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日本原子力学会和文論文誌 (2012), Advance Publication by J stage, doi: /taesj.j 技術資料 グリーンハウス方式によるグローブボックス解体撤去工法の改良 綿引政俊 1,, 赤井昌紀 1,2, 中井宏二 1, 家村圭輔 1, 吉

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1 日本原子力開発機構 東海研究開発センター 2 千代田メインテナンス

3 検査開発

Corresponding author, E-mail: watahiki.masatoshi@jaea.go.jp

技 術 資 料

グリーンハウス方式によるグローブボックス解体撤去工法の改良

綿引 政俊

1,

,赤井 昌紀

1,2

,中井 宏二

1

,家村 圭輔

1

吉野 正則

3

,平野 宏志

3

,北村 哲浩

1

,鈴木 一敬

1

Improvements in Plastic Enclosure System for Glovebox Decommissioning

Masatoshi WATAHIKI1,, Masanori AKAI1,2, Kouji NAKAI1, Keisuke IEMURA1,

Masanori YOSHINO3, Hiroshi HIRANO3, Akihiro KITAMURA1and Kazunori SUZUKI1

1Tokai Research and Development Center, Japan Atomic Energy Agency 433 Muramatsu, Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki 3191194, Japan 2Chiyoda Maintenance Corporation Ltd., 1632 Minowa, Hokota-shi, Ibaraki 3111493, Japan

3Inspection Development Company Ltd., 312937 Hibara, Muramatsu, Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki 3191112, Japan (Received March 4, 2011; accepted in revised form September 6, 2011; published online November 30, 2011)

Gloveboxes used for plutonium fuel development and fabrication are eventually dismantled for replace-ment. Since equipment interior and the inner surface of gloveboxes are contaminated with radioactive materials, glovebox dismantling is performed by workers wearing an air fed suit with mechanical tools in a plastic enclosure system to control the spread of contamination. Various improvements of the enclosure sys-tem are implemented including the modiˆcation of the rooms to decontaminate and undress the air fed suit and the introduction of an in‰ammable ˆlter and a safety ˆlm near the size reduction workspace against ˆre. We describe the countermeasures deployed in the enclosure system against potential hazards and how these devices work in the real dismantling activities.

KEYWORDS: gloveboxes, dismantlement, plastic enclosure system, air fed suit

I. 緒

日本原子力研究開発機構 東海研究開発センター 核燃 料サイクル工学研究所 プルトニウム燃料技術開発セン ターでは,二酸化プルトニウムおよびプルトニウム・ウラ ン混合酸化物(MOX)の燃料設計技術開発を進めるととも に,実用プラント規模での MOX 燃料の製造技術開発を進 めている1~3)。このような開発では,プルトニウムを含む 核燃料物質を取り扱うため,設備・装置類はグローブボッ クスやフード(以下,「GB 等」という。)内に納められ,核 燃料物質が外に漏れ出ないよう管理された状態で取り扱わ れている。 これらの設備・装置類は,使用目的の終了,高経年化の 対策,もしくは技術の高度化等の理由により,計画的に設 備更新・撤去を行う必要がある。更新に際しては,既設の GB等を解体撤去し,そのスペースを利用して,新設設備 を設置するのが一般的である。解体撤去する GB 等の内部 には,プルトニウム等が残留しており,十分な安全対策・ 防護対策を講じた上で解体撤去作業に当たる必要がある。 具体的には解体撤去対象となる装置を含む GB 等をビニル 製のシートで構成したグリーンハウス(以下,「GH」とい う。)で覆い(Fig. 1),その中で空気供給式防護具(エアラ インスーツ)を装着した作業者が,解体工具を用いて GB 等を解体することになる。 プルトニウム燃料技術開発センターでは,これまでに様 々な大きさや汚染状態の GB を,それぞれの条件に合わせ て設置した GH の中で,解体撤去してきた。その過程で 多くのトラブルや不具合等を経験しており,その再発防止 のための安全対策等の改良,改善を行ってきた。 本技術資料は,GH 方式による解体撤去工法に関して取 り組んできた GH に関わる改良例について報告するもの である。

II. GB の解体と GH の設置手順

1. GBの解体撤去の手順 プルトニウムおよび MOX 燃料を取り扱う GB の解体撤 去では,解体撤去対象である GB の周囲に GH を設置し, 解体時に発生する放射性物質の拡散を防止している。また,

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Fig. 1 グリーンハウスの外観 Fig. 2 解体工具 GH 内の作業者は,核燃料物質による汚染や内部被ばくを 防止するため空気供給式防護服(エアラインスーツ)を着用 して GB の解体作業を行う4,5)。解体工具としてはチップ ソー,ディスクグラインダ,バンドソー(Fig. 2)など,火 災の危険の少ないものを用いている。 GH 方式による一般的な解体撤去作業の手順を Table 1 に示す。 作業場所を確保するため,解体撤去対象 GB 周辺の制御 盤等の非汚染機器類を撤去する。間仕切りなどにより,解 体撤去作業エリアを設置する。足場パイプとビニルシート を用いて,解体撤去対象 GB 周辺に簡易テントを設置す る。簡易テント内で,グローブ作業により GB 内の内装機 器の分解,核燃料物質の除染,回収を行った後,残留汚染 の拡散防止のために,GB 内のペイント固定を行う。次に 簡易テントを撤去し,照明器具や警報等の GB 外装品を取 り外す。さらに接続配管,排気系配管を切断し,GB を排 気系から切り離す。そして,足場パイプやビニルシート, 鉄板等床養生材で解体用 GH を設置する。GH には,エア ラインスーツへの空気供給設備や排気設備などを設ける。 設置した GH 内で,エアラインスーツを着用した作業 員により,GB 本体,内装設備類の分解,切断,細断を行 い,養生・梱包したものをコンテナ等の廃棄物収納容器に 収納する。GB の解体が終了した後,GH 内の除染,ペイ ント固定を行い,汚染が検出されないことを確認したうえ で,GH を撤去する。最後に,床面の補修や作業エリアの 間仕切りの撤去を行い,一連の解体撤去作業が完了する。

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Table 1 一般的な解体撤去作業の手順 作業項目 1 現場事務所設置 1) 現場事務所設置 2 入所手続き,準備作業 1) 施設別教育 2) PP 教育 3) マスクマンテスト 4) 原料詰替室内片付け, 整理 5) 資材搬入 3 GB の移動(必要な場合) 1) 簡易 GH 内汚染検査 2) GB 移動 3) GB 仮固定 4 固定ベース,解体用架台 設置(必要な場合) 1) 設置位置マーキング 2) 床固定ベース設置 3) 解体用架台設置 5 解体用GH 設置 1) 床面養生 2) GH 骨組設置 3) GB 搬入,固定 4) GH テント取付け 5) 各パネル類およびエア ラインスーツ設備の設 置 6) ストリッパブルペイン ト塗布(GH1, 2 内) 7) GH1 内防火養生 8) GH の機能確認 6 GB の解体 1) GB パネル取り外し 2) スタッドボルト切断 3) GB 内廃棄物整理・搬 出 4) 天井板,側面板解体 5) 内装機器撤去・解体 6) GB 内粉末回収 7) 昇降装置,架台の解体 8) GB 底板解体 9) 撤去物の細断・梱包 10) 梱包物のコンテナ収納 作業項目 7 解体用GH 除染,解体 1) GH 内清掃,除染,汚 染検査 2) 床鉄板およびゴム板撤 去 3) 内張りテントのペイン ト固定,汚染検査 4) 内張りテント撤去 5) エアライン装備の撤去 6) GH 内清掃,除染,汚 染検査 7) 床面養生撤去および再 養生 8) 外張りテントの汚染検 査 9) 外張りテントのペイン ト固定 10) 外張りテント撤去 11) 排気設備撤去 12) 各パネル類撤去,除染 13) GH 外エアライン設備 の撤去 14) GH 骨組撤去 15) 解体用架台の撤去,仮 置き 16) 非常用発電機の撤去 8 管理器材,廃棄物等の整理 1) 管理器材コンテナ収納 2) 廃棄物整理 9 資材搬出,片付け 1) 床面の部分補修(エポ キシ塗装) 2) 廃棄物整理 3) 資材搬出 2. GHの仕様,設置手順 ( 1 ) GH の仕様 GH は,放射性物質による汚染を伴う作業において GH の外での汚染の発生や拡大を防止する目的で設置する囲い である。プルトニウム等で内部が汚染した GB を解体撤去 する作業は,その過程でプルトニウム等による汚染物を直 接取り扱うこととなるため,厳格な汚染検査や除染などの 汚染コントロールを行う必要があり,このような作業は GH の内で行うことが基本である。加えて,解体撤去を行 う作業者が装着するエアラインスーツは,プルトニウム等 によって汚染するため,作業後のエアラインスーツ脱装時 には,汚染発生を前提とした除染作業を行う必要があり, この作業も GH 内で行う。 核燃料サイクル工学研究所では,これまでのグローブボ ックス解体撤去作業で得られた知見をもとに,取り扱って い る 核 種 , 溶 断 , 切 断 方 法 に 応 じ た GH の 仕 様 に つ い て,所内の基準「グリーンハウス設置管理要領」として定 めている(Table 2)。プルトニウムを取り扱う GB の解体 用 GH としての仕様は,密封型のテント二重張とし,床 面二重張以上,エアラインスーツの脱装室二室以上,排気 ブロアによる強制換気を行う構造とする。また,解体撤去 作業に採用する切断,溶断方法に応じた防火対策として, 床養生は,酢酸ビニルシートに加え,防火シート,鋼板等 を用い,消火器,濡れウエスを配置する。溶接・溶断等の 火災発生のリスクの高い作業を伴う場合は,さらに防火囲 いエリアを別途設けることとなる。GH は,核種,溶接, 溶断方法等を考慮し,この基準をもとに,設計を行ってい る。 プルトニウム取扱設備の場合,GH の仕様は,負圧維持 が可能な密封型テントを二重張,床二重張以上,エアラ インスーツ脱装室二室以上,ブロア等による吸引により負 圧 維持が でき るよう な排 気設備 を設置 する ことと なる (Fig. 3)。また,切断工法(火気使用の有無)に応じて,火 災発生のリスクを考慮し,鉄板や防火シート等の床養生材 や消火器,濡れウエス等の防火機材を選択,設置すること になる。 これらに加え,作業管理用に,負圧計,監視窓や監視カ メラを設置する。また,GH 内空気中のプルトニウム濃度 管理用のダストモニタ,廃棄物搬出用の搬出ポート,電源 やエア供給ポート等を設置する。 プルトニウム取扱設備の解体用 GH は,GB 等の解体作 業を行う主作業室である GH1,エアラインスーツ脱装時 に除染および汚染拡大防止等汚染コントロールを行う脱装 室 GH2 および GH3,エアラインスーツ脱装後の作業者 の身体サーベイを行う汚染検査室 GH4 の 4 つのエリア から構成される。 ( 2 ) GH の設置手順 GH の設置手順を Fig. 4 に示す。具体的には,床面養 生の実施,足場パイプを用いての骨組み組立て,パネル, ダクト類の取り付け,GH テントの取り付け,GH の間仕 切り,GH の点検という手順で,設置する。

III. GH の改良例

MOX燃料製造設備の更新等に伴う GB の解体撤去を実 施する中で,汚染コントロール用に設置している GH や 解体撤去作業時に作業員が着用するエアラインスーツに関 わる様々な不具合などを経験してきた。不具合が発生した 場合には,原因の調査,対策を施し,作業の安全性の向上 を図ることとしている。以下に,GH に関わる改良の具体

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Table 2 GH の仕様 作業内容 火気使用作業 切削および切断作業等 GH 設置仕様 放射線対応 作業内容対応 放射線対応 作業内容対応 プルトニウムまたはプルトニウムを含む放射 性物質により汚染された機器を取り扱い,汚 染拡大の恐れのあるもの 密封型a) テント二重張 床二重張以上 脱装室二室以上 強制換気 (床養生材) 酢ビシートb) 防火シート 鋼板等 (防火機材) 消火器 濡れウエス 防火囲いエリア 密封型a) テント二重張 床二重張以上 脱装室二室以上 強制換気 (床養生材) 酢ビシートb) 防火シート 鋼板等 (防火機材) 消火器 濡れウエス a)密封型とは,グリーンハウスの気密性を高めるためにテント材一重張りまたは二重張りを行い,作業エリア内の雰囲気が十分に負圧維持されるような養 生を施したものをいう。 b) 酢ビシートは,可燃性であるため,防火シート等他の床養生材で防火対策を施す。 Fig. 3 グリーンハウスの構成図 例をいくつか示す。 ( 1 ) カバーオール(作業衣)着替室の設置 作業員は,カバーオールの上にエアラインスーツを着用 し,さらにエアラインスーツを保護するとともにその表面 に放射性物質を直接付着させないためのスーツカバーを 2 重に着用している。また,綿手袋,RI 用ゴム手袋 4 重, 靴下の上には,シューカバー 2 重,RI 用長靴を着装して いる。GH1 での作業が終了すると,作業員はエアライン スーツを脱装し,GH から退域することとなる。 エアラインスーツ脱装時には,作業員の汚染検査や除染 を行い,汚染がないことを確認した上で,退域する。エア ラインスーツは,GH1 内の汚染した空気をエアライン スーツ内に侵入させないようにするために気密性が高く, 作業時の作業員の発汗作用により発生した汗(水分)はエア ラインスーツ内に留まり,エアラインスーツ内は高温・多 湿状態となり6,7),作業員のカバーオールは汗でひどく濡 れている。カバーオールの保水率の上昇によりa 線の検 出率は低下するため,カバーオールが濡れた状態で行う身 体サーベイでは汚染が検出できず,部屋からの退出時のハ ンドフットクロズモニタ(またはフットモニタ)で汚染を発 見する事象が度々発生していた。 汚染を見落とすとカバーオール脱衣場所までの移動ルー トを汚染させる可能性などもある。さらに,汚染がないと 判断されたカバーオールは他のカバーオールとともに洗濯 され再利用されるため,汚染を拡大する恐れがある。 そのため,これらの事象の防止策として,作業時に着用 していたカバーオールのままで部屋から退出しないように カバーオールを着替えるための専用の部屋(カバーオール 着替室)を設置し,作業中に着用したカバーオールを着替 え,翌日または乾燥した時点でサーベイを実施して汚染の 確認を行うこととした(Fig. 5)。その結果,作業当日のカ バーオールの汚染部位の見落としによる汚染の拡大および 作業時に使用したカバーオールの確実な汚染検査が可能と なった。 ( 2 ) GH の排気設備の火災発生防止対策 通常,GH 内の空気はブロア等により吸引して,強制的 に GH 外へ排出する。その際,GH 内の汚染物質を GH 外 に流出しないよう,プレフィルタ(紙可燃性,フィレド

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Fig. 4 グリーンハウスの設置手順 Fig. 5 カバーオール着替室の設置 ン可燃性もしくは難燃性)および高性能エアフィルタ(通 常 2 段)を介して部屋内に排気する。解体撤去作業では, 主にチップソーおよびディスクグラインダ等の工具を使用 する。GB 切断時に発生した切り粉(火花)は高温であり, 切断作業を排気設備近傍で行った場合,排気設備のプレフ ィルタに切り粉が直接かかり,切り粉の熱によりプレフィ ルタが溶融し,発煙,発火する可能性がある。実際過去 に,プルトニウム燃料第三開発室において,遠隔操作によ り切断工具(電動カッタ)を使用した解体作業8)において切 り粉の熱によりプレフィルタを焼損したという事象(火災) が発生している。その対策として,不燃性で通気性のよい SUS 綿を使用したプレフィルタに変更するとともに,切 り粉の侵入方向を変更するためにパイロスクリーン(商品 名)をプレフィルタの前段に設置して,排気設備への切り 粉の侵入を防止した。この対策に際し,直接ディスクグラ インダによる高温の切り粉(火花)を排気設備に充てるなど の試験を実施し,その有効性を確認している。なお,万が 一排気設備内に切り粉が入り込むことによる高性能エアフ ィルタの燃焼防止対策として,セパレータおよび外枠が難 燃材質で構成されている高性能エアフィルタを従来から使 用している。また,排気設備付近でのチップソーおよびデ ィスクグラインダ等を使用して切断作業を行う場合には, 衝立を設置する等の対策を行い,直接排気設備内に切り粉 が入らない構造とした。Fig. 6 に GH の排気設備の構成 例を示す。 ( 3 ) GH の火災発生防止対策 GH を構成している酢酸ビニルシート(0.2~0.3 mm 厚) は可燃性である。したがって,チップソーおよびディスク グラインダ等により GB 解体を行う場合,発生する切り粉 の熱により GH が溶融する可能性がある。その対策とし て,GH の床面には鋼板・トタン板および壁面には防炎 シート(JIS A1323 の A 種合格品)等を設置して,直接 GH に切り粉が接触しないよう火災発生防止対策を施して いる。従来は,切断時に発生する高温の切り粉(火花)が接 触する可能性のある場所を中心に,防炎シートが用いられ てきていたが,切り粉が冷えて黒くなったものも,火災発 生の危険性を有しており,GH の壁面を防炎シートで覆う ようにしている。壁面を防炎シートで覆うことは,2 次廃 棄物の物量を増やしたり,GH 外からの監視場所が制限さ れるものの,火災発生防止のために防炎シートでの壁面の 保護を行うこととした。 Figure 7に GH の火災発生防止対策の 1 例を示す。床 面からはターポリンシート(不燃性)を 1 m,トタン板を 0.5 m 立ち上げ,天井から防炎シートをトタン板立ち上げ 部と重なるように垂らし,GH の床面および壁面に直接切 り粉が接触しない構造とした。 ( 4 ) 火災発生時の早期発見に関わる対策 ディスクグラインダ等を用いた切断作業を行った場合

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Fig. 6 グリーンハウスの排気設備 Fig. 7 グリーンハウス(GH1)の火災防止対策の例 は,蓄熱による発火を考慮し,切断作業終了後60分以上 の継続監視を行い,GH1 内に発煙等の異常がないことを 確認することとしている。 また,人が不在となる昼間および夜間において,GH1 内の火災を検知するために,GH1 内の天井部に火災報知 器(熱感知式等)を設置し,施設の自動火災検知システムへ 接続して24時間連続監視できるようにした。 ( 5 ) 解体用 GH 排気設備の改良 プルトニウム燃料第二開発室で実施した「脱硝設備の解 体撤去」では排気設備の改良を実施した。当該工事以前の GH の排気量の調整は,監視者が負圧計の指示値を監視 し,手動により給気口の開口面積を調整する方法で行って きたが,この方法では GH の負圧を安定に維持すること が困難で,監視者が監視しなければならなかった。その対 策として,負圧計の指示値による排気ブロアの ON/OFF 制御(負圧指示値が 2 mmH2O→ON,6 mmH2O→OFF)を 採用し,GH の負圧維持が自動でできるように改良した。 この結果,自動的な負圧管理が可能となり作業の効率化が 図られた。現在の GH の負圧維持も,本方法により実施 している。また,GH の負圧指示値が部屋の外からでも確 認できるように圧力計を廊下に設置した。これにより, GH 負圧を廊下にて点検できるようになり,入室管理の負 担を低減することができた。

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Fig. 8 汚染コントロール室を2 系統化したグリーンハウス設置 例 Fig. 9 GH3 を 2 系統化したグリーンハウス設置例 ( 6 ) GH の構成の変更 前述したとおり,通常 GH の部屋の構成は主作業室で ある GH1,汚染コントロールするための GH2~GH4 の 4 部屋で構成される。しかし,対象 GB の大きさ,基 数,汚染状況,設置条件,工期等を考慮して GH は設計 されるため,GH の構成は変更される。以下に,通常の GHの構成を変形した特殊な例を示す。 (a) プルトニウム燃料第三開発室における上部搬送設備 の解体撤去 「上部搬送設備の解体撤去」では,グレーチング上に並 列に設置された GB 2 基の解体撤去を行った。これら GB が設置していた室では解体撤去終了後に新設備の設置が計 画 され ており ,解 体工事 の期 間にあ まり 余裕が なく , GH1 での作業者の人数を多くして,解体撤去作業を効率 的に進める必要があった。しかし,通常の 4 部屋構造の GH ではエアラインスーツの着脱作業に時間を要し,GH 1 における GB 解体作業の作業時間が短くなり,作業効率 が低下する可能性があった。そこで,GH1 で解体作業を 行う 4~5 名の作業員(通常は 2~3 名)を効率よく入退出 させるために,1 階フロアとグレーチング上のエリアの 2 箇所からアクセスが可能なように GH2~GH4 を 2 系列 配置した。Fig. 8 に GH の概略図を示す。この方式によ り,解体作業者の GH 入退出がスムーズになるとともに 資材の搬出入も効率的に行うことができ,工期内に解体作 業を完了することができた。 (b) プルトニウム燃料第三開発室における不稼働設備 (原料詰替設備)の解体撤去 GH1 での作業を終えた作業者は GH3 でエアライン スーツの脱装を行うが,仮に GH3 内がなんらかの原因 で汚染してしまった場合,その除染作業等により GH3 が使用できず,したがってエアラインスーツの脱装ができ なくなる可能性がある。GH3 内の汚染状況によっては, 除染作業等に長時間を要する場合も想定され,解体撤去作 業を中断させてしまう可能性がある。 「不稼働設備(原料詰替設備)の解体作業」では,作業ス ペースを確保するために,解体対象である GB をもともと 設置されていた部屋から他の部屋に移動させた。これによ り,解体用 GH の設置場所が確保できたため,エアラン スーツの着脱装室である GH3 をもう一部屋(GH3◯)を 設けて,通常使用する GH3◯が汚染して一時的に使用不 可となった場合でも,エアラインスーツの着脱装を GH 3◯で行うことが可能となり,GB 解体作業を中断するこ となく実施できるような GH の構造とした。 Figure 9に通常の 4 部屋構造の GH において GH3 で 汚染が発生した場合と,当該工事で設置した GH におい て GH3◯(または GH3◯)で汚染が発生した場合の比較 を示す。実際このようなケースが作業中に生じ,除染作業

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Fig. 10 グレーチング上のグローブボックス解体時のグリーンハウス設置例 と脱装作業を,それぞれ並行して実施することにより,作 業を中断することなく計画どおり進めることができた。 (c) 受払搬送設備の解体撤去 解体対象 GB が床面に設置されている場合,対象 GB の 周囲に GH の骨組みとなる足場パイプを組み上げ,GH を 吊り下げる。床面設置の GB の場合,解体作業を進めれ ば,最終的には部屋内の床面が露出されるため,解体作業 時の足場は特別に確保する必要はない。しかし,プルトニ ウム燃料第三開発室では,グレーチング上に受払搬送設 備,グレーチング下に 9 m3GB が設置され,解体対象の GB が他の GB と並列に設置されている場合がある。グ レーチング下の 9 m3GB を先行して他の解体場所に移動 し,解体作業に必要なスペースを確保した上で,グレーチ ング上の受払搬送設備のみを解体する必要があった。この 場合,受払搬送設備の底部を解体する段階では,先行して 移動した GB の床が解体作業時の床となるため,足場とな る床がなくなる。そこで,グレーチング上の受払搬送設備 の下側に仮設の架台を設置し,GH の床面とした(Fig. 10)。この方式により,GH をコンパクトにすることがで き,また汚染個所を限定することができた。なお,このグ レーチング下に設置した仮設架台は,GH の床面としての 役割だけではなく,作業スペースが確保できない場合の資 材置き場や GH の骨組み等として,有効に使用すること ができた。

IV. ま と め

プルトニウム等に汚染した GB を安全に解体撤去するた めには,確実な汚染拡大防止が必要で,GH による包蔵管 理はその重要な構成要素となる。 他方で解体撤去の対象となる GB の形や汚染レベル,周 辺機器の敷設状況,周辺の空間構造などは多種多様であ り,それぞれに応じて,最適な形状・構造の GH を設置 する必要がある。その際,まず GB やその周辺の状況を考 慮し,主作業室(GH1)を定め,以後,汚染コントロール 室(GH2~GH4)の設置場所,監視エリアの設置場所な どが設計に反映される。この GH の設計が,解体撤去作 業時の安全性の確保や作業性の向上に影響することにな る。仮に十分なスペースが確保でき,解体作業を行いやす くするために,大きな GH を設営し得たとしても,GH も 解体対象物同様,最終的には放射性廃棄物となること,必 要な換気能力を増強する必要があること,作業後の除染作 業が広範囲となり困難であること,なども十分配慮した上 で設計する必要がある。このため必要な作業スペースを確 保しつつもコンパクトな設計が望まれ,本資料で報告した ようにケースバイケースの GH 設営となる。 特に,切断作業に伴い発生する高温の切り粉(火花)やそ れが冷えて黒くなった切り粉に対する防火対策が不可欠で あり,GH の保護のための防炎シートの壁面への設置,排 気設備のプレフィルタの不燃化,パイロスクリーンの設 置,衝立の設置による防火対策は,非常に有効な手段であ り,不可欠なものである。 また,GH の設置場所の確保という観点では,4 室から 構成する GH を設置する必要があることから,空間の有 効利用による GH の設計や 2 系統の汚染コントロール室 の設置など,様々な工夫を行ってきた。2 系統の汚染コン トロール室の設置は,エアラインスーツの着脱装を同時に 実施できることが最大のメリットである。また,汚染の発 生の可能性が高い GH3 を 2 系統化するだけでも,別系

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統の GH を経由してのエアラインスーツの着脱装が可能 となり,並行して除染作業を行うことで,作業を中断する ことなく継続できる。 さらに,これまでに示してきたように,比較的規模の小 さな改造であっても,汚染管理や作業安全の観点で効果的 な改善が図れることもあり,継続的な改良・改善が重要で ある。 現在プルトニウム燃料第二開発室では不稼働設備の解体 撤去を進めているが9),残存する解体対象グローブボック スは依然70基以上存在する。これまでの経験,知見をも とに,所内の基準に示された標準的な GH 設置例を見直 しつつ,様々な改良等により,今後も,安全確保を前提 に,解体撤去作業を進めていく必要がある。 ― 参 考 文 献 ― 1) 安久津英男,武藤 正,“動燃事業団におけるプルトニウム燃 料開発,”日本原子力学会誌,18, 423432 (1976). 2) 大島博文,安部智之,“日本の MOX 燃料の実績と今後の展 望,”日本原子力学会誌,45, 412417 (2003). 3) 加藤正人,他,“高速炉用ウラン・プルトニウム混合酸化物燃 料の融点に及ぼす酸素・金属比の影響,”日本原子力学会和文 論文誌,7, 420428 (2008). 4) 石榑顕吉,他,“デコミッショニング技術の現状と課題,”日 本原子力学会誌,33, 410446 (1991). 5) 山本尚道,“RI 施設の改修,解体,”デコミッショニング技報, 5, 4859 (1992). 6) 木内伸幸,“セル内除染作業における作業負担調査,”保健物 理,25, 8284 (1990).

7) P. Edwards, K. Tesch, T. G. Karayiannis et al., ``Design op-timization of air-fed full pressurized suits,'' Fusion Eng. Des., 84, 716721 (2009).

8) A. Kitamura, M. Watahiki, K. Kashiro, ``Remote glovebox size reduction in glovebox dismantling facility,'' Nucl. Eng. Des., 241, 9991005 (2011).

9) 家村圭輔,中井宏二,綿引政俊,他,“プルトニウム燃料第二 開発室の廃止措置について,”デコミッショニング技報,43, 29 (2011).

Fig. 1 グリーンハウスの外観 Fig. 2 解体工具 GH 内の作業者は,核燃料物質による汚染や内部被ばくを 防止するため空気供給式防護服(エアラインスーツ)を着用 して GB の解体作業を行う 4,5) 。解体工具としてはチップ ソー,ディスクグラインダ,バンドソー(Fig
Table 1 一般的な解体撤去作業の手順 作業項目 1 現場事務所設置 1) 現場事務所設置 2 入所手続き,準備作業 1) 施設別教育 2) PP 教育 3) マスクマンテスト 4) 原料詰替室内片付け, 整理 5) 資材搬入 3 GB の移動(必要な場合) 1) 簡易 GH 内汚染検査 2) GB 移動 3) GB 仮固定 4 固定ベース,解体用架台 設置(必要な場合) 1) 設置位置マーキング 2) 床固定ベース設置 3) 解体用架台設置 5 解体用 GH 設置 1) 床面養生 2) GH 骨組設置
Table 2 GH の仕様 作業内容 火気使用作業 切削および切断作業等 GH 設置仕様 放射線対応 作業内容対応 放射線対応 作業内容対応 プルトニウムまたはプルトニウムを含む放射 性物質により汚染された機器を取り扱い,汚 染拡大の恐れのあるもの 密封型 a) テント二重張床二重張以上 脱装室二室以上 強制換気 (床養生材)酢ビシート b)防火シート鋼板等 (防火機材) 消火器 濡れウエス 防火囲いエリア 密封型 a) テント二重張床二重張以上 脱装室二室以上強制換気 (
Fig. 4 グリーンハウスの設置手順 Fig. 5 カバーオール着替室の設置ン可燃性もしくは難燃性)および高性能エアフィルタ(通常2段)を介して部屋内に排気する。解体撤去作業では,主にチップソーおよびディスクグラインダ等の工具を使用する。GB切断時に発生した切り粉(火花)は高温であり,切断作業を排気設備近傍で行った場合,排気設備のプレフィルタに切り粉が直接かかり,切り粉の熱によりプレフィルタが溶融し,発煙,発火する可能性がある。実際過去に,プルトニウム燃料第三開発室において,遠隔操作により切断工具(電動
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