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Preconditioningのメカニズムにおけるクロストークの解明 - 各種情報伝達系と梗塞サイズ縮小効果との相互関係 -

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Academic year: 2021

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(1)

Title

Preconditioningのメカニズムにおけるクロストークの解明 -

各種情報伝達系と梗塞サイズ縮小効果との相互関係 −( は

しがき )

Author(s)

宇野, 嘉弘

Report No.

平成11年度-平成12年度年度科学研究費補助金 (基盤研究

(C)(2) 課題番号11670667) 研究成果報告書

Issue Date

2000

Type

研究報告書

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/499

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

はしがき

研究の背景

短時間の虚血・再濯流、すなはちischemicpreconditioningは、その後の持続的虚血に対する心筋梗 塞サイズを1/3-1/8に縮小することが知られており、この現象はウサギ、ラット、イヌ、ブタにおいて

生じる。我々はischemicpreconditioning(PC)がsustainedischemiaならびにreperfusion中のエネル

ギー代謝を著明に改善することを示し(Circulation,1991&1993)、CLl,6-グルコシダーゼ阻害剤による

エネルギー代謝の調節がPCと同様の心筋梗塞サイズ縮小効果を持つことを報告している(Circulation

1997)。現在、PCの発現機序として、adenosine,bradykinine,KATP channel,PrOteinkinaseCが知 られているが、我々はPC中に発生するfree;adicalの産生の増大もまたPC効果に関与することを明らか にし(CardiovascRes1994)、最近、α受容体刺激とischemicpreconditioningの関与についてはα1B 受容体が梗塞サイズ縮小効果に関与していることを報告した(CardiovasPharmacol1997)。奇妙なこと に、これらはそれぞれのblockerの前投与によりPC効果をほぼ完全にブロックする。このことは、上記 6つの情報伝達系にcross-talkが存在し、相互に影響しあっている可能性を示唆する。しかし、従来の のPCに関する研究は、各種受容体遮断剤、各種酵素阻害剤、OXyradicalscavenger等の単独投与前後に おける梗塞サイズの縮小効果を検討してきたが、このような方法ではcross-talkは解明できず、PCに関 する情報伝達系のcross-talkの関与を検討した報告は認められない。

研究の目的

上記6つの情報伝達系のcross-talkのうち、上記adenosine,nOradrenaline2つの情報伝達系の cross-talk特にqlB受容体とadenosineAl,A2受容体,prOteinkinaseCとの関係を解明するために、

(1)情報伝達系1evelでのcross

talk 側副循環のないウサギの虚血・再濯流モデルを用いて、PC中に生じる心筋問質内noradrenaline上昇が、

非選択的adenosine受容体遮断剤、選択呵涌enosineAl受容体遮断剤、選択的ade叩恒受容体遮

断剤、およびPKCinhibitorにより消失するか否かを検討する。

(2)梗塞サイズ1evelでのcross・talk

PCによる梗塞縮小効果が、選択的α1B受容体遮断剤、選択的adenosineAl,A2受容体遮断剤により blockされるか否かを検討し、α1B受容体刺激、adenosineAl,A2受容体刺激による梗塞縮小効果がPKC inhibitorでblockされるかを検討する。さらに上記blockerと上記agonistの作用がPC効果に与える影 響を検討する。

1)情報伝達系IeYelでのcrossialk

PC中に増大するmicrodialysis測定心筋問質内noradrenaline濃度は、adenosine受容体遮断剤、 proteinkinaseCinhibito一により抑制された。また、adenosine受容体遮断剤については、Al,A2の subtypeによる効果発現の違いも認め、選択的adenosineA2受容体遮断剤で起こったPC中の心筋問質 内noradrenaline濃度の増大の抑制が、選択的adenosineAl受容体遮断剤では抑制されず、逆に選択的 adenosineA2受容体刺激剤によってPCと同様にnoradrenaline濃度が上昇した。また、この上昇は proteinkinaseCinhibitorによって抑制された。

2)梗塞サイズ1eYelでのcross・talk

PCによる梗塞サイズ縮小効果は、選択的α1B受容体遮断剤、非選択的adenosine受容体遮断剤と選択 的adenosineA2受容体遮断剤で抑制されたが、選択的adenosineAl受容体遮断剤では抑制し得なかっ た。 一方、選択的adenosineAl受容体刺激剤、α受容体刺激剤のpharmacologicalpreconditioningによる 梗塞縮小効果も、選択的α1B受容体遮断剤、非選択的adenosine受容体遮断剤及びprotein kinaseC

(3)

inhibitorにより消失した。 また、PC+非選択的adeposine受容体遮断剤+α受容体刺激剤及び、PC+α1B受容体遮断剤+選択的 adenosineAl受容体刺激剤投与にて、それぞれadenosine受容体遮断剤、α1B受容体遮断剤でブロック されるPCの梗塞サイズ縮小効果が、α受容体刺激剤、adenosineAl受容体刺激剤にて再発現した。一方、 PC+α1B受容体遮断剤+選択的adenosineA2受容体刺激剤投与ではadenosineAl受容体刺激剤と異な り梗塞サイズ縮小効果は再発現せず、ブロックされたままであった。 以上よりPCに関する情報伝達系のcross-talkが下図の様に推定された。

CI

P actJVation ofPKC ln SymPatheticnerves noradrenaliムe†

activation ofPKCin myocytes

・---- ざ Cardioprotection

α1B-/

adrenbceptor

\\、

adenosin A2receptor

//

precynaptic て- adenosin† adenosin A2receptor

3)本研究にて検討した梗塞サイズ測定法により、新規開発radicalscavenger(T-0970)による梗塞縮

小効果の、KATPchannelとproteinkinaseCの情報伝達系の関与につき同様に評価し、英文誌一.Journal ofClinicalandExperimentalPharmacologyandPhysiology一.(2001Mar5,28(3):193-199)に掲載 予定である。 研究組織 研究経費 研究代表者

宇野嘉弘(岐阜大学・附属病院・講師)

研究分担者

湊口信也(岐阜大学・助教授)

藤原久義(岐阜大学・教授)

平成11年度 1,700 千円

平成12年摩

り0〔し_千円

計 2,900 千円

参照

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