香川大学農学部学術報告 第42巻 第1号 83∼93,1990
ガラス繊維補強コンクリート
複合はりの曲らヂ特性
豊福俊英,三木勝幸
ExperimentalStudiesontheBehavior・SOfGlassFiberReinfor・Ced
ConcreteCompositeBeamssub.ラecttoBending
byToshihideTYOYFUKUandKatsuyukiMIKI
Thispaper presents the results of an experimentalinvestigations of thebehavior of the glassfiber
reinforcedconcr−eteCOmpOSitebeamssub5ecttobending
TestbeamsandspecimenswerecastusingordinaryportlandcementandfourIdifferentvolumecontent
(0,0“5,1Oandl5percent:VOlumepercentperconcrete)ofglassfiber
The e付ects offiberincorpor・ation on denection,Strains,CraCkwidth,CraCk patterns,failure modes,
CraCkingloadandultimateloadhavebeenexamined 摘 要 本研究は曲げを受けるガラス繊維補強コンクリ・−ト複合はりの挙動についての実験的な報告である. はり供試体及び強度試験体は普通ボルトランドセメントをもちい,4種類の繊維混入量(0,0.5,1,0及び15%: コンクリ・−トの容積比)について作成した.ガラス繊維補強コンクリ・−ト複合はりの繊維混入量がたわみ,ひずみ, ひびわれ幅,ひびわれパターン,破壊モ・−ド,ひびわれ荷重及び終局強度に及ぼす効果について検討した. 1い は じ め に ガラス繊維をモルタル及びコンクリートに混入すれば,曲げ強度及び軟性等の改善が行えることについて前 報(1〉′(2)で報告した.さらに,曲げ強度の改善を有効に利用するものとして,構造部材への適用について検討せ行う 必要があると考えられる.繊維補強コンクリ・−トはコンクリートの引張強度,曲げ強度,ひびわれ,敵性及び耐衝 撃性を改善する複合材料としてその物性について多くの研究が行われてきた.しかし,ガラス繊維補強コンクリ1− ト(以下,GFRCと呼ぶ)を構造部材として適用するための実験的な研究は少なく,当初の研究は型枠としての利 用に関するもの(2ト(7)であり,直接プレミクス法ではり部材を打設したものについて検討したものとしては岡田 ら(8)(9)及び三瀬ら(10〉の研究がある.岡田ら(弘(9)は鉄筋コンクリート及びアンボンドプレストレストコンクリート曲 げ部材の引張領域の一部をガラス繊維補強モルタルを配置した場合と通常の配置していないものについて静的曲げ *現在 兵庫県洲本土地改.良事務所 本研究の山部は,第38回土木学会中国四国支部研究発表会で報告した。
香川大学農学部学術報告 第42巻 第1号(1990) 84 載荷試験を行い,ガラス繊維補強モルタルを配置することによりひびわれ幅やたわみがかなり減少する結果を得て いる.また三瀬ら(10)は曲げを受けるはりの一部をGFRC層で置き換えた場合の効果を層厚を変え静的曲むヂ載荷試 験により調べ,はりの曲げ破壊荷重に対して,層厚が薄い場合2次元配向となり補強効果の効率が良いが層厚が厚 くなるにつれて次第に3次元配向となり補強効果の表れ方が低下してくる結果を得ている. 一方,既往の研究によればプレミックス法によるガラス繊維混入量は,施工及び補強効果を考え合わせると 10∼1.5%程度(容積比)が上限と考えられる. 本研究は,GFRCの構造部材への適用について,実験的に検討を行おうとするものである.実験は次の2つのシ リ−ズからなる.すなわち,Ⅰシリ1−ズでは,ガラス繊維長さ及び繊維混入量を要因としてGFRCの配合設計に関 する検討を,またⅠⅠシリ1−ズでは,GFRC複合はりについて,通常の鉄筋コンクリート(以下,RCと呼ぶ)はりと 比較して,載荷実験を行い曲をヂひびわれ,曲げ敵性及び曲げ耐力について検討する.
2… 実 験 計 画
GFRCの構造部材への適用にあたり,合理的な使用の・一例として,普通コンクリートとGFRCとの複合構造を考 え,ガラス繊維長さ及び繊維混入量を要因として,配合の検討,曲げひびわれ,曲げ軟性及び曲げ耐力などの改善 に及ぼす効果について実験的に検討することを本研究の目的としている.Ⅰシリ・−ズおよびⅠⅠシリーズの実験計画 表を,それぞれ表−1及び表−2に示す. 表−2 実 験 計 画 (ⅠⅠシリーズ) 表−1実験計画(Ⅰシリ・−ズ) 供試 体 繊維混入盈 繊維長さ 備 番 号 (vol%) (mm) 考 RCl,2 0−0 RCはり GFRCll,12 05 25 GFRC複合はり GFRC21,22 1一0 25 GFRC複合はり GFRC31,32 15 25 GFRC複合はり ガラス繊維 細骨材率 単位水盛、S/a (%) W (短/が) 混入畳(%) 長さ(m)
40∼50 197′−222 05 25 45∼65 250∼390 1一0 25 45′−70 267∼310 10 13 65 270∼285 15 25 65 320∼370 (注)GFRC複合はりは,はりの下部1/3の部分をGFRCとし た 最適細骨材率および所定のスランプを得る単位 水盤の決定 繊維混入盈は容積百分率 Ⅰシリ・−ズでは,所定の繊維混入量について最適細骨材率及び単位水量とスランプの関係など配合設計について 検討する.すなわち,繊維長さ13及び25mの2種類,繊維混入量0,0.5,10及び15%の4種類について,水セメ ント比及び単位水量を一層にして,細骨材率を変化させた配合で練りまぜ,スランプ試験を行う.その結果スラン プと細骨材率との関係を求め,スランプが最大となるときの細骨材率を最適細骨材率とする.さらに所定の繊維混 入塵に対する最適細骨材率を用いて,水セメント比を一層として,単位水盛を変化させ,スランプと単位水堂との 関係を求め,所要のワーカビリチーが得られる配合を決定する. ⅠⅠシリーズでは,RC及びGFRC複合はりと各種強度試験用供試体を作成し,打設後材令28日で,はりの載荷試 験及び強度試験を行った.85 豊福俊英,三木勝幸:ガラス繊維補強コンクリ・−ト複合はりの曲げ特性 3vllシリーズ(配合の決定) 31使用材料 311 セメント セメントは,大阪セメント社製の普通ボルトランドセメントを使用した. 312 骨 材 粗骨材及び細骨材は,それぞれ玄武岩砕石及び瀬戸内海産の海砂で,その物理的性質を表−3に示す. 表−3 骨 材 の 物 理 的 性 質 ふ る い に 残 る 重 畳 首 分 率 (%) 種 別 比 重 吸水率 (%) 粗粒率 15 10
5 25 12 06 0小3 015 受 皿
細骨材 256 20
247 0 0 4 47 80 90 粗骨材 259 20 618 0 99 100 100 100 100 100 (注)粗骨材の最大寸法は10mmである. 313 混和剤 ポゾリス物産のコンクリート減水剤(ポゾリスNQ70)を,セメント100kg当り250cc使用した. 314 ガラス瓶維 旭硝子社製の耐アルカリガラス繊推(商品名:セミフィル)で,チョップドストランドタイプの比重270,繊維 長13及び25mmのものを使用した.ガラス繊推の化学的組成を同社の技術資料より引用して表−4に示す. 表−4 ガラス繊維の化学的組成化 学 組織 SiO2 A120さ Na20 ZrO2 CaO K20 R/IgO B203
垂 盟(%) 625 01 14−4 167 56 (注)旭硝子社の技術資料より引用した. 32 配 合 繊維混入量0,05,10及び15%で,繊維長さ13及び25mmについて,水セメント比W/C及び単位水量Wを−・定 として,細骨材S/aを変化させた表−5に示す示方配合で,練りまぜを行いフレッシュ.コンクリ・−トのスランプ及 び空気量試験を行う.その結果得られるスランプと細骨材率との関係より,スランプが最大となるときの細骨材率 を最適細骨材率として求める.次に,所定の繊維混入量に対する最適細骨材率に対して,水セメント比を−・定で単 位水量を変化させて練りまぜ,フレッシュコンクリートのスランプ及び空気量試験を行って単位水虫とスランプと の関係が求められる.その結果所定のスランプに対する単位水畳が得られる. 33 試験方法(練りまぜ,スランプ及び空気量試験) 331練りまぜ方法 コンクリートの練りまぜは,容量30ゼの強制授拝式ミキサー(マルイ社製)を用いて行った.繊維を混入しない プレーンコンクリ・−トの練りまぜは,骨材を投入して30秒間混合した後,セメントを投入し再び30秒間混合し,ミ
86 香川大学農学部学術報告 第42巻 弟1号(1990) キサーを回転させたまま水を投入し120秒間練りまぜた.ガラス繊維を混入したGFRCは,水の投入まではプt/1−ン コンクリートと同様に行い,水を投入後30秒を経て,ガラス繊維を手でよくもみほぐしながら速やかに投入後90秒 間練りまぜた. 3。3.2 スランプ試験 ミキサ・−で練りまぜを完了後,コンクリートをミキサーから排出し,練り板で均一・になるようにショベルを用いて手 表−5 Ⅰシリーズの示方配合,スランプ及び空気量試験結果 配合 単 位 畳 kg/m8 空気蕊 スランプ 備 考* 番号 w C S G GF (cc) 15 60 40 222 370 645 979 925 2亘6 175 13 60 45 222 370 726 897 プレーン 925 31 19小0 14 60 50 222 370 806 816 925 3一1 110 GF=0.0% 16 60 45 197 328 768 950 820 31 4一0 24 343 753 932 858 34 90 60 45 208 347 750 929 868 30 100 25 216 360 736 910 900 34 14一0 13 60 45 222 370 726 897 925 3 1 190 29 60 45 265 442 632 782 135 1100 43 110 26 60 50 265 442 677 685 13 5 11OO 3 9 14小0 27 60 55 2 442 745 616 135 1100 46 GF=05% 28 60 60 265 442 812 548 135 1100 49 105 L=25mm 20 443 894 487 135 1110 90 11.0 60 50 263 438 706 715 135 1100 40 100 26 442 677 685 135 1100 39 140 22 60 65 250 417 918 500 135 1040 60 60 20 60 65 266 443 894 487 135 1110 90 110 19 60 65 390 483 867 472 135 1210 5小5 155 60 45 320 533 553 684 270 31 11小0 2 60 50 320 533 614 622 270 4小5 105 3 60 55 320 533 676 559 270 GF=10% 40 110 4 60 320 533 737 497 270 37 11小0 L,=25mm 5 60 65 320 533 799 435 270 38 125 60 70 320 533 824 357 270 42 85 18 60 65 267 445 904 492 270 1110 7−5 05 21 60 65 283 472 842 459 270 1180 63 3‖5 23 60 65 305 508 770 420 2L70 1270 45 95 60 65 310 517 782 426 27.0 1290 4−5 100 31 60 65 270 450 892
486 270 1120 60 100 GF=1一0%
30 60 65 285 4L75 853465 270 1190 5一5
150 L.=13mm 8 65 320 533 757 412 405 1070 50 3.0 GF=1“5% 17 60 65 344 573 679 370 405 1430 44 55 1.=25mm 60 65 370 617 621 338 40.5 1540 4。5 10.0 7 60 65 320 533 749 408 540 * ** 0り0 GF−=2小0% L=25∬lm (注)*GF:繊維混入盈(容積百分率%),L:繊蘭長(mm),***測定していない87 豊福俊英,三木勝幸:ガラス繊維補強コンクリ・−ト複合はりの曲をデ特性 練りで混合した後,丁ISAllOlに従ってスランプ試験を行った. 3.3。3 空気量試験 スランプ試験と同時に,空気量試験を丁ISAl128に従って 行った. 3ヰ 実験結果及び考察 Ⅰシリーズの空気畳及びスランプ試験結果を示方配合と共 に表−5に,またそれぞれ図一1及び図−2に示す. 34.1最適納骨材率 繊維混入量0,05及び1“0%において,細骨材率とスラン プとの関係を図−1に示すようにGFRCにおいても最適細骨 材率が存在し,この値は繊維混入盈によって異なる結果を示 した.繊維混入量25mmの場合,繊維混入量0,05及び1.0% における最適細骨材率はそれぞれ約45,50及び65%であり, 繊維混入量が大きくなる程最適細骨材率の値も大きくなる傾 向を示した. 3.ヰ.2 単位水量とスランプとの関係 単位水量とスランプとの関係を図−2に示す.図中白抜きの ものが繊維長さ13mmで,他はすべて繊維長さ25mの結果であ る.図より,スランプが4∼15cm付近では,同一・繊維長さの ものを比較すると,単位水量が増加するにつれてスランプも ほぼ直線的に大きくなる傾向を示した.また,スランプを1 cm変化させるのに必要な単位水量の補正は繊維混入率が増大 するほど多くの単位水量を必要とする傾向を示した. 40 50 60 70 納骨材率(%) 図−1最適細骨材率の決定 0 5 0 5 21 1 ︵∈0︶ト\︰恥 叉 200 220 240 260 280 300 320 340 360 380 単位水魚W(kg/m3) 図−2 単位水量とスランプとの関係
411シリーズ(GFRC複合はりの載荷実験及び強度試験)
41使用材料 セメント,骨材,混和剤及びガラス繊維は,Ⅰシリーズと同一・のものを使用した.主鉄筋として,丁ISG3112の SD35に適合する異形鉄筋(DlO)を使用した.また組立鉄筋及びスターラップには直径6mmの丸鋼を使用した.主鉄 筋の機械的性質を表一6に示す.表−6 鉄 筋 の 機 械 的 性 質
呼び名 種 (cm2) (kgf/mり 類 公 称 断 面 析 降 伏 点 強 度 引 張 強 度 弾 性 係 数 (kgf/cぱ) (kgf/cぱ) DlO SD35 0小7133 3,940 5,520 176×10¢ 42 配 合 水セメント比60%で,最適細骨材率およびスランプが10.Ocmになるような単位水量をそれぞれ図−1および図−2 より求めて,表−7に示す配合が得られた.香川大学農学部学術報告 第42巻 第1号(1990) 88 表−7 ⅠⅠシリ・−ズの示方配合,空気量及びスランプ試験結果 W/C 単 位 盈 短/が 空気盈 スランプ 備 考 (%) W C S G F (cc) 60.0 450 208 347 750 929 868 3−0 10一0 RC 600 500 263 438 706 715 135 1100 40 10小0 GRFCl* 600 650 310 517 782 426 270 1290 45 10..0 GFRC2* 600 65.0 370 617 621 338 405 1540 45 100 GFRC3* (注)*:GFRC複合はりでは,はりの下部1/3の高さの部分に用いたGFRCの値を示した. 43 練りまぜ及び供試体の作成 はり供試体の断面形状・寸法,鉄筋比(p=0.446%)及びスターラップ間隔を計画し,それに基づき鉄筋の切断・ 加エ・組立を行い,鉄筋にゲージを貼付し型枠内に設置した.なお,スターラップはせん断破壊を防止するのに必 要な間隔とした. コンクリ・−トの練りまぜは,容量100ゼの強制授拝式ミキサー(.JETコンクリートミキサー:ヤマナカ社製)を用 い,Ⅰシリーズと同様に練りまぜた. 複合はりの作成は,最抑こGFRCを練りまぜ,はり供試体の,F緑から供試体高さの1/3(約67cm)までGFRCを 投入後,内部振動機を行って境界面をできるだけ水平にした商後,普通コンクリートをフレッシュ状態のGFRCの 上層に打ち足して作成した.はり供試体の断面の形状寸法を図−3に示した.図中斜線部がGFRCである. P
115011501150150】50150
(単位mm) (GFRC複合はりは点線より下の斜線部分をGFRCで,上の部分を普通コンクリ−トで打設した) 図−3 はり供試体断面の形状・寸法 はり供試体作成前にスランプ試験と空気量試験を同時に行った. また,はり供試休作成と併行して,圧縮,曲げ及び引張強度試験用供試体を各コンクリートについてそれぞれ3 体ずつ作成した. 44 試験方法 4“41強度試験方法 圧縮,引張及び曲をデ強度試験用の各供試体は,コンクリート打設後24時間で型枠から取りはずした後,材令28日 で,はり供試体と並行して行った.圧縮,引張及び曲げ強度試験は,200ton耐圧試験機(森製作所社製)を用いて, それぞれJISAllO8,All13及びAllO6に従って行った.また,圧縮強度試験時に,弾性係数も同時に求めた. 4.42 はり供試体の測定項目及び載荷試験方法 はり供試体の測定項目は,支間中央部の変位,コンクリート及び主鉄筋のひずみ及びひびわれ幅である.載荷試89 豊福俊英,三木勝幸:ガラス繊維補強コンクリート複合はりの曲げ特性 図−4 載荷状況
d n i U B/ p
A:コンクリートゲージ(GL‖=60mm) B:鉄筋ゲージ(G.L=2mm) jab cd e f gh iiii
方型ゲージ番号 図−5 ゲージ位置90 香川大学農学部学術報告 第42巻 第1号(1990) 験は,200ton耐圧試験機(森製作所社製)を用いて,05tonずつ漸増させ,はり供試体が曲げ破壊するまで行った. 各荷重段階で,前記の各項目について測定した.はりの載荷状況を図−4に示す.コンクリ・−ト及び鉄筋のひずみは, 東京測機研究所製のそれぞれ検長60及び2mmのひずみゲ・−ジを用いて,自動ひずみ測定装置(東京測機研究所製) により測った.また,変位は1/1000mmの精度のダイアルゲ、−ジを用いて,ひずみの測定に用いた自動ひずみ測定装 置により測った・前記の各ゲージ位置を図−4及び図−5に示す・なお,荷重は容量30ton甲ロードセルを用いて自 動ひずみ測定装置により測り,耐圧試験機の表示をチェックした. 4.5 実験結果及び考察 45.1圧縮,引張及び曲げ強度試験結果 圧縮,引張及び曲げ強度試験結果を表−8及び図−6に示す. GFRCの各種コンクリート強度は図−6に示すように,ガラス繊維混入量の増加につれて曲げ及び引張強度は増 加し,逆に圧縮強度は05%以上の混入に対して減少する傾向を示した.特に,繊維長さ25mmのガラス繊維を1.5% 混入したGFRCの曲をヂ強度は混入しないものと比較して約2倍の値を示した.また,GFRCの圧縮強度が繊維混入 量の増加につれて逆に減少する傾向を示した原因として,表−7に示したように繊維混入量の増加と共に空気量も大 きくなっていることを考慮すれば,コンクリートの配合の相違あるいは繊維混入量の増加につれて締め固めが困難 になる傾向があったことなどが考えられる. 表−8 ⅠⅠシ リ ー ズ の 試 験 結 果 コンクリートの各種強度* kgf/cぱ 曲げひびわれ 供試体番号 圧縮強度 曲げ強度 発生モ・−メント fb Mcrton・Cm Muton・Cm RCl,2 250 336 240 184 192 99.4 GFRCll,12 253 397 300 148 26一5 1070 GFRC21,22 238 50−0 305 131 29J2 1090 GFRC31,32 198 687 350 098 26−0 114“0 (注)*:GFRC複合はりでは,はりの下部1/3の高さの部分に用いたGFRCの値を示した. 0 0.5 10 15 ガラス繊維混入盈(%) 図一6 ガラス繊維混入量と各種強度との関係
豊福俊英,三木勝幸:ガラス繊維補強コンクリート複合はりの曲げ特性 91 4.52【まり部材曲げ載荷試験結果 はり部材曲げ載荷試験結果を表−8及び図−7∼10に示す. (1)ひびわれ(最大ひびわれ及び平均ひびわれ) ガラス繊維混入堂が曲げひびわれの,ここでは平均ひびわれ幅及び最大ひびわれ幅に分けて,拘束・分散などに 及ぼす効果について検討する. 載荷荷重と平均ひびわれ幅 Wavとの関係を図−7に示す.同 園より平均ひびわれ幅が約0。12mm 付近までは繊維混入量の多いもの 程同一・荷重における平均ひびわれ 暗が小さい傾向を示した.しかし, その後平均ひびわれ幅が020mm付 近までの範囲で繊維混入量が1。5 %のものは無混入のものよりもひ びわれに対する補強効果が認めら れるが,繊維混入量が05及び1“0 %のものはひびわれの補強効果は 無混入のものと同程度か幾分下回 った. OL1 02 平均ひびわれ幅Wav(mm) 図−7 載荷荷重Pと平均ひびわれ幅Wavとの関係 また主鉄筋レベルで最大ひびわ れ幅Wmaxについて考えてみる と,はりのひびわれ発生荷重(ほぼ目視可能な0.04 mのひびわれ幅のとき)および最大ひびわれ幅が01 及び0.2mのときの載荷荷重とガラス繊維混入盈と の関係について図−8に示した.同図より最大ひびわ れ幅が01mmまでに対して,ガラス繊維混入畳の増加 につれて同一・最大のひびわれを示す載荷荷重の値は 混入盈10%付近まで,大きくなる傾向を示した.し かし,充分な締め固めなど施エの改善で10%より大 きな混入急に対して,曲げひびわれに対する補強効 果が期待できることも考えられる. (2)たわみ(支間中央部の変位) 載荷荷重とたわみ(支間中央部の変位)との関係 を図−9に示す.なお図中繊維混入畳を1.0%のもの はほぼ15%のものと同じ線上にあったが図の煩雑 さを避けて記入していない.同図より,ひびわれ発 生付近までは,繊維混入量に無関係にほぼ同じ程度 の曲げ剛性を示した.ひびわれ発生後主鉄筋の降伏 、 \ ひ 、 \\ .2mm −一/ ( 30 佃i 柱 轄20 薫霹 ←一
/1、\㌣ax==01mm 一−/○\●
/ 004mm
長さ13mmのはり 0 05 10 15 ガラス繊維混入量(%) 図−8 ガラス繊維混入量が最大ひびわれ幅に及ぼす影響香川大学農学部学術報告 第42巻 第1号(1990) 92 10 15 た わ み(mm) 図−9 載荷荷重とたわみとの関係 図−10 供試はりの鉄筋降伏時および終局曲げモーメント 付近までの範囲では繊維混入量が多くなる程曲げ剛性が大きく,同一戯荷荷重に対するたわみが小さくなる傾向を 示した. (3)主鉄筋が降伏時及び終局時の曲げモ・−メント 主鉄筋が降伏したときの曲げモーメントMsyおよび終局曲げモーメントMuは,図−10に示すように,繊維混入 量1“5%までの範囲で,繊維混入畳の増加につれてほぼ直線的に増大する傾向を示した.これは繊維の混入によって 曲げ引張能力が増大するにつれて,終局時の中立軸が下がることにより終局曲げモーメントが大きくなったことが 考えられる. 5い 結 以上の結果をまとめると次の通りである. Ⅰシリーズ 1)GFRCの場合も最適細骨材率が存在し,繊維混入畳の増大に伴って最適細骨材率も大きな値を示す. 2)GFRCにおいても,単位水畳とスランプとの間には直線関係が成立する.スランプを1cm変化させるために必 要な単位水量の補正は繊維混入量が増大する程,多くの単位水量を必要とする. ⅠⅠシリーズ 3)ガラス繊維の混入畳の増加に伴い,曲げ及び引張強度は直線的に増大した.特に,曲げ強度において著しい補
93 豊福俊英,三木勝幸:ガラス繊維補強コンクリ1−ト複合はりの曲げ特性 強効果が認められた. 4)曲むデモ・−メントを受ける複合はり部材において,ひびわれ分散性能は,本実験では平均ひびわれ偏に対しては 繊維混入量15%程度まで,また最大ひびわれ幅に対しては繊維混入盈1.0%程度までの範囲でその効果が認められ た.しかし,充分な施工,例えば振動加圧等,が行われれば,1.0%程度以上の繊維混入畳においてもひびわれ分散 性能の改善は期待できることも考えられる.