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いじめ被害経験後の認知に関する研究-いじめ被害経験後認知尺度による検討-

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Academic year: 2021

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(1)いじめ被害経験後の認知と適応に関する研究 一いじめ被害経験後認知尺度を用いた検討一                  学校教育学専攻                 臨床心理学コース                      M08064C.                     永浦 拡          【問題と目的】. 女性160名,不明3名)を分析対象とした.  いじめ被害経験が被害経験者に及ぼす長期的な影響と. 調査内容:①いじめ被害加害,目撃の経験,②いじめ. して,自尊しの低下,抑うつ感,対人場面での過敏き,. 被害経験後認知尺度(仮),③JPTCI日本版外傷後認知. 消極的傾向などが指摘されている(Sc脇ret吐,2004;. 尺度(長江ら,2004),④IES−R改訂出来事インパクト. 坂西,1995;香取,1999)。いじめには限らないが,否. 尺度(飛鳥井,1999)。. 定的な出来事により体験者の思考・信念が変容する例が. 2.結果と考察. 指摘され,それが外傷的反応の悪化を伴うことが検証さ.  いじめ被害経験後認知尺度の因子構造を検討するため,. れている(Eh1ers&C㎞k,2000)。いじめも否定的な出. 主因子法,プロマックス回転による因子分析を繰り返し,. 来事,外傷体験となりうることから,いじめ被害経験が. 最終的に,いじめ被害経験後認知尺度として4因子39項. 被害経験者の後の認知に影響を及ぼし,それがいじめ被 害経験の長期的影響をもたらす要因のひとつになってい ることが考えられる。.  そこで本研究では,いじめ被害経験者における経験後 の認知がいじめ被害経験の長期的影響に何らかの影響を. 及ぼしているという仮説に基づいて,①いじめ被害経験. 目が抽出された(Tab1e1)。    不出。1いじめ被害握壊後霞知尺度切因子分析詰果{主因手法岬。而・■回転〕 昨251.      資間項日        I  而  皿  皿一 I−T 一いし伽二立ち向かう意置回=.朋 M邊 いi二めがなくなればいい。. .o1. ’岨4 もういじ肪をしないでほしい’. 一.oo. ^32 い肋を肺して1まし、叶ない0 ^35 仲間はすれは↓、けない二とだ。. 一.07. 州 いじめ1まやめるぺき胤. j3 一.04.   .oo    、珊   、朋    、70.   .01   .帥   一.10   .冊   一.04   .01   一.13   .02. ^38 自分1ま人宕いじめないようにしたい。 ^4 いじめ1まいやなもω1ミある。. 一.06 一.13.   一刀τ    .01. ^蝸 いじめ書起=さないよう.=呼び由・けたい,. 一川. ^四 人1こ対して優しくあリたい古. 一.21.   ,oo   .6里   』5    .5τ. ^20 いし肪崔する人間が好きではなL、。 ^52 螢くなリた」、o. ,26.   一.oo    .50. 一、‘冊.   .11   ,3丁. 皿 世の申^ω不信。!、舶. 後の認知を測定する尺度を作成し,その信頼性と妥当性. ^24世の中1ま裏い=とばかりである,.   .01   .丁3. 州3世ω中1ま冷たい。.   ..m    .09. ^41世切申は■者ばかりだ。. を検討すること,およびいじめ被害経験と認知との関連.   一、22   .02   .01   .τ1   .14    .丁1   .10    、冊. 畑5世⑰中1ま私⑦=とをわかってくれなt、.. ^20他人は信じられない。 ^40 世ω申は散増ら■十で畠る.. について検討すること,②開発された尺度を受けて,い じめ被害経験後の認知といじめのマイナス面・プラス面 (坂酉,1995;香取,1999)両方の長期的影響との関連 について検討すること,の2つを目的とする。    【予備調査いじめ被害経験後認知の抽出】.  国立大学の学生50名を対象とし,いじめを受けてから の考えやつぶやきについて,自由記述により回答を求め. た。その後,得られた回答についてKJ法による分類を 行ったうえで不適切な項目に削除・修正を加えた52項目 を,いじめ被害経験後認知尺度(仮)として選定した。.    【研究Iいじめ被害経験後認知尺度の作成】. ^10難毛助けてくれない..   20   .o目. 他3■境岩す^て査えたい。.   .’1    .縣. ^15世ω中1ま怖い. 〃1ものすごく悔しい。.   .05   .51   .30   .49. 皿世Φ申へΦ不条邊胆.82 ^”世の申I=.ま弛い者と弱い者がいる。 舳。世ω中1ま国い人1=とっては困難なものである、 ^13世血中1ま皇別1=着ちている。 ^2フ世ω中1ま不公平である..   .20   .61   .02   .舵. ^的世。中からいじ洲まなくならない。.   .o呈   .仙.   ・、01   .50   一.00    .01. 舳世ω申は戦いである。 ^o 世ゆ中1ま病んでいる..   一.03    ,50   一.蜆    .40. ^11世①中1:ば人⑦気持ちをわからない人が争い,.   一.04   .百4. 〃1いじめられる人1=も弱さがある。 ^; 世の申は争数派のものである。.   .33   、珊   .19   .43. π白剤:閲する否定 o=.睨. 11局1. ^1 もう消えてしまいたい’ ^8 いじめを受1+た自分1=も問1日点がおった。 ^一 生きるωがいやだ。. … いじめを受けた=とで、今でも自分妄責めている。 ^14 自分は鶉かヨたからいじめを受けた。 ^帖 自分Oヲライドは照信うい1=いる。 ^12 私は弱い。. ^鍋私は新カで流吉れる人間だ。 寄与宰㈹〕. 躯一〇0   13,40   4、駆    ’.加. 国子間相麗. i    呵    皿    π. 1 皿. 皿. π. .03    一 一.03    ,57    一 .08     .OO     .44     ■. 1.方法.  Cmbachのα係数より,各下位因子において十分な内. 対象=国立A大学,B大学の大学生,大学院生390名の. 的整合性が確認されたまた,JPTCI,IES−Rとの下位. うち,過去のいじめ被害を報告した251名(男性88名,. 尺度間との相関分析の結果,rいじめに立ち向かう意識」. 144一.

(2) を除く3下位尺度に,弱∼中程度の妥当性があることが.           【総合考察】. 示唆された。.  本研究で作成されたいじめ被害経験後認知尺度は,十.  さらに,いじめ被害経験頻度の違いによって,認知に. 分な信頼性と中程度の妥当性が確認された。本尺度は,. 差があるかについて検討したところ,r世の中への不信」. いじめ被害により傷ついた子ども(あるいは,過去にい. 「世の中への不条理」において,被害高群が被害低群と比. じめ被害を経験した者)の認知的特性の査定,さらには,. 較して有意に高かった(Tab1e2)。. いじめ被害経験者に対する「こころに重大な傷つきをも.     T,b』2 し、じ^b被害纏I実頼I董と[、1二’bi表書i書I業後艘匿芸口とO06目連. たらす出来事があった後の心身の状態についての心理教. 被害高群〔中211〕   被害恒濤(nオO〕. 育(植山,2008)」や,トラウマティック・ストレスの観. M    SD     M    SD し、じめI=立ち向カ、う意識   03.τ0. 13.75. 65,69     7.26     ,893    n.5..  世の中への不信   39.50. 11,56. 34.32    11,18    −2.6τ2  高}個. 9,63. 4τ.74     8.39    −2,909   高〉但E. 9.85. 20,01     8.51    −1、’’7   n.!.. 世ω中への不条理   52.05  自己1二開する否定   30.20. 点からみたいじめ防止プログラム(冨永・冨永,2009). などの,心理教育への適用など,教育現場における活用 が期待される。本尺度の項目を参考に教育することで,.   【研究皿いじめの長期的影響と認知との関連】. いじめ被害を受けた子どもの自己理解を促し,さらには,. rいじめは絶対に許されないことである」という,いじ. 1I方法. 対象:国立A大学の大学生,大学院生138名のうち,過. め予防に繋がるメッセージ(東京都立教育研究所,1996). 去のいじめ被害を報告した82名幌性26名,女性54. をより強く,子どもたちに伝えることが可能となるので. 名,不明2名)を分析対象とした。. はないだろうか。. 調査内容1①いじめ被害,加害,目撃の経験,②いじめ.  さらに,いじめによるマイナスの影響を低くし,プラ. 被害経験後認知尺度(研究I),③いじめの影響尺度(香. スの影響を高めるには,いじめ被害を受けた子どもへの. 取,1999)。. ケアとして,認知的側面へのアプローチの必要性が示唆. 2、結果と考察. された。否定的な認知を修正することは,いじめによる.  重回帰分析の結果,rいじめに立ち向かう意識」がr他者. マイナスの影響の持続,すなわち,不適応状態への長期. 尊重」r他者評価への過敏」に有意な正の影響,r世の中へ. 化を予防することに繋がると考えられる。今後は,認知. の不信」が「精神的強さ」に有意な負の影響を示していた. 的側面へのアプローチの効果についても検討を重ねる必. (Tab1e3)。分析の結果より,いじめによるマイナスの影. 要性がある。. 響を低くし,プラスの影響を高めるには,①「世の中へ.  しかし,本研究では大学生・大学院生のみを対象とし. の不信」r世の中への不条理」r自己に関する否定」とい. ており,そのサンプルサイズも不十分である。今後,さ. った世の中・他者,あるいは自分自身に対する否定的な. らに対象を広げ,再度検討する必要がある。. 考えを修正し,②rいじめに立ち向かう意識」を持つこ.  また,本尺度は統計的処理の段階で,回復に繋がる認. とが重要であることが示唆された。. 知に関する項目が削除された。さらに,いじめ被害経験 者がどのようなプロセスで過去のいじめ経験を克服し,.  τoblo3いじめω長期的影響を従風変数とする量回帰分析の結果(ステップワイズ法〕.  的              瞬。へω      港践選    他者章量  同調傾向       晴神的強さ 不適応                 過敏          への艦警. 回復に繋がっていくのかについては検討されていない。. 今後は,回復に関与すると考えられる項目および因子構. いじめ’二j≡ち’両カ、う. .550榊’.  意携 世の中への不信. 一一262柿. 世の中への不集理. .300榊. 自己1:関する否定. .285‡. .蝸7榊^. .308材. .292軸. .222‡. 造について再度検討し,尺度の見直しを行ったうえで,. 一.499神‡. いじめ被害経験からの回復に寄与する要因について明ら. 一.254}. かにするため,さらに研究を深めていく必要がある。.              主任指導教員 冨永 良喜. R2       ,499^}‡   .387‡軸   .095ヰヰ   .371’ヰ“   .249ヰヰ‘   .O04}. 榊}ρく.O01、榊ρく.Oi.‡ρく.05.              指導教員   冨永 良喜. βは種業。回螂俣麗. 1ま決定傍動をそれぞれ歴す. 145.

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