Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese
Physioal Therapy Assooiation
理 学 療 法 学
第38巻 第
8
号
585
一
586
.
貞 (201
]年 )
大
会
特
別 企 画
訪 問
リ
ハ
ビ リ テ ー シ
ョ
ン
で で
き る
こ
と
そ れ
ぞ
れ
の
関
係
職
の
立
場
か ら
*
一
ケ
ア
マ
ネ
と し
て
,
医師
と
し て
牛 谷 義 秀
* *
近 年
,
加 速 度 的に超 高齡 化 社 会 が 進む中で
,
国が在 宅 医
療
お
よ び 病 院 死 か ら在 宅 死へ の シフ ト等 を推 奨 する施 策とも相まっ
て
,
在 宅 医療のニ
ー
ズ が 日増し に高 まっ てきて い ます
.
超 高 齢
化 社会の到 来 と と も に
,
高 齢 者が抱 える疾 患 も多 種 多 様 化して
い ま す
。
不幸に し て病 気や障 害 を背 負っ ても
,
通 院 困 難 な患者
が催患 し てい る
病気
や障
害
の
種
類によら
ず
,
で きる限 り住み慣
れ た地 域や
家 庭
で
身近
な人に囲 まれ て
療養
しな が ら生
活
を 送 れ
る ように提 供さ れ る医
療
が
在
宅医
療
とい え ま しょ
う
。
外傷
や心
筋 梗 塞
,
脳
卒
中 などの
急性 期
医
療
や
手 術
が必
要
な ケ
ー
スな ど
,
病 院でし か提 供で きない医 療を除 けば
.
大部分の医
療
は適切 な
医療の提 供によ り在 宅で受 けるこ とが 可 能です
。
在 宅 医 療の
対 象 者は脳 性 麻 痺や頭 部外 傷
,
脊 髄 損 傷 など を負っ た障 害 者
,
パ
ー
キン ソ ン病な どの神 経 難 病 患 者
,
末 期 癌 患 者
,
慢 性の心疾
患
・
呼
吸器 疾 患 患 者
,
在 宅 療 養 が 必 要 な小 児 患 者の ほか
,
認 知
症
・
精 神 疾 患 患 者 も含 まれ ま す
。
今や
,
入 院 中 と 同 じように自
宅で点
滴
や輸 血 な ど を受 け た り
,
在 宅 酸 素 療 法
・
在 宅 人 工 呼 吸
療 法などの呼 吸 補 助 療 法
,
在 宅 中 心 静 脈 栄 養療 法
・
経 管 栄 養 法
な どの栄養 補助 療 法
,
麻 薬 を使っ た 癌 性 疼痛 管理
,
補 助腎臓 療
法 (在宅 腹 膜 透析 療 法
・
在 宅 人 工 透 析療 法 〉な どの医療 技術の
提 供を受け ること がで き ま す
.
患者
・
家族のた め に
,
医 療と介 護に関わ る多職種の皆さ ん が
病 院 か ら在 宅
・
施 設へ
,
在 宅
・
施 設 か ら病 院へ
.
(ま た
一
方で
医 療 か ら介 護へ
,
介 護 か ら医 療へ ) 継 ぎ 目の ない 医 療
・
介 護双
方のサ
ー
ビスが 提 供 され患 者の安 心 した暮 ら しにつ な がるこ
と
,
これはま さに喫 緊の課 題です。 しか し なが ら
,
医 療
・
介 護
双 方 向へ の連 続 する シ ス テ ムがう ま く機 能して い ない のが現 状
です
。
病 院で は元 気になっ て退 院 される まで の間
,
様々な診 療
科が患 者の急 性 期 を支え
,
様々な職 種 が 参 加して急 性 期
・
回復
期リハ を実 施 する こと が多 くな りまし た
。
し か し な が ら
治
療 を
終 え た 方々が 退 院 して
一
旦 在 宅や施 設に移
行す
ると
,
そ の時
点
でそれまで行 われ てき たリハ
が突 然 中 断
し て しま う
ケー
ス に よ
*
Matters
,
which
Caロ Bc
DDne
with
Home
−
VisiL
RehabMtati【)n;
J「rom the Rcspectivc Situations or Pr【}fessiona1()c:cupations
Concerned:As u Care Managcr
,
a皿d as a Medical Doctor
串 *
医療 法人将 優会 ク リニ ックう した に
(〒880
−
0916 宮 崎 県 宮 崎 市 恒 久5065)
YDshihide Ushitanl
.
MD :Clinic℃shi
’
Lani
.
Mcdical Corporation
SY〔〕YI〕KAI
キ
ー
ワ
ー
ド;
訪問リハ ビ リテ
ー
ショ ン
,
多職 種 連 携
,
地 域 包 括 ケァ
シス
テム
〈遭遇 し ます
。
20王0
年
12
月
に
宮 崎県
介 護 支 援
専
門 員 協 会に人 会 してい る約
750名のケアマ ネ ジャ
ー
(以 下
,
ケアマ
ネ)
に訪 問リハ
ビ リ テー
ショ ン (以 下
,
訪 問リハ
) 認 知 度に 関 す るア ンケ
ー
ト調 査 を行
い
,
9〔}名か ら 回答 (図 収 率
12
%)を 得 ま し たr
.
その結 果
,
82
名 (96
.
5%)が訪 問リハ を 「知っ てい る」と 回答し
,
訪 問 リハ
を提 供 して いる事 業 所 が 「ある」と答え た人は
76
名 (
91
.
6
%
)
,
「ない」が
5
名 (
6
%)
,
「あるか ど うか わ か らない」が2名 (2
.
4
% )
であ り
,
地 域 格 差 と 関心の低 さ が 明 らかにな りま した
。
「訪 問
リハ の イメ
ー
ジ」と し て は
,
「
機 能 訓 練 」
74
名
,
「目常 生 活 活
動 訓 練 」が 73 名と多 く
,
つ い で 「生活 支 援 」
64
名 (
21
.
3
%
)
,
家 族 介 護 指 導53 名 (17
.
6
%)
,
マ ッサ
ー
ジ
24
名
(
8
%)と なっ
て い ます
。一
方
,
訪 問リハ を ケァプラ ンに組み 込 ん だこと が
「ある」は 62名 (72
.
1%)
,
「ない」が
24
名 (
27
.
9
%)で
,
昨 年
8
月の実 績として最 も多 かっ たのが
,
「訪 問 リハ
1
(病 院・
診 療
所 )」
34
件 (
49
%)
,
つ い で 「訪 問 看 護
7
(訪 問 看 護
7L72
を 含
め )」
31
件
(
45
%)
,
「訪 問リハ
2
(介 護 老 人 保 健 施 設)−
14
件 (6
%)
で し た
。
実績を 要 介 護 度 別 に み ますと
,
最 も多かっ たのが 「要
介護
2
」
28
件 (
25
%)
,
つ い で 「要 介護
3
」
21
件 (
19
%)
,
「要
介 護
1
」19件 (17%〉
,
「要 介 護4」
18
件 (
16
%)
,1
一
要 介 護5」
18
件 (16%)と なっ て い ま し た
。
訪 問リハ
開 始の契 機と して
「本 人
・
家 族の希 望 」 が 最 も多 く
44
件 (
39
.
6
%)
,
「ケ アプラン
で必 要 だっ た 」
40
件 (
36
%)
,
「主 治 医の指 示 」
22
件 (
198
%)
の順で した
。
訪 問 リハ を ケアプランに組 み 込んだことが ない 理
由は 「通所 との併 用 聞 題 」
6
件 (
17
,
6
%)
,
「本人
・
家 族 希 望
15
件 (
14
.
7
%)
,
「支 給限度 額の問題」
4
件 (
11
.
8
%)
,
「ケ ア プ ラン
に反 映で き ない 」
3
件 (
8
.
8
%)
,
「事 業 所が ない 」
2
件 (
5
,
9
%
)
,
「主
治 医意 見書に チェ ッ ク が はい っ てい ない 」
1
件 (
2
,
9
%)の順 で
し た
。
訪 問リハ を ケ ア ブ ランに組み込み たい と思 うか との質 問
に は
77
名 (
93
.
9
%)のケアマ
ネ が 「思 う」と答 えていま し た。
こ れ らの ア ンケ
ー
i
・
調 査 結 果を要 約 する と
,
訪 問 リハ に 対
す
る認 識が
低
い
,
地 域に おける提 供
事
業 所の把 握 が 不 十 分
,
訪問 リハ を
単
な る 「機 能訓練 」 「日常生活 活 動 訓 練 」と理 解
し てい る ケアマ ネ が多い
,
訪 問リハ のケアプラ ンへ の導 入は
約
72
% にのぼ る もの の
,
実 績 と して病 院
・
診 療 所が多い
,
開始の契機は 「本 人
・
家 族の 希望 」 が 第
1
位
,
訪問リハ を提
供 する専門家か らの
PR
不 足も大 き な 要 因 と ま と め る こ と が で
き ます
。
ケ アマ ネが訪 間リハ の必要
性
を 重視し な が ら
,
な かな
N工 工
一
Eleotronio
Library
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586
理学 療 法 学 第38巻 第8号
か導入 す る に 至 ら ない 原 因 を分析 す る と
,
地 域内の訪 閊リハ
情 報が不足 し てい る
,
主治 医が介 護 保 険 ドの訪 問リハ に対 す
る 理 解 が不十 分で
,
指示 がでにくい
,
訪 問リハ に対 する ケ ア
マ ネの知 識が不 十 分で あ る
,
訪 問リハ の整 備 状 況に地 域格 差
が 大 き く事 業 所 が 圧 倒 的に少 ないた め に逓 所リハ
や病 院の外 来
リハ で代 替 して対 応 してい
る,
も と も と役 割 が 違 う 「通 所 リ
ハ 」 と 「訪 間 リハ
」 を相 互に活 用 するマ
ネ ジメ ン トができてい
ない
,
な ど を挙げ ることが で き ま し た
。
・
方で
.
ケ アマ ネ は訪問 リハ に は 単 な る
ADL
の向ヒで は な
く
,
限 ら れ た 時 間の中 で 利 用者と 密 な関係がつ
くら れ ること に
より
.
本人
・
家 族を支え
,
本 人が 望 む
,
その入 ら しい生活に 近
づ
ける ようなア ドバ
イスを期 待 して い ま した
,
,
具体 的には
,
残 存 機 能の維 持
・
改 善の た めの単 な る
ADL
の向 上 だ けでは な
く
,
隹 宅 改 修や福 祉 用 具 な どへ の助 言
i
木 人
・
家 族
・
介 護者
を交 えた介 護 指 導
,
閉じこ も り に対す る外 出の契機
,
社 会
・
地域 参 加な どの活 動 性の拡 大
,
他 職 種 との情 報の共 有
,
連
携 の 強 化
,
利 用 者のニ
ー
ズに あっ た 訪 問 リハ 提供体 制の整
備
,
要介 護度の軽い 状 態 か らの介入
,
卞 治 医 や ケ アマ ネ に
対 して
,
訪 問リハ の意 義 や 制 度 など につ いての啓発な ど が挙 げ
られ ま した
。
した がく)て今 後
,
訪 問 リハ
サー
ビス を 円滑 に 導 人
するため に必 要 な 具 体 的 施 策 と して
,
訪 問リハ
を提 供できる
事 業 所の
数 ・
質 と もに担保さ れ ること
,
多 職 種 との綿 密 なカ
ン
フ ァ レン ス の開 催
,
訪問 リハ につ い て相 談で き る窓口
・
翔
手の確 保
,
介護 が 必 要 に なっ て も住み 慣 れ た 地 域 で自立 し た
尊 厳 ある生活を続ける こ と がで きるよう
,
介 護 保 険に よ る訪問
リハ の拡 充 を 図 り なが ら
,
医療と介 護の継 ぎ日 ないサ
ー
ビ スを
効 率 的に利 用できる ようにする取 り組み が 必 要 と考 えら れ ま
し た
。
介 護 保 険 制 度
.
ドで訪 問リハ
を 開始 する際
,
主 治 医の指示 とケ
アマ
ネのプランニ ングが必 要であ り
,
実 質 的に は ケアマ
ネが訪
問リハ
を プラン ニ ングする かど うか が大 きな鍵です
。
プラン ニ
ン グ を す る た め に ぱ
,
ケアマ ネ が 訪問リハ に対 する 正 しい理解
と 認 識 を もつ こ と が 必 要 で す
。
利 用者の生 活 状況や 介護状 況 を
変 え る 必娑性の判 断や
,
リハ の特 異性を踏ま え
,
住宅改修 等の
環 境 整 備や福 祉 用 具 貸 与の検 討 等で訪 問リハ
職が協 業 するな
ど
,
双 方が 相 談 し あ え る環 境 を整 えることが大 切ですtt
施 設においても在 宅 医療におい ても
.
介 護 サ
ー
ビス を提 供 す
るうえで多 職 種 連 携 が 必 要 なことはい う までもあ りません
、
t 多
職 種だ か らこそ
,
多 くの高齢者に隠れ てい る 「廃用」の悪 循環
の原 因 を想 定し
,
見つ けだすこと も可能です
。
今 後 ますます 高
ま る 地 域 医療
・
在 宅医療へ の期 待に応え る た め に は病院 医療と
在 宅医療の バ リ アフリ
ー
化 を進め
,
医療
・
福祉
・
介 護が
一
体と
なっ て
,
地域の社 会
資
源を引き だ し
,
地 域 ぐる み で お 互い を助
け合 う 「地域 包 括 ケアシステ ム」 を構 築 する必 要があ り
,
その
実 現に向 けてケアマ
ネ も訪 問リハ の皆 さ まと ともに多 職 種 連携
の重 要 な
一
翼 を担 う職 能 団 体として貢 献 して まい
りたいと
考
え
てい
ます。
N工 工
一
Eleotronio
Library