報告 レディーミクストコンクリート工場の製造・運搬・品質管理における スランプ管理の実態とスランプ低下の傾向に関する調査
湯本 哲也*1・中田 善久*2・斉藤 丈士*3・大塚 秀三*4
要旨:レディーミクストコンクリート工場のスランプ管理の実態を把握する目的で,レディーミクストコンク リート工場の管理記録より各段階のスランプまたは目視スランプの整合の関係,呼び強度
16
~42
のレディーミ クストコンクリートおよび調合管理強度47.5N/mm2の高強度コンクリートの運搬記録から各種施工条件の違い による運搬時間,待ち時間および打込み時間の傾向について調査し,また,運搬記録および品質記録から荷卸 し地点における各種施工条件の違いによる目視スランプとの関係を調査し,スランプロスの傾向を明らかにし たものである。キーワード:レディーミクストコンクリート,目視スランプ,スランプロス,品質管理,運搬記録 1. はじめに
レディーミクストコンクリート工場(以下,生コン工 場という。)では安定した品質のレディーミクストコン クリート(以下,生コンという。)を製造・納入するた めに製造工程の各段階において様々な管理を行っており,
記録がとられているが,生コン使用者の受入検査で何か あったケースについて製品検査記録や工程管理記録が確 認される程度で,これらの記録が詳細に分析されること は少ない。ましてこれらのデータを連携して整理し分析 した例は極めて稀である。そこで筆者らは生コンの製 造・運搬・品質管理に関わる様々な傾向を明らかにする ために,生コン工場の品質記録の整理・分析を行ってお り,これまでに運搬記録における目視によるスランプの 記録を生コンの自主管理に適用できる可能性1)を示した。
本報告では,生コンのスランプ管理の実態を把握するた めに,製造記録,工程管理記録および運搬記録から各段 階におけるスランプまたはスランプ推定値の整合および 建設現場における各種施工条件がスランプの低下に及ぼ す影響について調査した結果を述べる。また,運搬記録 を元に建設現場の各種施工条件の違いによる生コンの運 搬時間,待ち時間および打込み時間の傾向についても述 べる。
2. 生コン工場の管理記録 2.1 工程管理記録
工程管理記録は,生コン工場で製造する生コンの製造 工程管理のために行う試験で,JIS Q 1011に「スランプ は,全バッチについて目視などによる確認を行い,かつ
JIS A 1101
による場合には,1
回以上/午前,1
回以上/午後測定を行う。」とされており,この全バッチについて 目視による確認は,生コン工場の製造係りが製造記録と して記録しているものである。
この製造記録とは,生コンの計量・練混ぜ・積込み作 業において生コンの製造係りが生コンの計量,練混ぜお よび積込み作業終了時に記録するもので,その内容は,
車番,発時間,数量又バッチ毎に目視によるスランプ,
容積,ワーカビリティーチェックなどである。
次に,
JIS A 1101
による試験は,生コン工場においてトラックアジテータから採取した試料により技術係りが
JIS A 1101
により測定したスランプ(cm)を記録したものである。
2.2 運搬記録
運搬記録は,生コン工場の自主管理に用いるもので,
生コン車の運転手が記録している。この内容は,生コン の容積,生コンの呼び強度,生コンの呼び名におけるス ランプ(以下,呼びスランプと称する。),製造地点およ び荷卸し地点における目視スランプ,場内運搬方法,使用 箇所,生コン工場から現場までの距離(以下,輸送距離 という。),生コン工場から現場に到着するまでに要した 時間(以下,輸送時間という。),現場での待ち時間(以 下,待ち時間という。)および打込み時間などである。な お,運搬時間と打込み時間の概要を図-1に示す。
2.3 製品検査記録
製品検査記録は,生コン工場で製造する生コンの荷卸 し地点における製品検査のために行う試験で,荷卸し地 点においてトラックアジテータから試料を採取し技術係 りが
JIS A 1101
により測定したスランプ(cm) (以後,実 測スランプという。)などを記録したものである。*1
(株)和田砂利商会 (正会員)*2
日本大学理工学部建築学科 教授 博士(工学) (正会員)*3
日本大学生物資源科学部生物環境工学科 准教授 博士(工学) (正会員)
*4
ものつくり大学技能工芸学部建設学科 准教授 博士(工学) (正会員)コンクリート工学年次論文集,Vol.37,No.1,2015
3. 製造・運 3.1 調査概 平成
26
年 して呼び強 理強度47.5N 製品検査記 ついて製造 目視スラン3.2 調査結 (1) 製造地 製造地点 係りによる 転手による スランプと 未満で四捨五 練上りの ロスを考慮
1cm,夏期は
視スランプ 結果となっ 実測スラ いたコンク 図-20 30 60 90 120 150
-1
頻度(台)
運搬時の各段階 概要
7
月1
日~10
月 度16~42,高N/mm
2の3,750デ 記録における実記録による目 プという。)
結果
地点におけるス における呼び 目視スランプ 目視スランプの
各目視スラン 五入をして集計 スランプは,
慮して荷卸しの は
2cm
を割りの呼びスラン た。
ンプと呼びス リートで平均 2 製造地点に
0 1 2 3 呼びスラ 製造係りによる目
A 高
階におけるスラ
31
日までの普 強度コンクリ データについ 実測スランプの視などによる について整理を
スランプの試験 スランプと実 およびトラッ の差を図-2に ンプの差につい
計した。
工程管理規定 の目標スランプ
増しており,
プとの差は,
ランプの差は
1.6cm,高性能
における呼びス3 4 5 6 ランプとの差(cm)
目視スランプ E減水剤 高性能AE減水剤
ランプの整合
通コンクリー ートとして調 て工程管理お のある
327
デー スランプ(以 を行った。験または推定結 測スランプ,
クアジテータ に示す。なお、
いては、-0.5以上
定においてスラ プに対し標準 製造係りによ 概ねこれに準
は,
AE
減水剤 能AE
減水剤を図-1 練混ぜ
スランプと実測
0 30 60 90 120 150
-1
頻度(台)
ートと 調合管 および タに 以下,
結果 製造 の運 呼び 上0.5
ンプ 期は る目 準ずる
剤を用 を用
いた プの が実 一 は,
測ス クリ た。
剤を 性能 より 性能 水率 たコ 影響 水剤 ラン ある な のい に
A
合で ぜから打込み終測スランプ,製
0 1 2 3 呼びスラ 実測スラン AE減 高性
たコンクリート の場合に若干で 実測スランプは 一方,運転手に
AE
減水剤をスランプとほぼ リートが平均
1
この結果は,
を用いたコンク 能
AE
減水剤を りも小さい場合 能AE
減水剤を 率が高く単位水 コンクリートよ 響していると考 剤を用いたコン ンプが実際のス ると考えられる なお,実測スラ いずれも,呼びAE
減水剤を用い で大きな差は見終了までの流れ
製造係りおよび
4 5 6 ンプとの差(cm) ンプ
減水剤 性能AE減水剤
トで平均
2.4cm
ではあるが高性 は大きくなる傾 による目視スラ を用いたコンクぼ同等,高性能
1.4cm
で実測ス 運転手による クリートでは実 を用いたコンク 合が多いことを を用いたコンク 水量が小さくな よりも粘性が高 考えられる。し ンクリートは,スランプよりも る。
ランプおよび運 びスランプとの いた場合と高性 見られなかった
れ
び運転手による
0 30 60 90 120 150
-1
頻度(台)
m
となり,同じ 性能AE
減水剤 傾向を示した。ランプと呼びス リートが平均 能
AE
減水剤を スランプよりも る目視スランプ 実測スランプに クリートでは実 を示している。クリートは化学 なるため
AE
減 高まる傾向にあ したがって,高 粘性の影響に も小さく推定さ運転手による目 の差の最大値お 性能
AE
減水剤 た。る目視スランプ
0 1 2 呼びスラ 運転手による目 A 高
じ呼びスラン 剤を用いた方
スランプの差 均
1.8cm
で実 を用いたコン も小さくなっ プはAE
減水 に近いが,高 実測スランプ これは,高 学混和剤の減 減水剤を用い ある 2)ことが 高性能AE
減 により目視ス される傾向に目視スランプ および最小値 剤を用いた場
プの差
3 4 5 6 ランプとの差(cm)
視スランプ E減水剤 高性能AE減水剤
(2) 荷卸し地点におけるスランプの試験または推定結果 荷卸し地点における呼びスランプと実測スランプおよ びトラックアジテータの運転手による目視スランプの差 を図-3に示す。
荷卸し地点における実測スランプと呼びスランプの差 の平均値は,
AE
減水剤と高性能AE
減水剤で0.4cm
,0.6cm
と呼びスランプと実測スランプの差の最大値と最少値の範囲をみると,どちらも呼びスランプよりも大き い結果となった。これは荷卸し地点において呼びスラン プを下回らないように目標スランプを設定しているため によるものと考えられる。次に,運転手による目視スラ ンプと呼びスランプの差の平均値は,AE 減水剤と高性 能
AE
減水剤ともにほぼ呼びスランプ近傍になったが,目視スランプと呼びスランプの差の最大値および最少値
は大きい結果となった。
次に,荷卸し地点における実測スランプと運転手によ る目視スランプの差を図-4に示す。
荷卸し地点における実測スランプと目視スランプの差 の平均値,最大値および最少値は,
AE
減水剤および高 性能AE
減水剤どちらの場合においてもほぼ同じような 値であった。4. 各種施工条件の違いによる輸送時間,待ち時間および 打込み時間の傾向
生コンの練混ぜから打込み終了までの時間は,レディ ーミクストコンクリート納入書の納入時刻の着時間と発 時間との差によるとされているが,
JASS5:2009
の6
節に は「工場は,7節に定められた練混ぜから打込み終了ま 図-3 荷卸し地点における実測スランプ,呼びスランプおよび運転手による目視スランプとの関係
図-4 荷卸し地点における実測スラ ンプと目視スランプとの関係
図-5 輸送距離と場内運搬方法の違いによる輸送時間,待ち時間および打込み時間の関係
図-6 運搬時間と場内運搬方法の違いによる輸送時間,待ち時間および打込み時間の関係
0 30 60 90 120 150
-3 -2 -1 0 1 2 3 4
頻度(台)
呼びスランプとの差(cm) AE減水剤 高性能AE減水剤 実測
0 30 60 90 120 150
-3 -2 -1 0 1 2 3 4
頻度(台)
呼びスランプとの差(cm) AE減水剤 高性能AE減水剤
0 30 60 90 120 150
-3 -2 -1 0 1 2 3 4
頻度(台)
目視スランプとの差(cm) AE減水剤 高性能AE減水剤
0 10 20 30 40 50 60 70
2以下 4以下 6以下 8以下 10以下10超え
輸送時間(分)
輸送距離(km) シュート打ち ポンプ打ち
0 10 20 30 40 50 60 70
2以下 4以下 6以下 8以下 10以下 10超え
待ち時間(分)
輸送距離(km) シュート打ち ポンプ打ち
0 10 20 30 40 50 60 70
2以下 4以下 6以下 8以下 10以下 10超え
打込み時間(分)
輸送距離(km) シュート打ち ポンプ打ち
0 10 20 30 40 50 60 70
15以下 30以下 45以下 60以下 75以下 90以下 90超え
輸送時間(分)
運搬時間(輸送時間+待ち時間)(分) シュート打ち
ポンプ打ち
0 10 20 30 40 50 60 70
15以下 30以下 45以下 60以下 75以下 90以下 90超え
待ち時間(分)
運搬時間(輸送時間+待ち時間)(分) シュート打ち
ポンプ打ち
0 10 20 30 40 50 60 70
15以下 30以下 45以下 60以下 75以下 90以下 90超え
打込み時間(分)
運搬時間(輸送時間+待ち時間)(分) シュート打ち
ポンプ打ち 運転手
での時間の限度内にコンクリートを打ち込めるように運 搬できる距離にあることとする。」と規定されているこ となどから,運搬時間は生コン工場と建設現場との距離 で判断されているが,運搬時間には生コン工場から建設 現場まで輸送する時間と建設現場に到着してから荷卸し 地点に着けるまで現場付近および現場内で待っている待 機する時間があり,現場まで輸送する時間は交通事情等 により変動し,現場で待機する時間も施工条件等により 変化する。この現場まで輸送する時間は距離と一定の相 関関係は推察できるが,現場で待機する時間との関係に ついて不明な点があり,これを明らかにすることで運搬 時間予測の精度向上にもつながり施工時のコンクリート の品質確保にもなると考えられる。
4.1 調査概要
平成26年7月1日~10月31日までの普通コンクリートと して呼び強度16~42,高強度コンクリートとして調合管 理強度
47.5N/mm
2の3,750
データについて生コン工場の運 搬記録における場内運搬方法および使用箇所の違いに分 類しJISにおける運搬時間を輸送時間と待ち時間とし,打 込み時間について整理を行った。4.2 調査結果
(1) 場内運搬方法の違いによる輸送時間,待ち時間お よび打込み時間の関係
輸送距離と場内運搬方法の違いによる輸送時間,待ち 時間および打込み時間の関係を図-5に,運搬時間と場内
運搬方法の違いによる輸送時間,待ち時間および打込み 時間の関係を図-6に示す。
場内運搬方法の違いによる輸送距離と輸送時間,待ち 時間および打込み時間を比べると,どちらも輸送距離が 長くなると長くなる傾向を示したが,輸送距離が長くな っても待ち時間に大きな変化は無かった。また,打込み 時間については,輸送距離が短い
4km
以下の現場数が少な かったために大きな値になったが,それ以降ではポンプ 打ちに比べシュート打ちの方が打込みに掛かる時間は短 くなる傾向を示し,打込み時間の平均はシュート打ち,ポンプ打ちで
10.0
分,15.3
分であった。次に,場内運搬方法の違いによる運搬時間と輸送時間,
待ち時間および打込み時間を比べると,運搬時間が長く なると輸送時間は比例して長くなる傾向を示したが,待 ち時間は運搬時間が長くなるとより長くなる傾向を示し た。これは,運搬時間が輸送時間よりも待ち時間の影響 をより大きく受けていると考えられる。打込み時間は運 搬時間が長くなっても大きな変化は無かった。
(2) 輸送距離と使用箇所の違いによる輸送時間,待ち時 間および打込み時間の関係
輸送距離と使用箇所の違いによる輸送時間,待ち時間 および打込み時間の関係を図-7に,輸送距離と使用箇所 の違いによる輸送時間,待ち時間および打込み時間の関 係を図-8示す。
使用箇所の違いによる輸送距離と輸送時間,待ち時間 および打込み時間を比べると,輸送時間は輸送距離が長 図-7 輸送距離と使用箇所の違いによる輸送時間,待ち時間および打込み時間の関係
図-8 運搬時間と使用箇所の違いによる輸送時間,待ち時間および打込み時間の関係
0 10 20 30 40 50 60 70
2以下 4以下 6以下 8以下 10以下 10超え
輸送時間(分)
輸送距離(km) 躯体 基礎 杭
0 10 20 30 40 50 60 70
2以下 4以下 6以下 8以下 10以下 10超え
待ち時間(分)
輸送距離(km) 躯体 基礎 杭
0 10 20 30 40 50 60 70
2以下 4以下 6以下 8以下 10以下10超え
打込み時間(分)
輸送距離(km) 躯体 基礎 杭
0 10 20 30 40 50 60 70
15以下 30以下 45以下 60以下 75以下 90以下 90超え
輸送時間(分)
運搬時間(輸送時間+待ち時間)(分) 躯体
基礎 杭
0 10 20 30 40 50 60 70
15以下 30以下 45以下 60以下 75以下 90以下90超え
待ち時間(分)
運搬時間(輸送時間+待ち時間)(分) 躯体
基礎 杭
0 10 20 30 40 50 60 70
15以下 30以下 45以下 60以下 75以下 90以下 90超え
打込み時間(分)
運搬時間(輸送時間+待ち時間)(分) 躯体
基礎 杭
くなると比例して長くなる傾向を示すが,待ち時間およ び打込み時間は,輸送距離が変わっても大きな変化は無 かった。使用箇所の違いを比べると,躯体および基礎は 同じような傾向を示したが,杭の場合は,待ち時間およ び打込み時間において若干ではあるが距輸送離が長くな ると待ち時間および打込み時間が長くなっていた。次に,
運搬時間と使用箇所の違いによる輸送時間,待ち時間お よび打込み時間を比べると,運搬時間が長くなると輸送 時間は長くなるが運搬時間が
90
分を超えると若干短くな った。また,待ち時間は,運搬時間が長くなるとより長 くなる傾向を示した。これは,運搬時間が輸送時間より も待ち時間の影響をより大きく受けているためと考えら れる。打込み時間は,躯体および基礎は同じような傾向 を示し運搬時間が長くなっても大きな違いはなかったが,躯体および基礎に比べると杭の打込み時間は短い結果と なった。
5. 各種施工条件の違いによるスランプ低下の傾向 5.1 調査概要
平成
26
年7
月1
日~10
月31
日までの普通コンクリートと して呼び強度16~42,高強度コンクリートとして調合管 理強度47.5N/mm2の3,750データについて生コン工場の運 搬記録における荷卸し地点と積込地点の運転手による目 視スランプの差(以下,スランプロスという。)について整理を行った。なお,分類後のデータ数が
10
未満のも のは除外した。5.2 調査結果
運搬時間の違い,場内運搬方法の違い,使用箇所の違 いおよび化学混和剤の種類の違いにより区分したスラン プロスを集計した結果を図-9に示す。なお,ここでは,
スランプロスの傾向として,スランプロスの平均値およ び範囲について検討している。
場内運搬方法の違いによるスランプロスを
AE
減水剤 と高性能AE減水剤で比較すると,AE減水剤を用いた生コ
ンのスランプロスの最小値は,運搬時間30分を超えた辺 りで大きくなっており高性能AE
減水剤を用いた生コン より早い時間帯からスランプロスの範囲が大きくなった。一方,スランプロスの平均値は,AE減水剤および高性能
AE減水剤を用いた生コンのどちらも場内運搬方法の違
いよりも運搬時間が長くなると大きくなる傾向を示した。ただし,場内運搬方法の違いによるスランプロスの傾向 の違いは明確ではなかった。
次に,使用箇所の違いによるスランプロスをAE減水剤 と高性能
AE
減水剤で比較すると,AE
減水剤を用いた生コ ンのスランプロスの最小値は,運搬時間45分を超えた辺 りで大きくなっており,こちらも高性能AE
減水剤を用い た生コンより早い時間帯からスランプロスの範囲が大き 平均値最小値 最大値
スランプロス(cm)
運搬時間(運搬時間+待ち時間)(分) ● シュート打ち ○ ポンプ打ち 0
15以下 30以下 45以下 60以下 75以下 90以下 90超え 2
-2
-4
-6 -8
AE減水剤
平均値 最小値 最大値
スランプロス(cm)
運搬時間(運搬時間+待ち時間)(分) ● シュート打ち ○ ポンプ打ち 0
15以下 30以下 45以下 60以下 75以下 90以下 90超え 2
-2
-4
-6 -8
高性能AE減水剤
スランプロス(cm)
運搬時間(運搬時間+待ち時間)(分) 0
15以下 30以下 45以下60以下75以下90以下 90超え 2
-2
-4
-6
-8
● 躯体 ○ 基礎 □ 杭 AE減水剤
平均値 最小値 最大値
スランプロス(cm)
運搬時間(運搬時間+待ち時間)(分) 0
15以下 30以下 45以下 60以下 75以下 90以下 90超え 2
-2
-4
-6
-8
● 躯体 ○ 基礎 □ 杭 高性能 AE減水剤
平均値 最小値 最大値
図-9 運搬時間の違い,場内運搬の違い,使用箇所の違いおよび化学混和剤の種類違いによるスランプロス
くなった。一方,スランプロスの平均値は,場内運搬方 法の違いと同様にAE減水剤および高性能AE減水剤を用 いた生コンのどちらも使用箇所の違いよりも運搬時間が 長くなると大きくなる傾向を示した。ただし,使用箇所 の違いによるスランプロスの傾向の違いは明確ではなか った。
以上より,場内運搬方法および使用箇所の違いよりも,
使用する化学混和剤の種類および運搬時間の方がスラン プロスに及ぼす影響は大きいと考えられる。
6. まとめ
生コンのスランプ管理の実態を把握するために,製造 記録,工程管理記録および運搬記録から各段階における スランプまたはスランプ推定値の整合および建設現場 における各種施工条件がスランプの低下に及ぼす影響 について,また,運搬記録を元に建設現場の各種施工条 件の違いによる生コンの運搬時間,待ち時間および打込 み時間の傾向について調査を行った結果,次のようにま とめられる。
(1)
製造係りの目視スランプおよび運転手の目視スラ ンプと実測スランプを比較すると製造係りの目視 スランプのばらつきが大きい結果となった。(2)
荷卸し地点の実測スランプは,目標スランプより大 きめにばらつく傾向にあった。(3)
運搬時間が長くなると輸送時間は長くなるが,待ち 時間はより長くなる傾向を示し,打込み時間は長く ならなかった。(4)
輸送距離が長くなると輸送時間は長くなるが,待ち 時間および打込み時間は長くならなかった。(5)
打込み時間は,場内運搬方法がシュート打ちおよび 使用箇所が杭の場合に短い結果となった。(6)
荷卸し地点におけるスランプロスは,AE減水剤およ
び高性能AE減水剤ともに運搬時間が長くなると大 きくなる傾向を示した。今後は,荷卸しにおけるスランプの精度向上や輸送効 率の向上を目指して本調査により得られた結果をレデ ィーミクストコンクリート工場の業務にフィードバッ クするとともに,運搬記録の改良ならびに目視スランプ の活用を検討していく予定である。
参考文献
1)
湯本哲也ほか:レディーミクストコンクリートの運 搬記録に目視スランプを導入した自主管理の試み,コンクリート工学年次大会論文集,