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教育文化交流計画へのコンピューターの応用

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教育文化交流計画へのコンビューターの応用 1

彩、は数字に弱いものであります.システム・アナ リシス等に興味を持つようになったのは,無理やり に持たざるを得ない事情があった為です. 1965年か ら 1966 年の終りまでの間に,国務省の教育文化局

(

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U と略称されます)の次長を務めて初めて予算 に勝ったからであります. フルブライト計画等人物交流プログラムを担汚し ている CU 局は 1 年 lこ少くとも 6 回以上予算原案 を作成し組み替えています.私はこの面倒を省こう としている内に,無意識にもシステム・アナリシス に指を染めて, コンピューター熱 Iこまでかかったの であります. CU 局での予算サイクルは次ぎのようなプロセス であります.即ち,海外におけるアメリカの大・公 使館から毎年百十数カ国との人物交流計画の提案が cUIるに入って来ます. こういう提案は,来年度で モれぞれの国々と何人かの留学生や教授を交流すれ ばいいとか,それぞれの国々にどういうような音楽 1,日やスポーツ・チ{ムを出したらいいとかというよ うなプログラム・プロポーザルの盛り合わせであり ます. CU では 5 つの地域別のオフィス(例えば ヨーロッパ・オフィス,東アツア・オフィス)がこ れらのプロポーザ、ルを検討し,各当該国との交流計 画を瞥定する仕組みになっています. CU 局の上層 部{土地域別のプロポーザ、 Jレを検討して,局の予算原 案にまとめる.これは国務省の予算事務処理を経 て,国務省の予算原案の一部となって,政府の予算 局 (BOB) に行くわけであります.その後,政府 予算原案にまとめられて,議会 lこ提出されるという 順序になっています. この予算サイクルは, うまく行けば,悪くはない のであります.各段階で下のレベルから貰った原案 や資料が検討されて,宜しいと恩われるプロポーザ ルが採用され,コストに値いしないと思われるもの が採用されなし、,と L 寸整理過程を通った最終予算 案は立派なものであり得る筈です.しかし仲々理想 的に行きません.予算原案の組み替えが余りにも頻 ↑ 1969年11 月 28 日 丸の内 OR クラブ講演.

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米国公使.

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Osbυ l' llキ 繁であるからであります.国務省の諸局の '1' で CU 局以外 l こは予算的弾力性を有する局がないので,政 府から「予算を削れ」と L づ指令が下されると,こ の圧力のほとんど総べてが CUI誌の予算に集中され るわけであります. こういうことから,地域別のオ フィスは海外の大・公使館のプロポーザルを一々編If かく検討し,どれがコストに値いするか,どれが他 いしないか,という l直感的な判断をする余裕がない のであります. そこで私は,地域jU オフィスが瓶外大・公使館の プロポーザルのそれぞれの優先度順位を決めて置け ば,予算原案の組み替えの面倒が相当省、かれるので はないではないか,という考えを持らました. 簡単にいえば. CU 局のスポンサーの下で. 35位 違った種類の活動が行われていますが,これらの活 動を代替手段,または「インプット」と見位して, 「アウトプット」を計ることによって,優先順位を 決めればどうか,という考えでありました.この考 えを実行する為 l こは, 日的を定め,その目的達成の 為の代替手段の有効度を計らねばならなかったので あります. 法律で定められたところによりますと,アメリブJ の人物交流計画はアメリカの国際関係を強める為 l 己 行われる可きだ,と規定されています.こういうこ とから出発して人物交流計画の具体的なアウトプッ トを決め得る筈 fごと私は思いついたのであります. この計画の運営に長い経験を持っている者,そして プログラムに参加した経験を持っている者と相談を して. f仮に貴方の直接知っているプログラムがア メリカと当該国との関係にとって何か利益をもたら したとすれば,その利益は一体何であったか」と質 問をしました.同時に勿論交流計画に関する学者の 著書等も読みました。 この調査の結果から. 15 の「利益」を定め得たの であります.これらの利益を「プログラム・ベネフ ィット」と呼んで.

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BJ と略称したのでありま す.中味はたとえば「インターデペンデンス J. 即ち

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「相互依存度を高める利益」とか, ["教育制度を開発 する利益」とか, ["米同民の外国に関する知識を広 げる利益J とか["当該国民と接触する機会を作る 利益j とかというものでありました. ζ ういうふうなアウトプットのインベントリーを 作ってから, 35種類のインプット,即ち交流活動の アウトプット利益に対する有効度を gi る課題に取り 組んだのであります.これにも,経験者の判断によ らざるを得ません.しかし,利益の数 15掛ける活動 の数 35 は 525 ですから,この 525の判断を生まな直 感だけでするのは無理だろうと思いました。いろい ろ思案を凝らして着怨したのは次ぎの方式でありま す. 仮にある活動が或る利益をもたらし得るとするな らば,乙の活動のどういう性格によってもたらすの か,という観点から交流計画を細かく分析して見ま した.分析した結果, 36種類の性格を定義するとと が出来ました.例えば, ["当該活動 K 携っているだ ろうアメリカ人の参加者が外交問題に関する特別な 知識を持っている事の確率」とか, ["活動 K携る外国 人参加者が自国 K 政治的影響力の持ち主であること の確率」とか, ["活動が行われているという事実が 当該国の人々の中で広く知られていることの確率」 とか,というような性格でありました.それから, 35種類の活動がこれら 36種類の性格をどの程度持っ ているかという判断を経験者達にさせて見ました. これも仲々簡単な事業ではありませんでした.しか し,判断するプロセスは,活動と活動を比較して, どちらが或る性格をよりはっきりと持っているかと いう判断をすることは,経験者達にとって不可能で はありませんでした.肝腎なことには,乙れらの判 断は具体的で、あって,実際の経験 l 乙繋るものであっ たからでありましょう. 以上の過程によって各 1 つの交流活動につき,そ れぞれのおの性格をどの度合で持っているかという 判断を示すひとシリーズの数字が出来ました.後で 分ったことですが数字のベクトルを作った訳です. それから今度 36種類の「性格」の各「利益J に対 する適切性,または必要度,を判断する課題に取り 組んで、見ました.この判断は相対的順位づけによっ て行われました.例えば 2 つのある程度似ている性 格をある 1 つの「利益J について考えて見ましょう. 第 3 番目の「利益J は「米国民に外国に関する知識 を与える利益」であります. 20番目の性格は即ち 「外国人参加者が自国 1 1:政治的影響力の持主である ことの確率J でありまして, 34喬円の「性栴J (j; 「外国人参加者が多くのアメリカ人 1 1:話をする機会 を持つことの確率j であります .ζ の両「性格」が 当該「利益」に適切性を持っている乙とは明かです が,適切性の度合は違います.と巾しますことは, 政界の実力者だからといって,必ずしもアメリカ人 のと'í該国の文化等への理解を深める能力を持ってい ないかも知れません .ζ れに引きかえ,アメリカ人 に話をする機会を持っかどうかという性格はよりは っきりした適切性を持っています. こういう分析によって,各々の「利益」につき, 36数字からなるベクトルを作成することが出来まし た.そして["利益」の「性格j ベクトルと活動の 「性格」ベクトルとを掛け合わせることによって, 各々の活動のそれぞれの「利益」に対する有効度を 定量化するととが出来ました. こ ζ で注釈を付け加えなければならない点があり ます.これは,以上の様な簡単な説明から少くとも 2 つの困難な問題点が按けているということであり ます.その 1 つは,例えばそれぞれの活動の「性栴」 保有度のベクトルを全部 1 つの一貫した類型にしな ければならなかった点であります.即ち, 35本のベ クトルの総べての数字 1 1:,その類型内において,絶 対性を持たせなければならなかったわけであります. そこで我々は,初めに相対的順位づけで作りました 数字を後で経験者達の判断によって「パーセント的J 数字に変えようとしました. もう 1 つの困難点とし て["利益」の「性格」適切性のベクトルを作って いる過程で起った問題があります.と申しますのは, ある「性格」がある一定した「利益」にとって適切 性を持ち得るかどうかということは, [0] か期比一定 した「性格J が備えられているかどうかにかかって いる f と L リ場合もあります.こういうような問題 点があったので,ごく簡単 K 見えるかも知れない事 業は相当な苦労を要したのであります. きて,苦労したあげく出来たのは,前ページの閃 lと示したマトリクスであります.ご覧の通り,縦の 欄は ["PAj, 即ちプログラム活動であり, 横の行 は ["P Bj ,即ちプログラム利益であります.欄と行 との目 K 出ている数字は有効度を現わしています. 下の 1 行目の「バリュー j ,即ち価値ですが,後で説 明致したいと思います.コストは活動っきのドル・ コストであって,その下のマキシマム・ミニマムと いう両行を設けたのは,ある国の場合,例えばアメ リカの留学生を多量送りたいと患っても,入学し得 るような大学が足りないとか,あるいはまた,前年 余らの約束でどうしても何人かのアメリカ人教授を

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送らねばならない,というような実情があり得るか らであります. 皆様 lというまでもありますまいが,バリュー/コ ストのネで代替手段の選択をする形のマトリクスで あります.しかし,代替手段である活動のバリュー は I利益」に対する有効度を知っただけでは計算 するととが出来ないのであります. 乙の為 K は,ア メリカと当該国との友好関係を深めるのにはどうい う「利益J が一番役に立つだろうか,という判断を 定量化しなければなりません.つまり,優先度を計 らねばならないわけであります.右端の欄 l土 ζ れに 当ります. 世界のどの国でも同じような ζ とをしていましょ うが,アメリカ政府も i止界各国について /j針案,即 ちポリシー・ペーパーを作っています.我々は乙れ らのポリシー・ぺーパーに基いて,一国一国につい て,国家目的表を作成して,優先度を決めました. それぞれの日的を完遂する為 lこは,当該国のどの人 迷がどういう行動をせねばならぬか,という観点か ら分析を行いました.各目的につき,当該国民のど のグループに重きを置けばいいか,という判断をし てから,それぞれのク勺レープから望まれている行動 の確率性を高める為に,交流計画のどのアウトプッ ト,即ちどの「利低J が利き日を持つでしょうかと いう順序で進んで行って,やっと当該国について 「利益」の優先度を決めることが出来ました. きて,乙ういうふうに出来た「利益」の優先度ベ クトル掛ける図面のマトリクスという演算によっ て,各々の活動のバリュー,価値,を知ることが出 来ました.そして,このバリューをコストで割れば, J持活動の中で最もコスト・エフェクチブなものを選 ぶことも容易に出来たわけであります. しかしノf リュー/コストの率をそのままある当該 国との交流計商に反映する乙とが出来ないことは, 持様に説明するまでもありますまい.そこで私が工 夫しました. 1 回,優先度ベクトノレ掛ける有効度マ トリクスを計算して 1 つの最もコスト・エフェク チブな活動を選ぶ.選んだ活動の有効度のベクトル を優先度のベクトルからヲ It 、て,優先度のベクトル を改める.またベクトル掛けるマトリクス.また最 もコスト・エフェクチブな活動を選ぶ.また優先度 ベクトルを改める……という方式であります. 以上の演算は簡単に聞 ζ えるかも知れませんが, 人間の子だけでするのは無理だと思って,電子計算 機 l乙吹き込んで貰いました. コンピュークーに吹き込んだプログラムはまだ実

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験的で,更に研究を必要とする面も大分ありました が,大体において,伝統的な方法で作成された交流 計画に余り劣らないような計画を作成する能力を持 ちました.スピードの点では,電子計算機の方は勿 論何百倍も速かったのであります。 我々のシステムが作成した交流計画が伝統的な子 段で作成されたものに余り劣らないということは, 1966年の秋に行われたテストによって一応実証され たと私は思います。 ζ のテストの対象として 5 つの 地域から 2 カ国ずつを選ぴました.ある経験者のグ ループにこれらの国々について「利益J の優先度ベ クトルを作らせたのであります。これと平行して, 別なグループには,丁度その時,普通の手段で作成 ざれていたプログラム・プロポーザルの分析を頼み ました.分析方法は,マトリクスのいわば逆演算に よりました. I逆演算」というのは,当該国につい ての優先度ベクトル掛けるマトリクス・イコール各 活動の何人分(つまり何人の留学生,何人の教授等) を交流計画 (C 含めばよい,という「正演算」の反対 であったわけであります。通常のプログラム・プロ ポーザ、ルには,各活動の何人分を行ったらよいかと いう提案が出されていますが,こう L づ数字(日11 む 各活動の何人分という数字)のベクトル掛けるマト リクス・イコール優先度ベクトル. こうして,通常のプログラム・プロポーザルの1Iì'1 黙の,または潜在的な優先度を知ることが出来まし た. これらの潜在的優先度は別の経験者達のクール{ プが我々のシステムで計算した優先度に案外合って いました. 10 カ闘の中, 2, 3 のものは少しも合って いなかったが,多くのものは合っていました. 2, 3 の場合はぴったりと言っていい位でありました. 更にまた,システムで計算された優先度をコンピ ューターに掛けて見ると,コンピューターがリコメ ンドした交流計画も大体において我々の経験者ばか りではなく, cu 局の一般メンバーも納得の行くも のでありました.中には,通常のプログラム・プロ ポーザルに携っている人が成る程と言って,コンピ ューターのサジェスチョンを高く評価した例も少く なかったのであります。 ζ ういうふうにある程度の成功を納めたものの, まだまだ研究開発を必要とする面は沢山ありました. 例えば,只今説明したシステムを仮に完成したとし ても,単 IC ー固との交流計画 fC 一旦配分された予算: をどの活動 l こ当てたらよいか, という取り極めにし か役立たないのであります。当該国との交流計画に どの位の予算を配分したらよ L 、か,という点では役

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に立ちません. 下においては,乙ういう取り極めは議会がすること ζ の問題に対して,私は勿論コンピュータ{の方 になっています.だから, cu 局の予算だけを能率 程式の枠を一国一闘でなく,全世界 K 広げる為の工 的に配分することが,一応出来たとしたら,それで 夫をしていました. 充分じゃないか,と私は思いましに. 言うまでもなく, cu 局の総予算を能率的に配分 このシステムが政府で採用きれなかったことは, し得る保証があっても,次ぎに出て来る問題は,政 こういった技術的な欠陥があった為で‘はありません 府が cu 局にどれ位の予算を配分したらいいか,と でした.むしろ,制度的な,心理的な,抵抗があっ いう問題であります.しかし,アメリカの政治制度 た為でありました.

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