148 氏名(生年月日) 本 籍
学位の一二
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(61) フチ ノ ウエ マ スミ渕之上眞澄(昭和
博士(医学) 乙第1225号平成3年11月15日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
穎粒球コロニー形成刺激因子の白血病性幹細胞の増殖と分化におよぼす影響 (主査)教授 溝口 秀昭 (副査)教授 大森 安恵,金野 公郎論 文 内 容 の 要 旨
目的遺伝子組換え型穎粒球コロニー形成刺激因子
(recombinant granulocyte colony・stimulating fac- tor, rG-CSF)が開発され,白血病の化学療法後の白血 球減少の回復に用いられようとしている.本研究は白 血病期球コロニー法を用いてrG-CSFの白血病細胞の 増殖および分化に対する作用を明らかにすることを目 的とした. 方法 急性骨髄性白血病患者30例の末梢血または骨髄血か らフィコールコンレイ比重遠心法によって単核細胞を 分離し,混在するTリンパ球を除去し,90%以上に純 化された白血病細胞を得た.このようにして得た白血 病細胞にrG・CSFを加え,メチルセルローズ内に埋め 込み7日間培養し,形成された白血球芽球コロニー数 を算定した.さらに,コロニー構成細胞の形態学的観 察および表面形質の検索を行った. 結果 rG・CSF添加で30例中7例に白血病芽球コロニー形 成が認められた.白血病病識とrG-CSFの増殖刺激の関係を見ると,分化傾向の少ないM1の5例全例で
rG-CSFを添加しても白血病芽球コロニー形成が認め られなかった..rG-CSF添加によって形成されたコロ ニー¥成細胞の細胞形態および表面形質は培養前の白 血病細胞のそれと有意の差異を認めなかった. 考察 rG-CSFは30例中7例で白血病性幹細胞の増殖を刺 激した.この結果は急性骨髄性白血病患者の化学療法 後にrG・CSFを使用する際に,約30%の例で白血病細 胞の増殖を刺激する可能性を示し,臨床的にrG-CSF を白血病患者に投与する場合には白血病細胞の増殖の 有無を前もって確かめる必要のあることを示してい る.また分化傾向の少ない病型M1で検索した5例全 例でコロニー形成を認めなかったことは,そのような 症例には安全に用いられる可能性を示し,さらに,G・ CSFが穎粒球系に一段分化した前駆細胞に主に作用 することに関連する可能性を示している.また,rG- CSFによって白血病細胞の形態あるいは表面形質の 変化は認められず,rG-CSFによる分化誘導療法が成 功する可能性は少ないと考える, 結論 白血球芽球コロニー法でrG・CSFが一部の患者の白 血病細胞を増殖させることを明らかにし,rG-CSFを 白血病患者に用いる場合は白血病細胞の増殖の有無を 前もって検討する必要のあることを示した.また,rG・ CSFによる白血病細胞の分化誘導の可能性は少ない. 一1V52一149