー ジ)よ り作成 。

増 加 で あ り,そ の 背 景 に は,市 民 の 所 得 水 準 が 向 上 した こ と,市 民 の 消 費 生 活 に と っ て 車 を 不 可 欠 の も の に し た こ と,車 の 機 能 性,利 便 性 を 生 活 の 中 に ビ ル トイ ン し た こ と,な ど を 理 由 と し て あ げ る こ とが で き る 。 今 後 も 自 動 車 台 数 は 増 加 し, 1990年 に は110万 台 に な る と予 測 さ れ る 。 そ う な る と,車 公 害 は さ ら に 深 刻 に な る で あ ろ う。

と こ ろ で,市 内 で,保 有 台 数 の 多 い 区 は,毎 年 人 口 増 を 示 して い る 戸 塚 区,港 北 区,緑 区 が 上 位 に あ り,こ の3区 だ け で,全 体 の 保 有 台 数 の 約37

0を 占 め て い る 。 さ ら に 鶴 見 区,神 奈 川 区 を 加 え 第1表

区 別 の 自動 車 保 有 台 数 の 状 況

57 る と,51%に な る 。 乗 用 車 に つ い て み る と,上 位4区 ま で は 全 車 と 同 じ順 列 で あ る が,5位 に 旭 区 が あ り,上 位5区 は 夜 間 人 口 の 多 い 順 位 と な っ て い る 。 貨 物 車 の 保 有 が 多 い 区 は 中 区(13°o)で あ り,次 い で 鶴 見 区(11%),戸 塚 区(11%) で あ り,以 下 港 北 区(10%),神 奈 川 区(9%)等 と な っ て い る 。 こ う

し た 上 位5区 の 区 全 域 に 占 め る 割 合 は54%と 高 い(第1表 か ら割 合 を 算 出)。 さ ら に 自 動 車 保 有 台 数 の

各 年 変 化 を み る と 第1表 と 第i回 の よ う に 一 貫 し て 上 昇 して い る 。 そ れ は,毎 年5%0以 上 の 上 昇 率 で あ る 。 そ れ は,横 浜 の 人 口 の 増 加 率 を 上 回 っ て い る 。 車 種 別 の 保 有 台 数 の 推 移 を み る と,乗 用 車 の 伸 び が 貨 物 車 の 伸 び よ り大 き い こ と が わ か る 。

と も あ れ,市 全 域 で,毎 年 保 有 台 数3万 台 が 増 加 して お り,そ の 増 加 の 中 心 は,乗 用 車 で あ る,, さ ら に 区 別 に み る と,最 近 で は,港 南 区 の 増 加 率 が 最 も 高 く,昭 和55年 は,昭 和52年 の1.4倍 増 で あ り,全 域 の 平 均 増 加 率 は1,2倍 で あ り,台 数 ば 少 な い が,大 型 貨 物 車 の 増 加 率 が1.6倍 で あ る 。 ま た 緑 区 は 港 南 区 と 同 じ く1。4倍 の 増 加 率 で あ り, 大 型 貨 物 車 の 増 加 率 は,1.5倍 と な っ て い る 。 瀬 横 浜 市 に お け る 自動 車保 有 台 数 の推 移

(昭 和61年3月31日 現 在)

\ 区名

車 種 \ \

鶴 見 神奈川 西

中 南1瀧 麩

旭 磯 子 金沢 港北 緑

普 嶺 伽 ・331a5561877'2・5・8,…461・ ・23gl・ ・5・6・,59875・2,25913>・423,01 .6

得 塚 瀬 谷1計

̲̲.

3,621 ユ,137129,389

乗 騨14・ ・7ユ6138,583・3・65912噸3・ ・5・9139,26435,39548,

1ユ3・X29,32・3・,69・̲̲..x,57,97780,476「95,235;24,1・959・,616

小 型 勲1・7781璽5・ 璽27望1偽874囹535[6,93‑9145塾867i・2,57・1・2 ,2621・4,84・14:695x.20,25$

乗 合 車3671171454・672i257356222・6・ 4・71452i529663,995

i特

殊(種)12・ ・83「・・26・478a648 軽 一

i,RI

544595'985960'i441

86211,4001ユ,288ユ,607i326

iii 15,4$0

四 轟6・ ・2・15・7・31a9975・5484,572,4,3265,3475,7i・5}3・5534>・ ・97,・ ・219,6361・2,4臨 繭8彌

竺i些*16・2555・4962,・9817,4・ ・14・8・613,73514,4584,2893,29813,9・15i?'・3・7,34・8,9・32,2647ユ399

計r72,252164,75・X26・ ・7・X54・3455・ ・52455,・3254,88768,35842,・39'46,853189,64…4,47・1・37 ,22gl36,・ ・49・2,665

*そ の 他 とは 被 け ん 引 車 ,小 型二 輪車,軽 二輪 車の合計 をい う

〔出 所 〕 横 浜 市 公害 対 策 局 の 自動 車 公害 対 策 関 係 の資 料 よ り作 る。

(8)

一58一 地域環境 政策の展開 谷,金 沢,戸 塚 の各 区 は,1.3倍 の増 加 率 を 示 し,

各 区 と も大 型 貨 物 車 の増 加 率 が 高 い 。

保 有 台数 の増 加 率 が 高 い 周 辺 部 の 各 区 は い ず れ も夜 間 人 口 の増 加 率 も高 く,そ の推 移 か ら今 後 も 人 口,保 有 台 数 の増 加 が 続 く と思 わ れ る。 と くに 金 沢 区 は,金 沢 地 先 埋 立 地 に 今 後 も,人 口,事 務 所 等 が 入 居 す る た め,乗 用 車,貨 物 車 の保 有 台 数 は 相 当 増 加 す る もの と思 わ れ る。 さ らに 港 北 ニ ュ ー タ ウ ンが 完 成 す る と,こ の地域 に おけ る人 口, 保 有 台 数 も増 加 す る で あ ろ う。rMM21」 の完 成

に よ る車 の 流 入 量 は18万 台 とい わ れ,こ の 地 域 に お け る乗 用 車 の保 有 台 数 も増 加 す る で あ ろ う。 も ち ろ ん 中 区,西 区 は,人 口 の 減 少 区 で あ り,そ れ と比 例 して 保 有 台 数 も減 少 して い る(横 浜市r自 動 車公害 防止関 連施策等調 査報告 書』昭和60年3月,81ペ ー ジ,以 下 『報告書』)。

以 上 横 浜 市 に お け る 自 動 車 保 有 台 数 の 推 移 を み る と,周 辺 部 の夜 間 人 口 の増 加 率 が 高 い と ころ に 保 有 台 数 の増 加 が 一 般 化 して い る。

横 浜 市 に お け る 自動 車 保 有 台 数 の 増 加 は,窒 素 酸 化 物 の 発 生 を増 大 させ て い る だ け で な く,道 路 の 整 備 の要 求 とな っ て表 面 化 して い る。 い ず れ こ の 点 に つ い て 他 の 機 会 に 分 析 す る。 自動 車 保 有 台 数 の増 加 は,都 市 環 境 に イ ン パ ク トを 与 え て い る。

い ま横 浜 市 に お け る 自動 車 保 有 台 数 の 増 加 傾 向 は, 全 国 的 傾 向 に もな って い る とい わ れ て い る。 全 国 的 に 見 る と,と くに七 大 都 市 に お け る乗 用 車 保 有 台 数 が 着 実 に 増 大 して い る。 こ の傾 向 は 中 小 都 市 に お い て は よ り加 速 化 して い る。 中 小 都 市 は工 業 用,商 業 用 の 用 途 だ け で な く,地 域 交 通 の私 的 解 決 の た め の乗 用 車 保 有 率 を 増 加 さ せ て い る。 中 小 都 市 に お い て は,人 口 の集 積 と工 場 の集 積 は,工 業 地 帯 ほ どで は な い が,自 家 用 車 の集 積 率 は 高 い

とい わ れ て い る。 最 近 の横 浜 市 に お い て は,旧 市 街 地 よ り も周 辺 部 に お け る 自家 用 車 の 増 加 率 の ト

レ ン ドを み る こ とが で き る。 横 浜 市 に お け る乗 用 車 の普 及 率 は,1974年 に100世 帯 当 た り約53台 で あ り,11大 都 市 の うち5位 で あ り,東 京 都 区 部 の 38.5台,大 阪 市 の37台 に比 べ る と,か な り高 い 水

準 で あ る。

自動 車 の 保 有 台 数 の 増 加 は,自 動 車 の生 産 台 数

の 増 加 と 比 例 して い る 。1979年 に 日 本 の 乗 用 車 生 産 台 数 は 約1000万 台 を 越 え た 。 そ の う ち の 約2分 の1の500万 台 が 国 内 で 消 化 さ れ,残 り500万 台 の

2分 の1に 近 い240万 台 が ア メ リ カ へ 輸 出 さ れ, 残 り260万 台 がECそ の 他 の 地 域 へ 輸 出 さ れ た 。

日本 の トヨ タ,日 産 は,こ の 時 点 で,ア メ リ カ の GM,Fordの 乗 用 車 生 産 台 数 以 上 の 力 量 を 発 揮

した 。 日 本 の 国 内 に お け る 乗 用 車 の 需 要 は 伸 び た 。 当 時 の 日本 経 済 の 不 況 の 中 で,自 動 車 産 業 の 収 益 は 上 昇 し た 。 日本 の 自 動 車 産 業 の 国 内 市 場 占 有 率 も 高 ま っ た 。 ま た1985年 の 乗 用 車 生 産 の 占 有 率 を み る と,ト ヨ タ が33.6%,日 産24.4%,本 田 技 研 12.5%0,マ ッ ダ10.7%,三 菱 自 動 車7.5%で あ り,

ト ヨ タ と 日産 で58%の 占 有 率 で あ る。

乗 用 車 の 普 及 化 の 中 で 各 メ ー カ ー の 市 場 獲 得 競 争 は め ざ ま しか っ た 。 と も あ れ 乗 用 車 の 普 及 率 はr 前 述 し た よ う に 各 都 市 に お け る 保 有 台 数 の 増 加 に つ な が っ た 。 だ が 同 時 に,こ う し た 事 態 は,自 動 車 公 害 の 増 大 と 結 び つ い て い た 。 自 動 車 の 普 及 率 の 増 大 は,必 然 的 に,道 路 網 と りわ け 幹 線 道 路 網 の 拡 大 を 要 求 し た 。 こ の 点 を,『 横 浜 市 に お け る 自 動 車 公 害 対 策 の 基 本 的 あ り方 に つ い て 』(横 浜 市 公 害 対 策 局,ユ985年10月 刊,以 下 『基 本 的 あ り方 』 と略) を 踏 ま え て,検 討 して み よ う。

(2)幹 線 道 路 網 の 現 況

横 浜 市 は,地 形 上 多 く の丘 陵 が あ り,道 路 の ネ ッ トワ ー ク形 成 を 妨 げ て き た 。 市 街 地 は 各 河 川 流 域 に,不 均 等 に形 成 され,道 路 ネ ッ トワ ー クは,

で き るだ け 起 伏 の 激 しい 丘 陵 部 を 避 け て 臨 海 部 や 河 川 沿 い に 建 設 され て 放 射 状 を 示 して い る。 ま た, 都 心 部 を 中 心 と した一 点 集 中 型 の 道 路 網 を形 成 し, 現 状 型 の 道 路 が 不 足 して い る た め,各 所 で 交 通 渋 滞 を起 こす 要 因 と もな って き た 。 と くに高 度 成 長 期 に 物 流 の激 増 を マ イ カ ー の 普 及 が 道 路 を 必 要 と

して,都 市 計 画 に と っ て 道 路 網 整 備 を そ の 中心 に お か ざ るを え な か った 。 クル マ と道 路 の2人3脚 の 論 理 が 貫 徹 した 。 そ れ は 私 的 巨 大 資 本 と公 共 資 本 の合 成 力 に よ って 道 路 構i造を 作 り上 げ た。

現 在s横 浜 市 の 骨 格 を なす 道 路 網 と して は 次 の も のが あ る。

(9)

地域環 境政策 の展 開

第2図 横 浜 市 に お け る幹 線 道 路 網

匁曳 一一

㌔h騨 ρb嗣b

....・ ・ノ 、.

鵬 日吉 鉢

方面 丙10号

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高 速 道 路 一 般 国 道 主 要 地 方 道 一聯一 隣 一 般 県 道

指 定 市 市 道

'鐸 飾璽

㌔ 一㌔ 戸=

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国漸3驚 ≡≡≡≡

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〔出 所 〕 横 浜 市 公 害 対 策 局 編 『自動 車 公 害 防 止 関 連 施 策 報 告 書 』 昭 和60年,34ぺ ・一ジ。

(10)

一6Q一 地域環境政策 の展開

① 広 域 幹 線 道 路 と して 首 都 圏 と湘 南,東 海 方 面 を 連 絡 す る東 名 高 速 道 路 が あ る 。

② 都 市 間 道 路 と して 横 浜 と東 京 お よび 湘 南 方 面 を 連 絡 す る 国道1号,15号,246号,首 都 高 速 横 羽 線,第 三 京 浜 道 路 お よび 横 浜 と八 王 子,横 須 賀 等 を 結 ぶ 国 道16号 が あ る。

③ 上 記 の道 路 の 機 能 を 補 完 す る主 要 地 方 道 と し て,横 浜 ・生 田線,横 浜 ・鎌 倉 線,横 浜 ・上 麻 生 線 な ど16路 線 が あ り,こ れ ら の ほ とん どは,都 心 部 を 中 心 と した放 射 状 の道 路 とな って い る(第2 図)。

こ う した 現 在 の道 路 網 に つ い て 『自動 車 公 害 防 止 関 連 施 策 等 調 査 報 告 書 』(横 浜市公害 対策 局,昭 和 60年3月)は 次 の よ うに 述 べ て い る。

「現 在 の道 路 網 は 都 心 を 中 心 と した 放 射 状 と な って お り,こ の た め 各 区 間 の 相 互 連 絡 性 に 欠 け, ま た 都 心 部 へ の 自動 車 交 通 の 集 中 を もた ら して い るo

ま た 横 浜 市 の 幹 線 道 路 は 市 関 連 の交 通 需 要 に対 処 す る道 路 で あ るば か りで な く,首 都 圏 の 放 射 環 状 道 路 と して 位 置 づ け られ 利 用 され て い る。 こ の

た め,種 々 の 交 通 目的 を 持 つ 自動 車 の利 用 す る と こ ろ と な っ て お り,土 地 利 用 に 整 合 した 道 路 利 用, ま た 道 路 の段 階 的 構 成 とそ れ に 対 応 した 機 能 分 担 に 欠 け て い る。

した が っ て,主 要 幹 線 道 路,そ の 他 の幹 線 道 路, 補 助 幹 線 道 路 の順 で 道 路 の段 階 的 構 成 とそ れ に 対 応 した 機 能 分 担 を さ せ る必 要 が あ る。

現 在,高 速 湾 岸 線,南 横 浜 バ イ パ ス,中 央 線 等 の 自動 車 専 用 道 路 網(都 市間 を連路す る高速 道 路 と して主要幹 線道路 と位 置づけ ら れ る),国 道1号,15 号,is号,133号 等 を 結 ぶ バ イ パ ス 道 路 網,環 状

1,2,3号 線 等 の 骨 格 道 路 の 整 備 が 予 定 され て お り,一 部 の道 路 は共 用 され て い る」(『報告 書』

34^35ペ ージ)

こ の よ うな 幹 線 道 路 の ネ ッ トワ ー クが,交 通 渋 滞 の 緩 和 と市 民 の 生 活 資 源 の利 便 性 に 基 づ い て計 画 され,実 行 され て い る こ とに対 して 理 解 を 示 す も の で あ るが,問 題 は こ う した 幹 線 道 路 ネ ッ トワ ー クに お け る環 境 保 全 と経 済 性 の メ リ ッ ト,デ メ リ ッ トの パ ラ ン ス シ ー トを 示 さず に,計 画 さ れ,実

施 され て い る点 に あ る。 た しか に 「土 地 利 用 に整 合 した道 路 利 用,ま た は 道 路 の段 階 的 構i成とそ れ に 対 応 した 機 能 分 担 に 欠 け て い る」 とい う指 摘 は, あ く まで も道 路 の合 理 的,円 滑 な ネ ヅ トワ ー クの 完 成 を め ざ した もの で あ ろ う。 だ が 現 在 の 土 地 利 用 計 画,環 境 計 画 な どの視 点 か ら改 め て,道 路 の 社 会 的 効 用 を 検 討 す べ き で は な か ろ うか 。 環 境 に 対 す る厳 しい 配 慮 な く して 道 路 行 政 中心 主 義 を 志 向 す る な らぽ,道 路 計 画 自体 が 円 滑 に 進 ま な い で あ ろ う。 い ま重 要 な 問 題 は,環 境 基 準 を守 りつ つ, 道 路 計 画 を どの よ うに 具 体 的 に 立 て るか に あ る。

こ の点,前 に 示 した 『報 告 書 』 は,道 路 構 造 対 策 に つ い て,こ う指 摘 して い る。 「道 路 の 構造 の 選 択 は,従 来 地 形 状 況 や 道 路 種 別,立 体 交 差 部 等 に 応 じて 行 わ れ て き た が,近 年 そ の 環 境 改 善 効 果 が 着 目 され,環 境 面 か ら の 要 素 も加 わ る よ うに な

っ たQ

道 路 構 造 対 策 は,主 に 自動 車 の 走 行 路 面 の地 表 か らの 分 離,並 び に 道 路 の 法 肩,側 壁 の 回 析 減 裏 に よ り騒 音 低 減 効 果,排 ガ ス の拡 散 を 期 す る も の で あ る」 と。 こ こに み られ る よ うに 道 路 構 造 対 策 と は,道 路 作 成 の 技 術 に よ る効 果 で あ って,環 境 構 造 的 効 果 で は な い の で は な い か 。例 え ば,「具 体 的 な道 路 構 造 対 策 と して は,高 架 ・切 土 ・掘 割 ・盛 土 ・半 地 下 ・地 下 ・シ ェル タ ー等 が あ るが,そ れ ぞ れ 排 ガ ス ・騒 音 等 の防 止 に 対 す る特 性 が 異 な る こ とか ら,沿 道 地 域 の土 地 利 用 特 性 に応 じた適 切 な 道 路 構 造 を 選 択 す る対 策 で あ る。」(r報告書』339 ペ ージ)こ の よ うに 環 境 保 全 の た め の 道 路 構 造 上 の 技 術 的 対 策 は,従 来 の環 境 保 全 軽 視 の道 路 構 造 上 の対 策 よ りはす ぐれ て い る し,今 後 環 境 保 全 を 前 提 に した 対 策 の モ デ ル を 示 して い る と考 え る も の で あ る。 この 点 に 限 って 評 価 す る こ とが で き る で あ ろ う。 従 来,な ぜ この よ うな 対 策 を 実 行 して い な か った の か 。 市 民 の 「い の ち と く ら し」 を 守 る た め の,排 ガ ス規 制,騒 音 抑 止 の 運 動 が,道 路 構 造 上 の 対 策 に ま で 盛 り上 げ た と考 え て よ い で あ ろ う。 そ れ だ け で な く,ア セ ス 制 度 も大 き な効 果 を あ げ て い る と考Yる 。 今 後,市 民 は,一 方 で, そ れ ぞ れ の ニ ー ズに 基 づ い て マ イ カ ー の 利 用 を 限

りな く続 け,他 方 で,行 政 は 道 路 の ニ ー ズ に 答 え

(11)

地域環 境政策の展開 て い く とい うア ンチ ノ ミーを どの よ うに克 服 す る

か の問 題 に迫 られ る で あ ろ う。

『報 告 書 』 は,各 道 路 構 造 の対 策 効 果 と適 用 性 を ま とめ て 次 の よ うに 指 摘 して い る。

「騒 音 に つ い て は,道 路 近 傍 の地 域 に 限 れ ば 高 架 構 造 が 有 利 で あ る が,沿 道 地 域 全 般 で は 掘 割 構 造 が 最 も減 音 効 果 が 高 い と いrる 。 ま た,受 音 点 が 高 い 中高 層 住 宅 等 が 道 路 に近 接 して い る場 合 , 高 架 ・盛 土 で は 中 ・上 層 階 で騒 音 が 逆 に増 大 す る

た め,半 地 下 ・地 下,若 し くは シ ェル タ ー等 の 構 造 対 策,或 い は受 音 点 側 の 対 策 が 必 要 とな る。 シ ェル タ ー構 造 は,そ の 実 施 例 は 少 な い が,道 路 全 体 を 覆 うた め,当 該 道 路 か ら の 騒 音 ・排 ガ ス は な い が,シ ェル タ ー の 出 入 口付 近 で は,騒 音,排 ガ ス に よ る影 響 を 受 け る た め,こ の 付 近 で の対 策 が 必 要 とな る」(同 上,344ペ ー ジ)こ こ で は シ ェル タ ー等 の 構 造 対 策 技 術 を 示 して い る が,シ ェル タ ー 構 造 内 に お け る排 ガ ス 対 策 や そ の 外 部 の 景 観 上 の 対 策 を ど うす る か の 問 題 を 解 決 して い く こ と が 今 後 の課 題 で は な い か 。

さ き の 指 摘 は,あ ま りに も建 築 構 造 学 的 で あ る。

そ れ は全 体 の 環 境 との調 和 を 考 慮 して い な い し, と くに 出 入 口附 近 の排 ガ ス,騒 音 を ハ ー ドの 構 造 で 解 釈 して い る よ うに お もわ れ る。 問 題 は,車 の 走 行 制 限 を どの よ うに して 実 施 し,ハ ー ドの 構 造 を 最 低 限 に 制 止 し,ソ フ トな構 造 を考 慮 す べ き で は なか ろ うか 。 と くに 騒 音,排 ガ ス に よ る人 間 の 心 理 的 イ ンパ ク トを 考 慮 す べ きで は な い で あ ろ う か 。 こ の 点 の 分 析 は 今 後 の 課 題 に な る で あ ろ う。

問 題 は ハ ー ドと ソ フ トの 構 造 対 策 を 多 面 的 に 示 す べ き で は な い か 。

また 「排 ガ ス に つ い て は,高 架 ・盛 土 構 造 で は 拡 散 効 果 が 高 い が,掘 割 等 の 構 造 の場 合,道 路 空 間 に お い て 高 濃 度 と な る こ とが 多 い こ とに 留 意 す る必 要 が あ る」 と。 こ の 指 摘 は 正 当性 を も って い る。 だ が さ らに 排 ガ ス抑 制 効 果 の 全 体 構造 を み た 場 合,ど の 程 度 の抑 制 効 果 を期 待 で き る の で あ ろ うか 。 こ の 点 を 配 慮 して い る か ど うか は わ か ら な い が,こ の 『報 告 書 』は,こ う指 摘 す る。 「一 般 に,通 過 交 通 量 が 多 く沿 道 地 域 と の ア クセ ス の 必 要 が 少 な い 高 速 道 路 や 都 市 間 連 絡 道 路 等 の 自動 車

一61一

専 用 道 で は 高 架 ・掘 割 ・盛 土 等 の構造 の 採 用 が 可 能 で あ る。 しか し沿 道 利 用 が 要 請 され る一 般 道 路 に お い て は,特 殊 な 区 間 を 除 く と,平 坦 構 造 以 外 の道 路 の 採 用 は,実 際 上 難 しい 」(『報告 書』344ペ ー ジ。)と。 問題 は,高 架 ・掘割 ・盛土 等 の構 造 の 具 体 的 採 用 に 当 って,従 来,ど の 点 で,対 策 上 の 効 果 が あ が り,有 効 性 を 発 揮 した のか,事 後 ア セ ス を 正 確 に や っ た うえ で の分 析 を 必 要 とす る の で は な い で あ ろ うか 。 今 後,道 路 構 造 とそ の 関 係 す る地 域 社 会 との 相 互連 動 性 を も った 対 策 を 必 要 と す る だ ろ う。 一 般 道 路 に お い て は,「 平 坦 構 造 以 外 の構 造 の 採 用 は 実 際 上 難 しい 」 とい うが,こ の 点,沿 道 公 害 対 策 に つ い て,人 権 を 守 る視 点 か ら 改 め て 分 析 して ほ しい 。

(3)道 路 構造 対 策 の 課 題

と も あ れ,各 道 路 構 造 対 策 の 内 容 を み る 限 り, 道 路 建 設 に 当 って の 技 術 上 の 環 境 対 策 で あ る。 問 題 は,住 民 の基 本 的 人 権 を 守 る視 点 か ら道 路 構 造 の 対 策 を した たか に展 開 して ほ しい も の で あ る。

も ち ろ ん あ る与 件 の も と に最 大 限 の低 公 害 対 策 技 術 を導 入 す る こ と 自体 は 問 題 が な い 。 む しろ 問 題 は,環 境 基 準 や 環 境 ア セ ス メ ン トを 通 過 す る た め の技 術 で は な く,道 路 構 造 の あ り方 自体 の な か に 環 境 保 全 シス テ ム技 術 を 恒 久 に 盛 りこ む 手 法 を 開 発 す べ き な の で あ る。 そ うで な い か ぎ り,環 境 ア セ ス メ ン トに 対 す る 技 術 対 応 に 終 わ る可 能 性 が あ る。 も ち ろ ん,一 方 で,道 路 構 造 対 策 自体 開 発 行 為 で あ り,そ れ 自体 が 環 境 破 壊 に 結 び つ くこ とは い うま で もな い。 問 題 は,住 民 は 一 方 で 「静 か で 安 全 な環 境 」 を 要 求 す る と同 時 に,他 方 で,市 場 経 済 の 中 で の 利 便 性,経 済 の 効 率 性 を 要 求 す るQ 住 民 は,た え ず,こ う した ア ンチ ノ ミー に お か れ て い る。 わ か りや す くい え ば,住 民 は 一 方 で 「静 か で 安 全 な 環 境 」 を 必 要 と し,他 方 で,道 路 と ク ル マ を 必 要 と して い る。 日常 生 活 の利 便 性,生 産 の 効 率 性,流 通 の効 率 性,消 費 の効 率 性 の 問 題 はs クル マ社 会 に 定 着 して い る。 住 民 は,こ れ で よ い の か と反,y:.,して い る の で あ る。 した が って,道 路 の 必 要 性 は,現 代 人 の 生 産,流 通,消 費,廃 棄 に と って 不 可 欠 の もの とな って い る。 ま さ に クル マ

(12)

一一62‑一 地 域環境政策 の展 開 と道 路 は 現 代 人 の 生 活 の 中 に 組 み こ ま れ て い る。

こ の こ とは,現 代 の生 産,流 通,消 費,廃 棄 の共 通 の手 段 と して の 道 路 で あ り,車 で あ る の で あ る。

だ か ら こ そ道 路 の必 要 性 を,現 代 人 は,生 活 の 中 に 共 有 して い るの で あ る。 に もか か わ らず 他 方 で, そ れ が,環 境 破 壊 の 元 凶 で あ る と い う矛 盾 を,自 ら の 生 活 行 動 様 式 の 中 で反 翻 して い る。 市 民 は, こ の 非 同 時 性 の 同 時 的 存 在 の 自己 矛 盾 か ら どの よ

うに,自 己 統 治 を 通 じて,環 境 を 保 全 して い くか を 問 わ れ て い る の で あ る。 道 路 構 造 の改 革 は,こ

う した 問 題 意識 に 基 づ い て,技 術 の改 良,与 件 の も と で の,最 良 の 低 公 害 技 術 の選 択 と結 び つ いて い る の で あ る。 だ か ら,横 浜 市 の 公 害 対 策 局 が, 道 路 整 備 の 対 策 を 技 術 的 に対 応 し よ うとす る苦 悩 を理 解 で き る の で あ る。 問 題 は,こ う した 考 え方 を 前 提 に して も,改 め て,環 境 容 量 の 中 で,道 路 構 造 の あ り方 を 考}て い か な け れ ぽ な ら な い 。 そ れ が,市 民 自治 の道 路 行 政 で あ る と考rZ..る。 つ ま り市 民 の環 境 保 全 を優 先 した 道 路 行 政 を 展 開 して い く こ とに あ る。

(4)道 路 交 通 量 の 問 題 点

市 民 に と っ て 騒 音 や 振 動 な らび に大 気 汚 染 問 題 を 考 え る と き,道 路 交 通 量 との 関 係 が ど うな って

交通量(台)

70000

.1111

50000 40000 30000 20000 1000Q d

第3図

■■ 乗用車

高速道路 一 般 国 道 主要地 方道 一 般 県道 指定 市市 道 平 均

乗 用 車 29508 16089 6807 8617 .. 71016

ノミ 工054 477 340 308 248 396

小型 貨物車 17395 10127 4193 4659 sssl 6576

普通 貨物車 13935 5987 1812 2343 1967 3777

〔出 所〕 横 浜 市 公害 対 策 局 編 『自動 車 公害 防 止 関 連 施 策 報 告 書 』 昭 和60年,85ペ ー ジ。

い る か は,き わ め て 重 要 課 題 で あ る 。 普 通 の 市 民 の 常 識 に は,で き る だ け 交 通 量 が 少 な く,騒 音 も 少 な く,大 気 を 汚 さ な い で ほ しい と い う願 望 が あ る 。 当 り前 で あ る 。 現 実 に は,こ う し た 市 民 要 求 を さ ば くた め に は,交 通 量 を 低 く す れ ぽ,こ れ に こ し た こ と は な い 。 と こ ろ が,資 本 主 義 で あ れ, 社 会 主 義 で あ れ,経 済 が 高 度 化 し,資 源 の 合 理 的 配 分 が,活 発 化 す る に つ れ,物 と 人 と サ ー ビ ス の 交 流 が 旺 盛 に な る 。 そ れ だ け で な く,そ れ ら の 流 通 が 活 発 化 す る に と も な っ て,情 報 量 も 豊 富 に な る 。 し た が っ て,現 実 の 問 題 と して は,こ う し た 交 通 流 つ ま り人 流,物 流,情 報 流 の 活 発 化 を 前 提 に した うえ で,人 と 物 と サ ー ビ ス の 交 通 流 を 考 え た い 。 と く に こ の 心 の 交 通 流 も 大 切 に し た い 。

こ こ で は,全 国 道 路 交 通 セ ソ サ ス の 一 般 交 通 量 デ ー タ に 基 づ い て,横 浜 市 に お け る 幹 線 道 路 の 交 通 量 の 実 態 と 特 性 を 検 討 す る 。

前 記 『報 告 書 』 を 整 理 す る と,次 の よ う に な る 。 (1)ま ず 昼 間12時 間 交 通 量 を 全 体 と して み れ ぽ, 134の 道 路 区 間 の 昼 間12時 間(7Nユ9時)交 通 量 の 平 均 値 は 約22,000台 で あ り,他 都 市 と比 較 し て も 交 通 量 は 増 加 して い る 。 高 速 道 路 で は 約62,000台, 一・般 国 道 で は ,約33,000台,一 般 県 道 ・主 要 地 方 道 及 び 指 定 市 市 道 は,一 般 国 道 の2分 の1に 当 る 約14,000台 前 後 の 交 通 横 浜 市 に お け る 車 種 別 交 通 量(昼 間12時間)量 と な っ て い る 。(第

亜 バ ス[コ 普 通 貨物 車3図 参 照)

各 道 路 区 間 の 昼 間12 時 間 交 通 量 の ラ ソ ク別 帯 図 を み る と,横 浜 市 の 自 動 車 交 通 の 流 動 パ

32680タ ー ン は,海 岸 線 と平

行 な 動 き が 多 い 。 こ の21765(%)

1霜  藩聾霜 薩 講:繋 蓬

要 地方道東 京 大 師 横 浜 線),横 羽 線(高 速 横浜 羽 田空港線)等 が あ る か らで あ り,こ う した 路 線 に お け る交 通 量 は

(13)

地域環境政 策の展開 昼 間12時 間30,000台 以 上 で あ る。

こ う した 交 通 量 を 緩 和 す る た め に 湾 岸 道 路 の延 伸 が 具 体 化 しつ つ あ る。 こ こで,2つ の 問 題 点 を 指 摘 した い 。 ユつ は,今 後 情 報 化 社 会 に 向 け て 果

して,従 来 の 様 な 貨 物 輸 送 が 必 要 か ど うか で あ る。

貨 物 の 交 通 量 が 減 少 す れ ば,交 通 量 全 体 は低 下 す る の で は な いか 。 第2に,従 来 の 交 通 量 増 大 → 自 動 車 公 害 増 大 → 道 路 延 伸,拡 幅 の パ タ ー ンで よ い か ど うか で あ る。 第2に,東 京 圏 ,横 浜 圏全 体 の 適 正 な 交 通 量 は どれ だ け か,市 民 の生 活 環 境 を 保 全 して い く う}で,交 通 容 量 を ど の よ うに 保 持 し た ら よ い の か 。 そ の た め の道 路 の 延 伸 を ど う考 え た ら よ い の か 。 こ の点 の環 境 基 準 か らみ た 交 通 量 の あ り方 が 検 討 され,施 策 化 され るべ きで は なか ろ うか 。 た ん な る道 路 延 伸 に よ る排 ガ ス の 緩 和 抑 制 と して の受 け とめ 方 で よい の か 問 題 で あ ろ う。

問 題 は,道 路 延 伸 を 計 画 し,実 施 して も,新 た な 交 通 量 増 大 を もた らす とす れ ぽ,環 境 悪 化 に 通 ず る。 だ か ら当 該 地 域 全 体 の 環 境 容 量 を 踏 え た道 路 計 画 が 実 施 され な け れ ば な らな い。

と こ ろ が,現 実 に 横 浜 市 に お い て は,交 通 混 雑, 大 型 貨物 車 交 通 が 増 加 の一 途 を た ど っ て い る。 前 述 の 『報 告 書 』 に み られ る よ うに,交 通 量 が5万 台 以 上 は,東 名 高 速,首 都 高 速 横 羽 根 線,第3京 浜 の東 京 ・川 崎 方 向 と都 心 を 結 ぶ 各 道 路,そ れ に 都 心 と県 央,県 南 を結 ぶ横 浜 新 道,保 土 ケ谷 バ イ パ ス 等 の 都 市 間 を 連 絡 す る 自動 車 専 用 道 で あ る

。 交 通 量 が3万 台 以 上 の道 路 は 第1京 浜,横 浜 道 路(横 浜横須 賀道路),横 浜 生 田 線,横 須 賀 街 道, 横 浜 伊 勢 原 線,海 岸 線 で あ り,こ れ らは 都 心 及 び そ の 周 辺 の 幹 線 道 路 で あ る。

交 通 量2万 台 以 上 の 道 路 は,国 道357号,幹 線 8号,保 土 ケ谷 宮 元 線 藤 棚 伊 勢 佐 木 線 ,八 王 子 街 道,横 浜 上 麻 生 線,第2京 浜,菊 名 大 曽 根 第

1211号 線 で あ る。

そ の 他 の 路 線 の交 通 量 を 含 め て(指 定 市市道 を除 く)道 路 の昼 間12時 間 交 通 量 を 主 要 都 市 と比 較 す る と,横 浜 市 の道 路 交 通 量 の 平 均 値 は2万4千 台 で あ り,大 阪 市 に 次 ぎ,東 京 区 部 と同 じで あ る。

(第2表)こ れ を 走 行 台 キ ロで み る と,道 路 延 長 の 長 い東 京 区 部 が 最 も多 い 。 次 ぎが 大 阪 市 で あ る。

一一63‑一

第2表 都 市 別 の 昼 間12時 間 交 通 量(昭59)

昼 間12時 間平均交 通量(台)

\ 髄 道路ト般騨 陣 方道

横 浜 市 東 京 都 (特別 区) 川 崎 市 名古屋市l

l 京 都 市 大 阪 市 神 戸 市 福 岡 市

61,893

(4)32ヒ 甥 44,44534,269

(19)(76)

{韓

56,512132,882..

(18),(43)1, 50,50$27,181

2)(38){

15ヒ6男r19,533 (36)

(45) 16,71ユ (ユ88) 8,532 (180) 22,668

Cgs) 6,942

Clss) 7コ994 (82)

14,270i

(69}

18,815;

(318),' 14;825j

1指 定 市 計

1市 道

23,586 (1ユ0) 23,80ユ3 (413)1 19,778

(56)1 20,720

(255)

13,025 (22)

11,233 6)

ユ9,399 C46) ユ2,094

(222)'16,386(14) 31,093;22,221

(159)'(16) 14,497G,495

(179)(30) 11,40924,631

(120)(19) 1 注()は 観 測 地 点 数

咄 所〕 前 掲 書,88ペ ー ジ。

第3表 都 市 別 の 走 行 台 キA(昭59)

\ \

12時 間 走 行 台 キ ロ(台 キ ロ/12h) 横 浜 市

東 京 都 (特別 区) 川 崎 市 名古屋市 京 都 市

大 阪 市1 神 戸 市 福 岡 市

髄 道路搬 圃 肪 道 計 薄竜

1,696 (4) 6,ユ07

(19)

sr

(3)

Ir・

C7) 651 (5) 4,176

<1s) 1,455 C2)

154 (2)

糊 5ヒ1き1

510 (8) 3,342 (60) 2ヒ046

37) 2,917

(43) 2ヒ865

38)

1闘

3,468 (69}

17,406 (318) 1,7891,

(45)1 らり    Cass)

欄1

5,481 (98)1

1ヒ863 82)

9,526 (1.10);

29,328 (413)' 2,9$1' Cis)' 9,623 (255}

6,124", (222)' 12,574

(159)1 6,5011 (179) 3,830 C12a)

940 (22)

117 (6) 1,674

(46) 465 (14) 796

<is) 546 C30) 894 Cls)

注()は 観 測 地 点 数

〔出 所 〕 前 掲 書,88ペ ー ジ。

以 下 名 古 屋 市 の 約2万 台,川 崎 市 の1万9千 台, 神 戸 市 の1万4千 台,京 都 市 の1万2千 台,福 岡 市 の1万1千 台 と な っ て い る(第3表)。

こ う して み る と横 浜 市 に お け る道 路 交 通 量 が い か に 多 い か が 明 らか で あ る。 だ か ら こそ そ の科 学 的 対 策 を 必 要 と して い る の で あ る。

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