Ⅱ.経営方針・経営計画
〈1〉2015 年度 大阪ガスグループ経営計画
(平成 27 年 3 月 11 日発表)
1.2015 年度の重点課題
2015 年度は、環境変化に対応しつつ、2014 年 3 月に発表した中期計画“Catalyze
Our Dreams”を着実に進め、電力、海外エネルギー、材料ソリューション等、今後
の成長が期待できる領域の事業をさらに拡大していきます。また、電力・ガスシス
テム改革に対する準備に着実に取り組むとともに、ガス・電力等のエネルギーにガ
ス機器や様々なサービスを組み合わせてお客さまにご提供する「総合エネルギー事
業」への進化を目指します。
※なお、2016 年度からの全面自由化にあわせた電力小売事業の拡大に向け、本日、
「特定規模電気事業開始届出書」を経済産業省資源エネルギー庁に届け出ており
ます。
2.収支計画
2015 年度は、連結の売上高は 1 兆 3,685 億円、営業利益は 1,135 億円、経常利
益は 1,100 億円、当期純利益は 735 億円を計画しています。
グループ連結 大阪ガス個別 2014 年度 見込み(億円) 2015 年度 計画(億円) 増減率 (%) 2014 年度 見込み(億円) 2015 年度 計画(億円) 増減率 (%) 売上高 15,35513,685
▲10.9 12,54510,645
▲15.1 営業利益 1,0301,135
+10.2 800740
▲7.5 経常利益 1,0301,100
+6.8 870840
▲3.4 当期純利益 715735
+2.8 690630
▲8.7 SVA 380409
--- 454389
---ROA 4.1%4.0%
--- 5.2%4.4%
---ROE 8.6%8.3%
--- 11.4%9.7%
---2015 年度の前提:原油価格(全日本CIF価格) 年間平均 65 ドル 為替レート 120 円 〔2014 年度の見込み:原油価格(全日本CIF価格) 55 ドル 為替レート 120 円〕(※) ※平成27 年 3 月単月3.ガス販売量・販売電力量計画
2015 年度は、大阪ガス個別のガス販売量で 8,427 百万m
3(2014 年度
(見込み)比
1.8%増)
、販売電力量で 8,242 百万 kWh(2014 年度
(見込み)比 2.4%減)を計画して
います。
【ガス販売量(大阪ガス個別)】 45MJ/㎥換算 家 庭 用 2,202 百万㎥ (▲0.3%) 商・公・医 用 1,446 百万㎥ (▲0.4%) 工 業 用 4,280 百万㎥ (+3.2%) 他ガス事業者向け 498 百万㎥ (+5.4%) ガ ス 販 売 量 合 計 8,427 百万㎥ (+1.8%) お客さま数(年度末) 7,217 千件 (+0.5%) (連結) ガス販売量 8,459 百万㎥ (+1.8%) 【販売電力量】 合計 8,242 百万 kWh(▲2.4%) ( )内は 2014 年度見込みからの増減率4.投資計画
2015 年度は、連結では 2,020 億円の投資を計画しています。
なお、大阪ガス個別の設備投資は、566 億円の計画です。
投資額 既存事業 品質向上投資 540 億円 エネルギー事業 国内 175 億円 海外 730 億円 ライフ&ビジネス ソリューション事業 575 億円 新規事業 拡大投資 1,480 億円 投 資 額 合 計 2,020 億円 (参考:上記のうち)大阪ガス個別での設備投資 566 億円5.2015~2019 年度 供給計画
(1)ガス需要見通し
2015 年度以降は、家庭用におけるエネファームの拡販や、業務用における天然
ガスコージェネレーションなど分散型エネルギーシステムの普及および燃料転換、
姫路・岡山ライン沿線の需要開発などを見込み、2019 年度のガス販売量は 8,906 百
万㎥となる計画です。この間の 5 年間の年平均伸び率は 1.5%です。
(単位:百万m3、m3/月、%) 2014 年度 (26 年度) (実績見込) 2015 年度 (27 年度) 2016 年度 (28 年度) 2017 年度 (29 年度) 2018 年度 (30 年度) 2019 年度 (31 年度) 14~19年度 年平均 伸び率 家 庭 用 +0.5 2,209 -0.3 2,202 -0.5 2,192 -0.5 2,181 -0.3 2,173 -0.4 2,165 -0.4 業 務 用 計 -4.4 5,599 +2.3 5,727 +2.4 5,861 +3.1 6,046 +1.0 6,106 +0.6 6,140 +1.9 商 業 用 -4.6 849 -0.4 845 +0.6 851 -0.2 849 -0.3 847 -0.2 845 -0.1 工 業 用 -4.2 4,147 +3.2 4,280 +2.9 4,406 +4.2 4,592 +1.4 4,656 +0.8 4,694 +2.5 公用・医療用 -5.3 604 -0.5 601 +0.6 605 -0.2 604 -0.3 603 -0.2 601 -0.1 小 計 -3.1 7,808 +1.5 7,928 +1.6 8,053 +2.2 8,226 +0.6 8,279 +0.3 8,306 +1.2 他ガス事業者 へ の 供 給 +0.7 473 +5.4 498 +17.7 586 +1.8 597 +0.3 598 +0.3 600 +4.9 合 計 -2.8 8,281 +1.8 8,427 +2.5 8,640 +2.1 8,823 +0.6 8,878 +0.3 8,906 +1.5 家 庭 用 1 戸 当たり販売量 +0.0 31.3 -0.7 31.1 -0.5 30.9 -0.5 30.8 -0.3 30.7 -0.3 30.6 -0.5 (注)各欄の左肩は対前年伸び率(%)。販売量は 45MJ/m3で表示しており、届出値(46MJ/m3)と異 なります。各区分で四捨五入しています。なお、当社の供給区域内における新設工事件数は、以下のように年間約 10 万件か
ら 11 万件の水準で推移すると見込んでおります。
年度末のお客さま数(取付メーター数)は、2019 年度には約 738 万件となる見込
みです。
(単位:千件) 2014 年度 (26 年度) (実績見込) 2015 年度 (27 年度) 2016 年度 (28 年度) 2017 年度 (29 年度) 2018 年度 (30 年度) 2019 年度 (31 年度) 14~19 年度 年平均 伸び率 新設工事件数 +5.6 108 -6.0 101 +0.4 102 -2.6 99 -2.1 97 -1.3 96 -2.4 お客さま数 (年度末) +0.7 7,185 +0.5 7,217 +0.6 7,259 +0.6 7,300 +0.5 7,340 +0.5 7,380 +0.5 (注)左肩は対前年伸び率(%)(2)原料消費計画
需要の増加により、2019 年度には、LNGの消費量は 738 万t、LPGの消費量
は 28 万tとなる計画です。安定的な供給を確保するため、今後もLNGおよびLP
Gの確実な調達に努めます。
(単位:千t) 2014 年度 (26 年度) (実績見込) 2015 年度 (27 年度) 2016 年度 (28 年度) 2017 年度 (29 年度) 2018 年度 (30 年度) 2019 年度 (31 年度) LNG消費量 6,905 7,056 7,068 7,291 7,325 7,376 LPG消費量 165 154 238 227 244 277(3)設備投資計画
将来の需要増に対応した製造能力の増強や導管網の整備、保安・安定供給のための
供給設備の入替、地震・津波等の災害を想定した製造・供給設備での対策工事などへ
の投資を中心に、2015 年度から 2019 年度の累計設備投資額は、2,463 億円となる計
画です。
*金額は各区分で切捨て表示 (単位:億円) 2014 年度 (平成26 年度) (実績見込) 2015 年度 (27 年度) 2016 年度 (28 年度) 2017 年度 (29 年度) 2018 年度 (30 年度) 2019 年度 (31 年度) 15~19 年度 合計 製造設備 66 150 79 53 45 62 390 供給設備 334 350 344 380 383 398 1,856 業務設備 51 54 42 32 34 34 198 附帯事業設備 6 11 1 1 1 1 17 合計 459 566 467 467 464 496 2,463 【主要製造設備計画】 設備名 容量 設置場所 設置年度 LNG貯蔵設備 23 万 kl 泉北製造所第一工場 2015 年度(予定) LNG気化器 150t/h ×2 基 姫路製造所 2016 年度(予定) 2017 年度(予定) 150t/h 泉北製造所第一工場 2019 年度(予定) 【主要導管計画】 路線名 総延長 区間 開通年度 相生ライン 約 3km 兵庫県相生市 2015 年度(予定) 第2東部ライン 約 11km 大阪府泉大津市~四条畷市 2019 年度(予定)※
2015 年度大阪ガスグループ 経営計画の詳細は、次ページ以降をご覧ください。
以 上2015年度
⼤阪ガスグループ経営計画
2015年3⽉11⽇
⼤阪ガス株式会社
電⼒・ガス市場の全⾯⾃由化を成⻑の機会ととらえ、
エネルギー事業の拡⼤をめざして積極的に対応していきます。
そのために、業務フローやITシステム、組織体制の整備を進めていきます。
ガスシステム改⾰の議論を踏まえ、
導管事業の中⽴性向上に向けた取り組みを進めていきます。
託送検討・情報開⽰に関する社内外の窓⼝⼀本化を⽬的に、
「託送受付センター」・「託送情報センター」を設置します。(2015年4⽉1⽇)
継続的・包括的な託送供給制度の改善を⽬的に、「託送制度検討会」を設置し、
託送依頼者様とコミュニケーションを図りながら、
運⽤の⾒直しや同時同量制度の検討などを進めます。(2015年4⽉中)
託送料⾦の透明性向上を⽬的に、「託送収⽀の公表様式の追加」を実施します。
(2015年度実績分から)
託送料⾦の低減を⽬的に、託送原価に含まれる気化コストを早期に控除できる
簡易な仕組みを要望するとともに、原価⾒直し等の準備を進めます。
電⼒・ガスシステム改⾰への対応
※
⾏政にも、適宜、参画いただくことを検討
泉北天然ガス発電所
電⼒
太陽光発電
⾃由化範囲の拡⼤にあわせ、
2016年度より電⼒⼩売事業を拡⼤していきます。
ガス(都市ガス・LPG)・電⼒等エネルギーに、
ガス機器、様々なサービスを組み合わせて
お客さまのニーズにお応えし、
「総合エネルギー事業」としてのさらなる進化をめざしていきます。
エネルギー(ガス・電⼒)販売ビジネス
バス
リビング
キッチン
都市ガス
LPG
→
給湯機とビルトインコンロの
安⼼保証サービス
ホームエネルギー
マネジメントシステム
電気
安⼼の
ホームセキュリティサービス
ガス
熱
エネルギーにおいて重要とされる「3E+S
※
」の実現に向け、
分散型エネルギーシステム(エネファーム、コージェネレーション)や、
ガス冷暖房の普及を促進していきます。
機器・設備のさらなる⾼効率化、⼩型化、低価格化や、
⽤途拡⼤に向けた
技術開発を進めていきます。
⽔素製造装置の開発や⽔素ステーションの設置・運営等を通じ、
⽔素社会の黎明期を技術、インフラの両⾯から⽀えていきます。
分散型エネルギーシステム
エネファーム
コージェネレーション
ガス冷暖房
⽔素ステーション
北⼤阪⽔素ステーション
(2015年4⽉開所)に加え、
1カ所の新設を予定
※安定供給 経済効率性の向上 環境への適合 安全性
2015年度販売計画
1.2万台
2015年度開発計画
4.5万kW
2015年度開発計画
60万kW
北⼤阪
⽔素ステーション
(⼤阪府茨⽊市)発電ビジネス 広域エネルギービジネス
LNG⽕⼒発電、⽯炭⽕⼒発電、電源コージェネレーション、
再⽣可能エネルギー発電等、
新たな電源の取得に向けた活動を、
パートナーと連携して全国的に進めていきます。
2016年1⽉より、広島ガスさまへのLNG卸販売を開始します。
引き続き、
姫路・岡⼭ラインやLNG船等を活⽤した需要開発を
進めていきます。
ひびきLNG⽕⼒発電
宇部⽯炭⽕⼒発電
中⼭名古屋共同発電
姫路・岡⼭ライン
⽯炭⽕⼒発電(11万kW)を
増設中
沿線の都市ガス需要開発を推進
2016年1⽉より広島ガスさま向け
LNG卸販売を開始
電源開発さま、宇部興産さまと
⽯炭⽕⼒発電所の新設を検討
⻄部ガスさまと
LNG⽕⼒発電所の新設を検討
調達先の分散や契約価格指標の多様化、
天然ガス液化・開発のプロジェクトへの参画等を通じて、
安定的かつ経済的な天然ガス調達を進めていきます。
参画済みの
フリーポート液化プロジェクト(アメリカ)や
ゴーゴンLNGプロジェクト、イクシスLNGプロジェクト(オーストラリア)、
パプアニューギニア⻄部・ガス・コンデンセート⽥開発等を進める
とともに、
新たな権益の取得も検討していきます。
天然ガス調達 アップストリームビジネス
天然ガス調達
フリーポート
液化プロジェクト
ゴーゴン
LNGプロジェクト
液化設備の建設、
原料ガス等の調達を推進
2015年度内の⽣産開始に向け、
⼯事を着実に推進
安定的かつ効率的な
LNG輸送を実現
提供:Freeport LNG Development, L.P.都市ガスの安全⾼度化と安定供給のため、ガス製造・供給設備の運転、
維持管理に万全を期すとともに、
設備の更新・増強を進めていきます。
阪神⼤震災、東⽇本⼤震災以降、進めてきた地震・津波対策により、
2015年度末には南海トラフ地震・レベル1津波からの復旧⽇数2週間を
めざします。
都市ガス製造・供給基盤の強化
設備の更新・増強
地震・津波対策の推進
製造所における
⾃家発電設備の強化
沿岸防災ブロックの
⼯事完了と運⽤開始
泉北製造所第⼀⼯場
5号タンクの完成
ガス安全⾼度化計画に基づく
要対策ねずみ鋳鉄管、
経年埋設内管対策の完了
地上式LNGタンクとして 世界最⼤級(容量23万m3)経済成⻑の続く
東南アジア、北⽶を中⼼に、
ガス販売、エネルギーサービス、発電、LNG基地等、
幅広い領域での事業参画を検討していきます。
東南アジアについては、シンガポール・タイに加え、活動国を拡⼤し、
新たな拠点の設置を検討していきます。
海外ダウンストリームビジネス
国内事業で培った
エンジニアリング⼒を活⽤
(タイ)
テナスカ・ゲートパワー
⽕⼒発電所
オーロラ
太陽光発電所
北⽶
発電事業を中⼼に、
新規案件参画を検討するとともに、
参画済み案件を安定的に運営
東南アジア
これまで取り組んできた
ガス販売、エネルギーサービスに加え
発電、LNG基地等、
幅広い事業への参画を検討
(主な参画済み案件)
それぞれの事業領域において、
成⻑に向けた挑戦や体質の強化に取り組んでいきます。
ライフ&ビジネス ソリューション事業
⼤阪ガスケミカル、
⽇本エンバイロケミカルズの統合による
事業運営の効率化
(材料ソリューション)
クラウドサービス事業の拡⼤
(情報ソリューション)
ヘルスケアサービス等、
新業態への参画(フィットネス)
優良資産の取得による事業拡⼤
(都市開発)
賃貸マンション
アーバネックスみなと元町
(神⼾市)
オージス総研
東京第2データセンター
映像配信サービスを
活⽤した
バーチャルフィットネス
ファイン材料を中⼼とした
次世代商品開発の加速
(材料ソリューション)
社会の少⼦⾼齢化、事業の国際化に対応していくためには、
⼈材のダイバーシティを⾼めることが必要不可⽋です。
その⼀環として、
⼤阪ガスグループにおいて⼥性が活躍できる環境の整備を
進めていきます。
⼤阪ガスグループでは、柔軟かつ効率的な働き⽅を実現することで、
育児・介護等のライフイベントが就労の制約にならない環境を整えていきます。
ダイバーシティ推進
⼥性社員を対象とした
メンター制度の導⼊や、
キャリアデザイン研修の実施
ウェブ会議の積極活⽤や、
育児中の従業員を対象とした
在宅勤務制度の検討
社会との関わりの中で⼤阪ガスグループが果たすべき責務を意識し、
事業活動を進めていきます。
CSR活動
お取引先さまも含めた
バリューチェーン全体でのCSR推進
海外事業の拡⼤にあわせた
グローバルコンプライアンスの推進
社会的課題解決への関与
⾃治体・NPOと連携した
国際基準(GRI-G4)に対応した
取り組み・情報開⽰
⼤阪ガスグループ
CSRレポート
国連グローバル・コンパクトに参加
(2007年6⽉より)
CSR憲章・企業⾏動基準
(英語版)
元ホームレスの⼈たちを
運営管理者とする
シェアサイクル事業
“HUB chari”への協⼒
収⽀計画
原油価格と為替レートの変動による経常利益への感度
グループ連結
⼤阪ガス個別
2014年度⾒込
(億円)
2015年度計画
(億円)
増減率
(%)
2014年度⾒込
(億円)
2015年度計画
(億円)
増減率
(%)
売上⾼
15,355
13,685
▲10.9
12,545
10,645
▲15.1
営業利益
1,030
1,135
+10.2
800
740
▲7.5
経常利益
1,030
1,100
+6.8
870
840
▲3.4
当期純利益
715
735
+2.8
690
630
▲8.7
@ROA
4.1%
4.0%
---
5.2%
4.4%
---ROE
8.6%
8.3%
---
11.4%
9.7%
---原油価格1ドル/バレル
±8億円
為替レート1円/ドル
±8億円
前提:原油価格(JCC)平均65ドル/バレル、為替レート120円/ドル
ガス・電⼒販売計画
2014年度
⾒込
2015年度
計画
増減率
(%)
連結ガス販売量
83.1
84.6
+1.8
家庭⽤(個別)
22.1
22.0
▲0.3
商・公・医⽤(個別)
14.5
14.5
▲0.4
⼯業⽤(個別)
41.5
42.8
+3.2
他エネルギー事業者向け等
5.0
5.3
+5.4
お客さま数(個別)
718
722
+0.5
国内販売電⼒量
84.4
82.4
▲2.4
(単位:万⼾)
(単位:億kWh)
(単位:億m3)
投資計画
2014年度
⾒込
2015年度
計画
増減率
(%)
既存事業品質向上投資
441
540
+22.4
新規事業拡⼤投資
910
1,480
+62.6
エネルギー事業
国内
220
175
▲20.5
海外
525
730
+39.0
ライフ&ビジネス ソリューション事業
165
575
+248.5
投資額合計
1,351
2,020
+49.5
(単位:億円)
以上
「⾒通し」に関する注意事項
本資料には、将来の業績に関する⾒通し、計画、戦略などが含まれており、これらは現在⼊⼿可能な情報から得られた
当社グループの判断に基づいております。
実際の業績は、さまざまな重要な要素により、これらの⾒通しとは⼤きく異なる 結果となりうることをご承知おきください。
実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、⽇本経済の動向、急激な為替相場・原油価格の変動並びに天候の異変等が
あります。
〈2〉経営効率化目標の進捗状況について
(平成 27 年 4 月 27 日発表)
平成27年1月に小口ガス料金等の改定を実施し、新たな経営効率化目標を設定いたしま した。平成27年3月末の進捗状況は、以下のとおりです。(1)生産性の向上
サービス水準の向上、安定供給および保安の確保に向けた人材の採用・育成に取り組 みながら、ITの活用や業務改善によるスマートワークの推進等による要員効率化を図 ります。 大阪ガス社員数(出向含む)は、平成25年度末実績6,735人から、平成28年 度末には6,135人となる見通しです。 【進捗状況】 人材育成における技能伝承等に配慮しつつ、ITを活用した効率化などスマートワークを推 進した結果、平成26年度末の大阪ガス社員数(出向含む)は、6,523人となりました。(2)ガス事業基盤の強化(設備投資)
ガス事業関連の設備投資は、泉北製造所第1工場5号タンク建設や将来の需要増に対 応した姫路製造所の製造能力の強化、高圧幹線の整備等の次世代を見据えた維持管理に より、製造・供給基盤の強靭化を進めます。それとともに、新規顧客に対応する需要本 支管・供給管の敷設といった導管網の拡充などにより、平成26年度から平成30年度 の累計設備投資額を2,620億円として計画しています。これらの設備投資の実施に あたっては、工期や仕様の見直し、競争購買のさらなる推進等のコストダウンに従来よ りも一層強化・継続して取り組んでいくことで、効率的な設備投資を進めていきます。 【進捗状況】 設備投資においては、一括発注や競争購買の促進等によるコストダウン等により、平成26 年度の設備投資額(附帯事業除く)は、458億円となりました。 <附帯事業を除く設備投資額> (単位:億円) H25 (13) H26 (14) H27 (15) H28 (16) H29 (17) H30 (18) H26~H30 累計 年平均 経営効率化目標 609 549 561 577 464 467 2,620 524 実績 584 458 (555) (466) (465) (462) 2,409 481 ※金額は切り捨て表示、カッコ内は平成 27 年度供給計画における設備投資額(3)サービス水準の向上と安定供給および保安の確保
<サービス水準の向上> ○ご家庭のお客さまに ・エネファームの高効率化・小型化・低価格化の実現や、エコウィル、エコジョーズ、 床暖房、浴室暖房乾燥機、ミストサウナ、ガラストップコンロなどの先進的な機器・ システムの提供により、ガスによるお客さまの環境性・安全性・経済性に優れた快適 な暮らしの実現に貢献します。 ・ガスをお使いいただくにあたり、お客さまにさらにご満足いただけるよう、お客さま の声に基づく業務改善を推進し、サービス水準の一層の向上に努めます。 -電話受付、ガスの開栓、ガス機器修理、定期保安巡回などのサービスについては、ご 利用いただいたお客さまの満足度(*)87%以上を維持し、さらなる向上を目指し ます。 * お客さまの満足度とは、当社のアンケート調査による「非常に良かった」「良かった」の評 価を頂いた比率。87%以上であれば、お客さまの満足を充分に得られているものと考え ています。 -当社ガス機器の修理については、蓄積データの活用による機器故障予測を行う等によ り、お申し込み日から翌日までの完了率90%以上を維持し、さらなる向上を目指し ます。 【進捗状況】 環境に優しく、経済性・安全性に優れ、快適・便利な暮らしを実現できる先進的な機器、シ ステムの普及拡大に努めています。またエネルギーセキュリティの観点からも、天然ガスや分 散型エネルギーシステムへの期待が高まっている現状を踏まえ、お客さまのニーズにお応えす るため以下のようなサービスの充実に努めています。 -従来機から大幅な価格低減を実現した新型「エネファーム」および「エネファームタイ プS」を発売(平成26年4月)、エネファームの累計販売台数は3万台を突破(平成2 6年9月) -太陽光発電システムや「エネファーム」「エコウィル」を組み合わせた「ダブル発電」、 ご家庭のエネルギーの見える化を実現する「エネルックPLUS」などの提案を強化 -お客さまの利便性向上に向け、スマートフォンでの操作や多彩なグリル料理が可能なマ ルチグリルを搭載し、お手入れ性の更なる向上などを実現したスマートコンロを発売(平 成26年9月) ガス機器の安心保証サービス「らく得保証」では、従来の給湯器に加え、平成25年10月 よりビルトインコンロを保証対象とし、ご加入者は前年から約13万件増の約31万件(平成 27年3月末)となりました。 ガスの開栓、ガス機器修理、定期保安巡回などにおいては、お客さまからの声をくみ上げて 広く担当者に共有し、業務対応の改善に努めました。また電話受付においては、混雑時間帯の 受付体制を増強しました。これらの取り組みの結果、平成26年度のお客さまの満足度は91. 0%に向上いたしました。修理受付時における故障状態の正確な把握や、過去データの蓄積と分析に基づく故障部位の 早期特定スキルの向上等に努めたことにより、お申し込み日から翌日までの修理完了率は平成 26年度99.0%となりました。 【参考1】エネファームの累計販売台数の推移 エネファームの累計販売台数の推移 1,089 2,814 6,007 0 4,000 8,000 12,000 16,000 20,000 H21年度末 H22年度末 H23年度末 (台) 12,119 年度末 H24 H25年度末 23,000 24,000 28,000 32,000 37,021 年度末 H26
○業務用・産業用のお客さまに ・高効率・低NOxリジェネバーナー、高効率ガス空調、コージェネレーションシステ ム、高効率ガス厨房機器、天然ガス自動車等の、省CO2・省エネルギー性に優れたシ ステムのご利用を通じて、環境負荷を軽減していきます。 ・分散型エネルギーシステムによる新たなエネルギーベストミックスの実現やエネルギ ーセキュリティの向上、ガス空調による電気需要の平準化や、ファイナンスやIT技 術を活用した工場やビル全体のエネルギーマネジメント、さらには高効率な火力発電 所で発電した電力の販売や太陽光発電の普及など、お客さまのご要望に沿ったエネル ギーソリューションを提案していきます。 ・先進的な機器・システムの開発およびご提案を行うことにより、ガスを快適にお使い いただきやすくしていきます。 【進捗状況】 ガスコージェネレーションシステムについては、工場・病院・大学などの重要施設における 災害時の事業継続ニーズに対し非常時の電源確保手段としてお応えするとともに、電力ピーク カットに貢献し排熱利用により一層高いエネルギー効率を実現するため、普及拡大に努めてい ます。また、大型の電源コージェネの導入を進めることにより系統電力の安定化に貢献してお ります。 ガス冷暖房については、消費電力の抑制等を目的に学校や病院に加え、物販店等のシリーズ オーナーでの導入が進んでいます。 ICTを活用したエネルギーマネジメントサービスについては、「エネフレックス」「もっと save」等の普及拡大を通じお客さまの利便性・経済性の向上に貢献しています。 また、排熱回収効率を高めた「リジェネバーナー」、効果的な排気と断熱による涼しい厨房を 実現する業務用厨房機器「涼厨(すずちゅう)」、NOxなど大気汚染物質やCO2 の排出量削 減を実現する天然ガス自動車等のガス機器システムの普及に努めています。 さらに、太陽光発電設備導入スキームを活用した水上太陽光発電事業(小野市中島町前ノ池) の開始や、太陽光発電とバイオガスコージェネによる発電事業など、再生可能エネルギーの普 及に取り組み、エネルギーセキュリティの向上と環境負荷の低減に貢献しております。 <安定供給の確保> ・環境性に優れた天然ガスを安定してお届けするため、調達先の多様化をはじめ、製造 所における自家発電設備の強化や建屋の水密化、高圧導管における沿岸防災ブロック 構築等による防災水準の高度化など、強靭な天然ガスバリューチェーンの構築に努め ます。 【進捗状況】 当社は、従来からの、ブルネイ、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、カタール、 オマーン、ロシアに加え、平成24年度より、シェルグループ子会社と複数供給源からLNG を調達するポートフォリオ契約からもLNGを調達しており、平成26年度からはパプアニュ
ーギニアからのLNG調達を開始しました。さらに、北米産シェールガス等の非在来型ガスを 含めた調達先の拡充・多様化に向け取り組んでおります。 安全確保対策においては、地震対策の点検や津波影響の評価を実施し、津波によるガス供給 停止範囲を極小化するための沿岸防災ブロックの形成を進めるとともに、二次災害防止に向け 製造所内の重要建物の水密化などの対策を進めております。 <保安の確保> ・保安の確保は、ガス事業者の最大の社会的責任であり、事業運営の前提であると認識 しております。今後も、お客さまに安心してガスをお使いいただくために、ガス製造、 供給およびお客さま先の保安水準の維持・向上に努めます。 -LNG船や製造所、高圧導管などの当社基幹設備において、人身事故や大規模供給停 止事故などの重大事故ゼロを継続します。 -経年ガス導管を計画的に改修し、耐震性や耐食性に優れた導管の導入を進めていきま す。また、腐食のおそれのあるお客さま先の古い埋設ガス管について、積極的に改修 の提案活動を進めていきます。 -お客さまの安全を第一に考え、ガス機器の製品安全対策を一層強化させるため、ガス 設備点検時のお客さま設備点検・周知活動の自主的な強化、警報器等の普及促進、非 安全型機器の取替促進、安心・安全機能を追求したガス機器の開発・普及等に取り組 んでいきます。 -万一のガス漏れ等の緊急時に備えた24時間の磐石の出動体制を構築し、保安の確保 に努めていきます。 【進捗状況】 万全の監視体制の確保、計画的な維持管理工事の推進等により、LNG輸送・当社基幹設備 (製造、高圧ガス導管等)における重大事故(人身事故および大規模供給停止事故)はゼロを 継続しています。 経年ガス導管はこれまでも計画的に改修を実施していますが、「ねずみ鋳鉄要対策経年導管」 の改修計画完了時期を、平成32年度から平成27年度に前倒しで取り組んでいます。平成2 6年度においても耐震性や耐食性に優れたポリエチレン管(PE管)へ計画的に改修しました。 また、お客さま先の古い埋設ガス管については、積極的に改修の提案活動を実施し、お客さ まのご協力を得ながら確実に改修を行いました。 お客さま先の設備を定期的に点検させていただくとともに、不良給排気設備の改善や、金網 ストーブ、特定FE式湯沸器(※)等の取替促進に努め、お客さまとの様々な接点機会におい てガス警報器や火災警報器の設置提案を行っています。 加えて、天ぷら油過熱防止装置、立消え安全装置、消し忘れ消火機能を全てのバーナーに搭 載した「Siセンサーコンロ」の普及促進に努めています。 更に、業務用厨房等での一酸化炭素中毒事故の防止を目指し、業務機会等を通じたガス機器 ご使用時の換気励行の周知活動を行うとともに、業務用ガス厨房機器をお使いのお客さまを対
象として業務用換気警報器(COセンサ)を無償で貸し出しています。
万一のガス漏れ等の緊急時には、本社中央司令室と各地域の緊急保安チームが緊密な連携を とり、サービスエリア内の47箇所の保安基地から迅速に出動できる体制を整備しています。
【参考2】主な地震対策 主な地震対策 現状 ① 報 収 集 機 能 の強化 圧力無線監視装置の導入 ・全エリアに設置(459 ヶ所) 地震計の設置 ・全エリアに設置(258 ヶ所) 地震被害予測システムの導入 ・中央保安指令部(本社・京都サブセンター)と 全5地区に導入 ② 給 停 止 シ ス テムの構築 供給ブロックの細分化 ・ミドルブロック(85)とリトルブロック(157) に細分化 供給遮断装置の導入 ・全エリアに設置 -遠隔遮断装置 2,360 ヶ所 -感震自動遮断装置 3,004 ヶ所 ③その他 PE 管の普及促進 ・新設低圧管には原則全数採用 ・PE 管延長 約 14,600km マイコンメーターの普及促進 ・(家庭用)設置完了 ・業務用を含めた全体の普及率は約 99% 重要オンラインのバックアップ ・KRP バックアップセンターの開設 【参考3】特定FE式湯沸器の改善状況
(4)省エネルギー・環境保全への取り組み
・省エネルギー活動の推進や資源の有効活用などを通じて、大阪ガスグループの事業活 動での環境負荷を軽減するとともに、高効率な家庭用燃料電池・コージェネ・GHP の開発や、電力のデマンドレスポンス技術などの強化、さらに燃料電池自動車向け水 素ステーション用の水素発生装置の開発・導入など、大阪ガスグループの製品・サー ビスによる環境負荷の軽減に努めます。また、環境保全に貢献する技術・システムの 開発・普及などを通じて、地域や国内外における環境改善へも積極的に貢献していき ます。 ・なお、これらの取り組みについては、「CSRレポート」で毎年公表します。 H26 年度末の改善状況 (対 H21 年度末) 削減数 ▲9,293 台 削減率 ▲95% 特定FE式湯沸器の残存台数 の推移 9,760 1,541 669 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 H21年度末 H22年度末 H23年度末 (台) 602 年度末 H24 H25年度末 558 467 年度末 H26【進捗状況】 環境に優しい天然ガスの普及拡大や、燃料電池等高効率分散型システム、エネルギーマネジ メントシステム、太陽光発電(ダブル発電)などの普及により環境改善への貢献に努めており ます。 また、省エネ型LNG船の建造、製造所でのLNG冷熱の利用拡大(冷熱発電や近隣工場で の利用など)、ガス機器から導管、ガスメーターに至る3R(リデュース、リユース、リサイク ル)の徹底、非常時対策と両立した低炭素化など先駆的なオフィスの省エネ化、メガソーラー・ 風力発電など再生可能エネルギーの利用などに取り組み、環境負荷軽減に努めています。 更には、スマートエネルギーハウス、小型バイオガス化システム、太陽熱利用などの環境負 荷低減に資する技術の開発と、スマートエネルギーネットワークなど培った技術の具体化も推 進しています。 これらの取り組みについては、平成27年7月発行予定のCSRレポート等で公表いたし ます。