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エンジニアリングプラスチック              (エンプラ)

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(1)

エンジニアリングプラスチック

(エンプラ)

目次

1.エンプラの概要

2.エンプラの技術動向

3.応用例(写真にて紹介)

4.今後の展開

安田ポリマーリサーチ研究所

所 長 安 田

武 夫

VT523c 化学工業特論

ーケミカルズが産み出す日本の力

(2015.11.14)

(2)

2

1.エンプラの概要

プラスチックの分類(まとめ)

11

熱可塑性樹脂

熱硬化性樹脂

汎用プラ

エンプラ

汎用エン

プラ

特殊エン

プラ

結晶性

結晶性

結晶性

非晶性

非晶性

非晶性

(3)

エンプラの定義

デュポンの松島によれば、「

エンプラとは、

自動車部品や電気・電子部品、各種機械部

品のような工業用途に使用されるプラスチッ

クであって40MPa以上の引張強さ、100℃

以上の(長期)耐熱性もつもの

」「

耐熱性がさ

らに高く、150℃でも長時間使用できるもの

を特殊エンプラまたはスーパーエンプラとす

」としている。

(4)

エンプラの化学名、略語、主原料

化学名 結晶、非晶 略 語 主原料(モノマー)例 汎用 ポリアミド6 結晶性 PA6 εーカプロラクラム エンプラ ポリアミド66 結晶性 PA66 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸 ポリアセタール 結晶性 POM ホルムアルデヒド(コモノマー) ポリカーボネート 非晶性 PC ビスフェノール-A 変性ポリフェニレンエーテル 非晶性 mPPE 2,6キシレノール ポリブチレンテレフタレート 結晶性 PBT 1,4ブチレングリコール、テレフタル酸ジメチル ポリエチレンテレフタレート 結晶性 PET エチレングリコール、テレフタル酸ジメチル スーパー ポリアリレート 非晶性 PAR テレフタル酸/イソフタル酸、ビスフェノールA エンプラ ポリフェニレンスルフィド 結晶性 PPS パラジクロルベンゼン、硫化アルカリ ポリスルホン 非晶性 PSU ジクロロジフェニルスルホン、ビスフェノールA ポリエーテルスルホン 非晶性 PES ジクロロスルホン、ビスフェノール-S 液晶ポリマー 結晶性 LCP パラヒドロキシ安息香酸 液晶性 液晶構造を有するポリマーの総称 ポリエーテルエーテルケトン 結晶性 PEEK ハロゲン化ベンゾフェノン、ハイドロキノン ポリエーテルイミド 非晶性 PEI 芳香族ビス・エーテル無水物、ジアミン ポリアミドイミド 非晶性 PAI 芳香族トリカルボン酸無水物、ジアミン 熱可塑性ポリイミド 結晶性 TPI 芳香族テトラカルボン酸無水物、ジアミン ふっ素樹脂 結晶性 PF ふっ素原子含有モノマー(テトラフルオロエチレン等)

(5)

5

         汎用エンプラの特徴一覧表(概略)

PP

ABS

P C

PA6

PA66

POM m-PPE PBT 強化PET

軽量性

成形性

成形収縮率

吸水性

×

×

耐煮沸水性

×

×

×

低温特性

強靭性

耐クリープ性

耐溶剤性

×

耐候性

×

×

×

難燃性

×

電気特性

耐摩擦磨耗性

容積コスト

注:◎;特に優れる  ○:優れる  △:余り良好でない  ×:劣る  

(6)

6

         汎用エンプラの特徴一覧表(概略)

PP

ABS

P C

PA6

PA66

POM m-PPE PBT 強化PET

軽量性

成形性

成形収縮率

吸水性

×

×

耐煮沸水性

×

×

×

低温特性

強靭性

耐クリープ性

耐溶剤性

×

耐候性

×

×

×

難燃性

×

電気特性

耐摩擦磨耗性

容積コスト

注:◎;特に優れる  ○:優れる  △:余り良好でない  ×:劣る  

(7)

7

2.プラスチックの開発の歴史、最近の技術及び生産動向

(8)

8

(9)

9

(10)

日本

日本を除くア

ジア

北米

欧州

合計

PC

210

2,000

820

3,030

PA

2)

220

640

1,310

2 ,170

POM

88

492

384

964

PBT

150

330

354

834

mPPE

30

163

152

345

合計

(比率%)

698

(10)

3,625

(49)

3,020

(41)

7,343

(100)

汎用エンプラの世界需要推定(2012)

1)

1)エンプラ市場の分析と用途開発動向 2013(シーエムシー・リサーチ発行) 2)PA6,PA66の合計値

単位:1000トン

(11)

出所 1)エンプラ市場の分析と用途開発動向 2013(シーエムシー・リサーチ発行)

スーパーエンプラの需要量

樹 脂

世界の需要量(2012年)

主消費地

フッ素樹脂

167,000トン

欧米で56%消費

PPS

95,200トン

アジアで71%消費

HTPA(PA6T,46,9T)

92,600トン

アジアで55%消費

LCPA(PA11,12)

64,000トン

欧米で66%消費

LCP

41,600トン

アジアで88%消費

PSU,PES,PEI

34,900トン

欧米で70%消費

PEEK

2,730トン

欧州で79%消費

合  計

 約500,000トン

(12)

ポリカーボネート(PC ) 変性ポリフェニレンエーテル(m- PPE) 社  名 社  名 出光興産㈱ 旭化成ケミカルズ㈱ SABICジャパン合同会社 SABICジャパン合同会社 住化スタイロンポリカーボネート㈱ 三菱エンジニアリングプラスチックス㈱ 帝人㈱ ポリブチレンテレフタ レート(PBT) バイエル マテリアルサイエンス 社  名 三菱エンジニアリングプラスチック㈱ ウィンテックポリマー㈱ ポリアミド(PA) SABICジャパン合同会社 社  名 デュポン 旭化成ケミカルズ㈱ 東洋紡 アルケマ㈱ 東レ 宇部興産㈱ パナソニック㈱ エムスケミー・ジャパン㈱ 三菱エンジニアリングプラスチックス㈱ ソルベイスペシャルティポリマーズ㈱ ランクセス㈱ ダイセル・エボニック㈱ 強化ポリエチレンテレフタ レート(強化PET) DSMエンジニアリングプラスチックス㈱ 社  名 デュポン㈱ ウィンテックポリマー㈱ 東洋紡㈱ ㈱カネカ 東レ㈱ デュポン ビーエーエスエフジャパン㈱ 東洋紡 三井化学 三菱エンジニアリングプラスチックス㈱ 三菱エンジニアリングプラスチックス㈱ ユニチカ ユニチカ ランクセス ポリアセタ ール(POM) 社  名 旭化成ケミカルズ㈱ デュポン㈱ ビーエーエスエフジャパン㈱ ポリプラスチックス㈱ 三菱エンジニアリングプラスチックス㈱

汎用エンプラメーカーリスト

(13)
(14)

14

図  プラスチックの改質の歴史

2000’s

1990’s

バイオマス原料ポリマー

1980’s

SSCによるPO、PSなど ナノアロイ

1970’s

ベースレジン改質剤

(シングルサイト触媒) テーラーメード型材料

1960’s

剛性付与剤(材)

グラフト化剤

ナノコンポジット

1950’s

成形性補助剤(材)

 ガラス(繊維など) ポリマーアロイ

成形による材料制御

ベースポリマー

 滑剤

 無機フィラー

ポリマーブレンド 環境対応プラスチック

安定剤

 離型剤

 有機繊維

 溶融

結晶化剤

 カップリング剤

 加水分解

 核剤

難燃剤

 熱

 結晶化促進剤

衝撃改良剤

 酸素

 結晶化抑制剤

 紫外線

色材

 変色

(15)

15

1-1.新規ポリマ ーの開発

  ①  ポリ オレフィン系ポリ マ ー

  ②  ポリ ス チレン系ポリ マ ー

  ③  ポリ ア ミ ド系ポリ マ ー

  ④  ポリ エ ス テ ル系ポリ マ ー

  ⑤  ポリ ケトン系ポリ マ ー

  ⑥  ポリ イミ ド系ポリ マ ー 

  ⑦  特殊透明性ポリ マ ー

  ⑧  バイオマ ス 原料系ポリ マ ー

1-2.ポリマ ーアロイ( ナノ アロイ) 、ポリマ ーブレンド

1-3.複合化

  ①  ガラス 長繊維強化熱可塑性樹脂

  ②  複合強化熱可塑性樹脂

  ③  ナノコンポジ ッ ト

  ④  成形性改良C FR(T )P

2-1.射出成形

  ①  ガス ア シ ス ト成形法

  ②  ア ウトサート成形法

  ⑤  DSI法、 DRI法

  ⑥  C FI法

  ⑦  M ID法

  ⑧  ホッ トメルトモ ールディング

  ⑨  コンパウンド同時射出成形

2-2.ブロー成形法

  ①  二重壁ブロー成形法

  ②  多次元ブロー成形法

  ①  C AE

  ②  各種二次加工

  ③  リ サイクルな どの環境対応技術

  ④  Rapi d Pr o t o t ypi n g

表 最近の注目すべきプラスチック関連技術

1.材料開発

2.成形加工技術(熱可塑性樹脂)

3.その他の技術

  ③  複数の成形法の組合せ技術(射出圧縮成形法な ど)

  ④  ウェルド強度改良成形技術(SC ORIM 法、 PPW 法、 ヒート& クール法)

(16)

16

1.材料開発関連のトピックス(写真で紹介)

新規高融点ポリアミド フレキシブルPEEK 長繊維強化熱可塑性樹脂 難燃・変性PPE 高融点バイオポリアミド バイオポリカーボネート

(17)

17

新規GFRTP(ガラスクロスにPBT含浸) 金属接着用ポリアミド

熱伝導ポリアミド 無電解めっき対応ポリアミド

(18)

ポリマーアロイ

について

1. 検討の背景

・安価で高性能のポリマー開発が困難

・ユーザーの要求性能の多様化

・目的の材料の開発が比較的迅速

2.ポリマーアロイの目的

① 性能の改良 ② 成形性の改良

③ 経済性

3.

ポリマーアロイの相構造

① 相溶系 ② 非相溶系 ③ 部分相溶系

(19)

4. 得られる特性とその具体例

① 物性の改良

・ 耐衝撃性・・・PA/変性PO、PBT/PC、PPE/HIPS

・ 耐熱性・・・・ABS/PC、PPE/PPS、HIPS/PPE、PP/PA

・ 耐摩擦摩耗性・・・PC/PTFE、PPE/PTFE、POM/PTFE

・ 寸法特性・・・・PA/変性PO、PBT/PC

・ 耐薬品性・・・PC/PBT or PET、PPE/PA

・ 難燃性・・・・PBT/難燃PC、PC/シリコン樹脂

② 成形性の改良

・ 延伸性・・・・PA/特殊PA

・ ブロー成形性・・・・PA/変性PO

その他

(20)

内  容 特  徴 用  途  例 PPEの流動性、耐衝撃性向上 各種OA機器構造部品、電気・電子部品、 PSの耐熱性、難燃性向上 家電部品、自動車部品、機械部品 PPEの流動性、耐薬品性向上 自動車の外板・外装部品:ホイールキャップ、 PAの耐熱変形性向上 フェンダー、電気・電子部品 PPEの流動性、耐薬品性、耐衝撃性向上 PPの耐熱性、寸法特性向上 PCの流動性、耐薬品性、耐衝撃性向上 家電機器、OA機器のハウジング、シャーシ、 ABSの耐熱性、難燃性向上 自動車外板、外装部品など PCの流動性、耐薬品性向上 自動車の外装、外板部品(バンパー、ドア PBTの耐衝撃性、寸法特性向上 ハンドル)、電気・電子部品 PC/PMMA 独特のパール光沢 化粧品蓋、家電などで装飾性が要求される物 PA/変性PO PAの耐衝撃性の向上と低吸湿化、軽量化 自転車部品、スポーツ・レジャー用品など PAの耐衝撃性の向上と低吸湿化、軽量化 PPの耐熱性、耐薬品性向上 PBT/PET 強化PBTの寸法特性(反り)改良 自動車部品、電気・電子部品など PBTの耐衝撃性、寸法特性、めっき性向上 ABSの耐熱性、成形性、耐薬品性の向上

POM/TPU POMの耐衝撃性の向上 自動車部品、家電・OA機器部品など PBT/ABS 自動車部品、電気・電子部品など PPE/PP 自動車部品、食品包装容器、給水・給湯部品、 電動工具ハウジングなど PC/ABS PC/PBT(PET) PA/PP 自動車部品、電気・電子部品など

表 代表的なエンプラ系ポリマーアロイの内容、特徴および用途

PPE/PS PPE/PA

(21)

強化系

複合

材料について

1. 複合化の目的

① 補強効果 ② 寸法安定性

③ 特殊機能の付与 ④ 増量効果

2. フィラーの形状

① 球 状

ガラスビーズ等

② 中空状

ガラスバルーン、シラスバルーン等

③ 粒 状

炭酸カルシウム等

④ 板 状

マイカ、タルク等

⑤ 棒 状

石膏、ウィスカー、ウォラストナイト等

⑥ 繊維状

ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等

(22)
(23)

3.応用例

① 自動車

内装部品

23

アクセルペダル(GF強化PA)

コンビネーションスイッチ(PAR)

3ゾーン独立温調HVAC

ラウドスピーカーグリル(POM)

(24)

24

ホイールキャップ(PC/ABSめっき)

樹脂ウィンドウ(PC)

アクティブグリルシャッター(PP、PA使用)

外装部品

(25)

25

エンジン周辺部品

シリンダーヘッドカバー(GF-PA) エアインテークマニホールド(GF-PA)

キャニスター(PA66) オイルパン(PA)

(26)

26

ラジエータータンク(PA610)

小型コネクタ(PBT)

フューエルフィラーキャップ(PP、PA)

電装部品・各種カーエレクトロニクス部品

電池配線モジュール(PA orPBT)

(27)

27

ECUケース(PBT or PPS)

EV HV用コンデンサ(ハウジングはPPS)

高電圧コネクタ(PA6Tなど)

(28)

28

各種センサ(PBT)

圧力センサ(PPS)

(29)

29

燃料系部品

燃料タンク(PE-EVOH)

クーラントチューブ(PA66-GF)

(30)

30

6. その他

CJVブーツ(TPC)

水ポンプインペラー(PPS)

HV車用モーターコイル(PPS)

ブレーキモジュール(PBT)

エアホーン(PPS)

(31)

31

Electric Vacuum Pump(PA)

HEV用DC-DCコンバーター(PPS?)

EV用バッテリー(m-PPE)

(32)

32

② 電気・電子・OA機器

コネクタ(一般用、PBT)

スイッチ(PBT)

(33)

33

ICソケット(PES、PEIなど)

DCパワーリレー(PPS)

(34)

34

太陽電池用ジャンクションボックスなど(m-PPE)

太陽電池用ライトキャッチャー(PC)

太陽電池関連部品(m-PPE)

(35)

35

レジスター(PBT)

フローセンサ(PPS)

(36)

36

鉄道車両用フィルムコンデンサ(PPS)

燃料電池用ブロアー(エンプラ系材料)

電流センサ(PBT)

電力貯蔵用制御弁式鉛蓄電池(PC/ABS)

(37)

37

③ 各種産業機器

小形モーター(カバーにPCなど)

各種ベアリング(POMなど)

(38)

38

カメラ部品(PC)

スピーカーコーン(PEI)

モータ絶縁成形部品 (各種エンプラ)

プラスチックネジ(各種エンプラ)

(39)

39

④ 容器包装・器具

トレー(m-PPE)

強化PEN(PBT)

(40)

40

ナイロン系多層フィルム(医療用品包装用)

吸い飲み(PC)

(41)

41

⑤ 医療関連用途

バルブ(ふっ素樹脂)

義歯(PEEK)

ネブライザー用薬品トレー(PEN)

チューブ(PA12、TPAE)

(42)

42

医療機器部品(PSU)

非強化PPS製医療器具組立用部品

(43)

43

⑥ その他用途・トピックス

エアポンプ(LCP)

三次元プリンタによるPEIの製品(航空機部品)

(44)

44

フィルム成形品によるスピーカーコーン

PA11繊維を使用したエコタイヤ

(45)

45

PC製ツインウォール

ギター(PC)

歯ブラシの柄(PAR)

(46)

46

工業用ファスナー(PA)

プラスチックカップリング(PBT)

(47)

47

エンプラの今後

・技術展開

1)エンプラ系新規ポリマーの開発は余り望めない。しかし、

ユーザーニーズに応じた材料、例えば高熱伝導性材料、無

電解めっき用材料・ CF等の強化グレードの展開

2)成形技術、加飾技術などの二次加工技術により、新たな

製品開発の展開

3)バイオ由来のポリマー・強化材などの開発

4)スーパーエンプラの特性を活かした展開

5)汎用プラスチックのエンプラ用途への展開

・生産・市場展開

日本・欧米のエンプラメーカーは最大のエンプラの市場であ

るアジア地区での生産を開始・増強している。これに中国、

韓国今、アセアン、中東などの新規メーカーも加わり、激し

い販売競争を展開

(48)

48

ご清聴有難う御座いました。

参照

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