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News Release 令和元年 6 月 3 日 福岡市経済観光文化局産学連携課 福岡市政記者各位, 福岡経済記者各位 あだち九州大学安達 ちは千波 や矢 教授の有機 EL の 研究成果から新たなスタートアップ企業が誕生! これまで福岡市は, 有機 EL の研究開発について, 公益財団法人九州先端

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Academic year: 2021

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令和元年 6 月 3 日 福岡市経済観光文化局 産学連携課 福岡市政記者各位,福岡経済記者各位 これまで福岡市は,有機ELの研究開発について,公益財団法人九州先端科学技術研究所 (ISIT)と連携し,積極的に支援してまいりました。 このたび,九州大学 安達千波矢教授らの研究グループの研究成果である,新しい材料(有機 材料)を用いたレーザー技術の実用化を目指す㈱KOALA Tech が設立されましたのでお知らせし ます。 なお,福岡市の創業支援窓口であるスタートアップカフェでは,㈱KOALA Tech へのサポート も実施しています。安達千波矢教授の研究成果を活かしたスタートアップは,㈱Kyulux(福岡市 産学連携交流センター入居)に次いで,2社目となります。 記 1 株式会社 KOALA Tech の概要 (1)代表取締役 リビエル ジーンチャールズ (2)設立日 2019 年3月 22 日 (3)資本金 2,500万円 (4)本社所在地 福岡市西区 2 KOALA Tech の技術から期待されること レーザーは,DVD やブルーレイの読み書き,レーザー加 工による切断,光情報通信の信号伝送等,私たちの生活の 中で広く使われています。 今回の有機材料を用いたレーザーが実用化されれば,これ れまでの無機材料を用いたレーザーに比べて,小型で低価格 化が可能となります。さらに新しい色のレーザー光が作れる ことで,将来の光通信やセンシング等,幅広い分野への応用 が期待されています。 <添付資料> 九州大学プレスリリース資料: 別紙

九州大学 安達

あ だ ち

千波

ち は

教授の有機ELの

研究成果から新たなスタートアップ企業が誕生!

【お問い合わせ】 経済観光文化局 産学連携課 担当:松岡,早田 TEL:092(711)4900 FAX:092(733)5901

News Release

KOALA Tech のメンバー (左から1番目:安達千波矢教授, 左から2番目:リビエル ジーンチャールズ CEO) これまでのレーザー (無機材料) KOALA Tech社の レーザー (有機材料) 色の種類 限られた色のみ 任意の色が可能 デバイスのサイズ 大きい 小さい 価格 高い 安い 有機材料を用いたレーザーのメリット KOALA Tech の技術から期待される応用デバイス例 (超小型有機レーザーディスプレイ)

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九州大学広報室

819-0395 福岡市西区元岡 744

Tel:092-802-2130 Fax:092-802-2139 E-mail:[email protected]

PRESS RELEASE(2019/05/29) URL:http://www.kyushu-u.ac.jp

【お問い合わせ】 九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター センター長 安達千波矢(アダチチハヤ) Tel:092-802-6920 Fax:092-802-6921 E-mail:[email protected]

電流励起型有機半導体レーザーダイオードの実現!!

~(株)KOALA Tech による実用化を展開~

九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターの A.S.D. Sandanayaka(サンダナヤカ) 特任教授、安達千波矢センター長らの研究グループは、世界で初めて有機材料を用いた半導体レ ーザーダイオード(OSLD : Organic Semiconductor Laser Diode)(※1)の電流励起発振に成功 しました。また、2019 年 3 月 22 日(金)に設立した九大発ベンチャー(株)KOALA Tech によって 実用化を展開していきます。 本研究のポイント: ●有機発光素子である OLED 素子を基本構造に、光閉じ込め効果を示す DFB(※2)型光共振器(※ 3)構造を埋め込むことで、レーザー発振(※4)が可能であることを初めて実証しました。 ●本研究での実証によって、無機半導体レーザーでは困難であった任意の発振波長(可視域から 赤外域まで)、比較的安価で容易な製造プロセス、フレキシブル基板や透明素子等の有機材料の 特徴を活かしたレーザー光源を利用したデバイス応用展開が期待されます。 本研究成果は科学技術振興機構(JST)ERATO「安達分子エキシトン工学プロジェクト」の研究活 動の一環で得られました。本研究成果は、2019 年 5 月 31 日(金)14 時(日本時間)に、日本発 の国際科学雑誌である『Applied Physics Express』誌のオンライン速報版で公開されます。

研究者からひとこと: 1989 年の有機半導体レーザーの着想以来、約 30 年の 月日を経て電流励起の端緒を遂につかむことができま した。先端材料化学、デバイス物性、微細加工プロセス の各要素と専門家が融合することで技術のブレイクス ルーが達成されました。今後、有機半導体レーザーの学 理の解明を進めることで、より一層の低閾値化を進め、 デバイスの安定化を図ります。同時に、新しい有機半導 体 レ ー ザ ー の 産 業 化 を 念 頭 に 置 い た 実 用 化 開 発 を (株)KOALA Tech で進めていきます。(最前列中央: Sandanayaka 特任教授、最前列左:安達センター長) (参考図)(1)有機半導体レーザーダイオード(OSLD) の動作イメージ。陽極と陰極の間に SiO2で形成された光 共振器構造(DFB 構造)を有する。有機材料からの発光 に対して、光共振器によって誘導放出を増強することで レーザー発振を実現した。(2)有機レーザー分子として BSBCz を用いた青色 OSLD の発振の様子。 (参考)株式会社 KOALA Tech のメ ンバー(CEO:リビエル ジーンチャールズ、左 から 2 番目)

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 概要 本研究は、世界初の電流励起による有機半導体レーザーダイオード(OSLD)のレーザー発振に成功 しました。本デバイスは、低閾値でレーザー発振が可能な先端レーザー分子の設計、電流励起レーザー 発振に適した積層構造の最適化、および光損失を抑制し、デバイス内における光結合を増強するための 適切な光共振器の導入によって達成しました。本デバイスは、比較的簡便な作製プロセス、可視域から 赤外域にわたる任意の発振波長の実現、OLED との融合性など実装自由度の拡大、フレキシブルデバイス や透過型デバイスへの適用性など、有機材料の特徴を活かした新たな応用展開が期待されます。  背景 現代の情報化社会において光、特にレーザー光は、様々な産業用途への展開が期待されることから、 大きな注目を集めています。レーザー技術の中でも電流注入によって直接レーザー光を生み出す半導体 レーザーは、光通信をはじめとする情報処理分野、医療分野、さらには産業分野においてその市場を拡 大し続けています。より身近となったレーザー技術は多くのアプリケーションを生み出し、小型レーザ ー光源を用いた生体認証やヘッドマウントディスプレイ、さらには生体センサーなど、ウェアラブルか つ生体親和性を重視した製品が市場へ投入されつつあります。 レーザー光源としてこれまで用いられてきたのは無機材料で構成された半導体レーザーですが、無機 材料の種類によって決まるレーザー発振波長は限定的であり、任意の発振波長を得ることは困難でした。 また、レーザー媒質として用いられる無機材料は結晶形態であり、その作製プロセスの煩雑さや曲面や 伸縮性基板への実装がする難しいといった問題がありました。しかしながら、近赤外発光素子を用いた 生体認証やアイトラッキング、ヘッドマウントディスプレイを用いた仮想現実(VR)や拡張現実(AR) 技術、可視光レーザーを用いた生体機能モニタリング技術など、より生体を意識した応用展開の潮流は、 より多様なレーザー素子の形態の出現を必要としています。有機材料を用いたレーザー光源が実現すれ ば、有機分子の設計自由度の高さによって実現できる任意の発振波長、機械的柔軟性や生体親和性に基 づく実装自由度の拡大、透明材料を選択することで実現される透過型デバイスへの適用が期待でき、さ らに、OLED との融合により、多彩なデバイス展開が期待されます。  内容・効果 本研究は、これまで困難であった「電流励起型有機半導体レーザーダイオードの実現」を目的とし ました。OSLD の実現を阻んでいた主要因は、高電流密度に耐えうる有機材料及び素子構造の開発及び高 電流密度下で生じる三重項励起子(※5)やポーラロン吸収(※6)による損失でした。本研究では、有 機レーザー材料として低閾値レーザー発振材料である BSBCz、積層構造には図1で示す逆積層型 OLED 構 造を、また光共振器には 1 次 2 次の混合型 DFB 構造を利用することで OSLD の開発に成功しました。そ の結果、約 650 A cm–2以上の高電流密度下において 480.3 nm に発振ピークを有する強いスペクトルの 狭帯化が生じることが分かりました。また、発振特性が明確な閾値挙動を持つこと、発振スペクトルの 半値幅が 0.2 nm 以下と狭いこと、偏光特性やコヒーレンス特性を有することから、レーザー発振であ ることを確認しました。  株式会社 KOALA Tech の創設

当該研究グループでは、本新技術を実用化する目的で、(株)KOALA Tech Inc.(Kyushu Organic Laser Technology)を 2019 年 3 月 22 日に設立しました。創業メンバーとして、安達千波矢教授、Jean-Charles Ribierre(ジーンチャールズ リビエル)博士、Fatima Bencheikh(ファティマ ベンシェイク)博士、 藤原隆博士がいます。今後、有機半導体レーザーダイオードの特性を改善し、その性能を実用レベルへ 引き上げ、実用化のための研究開発活動を展開していきます。  今後の展開 現時点では、青色 OSLD によるレーザー発振が得られていますが、今後、分子設計およびデバイス設 計を進めることで、可視域から近赤外域にわたるレーザー発振波長を有するデバイスへ展開し、デバイ スの安定化技術の開発を進めていきます。本技術の実用化を目指す、(株)KOALA Tech と協働すること で、情報セキュリティ、ディスプレイ、バイオセンシング、ヘルスケア、光通信など新しい応用展開を 開拓できると期待されます。

論文名:Indication of current-injection lasing from an organic semiconductor 雑誌名:Appl. Phys. Express DOI:https://doi.org/10.7567/1882-0786/ab1b90

著者 :Atula S. D. Sandanayaka, Toshinori Matsushima, Fatima Bencheikh, Shinobu Terakawa, William J. Potscavage, Jr., Chuanjiang Qin, Takashi Fujihara, Kenichi Goushi, Jean-Charles Ribierre, and Chihaya Adachi

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 用語解説 (1) 電流励起型有機半導体レーザー (OSLD) 有機分子をレーザー発振させるためには、外部から有機分子にエネルギーを供給し、高密度の励起状態の 有機分子を形成させる必要がある。外部エネルギーとして紫外線などの光を用いて励起状態を形成させる手 法を光励起と呼び(例えば今回実現した光励起型の有機薄膜レーザー)、外部エネルギーとして電流を用いて 励起状態を形成させる手法を電流励起と呼ぶ。 (2) DFB 構造 Distributed feedback 構造の略。レーザー素子で用いる光共振器の 1 つ。本研究では光学特性が異なる二酸 化ケイ素(SiO2)と有機レーザー分子を周期的に配置した回折格子構造を採用した。効率良くレーザー発振を生 じさせるために、周期が異なる 1 次と 2 次の回折格子構造を組み合わせた。 (3) 光共振器 DFB 構造で構成された光共振器中で有機レーザー分子が発光した光がレーザー活性層の中へ反射され る。その反射された光が励起されている有機レーザー分子と相互作用することで増幅される。 (4) レーザー発振

レーザー(Laser)は、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅)の略語 である。レーザー光は、太陽光や蛍光灯の光のような自然光と異なり、直進性や集光性に優れている。このレ ーザー光が放出される様をレーザー発振という。 (5) 三重項励起子による損失 三重項励起子とは有機レーザー分子を光や電流で励起することにより形成される励起子の1つ。レーザー 発振が始まった時には三重項励起子は少ないが、寿命が長いため時間とともに蓄積する。三重項励起子はレ ーザー光を吸収してしまうので、レーザー発振が停止してしまう場合が多い。本研究で用いた有機レーザー分 子は三重項励起子によるレーザー発振の吸収が非常に弱いので、三重項励起励起子がレーザー発振を阻害 することはない。 (6) ポーラロンによる損失 ポーラロンとは有機レーザー素子への電圧をかけた際に注入される電荷キャリアのことである。三重項励起 子による損失と同様に、生じた正のポーラロンであるラジカルカチオン、負のポーラロンであるラジカルアニオ ンがレーザー光を吸収してしまうので、レーザー発振が停止してしまう場合が多い。本研究で用いた有機レー ザーデバイスではポーラロンによるレーザー発振の吸収が非常に弱いので、ポーラロンがレーザー発振を阻 害することはない。 <お問い合わせ先> <研究に関すること> 安達 千波矢(アダチ チハヤ) 九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター 〒819-0395 福岡市西区元岡744 Tel:092-802-6920 FAX:092-802-6921 E-mail:[email protected] <JST の事業に関すること> 古川 雅士(フルカワ マサシ) 科学技術振興機構 研究プロジェクト推進部 〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町 Tel:03-3512-3528 Fax:03-3222-2068 E-mail:[email protected]

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<報道担当> 九州大学広報室 〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡744 Tel:092-802-2130 Fax:092-802-2139 E-mail:[email protected] 科学技術振興機構 広報課 〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3 Tel:03-5214-8404 Fax:03-5214-8432 E-mail:[email protected] 九州先端科学技術研究所 事業支援部 〒814-0001 福岡市早良区百道浜二丁目1番22号 Tel:092-852-3460 Fax:092-852-3455 E-mail:[email protected] 株式会社 KOALA Tech 広報担当 〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡 744 九州大学イースト 1 号館 E-C-207 Tel:092-807-6036 E-mail:[email protected]

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