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5月の病害虫発生予想と防除のポイント

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Academic year: 2021

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鹿児島県経済連・肥料農薬課 鹿児島県病害虫防除所から発表された病害虫発生予報第11 号(2 月)を基に,防除のポイントを下 記に取りまとめましたので防除指導の参考にしてください。

Ⅰ.野菜

発生量は平年比較,発生予想の下段(根拠)の(+)は多発要因,(-)は少発要因を示す 作物・病害虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト キュウリ べ と 病 うどんこ病 褐 斑 病 やや少 1 月の発生:少 発生ほ場率:低い(-) 発生程度の高いほ場あり (+) やや少 1 月の発生:やや少 発生ほ場率:やや低い (-) やや少 1 月の発生:少 発生ほ場率:低い(-) 1月の気象予報 気温:高い(+) (べ と 病) ①多湿条件で発生,進展が助長されるので,多湿時(特に結 露が多い場合)は強制的に加温期を稼動させ,ハウス内の 湿度低下を図る。 ②発病葉は早めに除去し,ハウス外に持ち出して処分する。 ③肥料切れや草勢の衰えは発生を助長するので,適正な肥培 管理に努める。 ④多発すると防除は困難になるので,初期防除を徹底する。 ⑤既発生圃場では,リドミルMZ,フェスティバル M,ラン マン,ブリザードなどでローテーション防除し,未発生圃 場ではダコニール,ベフドーなどで予防を行う。 (うどんこ病) ①発病葉は早めに除去し,ハウス外に持ち出して処分する。 ②多発すると防除は困難になるので,初期防除に努める。 ③発生を認めた場合はモレスタン,ジーファイン,トリフミ ン等治療効果のある薬剤で防除し,その後はアミスター, ダイマジン,ダコニール,ブリザード,フルピカ,ベルク ート等をローテーション散布して他病害との同時防除を 心掛ける。 ④薬剤は下位葉や葉裏に十分かかるよう丁寧に散布する。 (褐 斑 病) ①高温多湿条件で発生しやすいので,ハウス内の通風換気を 十分に行う。特に,2月下旬以降の晴天日はハウス内温度 が急激に上昇するため,こまめに換気を行なう。 ②発病葉は早めに除去し,ハウス外に持ち出して処分する。 ③窒素肥料の過度な施用は発生を助長するので,適正な肥培 管理に努める。特に茎葉が繁茂する生育中~後期に多発す る傾向がある。 ④多発すると防除は困難になるので,初期防除に努める。 ⑤アミスター,カンタス,ゲッター,セイビアー,フルピカ, ベルクートなどでローテーション防除する。 (防除薬剤は 「24 農薬使用の手引き(野菜編)」::P.61~65参照)

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トマト 灰色かび病 並 1 月の発生:並 発生ほ場率:並 (灰色かび病) ①ハウス内の通風換気を十分行い,加湿にならないように努 める。 ②収穫果房より下の摘葉はこまめに行い、果房付近の風通し を良くする。 ③果頂部やへたの付近に付着する花弁はこまめに除去する。 ④発病果実は早めに除去し,ビニール袋等に入れてほ場外へ 持ち出し処分する。 ⑤アミスター,カンタス,ゲッター,セイビアー,スミレッ クス,ベルクート,ロブラールなど系統の異なる薬剤をロ ーテーション散布する。 (防除薬剤は「24 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.113~117 参照) ピーマン 斑 点 病 やや多 1 月の発生:やや多 発生ほ場率:やや高い (+) (斑点病) ①多湿条件で発生しやすいので,ハウス内の通風換気を十分 に行う。 ②発病葉はできるだけハウス外に持ち出して処分し,菌密度 の低下を図る。 ③成り疲れなどによる草勢低下により発生しやすいので,適 正な肥培管理に努める。 ④多発すると防除は困難になるので,初期防除に務める。 ⑤防除はダコニール,ラリー,カスミンボルドー,アミスタ ーオプティ,ドーシャスフロアブルなどをローテーション 使用し,他病害との同時防除を心掛ける。 (防除薬剤は「24 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.156~158 参照) イチゴ 灰色かび病 やや多 1 月の発生:やや多 発生ほ場率:並 発生程度の高いほ場あり (+) (うどんこ病) ①多湿条件下で発生しやすいので,ハウス内の通風換気に努 める。特に葉露が長時間残ると発生,進展が助長されるの で,強制加温等で葉露を早めになくする。 ②下葉が混み合うと風通しが悪く,防除効果も低下するので 下葉の除去はこまめに行う。 ③果実に付着した花弁は発病の原因となるのでこまめに取 り除く。 ④薬剤防除はストロビー,ダイマジン,パンチョ TF,フル ピカ,モレスタン,カリグリーンなど作用性の異なる薬剤 をローテーション散布する。

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作物・病害虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト ハダニ類 多 1 月の発生:多 発生ほ場率:高い(+) 発生程度の高いほ場あり (+) (ハダニ類) ①ナミハダニの発生が主体である。管理作業時に注意深く観 察し,発生の初期防除に努める。 ②寄生葉や摘葉した葉はほ場外に持ち出し処分する。 ③薬剤散布は下葉かきを行ってから葉裏によくかかるよう に行う。 ④春先にチリカブリダニ等の天敵を導入予定のほ場では,天 敵の放飼前に天敵に影響の少ない農薬で,ハダニの密度を 低下させておく。 ⑤防除薬剤はコロマイト,バロック,マイトコーネ,アファ ーム,コテツ等作用性の異なる薬剤でローテーション防除 するが,ナミハダニに対して,薬剤感受性の低下がみられ るので,散布後の効果確認に留意する。 ⑥薬剤の使用にあたってはミツバチへの影響に注意する(24 農薬使用の手引き(野菜編):P.52) (防除薬剤は「24 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.168~174 参照) サヤインゲン 菌 核 病 (施設) 少 1 月の発生:少 発生ほ場率:低い(-) (菌 核 病) ①低温多湿条件化で発生しやすいので,ハウス内の温度管理 及びつうふうかんきに努める。 ②過繁茂は発生を助長するので葉かきをこまめに行い,風通 しを良くする。 ③発病株は早めに除去する。菌核が落ちないようにビニール 袋等に入れてほ場外に持ち出し,適切に処分する。 ④薬剤散布はセイビアフロアブルを株元までかかるように 丁寧に行う。 施設野菜共通 アザミウマ類 (キュウリ,ピー マン,イチゴ) やや少~並 1 月の発生:並 ピーマン:並 キュウリ:やや少 イチゴ:やや少 (アザミウマ類) ①アザミウマ類はピーマン黄化えそ病,キュウリ黄化えそ病 の病原ウイルスを媒介するので,ハウス開口部(サイド等) 等に青色粘着トラップを設置し,早期発見・初期防除に努 める。 ②ピーマンやイチゴでは花や新芽の中,キュウリでは葉裏な ど薬剤のかかりにくい場所に生息するので,薬剤散布は丁 寧に行う。 ③スワルスキーカブリダニなどの天敵を放飼しているほ場 では,天敵に影響の少ない薬剤を選択する。 ④防除薬剤はアルバリン/スタークル,アドマイヤー,ベス

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コナジラミ類 (キュウリ,メロ ン,トマト,ミ ニトマト,ピー マン,イチゴ, サヤインゲン) 並 1 月の発生:並 キュウリ:並 トマト,ピーマン,イチ ゴ:やや少 サヤインゲン:やや多 サヤインゲンでは発生程 度の高いほ場があり(+) トガード,マラバッサ,アファーム,スピノエースなどを ローテーション使用するが,ピーマンではミナミキイロア ザミウマに対して,薬剤感受性の低下がみられているので 散布後の効果確認に留意する。 (コナジラミ類) ①タバココナジラミは,トマトの黄化葉巻病,ウリ類の退緑 黄化病の病原ウイルスを媒介し,またサヤインゲンの莢の 白化症,トマト,ミニトマトの着色異常果の原因になるの で生育初期から防除の徹底と総合的な防除対策が必要で ある。 ②ハウスの開口部には必ず防虫網を設置する。 ③黄色粘着トラップを設置し,早期発見と初期防除に努め る。 ④ウイルス発病株は伝染現になるので,疑わしい株も含めて 見つけしだい除去し,ハウス外に持ち出して埋没処分する か,ビニール袋に入れて処分する。 ⑤キュウリ,メロン,トマト,ミニトマト,ピーマンではバ イオタイプ Q に効果のあるアファーム,スタークル/アル バリン,ベストガード,サンマイト,コロマイト,スピノ エース,モスピラン等の登録状況を確認して使用する。 (防除薬剤は「24 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.66~69(キ ュウリ),P.90~93(メロン),P.118~121(トマト),P.134~137(ミ ニトマト),P.159~162(ピーマン), P.171~174(イチゴ)P.268~269(サ ヤインゲン)参照 防除に関する今月の留意事項 1.キュウリの植え替え作業時におけるアザミウマ類の防除について キュウリのミナミキイロアザミウマは黄化えそ病の病原ウイルスを媒介する。 半促成作型での黄化えそ病の発生を未然に防ぐためには,植え替え作業時における害虫防除を徹 底する。 ①抑制作型は収穫終了まで的確な害虫防除を行う。 ②収穫終了後は根から引き抜き,株全体を枯死させる。 ③中二重と外張りの間や谷下,暖房機の下などに生えている雑草は,ミナミキイロアザミウマの増殖 源になるので引き抜きや除草剤散布などの除草対策を行う。 ④除草対策後はハウスを密閉し,蒸しこみを 14 日以上行う。 ⑤定植時には必ず殺虫剤(粒剤)の植え穴処理を行う。

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作物・病害虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト 露地野菜 キャベツ 菌 核 病 やや多 1 月の発生:並 発生ほ場率:並 2月の気象予報 気温:高い(+) (菌 核 病) ①気温上昇と雨天が続いた時に発生しやすいので,天候に注 意し,予防散布に努める。特に発生しやすい品種では留意 する。 ②病原菌は葉柄基部付近から侵入するので,薬剤は株元へ十 分かかるように散布する。 ③発病株は次年度の伝染源となるので,ほ場外に持ち出して 処分する。 ④防除薬剤はアフェット,アミスター,オンリーワン,カン タス,セイビアー,トップジンM,ベンレート,ロブラー ルなどがあるが,同一系統薬剤の連用を避け,作用性の異 なる薬剤のローテーション散布を行う。 (防除薬剤は「24 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.205~207 参照) エンドウ類 うどんこ病 ハモグリバエ 類 アザミウマ類 やや多 1 月の発生:やや多 発生ほ場率:やや高い (+) 2月の気象予報 気温:高い(+) 並 1 月の発生:並 発生ほ場率:並 2月の気象予報 気温:高い(+) 降水量:並 やや多 1 月の発生:やや多 発生ほ場率:やや高い (+) 2月の気象予報 気温:高い(+) (うどんこ病) ①多発すると防除は困難になるので,初期防除に務める。 ②下位葉に発生しやすいので,薬剤が十分かかるように散布 する。 ③多発ほ場では5~7日おきに防除を行う。 ④薬剤は,既発生ほ場ではトリフミンなど治療効果のあるE BI剤を使用し,発生初期のほ場ではサプロール,カリグ リーン,サンヨールなど予防効果のある薬剤をローテーシ ョン散布する。 (ハモグリバエ類) ①寄生種はナモグリバエが種である。 ②多発してからの防除は困難なので初期防除に努める。多発 ほ場では5~7日おきに連続散布し,徹底した防除を行 う。 ③防除薬剤はアディオン,アファーム,スタークル,ハチハ チ,パダンなどでローテーション散布する。 (アザミウマ類) ①寄生種はハナアザミウマが種である。 ②薬剤のかかりにくい花弁の奥や若莢に寄生するので,薬剤 散布は丁寧に行う。 ③防除薬剤はマラソン,マブリック,モスピランがあるが, ハモグリバエ類との同時防除も可能であるので,作用性の

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異なる薬剤とのローテーション散布を行う。 (防除薬剤は「24 農薬使用の手引き(野菜編)」: P.248~250 (サヤエンドウ),p255~257(実エンドウ)参照 ジャガイモ 疫 病 熊毛地域:やや少 奄美地域:並 熊毛 1 月の発生:やや少 発生ほ場率:やや低い(-) 2 月の気象予報 気温:高い(+) 降水量:並 奄美 1 月の発生:やや少 発生ほ場率:やや低い(-) 2 月の気象予報 気温:高い(+) 降水量:多い(+) (疫 病) ①降雨が数日続くと発生しやすく,発生すると急激に病勢が 進展するので,防除は予防散布に重点をおく。 ②ほ場の見回りを行い,発生を認めたら直ちに防除を行う。 その後は進展状況に応じて7~10 日後に追加防除を行う。 ③ペンコゼブ(ジマンダイセン),ダコニール,サーガ,エム ダイファーなどで予防を行い,発病が見られたらフェステ ィバル含有剤,ホライズン,ランマン,リドミル含有剤な どのローテーション散布によって,防除を徹底する。 ④収穫が遅れは被害拡大につながるため,適期収穫を行う。 ⑤次作の伝染源となる発病株や収穫残渣はほ場外に持ち出 し,処分する。 (防除薬剤は「24 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.305~307 参照)

Ⅱ.花き(キク)

発生量は平年比較,発生予想の下段(根拠)の(+)は多発要因,(-)は少発要因を示す 病 害 虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト 黒斑病・ 褐斑病 県本土(施設):やや多 奄美(露地):やや多 県本土 1月の発生:やや多 発生ほ場率:やや高い(+) 2 月の気象予報 気温:高い(+) 奄 美 1月の発生:やや多 発生ほ場率:並 発生程度の高いほ場あり (+) 2 月の気象予報 気温:高い(+) 降水量:多い(+) (黒斑病・褐斑病) ①通風,採光と排水対策に努め,かん水は土が跳ね上がら ないようにする。 ②発病葉は伝染源となるので早めに摘み取り,適正に処分 する。 ③肥料切れや窒素過多は発病を助長する。 ④被害部は伝染源となるので,母株の予防散布を行う

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病 害 虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト ハダニ類 アザミウマ類 県本土(施設): やや多 1月の発生:やや多 発生ほ場率:高い(+)2 月の気象予報 気温:高い(+) 県本土(施設): やや多 奄美(露地):多 県本土 1月の発生:並 発生ほ場率:並 2月の気象予報 気温:高い(+) 奄 美 1月の発生:やや多, 発生ほ場率:高い(+) 2月の気象予報 気温:高い(+) 降水量:多い(-) (ハダニ類) ①出入り口や前作での発生場所近くでスポット状に発生す る場合が多いので,よく観察して発生に注意し,初期防 除に努める。 ②圃場内や周辺の雑草,収穫後の残渣等は早めに除去し, 適正に処分する。 ③薬剤は葉裏までよくかかるよう丁寧に散布する。 ④防除薬剤はコテツ,コロマイト,スターマイト,バロッ ク,ピラニカ,マイトコーネなどで,同一系統薬剤の連 用を避け,作用性の異なる薬剤によりローテーション防 除を行う。 (アザミウマ類) ①キクえそ病(TSWV)とキク茎えそ病(CSNV)を媒介 するので,圃場への侵入防止と初期防除に努める。地域 での一斉防除は効果が高い。 ②母株や苗の導入に際してはアザミウマ類の寄生やウイル ス感染に細心の注意を払う。 ③施設では,開口部に目合い1mm の防虫網を張って侵入 を防ぐ。発生動向を把握するために,出入り口や開口部 に青色粘着シートを設置し,防除の目安にする。 ④除草等の環境整備を行うとともに母株の防除を徹底す る。 ⑤種によって薬剤感受性が異なり,感受性の低下が見られ る薬剤もあるので散布後は効果を確認する。 ⑥近年,クロゲハナアザミウマの発生が確認された地域が あり,本虫の被害葉はハダニ類による「かすれ」症状と よく似ているので注意する。薬剤は葉裏までよくかかる ように散布する。 ⑦同一系統薬剤の連用を避け,作用性の異なる薬剤により ローテーション防除を行う。 ⑧栽培終了後は速やかに残渣を処分する。 「24 農薬使用の手引き(普通作物・花き編)」P.120~125 (キク)参照)

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病 害 虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト カンザワハダ ニ やや少 1 月の発生:やや少 発生ほ場率:やや低い(-) 寄生葉率:並 2 月の気象予報 気温:高い(+) 降水量:並 (カンザワハダニ) ①圃場を見回り,今後の発生に注意する。 ②春期防除は,平均気温が10℃を超える 2 月下旬~3 月上 旬頃に,裾部,葉裏を重点に残効性の長い薬剤で防除す る。 (防除薬剤は「24 農薬使用の手引き(果樹・茶編)P.127 ~130,137~138(茶)参照)

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