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6章 市街化調整区域における整備・保全の方策

本構想を実現していくためには、地域別構想で定めた地区区分ごとにその方針に基 づく具体的な整備及び保全手法を展開していく必要がある。そこで、本市で適用が考 えられる手法内容及びその適用の方針について以下に整理を行う。

6-1 整備手法

(1)開発許可の枠組み

市街化調整区域は、基本的に市街化の抑制を目的として、区域指定されており、開発 行為等は、原則的に規制されている。 したがって、集落の生活確保や公益的な目的等により、開発行為等を実施する場合は、 開発許可制度に基づく手続きが必要となり、都市計画法第 34 条の規定に基づく運用に よるものとなっている。 このなかで、環境担保措置を伴った計画的な開発について認められており、市街化調 整区域においては整備・保全を前提に、一部の開発等を含むまちづくりを展開してい く場合は、「地区計画」又は「福岡県都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条 例」(以下この構想で「県開発許可条例」という。)の適用を検討していくことも可能 である。 ■市街化調整区域における開発許可の枠組み 公益的・公共的な目的・ 必要性などにかなう一部 の例外的な開発 地区計画に基づく開発 県開発許可条例の適用を 受けた開発 権利の生じている開発 開発審査会を経た大規模 な流通施設、学校・医療 施設等の開発 開 発 を 含 む 土 地 利 用 を 誘 導 す る 際 に 適 用 も 可 能 【都市計画法第34条で認められている開発行為】 (1)日常物品販売・加工・修理 (2)市街化調整区域の資源利用 (3)温度・湿度等特別な条件を要する事業用建物 (4)農林漁業用施設 (5)農林業等活性化基盤施設 (6)国・中小企業事業団と一体で助成する中小企 業の共同化・集団化事業 (7)市街化調整区域の既存工業の関連事業 (8)危険物の貯蔵・処理施設で市街化区域での建 設が不適当 (9)市街化区域での建設が困難・不適当 (10)地区計画又は集落地区計画 (11)市街化区域と一体的生活圏で 50 戸以上の建 物が連たんする地域での県条例で定める開発 (12)市街化促進のおそれがなく、市街化区域で は困難・不適当な県条例で定める開発 (13)既存権利の届出済みの開発 (14)開発審査会を経た以下の行為 市街化促進のおそれがなく、市街化区域では 困難・不適当な開発

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(2)誘導的手法

市街化調整区域において、周辺環境との調和のもと、集落部等における計画的な土 地利用を促していく上では、次の誘導的な手法の適用が考えられる。 ①県開発許可条例の概要 県では、都市計画法第 34 条第 11 号及び第 12 号に基づき、市街化調整区域の開発許 可の基準について県開発許可条例で規定しており、その概要は次のとおりである。 これらの要件に適合する区域については、市が県に指定を申し出ることにより、条 例に定める一定の基準に基づき開発が可能となる。 ■県開発許可条例の概要 条例第 4 条 【法 34 条第 11 号】 条例第 6 条第 1 項第 1 号 【法 34 条第 12 号(目的別)】 条例第 6 条第 1 項第 2 号 【法 34 条第 12 号(定形化)】 目 的 市街化区域近傍で、一定の家 屋の集積がある地域におい て、周辺環境の保全に支障が ない開発行為を許容する。 周辺環境との調和のもと、地 域性を活かし、タイプ別の地 域の活力創出を目的とする開 発行為を許容する。 開発許可のうち開発審査会に おいて定形的に許可されてい るものを条例化し、事務処理の 効率化を図る。 制度の しくみ 市の申し出のもと、県知事により指定された区域について、 県条例で定める要件を満たす開発行為を許可 条例基準に適合する開発につ いて開発審査会の議を経ずに 許可 指定要件 概要 市街化区域から 500mの範囲 にあって以下の要件を満た す区域 イ)50 戸以上の建物が連たん ロ)同一の生活圏を構成 ハ)新たな基盤整備不要 ニ)宅地率が一定規模以上 6m以上の道路に接道 ①田園居住タイプ ・市街化区域 500m 圏外 ・特定市民農園に隣接、近接 ・4m以上の道路に接道 ・区域規模 0.5ha~2ha ②集落活性化タイプ ・市街化区域 500m圏外 ・50 戸以上の建物が連たん ・宅地率 50%以上 ③沿道利用タイプ(利便施設 型・流通業務・産業振興型) ・市街化区域等 500m 圏外 ・1路線 1 区域 ・区域規模 0.5ha~2ha ・9m以上国道等接道 ・4車線以上、インター周辺(流 通業務型) 以下の用途のうち条例基準を 見たす開発 イ)分家住宅 ロ)自己用住宅 ハ)収用対象事業による自己用 住宅 許可対象 となる建 築物 戸建専用住宅 (敷地200㎡以上) 集落活性化タイプ ・戸建専用住宅(200 ㎡以上) ・第二種低層住居専用地域に 建築できるもの 田園居住タイプ ・戸建専用住宅(300 ㎡以上) 沿道利用タイプ 利便施設型 ・沿道サービス施設 流通業務・産業振興型 ・流通業務施設 ・産業振興施設

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②地区計画 地区計画とは、それぞれの地区の特性に応じて住民合意のもと、良好な都市環境の 整備と保全を図るために必要な事項を定める「地区単位の都市計画」である。 市街化調整区域において地区計画を策定できる区域は、都市計画法第 12 条の 5 第 1 項第 2 号において定められており、無秩序な市街化の進展が懸念される地区等におい て、適正な土地利用を誘導する上で適用が考えられる。 地区計画においては、道路等の適正な都市施設の確保や周辺環境に配慮した建築条 件などのきめ細かな誘導が可能であり、今後より重要性を増すまちづくり手法として 考えられる。 ただし、一方で、地区計画による無秩序な開発を助長することのないよう、適用に あたっての基準や、建築条例を定めるなど、適正な運用に努めていく必要がある。 ③集落地区計画 集落地区計画は、集落地域整備基本方針において位置づけられる集落地域において、 営農条件と調和のとれた良好な居住環境の確保と適正な土地利用を図るため、公共施 設、建築に関する一体的かつ総合的な計画を定める制度である。 ただし、一般の地区計画制度に加え、宅地造成に伴う農地転用一般基準の除外規定 があり、より柔軟かつ総合的な整備・開発に対応できるが県で定める集落地域整備基 本方針に適合する必要がある。

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(3)その他の整備手法等

市街化調整区域の整備に際し、適用が考えられる事業手法あるいは補助事業として は以下のものが挙げられる。 ①面的整備事業 面的な整備事業としては、土地区画整理事業がある。事業に際しては、事業化に伴 う利益(土地価値の増進)に見合った用地分を地権者が供出することにより、道路や 公園等の基盤施設を整備し、良好な都市基盤を有する面的な市街地の形成を図る。 また、民間等による一括的な用地取得による住宅団地等の面的開発も考えられる。 ただし、いずれの事業においても成立のためには新たな宅地として利用可能な土地 を面的に確保し、法第 34 条の規定に基づくことが必要となる。 ②優良田園住宅制度 優良田園住宅とは、農山村地域、都市の近郊等に良好な自然的環境を形成している 地域に所在する、以下の要件を満たす一戸建住宅のことであり、その建設に対し税制 の特例や資金融資等の支援施策が整備されている。 市町村が優良田園住宅の建設の促進に関する基本方針を作成することが前提であり、 建設する者は、優良田園住宅建設計画を作成し、市町村に提出し認定を受ける必要が ある。 優良田園住宅の建設においても法第 34 条の規定に基づくことが必要となり、また、 周辺環境と調和した良好な居住環境を確保するため地区計画制度を活用することが望 ましい。 ※ 優良田園住宅制度を利用する場合、計画区域の規模に関する規定はない。ただし、一団の農地を計画区域内に有す る場合は農林水産省との協議が必要となる。 【優良田園住宅の要件】 ・敷地面積 300 ㎡以上。 ・建ぺい率 30%以下、容積率 50%以下であること。 ・階数は3階以下であること。

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6-2 保全手法

(1)現行の保全制度等

市街化調整区域においては、法第 34 条の開発許可の運用により、集落の生活確保や 公益的な目的等の一部例外を除き、基本的には開発を抑制し農地や自然的な土地利用 についての保全が図られている。 また、農地や山林については以下の法制度に基づき開発行為や土地利用の変更等に ついて規制が図られており、保全が望ましい農地や山林等については現行の区域指定 等を維持し土地利用の保全を図っていく。 表-農地・山林に係る現行の保全制度等 区 分 開発行為等に関する手続き 根拠法 市街化調整区域全域 開発行為に際する県の許可(都市計画法第 34 条に基づく規制) 都市計画法 一般農地 農地転用に際しての県への許可申請 (市街化進展地内の農地:原則許可、市街化が見 込まれる又は生産性が低い農地:公益目的等に対 し許可)※開発をともなう場合は 34 条開発許可 農地法 農地 農業振興地域 農用地 非農業的利用に際しての区域除外要件 (他に代替地がない、土地利用の混在等農用地の 利用に支障をきたさない等) 農業振興地域の 整備に関する法 律 地域森林計画 対象民有林 開発行為に対する県への許可申請 (許可要件:防災、水源涵養、環境保全等に支障 をきたさない。) 森林法 森林 保安林 立木伐採や土地形質の変更に対する県へ の許可申請 森林法

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(2)農地の保全・整備手法

農業振興地域農用地に指定される農地については、農業振興地域整備計画に基づ き、農業基盤整備等の総合的な農業振興施策が展開されているが、集落の周辺部に は、農用地区域以外の農地が残り、これら農地の多くは基盤未整備等の状況より生 産効率が低く、荒廃化や無秩序な開発等を招いている。 これら農地を保全していく上では、営農を維持するための生産基盤の向上に努め るほか、都市住民のレクリエーションの場として活用するなど多面的な保全施策の 展開が必要であり、その手法として次のような事業・制度の活用が考えられる。 ①新たな保全地区の指定 特に良好な環境や景観を形成する農地・集落においては、新たな保全系の地区指 定を検討していく必要があり、都市計画法に基づく「風致地区」等の適用が考えら れる。 ②総合的な集落地域整備事業 県集落地域整備基本方針に位置づけられる集落地域においては、集落地域整備法 に基づき、集落地区計画を活用した総合的な集落・農地の整備が可能である。 農業振興地域農用地外の農地については、集落農業振興地域整備計画を策定する ことにより、農用地保全利用協定の締結や、農地の交換分合や基盤整備等の各種補 助事業の導入が可能となる。 集落地域の要件として、農地については概ね 10ha 以上の規模が必要とされている。 ③農業基盤整備資金 農業基盤整備資金は、農業生産力の増大、生産性の向上を図るため、生産基盤の 整備や農村環境基盤の整備を支援する長期・低利な融資制度である。 農地の新設、改良、造成及び復旧の事業に係る地元負担分を融資対象とし、各種 農業法人・団体、営農者において利用が可能である。 ④市民農園制度 市街地近郊の農地の保全法としては、都市住民等のレクリエーション等の需要に 対応する「市民農園」としての利用も効果的な手法といえる。 市民農園の開設に関しては、「特定農地貸付法」及び「市民農園整備促進法」によ り各種要件が定められており、市が指定する市民農園区域において、公共団体や農 業団体、農家等による開設が認定され、また、開設に伴う各種補助事業が整備され ている。

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(3)山林の保全・整備手法

山林については、土地利用の保全施策のほか、林業の衰退等に伴う森林の荒廃化が 大きな問題となっている。いかに維持管理の担い手を確保し良好な環境を維持してい くかが大きな課題であり、以下のような施策の展開を検討していく必要がある。 ①新たな保全地区等の指定 市では現在、「水源保護条例」及び「緑地保全区域内土地購入要綱」を定め、緑地保 全区域について土地の購入を進めており、同条例等を活用しながら良好な森林の公有 地化を図る施策を実施している。 そこで、今後は市街化調整区域においても特に良好な環境を有する森林等について は、保安林の指定など、現行の保全地区の指定を拡大するほか、都市緑地保全法に基 づく「緑地保全地区」や都市計画法に基づく「風致地区」など、新たな保全地区の指 定、森林の保全に関する新たな市条例の制定等を検討していく必要がある。 ②地域で山林を守るしくみづくり 現在、各地で市民参加型の山林維持活動等が行われつつあり、本市においても「筑 紫野市みどりの街づくり推進委員会」を組織し、様々な緑化事業やボランティア団体 の育成等を図っている。 このような市民参加型の山林保全活動をさらに拡大していく公報や、イベントの実 施等に取り組むほか、地権者を支援し活動の場の提供を促すなど、新たな条例等の制 度を検討していく必要がある。

(4)河川の保全・整備手法

河川整備については、平成9年の河川法の改正により、「河川環境の整備と保全」及 び「地域の意見を導入した河川整備」の視点が追加された。 本構想において水辺環境軸として位置づける宝満川及び山口川については、特に上 記視点への配慮が重要であり、今後、積極的な住民参加のもと、多自然型の河川整備 に取り組んでいく必要がある。

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6-3 整備・保全手法の適用方針

市街化調整区域の土地の整備・保全の具体化に際しては、地域別構想に基づく地区 区分(8 区分)ごとに、その方針を踏まえた上で詳細計画を策定し、具体的な区域にお ける整備及び保全の位置づけを明確化するとともに、適正な整備・保全手法を適用し ていく必要がある。本構想では「ふるさと地区」「みどり交流地区」「田園地区」「やま 地区」が保全系土地利用に分類され「まち形成地区」「まち検討地区」が整備系土地利 用に分類される。また、「さと・まち地区」は双方が考えられ「みち交流地区」がスポ ット的、かつ双方が考えられる。以下に基本的な整備・保全手法の適用の枠組みを下 図のように整理する。 ※ 主要な整備・保全手法の適用の枠組みを示すものであり、実際には、個々の立地条件や住民意向 等を踏まえ、具体的な適用を検討する必要がある。一方、整備系土地利用においては調整区域の位置 づけ等を踏まえ、より慎重な検討が必要である。 また、相互補完的に複数の手法を併用するケースも考えられる。 保全系 土地利用 法 34 条開発許可及び 森林法・農地法の適用 整備系 土地利用 面的整備事業の導入 (地区計画の併用も含む) 現行の保全制度の運用 市街化調整区域のみの指定 農用地等その他区域指定 がある 【地区別詳細計画】 地区別方針に基づく、具 体的な保全系・整備系土 地利用の明確化 地域別構想 地区区分 【立地条件】 【整備・保全手法】 特に優良な環境・景観等 を有する農地・山林 がある 新たな保全地区・条例等 の指定 面的な整備が有効 面的な整備が困難 県開発許可条例 の適用 地区計画の導入

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参照

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