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法律上より見たる商概念-香川大学学術情報リポジトリ

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法律適用の問題として見るとき、商の概念を定むることは飴り傾伯ある問題ではない。併し商法が極めて臍汎

法律上より見たる商概念 七、錯 六、経済拳上及日常用語上の商と潅律上の軒並其の雷管 五、簡概念婁展の必然性と其の経過 四、概念としての商と商法なる特別法を必要とする商 三、欝定法上に於ける各種商の共通鮎と商の本質 二、安定法上の各種商と其の表見的不統血性 仙、序 説

法律上より見辛る商概念

日H ■ 序

清 水 谷 隆 寛

二〇山

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二〇二 高松高等商染拳校開校十周年記念論文集 なる内容を包容する現状に於ては、商を商に摘する法と見る限り、此等を包容することの常否はその儀商概念の 問題として霞変性を持って来る。現に或る者は現状を以て不常とし、商法は宜しく忘高次の概念を採用して、 営利法文は企光法と名くべしとしてゐる。私はその諭様に於て直ちに之に賛するものではない。然し商法が現状 に於ては飴りにも内容が雑多であり、其の問容易に流産を蔑見し得ざることは寄膏である。若し商法が本質的 同叫性なくして此等を包容した.りとせぼ甚しく不常であり、黙らすとせば之を鮮明にする要がある。此庭に私が 商概念の問題を取扱はんとする理由の00がある。 併し理由はこれだけではない。今日の甥状を見ると商概念は法梓、経潜畢、日常用語の問に可成りの懸隔があ るC三者は封象を同じくする。lニ者の間には斯くの如き諏難があるべき筈でない。著し帝難があるとせぼその何 れかゞ正しくないと云ふことになる。殊に法律に封しては、法律の商内容は取締の必要上から便官撰張したので あつて、本質的同一性に基くものでないとの非難が向けられてゐる。山鰭何れが正しいのだらう。法律上の商概 念は論者の云ふ如く一顧の低値なきものだらうか。之を確かめ庇いと云ふのが本論の日朝の叉三である。 兎もあれ商怨念の樹立は重蜃性ある問題となりつゝある。それは適用の問題としてゞなくして立法の問題とし てゞある。本論は此の問趨解決への前奏曲として、暫定法上の商概念探究の島の叫試案に過ぎない。 〓 貸定法上の各種商ざ其の表見的不統一性 〆

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法律概念としての商の何たるかを直接に明言せる立法例はないではない。然し多くの立法例は先づ商人の概念 を定めてその行焉を商とかし、若くは具健的に商たる行馬を列車して統叫的なる概念を輿へてない。日永商法の 如き欠伸商法の如き大鱒後者の例によつてゐる。故に法律概念としての商を知らむとせば且ハ鰻的なる繭行馬を通 ヽ、 じて之を残すより外に方法はない。此廃では便宜自本商法を中心として商概念の把捉を試み度い。 日本商法は何人も知る通り絶封的商行盗、相封的繭行為、附属的繭行馬の三秤の商行為を認めてゐる。絶封的 蹄行焉とは行焉者の商人たると非商人たるとを問はず、叉欝葉的行焉なると非営業的行鳥なるとを開はずそれ白 皆常に商行篤たる行焉である。商法が之に属せしめたるものは投梢賛買、取引所に澱ける取引、手形其の他の商 発語券に踊する行為であるが︵撃〓ハ三條︶槍保附酷使信託法は此の外に信託脅敢の壊す轄保附酷使信託の引受、 第三者による酷使醜爾の引受を絶封的商行為としてゐる︵同法第三條第〓九億琴一項︶外囲の立法としては猫背商法 ︵撃毛 ︵話〓︺ ︵証二︺ 務法は之を認めない。 ︵謹こ 彿商法第六三二條、蘭商法第四條第二既は銀行取引をも絶封的商行席としてゐる。 ︵註二︶ 猫新商法や瑞西債務接が絶対的商行席を認めなかったのは、必ずしも富該行席が性質上商行鋳でないと認めた 席ではなく、〓凪限旬の非替薬的行馬には 仙般軍法を法用するを以て足り、特別法たる商浩の封象と渇すを婁せず と思考Lた馬と解すべきである。 接待上より見たる商概念 二〇三

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高松高等南米畢校開校十周年記念論文集 こ〇四 相射的商行焉は叉螢薬的商行為とも富ふ。常葉行為として残すが将に商行篤となる行篤である。性質上大膿次 の三秤に慣分される。 ■ 授磯安男と性質を同じくするもの。之に屈するものとしては賃貸に関する行馬︵南軍〓ハ四燦発表︶電気又は 瓦斯の供給に関する行馬︵同株第三渋︶が拳げられる。此琴は営利の馬に所有権其の他の樺利の取得又は紗緒を目 的とするものであつて、性質上投梯常男と類型を同じくする。外囲の立法例も各之と同様であるが、彿商法第大 三二億紗⊥折、伊商法第三億第表、葡商法窮地〇三傑第一妹は、螢利の目的の馬に物を買入れ、著は賃借する 行篤、及之を賃貸する行馬を、物の聾貿と併せ規定して、之を絶射的商行篤としてゐる。 〓 投梯賛買の補助又は分櫓を月的とするもの。之に巌するものには次のものがある。 1、物財の特換を苦行するもの。南淡野天四億第掴能の運送に関する行馬がそれである。 2、投轢安男の成立又は贋行を媒介するもの。商法第±六面條第一ご空こ統の仲立又は取次に関する布質及 商行篤の代理に銅する行馬がそれである。 3、授磯賛買を安全又は容易ならしむるもの。商法第二六四條第八統の銀行取引、第九披の保険、第6耽わ 寄託の引受がそれである。 三 役磯資質と関係なきもの。之に属するものは澤山ある。法文の順序に従へば、第叫には商法第二六g俺第二 班の他人の焉にする製追加エに闘する行篤、第川渡中非商品の遅速及旅客殊に非商人の運送.に関する行馬、第五

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舵の請負、第六眈の出版印刷又は頒影に関する行馬、窮ヒ耽の客の爽集を目的とする場屋の取引、第八東中農工 の為にする銀行取引、第九耽中生命保険に閲する行為、筑〓○眈中非商品の寄託の引受、第二舵申非商行馬た る又は非商人の為にする仲立又は取次に閲す牒行為は之に属する。以上の中道途に開しては彿商法撃ハニ三億第 二班、伊商法第三僚第劃三耽は我商法と同じきも.蘭商法第由催第五流は商品の遥遠に限り商とし、商品の遅速 なるときは之を絶封的商行為とする.客の米英を目的とする場層の取引については、彿商法東天三二億第三蛇其 の他叫二の法律が劇場の取引忙つき、智商法第三條第五紙が旗店螢糞につき之を認むる外二仮には之を私行篤と する立法例に乏しい。保険については、伊商法窮大便は非商品の保険及生命保険を商としない。寄託の引受に付 ては、伊商法東三億第二三枚は商事に基く寄託のみを商とし、喚・彿倉庫法も原料品並商品の保管を為すものに 限り倉庫業としてゐる。最後に仲立、取次、代理に付ては昭碍商法︵第二七二條弟二義第四戟︶問商法︵空ハ≡二候第 二窮第三渋︶伊商法︵第三條第二一撃共にそれが商行賎の仲立、取次、代印たる場合に限り商としてゐる。 謹 濁昏南緯第二七l一條第二窮及偽商法第〓五九傭第二項は、∴日本商法と同じく、銀行取引を懸葉的商行秀とするも、 併商法貸六三二條第四壁は、之を絶射的商行満としてゐる。 附属的商行為は商人の営業の為にする行環である。営業上の行馬なるが故に商法を邁用したるに止り、嘗質的 た商行鶉なりとしたのではない。故に商の概念を樹立せんとする現在の場合には飴り関係がない。 以上は猫餞商法悌商旗若くは日本商法のやうに列挙王義兄は折衷主我を探った場合の商行馬に関する。瑞四倍 接待上より見たる商概念 こ〇五

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高松高等商業拳校閲校十周年記念論文集 二〇六 務法や鳩新商法のやうに、先づ商人の概念を定めて、その行馬を商行篤とする立法例にありては、此の外にも侮 別個の商行焉が存在する。 何人も知る如く凋新商法は︵藤山條以下︶商人の概念を定むるに懲り資質妾義と形態睾義を折衷して四種の商人 を規定した。レーマン︵﹁ehヨaココ︶の用語に綻へぼ、第刷醍は首然の商人︵誉sskauf−eu−e︶である。′法彿の規定せ る叫定の商業禿る行馬を螢発とするに困り商人たる者にして、哉商法上の商人と同じく常葉の目的たる行馬の性 質上商人たるものである︵竃二條︶。第二種は必然の商人︵S。ニkau芳ute︶である。審美の種類及範園が商人的方法 による業務の執行を要するに因り、第嘲傑攣一項の商菜を螢むに非ざるも闘之を商業とし、商業登記簿に登記す るの義務を課して事業者を商人としたものである︵軍一條︶。第三程は任意の商人︵K当コkau芳u叶e︶である。農業 又は林業を螢む者なるも、其の綻屠的薬務が第叫僚に掬げたる桂類の柴務に該督するにより、任意に商業登記簿 に登記することを得せしめ、之によりて該啓発を再発とし、事業者を商人としたものである︵第≡條︶。都班抑は 形式の商人︵FO∃k望−芳ute︶である。形態に因り商人たるものにして、株式脅敢、株式合資合計、童限責任昏粧 ︵藷︶ 及産菜組合は其の目的如何を間はす任意に登記を残すことを得、之に因りて商人となる。 さて第州法の商人咋商業を螢むが故に商人であり、其の営む虚は緒開法の認むる轟と大差ないから此魔には問 題でない。第二檻乃至第四種の商人は啓発の資質によらすその形態に因つてゐるから菟に新らしい商を綻律する こと忙なる。即ち啓発の種類及姐園が商人的方法による薬務の執行を嬰するものは商となり∴助慧挙又は林弟に於

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ても之に附属せしめたる従属的業務が資質上の商を含むときは商たるを得、株式合計株式合資昏社有限糞任命赦 及産業組合の行為はその形態が然ることに因りて商たるを得る。 ︵註︶ 瑞西憤拶法ハ第八六五條第四項︶は猫商法と同じく商染、製造独英の他商人的方法忙伐る徴集を渇す者は、商発生 −■ 記帝忙登記すべ尊ものとし、形態に困る商人を認めてゐる。︵倍第四二二籍丁項、菟嘉斎三森義〓鱈、第五九〇傑弟 一項参照︶ 以上露図法の商とする磨を通観した際、何人も先づ驚かされることは、如何にもその置々たることである。絶 削的南街鵠を認むる図があるかと思へぼ、之を認めない囲がある。螢柴的商行馬についても、非商人や非商品の 這途保険を認むる閲があるかと思へぼ、之を認めない団が漆篭。殊に螢柴の形態に依り靡く商行為を認むる猫逸・ や魂西の法律を考ふるならば、その懸傾は賓に甚しいと云はねぼならぬ。然るに統劇性の紋除は唯之だけに止ら ない。若し商む以て商品の蛍景と見るならば、一団の法伴内忙ありても各笹の商を通する商概念は、途に後見し 得られざること1なる。此虚に於て蓼者の中には、各種商を統劇的に理解し得る商概念は存在せす、商の範園は 図法が之む商とせるや否ゃによつて決すペしとの議論を生ずるに至った。然し私見に依れば、此等の議論は商の 沿革的概念に膠着せる結果としての結論であつて、それが直ちに商概念抽出の不能を窓昧するものではない。潜 が之等む商としたるについては基盤正何等かの珊由存すべく、此等を通する本質的同一性なくして、法が悉意に 此等を商となしたると見るは早計である。とまれ統一性の不存在はしかく早急に断定さるペきでない。吾々は各 法律上より見たる蘭概念 二〇七

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三 賓定法上に於ける各種商の共通粘ビ商の本質 各種の商に北ハ通なる性質として最初に奉げらるぺきものは、商が取引︵くerkeh﹁︶なることである。鵠律語とし て取引が何を意味するかは必ずしも明瞭でないが、私は之を以て給付と反封給付との関係を意味するものとし、 ︵藷︶ 叉有償契約を表はすものとする。然し給付と戊封給付の関係は濁り鞄にのみ特有なる関係ではなくして、その他 の日常生活にも存する相伴である。例へば普々が欲望充足の為に各種の物財を購入する場合、或は不用の遣具其 の他を他人に試演する婁合、此等の場合に存する関係は商ではないが取引ではある。然らば聴引は繭に址ハ通なる 性質ではあるが、商を商たらしむる性質ではない。商を商たらしむる煙質濾腐他に之を求めなけれぼならぬ。 ︵謹︶ 商を取引とし之を給付と反対給付の鋪係と見るについては次のやうな非難があ旦得る。それは商法第二六三保第 四渋の手形其の他の商染認容k闘す㌃行馬が果して給付と反射給付との調係であるかどうかに 行馬甲例へぼ手形の引受は明かに翠猫行秀であり、某杏は之を契約と見るもそれ自髄は有償ではない。然し此の秤の 行馬は本氷は他の商行席の手段に過ぎず、合祀法上の行席と同じく、組織法上の行焙として、附鹿的商行痴としての み商行禿たるべきものである。従って反封給付を伸はぎるは雷然でありヾ契約に非ぎることも不思議ではない0此の 種の行秀は寧ろ商行為中=より排除さるべきであり、著し然らずとせば潜行秀申にありて特別の取扱ひを受くべきもの である。命本渋に所謂手形其の他の南光証券に踊する行秀は振出茶番等所謂証券的行偲のみを意癒し、誼券の梵買僻 高松高等商染襲校閲校十周年記念論文集 種商の内容を再検討し、此等に内在する共通性の後見に努めなければならぬ。 二〇八

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註赤白鰻を目的とすみ行秀を包含しないことに注意を要す。 各種の商に共通なる性質として第二に蓼げらるペきものは督利心である。此魔に営利心とは利谷の獲得を目的 とする意思単式ふ。.商法第二六き條第山塊覿二眈の投校費蜃、第三舵の取引所に於ける取引、第二六囚條各耽の 営業的行為、山として之む包含せざるものはない。唯此の場合にも問題となるのは第二﹂ハ三億節用既の手形其の 他の商業詮券に銅する行馬である。此種の行焉は通常商人の番す長であり、その商人に於て為さる1場合に於て は、其虚に営利心ありと云ひ得ざるに、非ざるも、此の種の行馬も時に非商人に於て為さるーことあり、商人に於 て馬さるゝ場合に於ても必ずしも督利の篤に為さる1とは断言し碍ざるが放である。此應に於て多くの串者は之 を例外として取扱ひ、又は非商品の保険違法等と同じく本来は商行為に非らざるも類型を同じくすることよりす る便宜の取扱ひなりとする。然し前の註にも述べたやうに此の橿の行馬は永楽は組織法上の行馬であり、愈政法 上の行為と同じく他の商行馬の手段として、附巌的商行為としてのみ、商行為たるべきものである。従って営利 的性質を帯びざるは首然であり、此を帯びずとするも商の営利性を肯定するの妨とはならない。 各橿の商に共通なる性質として第三に恕げらるべきものは商の薬園僅である。此虚に輿拘性とは縦に時間的に 多くの商取引を繰り返ぺすことゝ、寡聞的に構に同時に多数の商取引を篤すことを意味する。営利が商の目的な りとせぼ商人が利益の打及的多額ならむことを欲するは笛然である。之が盛には繭は計富的集観的に質さる∼事 を必要とする。然るに計遥的に集困的に行ふとは螢発として行ふことを意味する。即商は営業的行為たるを常態 法律上より見たる薗概念 こ〇九

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各種の商に共通なる性質として第四に奉げらるべきものは商の非個別性である。私は前に集困性を以て商に共 通なる性質であると云ったが、取引が某国として残さる1馬には取引自餞が之に適する性質のものでなければな らぬ。言ひ換ふれぼその取引は僚発として為さる1により、.螢発として馬されざる同様の取引と興る色調を稽ん だものでなければならぬ。繋買に例を取つて見る。友人間の稀書の貸買に於ては相手方の何人たるか、叉其の書 物の何たるかは重要の意味を有する。1即ち法律幽係はすべての鮎に於て個性を有する。之に反し書店と穿との問 に於ける普通書の費買に放ては、書店と客とは相互に相手方の何人たるを間はない。求むる慶は書物であり。そ の書物も代替性あるものでよい。即ち薬園的取引に於ては個性は常客老に於ても、契約に於ても、叉目的に於て ︵註︶ も稀薄となり、非相性はかやうにして商の第週の特徴として劉げられる。 ︵註︶ 商法弟三二條第二項、第二大條第二項、第六〇條第二項、発丁七五條第二項︵競争染無血違反の筋合の介入︶第こ 六六條本文︵商行秀の代理︶第二二〇傑︵雷尊者の氏名商威を相手方に示さゞる南画仲立︶第二二七條︵問題の介入︶劣三 二七煤︵逓送取扱人の介入︶等は商取引の非個別性をよく衷はしてゐる。 各校の腐に共通なる性質として最後に挙げらるべきものは取引の扱術化℃定型化、膚任の加重と軽減である。 取引の技術化とは叫般収引に封し商取引の有する取引方法又は仕方の専門化室茶ふ。商取引は営利の手段たるが 故忙山般取引に封し其の方法又は什方は特有なるものあるを要する。契約締結の簡易迅速を目的とする商法第二 高松高等商業拳校閲校十周年記念論文雄 とし、集圃性はかくして商の第三の特徴となる。 ニー〇

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六六條本文第二六九億第二七〇條第二七叫傭の規定﹂商取引に基き費簸せる法律摘係の短期終結を月的とする商

法第二八左條第三二八條琴二二九億第三四九億第三空ハ條第lニ八lニ傑第四一七億第些二二條ノ二第些二≡偲第五

七五條璽ハ一八億第六享九億等の規定、首尊者が一定の招愚を探らざる場合に商人の茸任が満城するとと又は堆

利を失ふことに関する商第二八八傑琴二四八億夢二八二條第六仙九億の規定、此等は商取引が其の方法に於て﹁

般取引と異るものあるを示すものである。取引の定型化とは契約が仙先の形式に威すて行はる1ことを云ふ。元

釆商奴引は契約自由の法則の支配する領域であり、取引は叫般に形式を要せざるを原則とするが、取引の簡易敏活

の馬には取引の定型化が必要となり、商品の資買、取引所に於ける取引、違法、保険、寄託、・銀行等の取引に閲

し普通契約條欺が成立し、小党取引に於てはiE札自働磯礪に依る方法が畿達してゐる?安住の加重は取引の安全

を保護せむとするにある。商取引は其の性質上迅速敏満を必要とするが、取引の迅速敏括は安全の保障ありての

み可能であり、安全保障の為には茸任の加雷を必要とする。商法第六三傑第二七二藤第三三九條の義務者問の辿

常に閲する規定、商法琴二二王傑第三五〇債第三五四億第三七六億爵五四四億第五五八條第瓦充九億第六三九條

第⋮項の注意義務の加纂、顛過失損害賠償責任、撃詑責任の特攻に関する規定及商第五九二條の免責約款を無効

とする規定はその節はれと見てよい。安任の軽減は主として取引を敏活ならしむるにある。安住の加重竺屈取

引を安全にし、惹いては之を敏活ならしむと雄、責任を軽減することが之を敏満ならしむるに役立つものである。

商取引は此の鮎に於て一般取引に封し特色を持つてゐる。前掲短期時効に関する諸規定、商人間の吏買に於て買

法符上より見たる商概念 [Ⅶ¶+で

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二t二 高埜偽等商業襲校開校十周年記念論文集 主が目的物を受取ることを経み又は受取る能はぎる場合に於ける安室の虎分横へ撃方六億︶商人問の葉月に於て 目的物に環成文は数量不足ある場合忙於ける薯主の安住︵第二八八條︶等は何れも属法新鹿の叫般取引に比し責任 を軽減してゐる。 以上は各経の商に通有なる性質の主なるものである。然し第三以下のものは商が営利の馬の取引なることより 結果する性質に過ぎない。賂らば商の特徴は之を螢利心に求めてよい。商をして商たらしむるものは資に営利心 ︵話二︶ ︵誰二︶ にある。故に私は﹁営利の焉めの取引﹂を以て商の本質とする。 営利の馬の取引が商なりとせぼ、商が取引の種類︵Tatbestaコd︶ の名でないことは明かである。商は更買でも ︵話三︶ 滑費貸借でも或は賃貸借でも請負でもない。然らば何かと云へばそれは取引の持つ音色︵T彗亡。巴である。丁度 同じ高さの晋にも楽器の興るに従って夫々の青色のあるやうに、同一取引でも目的の異るに従って興る感昧のあ るものである。私は此の感昧堅音色と呼ぶ。例へば、同じ書物の東買でも私が親友に珍らしい書物を譲渡する感 買と書辟が私に書物重罰捌ま異質との問には大なる差異がある。前の場合には賛眉自鰹が目的であり賛買の常覇 者と安男の目的物と蜂蜜買自照にとりて甚だ豊野である。即ち此の場合には偵樺者債務者及物の個性が甚だ強い から、其の錯誤は民法第九五條に所謂法律行為の要素の錯誤となる。之上反封忙苔礫が書物を賛捌く場合には埜 方雷尊者は其の相手方を選ばヰ、その日的物は代替物であるから資質は個性を背ぶこと甚だ薄い。殊墓鼻にと 少て埜児買白襟は目的でない。故に質素の錯誤の問題を生ずることは稀である。叉前の場合には憫煙が濃厚であ

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るから叫回限り焉さノるゝに適し従って薬園的には残されないが、彼の場合には個性が稀蹄であるかち繰返し集囲 的に行偲れ、従つて皆柴的に為されて来るり要するに音色は外面に附着せる特色であつて行馬の内容に湊透する ものでない。此の音色を私は商と呼ぶ。然らば商は商品の望見のみが持ち得る音色ではなくして、営利の焉にす る一切の取引の持ち待る音色である。叉商の名は商品の賛買のみに輿へらる1名辞ではなくして、営利の馬にす る物財用役∵切の取引に輿へられ得る.名柄である。商とは営利の焉にすることより生する取引の青色であり、叉 ︵藷四︶ 此の目的によりて青色づけられたる取引の名種である。尭が賛定法恕通じて到達し得られたる商の概念である。 ︵註こ 此虚に螢利の席の取引とは哲利の手段に供きれた取引を云ふ。私有財産の保持野砲を前提とする経済組織の下 に於ては、山般取引も皆刺と無朗係なるを待ないが、之を含むに過ぎざると、之を目的とするとの間には、癒合的機 能に於て顕著な相違がある。私ほ此の相速に基き取引を絢たる取引と山般取引とに分ける。 ︵要一︶ ヘツクは異観性を以て商品の範囲を劃さうとしたが︵〓eck−iコ才nhiくf賢N茎荘scheParax菌Bd.ⅦN︵︼り ON︶S・缶∽︶私は田中博士と同じく︵商法研究六一貫︶寧ろ轡刺的性質が必然的に集因性を筍ぼしめるのだと思ふ。 ︵註三︶ 商と封立せしめられる概念は非商取引であつて農エでない。逆忙農工と封立せしめられる概念は﹁取引﹂であ って﹁商﹂ではない。詳しく云へば農工は劇硯として生産活動を虜し、之と封立するものは取引であり、取引の細分を 濁すものが滴である。従って農工染着も生産品を販賛する場合にほ、取引を館すものであり、其の取引が皆利の馬の 取引なるときは商を行ふ・ものである。 ︵註讐■商の筍有する音色は替別の手段たるとと、菜園的なること、個性の稀滞なること、技術的なるとと、定型的な 法律上より見たる商概念 二二ニ

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t二四

高松高等商染聾校閲校十周年記念論文集

ること、或る時には曳任が重く、成る時には貴任が堰い等々である。就中替利の手段たることを基本的音色とする。

四 概念ビしての商ミ商法なる特別法を必要どすろ商

商は営利の為にする取引である。是は私が前節た於て到達した結論であつた。然し賓際について見ると商法が

その封象となす範園は必ずしも之と叫致するものでない。現に日本商法は原始生産業者の残す生産品の営利斯資

を商とせす︵原始生産発着が昏政である場合に限りこの行馬を商行馬に準ゃるものとしてゐる︶礪商法ほ螢利行馬

たる非営巣的投機資買を商としない。此鹿に於て曹々の見解には次のやうな非難が向けられる。営利の馬の取引

を商と見る詮は安定迭に基礎を濃くものでない。嘗定法上の商は営利の為にする取引の更に山部であると。此の

非難は必ずしも誤りでない。猥商法瑞四債務法の繭とする虚は正Lく営業的行馬である。.日本商法、併商法の商

とする虚は原始生産業者の営利取引を食まない。然し私見に依れぼ此の非難は概念としての商の範囲と特別法を

必要とする繭の範由とを混同したものである。安定法の抱懐する商概念と甥嘗にその封発たる商の範囲とは必ず

しも一致するを要しない。何者一行馬を商とするや否やは主として経済的性質によわ、之を商法の封象とするや

否やはそれが特別法を必要とするや否やによ、つ七決せられるからである。即ち商法の封象とされたものが繭の全

部でない。その封象となれるものは特別法を必要とする範閑に限られる。かような寄は同じ商法の中鱒も例があ

り他の法規にも例がある。例へぼ商法第空六條第劇項は賠舶をだ壷して﹁本法に於て船舶とは商行焉を残す目的

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を以て航海の用に供するものを謂ふ﹂といひ、第二項に更に﹁本編の規定は端弗其他種碓のみを以て運持し又は主 として櫓碓を以て道緒する嫡には之を適用せす﹂といつて計るが此の第﹂項二項を合せ考へて見ると、鼻は船舶 の定義をしたのではなくして、海商法哀痛用すべき船舶の範囲む限定したに過ぎない。ゝ同じことは銀行準の銀行 定義に就ても云はる1。銀行法欝剛條は銀行を定義して﹁先に掲ぐる兼務を潜む者は之を銀行とす。一、預金と 受入と金銭の貸附又は手形の割引とを併せ馬すこと、二、馬替取引を焉すこと﹂といつてゐる。然しこの場合に も此の規定は取締の必要上より銀行の範園を限定したのであつて、.銀行の定義を下したものではない。そのこと は攣議に﹁営業として償金の受入を馬す者は之を銀行と看撤す﹂と云ってゐるによつても明かであり、又かゃう な場合法律が備に﹁本法に於て何々とは.・:⋮⋮何々を云ふ﹂といふ立言法を痕ってゐるによつても明かである。事 物の概念忙ついては祀倉通念に従ひその範囲のみは自ら之を決定する。これが法律の常套手段である。然らば商 の概念は法規全鰭より之を抽出すべく、その規定せる事項を概念の及ぶ外延の全部と考へてはならない。概念と しての繭と法律の封象たる商の不一致は営利の馬の取引を法律上の商とするにつき少しも支障とはならない。 法律概念としての商が、硯貰に港律の封象たる商と叫致せざることある理由はこれで明瞭となつた。然し之を 一致せしめざる理由は何か。換言すれぼ或る行馬を商とし他の行馬を商とせぎる棟準は何か。私は時代の経済的 背展がそれであると思ふ。非常菜的なる投機賛買に例をとるならば非螢柴的なる投機賛買が曾て商とせられし ︵話二︶ ︵話こ は、申せ歓羅巴に於ける非商人の投擁蟹麿が経済的敢愈的に重要怜を帝ったことにある。ゾムバルトに綻へば中 こ山嵐 泣終止より見たる商概念

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二二ハ 高叔ニ=同等商弟聾校開校十周年記念論文集 世軟薙巴に於ては非商人に伐って行はれた臨時商が少くなかった。それは素封家、僧院、市長、市蓼寄合員其の 他中世の資積階級が剰飴貸簡利頼の馬に行ひたるものにして、非螢柴的なりとは云へ時代の経済生活に封し占め た地歩は決して小さくなか・つた。然し之を以て現代を推すことは出来ない。それは物財の場所的移動を目的上す る運送に就ても同様である∵渥に定期の航海なく、陸に鋳造なき申せに於ては遠方よりする物財の移入は唯不定 期に行はれたに過ぎない。かゝる時代に於てはこ攣琴毎に企苦し之を塔位とする商も可能である。然るに遅速の 手段が畿達し、生産及配給組絨の複雑せる現代に於てほ組織なき個別的行焉は挺臍的に叉政令的に重要なる意義 を持ち待ない。猫懲商法及我啓商法が曾って承継せし首座糾合を削除したのも之と同趣旨に出で1ゐる㍉二特約 ︵話三︶ 非営業的商行為は現代祀合に於ては之を商法の封象とせざることが、寧ろ資際に邁癒するものである。 ︵濠〓︺ 非徴発的な投機賢貫が商法の封象となったことは時代の繹済的飽由によると云ったが、猫逸、彿蘭画に於ては 次のやうな法律的な理由もあった なかつた。然るに其の改正に先立ち之に比し遥かに自由であり非要式的なる商接が成立Lた。法律は此の横合に非座 業的なる投機究毘を商とした。時代の法禅的背景によるものではあるが叉轡利取引自閻の要求に基くと云つてもよ い。投機貸鼠は法律が商法の封象となすと菅とを間はず商だからである。彿蘭画の接待的穐由は之を思す。 ︵謹二︺ SOヨbartuロerヨOd∈rコeK薫詳〓∽ヨ亡S︸Bd●l−S.N逼f㍗ ︵軍ニ︶ 竹田博士︵商法塊論山〇六貰藷恵、同博士商行渇準一貫以下︶に従へば日本商法ほ絶対的商行碍を認めてはゐる が、之に凰用ナベき法規は商行痔総則忙限り、鮮も此の細則は商人の哲染上の行馬に掬する規定が大部分を占めてゐ

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るから、之を蘭行席とLて特別按を連用サる賃金は全然ないと云ってよい。 瓦 商概念螢展の必然性ま其の霹過 私は商を金利の馬にする瀬引であると云った。著し之にして誤りなしとせば、詔図法が物財の交換と線かりな き行為を商としてゐるこ止も加⋮魂なく和解される。然し本来物財の交換であつた商が如何して之と繚かりなき行 焉を取り入る1に至ったか、是には何等かの珊由がなければならぬ。 何人にも異論なき如く商はその始に於ては確かに物財の交換であつた。然し綬臍の黎達は分柴を必要とし、分 柴の教達は商五分化した。曾って生産者と滑巣窟の問に直接に行はれたる交換は之を専業とする商人の葉紡へと 分化し、一商人の馬せる妊介兼務は更に分化して激発務となつた。物財の場所的移動を賛行する速達菜、物財の 保管を臼的とする倉庫菜、商取引の成立を媒介する仲立人、商契約の締結を代理する代理商、問屋菜、資金の供 給を目的とする銀行業、危険の負塘を目的とする保険業、此等がそれである。然し此等を商とすることは既貯商 概念の欒吏を意味する。何者此等の取引の目的とする庭は最早物財ではなくして用綬だからである。即ち商の分 化は取引の目的を物朗より用役へと疎張し、途に概念内包は目的の制限︵取引目的を物財に限ること︶を排除して ︵謹︶ 取引へと縮少した。 ︵話︶ 物財の交換に過ぎなかった商を今日の状態忙殴展せしめた理由としてはもう二ご蘭に結合した督利性が奉げられ 法律上より見たる商概念 二∴七

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既に概念に攣吏ありとせば、物財の交換′繚かりあるを珊由として此等を掛とする必要はない。同株に之と繰 かりなきの理由により之を蹄より除外すべき理由もない。此鹿に於て此等朗溺補助商は原始商と相並んで猫立且 つ封等の商として南中に数へられ、物財の交換と紬係なき農工金融、非商品非商人を目的とする遅迭、寄託、保 険が商に取り入れられて粥た。国法が螢柴無益や営業信託を商とせる棍撮も叉此庭に求むべきである。 商の非商への進出は次でエ柴の上に行はれた。而してエ柴については先づ塀料を購入し之に加工又は製造して 放資するエ糞の上に行はれた。生産工程の加はれる商品の販聾と之の加はらざる商品の販皆とは、国民経済的擁 詑に於ては異る魔ありとするも、営利の鵠の取引たる周一性の前にはかくの如きは竜も問題とならないからであ 訂 こ る。若し然りとせぼ原料を他に求むるエ菜のみを商に編入することは謂れなきことである。猫新商法は此の見地 に立ちて原料を他に求むると否とを間はすエ業者の残す取引を全般的に商とした。︵濁商法第肌條第二項俸岬成︶︵原 る。交換自鰭は決して替剰を自的とするものではない。然し之を尊染とすることは抑哲利他の始である。商人が慣格 の場所的時間的相邁を利用して、叉民衆の無智を利用して暴利を象りたることは腰皮の明かに葦明ナる盛である。呪 はれたる商はかくして次第に皆利化され、轡利は途に主人を放逐して主客を麒倒Lた。物財の交換は目的でなくして 手段となった。而して主客の旗倒は本質の攣夏を意味する。かくて商に君臨せる瞥利は無限に進展す 錬り托その領域孝撰施し、又自己と抜かりある領域にも作用して無数の商を創設した。商概念の凍充は叉螢利忙基く とも解される。 高松高等南東盛校開校十周年記念論文集 二.岬八

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始生産繋が商の舞基に登場すべき準備は既に此の時に準備されたといつてよい。︶ 商内容の損儀は吹で原始商又豊ハの分化と摘係なき方河に及んだ。其の範園は各国必ずしも同様でないが、例 へば日本商法の動産不動産の貿貸菜、電気瓦斯の眺給柴、請負琴出版業、印刷琴撮影琴場屋の取引柴がそれ である?立法者の窒息は兎庵角その根摸は此等の柴態が外形的に原始商に類似せる鮎に求むべきに非すして﹁営 利の為にする取引﹂なる性寅に求むべきことは夏めて詮明を要しない。 かくて商内容の購充は遂に原始生産柴に及んだ。礪新商法第三傑が農薬及林柴に就き、其の附馬的兼務が資質 的商を含む場合た、商業登記繹に登記することにより其螢菜を尚たることを得せしめたる如き、第二條た於て営 巣の橿類如何を間はす螢柴の形態よりして之を商となしたる如き東に株式合計、株式合資合祀、有限茸任命敢、 ● ︵謹t一︶ 産業糾合の常葉を企業組織の形態より商となし得るとしたるが如きその例である。 商内容の展開はかくの如くして成し途げられた。勢の趣く虚此の傾向は今後も停止する魔を知らないだらう。 疲通経済の存する限り、商が青色である限りそれは到底必至の勢だからである。S官kiコ的盟ろて﹁交換経済は 萬人む商人と為す﹂と云つ允が、私は之豊昆改めて﹁交換経済は高等を商とする﹂と云ひ庇い。偶の世界制覇隠 血廃にも成し速げられやうとしてゐる。 ︵議〓︶一入〇七年の彿南淡、之を範とせる猫額商法及我商法は原料の購入製品の販闇なる由盛蒜於て物財の交換を認 め之を理由として原料を他に求むるエを商とLた様であるが、かくの如きは、物財の交換を以て商とする哲懸其の儀 接律上より見たる商概念 二川九

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私は商を虚利取引であると育った。私は飽く迄もそれを正しいと思ふ。然しをれは賛定法上斯く解絆されると 云ふに止り、法律が斯くの如きものを商としたこと自慣に関するのではない。法律が斯くの如きものを商とした ことの普香の問題は是とは別個の問蒐を為す。商の概念の考察に常りては之に就ても検討が質されねぼならぬ。 問題の重安性は寧ろ之の後者にある。 法律概念としての首香を諭するに懲り、一應の考察が残され沿ぼならぬのは、経済畢上の商と日常用語として の見解に捉はれる態度であって物財の交換忙執著する限り途には行語らぎるを待ない。猫新商法は此の行詰りを打開 せる鮎だけでも大なる進歩を藩げたものと云はねばならぬ。 ︵詰ニ︶ 日本商法は直接忙は農業漁尖鋭業者の取引を商とはしてゐないが、潜行席以外の僚利を目的とする庇閣を民事 曾放として商人たる南軍食感と同町待遇をしてゐるから、合法形態をとつた筋合に限り欝質的忙は原始庄屋染着の取 引を商と席したと見て美文へない。然し倉慮形感官とらない筋合にも大規模忙幣制取引をするものがあるから、此等 を蘭としな沐限り首尾は仙風しないと云はねぼならぬ。けれども之は立法富時に於ける原始生産染の攣展段階忙應ず る歴皮性によるものであるから張ち非難すべきでない。 ︵話三︶ S−望ekiコ血−EコtWi︹k己コ撃Wese⊃亡コd B名川⊂tuコnd2S〓aコne−siコG−uコdrissde−SONia−算○コ○ヨ買−<・︼︸N. >u芦 S.ぬ. 高松高等摘発畢校開校十周年記念論文集 ● 六.経済嬰上及日常用語上の商軍法枠上の商並其の常否 二二〇

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の商である。経済啓上の商は、商的事象に封する拳理的解繹であり、日常用語として商は、之に封する敢密約見 解だからである。 経済拳上の概念としての商に何程の螢詮があるかは寡聞の私の能く知る應ではない。然し限られたる私の智識 を以てしても是に大草二通りの嬰詮があるやうに思はれる。仙つは商品の賛買を以て商とするものであり、二は 物財の配給を以て滴とするものであり、﹂ニは廉く商品資本労務の取引を以一て商とするものである。我が園の畢訟 ︵註こ について云へば、谷口普彦教授共の他新進単著のそれは二の例であり、大泉行雄教授其の他の聾者のそれは二の ︵註五︶ ︵話四︶ ︵話二︶ ︵藷三︺ 例であり、稿田敬太郎教授のそれ些この例である。佐野善作博士、石川文吾博士のそれは恐らく之に近きもので あらちノ○ ︵話こ 谷口教授は商兼を経済晴謝としての南光と越野現象としての商業に区分し、経済括動としての商葉を次の如く 説明されてゐる。︵南米組織の椿踵研究九、一〇克︶ ﹁今日の放曾におげる商染治動の本質は、商品の資質に外ならぬ。⋮⋮⋮併し乍ら箪﹂に商基活動の本質が商品の更 買活動にありといふのは、究罠以外の括謝を南米括卸に許さないといふのではない。今日の商染腫商品の究質に件ふ 遅迭・貯蔵.金納等多くの括勅をもなしつゝある。けれどもとれらの暗劫ほ商業抄本質的括動をなすための附既約活 動に外ならぬ。⋮⋮⋮・︰驚異括劫を伴はぎる遅迭、貯職、金融等は阻なる遅達栄、倉庫染、金融弟等を成立せしむる に過ぎず、そこには商業は成立しない。﹄ ︵琴一︶ 大泉行雄教授は蘭柴草企発としての商業と絆済現象としての蘭との二見地から朝敵され、企発としての商は 湊律上より見たる新概念 二〓一

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﹁経替組織鰻の瞥む﹂物財の﹁酌給機能﹂であるときれてゐる。簡私の観る盛にして誤りなしとせば配給機能が分化して 成立した蓮迭業、倉帰業、体験染、金融薬を各商染とされてる甲うである。︵商染原理講話六一−六五貫︶ ︵蔓ニ︶ 福田教授に徒へばF商港の商は取引行飽を意味し、染は経瞥鰹を意味し、合せて取引行秀経哲鰻換言すれば取 引企業を意味する。﹄而してF取引とは封偶の給付と反封給付の調係⋮⋮︰である。かくの如き取引の客飽は⋮⋮⋮商品 のみでない。資本および用役をも含むものである。また取引形態は驚買取引のみにあらず俊借取引も用役授受取引も 存在する。﹄︵裔薬概論大○、六二見︶教授の所謂﹁蘭染﹂は谷口、大泉両教授の解され.る商業とは別個のもの・である。 両教授の解される商薬は稲田教授の鬱合に.は﹁商﹂忙相嘗する。 ︵話四︶ 佐野博士は﹁新選南米拉婁﹂巻之上五貢に於て商染を定義Lて﹁商染は財貨の循環を馨り、若くは勤螢用役の供 給.販斑を魔す皆刺客共にして塗薬中財貨の獲待を箪るものを除きたる他の全部を紙料する﹂ とされてゐる。之の定 義に従へば商業は商品の資鼠以外に於て金融、寄託、遅迭、保険等を含むものと解きれる。 ︵話五︶ 石川文菅博士は﹁商業通論j仙九、ニ○真に於て商業を﹁距離、時期及分量の不適合なる効用少きものに就き由 貫又は交換の方法忙由りて是等不適合なる峯情を調和し其効用を檜すを目的とする生薬なり﹂と定義し、叉﹁もの﹂を 解説して﹁菅人の欲望を充たすに足るべき二切の有償物を意味するものにして所謂題辞的貨物と稀すべく商発の種板 に由聖域は有形なる商品又は資金と解すべく或は利金を待むが席に各人甘んじて忽ばんとする権藤即ち内部の財貨せ 解侍すぺし﹂とされてゐる。 日常用語は叉祀食通念といつてもよい。日常用語又は敢命通念として 瞭でない。併し現代に於ては之にも狭義と頗義があ少、狭義に於七は商品の賛貫を意味しハ鹿轟に於ては営利の 高相高等商染畢伊開校十周年記念論文集 こ〓二

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馬にする其の他の行馬を含めて意味するもの1やうである。我が国の日常用語に於て商頸と金儲けとが同禁佃に ︵註︶ 使用され、・商人なる語か廉て商品貸賃以外の業者を含むのは後者の併設とするに足る。然し廣魂の場合た於て商 が商品の琵蜃以外の如何なる行為を含むかば明瞭でない。増地氏商柴通論は︵T→−二六貫︶は物財の配給に紺係 なきものについては、大腰非商人及非商品の嘩迭寄託保険等を含むとするものゝやうであるが、私は炭轟に使用 された場合には日本商法の商とせるもの及その他の或るものを含むでゐるのではないかと思ふ1此鹿に或るもの とは原始生産業者の行ふ生産品め取引を意味する。原始生産発着の行ふ取引は業者が合赦なると偶人なるとを間 はす現代的意義に於ては商と概念し得るからである。 ︵詰︶ 日常用諮としての商がかく戯皇息味を持っに至ったのは可成りに古くからのこと1見えて明治十四五年境南抹編 纂の参考資料を縛るが席め轡発着や商業圏髄や官ぬに諮諭して得たる商事慣例に関する答申を集めたる﹁日本南軍問 例集﹂︵司法省編纂︶は曹々に多数の詮墟を提供してゐる。三四の例を拾って見よう。左は﹁蔑二條商人と商人に非ら ぎる者との区別を公認すべき要件ありや﹂との諮絢に封する答申である。 光 願

﹁商人と非商人との区別は貿際光則忙苛む。⋮⋮⋮今扁を鍵ぐれば、自家の収穫物を販貸する者︵農琴にて野栄漁 又は輪米等挙行驚L、漁家にて漁捜せる生魚を在村忙行商するの類、之れを山人一己に分別すれば、極めて此扇にし 七商品と目する程Kあらぎれども、∵町−市を併持すれば、其緻綺罵り他の商況に影響する場合少からず︶之を商人 と認んか細艮其の焼に堪へず、之を非商人と認んか商況に関係し、且其区別太ゞ明確ならぎるを如何せん︵以下嘗 接待上⊥よⅥり見たる商機念 −〓〓ニ

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安房郡、中郡、長爽郡、長狭郡﹄〇一四二貫︶ 岐 阜 願 F商人忙似て非なるものあり。農工に似て欝は商なるあり。其穏獅や蓋し卸資1・仲罠1小貸の範囲に外ならぎるべし 然かも其性質に於てや、千差筒別山々し難しと雉ども今其〓一を蓼んに天然物孝探り以て覚るもの、之わを製作して 要るもの、自ら耕作せし物を賢るもの、之を製作して替るもの、他の耕作物を製造して賛るもの、物を.買収して之を 蟹るもの等、王滝之を姿するに、物を驚致して利を得る者、血概に商人と呼び難し、前陳天然物を探りて以て観るも ■ ヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽ の以下、他の耕作物を製造して馨る者に要言六項の如き、俗間之を何蹄何屋と科へ、商人潤するも、常人洗骨の状況 を看れば、自ら齢せぎるものゝ如し、都又之が区別を属す賢に易々たらず、故に未だ英公認すべき要件を轟知せず。 屏風那岐阜町﹂〇一四九貫︶ F官吏、教導職、慰師、尊慮者ぼ非商人、其他を商人と公認す。不破郡垂井村﹄︵二五〇頁︶ 京 都 府 ︵この分のみは﹁商人と商人に非る者との区別を見定候仕衆有之倶哉﹂との諮絢に劃する答申である︶ F︵京都︶本條御諮問は仝窟蜃二の要件忙付、詳細区別仕度供、凡商人の哲業其本源を軍鐸すれば、笥般か物貨貿易し て有無を通ずるに在り、然級別れて各種となる。例せば此中に薪置を産出し、海遊佐脚を産出す。商人は其間に在 て、共産出ナる山海の物品を互に通じて、山海の人民に各便宜を得ぜしむるが如し。借叉此産出の物品を分別するは 土産と人工との二頬なり。其岬顛は米穀い蜂∴択∴坑物二二啓・四木の如きは、其土自然の産出にて、痘を扱収する▼′ は凰事に屈し、其〓規は此採取したる原品を製作して、へ酒・醤油り搾油一・綿布=東商・紙‖塩草の好き、人碗の用 に僚ならしむるは工染に威す万有二顛の産出品物を消螢着忙直き資するは画人と希徹すべし。此品物を常忙持ち込む 高松高等商染拳校開校十周年記念論文集 二二四

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所即ち常に引受くる者之を問屋と謂ふ。此引受たる物品を小安店或は卸皆の着へ直き斑するもあり。又其中間に居て 取次媒介するを伸果商人皇軍ふ。見物品産出所へ経き買集めたるを問屋へ賛込む者も亦仲毘商人皇軍ふ。叉廻船商人 の各地産出の物品を積出し遠措へ荷揚げして蟹捌鳶委任す右も、陣地運輸して海商へ敬込む物品を取扱する、同じく 間屋といふ。問屋仲罠等の取扱はノ惣て異ることなし。又百姓の段間に卸小袋或は仲買をする者あり、是尤農人商業を 乗るなり、エ業者自製の外地より仕入たる物を変る者あり、是工人商業を乗るなり。倒せば塩草刻み職にて他の刻み ∴煙草を薯東するの頬なり、叉常人にして時償の高低を見込み、何品によらず自家捺染の外臨時血員罠する潜も少からず 是は常人と肴倣し商人と云ふべからず。畢寛資質を以て寄ら真二家⊥易の皆染と定め、日載之に従事する者を商人と ヽヽヽヽ 云ふべし。然亙而して従衆本朝の慣習、商人の惣菜を商覚と嶋へ、即ち番小屋盈本にも商資徒衆と鼠せり。叉商改と ヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽ 一 云は何に限らず徴集の線名と肴徹すものあり。共侮りを停習して質屋商賛、風呂屋訝資産と云ふ0其甚しきは管見商 貸、智者商理経と、苛めにも口癖となりたる故に、商人と常人との区別曖昧として列然ならず。且つ悪政の時には商 人を奴隷親して、士人、鹿人に滞米を破るを許さず。或庸二且撮士となる潜も商エの業をなすものは筏邸するを許さ ずと聞博ふ。斯く従来慣習の儀にて、今に重て門唯招牌或は俸業税目、戸薄根薄等親て鋪雑を極めたり。若し商律、 商法を御聴定忙なる時は、先づ商人と常人との区別は勿論、各種の商業を分明k賦別して、名義を定むるを第芸急 務と存候。囚て此御諮問革租の最首たるは、御重嘗の御儀と存候﹂︵日本商事慣例琴一四賀︶ さて以上経済螢詮と日常用語とを通兢した際、私の放も驚かされることば如何にもその常々たることである。 私が此魔に耗酒畢詮や日常用語を掲げたのは、之を以て法律概念の常香を判断する議の概準とする潮境であつ た。併し共等に代表的なる見解のなき限り、其の叫を以て標準となすことは不常である。それは経済畢詮につい 港律上より見たる商概念 ニ二五

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ても、日常用語についても同様である。さりながら此等を外にして別に棲準がありとも考へられぬ。就中日常用 語については梅吏である。蓋し、日常用語は資際事象に刺する赦倉見解であり、法律や箪は先づ之を基礎として 各自n概念を構成するからである。故に此虚では比較的異論少なき範囲の商を以て日常庸語の商とし、之を療準 として法律概念の雷否を判断し庇いと息ふ。比餃的異論少なき範囲の商とは、物財の配給と之に閲係なき金融、 運送、保管、保険を含めたものである。 尤も日常用譜の商とする範囲を標準として概念の合否を判断するについては二つの異論があり得る。鵬つば日 常用語の非理論性を根接とするものである。せ人の意昧する概念や範囲は必ずしも理論的考察の結果ではないぺ 故に世人が商として其の恥園に威せしめたる針のゝ中には、性質よりして之を屠せしめざるを通常とするものも ぁり得る。論者が日常用語を以て棲準となすに足らずと為す所以は蜜把此虚にあ牒。然し世人と経常に何等の班 由なくして或る事象を或る概念に包容せしめる筈はない。恐らくは何等かの性質に共通鮎を求めて之をその範閲 に包祷したものに相違ない。若し然りとせば山性質を以ては或る番象を包抽し能はぎる場合に於ても他の性質む 以てせば之を能く包擁し柑る場合なしとしない。要は前提となす性質の如何にある。然ゲば日常用語の非理論性 を以て直ちに標準となすに足らずとなすは早計である。之を其の範囲より除外す 通鮎を求むるも柑之を包含し得ざる場合にのみ許さるべきである。論者の詮は唯この限られたる場合にのみ貸雷 である。 高を高等商染拳校開校十周年飽食論文集 〓二六

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法樺の性質よりする輿論とは、法律の目的よりする輿論である。法律の終極目的は民族の蟹展にある。其の直 接わ目的は生活の規律にある。即ちA棍の行為にはAなる法律を鱒へ、B種の行為には丑なる淡律を輿へて、叫 切の生活細係を整理分類して各それに安常なる法規を附輿すること所謂法律秩序の附興がそれである。然し法律 は必ず七も同嘩の行為に同橿の法規を附興するとは限らない。法律は本釆の目的に潤して、生活の最終日的又は 直接目的に合致すべく避雷に之を調節するものである。商法に何て云へぼ、我商法は相封的商行璃︵螢兼的商行 為︶の外絶封的商行為︵非営業的商行為︶せ認むるに反し、猫商法は絶射的腐朽馬を認めない。即ち、恨りに我商 法の認むる商が日常用語としての商と同範囲とせぼ、猫商法の認むる商は日常用語としての繭と馴致しないこと になる。然らば日常用語を以て法律の常香を諭する棲準となサことは不薗と云はねぼならぬ。是法律の立場より する輿論のある所以である。.然し前にも述べたやうに、猫商法が絶封的商行馬を認めざるは性質上之を商行為と せずといふのではない。商法なる特別法規を適用する封象としては之を除外するといふに過ぎない。共の珂由は ● ︵話︶ 揖にも蓮べた如くである。然らば日常用語妾以て法律乃至経済螢上の商の常香を判断するに足らずとなす異論は 殆んど其の債値を諾すして可なりと思ふ。 ︵詮︶ 法律と日常用諒との範囲の不劇致は法律が大億立沫常時に於ける社食の螢展段階を基鹿とするに封し、日常用諦 − は日々攣北進展して止まないに因る筋合もある。 さて物財の配給と之に関係なき金融、運送、保管、保険を日常用語の商とし、之を概念の常否を判断すべき標 ヽ 法律上J二り見たる商概念 二二七

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高松高等商兼畢校開校十周年記念論文集 二二八 準とした際、法律概念としての商は果して安常なりや。法律概念は日常用語よりも範翫廉く、此の意味に於て一 應は安富を快くと云はねぼならぬ。然し此の不軸致は、前に法律の範囲が日常用語より狭き場合につき、述べた ると同じく、決して法律上の概念の不常を意味するものではない。此の場合には綾律は本質の同一に基き社命指 導の立場より側歩祀骨見解に免じたに過ぎない。主要なる範囲に於て法律が日常用語と叫致したりとせぼ、法律 は其の鮎よりして正しいと云はねぼならぬ。 宜であるが日常用語との問に甚しき距離がある。︵尤もこの訟は現代的意義に於ては南峰商品の労賃であり、そ ヽ 経済拳上の概念としての商の常否を諭することは私の問題ではない。然し経済革上の概念についても同様の方 法により低値判断がされるのではないかと思ふ。商品の貸賃を以て商と見る訟は概念を純∵ならしむる上には便 れが亦祀脅迫念であると考へてゐるもの1やうである。若し然りとせぼ日常用語の意味する商に封する見解の相 異といふことになる。︶物財の配給を以て商とする訟は最多数訟のやうであるが、是も非商品非痢人の運送寄託保 険等を商と見る日常用語との問に■は懸隔がある。︵日常用語の意味する商が非商品や非商人の運迭寄託保除等を 一 合まないといふならぼそれ迄であるが、私は日常用語の寮昧する範園については此の詮に賛し得ぬ。︶第三静は日 常用語に汲も近いものである。併し此の詮が労働者や薮人の努務契約迄も商とLでゐるのは日常用語よりも更に 贋いと云はねばならぬ。経済聾詮は日常層語との近似性の程度に於て夫々安常性と不安常性とを持つ。 さりながら以上は庸其の上に概念の樹立せらるべき商の範園のみに闘する。概念の政経の常否は蕾該概念が朗 ■

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真の範園を完全に詮明し得るや否やに依って決せらるべきである。問題の紛糾を避くる篤此庖でも叔上の範囲に 日常用語の商を限定して置かうご己て、叙上を商の範固とLた場合、経済畢詮の第〓商品の更買を商と見る詮︶ と、第二︵物財の配給を商と見る詮︶は之と異なる封象の範囲の上に構成された概念であり、夢二︵取引を商と 見る詮︶夜会範閏を包容し得る概念ではあるがこ板取引と商取引とを罷別し得ない。 翻って法律概念としての商を見るに.、営利の偶にする取引なる性質は、・叙上の範園の商は勿論私の解する療高 弟の商に鴻共通なる性質である。日常用語上の各軽の商は唯此の性質によりてのみ流血的に理解され得る。故に 私は法律概念とLての繭が現代の商を理解するに汲も安常なるものであると思ふ。 へ瀧こ 唯此の見解に封しては二つの方面から有力な反射がある。㌣つは商を﹁営利﹂の餌の取引と見る鮎からであり、 他は原始生産業宥、エ蓋者の行ふ生産品の嬰只、原料品の買入を・約と見る鮎からである。営利を以て商の要素と なすことを非難するものゝ論嬢とする麗は二つある。仙つは営利が商に特有姦る要東にあらざることであり、 ● 他は営利が現代の叫部に於て既に商の要素を為さゞることである。営利が商のみの特徴に非ざることは論者の云 ふ通りである。併し私が営利を商の本質的要素となす所以は、之を以て商を非商取引と直別せんが焉であるっ畠 ︵第三節話︶ やエに営利的要素あることは何等の妨ともならない。前にも遊べたやうに私は商を非商取引に封立せしめる。 賄と非商取引とを併せて取引といふ。此の取引に封立するものが琴エを剛括せる生産満勤である。谷口普迂教 ︵註こ︶ 投は商活動を生産活動に封立し、生虔活動を分って軌旗、エとされたが、私見は生産活動に封立するものを取引と 法律上よ∇見たる商概念 こ二九

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二ニ6 商撃向等南光登校開校十周年記念論文集 し、其の取引の中に於て商取引を封立する。而して∵蝦取引から商取引を隔別するものとして営利を辟げて氷る。 営利は商に本質的なる特徴でないといふ非難は私の場合にほ中らないと思ふ。 第仙の非難の第二瓢に勤しては私の見解は現代に於ける支配的なる商に関するものであると答へ度い。商所動 ︳ は歴史的に進化後展しっ1あり、今日に放ても其の本質的活動に幾分の欒化あることは窮ひ得る。若し将来に於 ける商活動を按渕するならば、或はI﹁流通の焉跡取引﹂が其の時代の商概念であるかも知れない。流通の廃の取 引とは敢昏的分業に基因する非営利的な物財桐役の交換を意味する。然し現代の支配的なる商に即する限り営利 を商の要素より排除することは不可能である。私は此の意味に於て商を螢利の馬にする取引であるといふ。 第二の非難に封して私はかやうに答へ得ると思ふ。商とは僚利の馬の取引を謂ふ。之を為す者の何人たるかは 間ふところでない。原始生産業者、工発着をして原始生産発着、エ業者たらしむるものはその生産綺動である。 此等の者の行ふ生産品、原料品に関する取引は農工等の概念内容ではない。而も此等は営利を目的としてなさる 1とき叉商となる。かゝる蓼合には農工発着は盈エを潜むと同時に商を営むのである。之の非難も私の見解には 中らないと思ふ。 ︵話こ 螢利を蘭の要素とすることに反封する学説は無数托ある。例へばSch羊↑F・︸ ︵〓a⊃de−sbetriebslehreTく・ >uヂ︼結ぃ、S.呂−治し替利を以て絶ての商忙通ずる要素と見診鮎については法律聾者の中にも反劉論がある。倒へ

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七 結

私は賛定法に出後L、経痢撃詮と日常用語とを比較し、最後正目常用語を判断の横準として、法律上の商概念 が計倉見解に立脚する最も安富なる見解であるとした。若し之にして観りなしとせば商概念がその包招に於て既 に飽和鮎に達せりと見る序詮の見解は誤りである。即ち風波は現在の内容を以て之を商法と柄するに少しも妨は ない。叉商法は商に踊する確聞たる概念なくして雑多の商を取り入れたとの見解も安常でない。商法は本質的同 一性に基き各秤の商を封象としたのである。資際ポール‖ふヴランの云へる如く、物財の交換を可能ならしむる 篤、部分型耽倉︵血族的酢倉薬園︶問の敵封関係中止を目的として教生せる闊際放たる商法は、其の後市場法を 靡て郡市潅、国家法となる.と共に其の内容に混乱を生じて楽た。それは曾て問際法たりし商法が閣内法となると ー ︵詳二︶ 共に物財に関する二橙の法律が共に国内法となつたからである。物財に関する二霞の洪律とは碕通する物財及流 通に開興する人に関する国際法と、固定せる物財及其の所有に関する国内法である。然し商は本来は物財の流通 た帥する︵故に洪律はこの流通に活版し、営利を区別の標準とし、物財の外用役をも流通客鰐として営利の焉の と思ふ。之に勤し瞥利を是認する聾者には ﹁exダW■︼ROSCh2r−W・,ヌata甘Y<・︸Rath笥コーK●等がある。法律聾者 は概ね轡利を要素とする。 ︵軍一︶ 俗口教授、.簡薬組織の称殊研究〓ニ頁 ︸接待上より見たる商概念 二ニ〓

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取引を商とした。概念には攣吏ありたるも、それは決して原始商と無関係に焉されたのではない。商はかくの如 くして敬展した。私は此の中に充分に合珂性と必然怖を尊兄する。商概念は欒嘉した。併しその根元は原始商の ︵許二︺ 中にある。商は此の意味に於ては易らざるものである¢ ハ誰こ ポール1・ユヴラン著 小町谷換三評 商法史劇帯丁二八賀 ︵註二︶ 法律上の裔に踊する全般的な参考論文 ﹂向聡甘同等商染畢校開校十周年記念論文集 山尾時三教授 西原寛一助教授 GO︼計chヨ己√ Behreコ止− 田中新太郎博士 竹田倉博士 商法組論︼−叫九東 商法統則概論劇−〓ニ試、四〇、・七山黄 濁法研究九三1叫〇三京、山〇五−劇二九貢、二五九−≡八六賃 商に就て︵法蓼協骨雑報第四二巻第四既発六渋︶ 商法の殴展と非商人の地位︵法華協倉林諒第五十脚巻第五既六娯︶ Haコdbuch des〓aコ計−srechts、N.コ隻・S.全コー Uコi<erSal駕SCh芹htedes Haコde訂renhls−小s.︼u●

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