1. IFRSの主な特徴
詳細 体的な会計処 方法 提 も会計担 者が経済的実質 基づき合 的 会計処
原則中心の基準体系(principle-based standards)
詳細かつ具体的な会計処理方法の提示よりも会計担当者が経済的実質に基づき合理的に会計処理で
きるように会計処理の基本原則及び方法論を提示(Principle-based)することに注力している。
一方で、US GAAP等は法律関係及び契約の内容によって個別事案に対する具体的な会計処理方法及
び手続を細かく規定( ) る
び手続を細かく規定(Rule-based)している。
連結財務諸表(
lid t d fi
i l t t
t )中心
国際会計基準は、従属会社がある場合、連結財務諸表を基本とする。
これにより、事業報告書等の全ての開示書類が連結財務諸表を中心に作成される。
連結財務諸表(consolidated financial statements)中心
公正価値評価(fair value accounting)
国際会計基準の核心内容は資本市場の投資家に企業の財務状態及び内在価値に対する意味のある
投資情報を提供するもので、このために国際会計基準は金融資産・負債と有形・無形資産及び投資不
動産にまで公正価値の見積を義務化または選択
적용할 수 있도록 하고 있음
적용할 수 있도록 하고 있음
2. IFRSとK-GAAP間の主な差異の発生原因
財務報告 含まれな ればな な 必 欠な 則 を規定 体的な計算 続
原則 vs.規定
IFRSでは財務報告に含まれなければならない必要不可欠な原則のみを規定し、具体的な計算手続や
表示方法等は原則を逸脱しない範囲で企業が自律的に作成することを許容している。
従来のK-GAAPはこれ以外の会計事象に対する事例と解釈提示により、具体的な会計処理方法を提
供 る
供している。
企業の実質に見合う会計処理を行えるよう裁量が発生する反面、最初導入によって会計処理のイ
シューが発生する場合は具体的な指針または事例がないため、実務上隘路事項が存在する。
導入初期に、企業別の類似会計取引に対する比較可能性問題が提起される。
開示体系の変更
IFRSでは従属企業がある場合、連結財務諸表を基本財務諸表とする。
従来の は 個別財務諸表を基本財務諸表としている
開示体系の変更
従来のK-GAAPは、個別財務諸表を基本財務諸表としている。
連結対象従属企業の財務成果が合算されて主財務諸表として開示され、従来の個別財務諸表で営業
外収益として開示されていた子会社の実績が企業の営業損益に影響を及ぼすことになる。
2. IFRSとK-GAAP間の主な差異の発生原因(続き)
価値評価を強 る
資産・負債の評価方法の差異
IFRSでは公正価値評価を強調している。
従来のK-GAAPでは客観的評価が難しい場合には取得原価で評価するようになっている。
従来 歴史的原価 会計処理され た資産 負債項 対 価値評価が 能 なる と
従来の歴史的原価で会計処理されていた資産・負債項目に対して公正価値評価が可能になることで、
財務諸表上の企業の純資産価値が変動する。
3. 韓国のIFRS動向
適 が義務付 られ る 場会社 社 非 場会社 社 合計 社 ある
韓国国内の適用現況
適用が義務付けられているのは上場会社1,766社、非上場会社202社で合計1,968社である。
(2011年 5月末現在)
IFRS適用義務のない非上場法人のIFRS適用調査結果、対象8,812社のうち約10%(842社)が2011会計年度に
自律的にIFRS適用を決定し 約6%(523社)が適用如何を検討中であると把握されたことで 非上場法人の約
自律的にIFRS適用を決定し、約6%(523社)が適用如何を検討中であると把握されたことで、非上場法人の約
16%程度がIFRSを適用するものと予想される。
自発的適用決定事由:支配・従属会社間の会計基準の一致、上場推進、会計透明性の向上、企業イメージの
改善等。
改善等。
’11年から韓国の会計基準体系がK-GAAPからK-IFRS及び一般企業会計基準へ二元化され株券上場企業、
上場予定企業、非上場金融会社(貯蓄銀行、リース、新技術割賦金融会社等、一部除外)はK-IFRSを適用、そ
の他非上場外監企業は一般企業会計基準を適用。
2011年 適用が義務付けられた初年に上場企業はIFRSで作成された最初財務諸表を開示(’11 5月)
進行経過
2011年、適用が義務付けられた初年に上場企業はIFRSで作成された最初財務諸表を開示( 11.5月)
分析結果、企業の義務適用初年の第1四半期報告書は期限内の開示に焦点を合わせ、外形上は最低
限の開示要件は満たしていることが分かったが、会計情報利用者の立場で企業間、期間間の比較可能
性の低下等による多少の不便と初期の混乱が発生した
性の低下等による多少の不便と初期の混乱が発生した。
4. 日系韓国子会社に対するIFRS適用
日本の連結対象海外子会社に対するIFRS許容
海外子会社がIFRSを適用して営業権の償却等、J-GAAPとの主な6つの差異を反映する場合、当財務
諸表を認定する。
韓国国内の日系子会社の場合 相当数が連結目的によるIFRS i 効果を反映したパッケ ジ
韓国国内の日系子会社の場合、相当数が連結目的によるIFRS conversion効果を反映したパッケージ
形態の財務諸表を親会社に提出する形態を取っている。
日本親会社がIFRSを早期導入する場合 韓国子会社に対しIFRSを適用
自発的適用
日本親会社がIFRSを早期導入する場合、韓国子会社に対しIFRSを適用
- 連結実体間の会計方針の一致
* 早期導入事例
2010年3月:日本電波工業 三井住友ファイナンシャルグループ
2010年3月:日本電波工業、三井住友ファイナンシャルグループ
2011年3月:住友商事
2012年3月:日本板硝子、HOYA
韓国国内の会計・税務上の申告用及び親会社報告用帳簿の単一化
韓国国内の会計・税務上の申告用及び親会社報告用帳簿の単 化
5. 日系韓国子会社のIFRS調整事例
弊本部内で日系子会社のIFRS i を実際に行 た結果 主な差異のうち最も多く見られたもの
主要調整事項
弊本部内で日系子会社のIFRS conversionを実際に行った結果、主な差異のうち最も多く見られたもの
は従業員給与の確定給付債務の計上、長期勤続報酬及び未使用年次有給休暇に対する調整部分で
ある。親会社との会計方針の一致による減価償却方法、耐用年数の変更も大きな割合を占めている。
該当調整はIFRSの必須要求事項に合わせるための調整事項を反映したものと判断され 日本でIFRS
該当調整はIFRSの必須要求事項に合わせるための調整事項を反映したものと判断され、日本でIFRS
を実際に導入する場合は親会社の会計方針も変更する可能性があるため、会計方針の一致等、具体
的な要求事項に対応しなければならないものと予想される。
• 確定給付債務の計上
調整事例
• 未使用年次有給休暇に対する従業員給与の計上
• 長期勤続報酬に対する従業員給与の計上
• 減価償却方法及び耐用年数に対する変更
• 税法上の貸倒引当金を否認して個別損傷テストと集合損傷テストを実施
• 賃貸借保証金の現在価値評価
• 営業権償却の縮小
• 償還優先株の負債分類
• 債権割引時に借入取引として分類される場合の借入金再分類
整 繰 金 整等
• IFRS調整による繰延税金の再調整等
5. 日系韓国子会社のIFRS調整事例(続き)
法定退職金制度と確定給付債務の会計上概念の差異
法定退職金制度(IFRS未適用企業) IFRS上の確定給付債務
清算価値概念を採択する 予測単位積立方式の概念を採択して
保険数理的方法で測定する
1年未満の勤続者に対する退職給付債務を
認識しない
1年未満の勤続者に対する退職給付債務を
認識する
退職保険預け金や団体退職保険預け金の
測定基準に対する明文規定がない 社外積立資産は公正価値で測定
受取利息と特別配当金は別途の 社外積立資産の期待収益を
* 現行の企業会計基準とは異なり、確定給付債務(退職給付引当負債)金額は保険数理的仮定によ
営業外収益として処理する 退職給与(費用)から減算
る予測単位積立方式によって増減することがあり、社外積立資産の期待収益と実際収益の差異ま
たは確定給付債務を計算する際に使用する保険数理的仮定が変動する場合は保険数理的損益が
発生することになる。該当損益は当期損益として認識するかその他包括損益として認識した後、利
益剰余金に振り替える。
5. 日系韓国子会社のIFRS調整事例(続き)
確定給付債務の概念
確
確
定
給
付
債
債
務
入社 退社 年金開始
年金給与の現在価値割引
予測給与現価の勤務期間別割当
予測単位積立方式
5. 日系韓国子会社のIFRS調整事例(続き)
IFRS適用時に実務上イシューが発生する部分としては、従来のK-GAAPでは実務的に国内税務目的上
減価償却の変更
の償却方法と耐用年数を採択して使用するケースが多い。
IFRSの償却方法及び耐用年数は、資産に内在する将来の経済的効益の予想される消費形態及び使
用可能であると期待される期間または資産から得られると予想される生産量やこれと類似する単位数
定
量によって決定される。
仮に、別途の消費形態に対する根拠が明確でないとすれば、通常IFRSでは定額法を適用している。ま
た、別途の特別な理由がない場合には、連結実体間の減価償却の方法は一致しなければならない。
例えば、日本親会社と韓国子会社が類似する生産機能を行っている場合、親会社との償却方法、耐用
年数が異なったり親会社がIFRSを適用するようになることで従来の償却方法、耐用年数を変更すること
になる場合、子会社はこれによって従来の償却方法、耐用年数を変更しなければならないという問題が
発生する ともある
発生することもある。
実務的には未使用年次有給休暇に対する補償を期末時点に認識せず 現金で支給する時点に認識す
未使用年次有給休暇
実務的には未使用年次有給休暇に対する補償を期末時点に認識せず、現金で支給する時点に認識す
る。
IFRSの場合は該当未使用年次有給休暇に対する規定を明文化して従業員が将来の有給休暇権利を
増加させる勤務役務を提供する際に該当未払年次有給休暇手当を負債として認識する
増加させる勤務役務を提供する際に該当未払年次有給休暇手当を負債として認識する。
6. 日本のIFRS導入時に子会社に及ぼす影響
響
予想される影響
連結実体間の会計方針の一致
IFRS導入時に子会社が連結範囲に含まれる場合、基本的に子会社の会計方針を親会社と一致させな
予想される影響
導入時 子会社 連結範囲 含まれる場合、基本的 子会社 会計方針を親会社 致さ な
ければならないため、業務の負担が増加する可能性がある。
今後、連結グループ全体の適切な会計処理方針を設定するために各会社の会計処理の統一とこれに
よる内部統制及びシステムの全般的な再調整が必要となる。る 部統制及 シ テ 般 な再調整 必要 なる。
決算期の統一
IFRSの場合には基本的に親会社と会計期間を一致させるようにしているため、決算日を親会社と統一
させる状況が発生する。発 す 。
決算報告の早期化
韓国ではIFRS導入上場会社の場合、株主総会1週間前までに財務諸表を提出するようにし(過去は決
算日後120日以内)、連結財務諸表の作成期間が短縮された。表
日本の場合は決算早期化の動きに加えて連結範囲の拡大により、決算報告の早期化が加速するもの
と予想される。
6. 日本のIFRS導入時に子会社に及ぼす影響(続き)
予想される影響
新たな形式のリポーティングパッケージに対する対応
IFRSの場合は日本・韓国の従来の報告書に比べて相当量の注記事項が要求されるため現在とは変形
予想される影響
場合は 本 韓国 従来 報告書 比 相当量 注記事項 要求されるため現在 は変形
されたパッケージを送付することになると予想される。これに伴い、親会社から財務諸表に対する情報
要求量の拡大が予想される。
転換効果反映による損益変動/管理会計への影響
転換効果反映 る損 変動 管 会計 影響
転換効果反映によって損益の変動性を予測・管理する必要性があり、該当数値が経営、役員・職員の
評価等、成果評価に影響を及ぼす可能性がある。そのため、これら影響の事前分析の必要性が提起さ
れている。
IFRS導入に伴う教育
IFRS導入年度以前からIFRS財務諸表を準備できる力量を備えるため、役員・職員への教育の必要性
が提起されている。
1.導入の方向性
基本的な考え方
2010年までの動向
日本のIFRS導入はConvergence (収斂)からAdoption(採用)へ
2005.3 日本の企業会計委員会(ASBJ)と国際会計基準審議会(IASB)の共同プロジェクト開始
2007.8 ASBJとIASBが会計基準の全面共通化に合意(いわゆる東京合意)し、差異解消を開始。
2009.6 金融庁から「わが国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告案)の発表
2012年に最終的な強制適用時期の判断を行う旨が示され、導入時期は2015、2016年頃
2012年に最終的な強制適用時期の判断を行う旨が示され、導入時期は2015、2016年頃
2010.12 ASBJはIFRS財団が公表した「減価償却とIFRS」の日本語翻訳を公表。
長引く円高不況、東日本大震災の復興負担の発生!
2011.6 金融担当大臣がIFRSの強制適用時期について準備期間を5~7年程度設ける旨を表明
長引く円高不況、東日本大震災の復興負担の発生!
2011年以降の動向
2011.6 経団連がIFRSの適用に関して十分な準備期間が確保されなければならない旨の意見書を公表
現在では2017年、2018年頃が強制適用時期と予想されている。
参考 早期適用会社:日本電波工業、HOYA、日本板硝子、住友商事、三井住友FG
2.導入時の留意事項
原則主義の適用
•
規則主義から原則主義へ ⇒見積を含む会計上の判断が必要となるケースの増加
•
経済的実態に適合した会計処理の採用や連結グループでの会計方針の統一
•
IFRSでは親会社と子会社の決算日は同一でなければならない
•
親会社が3月決算 韓国子会社は12月決算というパターンの場合 実務上の検討課題
決算日の統一
連結範囲 拡大
事務負担の増大
親会社が3月決算、韓国子会社は12月決算というパターンの場合、実務上の検討課題
•
連結範囲の拡大
•
注記情報の拡大と決算早期化の流れ
連結グループでの会計方針の統一、決算日の統一、早期決算報告体制の整備などが連結子会社と
して求められる。