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581 抗 dsdna 抗体 抗 SS-A/Ro 抗体測定において乖離がみられた 1 症例 谷口裕美 1) 岡本愛 1) 住奈帆子 1) 本田貴嗣 1) 村上晶子 1) 大田江莉菜 1) 西宮達也 1) 松本卓也 2) 愛媛大学医学部附属病院検査部 1) 愛媛大学医学部附属病院第一内科 2) はじめ

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Academic year: 2021

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(1)

【はじめに】膠原病の診断、治療方針の決定、治療効果の 判定などに用いられる自己抗体検査は、測定原理や使用抗 原の違いなどから、近年その検査法は多様化し、各試薬間 で結果が乖離する症例が報告されている。今回、同一患者 で抗dsDNA 抗体と抗 SS-A/Ro 抗体の結果が、前医と乖離 した症例を経験したので報告する。 【症例】80 代男性。前医にて高 γ グロブリン血症、抗核 抗体陽性を指摘され当院紹介となった。精査の結果、 SLE と SjS の診断基準は満たさなかった。 【検査所見】(1)前医:IgG 4908mg/dL、IgA 408mg/dL、 IgM 126mg/dL、抗核抗体(IF:MBL 社フルオロ HEPANA) Peripheral 40 倍・Homogeneous 10240 倍、

抗dsDNA 抗体(FEIA:ファディア社ユニキャプ Elia) 5.4 IU/mL、抗 SS-A/Ro 抗体(Elia) ≧240 U/mL

(2)当院:抗核抗体(IF:フルオロ HEPANA) Peripheral 160 倍・Homogeneous 10240 倍、抗 dsDNA 抗体

(ELISA:MBL 社 MESACUP) >400 IU/mL、抗 SS-A/Ro 抗体 (MESACUP) <5 Index、M 蛋白は認められなかった。

【乖離項目の追加検査】(1)抗 dsDNA 抗体:抗 DNA 抗体 (IF:MBL 社フルオロ nDNA) >640 倍、抗 DNA 抗体 (RIA:LSIM 社リコンビジェン抗 DNAⅡ) 17.9 IU/mL、 抗dsDNA 抗体(CLEIA:MBL 社ステイシア MEBLux テスト) 49.0 IU/mL、抗 dsDNA 抗体(ELISA:ファディア社 Varelisa) >200 IU/mL

(2)抗 SS-A/Ro 抗体:抗 Ro52 抗体(Elia) >240 U/mL、 抗Ro60 抗体(Elia) 2.65 U/mL

【まとめ】抗dsDNA 抗体は、Elia のみ陰性であり、乖離の 原因は、ファディア社とMBL 社の使用抗原が違うこと、 さらにファディア社の同一抗原を用いたELISA が陽性であ ったことより測定原理の違いが考えられた。抗SS-A/Ro 抗 体は、抗Ro52 抗体のみ陽性であり、乖離の原因は、ファ ディア社がリコンビナント抗原Ro52 ・ Ro60 混合抗原、 MBL 社が精製抗原 Ro60 単独抗原のみ使用されており、検 出可能な抗体の違いであった。今後、さらに多くの症例が 検討され、標準化されることが望まれる。       連絡先089-960-5598

dsDNA 抗体、抗 SS-A/Ro 抗体測定において乖離がみられた 1 症例

◎谷口 裕美1)、岡本 愛1)、住 奈帆子1)、本田 貴嗣1)、村上 晶子1)、大田 江莉菜1)、西宮 達也1)、松本 卓也2) 愛媛大学医学部附属病院 検査部1)、愛媛大学医学部附属病院 第一内科2)

581

(2)

【はじめに】慢性甲状腺炎の加療中にFT3,FT4 が異常高値 を示し内分泌学的に説明困難な症例を経験した.今回その 原因について検討を行ったので報告する. 【症例】他院にて甲状腺機能低下を指摘され当院に紹介受 診となった67 歳女性.定期通院中の 2013 年 7 月受診時の 検査結果はFT3 3.1pg/ml,FT4 1.65ng/dl,TSH 2.63μIU/ml であ ったが,2014 年 1 月受診時には,FT3 12.2pg/ml,FT4 6.47ng/dl, TSH 3.32μIU/ml と FT3,FT4 が異常高値を示した.測定には 2013 年:「モジュラーアナリティクス」「エクルーシス試薬 FT3Ⅱ,FT4,TSH」,2014 年:「cobas8000(e602)」」「エク ルーシス試薬FT3Ⅲ,FT4Ⅱ,TSH」(共にロシュ・ダイアグノ スティック株式会社)を用いた. 【方法と結果】 1) 他法による測定(2014 年 1 月の血清):CLEIA 法にて FT3,FT4,TSH の測定を行った.測定結果は,FT3 2.3pg/ml, FT4 1.05ng/dl, TSH 5.51μIU/ml であった. 2) PEG 添加試験を行い各項目の回収率を求めた.回収率 は,FT3 15%(control 88%), FT4 18%( control 94%), TSH 58% ( control 35%)であった. 3) ゲルろ過処理による解析:HPLC を用いゲル濾過処理 後,各溶出フラクションの FT3, FT4, TSH, IgG, IgM を測定し た.FT3 測定では溶出時間 21.5 分に測定値ピークを認め, 21.5 分は IgM と同一の溶出時間であった. 4) 吸収剤(不活化ストレプトアビジン)添加試験:2014 年 6 月受診時の血清を用いて製造元にて吸収剤を添加後, FT4,TSH を測定した.   a) 吸収剤添加前:FT4 4.46ng/dl,TSH 2.88μIU/ml   b) 吸収剤添加後:FT4 0.99ng/dl,TSH 3.72μIU/ml 【考察】本症例はPEG 添加試験において回収率の低下を認 めたことから高分子タンパクの存在が疑われ,ゲルろ過処理 による解析結果よりIgM が測定系に関与していることが推 察された.その原因は吸収剤添加試験の結果よりエクルー シス試薬に使用されているストレプトアビジンに対し非特 異的に結合する抗体が存在し架橋を誘発することにより,競 合法(FT3,FT4)及びサンドイッチ法(TSH)共に測定干渉の影 響を受けたと推察された.    連絡先:03-3402-7428

FT3,FT4,TSH において非特異反応を呈した一例

◎宮﨑 直子1)、田中 克昌1)、高橋 菜央子1)、北川 亘2)、伊藤 公一3) 伊藤病院 診療技術部 臨床検査室1)、伊藤病院 外科・診療技術部2)、伊藤病院 外科3)

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(3)

[はじめに]TARC(Thymus and  Activation-Regulated Chemokine)は、アトピー性皮膚炎のモニタリングに有用 な新しい項目として注目を集めているが、他のアレルギー 性疾患でも上昇することが知られている。今回、骨髄移植 後のGVHD(graft-versus-host disease)の経過観察の際に TARC 測定が有用と考えられた症例を経験したので報告す る。 [症例]3 歳女児。ダウン症候群、心房中隔欠損症。2012 年 10 月貧血、血小板減少を認め、徐々に進行したためダウン 症候群に合併したAML 疑いにて当院へ紹介入院した。 [試薬・測定機器]「HISCL TARC 試薬」〈シスメックス 社〉(CLEIA 法)を用い、HISCL 2000i にて測定を行った。 [経過]紹介入院後すぐに化学療法が開始され、2013 年 4 月 寛解にて退院。同年7 月体表に多数の紫斑がみられ、血小 板減少にて再発が疑われ再入院。同年12 月再度寛解。 2014 年 1 月非血縁者間の造血幹細胞移植を行った。移植後 15 日目以降より後頚部、腹部等に皮疹出現。その後、頚部 を中心に皮疹、紅斑が目立つようになり掻痒感もあった。 移植後1 か月で頭頂部にも発赤が出現。GVHD による皮疹 と考えられた。TARC 値は 449.5pg/ml【参考基準値:小児 (2 歳以上)743pg/ml 未満】であった。テルモベート塗布 治療を開始。手掌、足底に赤みが目立ってきた。また、嘔 気も出現しGVHD による消化器への影響も見られた。移植 後1 か月半頃より上腕、下腿、下腹部へと全身に皮疹が広 がり掻痒感も増した。TARC 値は 4966.4pg/ml であった。移 植後2 か月が経過し、赤みは落ち着いたが茶褐色の色素沈 着がみられ、掻把による表皮剥離がみられた。TARC 値は 9719.1pg/ml であった。皮膚生検の結果、GVHD に合致した。 免疫抑制剤の増量により、皮膚症状が再度増強し、紅皮状 態が顕在化した。移植後3 か月では皮膚は全体的に落屑し、 紅皮状態で痒みは軽減したが状態の改善は見られなかった。 TARC 値は 748.5pg/ml であった。[まとめ]GVHD 発症後の TARC 値の動態を経過観察することができた。皮膚症状、 掻痒感に伴いTARC 値が上昇することが確認された。他の アレルギー疾患同様、GVHD 発症後の皮膚症状のモニタリ ングに有用と考えられた。連絡先:023-628-5675

TARC測定が有用と考えられた骨髄移植後GVHDの1症例

◎佐藤 直仁1)、阿部 知世1)、佐藤 大亮1)、白田 亨1)、山田 みゆき1)、森兼 啓太1) 山形大学医学部附属病院1)

583

(4)

【目的】C 型肝炎ウイルスの感染を疑う場合,HCV 抗体検 査やHCV-RNA 定量,HCV コア抗原検査などを行う.当院 のHCV ジェノタイプ 2a 患者において HCV 抗体陽性, TaqManHCV v1.0 陰性, HCV コア抗原検査陽性と結果に 乖離が生じた症例を経験した.HCV の遺伝子変異を疑い HCV のシークエンス解析を行った. 【対象】TaqManHCV v1.0 陰性,HCV 抗体,HCV コア抗原 検査陽性であったHCV ジェノタイプ 2a 患者 1 例(以下患者 A),対照として TaqManHCV v1.0,HCV 抗体,HCV コア抗 原検査陽性のHCV ジェノタイプ 2a 患者 3 例(以下患者 B, C,D). 【方法】1)HCV 抗体はアーキテクト HCV(アボット)を用い た.HCV-RNA 定量は TaqManHCVv1.0 と TaqManHCVv2.0 (ロシュ)及び,アキュジーン m-HCV(アボット)を用いた. HCV コア抗原はルミパルスオーソ HCV 抗原(オーソ)を用 いた.2)シークエンス解析は ABI-PRISM310 を用いて HCV5′非翻訳領域(UTR)の測定を行い JFH-1 (2a)をリファレ ンスとし68 番目から 307 番目の解析を行った. 【結果】1)患者 A は HCV 抗体 11.9(+),TaqManHCVv1.0 は1.2 以下(LogIU/mL)と検出感度以下,TaqManHCVv2.0 で は5.8(LogIU/mL).アキュジーン m-HCV は 5.71(LogIU/mL), HCV コア抗原 2287.8(fmol/L)であった.対照の患者 B,C,D はHCV 抗体,HCV-RNA 定量,HCV コア抗原全て陽性で あり,HCV-RNA 定量の方法に差は認められなかった. 2)シーケンス解析では患者 A は 2 ヶ所の点変異が認められ, また患者B では 1 カ所の点変異が認められた.患者 C,D に変異は認められなかった. 【考察】患者A の 2 ヶ所の点変異は TaqManHCV v1.0 のプ ライマーやプローブの標的塩基配列に含まれると考えられ, これらのミスマッチにより検出感度以下になったと推測さ れる.患者B の1ヶ所の点変異は測定には影響を与えなか った.遺伝子検査は感度も高く優れた検査であるが,ウイ ルスの変異には注意が必要である.HCV 抗体検査や HCV コ ア抗原検査などと併用し総合的に判断することが望ましい.     山梨大学医学部付属病院:055-273-1111(内線 4613)

遺伝子関連検査とコア抗原が乖離した

HCV ジェノタイプ 2a の解析

◎日野原 春菜1)、長田 誠1)、遠藤 真澄1)、坂本 美穂子1)、雨宮 憲彦1)、佐藤 金夫1)、尾崎 由基男1)、榎本 信幸2) 山梨大学医学部附属病院1)、山梨大学医学部内科学講座第一教室2)

584

(5)

 Patient serum

Figure: Bisalbuminemia

     Patient abdominal dropsy

Control

Background

: In serum protein electrophoresis, the

albumin peak has a bifid mountain known as Bis-

albuminemia. It is a result of two types, one represents a

variant on account of genetically inherited and another

represents acquired determinant.

However, in this case, we considered that bisalbuminemia

may result from albumin proteolysis of pancreatic derived

enzymes.

Case

: A 55 years old man. The patient had a prolonged

history of recurrent abdominal pain, worsening for

several weeks and found the abdominal distension. In

other hospital, a high serum amylase levels and

abdominal drosy are found in this patient. After changing

our hospital, patient was diagnosed with an alcoholic

chronic pancreatitis, benign tumor of the pancreas head,

and pancreatic pseudocysts by pathological and imaging

finding. (The first inspection level) TP: 6.5 g/dL, Alb: 2.9

g/dL, AMY: 785 U/L, p-AMY: 723 U/L, Lip: 594 U/L.

On admission, a bifid mountain of the albumin peak was

found in patient’s serum and abdominal dropsy in

cellulose acetate electrophoretic analysis (Figure).

However, double albumin

peak were disappeared

after treatment.

Conclusion

: We report a

case of acquired bis

albuminemia not inherited as transient phenomenon with

double albumin peak. In this patient, there are no

evidences with overdose of antibiotics, high bilirubin and

high fatty acids. It was reported that the acquired or

transient form of bisalbuminemia has been found in

patients suffering by pancreatic disease, usually

complicated with ruptured pseudocysts. We will plan to

investigate whether pancreatic derived enzyme have

proteolytic activity of albumin in vitro experience.

Contact address:092-642-5756

Bisalbuminemia resulted from albumin proteolysis of pancreatic derived enzymes

◎Sonoko Yoshihiro1)、Yoshimasa Aoki1)、Kanae Maruyama1)、Shinya Matsumoto1)、Miyuki Ono1)、 Motoko Yamanaka1)、Taeko Hotta1)

Department of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, Kyushu University Hospital1)

参照

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