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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 獣 医 学 ) 村 本 裕 紀 子

      Studies for the Control of Influenza:

Genetic and Pathobiological Analyses of Highly Pathogenic Avian  H5Nl Viruses Currently Circulating in Asia and Mechanism of       Viral Genome Incorporation into Influenza A Virions

    

( イ ン フ ル エ ン ザ 制 圧 の た め の 基 礎 研 究 : アジアで流行している高病原性鳥H5Nl ウイルスの遺伝子と

    

病 原 性 な ら びに ウ イ ル ス 粒 子 形成 機 構 の 解析 )

学位論文内容の要旨

    2003年 以 降 、 ア ジ ア で は 高病 原性H5Nl鳥イ ン フル エン ザウ イル スが 家禽 や野 鳥 で大流行し 、ヒトにも感染している。その流行が世界的に広がりつっあり、鳥インフルエ ンザウイル スによるパンデミックが危惧されている。本研究では、インフルエンザを制御 す る こ と を 最 終 目 的 と し て 、 様 々 な 観 点 か ら イ ン フ ル エ ン ザ の 研 究 を 行 っ た 。     は じめ に、H5Nl鳥 イン フル エン ザ犠 牲者 が最 も多 く報 告されているべトナムで流 行している ウイルスの性状を調べるため、カモとニワ卜りから分離されたH5Nlウイルスの へマグルチ ニンなちびにノイラミニダーゼ遺伝子の系統解析を行ったところ、それらは遺 伝子系統的 に3グループに分類できるこ とがわかった。

    統 いて、それらウイルスの病原性をマウスに実験感 染させて解析した。その結果、

家禽の間で 哺乳宿主に致死的な感染をおこすウイルスがべ卜ナムの家禽に維持されている ことがわか った。

    さ らに 、高 病原 性 鳥イ ンフ ルエ ンザ ウイ ルス に感 染し たニワ卜りでは多くの臓器 で重度の出 血が認められることから、高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染したニワ トりに血液 凝固異常が引き起こされるかどうかを調べた。その結果、高病原性鳥インフル エンザウイ ルスに感染したニワトりでは、血管内皮細胞や単核球の機能不全により血液凝 固 機 構 が 異 常 亢 進 し 、 欠 乏 性 の 血 液 凝 固 不 全 が 起 こ る こ と が 示 さ れ た 。     最 後に 、8分 節に 分か れたA型イ ンフ ルエ ンザ ウイ ルス の遺伝子分節の粒子への取 り込み機構 をりバースジェネティクス法により解析した。その結果、ウイルス粒子への遺 伝子分節の 取り込みにおいて遺伝子分節によって重要性が異なること、また、ウイルス粒 子のアセン ブリ過程では遺伝子分節が何からのメカニズムで会合することが示唆された。

    こ れ ら 、 現 在 流 行 中 のH5Nlウ イル スの 性状 解 析、 高病 原性H5Nl鳥イ ンフ ルエ ン

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ザウイルス の家禽への病原性解析、ならびに新規抗ウイルス薬ターゲットとなりうるイン フルエンザ ウイルスの遺伝子分節の取り込み機構の解析は、現在我々が直面している新型 インフルエ ンザウイルスによるパンデミックに備えるための重要な知見となることが期待 される。

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学位論文審査の要旨

      Studies for the Control of Influenza:

Genetic and Pathobiological Analyses of Highly Pathogenic Avian  H5Nl Viruses Currently Circulating in Asia and Mechanism of          Viral Genome Incorporation into Influenza A Virions      .

    

( イ ン フ ル エ ン ザ 制 圧 の た め の 基 礎 研 究 : アジアで流行している高病原性鳥H5N1 ウイルスの遺伝子と

    

病 原 性 な ら び に ウイ ル ス粒 子 形成 機 構の 解析 )

  2003年以降、アジア各地でインフルエンザAくH5Nl)ウイルスによる高病原性烏インフルエンザ が発生して大流行し、野鳥さらにはヒ卜にもウイルスが伝播し、新型ウイルスとしてヒトにパン デミックを起こすことまで危惧されている。本研究は、動物とヒ卜のインフルエンザの制圧を目 指し、インフルエンザAウイルスの遺伝子、病原性ならびに粒子形成機構を解析したものである。

  はじめに、H5Nlウイルス感染による犠牲者が最も多いぺ卜ナムでアヒルとニワトりから分離さ れたH5N1ウイルス9株のへマグルチニンならびにノイラミニダーゼ遺伝子の塩基配列を決定し、

進化系統解析に供した。その結果、ペ卜ナムの家禽には3つの異なる系統に属するウイルス株が 同時に流行していることが判った。次に、これらベトナムの家禽に感染、維持されているウイル スはマウスに致死的な感染をおこすことが判った。

  さらに、高病原性烏インフルエンザウイルスに感染したニワ卜りでは多くの臓器で重度の出血 が認められることから、高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染したニワトりに血液凝固異常 が起こるか否かを調べた。その結果、当該ウイルスに感染したニワ卜りでは、血管内皮細胞や単 核球の機能不全により血液凝固機構が異常亢進し、凝固因子欠乏性の血液凝固不金が起こること が判った。

最後に、8分節に分かれたA型インフルエンザウイルス遺伝子のウイルス粒子への取り込み機

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宏 博

司 人

     

義 孝

喜 迫

梅 高

授 授

授 授

     

教 助

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

構についてり′く―スジェネティクス法を用いて解析した。その結果、遺伝子分節によって、ウイ ルス粒子への取り込みの順位が異なり、特にPB2遺伝子分節が鍵となること、ならびにウイルス 粒子のアセンブリ過程で、遺伝子分節問に何らかの会合メカニズムがあることを示唆する成績を 得た。

  以上の研究成果はヒ卜と動物のインフルエンザの制圧対策に資するところが大きいので、審査 員一同は村本裕紀子氏が博士(獣医学)の学位を授与されるに十分な資格を有するものと認めた。

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