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認定看護師教育基準カリキュラム改正(案)の概要

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認定看護師教育基準カリキュラム 改正概要 分野 慢性心不全看護 分野特定年 2010 年 認定開始年 2012 年 カリキュラム検討期間 2015 年 8 月~2015 年 3 月 【改正趣旨】 在宅で療養する慢性心不全患者が増加しており、在宅療養、地域医療連携のニーズが高まってい る点を考慮し改正した。 専門科目については、多職種連携における慢性心不全看護認定看護師の専門性と役割を明確に し、特に在宅療養や緩和ケアに関する内容を追加した。また、診断及び治療の項目の拡充と基礎疾 患・検査・合併症に対する内容を追加した。学内演習については、フィジカルアセスメントを追加 した。 (主な改正箇所) 1.共通科目 現行の「8. 臨床薬理学」と「9. 医療安全管理」を選択から必修科目にした。 2.専門科目 1)新教科目 1「心不全看護概論(p.3)」ではねらいとして 2)「所属施設内外の多職種連携にお ける慢性心不全看護認定看護師の専門性と役割を理解できる」を追加した。また、在宅で療養 す る慢性心不全患者が増加しており、慢性心不全看護認定看護師の活動の場は病院だけ ではなく、訪問看護・訪問診療を受けている在宅療養が含まれることから単元 4)「在宅療 養の現状と課題」を追加した。 2)現行の教科目 2「心不全の病態生理と診断および治療(p.4)」を新教科目 2「心不全の病 態生理と診断及び治療」、新教科目 3「心不全の基礎疾患と合併症の診断及び治療」の 2 つの教科目に分けて各 30 時間とし、新教科目 3 の単元 1)に検査、単元 3)に合併症に関 する内容を具体的に記載した。 3)新教科目 5「心不全患者・家族、重要他者の理解と支援(p.5)」の単元 5)に「慢性心不全患 者の在宅療養支援」を追加した。 4)教科目間の重複を整理し、新教科目 4「心不全看護における身体機能と認知・精神機能の評価 (p.4)」、新教科目 6「慢性心不全患者の症状マネジメント(p.6)」の時間数をそれぞれ 30 時間から 15 時間に削減した。 5)現行の専門科目 2「慢性心不全患者の療養生活の支援技術(p.7)」を新教科目 7「慢性心 不全患者の生活調整」、新教科目 8「慢性心不全患者の療養支援」、新教科目 9「慢性心 不全患者の意思決定と在宅療養支援」の 3 つに分け、ねらいを明確にした。 6)新教科目 9「慢性心不全患者の意思決定と在宅療養支援(p.7)」の単元 2)「非薬物療法 を受ける患者への支援」では、現時点では臨床上、稀である「再生医療」を削除し、単元 3)に具体的に在宅療養への支援、単元 4)に緩和ケア(人生の最終段階におけるケアを含 む)を明記した。 3.学内演習/実習 フィジカルアセスメントの理解と実践力を強化するため、新「学内演習(p.9)」にフィジカル アセスメントを追加し、時間数を 90 時間に増やした。

(2)

2 2015 年度認定看護師教育基準カリキュラム検討ワーキンググループ(慢性心不全看護分野) 委員長:吉田 俊子(宮城大学看護学部) 委員:網中 眞由美(国立看護大学校/認定看護師制度委員会委員) 小林 富貴子(北里大学看護キャリア開発・研究センター認定看護師教育課程) 根井 あずさ(東邦大学医療センター大橋病院/慢性心不全看護認定看護師) 鷲田 幸一(兵庫県立尼崎総合医療センター/慢性心不全看護認定看護師)

(3)

認定看護師教育基準カリキュラム新旧対照表(慢性心不全看護分野)

改正箇所:下線 1

【目的・期待される能力】

旧(現行) 新 改正理由 (目的) 1.安定期、増悪期、終末期における慢性心不全患者とその家族のQOL向上に向けて、 水準の高い看護実践のできる看護職者を育成する。 2.慢性心不全看護領域において、看護実践を通して他の看護職者等に対して指導・ 相談ができる看護職者を育成する。 (目的) 1.安定期、増悪期、人生の最終段階にある慢性心不全患者とその家族に対し、熟練 した看護技術を用いて水準の高い看護実践ができる能力を育成する。 2.安定期、増悪期、人生の最終段階にある慢性心不全患者とその家族の看護におい て、看護実践を通して他の看護職者に対して指導ができる能力を育成する。 3.安定期、増悪期、人生の最終段階にある慢性心不全患者とその家族の看護におい て、看護実践を通して他の看護職者に対して相談対応・支援ができる能力を育成 する。 ・認定看護師の役割「実践」「指導」「相談」に沿って 3 項目にし た。 (期待される能力) 1.心不全患者の身体及び認知・精神機能のアセスメントを的確に行う。 2.慢性心不全患者の心不全増悪因子の評価とモニタリングができる。 3.症状緩和のためのマネジメントを行い、QOL を高めるための療養生活行動を支援 する。 4.慢性心不全患者の対象特性と心不全の病態に応じた生活調整ができる。 5.慢性心不全患者・家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護を実践できる。 6.より質の高い医療を推進するため、他職種と共働し、チームの一員として役割を 果たすことができる。 7.慢性心不全看護の実践を通して、役割モデルを示し、看護職者への指導・相談を 行うことができる。 (期待される能力) 1.心不全患者の身体及び認知・精神機能の的確なアセスメントができる。 2.慢性心不全患者の心不全増悪因子の評価とモニタリングができる。 3.症状緩和のためのマネジメントを行い、Quality of Life を高めるための療養生 活行動を支援することができる。 4.心不全の病態と慢性心不全患者の身体的・精神的・社会的な対象特性に応じて在 宅療養を見据えた生活調整ができる。 5.慢性心不全患者・家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護を実践できる。 6.より質の高い医療を推進するため、多職種と協働し、チームの一員として役割を 果たすことができる。 7.慢性心不全看護の実践を通して役割モデルを示し、看護職者への指導・相談対応 を行うことができる。 ・4 は、対象特性が明確になるよう「身体的・精神的・社会的な」を 追加した。また、社会的状況を踏まえ「在宅療養を見据えた」を 追加した。 ・6 は、多くの医療職種との連携が重要であるため、「他職種」を「多 職種」に変更した。

(4)

改正箇所:下線 2

【共通科目】

旧(現行) 新 改正理由 <必須> 1.看護管理 2.リーダーシップ 3.情報管理 4.看護倫理 5.指導 6.相談 7.文献検索・文献講読 <選択> 8.臨床薬理学 9.医療安全管理 10.対人関係 <必修> 1.看護管理 2.リーダーシップ 3.情報管理 4.看護倫理 5.指導 6.相談 7.文献検索・文献講読 8.臨床薬理学 9.医療安全管理 <選択> 10.対人関係 ・「臨床薬理学」「医療安全管理」は認定看護師活動に必要な知識で あるため、必修にした。

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認定看護師教育基準カリキュラム新旧対照表(慢性心不全看護分野)

改正箇所:下線 3

【専門科目】

旧(現行) 新 改正理由 教科目 時 間 数 教科目のねらい 単元 教科目 時間数 教科目のねらい 単元 必修/選択 [専門基礎科目] 1.心不全看護概論 15 1)循環器疾患の動向や 心不全看護の現状と 課題を踏まえ、慢性 心不全看護認定看護 師の専門性と役割を 理解する。 1)日本における循環器疾患の動向 2)病期における心不全ケアの現状と 課題 3)チーム医療とネットワーク 4)慢性心不全ケア認定看護師の役割 1.心不全看護 概論 15 (必修) 1) 循環器疾患の動向や 心不全看護の現状と 課題を理解できる。 2)所属施設内外の多職 種連携における慢性 心不全看護認定看護 師の専門性と役割を 理解できる。 1)日本における循環器疾患の動向 2)病期における心不全看護の現状と課題 3)多職種連携と地域医療連携 4)心不全患者の在宅療養の現状と課題 5)慢性心不全看護認定看護師の役割 6) 慢性心不全看護のアウトカム評価 【教科目のねらい】 ・認定看護師の専門性と役割をより明確にする ため、旧教科目のねらい 1)を新では 1)2) の 2 つに分け、2)「所属施設内外の多職種連 携における慢性心不全看護認定看護師の専門 性と役割を理解できる。」を新たに追加した。 ・新 1)2)では、文末を「理解できる」に変更 した。 【単元】 ・学習内容が明確になるよう旧 3)「チーム医療 とネットワーク」から新 3)「施設内外の多職 種連携と地域医療連携」へ表現を変更した。 ・心不全患者の高齢化に伴い、高齢心不全患者 の在宅復帰率を向上させるには、地域包括ケ アシステムの構築が不可欠である。心不全患 者の在宅療養の現状と課題を理解しておく必 要があり、新 4)「心不全患者の在宅療養の現 状と課題」について追加した。 ・慢性心不全看護のアウトカムを評価するため に必要な知識を学ぶ単元として新 6)を追加 した。

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改正箇所:下線 4 旧(現行) 新 改正理由 教科目 時 間 数 教科目のねらい 単元 教科目 時間数 教科目のねらい 単元 必修/選択 [専門基礎科目] 2.心不全の病態 生理と診断お よび治療 45 1)心不全の定義、病態 生理、心不全症状の 発生機序について理 解する。また、診断及 び心臓リハビリテー ションを含む治療に ついて理解する。 1)心不全の病態生理 2)心不全の診断と治療 (1)急性心不全 (2)慢性心不全 3)心不全をもたらす基礎疾患の診断 と治療 (1)虚血性心疾患 (2)弁膜症 (3)心筋疾患 (4)高血圧症 (5)不整脈 4)心不全症状と発生のメカニズム (1)呼吸困難 (2)浮腫 (3)動悸 (4)倦怠感 (5)不眠 (6)不安、抑うつ 5)多疾患有病者への対応 6)心不全患者の心臓リハビリテーシ ョン 2.心不全の病 態生理と診 断及び治療 30 (必修) 1)心不全の定義、病態 生理、心不全症状の 発生機序について理 解できる。 2)心不全の診断及び治 療について理解でき る。 1)心不全の病態生理 2)心不全の診断と治療(薬物療法と非薬物 療法) (1)急性心不全 (2)慢性心不全 3)心不全症状と発生のメカニズム (1)呼吸困難 (2)浮腫 (3)動悸・倦怠感 (4)不眠 (5)不安、抑うつ 4)加齢に伴う変化 (筋量減少、虚弱など) 【教科目・時間数】 ・検査・基礎疾患・合併疾患に関する内容を追 加、整理し、30 時間ずつの 2 科目に分割した。 【教科目のねらい】 ・教科目のねらいをより明確にするため、新 1) 2)に分けて示した。 【単元】 ・心不全治療における非薬物療法の進歩から、 非薬物療法が講義内容に含まれるよう、新専 門科目 2.2)「心不全の診断と治療(薬物療法 と非薬物療法)」と明記した。 ・高齢者に特有な筋量減少や虚弱について、心 不全患者の生命予後との関連が指摘されてお り、理解の重要性から、新専門科目 2.4)「加 齢に伴う変化」を旧専門基礎科目 3.「心不全 患者の身体機能と認知・精神機能の評価」か らこの項に移動した。 ・検査についての理解をより深めるため、新専 門科目 3.1)「心不全の診断に用いられる検 査」を追加した。 ・慢性心不全看護認定看護師のケアが必要な対 象が拡大していることから、臨床で遭遇する ことが考えられる 3.(4)「先天性心疾患」(5) 「肺高血圧症」を追加した。 ・旧 3.(4)で配置していた「高血圧症」に関し ては、合併症例がほとんどであるため、新た に位置付けた 3.3)「心不全の合併症」に含め た。 ・旧 5)「多疾患有病者への対応」は 3.3)「心 不全の合併症」として疾患を追加した。近年、 臨床で重要と判断される心不全患者に多い合 併症を追加した。 3.心不全の基 礎疾患と合 併症の診断 及び治療 30 (必修) 1)心不全の基礎疾患と 合併症の診断及び治 療について理解でき る。 2)心臓リハビリテーシ ョンを含む治療につ いて理解できる。 1)心不全の診断に用いられる検査 (心電図、心臓超音波検査、胸部 X 線検 査、心臓カテーテル検査、血液検査など) 2)心不全をもたらす基礎疾患の診断と治 療 (1)虚血性心疾患 (2)弁膜疾患 (3)心筋疾患 (4)先天性心疾患 (5)不整脈 (6)肺高血圧症 3)心不全の合併症 (高血圧・腎不全・糖尿病・がん・COPD・ 貧血・睡眠時無呼吸症候群、甲状腺機能 異常) 4)心不全患者の心臓リハビリテーション [専門基礎科目] 3.心不全患者の 身 体 機 能 、 認 知・精神機能評 価 30 1)心不全看護における 身体・認知・精神機 能評価 の意義 と目 的を理解し、具体的 なアセ スメン ト 技 術を学ぶ。 1)心不全看護におけるフィジカルア セスメントの意義・目的 2)フィジカルアセスメント (心機能と身体活動性) (1)心不全症状の評価とフィジカ ルアセスメント技術(問診・視 診・触診・打診・聴診) (2)加齢と心機能の変化 (3)呼吸機能のアセスメント (4)循環機能のアセスメント (5)栄養・代謝機能のアセスメン ト (6)免疫機能維持のアセスメント 4.心不全患者 の身体機能 と認知・精 神機能の評 価 15 (必修) 1)心不全看護における 身体機能と認知・精 神機能評価の意義と 目的・アセスメント 方法を理解できる。 1)心不全看護におけるフィジカルアセス メントの意義・目的 2)フィジカルアセスメント (心機能と身体活動性) (1)心不全症状の評価とフィジカルア セスメント(問診・視診・触診・打 診・聴診) (2)呼吸機能のアセスメント (3)循環機能のアセスメント (4)栄養状態のアセスメント (5)代謝機能のアセスメント (6)感覚・運動機能のアセスメント 3)認知・精神機能評価 【時間数】 ・学内演習にフィジカルアセスメントの内容を 追加し、また一部の学習内容が他の教科目に 移動したため、30 時間から 15 時間に減らし た。 【教科目のねらい】 ・文末の「理解する」を「理解できる」に変更 した。 【単元】 ・慢性心不全患者において栄養状態の評価が重 要であることから、旧(5)「栄養・代謝機能 のアセスメント」を新(4)「栄養状態のアセ

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認定看護師教育基準カリキュラム新旧対照表(慢性心不全看護分野)

改正箇所:下線 5 旧(現行) 新 改正理由 教科目 時 間 数 教科目のねらい 単元 教科目 時間数 教科目のねらい 単元 必修/選択 (7)感覚・運動機能のアセスメン ト 3)認知・精神機能評価 (1)心不全が認知・精神機能に及 ぼす影響 (2)心不全と認知機能評価 (3)心不全と精神機能評価 (1)心不全が認知・精神機能に及ぼす 影響 (2)心不全と認知機能評価 (3)心不全と精神機能評価 スメント」として独立させた。 ・旧(6)「免疫機能維持のアセスメント」はケ ア と 合 わ せ て 理 解 で き る よ う 新 専 門 科 目 7.2)(8)「感染予防」に含めた。 [専門基礎科目] 4.患者・家族、 重 要 他 者 へ の 理解と支援 30 1)心不全患者及び家 族・重要他者に起こ りうる 倫理的 問題 を踏まえ、看護者が 果たす 役割 を 理解 する。 2)心理・社会的状況を 踏まえ、適切な看護 支援が できる ため の理論、制度、法律 について学習する。 1)心不全患者の心理・社会状況の理 解 2)心不全患者の家族・重要他者の理 解 3)心不全患者・家族への倫理的配慮 4)支援に必要な理論 (1)危機理論 (2)成人学習理論 (3)セルフケアに関する理論 (セルフケア、自己効力感、 行動変容理論) (4)価値転換理論 (5)家族援助論 5)保健医療福祉制度と法律に基づく 支援 (1)社会資源の活用 5.心不全患者・ 家族、重要 他者の理解 と支援 30 (必修) 1) 心不全患者及び家 族・重要他者の心 理・社会状況を理解 できる。 2) 心不全患者・家族・ 重要他者の心理・社 会状況、倫理的問題 を踏まえ、看護者の 役割が理解できる。 3)適切なケアに必要な 理論、法律、制度につ いて理解できる。 1)心不全患者の心理・社会状況の理解 2)心不全患者の家族・重要他者の理解 3)心不全患者・家族への倫理的配慮 4)支援に必要な理論 (1)危機理論 (2)成人学習理論 (3)セルフケアに関する理論 (セルフケア、自己効力感、行動変 容理論、価値転換理論) (4)家族援助論 5)保健医療福祉制度と法律に基づく支援 (1)社会資源の活用(身体障害者福祉 法・介護保険制度・高額医療制度・ 障害年金など) (2)慢性心不全患者の在宅療養支援 【教科目】 ・対象を明確するため「患者」を「心不全患者」 に変更した。 【教科目のねらい】 ・心理・社会状況を理解することの重要性から 教科目のねらいを 1)2)から 1)2)3)に分 けて表現した。 ・倫理的問題へのケアは重要であるため、2) 「心不全患者・家族・重要他者の心理・社会状 況、倫理的問題を踏まえ、看護者の役割が理解 できる。」として内容を明確にした。 【単元】 ・必要な理論を精選し、旧 4)(4)「価値転換理 論」は新 4)(3)「セルフケアに関する理論」 の中にまとめた。 ・5)(1)は慢性心不全看護認定看護師に必要な 社会資源の内容がわかるように明記した。 ・保健医療福祉制度と法律に基づく在宅療養支 援の重要性から、5(2)「慢性心不全患者の在 宅療養支援」の項目を別途設けた。

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改正箇所:下線 6 旧(現行) 新 改正理由 教科目 時 間 数 教科目のねらい 単元 教科目 時間数 教科目のねらい 単元 必修/選択 [専門科目] 1.慢性心不全患者 の症状マネジメ ント 30 1)慢性心不全患者が自 己の症 状を どう認 知して いる かを捉 え、症状をコントロ ールす るた めの看 護支援 技術 を習得 する。 1)慢性心不全患者の体験している心 不全症状 2)主な症状への看護支援 (1)呼吸困難 (2)浮腫 (3)動悸 (4)倦怠感 (5)不眠 (6)不安、抑うつ 3)症状を緩和する看護支援技術 リラクゼーション技術、呼吸法、ポジ ショニング、他 6.慢性心不全 患者の症状 マネジメン ト 15 (必修) 1)心不全患者の主な症 状を理解し、症状を コントロールするた めのケアが実践でき る。 1)慢性心不全患者の体験している心不全 症状 2)主な症状へのケア (呼吸法、ポジショニング等を含む) (1)呼吸困難 (2)浮腫 (3)動悸 (4)倦怠感 (5)不眠 (6)不安、抑うつ 【時間数】 ・単元内容の重複を整理した結果、時間数を 30 時間から 15 時間に減らした。 【教科目のねらい】 ・「看護支援技術を習得する」を「ケアが実践で きる」に変更した。また、ねらいが明確にな るように「慢性心不全患者が自己の症状をど う認知しているかを捉え」を「心不全患者の 主な症状を理解し」に変更した。 【単元】 ・旧 2)、3)は内容が重複するため、ひとつに統 合し、「リラクゼーション技術」は概念が曖昧 であるため文言を削除した。

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認定看護師教育基準カリキュラム新旧対照表(慢性心不全看護分野)

改正箇所:下線 7 旧(現行) 新 改正理由 教科目 時 間 数 教科目のねらい 単元 教科目 時間数 教科目のねらい 単元 必修/選択 [専門科目] 2.慢性心不全の療 養生活の支援技 術 90 1)慢性心不全患者の長 期療養 過程 におけ るセル フケ ア能力 を高め るた めの支 援技術(危険因子に 対する 予防 管理及 び急性 増悪 回避の ための セル フケア 支援、生活調整への 支援)を習得する。 2)慢性心不全患者の心 臓リハ ビリ テーシ ョン技 術 に ついて 理解する。 3)非薬物療法を受ける 慢性心 不全 患者 へ の看護 支技 術につ いて理解する。 4)在宅療養に向けた地 域医療 連携 におけ る看護 活動 につい て理解する。 1)慢性心不全の危険因子管理と看護 支援技術 (1)病態の理解 (2)冠危険因子のコントロール (3)基礎疾患のコントロール 2)慢性心不全の生活調整の支援技術 (1)活動と休息(入浴負荷を含む) (2)睡眠 (3)食事と栄養 (4)排泄 (5)性生活 (6)体重管理 (7)薬物療法 (8)感染予防 (9)メンタルヘルス、ストレスコ ーピング (10)適正な社会的役割行動のため のライフサイクルの調整 3)急性増悪回避のためのセルフケア 支援技術 (1)セルフモニタリング技術 ①呼吸・血圧・脈拍・体温 ②体重 ③自覚症状 (呼吸困難、浮腫、動悸、倦怠 感、不眠、不安、抑うつ) ④服薬管理と副作用 (2)慢性心不全患者の意思決定と 支援技術 ①疾患治療への理解と疾患 ②治療決定プロセスとアドヒア ランスを高める支援 ③ソーシャルサポート、社会資 源の活用 ④家族・重要他者への支援技術 4)心臓リハビリテーションへの支援 技術 5)非薬物療法を受ける患者への支援 技術 (ICD 植え込み・心移植待機・再生 医療、酸素療法を受ける患者など) 6)在宅療養に向けた地域医療連携 (1)チーム医療とネットワークにお ける看護活動 7.慢性心不全 患者の生活 調整 30 (必修) 1)安定期にある慢性心 不全患者の危険因子 管理と生活調整が実 践できる。 1)慢性心不全の危険因子管理と看護 (1)病態の理解 (2)冠危険因子のコントロール (3)基礎疾患のコントロール 2)慢性心不全の生活調整 (1)活動と休息(入浴負荷を含む) (2)睡眠 (3)食事と栄養 (4)排泄 (5)性生活 (6)体重管理 (7)薬物療法 (8)感染予防(免疫機能を含む) (9)メンタルヘルス、ストレスコーピン グ (10)適正な社会的役割行動のためのラ イフサイクルの調整 (11)緊急時の対応 【教科目・時間数】 ・旧専門科目 2.「慢性心不全の療養生活の支援 技術」の内容を整理し、30 時間ずつの 3 科目 に分割した。 【教科目のねらい】 ・各教科目において新たにねらいを設定した。 ・文末を「理解する」「習得する」から「実践で きる」「支援できる」に変更した。 【単元】 ・緊急時の対応は支援として重要であるため、 新専門科目 7.2)(11)「緊急時の対応」を追加 した。 ・旧 4)「心臓リハビリテーションへの支援技術」 を新専門科目 8.2)「心臓リハビリテーション を受ける患者への支援」と表現を変更した。 ・旧 5)「ICD 植え込み・心移植待機・再生医療、 酸素療法を受ける患者など」を新専門科目 9.2)「ICD・CRT 植え込み患者・心移植待機患 者、補助人工心臓を装着している患者、ASV を 装着している患者」と臨床で遭遇することの 多いデバイス名を具体的に示し、単元を理解 しやすいように文言を追加した。また、現時 点では臨床上で稀である「再生医療」は削除 した。 ・旧 6)「在宅療養に向けた地域医療連携」を「在 宅療養への支援」と理解しやすいよう文言を 変更し、かつ曖昧な表現であった「チーム医 療とネットワークにおける看護活動」を新専 門科目 9.3)「(1)在宅療養支援の実際」「(2) 在宅酸素療法を受ける患者の支援」と表記し た。 ・臨床の中で慢性心不全看護認定看護師に求め られる緩和ケア(人生の最終段階におけるケ アを含む)について、新専門科目 9.4)とし て追加した。 8.慢性心不全 患者の療養 支援 30 (必修) 1)急性増悪回避のため の療養支援が実践で きる。 2)慢性心不全患者の心 臓リハビリテーショ ンについて支援でき る。 1)急性増悪回避のためのセルフケア支援 (1)セルフモニタリング技術 ・呼吸・血圧・脈拍・体温 ・体重 ・自覚症状 (呼吸困難、浮腫、動悸、倦怠感、 不眠、不安、抑うつ) ・服薬管理と副作用 2)心臓リハビリテーションを受ける患者 への支援 9.慢性心不全 患者の意思 決定と在宅 療養支援 30 (必修) 1)非薬物療法を受ける 慢性心不全患者のケ アができる。 2)慢性心不全患者の在 宅療養に向けたケア ができる。 1)慢性心不全患者の意思決定支援 ・疾患治療への理解と支援 ・治療決定プロセスとアドヒアラン スを高める支援 ・ソーシャルサポート、社会資源の活 用 ・家族・重要他者への支援 2)非薬物療法を受ける患者への支援 (ICD・CRT 植え込み患者、心移植待機患 者、補助人工心臓を装着している患者、 ASV を装着している患者など) 3)在宅療養への支援 (1)在宅療養支援の実際 (2)在宅酸素療法を受ける患者の支援 4) 慢性心不全患者の緩和ケア(人生の最 終段階におけるケアを含む)

(10)

改正箇所:下線 8 旧(現行) 新 改正理由 [専門科目] 3.慢性心不全患者 の 急 性 増 悪 に 対 す る 看 護 支 援技術 30 1)慢性心不全の増悪因 子のア セス メント 技術を習得する。 2)急性増悪時の支援技 術を習得する。 1)慢性心不全の増悪因子のアセスメ ント技術 (1)身体状況 (不整脈、高血圧、心筋虚血、肺 塞栓症、貧血、腎不全、低栄養、 感染など) (2)ライフサイクルと生活状況 (食塩、水分、アルコール、妊娠、 出産など) (3)治療の状況 (服薬非遵守、治療薬の変更な ど) 2)急性増悪時の支援技術 (1)慢性心不全急性増悪の徴候の 早期発見と早期対処 (重篤化回避のための身体、症 状モニタリング) 10.慢性心不全 患者の急性 増悪時のケ ア 30 (必修) 1)慢性心不全患者の急 性増悪時のアセスメ ントができる。 2) 急性増悪時のケアを 実践できる。 1)慢性心不全患者の急性増悪時のアセス メント (1)身体状況 (不整脈、高血圧、心筋虚血、肺塞栓 症、貧血、腎不全、低栄養、感染など) (2)ライフサイクルと生活状況 (塩分、水分、アルコール、妊娠、出 産など) (3)治療の状況 (服薬非遵守、治療薬の変更など) 2)急性増悪時のケア (1)慢性心不全急性増悪の徴候の早期 発見と早期対処 (重篤化回避のための身体・症状モ ニタリング) 【教科目】 ・急性増悪時のケアが明確になるように、「慢性 心不全患者の急性増悪に対する」を「慢性心不 全患者の急性増悪時の」と文言を変更した。 【教科目のねらい】 ・急性増悪時のケアが明確になるように、旧 1) 「慢性心不全の増悪因子の」から「慢性心不 全患者の急性増悪時の」へ文言を変更した。 ・文末の「習得する」を「できる」に変更した。 【単元】 ・学習内容が明確になるように旧 1)「慢性心不 全の増悪因子のアセスメント技術」を「慢性 心不全患者の急性増悪時のアセスメント」と した。 計 270 計 255

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認定看護師教育基準カリキュラム新旧対照表(慢性心不全看護分野)

改正箇所:下線 9

【学内演習】

旧(現行) 新 改正理由 教科目 時 間 数 教科目のねらい 単元 教科目 時間数 教科目のねらい 単元 必修/選択 1.総合演習 60 1)慢性心不全患者の身体 及び症状を的確にモニ タリングし、長期療養 過程を踏まえた看護過 程の展開ができる。 2)慢性心不全患者におけ るコンサルテーション の具体的な展開方法に ついて学ぶ。 3)自己の看護実践事例を 振り返り、客観的、理論 的分析を行い、効果的 なプレゼンテーション ができる。 1)慢性心不全患者の身体・症状モニタリン グ技術 (1)慢性心不全増悪因子のモニタリン グ技術 (2)慢性心不全の徴候のモニタリング 技術 ①心電図 ②胸部X線検査 ③血液検査 ④酸素飽和度 2)慢性心不全患者の看護過程の展開 (1)情報収集とアセスメント (2)ケアプランの作成と評価 (評価方法,指標も含む) 3)病棟、外来、在宅の継続ケアにおけるコ ンサルテーションの実際 (1)慢性心不全患者の看護ケアに関す るコンサルテーションプロセス 4)ケースレポート (1)事例検討とプレゼンテーション 1.学内演習 90 (必修) 1)慢性心不全患者の身 体及 び症 状を 的 確 にモニタリングし、 長期 療養 過程 を 踏 まえ た看 護過 程 の 展開ができる。 2)慢性心不全患者にお ける コン サル テ ー ショ ンの 具体 的 な 展開 方法 につ い て 学ぶ。 3)自己の看護実践事例 を振 り返 り、 客 観 的、理論的分析を行 い、効果的なプレゼ ンテ ーシ ョン が で きる。 1)フィジカルアセスメント (心機能と身体活動性) (1)心不全症状の評価とフィジカル アセスメント(問診・視診・触 診・打診・聴診) 2)慢性心不全患者の身体・症状モニタ リング (1)慢性心不全増悪因子のモニタリ ング (2)慢性心不全の徴候のモニタリン グ ・心電図 ・胸部X線検査 ・血液検査 ・酸素飽和度 3)慢性心不全患者の看護過程の展開 (1)情報収集とアセスメント (2)ケアプランの作成と評価 (評価方法,指標も含む) 4)病棟、外来、在宅の継続ケアにおけ るコンサルテーションの実際 (1)慢性心不全患者の看護ケアに関 するコンサルテーションプロ セス 5)ケースレポート (1)事例検討とプレゼンテーション 【時間数】 ・フィジカルアセスメントの内容を追加したため、 60 時間から 90 時間に増やした。 【単元】 ・新 1)は、フィジカルアセスメントの理解と実践 力を強化するため、学内演習に追加し、内容を明 示した。 計 60 計 90

(12)

改正箇所:下線 10

【臨地実習】

旧(現行) 新 改正理由 教科目 時 間 数 教科目のねらい 単元 教科目 時間数 教科目のねらい 単元 必修/選択 1.臨地実習 180 1)慢性心不全患者に対し、 他職種と協働しながら、 水準の高い看護実践を 行い、他の看護職者に対 して、指導、相談ができ る能力を高める。 1)看護過程:心不全の急性増悪から回復・ 慢性期にある患者を 2 名以上受け持ち、 症状マネジメント、危険因子の評価・管 理、生活調整支援、セルフケア支援に関 する具体的な計画立案と実践、評価を 行う。更に、実習カンファレンスにおい てそれぞれの事例検討を行い、スタッ フと共有する。 2)以下の事例から 2 例以上選択し退院支 援プログラムを作成する。 (1)再発を繰り返す慢性心不全患者 (2)高齢者の慢性心不全患者 (3)糖尿病や腎障害などの合併症をも つ慢性心不全患者 (4)高度先端医療を受ける慢性心不全 患者 3)専門技術の履修(症状緩和のためのケア 技術、生活調整支援技術、フィジカルア セスメント技術、重篤化回避のための モニタリング技術等)をする。 4)多職種協働カンファレンスや症例検討 等の場において、積極的に発言し、職種 間の連携を促進することで問題解決を 図る。 5)慢性心不全看護に携わる看護師に対し てカンファレンスや事例検討の場を通 して、指導・相談を行う。 1.臨地実習 180 (必修) 1)慢性心不全患者に対 し、看護チームや多 職 種 と 協 働 し な が ら、水準の高い看護 実践を行い、他の看 護職者に対して、指 導、相談対応ができ る能力を高める。 1)看護過程:心不全の急性増悪から回 復・慢性期にある患者を 2 名以上受 け持ち、症状マネジメント、危険因 子の評価・管理、生活調整支援、セ ルフケア支援に関する具体的な計 画立案と実践、評価を行う。更に、 実習カンファレンスにおいてそれ ぞれの事例検討を行い、スタッフと 共有する。 2)以下(1)~(6)の事例から重複し ない 2 例以上を選択し、療養支援プ ログラムを作成する。事例のうち 1 例は訪問看護・訪問診療を受けてい る在宅療養中の慢性心不全患者を 含めることが望ましい。 (1)再発を繰り返す慢性心不全患者 (2)高齢の慢性心不全患者 (3)糖尿病や腎障害などの合併症を もつ慢性心不全患者 (4)高度先端医療を受ける慢性心不 全患者 (5)在宅療養中の慢性心不全患 者 (6)心不全による初回入院患者 3)専門技術(症状緩和のためのケア、 生活調整支援、フィジカルアセスメ ント、重篤化回避のためのモニタリ ング等)を習得する。 4)多職種協働カンファレンスや症例検 討等の場において、積極的に発言 し、職種間の連携を促進することで 問題解決を図る。 5)慢性心不全看護に携わる看護師に対 してカンファレンスや事例検討の 場を通して、指導・相談対応を行う。 【教科目のねらい】 ・看護チームの一員として活動し役割を果たすこ との重要性を明示するために、「看護チームや」 を加えた。 ・期待される能力 6.と同様の理由で「他職種」を 「多職種」へ変更した。 【単元】 ・旧 2)は「退院支援プログラム」であるが、人生 の最終段階にある患者や在宅療養中の患者が対 象の場合があるため、「療養支援プログラム」に 変更した。 ・2)について、在宅で療養する慢性心不全患者が 増加しており、地域医療連携のニーズが高まっ ている。慢性心不全看護認定看護師の活動の場 は病院だけではなく、訪問看護・訪問診療を受け ている在宅療養が含まれることから新(5)を追 加した。また、初期の患者教育が重要であるため 新(6)を追加した。 ・新 2)(1)~(6)から事例を選択するにあたり、 偏りが生じないように、事例のうち 1 例は在宅 療養中の慢性心不全患者を含めることが望まし いとした。 計 180 計 180 共通科目 105 時間(+45 時間) 共通科目 135 時間(+15 時間) 専門基礎科目/専門科目 120 時間/150 時間 専門科目 255 時間 演習 60 時間 演習 90 時間 実習 180 時間 実習 180 時間 総時間 615 時間(+45 時間) 総時間 660 時間(+15 時間)

参照

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