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Microsoft Word - 付表(使い方).doc

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(1)

©木島慎一 Shinichi Kijima、高橋晴美 Harumi Takahashi、緒方宏泰 Hiroyasu Ogata 1 薬物の体内動態パラメータ値と特徴づけ 木島 慎一、高橋 晴美、緒方 宏泰 日本で臨床的に利用可能な薬物のなかで、信頼できると考えられる体内動態 (PK)パラメータ値が報告されている薬物について、PK の特徴づけを行った結 果(A:薬物の動態パラメータと PK シート)と各薬物の予想される PK パラメ ータの変動因子をTable(B:#1111~2332)にまとめて示しました。さらに、病 態の変化に伴いCLintH、QH、およびfuB がそれぞれ変化した場合における各薬物 の予測される血中総濃度・遊離形濃度推移を投与ルート(静脈内・経口)別に 図示しました(C)。また、PK の特徴づけが一致している(同一 table 番号に入 る)薬物をまとめました(D)。患者の臨床状況に応じて PK 情報を駆使し、血 中遊離形濃度の動きに添った薬物治療計画(投与量・投与間隔の設計)を立案 する際の一助となれば幸いです。 *この PDF が単独で開いている場合はこちらをクリックしてください。 以下に用いた各薬物の動態パラメータとPK シート[A]作成(PK の特徴づけ) 手順を示します。

1. 記載した PK パラメータは基本的に“Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics (9, 10, 11th edition) ”( McGraw-Hill ) の Appendix (Pharmacokinetic Data Table)に掲載されている薬物の PK 値で、かつ日本で

販売されている薬物(“治療薬マニュアル2006”高久史麿ほか監修、医学書 院)を抽出し、“文献値”として以下の解析に用いました。一部、引用文献 にさかのぼってPK パラメータ値を修正した薬物もあります。 2. “文献値”の中で CL/F と Vd/F に○がついている薬物は、文献に経口投与後 のデータがCLtot(mL/min/kg)と Vd(L/kg)として記載されていました。静脈 内投与後のデータが明確でないため(F が不明か、F はあるが CL/F や Vd/F のみが報告されている場合)、これらの薬物については特徴づけを行いませ んでした。 3. “文献値”の中で CLtotと Vdにカンマ(’)がついている薬物は血漿ではな く血液中濃度の測定により求めたCL(mL/min/kg)と Vd(L/kg)が文献に記載 されていたため(特徴づけの信頼性がより高い)、CL’と Vd’(血液パラメー タ)として血漿データから得られたCL と Vdと区別して示しました。 4. “文献値”の CLtotとVdは体重(/kg)、体表面積(/m2)、あるいは CLcr(mL/min) 当たりの値が文献に記載されていたため、文献データの主対象であると考え

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©木島慎一 Shinichi Kijima、高橋晴美 Harumi Takahashi、緒方宏泰 Hiroyasu Ogata 2

ら れ る 平 均 的 な 白 人 健 常 成 人 男 性 ( 体 重=70kg 、 体 表 面 積 =1.73/m2、 CLcr=120mL/min)を用いて CLtot (mL/min)と Vd(L)を“基本パラメータ”と

して算出しました。

5. “基本パラメータ”の中で CLtot’(mL/min)と Vd’(L)は血漿ではなく全血液中

薬物濃度から算出したパラメータです。

6. B/P Ratio が報告されている薬物は、文献に記載されていた血漿中薬物濃度か ら算出したCLtot(mL/min/kg)と Vd(L/kg)をそれぞれ B/P Ratio で除して全血

液中濃度から算出したパラメータに換算した後(CLtot’=CLtot/BP ratio、

Vd'=Vd/BP ratio)、“基本パラメータ”を算出しました。

7. “ 基 本 パ ラ メ ー タ ” の 血 漿 遊 離 形 分 率 ( fuB ) は 文 献 値 の Bound in plasma(%)/100 を 1 から引いて求めました。fuB =1- (Bound in plasma %/100) 8. “二次パラメータ”の CLRは CLtot(mL/min)×Ae(%)/100 で求めました。CLH は便宜的に腎外クリアランス(CLNR)と仮定しました。CLR =CLtot × Ae(%)/100、 CLH =CLtot- CLR 9. “二次パラメータ”の臓器抽出比(EX)は臓器 CLX / QXで求めました。 EH = CLH / QH、ER = CLR / QR QHは平均的な白人健常成人の値として肝血漿流速=800mL/min、QRは腎血 漿流速=600mL/min を用いました(ヘマトクリット値を便宜的に 0.5 と仮定)。 血液CLH’と CLR’(血液パラメータか、B/P Ratio が報告されている場合) はQH’=1600mL/min、QR’=1200mL/min を用いて EH’と ER’を算出しました。 EH’= CLH’/ QH’、 ER’= CLR’/ QR’ 10. 肝代謝型薬物(Ae(%)≦30 と仮定)で経口投与後の F 値(F=Foral)があるもの については(1-F)を“二次パラメータ”として算出し、EHの値と比較しまし た。1-F<EHの場合は EHの過大評価を避けるため 1-F の値を EHとして採 用しました。 [1-F を算出した薬物] *消失臓器(Elimination Organ)が“肝、H” *血漿(血清)中薬物濃度を用いてパラメータ値が算出されている *B/P Ratio がない *EH>0.3 *経口投与後のF がある(経口投与以外の F 値は 1-F の算出に用いていな い) 11. Ae(%)(文献値)、算出した臓器抽出比(二次パラメータのグレー部分)、Vd (基本パラメータ)、fuB(基本パラメータ)を基に、表 I の①~④について それぞれ示したRange を基準として各薬物の Code(コード)分けにより体内

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©木島慎一 Shinichi Kijima、高橋晴美 Harumi Takahashi、緒方宏泰 Hiroyasu Ogata 3 動態の特徴付けを行い、その値を基に Number により分類しました(表 IIA とIIB)。この分類は各薬物の体内動態の大まかな特徴づけを目的としていま すので、例えばAeについて考えてみますと、30%以下であれば主として肝代 謝、70%以上であれば主として腎排泄により消失する薬物であると便宜的に とらえているため、絶対的な分類ではありません。傾向を示すと考えて下さ い。薬物の動態パラメータとPK シート[A]に記載されている各薬物は以下の

①~④の 4 桁の table 番号でPK の特徴づけがなされています(表 IIA と IIB)。

①Ae(消失臓器、Elimination Organ:特徴づけ番号1桁目 ) ②CL(臓器抽出比 Ex:特徴づけ番号2桁目) クリアランスの特徴づけの流れは表III(A・B)に示しました。 ③Vd(特徴づけ番号3桁目) ④血漿遊離形分率(fuB:特徴づけ番号 4 桁目) 表I 体内動態パラメータの特徴づけ

Parameter Range Code Number Ae(%) ≦ 30 H :肝代謝型 1 Ae(%) = 30-70 RH :腎・肝混合型 - ①Ae(%) Ae(%) ≧ 70 R :腎排泄型 2 Ex ≦ 0.3 C :Capacity limited、消失能依存型 1 Ex= 0.3-0.7 M :Moderate、中間型 2 ②CL Ex ≧ 0.7 F :Flow limited、血流速度依存型 3 Vd ≦ 20 L S :Small、小 1 Vd= 20-50 L M :Medium、中 2 ③Vd Vd ≧ 50 L L :Large、大 3 fuB ≦ 0.2 S :Sensitive、血漿たん白結合依存型 1 ④fuB fuB= 0.2-1.0 In :Insensitive、血漿たん白結合非依存型 2 例: Table 番号が 1121 に分類される薬物の場合 1121 の1桁目:1;Ae(%)≦30、H、肝代謝型薬物 1121 の2桁目:1;EH≦0.3、C、消失能依存型 1121 の3桁目:2;Vd=20-50L、中間型 1121 の4桁目:1;fuB≦0.2、血漿たん白結合依存型 12. 肝代謝型薬物(Ae(%)≦30)と腎排泄型薬物(Ae(%)≧70)の特徴づけのスキ ームを、それぞれ表II(A・B)と表 III(A・B)にまとめました。腎・肝混合型

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©木島慎一 Shinichi Kijima、高橋晴美 Harumi Takahashi、緒方宏泰 Hiroyasu Ogata 4

薬物については複雑になり、また、肝疾患のみ、腎疾患のみでは、PK の変

化が小さいという点からも特徴づけの対象としませんでした。

13. それぞれの table 1111~2332(B)にはそれぞれの薬物について各 PK パラ メータの変動因子と病態の変化(CLintX、QX、fuB の増減)に伴って予測さ

れる各体内動態パラメータ(Vd, Cp0, CLtot, AUCiv, Cpss(iv), CLpo, AUCpo,

Cpssave(po), kel, t1/2)の変化について矢印で示しました。この表の最下段には総 濃度測定によりTDM を行う場合に、fuB の変化に伴い治療域が変わる場合 について示しました。例えば、1331 の薬物を fuB が上昇している患者(病 態の変化や薬物相互作用などにより)にIV あるいは PO 投与した場合、定 常状態における総濃度は遊離形濃度を反映していないので治療域を下げる 必要があります。これらの結果を用いて、血中総濃度・遊離形濃度の時間 推移について投与ルート(経口・静脈内)別に単回投与と繰り返し投与を 想定して、図示しました(C)。なお、Vd、CL が中間型に分類される場合 について、以下に考え方の例を示します。 *例 1:Vdが中間型であるtable-1121(肝代謝・消失能依存・血漿たん白 結 合依存型)の薬物でfuB が上昇した場合 Vd = VP + (fuB/fuT) VT Vdf = (VP/fuB) + (VT/fuT) と表現できますので、fuB の上昇により、Vdはわずかに上昇、Vdfはわず かに低下し、その結果、kel は下式からわずかに上昇、半減期はわずかに 低下する方向に動きます。

総濃度:kel = CLtot (= fuB・CLintH)は上昇 / Vdはわずかに上昇

遊離形濃度:kel = CLintHは不変 / Vdfはわずかに低下

*例2:CL が中間型である table-1211(肝代謝・分布容積が小さく血漿た

ん白結合依存型)の薬物でfuB が上昇した場合

CLH = QH・fuB・CLintH / (QH + fuB・CLintH)

CLHf = QH・CLintH / (QH + fuB・CLintH)

と表現できますので、fuB の上昇により、CLHはほとんど変化しませんが (分母、分子ともに上昇する)、CLHfはわずかに低下し、その結果遊離形 のAUCivやCpss(iv)はわずかに上昇する方向に動きます。この場合、kelや半 減期はほとんど変化しません。 総濃度:kel = CLtotはほとんど不変 / VPは不変 遊離形濃度:kel = CLHfはわずかに低下 /(VP/fuB)は低下 このように病態の変化により各PK パラメータが変化したとしても、その 変化の程度が小さいと予想される場合は矢印に(括弧)を付けて示しま した。

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©木島慎一 Shinichi Kijima、高橋晴美 Harumi Takahashi、緒方宏泰 Hiroyasu Ogata 5 14. [D]の表には特徴づけ後、同一 table 番号に入る(体内動態の特徴が類似し ている)薬物をまとめました。同一番号である薬物の各 PK パラメータの 変動因子は共通することから、病態による変化も類似してくると考えられ ます。 15. 今回 PK の“特徴づけ”に用いた CL と Vdの信頼性の程度(**、*)について 下記の表に示しました。 CL 消失臓器 記号 信頼性 ** 極めて高い EH'(血液パラメータ)で評価 EH ≦ 0.3 * 高い EH か 1-F の小さいほうの値で評価 H (なし) 中 EH のみで評価 ** 極めて高い ER' (血液パラメータ)で評価 ER ≦ 0.3 R (なし) 中 ER のみで評価 Vd ** 極めて高い Vd'(血液パラメータ) を用いて評価 - (なし) 中 Vd を用いて評価 16. 次に薬物の動態特性を病態時の薬物治療へ応用する場合の例として、経口 抗不整脈薬である Propafenone をアルコ-ル性肝硬変患者に使用するときの投 与量・投与間隔の目安となる体内動態の変化について考察してみます。 Propafenone は光学異性体のラセミ体として投与されますが、Na チャネル拮抗 薬としての効果は両異性体ともにほぼ等しいとされているため、以下ラセミ体 の動きを考えていきます。また、Propafenone の代謝能は CYP2D6 の遺伝子多 型によりEM(Extensive Metabolizer)と PM(Poor Metabolizer)で大きく異なります

が、以下の解析はEM 患者について考察しました。通常、病態時には table 1111 ~2332(B)に予想したような CLintX、QX、fuB が単独で変化するのではなく、 同時に並行して変化することが多いようです。アルコ-ル性肝硬変患者の場合 でも 1. QHとCLintHの低下 2. アルブミンなどの血漿薬物結合たん白の合成低下による fuB の上昇 3. 門脈大静脈シャント形成による初回通過効果の回避と F の上昇 などが同時に引き起こされる可能性があります。 そこでまず、アルコール性肝硬変患者における Propafenone の PK の変化を

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©木島慎一 Shinichi Kijima、高橋晴美 Harumi Takahashi、緒方宏泰 Hiroyasu Ogata 6

予測するために、Propafenone について PK の特徴づけを行いました。

*Ae(%) = 1.0 (Hepatically eliminated drug)

*CLtot’ = 17 mL/min/kg × 70kg / 0.705 (=B/P 比) = 1688 mL/min

*CLH’ = 1688 x 0.99 = 1671 mL/min

*EH’ = 1671/1600 = 1.04 (Flow-limited drug)

*Vd’ = 3.6 L/kg × 70 kg / 0.705(=B/P 比) = 357 L (Large)

*fuB = 0.1 (binding sensitive drug)

*t1/2 = 2.4 h(1 日 3 回経口投与が標準的投与法ですので、連続投与して もほとんど蓄積されないと考えられます。蓄積係数=1.1) 以上によりPropafenone は 1331 に分類されます。同様の体内動態の特徴をも つ循環器系薬物には Propranolol、Verapamil、Nitrendipine、Hydralazine などがあ り(表 D)、これらの薬物についても肝硬変患者で Propafenone と同様の体内動 態の変化が認められる可能性があります。 次に、それぞれのパラメータの主変動要因を明確にしました([B]の table 1331 参照)。 *CLtot ≈ QH↓ (肝硬変患者では低下する可能性) *iv 投与後の効果に影響する CpssfやAUCfを決定する

CLtotf ≈ QH↓ / fuB↑(肝硬変患者では QH、fuB ともに CLtotfを低下する方向に動

く)

*CLpo ≈ fuB↑ × CLintH↓/Fa (肝硬変患者では fuB と CLintHの影響が逆方向に働

くため、CLpoはそれぞれの影響の程度により増減する可能性)

*経口投与後の効果に影響するCpssavef(po)やAUCpof を決定する

CLpof ≈ CLintH↓/Fa(肝硬変患者では低下する可能性)

*Vd ≈ (fuB↑/fuT) × VT(肝硬変患者では上昇する可能性)

*負荷投与後のCpmaxf を決定する Vdf ≈ VT / fuT(肝硬変患者では大きな影響は

認められない可能性)

*t1/2 ≈ 0.693 × fuB↑ × VT / (fuT × QH↓)(肝硬変患者では fuB、QHともに t1/2

を上昇させる可能性)

そこで次にこれらの予測の妥当性について、Lee らの報告値(Influence of

hepatic dysfunction on the pharmacokinetics of propafenone, J Clin Pharmacol, 1987;

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CLtot t1/2 F fuB Albumin

(mL/min/kg) (h) (g/dL) 健康成人(n=4) 12.3±1.3 3.1±0.7 0.21±0.26 0.040±0.005 4.2±0.3 肝硬変患者(n=8) 9.4± 3.4 7.7± 3.2 0.75±0.43 0.085±0.028 3.6±0.5 肝硬変患者では健康成人に比較して、CLtotから判断するとQHが約24%減少し ていると予想され、Albumin 等の血漿薬物結合たん白の減少により fuB が 2.1 倍、 t1/2が2.5 倍、また F が 3.6 倍の上昇を示していました。 この文献にはPK パラメータが平均値のみでなく、被験者ごとの値が報告され ていましたので、まず以下の式を用いて実際のパラメータ値を算出し(実測値)、 健康成人 vs 肝硬変患者について比較した結果を示します。

1. CLtotf = CLtot/fuB (25.1 ± 6.2 vs 10.4 ± 6.3 L/min;肝硬変患者/健康成人の比

=0.41)

2. CLpo = CLtot / F (11.9 ± 9.4 vs 2.1 ± 2.8 L/min;肝硬変患者/健康成人の比=0.18)

3. CLpof = CLpo/fuB (317 ± 283 vs 35.5 ± 63.8 L/min;肝硬変患者/健康成人の比

=0.11)

4. Vd = (CLtot × t1/2) / 0.693 (1-compartment model を仮定) (251 ± 46 vs 464 ± 115

L;肝硬変患者/健康成人の比=1.8)

5. Vdf = Vd/fuB (6367 ± 838 vs 5908 ± 1801 L;肝硬変患者/健康成人の比=0.93)

6. AUC(iv) = Dose(iv) / CLtot (82.1 ± 7.9 vs 118.8 ± 47.3 μg·min/mL;肝硬変患者/健

康成人の比=1.4)

7. AUCf(iv) = AUC(iv) × fuB (3.2 ± 0.5 vs 9.9 ± 4.2 μg·min/mL;肝硬変患者/健康 成人の比=3.1)

8. AUC(po) = Dose(po) / CLpo (34.4 ± 43.9 vs 177.8 ± 130.2 μg·min/mL;肝硬変患者

/健康成人の比=5.2)

9. AUCf(po) = AUC(po) × fuB (1.38 ± 1.76 vs 15.3 ± 10.5 μg·min/mL;肝硬変患者/ 健康成人の比=11.1)

そこで次に以下のパラメータについて PK の特徴づけによる変動要因を用い

て([B]table-1331)肝硬変患者での平均的な動きの予測性について検討しました。

1. CLtotf ≈ QH / fuB は約 36%(0.76 / 2.1 = 0.36)へ減少(実測値=41%)

2. CLpo = CLtot/F(0.76 / 3.6 = 0.21)は約 21%へ減少(実測値=18%)

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したがって経口投与後の効果に影響する Cpssavef(po)や AUCpofは健康成人の約

10 倍に上昇することが予想されます。つまり、肝硬変患者では経口投与後 健常人と同様に定常状態における平均遊離形血中濃度を保つためには投与 量を1/10 へ減少する必要があると考えられます。 4. Vd ≈ (fuB/fuT) × VTは fuB の上昇により2.1 倍へ上昇(実測値=1.8 倍) 5. Vdf ≈ VT / fuT は影響されない(実測値=0.93) 6. t1/2 ≈ 0.693 × fuB × VT / (fuT × QH)は 2.8 倍へ上昇(2.1/0.76 = 2.8)が予想 されるので(実測値=2.5 倍)、肝硬変患者では1日 3 回の連続投与をした場合 は蓄積(蓄積係数=1.75)が起こると考えられます。 CLtotのみから判断するとPropaphenone は肝硬変患者でも iv 投与後の定常状態 における血中総濃度は健康成人と比較して 1.3 倍程度へ上昇するに過ぎません が、経口投与後の定常状態における平均総濃度は約 5 倍、さらに効果・副作用 に影響すると考えられる平均遊離形濃度は約10 倍にも上昇し、また、半減期も 長くなるので、血中濃度を治療域に保つためには投与量の減少と投与間隔の延 長が肝硬変患者では必要になると考えられます。 以上のように薬物の PK の特徴づけと病態時における文献情報を組み合わせ ることにより、病態時における遊離形濃度の動きを比較的定量的に予測できる 可能性があります。PK 特性を活かした投与設計のための手順をまとめますと以 下のようになります。 1.個々の薬物のPK パラメータの特徴づけを行う 2.各PK パラメータの変動要因を明確にする (table 1111~2332) 3.病態時における各変動要因の変化について文献を検索する 4.薬理効果、副作用に影響する遊離形濃度の動きを予測する 5.遊離形濃度-効果・副作用の関係を調べる PK-PD 関係の考慮は投与設計に重要となりますが、現実的には遊離形濃度の 測定はほとんどなされておらず、効果・副作用についても適切なマーカが確立 していない場合が多いので、5 に関しては今後の課題と言えます。しかし、1~4 に関しては現在多くの情報が利用可能になってきていますので、臨床の現場で も常に遊離形濃度の動きを予想しながら投与設計をすることが重要であると考 えます。とくにTDM 対象薬物に関しては総濃度のみを測定する場合がほとんど ですので、総濃度と遊離形濃度の動きにギャップが生じる場合(例えば、腎不 全時のフェニトインやバルプロ酸などの血中濃度)はTDM 時の治療域が病態に より変化するので、特にその解釈に注意することが治療計画を立案するうえで 非常に重要となってきます。

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