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2017年度秋季企画大会の開催報告

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Academic year: 2021

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(1)56. 特集:共創・当事者デザイン. 原田 泰 Harada Yasushi 公立はこだて未来大学. 2017年度秋季企画大会の開催報告 Report of the Autumn Conference 2017. Future University Hakodate. 1.はじめに これまで日本デザイン学会秋季企画大会は、首都圏の大学を幹事校として 開催されてきた。2017年度より新しい取り組みとして、秋季大会についても 地方都市での開催が計画されることとなり、その最初の会場として、北海道 函館市が選ばれた。今回の大会は公立はこだて未来大学を幹事校として、日 本デザイン学会第1支部との共催という形で開催された注1)。. 2.新たな試み 本大会では、地方都市ならではの学会イベントのありようを探るべく、 様々な試みがプログラムに盛り込まれた。 まず、参加者の移動・宿泊を考慮し、従来1日で行なっていたイベントを 2泊3日で参加するかたちに延長した。また、第1支部会との共催とする ことで、2つのイベントを一度に1箇所にまとめ、主催者の負担を軽減する とともに支部会の活動内容を他地域の学会員にも報せる機会を作ることがで きた。 イベント内のプログラムとしては、まず基調講演を廃して「企画テーマ討 論会」とし(図1)、さらに「企画テーマセッション」を設けた。これは LT. 図1 企画テーマ討論会をグラフィックレ コーディング. (ライトニングトーク)形式の発表会であり、春季大会での研究成果発表に至 る以前の、現在進行形の研究内容を共有し、研究の推進や成果に向けた議論 を深めるための機会の提供を目的としたものである。また、時間制限のある 口頭発表ではなかなか深い議論が難しいため、各発表はグラフィックレコー ディングを利用してその内容をその場で記録・記述し、発表後にこれらを掲 示し、ポスターセッションのような形で、個別に質疑や議論できる時間を提 供した(図2)。 もうひとつ、せっかく歴史ある函館を会場としているので、「まちあるき」 をテーマとしたワークショップを開催し、フィールドワークを楽しんでもら うとともに、「歩く」 「観察する」という、大会テーマである「共創」「当事. 図2 LT 後のポスターセッション 注1) 2017年度日本デザイン学会秋季企画大会の公式 ウェブサイト. http://www.fundesign.jp/jssd2017f/. 会場,日時,概要などについての詳細はこちらを ご覧ください.. 者」としてのデザインプロセスに欠かせない「自分ごと化」の過程について 参加者同士で語らってもらう機会を企画、提供した。. 3.成果 「企画テーマセッション」の登壇者は23名。ひとり5分の発表を全て行 なったのち、個々のグラフィックレコーディング表現(以下グラレコ)の前.

(2) デザイン学研究特集号  Vol.26-2 No.100. に立ち、ポスター形式で約30分程度のディスカッションを行なった。グラ フィックレコーディングは公立はこだて未来大学と常葉大学の学生たちが 担った。ディスカッション時にも、グラレコにコメントなどを書き加えるよ う促したが、新たな書き込みはほとんど行われず、この点は今後の課題と なっている。 ワークショップ参加者は30名(社会人13、学生17)。2日間に渡って、社 会人2グループ、学生2グループの計4グループに分かれて活動し、1日目 図3 前日のフィールドワークの振り返り. はフィールドワーク(図3) 、2日目は表現活動とプレゼンテーションを行っ た(図4、図5)。一般的なデザインリサーチの方法やフレームワークには とらわれず、自ら主体的に味わうこと、自分自身の問題としてまちの未来を 考えること、などを参加者に促しつつ、デザイン実践のヒントとなる体験を 提供したつもりである。表現活動では、自分たちのフィールドワークを俯瞰 する方法として屏風型の台紙に経験のマッピングをおこない(函館西部地区 経験図屏風)、これをふまえたうえで模造紙上に自分の居る未来の街を立体 的に表現し、その表現の中で一人ひとりが未来の自分を位置づけて語るとい. 図4 参加者全員の経験を屏風上に地図と して描き俯瞰する. う発表会を行った。これらの表現活動については、「自分の職場でも、実践 してみたい」という声を多く得られ、一定の成果があったと考えている。. 4.まとめ 本稿では、説明のため止むを得ず「地方都市」ということばを用いている が、函館に限って言えば、我々はこの地を「中央」に対する「地方」と捉え るつもりは毛頭ない。もちろん現実には、経済活動や生活の中心は首都圏に あり、地方都市はそこに向けての資源の供給源、といった印象は否めない。 しかし、かつて反映した街が徐々に失速していく姿は現代社会の最先端とも 言えるし、そもそも生活者にとってみれば自分が今立っている場所こそ世界 図5 自分と街の未来を重ねあわせて箱庭 的に表現. の中心である。 地域の「活性化」や「再生」ということばがもてはやされているが、今自 分の生きる地域の価値を高めていくことは、必ずしもこれらとイコールでは ない。デザインを専門とする我々実践者、研究者が、函館(さらには北海 道、東北など)の地でどのような闘い(実践、研究、教育)をしているかを 参加者に晒すことでその意味づけをおこない、地元の人々や大会参加メン バーに刺激を与え、また刺激を受けることが本大会の目的であった。その成 果が次回以降の大会に限らず、様々な地域の活動に波及していけばと願って いる。. 57.

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