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嚥下障害はどこまで在宅復帰に影響するか? −新しい嚥下造影検査の定量化と嚥下内視鏡検査による点数化の検討

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Academic year: 2021

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(1)公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2017年度(後期) 一般公募「在宅医療研究への助成」完了報告書. 「嚥下障害はどこまで在宅復帰に影響するか? -新しい嚥下造影検査の定量化と嚥下内視鏡による点数化の検討」. 申請者:河本 勝之 所属機関:草津総合病院 頭頸部甲状腺外科センター・耳鼻咽喉科 提出年月日:2019 年 3 月 28 日.

(2) 【はじめに】 肺炎は平成 23 年に脳血管障害を抜いて、悪性新生物、心疾患に次いで日本人 の死亡原因の第 3 位となった。特に重症化し致命的となるのは誤嚥性肺炎であ る。今後さらなる高齢化に伴い,加齢および各種疾患による摂食嚥下障害者が増 加し,障害を有したまま自宅退院となる者が増加すること、また嚥下機能が低下 すると介護者の負担が増加し,在宅療養が困難となる例も多数生じると思われ るが、その実態と対策は明らかにされていない。過去の研究報告はほとんどがア ンケート調査で、かつ調査数サンプルも少数であり、嚥下機能の正確な評価を行 ったとは言い難い状況である。 当院のある滋賀県草津市は人口 13 万 9822 人と、県庁所在地の大津市(34 万 人)に次いで県内で 2 番目の人口を有する都市であるが、人口密度(2,863 人 /km2)は大津市とほぼ同じであり、人口密集の地域である。2030 年まで人口は 増加し、それに伴い高齢者人口も増加すると予想されており、地方の人口減少で 悩むわが国でも稀な地域とされる。当院の医療圏としては、草津市はもちろん周 辺の大津市、守山市、栗東市、野洲市を含め、合計 68 万人にも上る巨大医療圏 であるが、草津市には公的病院がないため、当院がその代わりを担っている。4 種の異なる病床群から構成され、①急性期病床(337 床)、②回復期リハビリテ ーション病棟(41 床) 、③地域包括ケア病棟(108 床)、④在宅での生活が困難 者を対象とする療養病棟(199 床)があり、急性期と慢性期病棟を有したケアミ ックス型の施設である(図 1)。嚥下障害を有する高齢者が多く、急性期退院後 もその後の追跡評価が行いやすい環境にあり、本研究を遂行するにあたり好適 な状況と言える。. 図 1:当院の特徴(ケアミックス型).

(3) 嚥下障害の評価は従来定性的な評価が主であり、定量的な評価は皆無であっ た。特に嚥下障害の評価で一番重要とされる嚥下造影検査(以下 VF)では、誤 嚥の有無は良く分かるものの、咽喉頭の移動距離など嚥下能力の数値化は確立 されていない。一般的には喉頭挙上が障害されている例は嚥下障害を起こしや すく、また加齢や疾患によって喉頭の位置が下垂している(低い位置にある)例 は嚥下障害を起こしやすいとされている。しかし、もともと喉頭の位置が高けれ ば、その分挙上しなくても容易に嚥下できることがあり、この点についてはいま だに解明されていないのが現状である。 今回、摂食嚥下障害が在宅療養への移行を困難としているか否か、嚥下機能が どこまで影響を及ぼしているのか、について検討を行う。主に内視鏡下嚥下検査 (以下 VE)での評価を主に行うが、VF の数値化も行うことで嚥下機能の状況 を明白にすることが本研究の目的である。 【研究の計画・方法】 【対象】 2018 年 4 月 1 日~2019 年 1 月 31 日までの期間に、当科 NST 嚥下外来を受 診した入院患者を対象とした。受診時の VE、VF 結果で病棟での介入方法を決 め、研究期間の最終週 1 週間前の 2019 年 3 月 24 日時点における転帰を調査し た。なお 3 月 24 日時点でまだ入院中で、今後の行く先(自宅退院もしくは施設 への転院等の行き先)が不明の患者は除外した。 当科への受診の流れは、図 2 に示すように全入院患者に対して病棟看護師が 入院後 3 日以内に、図 2 のような入院時初期評価としてのスクリーニングを行 い、当科への検査依頼を予定することとした。. 図 2:当科 NST 嚥下外来受診までの流れ(スクリーニング).

(4) 図 2 に該当する対象患者のうち、除外条件がない患者には基本的に全例、嚥 下機能療法依頼と同時に VE を当科に依頼するようにルーチン化した。なお、除 外条件に該当する重症患者は、評価延期とし、状況の改善を待って再評価を行い、 後日また VE 依頼を検討することとした。評価は基本的には VE での評価とし、 患者の拒否で評価不能であった場合は VF を行った。VE、VE いずれも施行困 難な例(例:口に食塊を入れても全く嚥下しない例等)は検討から除外した。 【評価方法] 1.VE での評価方法 内視鏡システムはオリンパス社の VISERA Pro を使用した。内視鏡のスコー プはなるべく嚥下に影響を与えないように細径の経鼻内視鏡 ENF Type V2(径 4mm)を使用した(図 3)。また外来に出るのが困難な患者は、携帯型内視鏡を 病室に持参して評価を行った。内視鏡挿入後、呼吸が落ち着くのを待って嚥下評 価を行った。嚥下評価のための食物は、着色した水分、ゼリー(エンゲリード)、 増粘剤(つるりんこ quickly)を使用した着色とろみ水を使用した。. 図 3:VE の様子 VE の動画は東芝の録画装置 REGZA(RD-R100)に録画し、ブルーレイディス クに動画の保存を行った。VE での評価項目は兵頭の嚥下内視鏡スコア(図 4) を用いて総合点で評価した。ただし評価の解釈に客観性を持たせるため、VE を 行った医師とは別の医師が後日、動画を閲覧して VE スコアをつけた。.

(5) 図 4:VE のスコア(兵頭スコア) 2.VF での評価方法 当院放射線部の透視装置を用い、側面像で VF 動画を記録した。嚥下機能に応 じて、模擬食品である液体、増粘剤で作成したとろみ水を使用した。また症例に 応じて米やパン(あいーと社製)にそれぞれ造影剤を混入したものや、ソフティ ア Tes Cup®で作成したバリウム入りのゼリーを使用した(図 5)。. 図 5:VF 時の模擬食品例. 薄いとろみ. 中間とろみ. 濃いとろみ. 当院の透視室にある録画装置に一旦保存した後、ブルーレイディスクに録画 し直し、その後、動画解析ソフト(DIPP Motion V®)で舌骨の挙上運動、喉頭の 拳上運動を測定した。ブルーレイディスクに保存した VF 動画をパーソナルコ ンピュータに取り込み、図 6 のように VF 側面像で第 5 頸椎中央に水平軸を設 定し、これを X 軸に設定した。この X 軸と直交し、頸椎に沿った方向に Y 軸を 設定し、画面上で XY 座標を設定した。続いて舌骨と喉頭の位置をマーキング し、それぞれの点が時間とともに移動する位置を解析ソフトで自動追尾し、移動 軌跡を描画した。自動追尾が困難な場合や、誤差が生じた場合は目視で修正を行 った。.

(6) 嚥下中の舌骨と喉頭の移動軌跡を図 7 に示す。横軸は時間を表し、縦軸は挙 上距離を表している。嚥下時の最高点が最大挙上距離に相当する。続いて、嚥下 前の静止時の舌骨と喉頭の位置を下顎骨下縁からの距離で測定した。. 図 6:DIPP MotionⅤ®による解析 X 軸:第 5 頸椎中央で設定 Y 軸:X 軸に直交し頸椎に沿う軸 舌骨、喉頭をマーキングする. 図 7:舌骨、喉頭の嚥下時の軌跡 横軸:時間(sec) 縦軸:距離(mm). また、20~30 歳の咽喉頭に器質的異常や機能的異常を認めない健常男性 6 名 に対し、同様に VF を行い、DIPP Motion Ⅴ®を用いて嚥下時の舌骨と喉頭の挙 上距離を測定した。 VF による嚥下障害リスクスコア 喉頭挙上距離、喉頭の静止時の位置に加え、嚥下に影響すると思われる認知症 とパーキンソン病に代表される神経変性疾患の有無、気管切開の有無について、 独自に設定した嚥下障害リスクスコアを考案した(表 1)。その理由については 結果の項目で後述する。本スコアは点数が高い程、嚥下障害のリスクが高いこと を示す。 表 1:VF による嚥下障害リスクスコア(河本考案) ① 嚥下時の喉頭挙上距離 0 点(20mm 以上) 1 点(20~11mm) 2 点(10-0mm) ② 静止時の喉頭の位置(下顎骨下縁から喉頭までの距離) 0 点(30mm 以下) 1 点(31-40mm) 2 点(41mm 以上).

(7) ③ 認知症の有無 0 点(なし) 1 点(あり) ④ 気管切開の有無 0 点(なし) 1 点(あり) *点数が高い程、嚥下障害のリスクがある 嚥下評価の後の対応 VE、VF で各症例の嚥下能力と誤嚥に対するリスクを評価した後、言語聴覚 士と看護師が嚥下リハビリテーション(嚥下訓練、アロマパッチでの刺激訓練、 ゼリーや増粘剤で作成したとろみ水を用いた直接経口摂取訓練)を行い、患者の 安全に配慮しながら可能な限り経口摂取を試みた。口腔内の汚染が嚥下障害に よる誤嚥性肺炎につながるため、各種の口腔ケア用品(吸引付きスポンジブラシ 等)で口腔ケアを毎日行った。また管理栄養士が医師、言語聴覚士や看護師と協 議の上、経口摂取の状況に応じてきめ細かく嚥下調整食の変更を行った。 患者の帰結とその原因の調査・評価 最終的な患者の帰結(自宅退院、慢性期病院や施設への転院、死亡、死因)を 後追い調査した。2019 年 3 月 24 日時点での転帰を最終転帰とした。自宅退院 が困難で施設に転院となった場合は、原因が嚥下障害にあるのか否かを調査し た。嚥下障害が自宅退院できない原因になっている場合、嚥下外来評価時の VE 点数、VF での舌骨と喉頭挙上の程度を検討した。また死因が嚥下に関連してい るのか、原疾患死かを調査し、各群における VE スコアを検討した。.

(8) 結. 果. 1.VE 結果(図 8) 嚥下内視鏡を行った 418 名における結果を下図に示す。. 図 8:VE 結果 自宅から入院した場合、自宅退院 36%(平均 VE スコア 4.6)、施設への転院 29%(VE スコア 4.7)、死亡 32%(VE スコア 6.0)と、約 3 割ずつに分かれた。 死亡した群は VE スコアが 6.0 と他の群と比べて高値であった。また死亡のう ち、嚥下関連死は死亡の 68%を占め、VE スコアは 6.44 とさらに高値であった。 自宅から施設への転院を余儀なくされた群のうち、経口摂取不能が理由であっ たのは 22%で、VE スコアは 6.41 と高かった。 施設から入院した場合、施設へ戻ったのは 70%(VE スコア 5.1) 、死亡は 28% (VE スコア 6.1)と死亡群は明らかに VE スコアが高値であった。死亡群のう ち死因が嚥下関連死であったのは死亡の 75%(VE スコア 6.51)であり、原疾 患死 25%(VE スコア 4.87)と比べて割合、VE スコアともに非常に高かった。 以上の結果より、VE スコアが 6 を超える場合、経口摂取できずひいては自宅 退院できなくなる可能性が高く、また嚥下関連死のリスクとなると思われた。.

(9) 2.VF 結果 VF で評価を行い、DIPP Motion Ⅴ®で動画解析が可能であった 10 例を図 9 に示す。年齢、性別、入院原因疾患、認知症と変性疾患の有無、気管切開の有無、 転帰、最終的な経口摂取の有無、VF による舌骨と喉頭の移動距離、嚥下前の静 止時の喉頭の位置(下顎骨下縁からの距離)を、また嚥下障害のリスクのスコア として今回、河本が考案したスコアを示す。. 図 9:VF 結果 10 例中、認知症が 3 例、パーキンソン病が 3 例であった。施設から施設へ戻 ったものが 2 例、自宅から自宅へ戻ったものが 6 例、自宅から入院し肺炎(嚥 下関連死)で死亡したものが 2 例であった。最終的に経口摂取が不能であった のは 4 例であった。 経口摂取が困難であった 4 例はすべて認知症かパーキンソン病であった。パ ーキンソン病の中で経口摂取可能であったのは 1 例であった。また気管切開が ある 1 例は経口摂取が困難であった。 健常成人では、嚥下時の舌骨の挙上距離は 16.2±3.8mm、喉頭の挙上距離は 25.1±4.7mm であった。今回の検討した対象症例は舌骨の挙上距離は少なかっ.

(10) たが、経口摂取との関連性は認めなかった。喉頭の挙上距離は経口摂取困難であ った 4 例中 3 例で少なかった。ただし経口摂取可能であった 6 例においても、 半数の 3 例で喉頭の挙上距離は少ないもの最終的に経口摂取はできており、一 定の傾向を認めなかった。また静止時の喉頭の位置については、喉頭の位置が低 い症例に嚥下障害となる症例が多い傾向であったが、経口摂取可能な症例も 1 例あった。 VF 結果から、パーキンソン病を始めとする変性疾患や認知症、気管切開は嚥 下障害に影響を及ぼすことが予想された。舌骨と喉頭の運動解析においては、舌 骨挙上に関しては嚥下障害への影響は一定の傾向はないが、喉頭挙上が障害さ れている例、また静止時の喉頭の位置が低い例は嚥下障害の可能性があること が示唆された。しかし、静止時の喉頭の位置が元々低い例は喉頭挙上が多少良好 でも挙上距離が大きく出てしまうこと、また逆に静止時の喉頭の位置が高い例 は、それ程喉頭が挙上しなくても(少ない喉頭挙上距離でも)嚥下がうまくいっ てしまうという問題点があると考察した。 そこで表 1 のような独自の嚥下障害リスクスコアを考案した。本スコアは喉 頭挙上距離、静止時の喉頭の位置、認知症や神経変性疾患の有無、気管切開の有 無の 4 項目で点数化したものである。.

(11) 図 9 に合計スコアを記載した。本スコアの合計点で、3 点を超える例は経口摂 取困難であることが分かる。5 点の症例は肺炎で死亡し、3 点の 3 例もいずれも 経口摂取不能で、1 例は肺炎で死亡している。2 点以下の 6 例は全例経口摂取可 能であった。 【まとめ】 2018 年 4 月 1 日~2019 年 1 月 31 日に当科 NST 嚥下外来を受診した入院患 者 418 例の嚥下機能、2019 年 3 月 24 日時点での予後を検討した。VE スコア が 6 を超える場合、経口摂取できず自宅退院できなくなる可能性が高く、また 嚥下関連死のリスクとなった。新たに考案した VF スコアで合計 3 点を超える 例は経口摂取困難であった。 【今後の展開】 2019 年 1 月末までの受診患者で一旦打ち切っているが、同年 2 月、3 月も評 価を行っており、その間で約 100 名の患者がいる。引き続きそれらを含めた転 帰調査を行いたい。また今回の期間中、自宅退院や施設転院しても肺炎で再入院 している症例もあり、再入院となる傾向と対策も今後、明確にしていきたい。 今回 VF で提示した新たなスコアは、まだ症例数が少ないため、今後症例を重 ねるとともに、点数配分、項目の追加等、さらに検討を行う必要がある。しかし、 VF が定量化されていない現状で、本スコアのように予後が予測できるスコアは 重要であり、今後の活用に期待している。 また今回の申請には含めていないので報告書には記載していないが、各症例 の栄養評価等も同時並行で行っている。その結果についても検討していきたい。 本研究は公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成によって行われた。.

(12) 感想 最初に、本研究を助成研究として採択いただいた勇美記念財団の関係者の 方々に感謝申し上げます。採択に至らなかった他の応募者に対して、恥ずかしく ない臨床研究をと思い、1 年間を過ごしたつもりです。 私は 1 年半前まで在籍していた大学病院で多くの嚥下障害の患者の診療を担 当していました。嚥下障害は私のライフワークであり、嚥下障害が原因で自宅退 院できない姿を目の当たりにしていました。嚥下障害の手術も行ってきました が、いまだに全国の大多数の病院では、誤嚥性肺炎イコール経口摂取断念という 考えが多いのが現状です。 改めて本研究の結果を見ると、嚥下関連の死亡の多さに驚きました。自宅退院 できず、施設を探すしかない方が多いのではないか?というのが本研究の元々 の作業仮説でしたが、それ以上に嚥下関連の死亡数が多く、退院や在宅どころか、 どこにも行けずに命を落とす方がこんなに多いとは予想を遥かに超える結果で した。 嚥下機能の評価は、VE スコアは近年、普及していますが、大規模調査で予後 まで明確にした報告は少ないと思います。経口摂取できず施設に行った群、嚥下 関連死の群が明らかに VE スコアが高く、このスコアの有用性を確認したのと、 6 点を境に代わる予後の違いをもっと周知する必要があると考えました。当院で は嚥下リハビリテーションを始めとし、多職種で経口摂取の再獲得と肺炎の再 発予防を積極的に行っていたのですが、このような帰結でした。5 月 28 日に病 院内で講演を依頼されているので、今回の結果を報告するつもりですが、死亡率 の高さとスコアとの関連は、皆にインパクトを与えるかと思います。 VF は嚥下障害に対して一番重要な評価であるにも関わらず数値化されてい ないのが嚥下医学の発展を停滞させている元凶と考えます。今回の数値化によ って、経口摂取の予後と関連がありそうなスコアが考案できたので、今後も本ス コアの検証を行っていければと考えております。 反省点は、嚥下運動は一瞬の動きであるため、VF で動画が不明瞭な場合、喉 頭の軌跡が追えず、検討から外さざるを得なかった点です。なるべく明瞭な動画 画像が得られるように性能の良い録画ディスクに落として、サイズの大きな自 前の高性能パソコンモニター画面で解析を試みましたが、困難な例は存在しま した。改善点は、VF のレントゲン線量を上げてもっと明瞭な動画データを取る という手法もありますが、それをすると患者の放射線被爆量が増加してしまう ので、患者のリスクとベネフィットの観点から難しく、今後の検討課題です。 心残りなのは、報告期日が近いため 2 月 3 月分の症例は予後といえるような 期間が取れないため、検討から外さざるを得なかったことです。1 月末までの全 症例で、ぎりぎりの 3 月 24 日時点での転機を調べたのが精一杯でした。.

(13) また、応募時から分かっていたことではありますが、支出可能な項目に比較的 厳密な制限があり、やや使い難かった印象です。もちろん私的流用などはもって の他で、科研費や他の助成金と同様、パソコンや研究以外に流用されやすいもの は対象外というのはもちろんですが、臨床研究をする以上、結果的に手元に残っ てしまうものもあり、条件によっては一部容認いただくなど、可能な範囲で今後 ご検討いただければ幸いです。 勝手な感想を書き、大変失礼しました。製薬会社を始め外部からの研究費を獲 得することが難しくなっている昨今、改めて感謝申し上げます。今回、報告した 内容以外にも同時並行で調査しています。貴財団の助成に一度採択された場合、 再度応募できる規定か否か分かりませんが、可能であるならばまた応募させて いただければ幸いです。 最後になりますが、貴財団の更なる発展と、関係者の益々のご健勝を祈るとと もに、在宅と嚥下という切っても切れない課題に挑む研究者がもっと出てくる ことを期待しております。ありがとうございました。.

(14)

図 2 に該当する対象患者のうち、除外条件がない患者には基本的に全例、嚥 下機能療法依頼と同時に VE を当科に依頼するようにルーチン化した。なお、除 外条件に該当する重症患者は、評価延期とし、状況の改善を待って再評価を行い、 後日また VE 依頼を検討することとした。評価は基本的には VE での評価とし、 患者の拒否で評価不能であった場合は VF を行った。VE、VE いずれも施行困 難な例(例:口に食塊を入れても全く嚥下しない例等)は検討から除外した。  【評価方法]  1.VE での評価方法  内視鏡
図 4:VE のスコア(兵頭スコア)  2.VF での評価方法  当院放射線部の透視装置を用い、側面像で VF 動画を記録した。嚥下機能に応 じて、模擬食品である液体、増粘剤で作成したとろみ水を使用した。また症例に 応じて米やパン(あいーと社製)にそれぞれ造影剤を混入したものや、ソフティ ア Tes Cup ® で作成したバリウム入りのゼリーを使用した(図 5) 。  図 5:VF 時の模擬食品例            薄いとろみ  中間とろみ  濃いとろみ  当院の透視室にある録画装置に一旦保存した後、ブ

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