Title
Synthesis and Properties of Chiral Organophosphorus
Compounds Originating from Binaphthyloxy-Substituted
Phosphoroselenoyl Chlorides( 内容と審査の要旨(Summary) )
Author(s)
前川, 侑輝
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 工博甲第518号
Issue Date
2017-03-25
Type
博士論文
Version
none
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/56178
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。1 別紙様式第15号(論文内容の要旨及び論文審査の結果の要旨) 氏 名 ( 本 籍 ) 学 位 の 種 類 学 位 授 与 番 号 学 位 授 与 日 付 専 攻 学 位 論 文 題 目 学位論文審査委員 前川 侑輝(岐阜県) 博 士(工学) 甲第518号 平成29年3月25日 物質工学専攻
Synthesis and Properties of Chiral Organophosphorus Compounds Originating from Binaphthyloxy-Substituted Phosphoroselenoyl Chlorides
(ビナフチル基を有するセレノリン酸クロリドを起点としたキラルな 有機リン化合物の合成と性状) (主 査) 准教授 芝原 文利 (副 査) 教授 安藤 香織 教授 村井 利昭 論 文 内 容 の 要 旨 前川氏の論文では,ビナフチル基を有するリン酸誘導体を用いた,ラジカル付加反応,あるいは求 核置換反応により,リン—炭素結合形成反応の開発について述べている。前者の反応では,付加の際の 位置選択性は完全に制御されるものの,立体選択性は,出発化合物であるアルケンの立体化学に依存 していること,ビナフチル基の 3,3'位への置換基の組込みで改善できることを明らかにしている。後 者の反応では,P=O, P=S, P=Se 結合を有する誘導体のうち,P=Se 結合を有する化合物の反応効率が最 も高いことを明らかにしているが,この場合には立体選択性の向上には至っていない。それでも立体 異性体の31P NMR による識別ができることを示している。ついでリン原子に隣接する炭素上からの脱プ ロトン化に伴う炭素—炭素結合形成反応も開発している。ここでも P=Se 結合を有する誘導体からの脱 プロトン化と続く親電子剤との反応が良好に進行すること,さらに出発化合物のリン原子上に組込ま れているアルキル基の炭素鎖が四つ以上の長さの場合には,良好な立体選択性を示すことを明らかに している。とりわけ逆の立体異性体の合成は,置換基の組込みの順番を変えるだけで達成できる。ま たこの反応では,脱プロトン化の段階では,引き抜かれる可能性のある二つの水素が区別されること はなく,その後の親電子剤との反応が立体化学を決める段階であると類推している。さらにリン原子 に隣接する三置換炭素を四置換炭素に変換するための条件最適化も行っている。この場合には P=O 結 合を有する誘導体で期待の反応が進行する。最後に得られた一連の光学活性有機リン化合物の還元で, これまで前例のない光学活性一級ホスフィンを導くことにも成功している。 論文審査結果の要旨 委員会は,五章からなる論文内容について,主にその独自性・斬新さの点から精査した。その結果, 試行錯誤を繰返した末に達成した,選択的反応結果やそれによって得られる生成物の同定が明確に行 われていること,従来法では合成困難な光学活性な有機リン化合物を導くことにも成功し,新しい分 野を開拓していることから,十分な内容の博士論文であると判定した。 最終試験結果の要旨 以上,提出された学位論文,ならびに公聴会での質疑応答の結果,本論文は博士の学位に相応しい 内容を有しており,前川氏自身博士の学位に相応しい資質を有していることが認められた。よって, 最終試験の結果を合格とした。 発表論文(論文名,著者,掲載誌名,巻号,ページ)
1. Murai, T.; Maekawa, Y.; Hirai, Y.; Kuwabara, K.; Minoura, M.: Phosphonoselenoic Acid Esters from the Reaction between Phosphoroselenoyl Chlorides and Grignard Reagents: Synthetic and Stereochemical Aspects,
RSC Advances 2016, 6, 15180-15183.
2. Maekawa, Y.; Maruyama, T.; Murai, T.: Sequential Deprotonation-Alkylation of Binaphthyloxy-Substituted Phosphonochalcogenoates: Chiral Tri- and Tetrasubstituted Carbon Centers Adjacent to a Phosphorus Atom,