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あなたも行ける

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エセックス大学

ロースクール

エセックス大学

ロースクール

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ロースクール

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ロースクール推薦留学制度

ロースクール推薦留学制度

日弁連のロースクール推薦留学制度

 日弁連の公益活動に果たす役割は年々国際化しつつあ り、国際的課題に取り組むと同時に国内的課題について も国際的視点・基準からの検討が不可欠になっています。  公益活動に取り組み、あるいはこれから取り組もうと している会員の皆様の中には、海外に留学し、研究を深 めたいとの夢や希望を抱いている方もいらっしゃると思 います。公益活動には、人権擁護・消費者・環境・女性・ 障害者・司法制度・刑事司法・少年司法・情報公開・国 際人権等と社会との諸問題、国際司法支援等の国際協力 にかかわる課題等、弁護士会が取り組んでいる幅広い活 動を含み、過去に派遣された会員の研究テーマも下表の ように多岐にわたっています。  日弁連は1997年にニューヨーク大学ロースクール、1999年 にカリフォルニア大学バークレー校、2007年にイリノイ大学ロ ースクール、2011年にエセックス大学ロースクール(イギリス) との間で協定を結び、日弁連が推薦する弁護士を同大学でビジ ティングスカラー(客員研究員)またはロースクール(LLM) の学生として受け入れる制度を発足させました。客員研究員の 場合、単位にとらわれることなく自分の研究課題に関連する授 業を受けたり、図書館、コンピュータ等の大学施設を利用して 調査研究を深めることができます。LLMの場合、自らの研究の 傍ら、ロースクールの単位を取得することにより法学修士号を 取得することができます。 (注)現在、LLMでの受け入れはエセックス大学ロースクール(国 際人権コース)のみです。他の大学はいずれも客員研究員 としてのみの受け入れとなります。

あなたも是非この制度を利用して、留学の夢を実現させてみませんか?

日弁連から「情報発信型」の留学を!

 この留学制度では、留学先ロースクールの教授・学生と交流し、 日本の法的諸課題や弁護士の役割の紹介をする機会や、自分の 研究テーマについて発表する機会を得ることが可能です。日弁 連や所属弁護士会での会務の経験を生かした、「情報発信型」留 学であることが、この制度の大きな特色です。  留学に伴う会員の経済的負担を軽減するため、留学期間中に 会員資格を失わず、帰国後に報告書を提出し、「自由と正義」等 で研究成果を発表することを条件として、日弁連から留学生に 対して、原則として金100万円の活動支援費を支給します。

日弁連から100万円の支援費!

NYU 山田由紀子 「日米少年司法の比較法的研究」等 NYU 東岡弘高 「アメリカにおける環境法」等 NYU 森 雅子 「アメリカの消費者保護法制、経済犯罪収 益剥奪制度」 NYU 牛島聡美 「アメリカの環境犯罪と罰則、および法的規制」等 UCB 設楽あづさ 「アメリカの刑事司法手続き、少年司法手続き」等 NYU 三木俊博 「アメリカ法実務における消費者保護と投資者保護及 び公益弁護活動の実際」 UCB 本田正幸 「発展途上国への法整備支援、アメリカにお けるリーガル・クリニックの形態・実践」 NYU 三木俊博 期間延長 上記テーマ研究の継続 NYU 永井光弘 「アメリカにおける環境法制度の研究」等 NYU 木田秋津 「弁護士活動に活かす国際人権法規−児童の権 利条約を中心に−」 UCB 河津博史 「司法への市民参加、法廷弁護技術と事実認定 者の意思決定」 NYU 伊藤和子 「アメリカの陪審制度下での刑事司法制度 / 国 際人権法」 UCB 池永知樹 「刑事・少年司法改革、家族病理と法、公益弁 護活動、国際発展と法」 NYU 北村聡子 「アメリカ移民法、及び、移民保護のために法 律家・NGOが果たす役割」 UCB 井川真由美 「アメリカにおける組織犯罪対策・企業コンプライアンス」 NYU 佐熊真紀子 「女性の人権に関するアメリカにおける法的取組一般の調査」 UCB 松本三加 「アメリカにおける公的弁護制度の現状と課題∼司法 サービス偏在解消を中心に∼」 NYU 師岡康子 「外国人・マイノリティの子どもの学習権保障の日米比較」 UCB 湯原裕子 「取り調べの可視化を中心とする刑事弁護」 NYU 稲森幸一 「ヨーロッパ人権条約における人権と民主主義の関係、 ロークリニックの意義及び日本への導入可能性について」 UCB 牧田潤一朗 「情報公開制度及びプライバシー」 NYU 小原路絵 「アメリカにおける児童虐待防止に関する法制度」 UCB 小林陽子 「犯罪被害者保護のために弁護士の果たすべき役割」 イリノイ 藤井靖志 「リーガルクリニック、公設事務所を通じた司法アク セス」 NYU 梅田康宏 「企業内弁護士によるプロボノ活動のあり方」 UCB 中島千絵美 「非行少年の処遇と更生のあり方」 イリノイ 佐藤光子 「地球温暖化対策立法、諸制度について」 NYU 篠島正幸 「インターネットにおける消費者被害や不法行為の救 済を目的とする各種制度について」 UCB 國本依伸 「医療における子どもの人権」 UIUC 竹内千春 「アメリカにおけるハーグ条約実施に伴う法整備と現 在の課題」等

客員研究員派遣実績

※敬称略

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募 集 要 項

1.応募資格 ・面接時に日弁連会員であること(年齢不問)。但しエセックス大学ロースクールLLMコースの場合の み、3年間の実務経験が必要。 ・人権活動、公益活動を継続的に行っており、それに関連した研究テーマを有していること。 ・留学者が自分の研究テーマに関する知識、経験を深めるのみならず、これまで日本の弁護士として 経験した人権・公益活動について留学先で紹介し、交流を深める意欲のあること。 ・研究開始までに研究に足る英語力を準備すること(LLMの場合、学期開始までに大学側が指定する 点数を超えるTOEFL等の成績証明書を提出する必要あり) 2.応募人員   原則各大学1名 3.応募方法 ・ 詳細は、応募する年度の募集要項で確認のこと。 ・ 募集要項は、4月頃、日弁連ホームページ(http://www.nichibenren.or.jp/)等で公表する予定です。

ニューヨーク大学ロースクール(NYU)

○研修期間   毎年8月の秋学期から原則として1年間。 ○費用  NYUの客員研究員費用(年間7,500ドル※)、滞在費・渡航費は自己負担。  ※2012年4月現在。変更の可能性がありますので、応募の前に国際課にご確認願います。 ○待遇

  NYUロースクールの“U.S.-Asia Law Institute”に在籍し、 必要な講義・セミナーの聴講可(単位や LLM等資格の取得は不可)。学内施設利用可。個別の研究机が与えられる可能性あり。希望すれば研究 成果等の発表の可能性あり。

カリフォルニア大学バークレー校(UCB)

○研修期間  毎年8月の秋学期から原則として1年間。 ○費用  UCBの客員研究員費用(年間9,500ドル※)、滞在費・渡航費は自己負担。  ※2012年4月現在。変更の可能性がありますので、応募の前に国際課にご確認願います。 ○待遇

  UCBロースクールの“Sho Sato Program in Japanese and U.S. Law”に在籍し、必要な講義・ セミナーの受講可(単位やLLM等資格の取得は不可)。個別の研究用机が与えられる可能性あり。学内 施設利用可。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)

○研修期間  毎年8月の秋学期から原則として1年間。 ○費用  UIUCの客員研究員費用(年間10,000ドル※)、滞在費・渡航費は自己負担。  ※2012年4月現在。変更の可能性がありますので、応募の前に国際課にご確認願います。 ○待遇   UIUCに在籍し、必要な講義・セミナーの聴講可(単位やLLM等資格の取得は不可)。学内施設利用可。 個別の研究室が提供される可能性あり。

エセックス大学ロースクール

○研究・在籍期間  毎年10月の秋学期から原則として1年間 ○費用  LLMの場合:授業料10,950ポンド/客員研究員の場合:客員研究員費5,000ポンド   滞在費・渡航費は自己負担。  ※2012年4月現在、変更の可能性がありますので、応募の前に国際課にご確認願います。 ○入学要件(LLMの場合のみ)   通常のロースクール入学のための要件を満たす必要がありますが、日弁連の推薦を受けることで要件 が緩和されます。詳しくは国際課までお問い合わせください。 ○待遇   LLMの場合:エセックス大学ロースクール国際人権法コースに在籍し、必要な単位を取得し、LLMを 取得することが可能。学内施設利用可。   客員研究員の場合:エセックス大学ヒューマンライツセンターに在籍し、必要な講義・セミナーの聴 講可(単位やLLM等の取得は不可)。学内施設利用可。個別の研究机が与えられる可能性あり。

問い合わせ先

日本弁護士連合会企画部国際課

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2010年度派遣

梅田康宏さん

law.

index.htm

大学の特色

マンハッタンには多くの大学がありますが、中でもニュー ヨーク大学はコロンビア大学と並んで人気実力を二分する私 立総合大学です。コロンビア大学がアイビーリーグに所属す る伝統的エリート校であるのに対し、ニューヨーク大学は実 学を重んじ近代的教育をいち早く取り入れる校風を持ってい ます。東京の大学に例えるなら、コロンビア大学が東大でニ ューヨーク大学が慶応のイメージでしょうか。キャンパスに もその特徴が現れており、コロンビア大学がセントラルパー クの北に重厚で壮麗な建物で構成された広いキャンパスを有 しているのに対し、ニューヨーク大学はカフェやレストラン で賑わうグリニッジビレッジ地区に校舎が点在していて厳密 な意味でのキャンパスがありません。学生数43000人とい うマンモス大学であるにもかかわらずごみごみした感じはな く、大学と街との一体感がニューヨーク大学の特色です。 ニューヨーク大学ロースクールは2010年全米ロースクー ルランキングで第5位。3年間のJDコースに総数1500人、 主に留学生が参加する1年間のLLMコースに500人が在籍 する巨大ロースクールです。LLMの学生の出身は多様で、 アジア、ラテンアメリカ、ヨーロッパから満遍なく優秀な学 生が集まってきています。提供されるカリキュラムも多種多 様で、毎学期約500講座が用意されています。国際法、人 権法、租税法、エンターテイメント法などが特に有名ですが、 あらゆる分野の講座が提供されており、関心のある授業が必 ず見つかります。 ニューヨーク大学は何でも楽しもうという校風があり、大 学主催のイベントが数多く催されます。新入生歓迎パーティ ーに始まり、マンハッタンディナークルーズ、ハロウィン仮 装パーティー、サンクスギビングパーティーなどなど、それ も「豪華」といえる内容です。研究員もこれらのイベントに 学生と同じように参加することができます。 留学生同士の交流も盛んで、中国、台湾、韓国、タイなど のアジア諸国の学生と親しくなるケースが多いようです。日 本人についていえば、マンハッタンにあるニューヨーク大学、 コロンビア大学、フォーダム大学の3つの大学のロースクー ルの留学生や研究員によって名簿やメーリングリストを作成 し、情報交換や交流が図られています。

研究環境と授業

日弁連から派遣された研究員は、ロースクールに付属する アメリカアジア法研究所(U.S.- Asia Law Institute)に 所属することになります。同研究所はロースクールの校舎に 隣接するウィルフ館(Wilf Hall)の5階にオフィスを構え ており、研究員にはパーティションで仕切られた研究スペー スが与えられます(要確認)。オフィスは2010年夏に完成 した最新式です。ここのオフィスにあるコピー、ファックス、 パソコンなどの各種設備を自由に使用できるほか、教授によ る研究のサポート、図書館への自由なアクセス、自由な授業 への参加など充実した研究環境が提供されます。授業への参 加には特別な手続きは不要で、興味のある授業の担当教授に メールを送るか、直接最初の授業に参加して教授に許諾を得 るだけで基本的に聴講が認められます。 アメリカアジア法研究所は主に中国における司法制度の改 善拡充の支援活動に力を入れており、所属する研究員のほか に、中国の研究者、台湾の検察官や裁判官などが滞在してい ます。ここでの同僚たちとの日々の会話や議論は本当に得が たいもので、彼らとの友人関係は一生続く宝物だと思ってい ます。研究所自体は各種調査研究や出版活動のほか、実際に 中国に人を派遣して現地での司法インフラ改善に向けた活動 なども行っています。また、研究所による学内向けの活動と しては毎週木曜日開催のランチミーティングが上げられま す。これは、ゲストスピーカーを招いて主に中国における近 時の司法制度について議論をするものです。ゲストは多彩で、 現役の中国最高裁判所判事という回もありました。ランチを 取りながらのミーティングはテーマは深刻でも雰囲気はとて も和やかで、活発な意見交換が行われています。ここには研 究所の所員や参加を認められた学生のほか、ニューヨーク大 学や周辺の大学の学者などが参加しています。私の専門では ありませんが、ここで得た中国や周辺国の司法制度や司法イ ンフラに関する情報や知識は膨大で必ず今後の私のキャリア の中で生かされているものと思っています。

ニューヨークという街

ニューヨークは世界中の人、物、金が集まってくる街です。 リーマンショック以降もその活気がなくなることはありませ ん。近年は治安もよく、深夜1人で地下鉄に乗っても基本的 に心配ありません。オペラ、ジャズ、ミュージカル、バレイ、 クラシック、美術館、各種プロスポーツ、ショッピング、セ ントラルパークなど各種アミューズメントの豊富さは今更説 明するまでもありません。大学から徒歩圏内のイーストビレ ッジ地区には日本人の経営するお店が多く、手に入らない日 本食材や食べられない日本食はほとんど無いように思いま す。マンハッタンは家賃が高いのが難点ですが、節約したけ ればニュージャージーやクイーンズ地区に住むこともできま すし、お金があるならせっかくの機会ですからマンハッタン の夜景を一望できる高層マンションに住むのも良いのでしょ う。東京を心地よいと感じる人にとって、ニューヨークは滞 在先として最初の選択肢になるように思います。 研究員の視点で見てもニューヨークはフィールドワークに うってつけの場所です。国連やNGOの本部が多くあります し、大企業の本社も集中しています。私の研究テーマは企業 内弁護士によるプロボノ活動のあり方ですので滞在中多くの 企業や団体を訪問しましたが、ニューヨークでなければ効率 的に訪問することは難しかったと思います。ワシントンDC も列車で最速2時間50分とアクセスが良く、連邦政府や DCを拠点とする団体の訪問や、催し物への参加にも便利で す。私は授業の合間を縫って2011年3月にDCで開かれた 企業内弁護士のプロボノ活動に関する年次シンポジウムに参 加してきましたが、こうしたことができるのもニューヨーク のロケーションによるところが大きいと思います。

あなたもニューヨーク大学へ

日々の弁護士業務を一時中断して、このように充実した生 活環境と研究環境 の整ったニューヨ ーク大学で充実し た1年を過ごして みるのも良いので は な い で し ょ う か。必ず得がたい 経験を得られるも のと思います。

(5)

2011年度派遣 

篠島正幸さん

NYUの紹介 NYUは1831年に設立された伝統ある私立総合大学で、全米の中でも人気のある大学の 一つと言われています。その人気の秘訣は、伝統、充実した施設と教授陣やカリキュラム、 それらに裏打ちされた実績にあることは当然ですが、加えて、その恵まれた立地条件にも あるでしょう。 NYUのキャンパスはマンハッタンでも若者に人気のダウンタウン、グリニッジビレッジ地区に所在しています。学 園都市のような広大な敷地こそありませんが、カフェやレストラン、店舗やオフィスなどが密集する市街地の中に、 いろいろな学部のキャンパスビルがいくつも点在し、大学が街全体と一体化しています。お洒落の街として知られる ソーホーが近くにあり、いつも若者の活気に溢れています。 NYUロースクールの様子

そんな中、NYUロースクール(NYU School of Law)は、大学施設のまさに中心に位置しています。ロースクー ルの建物は、ワシントン・スクエア・パークの南側に集中しており、ビルの林立するマンハッタンにあっても、校舎 から出ると樹木と空の安らぎを得ることができます。公園は、昼間には散歩する人々はもちろんのこと、ギターやド ラム、果てはグランドピアノを持ち込んで演奏をするミュージシャンが居たりして、活気に溢れています。ニューヨ ークは芸術の街でもあるのです。研究に疲れた時に公園を散歩でひと歩きすると、気分が一新します。 立地もさることながら、NYUのロースクールは、名実ともに全米トップレベルと評価されています。ビジネスロー は当然のこと、憲法、刑事法、環境法、国際法など、様々な分野にわたる研究が行われており、教授陣も充実してい ます。私の研究対象分野でも、NYUの大学論叢であるNYUローレビューに掲載された論文が、学生が使用するテキ ストに多数引用されています。 校舎の多くは、他のマンハッタンの建物と同様、趣深い内外装が保存されているのですが、その内部に近代的な地 下深くまで図書館が広がっているのは圧巻で、研究環境の素晴らしさを象徴する風景です。もっとも、大学内には LANネットワークが整備されており、文献や判例調査用のデータベースも無償で利用できるため、私自身は図書館を ほとんど利用しないのですが。 大学内LANネットワークは、自分が受講しているコースや講義に関する情報を提供するためだけでなく、学生間の 交流や学校内のイベントを紹介するためにも活用されています。季節のイベント紹介から、ミュージカルのチケット の予約まで、研究以外の学生生活全般をサポートしてくれます。 留学生としての活動

日弁連から推薦された我々客員研究員(Visitor Scholar)はU.S. Asian Law Instituteという研究所に所属する ことになります。研究所は大学の本庁舎ともいえる建物に隣接しており、大学のイベントにはすぐ参加できます。 この研究所は、日本法に詳しく、我々の受入担当となっておられるアップハム(Frank K. Upham)教授と、中国 法の権威であるコーエン(Jerome A. Cohen)教授が共同所長(Co-Director)となっています。中国を中心とし た東アジアの法律問題(特に人権問題)を研究する研究者が、米国のみならず世界中から集まっていますが、同時に、 我々と同様、東アジアから米国法を学びに来た研究者も所属しており、両者の情報交換の場所にもなっています。他 の研究員と話をすると、他国ではすでに日本法が驚くほど分析・研究されていることが分かります。日本の立法の立 ち遅れを感じることもしばしばです。 アジアから来ている研究員には実務家も多く、それぞれの国における制度や法律問題などについても、共に実務家 という視点から情報交換ができます。私にとっては非常に貴重な体験です。 我々は研究員ですから、基本的に活動に制約はなく、単位を取得する義務もありません。ですから、研究の具体的 活動は自分で決めることになります。研究対象がクラスアクション制度とインターネット・プライバシー関係法であ る私は、まずは大学のサイトから該当しそうな講義やイベントをピックアップしてアップハム教授に相談し、適切な 講義を選択して受講しました。講義を理解するのはもちろん大変ですが、アップハム教授だけでなく、紹介していた だいた他の教授陣も非常に親切にしてくださいました。講義を受講するだけでなく、研究所が主催するランチョンな どにも参加し、様々な学者のお話なども楽しく聞いています。 NYでの生活 ニューヨークは経済、そして文化の中心です。本場のオペラや ミュージカルも身近に見ることができ、美術館・博物館の多さも 世界有数を誇ります。世界中の誰もが憧れる街ですから、物価は 高く、居住費も高額ですが、それを補って余りある豊かな生活を 送ることができると思います。 そして、人種の坩堝であるマンハッタンは、社会の縮図です。 散策するだけで、この国の立法史を想像できる場面に出くわすこ ともあります。そのような体験をすることも、NYUにおける研 究は法律に関する知見を広げ、日本の司法により一層の貢献をす る一助となると思います。 是非とも本制度を活用し、NYUで同じ風を感じていただけれ ばと思います。

(6)

2010年度派遣

中島千絵美さん

law.

アメリカにおける非行少年の処遇状況、主として、修 復的司法の実践について学びたいと考え、2010年8 月、客員研究員として、カリフォルニア大学バークレー 校のロースクールに留学しました。 学生ではなく、客員研究員ということで、多少の不便 を感じたこともありましたが、研究活動を行う上での支 障は特になく、様々な経験をすることができました。

研究環境などについて

・学内での研究について 客員研究員は、教授の許可を得れば授業を聴講するこ とができますし、図書館やlexisなどの利用も可能です。 私は、修復的司法を研究テーマにしていたため、修復的 司法(Restorative justice)のクラスを聴講しました。 授業は少人数制で、生徒のプレゼンとディスカッション で構成され、毎回、膨大な量のリーディングの宿題が出 されました。 そのため、予習も含め、授業についていくのはかなり 大変でしたが、修復司法プログラムの実施に携わってい る様々なゲストスピーカーの話を聞くことができ、とて も有意義なものでした。また、ロースクールで修復的司 法を扱っていた授業はこの1クラスだけでしたが、他学 部の授業でも修復的司法をテーマとして取り上げていた ものがあったので、その教授の許可を得て、授業を聴講 させてもらいました。他にも、学生グループが修復的司 法に関する活動を行っており、講演会なども主催してい たため、その活動や講演会に参加したりもしました。こ れらの活動を通じて、修復司法プログラムを実施してい る私的団体等の存在を知ることができ、学外の研究活動 につなげることができました。 ・学外での活動について 授業や講演会への出席等によって得た情報を基に、ロ ースクールの客員研究員ということで、サンフランシス コで修復司法プログラムを実施している団体のミーティ ングやバークレー市主催のフォーラム等に参加しまし た。また、バークレー市内で活動している同種団体の主 催者や、少年事件を対象にファミリーグループカンファ レンスを行っている団体のメンバー、中学、高校等にお ける修復司法プログラムのサポート組織のメンバーなど に、活動内容やボランティアのトレーニングに関するイ ンタビューを行いました。さらに、現地裁判事(元少年 裁判所(総括)判事)を中心とする、少年事件を対象と した修復司法の実践及びそのためのネットワーク作りを 目的としたタスクフォースの定期ミーティングにも参加 することができましたが、この活動は、少年裁判所、検 察官、警察官、保護観察官、学校関係者、福祉関係者な ど、少年(子供)に関わる全ての団体や組織のメンバー が集まり、修復的司法の実施に向けた話し合いを行うも ので、その取り組み自体に大変刺激を受けました。 以上のほかにも、ティーンコートの裁判傍聴等を行っ たりしましたが、これらの学外活動を通じて、授業では 得られない実務的な知識を得ることができ、また現状を 把握することができたため、非常に勉強になりました。

その他の活動について

バークレーでの研究開始前に、アメリカの法制度に関 する基礎的な知識を得たいと考え、カリフォルニア大学 デービス校のサマープログラムに参加しました。そこで は、アメリカの刑務所や拘置所、裁判所などを見学する ことができ、とても貴重な体験になりました。 さらに、日弁連のメンバーとして、国連の女性の地位 委員会にも参加させていただくことができましたが、世 界の女性たちのパワーを目の当たりにするとともに、新 たな分野の知識を得ることもできました。この委員会へ の参加は色々な面でとても勉強になりましたので、この ような機会を与えていただいたことについては、本当に 感謝しています。

現地の生活環境について

カリフォルニア大学バークレー校があるバークレー市 は、サンフランシスコから地下鉄で約30分ほどのとこ ろにあります。バークレー及びその近郊は、車がなくて も、バスや地下鉄などでかなり広範囲に移動することが でき、生活しやすく、学外の研究活動にも支障はありま せんでした。また、気候的にもとても住みやすいところ です。日本人学生や研究者も多く、ビジネススクールの 学生を中心としたネットワークもあるので、初めてのア メリカ生活でも特に心配することはないと思います。

終わりに

留学を通じて、様々なことを学び、体験することがで きました。留学したことに よって得られた貴重なもの です。必ずしも法律や弁護 士業務に関係するものばか りではありませんが、その 全てが色々な形で今後の業 務に役に立つものと思いま す。留学を通して、世界を 知り、また日本を知ること ができると思います。多く の方に、この留学制度を利 用していただければと思い ます。

(7)

2011年度派遣 

國本依伸さん

留学の動機 私は「医療を受ける子どもの人権」を研究するために、カリフォルニア大学バーク レー校(以下、UCバークレーといいます。)に留学しています。 日本の医療機関において子どもたちが必要以上の苦痛と我慢を強いられているという 問題意識から、大阪弁護士会の仲間たちと調査・研究をしてきました。その過程で、アメリ カにおいて日本と比べると極めて先進的な取り組みが医療現場においてなされていることを知るに至り、当 該制度による米国留学を希望しました。 UCバークレーを希望したのは、バークレーの隣市であるオークランドにこの分野での先進的な取り組み をしているChildren's Hospital & Research Center OaklandおよびMills Collegeがあったためです。

バークレーとイーストベイエリア UCバークレー自体ものすごく留学生・外国人の多い大学ですが、イーストベイエリアと呼ばれるここサ ンフランシスコの対岸地域一帯が、移民・外国人のたくさん住む地域となっています。そのためか、誰もが みな外国人に対して親切で寛容です。英語が不得手な人と話すことに慣れている人が多く、その点では非常 に助かっています。 この地域の街の構造は、基本的に自動車での移動を想定しています。しかしバスや電車などの公共交通機 関もそれなりに発達していますし、いずれにも自転車ごと乗ることが可能です。そのため、私は4歳の娘と 妻と3人で暮らしていますが、車を持っていなくてもそれほど不便は感じていません。むしろ子連れで街を 歩いたりバスに乗ったりすると、いろんな人から声をかけられ、新しい友人を得られるという楽しみもあり ます。また周囲の人たちはみな、私たち家族が車を持っていないことを知っているため、どうしても車が必 要なときは必ず誰かが助けてくれています。 この開放性には,研究面でも助けられています。最初にこちらの病院に訪問とインタビューを申し込んだ 際には、何のツテもなくいきなり電話をかけたのでかなり緊張しましたが、相手はあっさりと受け入れてく れました。その後、様々な医療機関、公的機関、研究者などに訪問を申し入れましたが、みな一様にフラン クかつ熱心に私の研究を助けてくれようとしてくれます。 研究環境 外国人留学生に開放的で寛容なのは、地域だけではありません。もちろんUCバークレー内でもその傾向 は一貫しています。 授業の聴講は、ロースクール以外の学部の講義も含め、担当教員の了解さえもらえば自由に出来ます。一 般的に教員の方々も開放的なので、特殊なクリニックを除き、私自身は聴講を断られたことはありません。 そして、私が聴講した講義はいずれも大変面白く、アメリカの大学の力強さを思い知らされるものばかりで した。 また、講義を担当されていない先生方にも個別に時間をとっていただき、研究の相談にのっていただいた りもしています。 私たち日弁連からの客員研究員は、希望すればブースを与えられます。そこではプリンターも自由に使え ます。学内にある全ての図書館および大学が契約している様々なデータベースサービスを使用することも可 能で、極めて恵まれた研究環境にあると思います。 英語学習 夏期休暇期間中には、UCバークレー内で英語学習者・外国人向けのサマーセッションプログラムが多数 開講されます。通常セメスター開講後も、インターナショナルオフィスが留学生向けに様々な英語学習プロ グラムを比較的安価な金額で提供しています。またキャンパス内には、English Study Instituteという常 設の英語学習機関もあり、プログラムによっては、客員留学生は割引価格で受講することも可能です。 私自身は現在、バークレーYWCAのランゲージパートナー紹介システムとバークレー市営Adult School のESLクラスを利用しています。後者のESLクラスは半年で授業料45ドル(2011年度)と格安ながら授 業内容は民間の英語学校に劣るところはなく、UCバークレーの客員研究員やポスドク、政情不安定な母国 から逃げてきた人、子育てが一段落したので英語の読み書きを習いに来た人、仕事を求めてカリフォルニア に渡ってきた人などなど、文字通り世界中から集まってきた様々 な人が利用しています。 さいごに ここUCバークレーで研究生活を送れることの素晴らしさはたく さんありすぎて、それを簡潔に表現するのは正直難しいところが あります。あえて試みるならば、素晴らしい大学設備・教員・学 生 に 囲 ま れ て 学 問 的 刺 激 を 受 け つ つ 、 イ ー ス ト ベ イ エ リ ア の Diversity(多様性)を肌で感じながら、研究者に対するアメリカ の開放性と寛容さを実感できるこの経験は、日本の法律実務家に とって何物にも代え難い経験になると思いますし、僕自身そのよ うにしなければならないと考えています。

(8)

2010年度派遣

佐藤光子さん

イリノイ大学

アーバナ・シャンペーン校

http://www.law.illinois.edu/

イリノイ大学について

イリノイ大学ロースクールのあるシャンペーン市 は、アメリカ中西部に位置し、アメリカ第3の都市で あるシカゴから自動車で約3時間半、飛行機で約1時 間の場所に位置します。広大なキャンパスに各学部や 大学関係施設が点在し、緑豊かできれいなキャンパス です。

大学での研究について

客員研究員は、共同研究室内に専用の机、固定電話、 ロッカーが貸与され、学内ではどこでも無線LANの 使用ができました。共同研究室では、各国から来た客 員研究員学内の情報を交換したり、意見交換をするな ど、貴重な経験ができました。 客員研究員には、特に指導教授がいるわけではない ので、研究内容は自分で組み立てますが、必要に応じ て教授にアポイントを取れば、快く応じてくれます。 ロースクールでは、8月にLLMの学生向けの2∼3 週間にわたる導入コースを設けており、ロースクール 内の施設(図書館など)の利用方法のガイダンス、契 約法、不法行為法などのミニ講義、リーガルリサーチ ライティングの仕方の少人数ゼミ、裁判官や各界で活 躍する卒業生をゲストとして招いてのランチ、裁判所 見学などが盛り込まれています。客員研究員も、有料 ですが参加可能とのことでしたので、参加しました。 これを受けることによりスムーズにロースクールにな じむことができましたし、LLMの学生や、卒業生の チューターとも早めに知り合いになることができ、そ の後の研究生活を進める上で大変有意義でしたので、 UIUCに留学される方は、是非参加されることをお勧 めします。 授業については、学期ごとに事前に許可を得て聴講 することができます。私は研究テーマが環境法関係だ ったため、国際環境法、環境政策、再生可能エネルギ ー法、国際人権法などを聴講しました。授業は、教科 書を読んでいることを前提に、学生が議論をするとい った形式のものもあり、リスニングが大変でしたが、 親しくなったアメリカ人の学生からノートを借りるな どして理解に努めました。ランチタイムを利用しての、 さまざまな分野のゲストスピーカーによる講演も頻繁 に行われ、また見解の違う教授同士の白熱した討論会 などもあり、自分の研究テーマとは違うものにも積極 的に参加しました。学内のカンファレンスにも参加し、 再生可能エネルギー専門の弁護士と知り合いになり、 その後、事務所を訪問させていただき、いまでもメー ルをやりとりするなど親交を持っています。 学外の調査では、ロースクールの客員研究員である ということで、どこでも大変丁寧に対応していただき ました。例えば、隣州であるインディアナ州の気候変 動センターの訪問の際は、理事の方に直接インタビュ ーをすることができましたし、再生可能エネルギー関 係の研究施設の方々にも時間をとっていただき、施設 や研究内容の詳しい説明を受けることができました。 また、日弁連のメンバーとして、ニューヨークで国連 の女性の地位委員会の国際会議や、世界中から集まっ たNGOのサイドイベントに参加するという貴重な経 験も得ることができました。

英語について

英語力は、渡米前にレベルを上げるにこしたことは ありませんが、大学構内にはYMCAの主催の英会話 教室があり、また地域の無料英会話教室もありますし、 大学で格安の個人チューターを紹介してもらうことも できますので、渡米後に引き続き研究と並行して英語 力アップも出来ます。私もそのような機会を利用し、

(9)

イリノイ大学ロースクールと

学園都市シャンペーン・アーバナ

イリノイ大学ロースクール非常勤教授、LL.M卒業生 

矢部耕三さん

イリノイ大学は、シカゴ、スプリングフィールドにもキャンパスを持つ大規模州立大学ですが、同州 中部の双子町シャンペーンとアーバナがその発祥地であり(大学本部がアーバナ側にあるため学校名で はアーバナが先になります)中核となるキャンパスもこの町にまたがってあります。カリフォルニア大 学などと並ぶ全米でも最古参の州立大学であり、多くのノーベル賞やピューリツァー賞受賞者を輩出し、 我々の生活に欠かせないインターネットなどの科学技術の発展にも寄与してきました。 イリノイ大ロースクールは、19世紀半ばの草創期より黒人、アジア系、女性を学生として積極的に 受け入れてきている米国公立ロースクール・トップ10の一角をなし、教員・研究者と学生の距離が近 い学校として知られています。伝統的に比較法研究にも熱心で、国際研究・学生担当室が受入元となっ て、外国人に対しても寛容な学校運営がなされています。日本人も、1960年代から100名以上の弁 護士・企業法務部員、最高裁・法務省派遣の判事補・検事が学んできています。 客員研究員には指導教授という形での特定の指導者がつくことはありませんが、教学担当副校長との 協議により、関心のある科目の教授とのコーディネーションも可能です。研究室やデスクの使用、教員 専用や貴重図書の部屋の使用も許されます。本校の法律図書館は、大学図書館としては世界第三位の蔵 書数を誇るイリノイ大学図書館システムの一部となっており、日本関係の英文・和文の主要な図書・雑 誌もあります。 憲法、刑事法、租税法、破産法、民事訴訟法、労働法や労働仲裁、国際公法、法哲学や法曹倫理など が伝統的に強い分野ですが、環境法、高齢者法、会社法、知的財産法、国際民事訴訟、独占禁止法など にも近年気鋭の教授を揃えてきています。 シャンペーンとアーバナはあわせて人口15万人程のイリノイ州農業地帯にある学園町です。町の周 辺には大学と連携した研究機関・企業、地元住民のための大型ショッピングモールなどが点在します。 大都会のようなきらびやかさはありませんが、米国のハートランドにおける豊かで穏やかな生活環境を 実感できるところです。ご家族連れでの留学ということを考えられるのであれば、恵まれた環境である と言ってよいでしょう。文化的行事、スポーツ、エンターテインメントでも地域の中核をなす町です。 最近はアジア系レストランや各種ショップもブームですし、イリノイ大学日本人会という互助組織もあ ります。 シカゴ、デトロイト、ダラスへは航空便があり、日本からいかれる場合には、これらの都市から乗り 継ぐことになります。シカゴ、セントルイス、インディアナポリスへは鉄道や車での移動も可能です。 いずれに向けても定期バス路線があります。 英語力アップとともに、ロースクール以外の留学生と 交流を持ったり、ハロウィーンなどのイベントにも積 極的に参加しました。

生活環境

シャンペーン市は、治安もよく、とても生活がしや すい場所です。コンサートホール、図書館といった文 化施設や、大型ショッピングモール、各種レストラン など商業施設もひととおり揃っているため、特に不自 由を感じることはありませんでした。アジア人留学生 も多いため、米やアジア食材を置いているスーパーが 複数あり、和食の食材に困ることはありません。週末 にシカゴまで行けば、日本の大型スーパーがあり、食 品のみならず、常備薬、化粧品、雑貨、書籍など日本 製のものが手に入ります。スポーツをしたければ、大 学のスポーツジムや、スケート場が格安で利用できま す。市内には、全米ベスト100に入る公共図書館が あり、明るく近代的で、CD、DVDコーナーや子供向 けコーナーも充実しています。 中西部は、比較的物価が安く、アメリカ的な広い部 屋やプールつきのアパートなどに住むこともできま す。部屋が広いため、各自が料理を持ち寄ってのポッ トラックパーティーとよばれるホームパーティーもよ く行われています。夏にはアパートの庭でバーベキュ ーを楽しむ姿もよく見られました。まさにアメリカ的 な生活を体験できます。

終わりに

以上のように、研究する上での環境としても、アメ リカンライフを堪能する場所としてもUIUCはお勧め です。

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エセックス大学ロースクール

LLM国際人権法コース卒業生

芝池俊輝さん

エセックス大学

ロースクール

http://www.essex.ac.uk/law/

http://www.essex.ac.uk/human_rights_centre/

私は、2007年10月から1年間、エセックス大学LLM (国際人権法専攻)に留学しました。2002年に弁護士登 録した後、日弁連国際人権問題委員会の委員や、国際人権 NGOヒューマンライツ・ナウの事務局スタッフとして国 内外の様々な人権課題に取り組む中で、国際人権法に関す る専門的な知識とスキルを身につけたいと考えたのが留学 の動機です。 エセックス大学は、世界で最も古くに国際人権法のコー スが設立された大学として知られており、現在では、世界 各国から、研究者だけでなく、弁護士、NGO関係者、国 際機関の職員といった多くの実務家が最先端の国際人権法 を学ぶために集まって来ています。教授陣は、バリスター (法廷弁護士)としてヨーロッパ人権裁判所で活躍するほ か、国連の自由権規約委員会委員、社会権規約委員会委員、 拷問禁止や健康に対する権利などの国連特別報告者、国際 NGOの法律顧問などを務めた経験を持つ方ばかりで構成 されています。そのため、国際人権のコミュニティにおい て、エセックスの人脈は圧倒的な力を持っています(「エ セックスマフィア」と呼ばれています。)。 LLMの国際人権法コースでは、国際人権法の基礎理論 を習得することを目的とした必修のジェネラルセミナー (通年)と選択科目4つを履修し、修士論文を提出するこ とによって学位を取得することができます。ジェネラルセ ミナーでは、差別の禁止、表現の自由、労働者の権利など の身近なものから、拷問、恣意的拘禁および強制的失踪、 非合法的殺害と生命に対する権利といった日本人には比較 的馴染みの薄いテーマまで広く扱われます。クラスメート の多くが人権水準の低い国で活動する弁護士や活動家とい うこともあって、(国家による組織的な)拷問・失踪・殺 害といった話になると、それぞれの国の状況をめぐって白 熱した議論が繰り広げられていました(私は蚊帳の外)。 選択科目には、国際人道法、国際刑事法、国際平和協力法、 経済的・社会的及び文化的権利(社会権)、難民法、子ど もの権利(国際家族法)、女性の権利、ヨーロッパ人権条 約、マイノリティの保護、開発と人権、ビジネスと人権、 環境法、移行期司法などといった国際人権法に関係するテ ーマが網羅的に取り揃えられており、よりどりみどりです。 私は、発展途上国の人権問題、平和構築、国際家族法の分 野に関心があったことから、開発と人権、社会権、国際刑 事法、子どもの権利を選択しました。選択科目の授業は少 人数のゼミ形式で行われ、膨大なリーディングリストとヨ ーロッパ人権裁判所の判決や規約人権委員会の見解を予習 して臨みます。授業の中で頻繁に取り上げられるヨーロッ パ人権裁判所の判決の人権水準の高さは目を見張るものが あり、中でも、家族法と子どもの権利に関する判例の動き については、日本の実務とのギャップを感じざるを得ませ んでした。 また、国際人権法コースでは、理論と実務の融合を目指 していることもあって、月に1回、ロールプレー演習が行 われます。模擬裁判の国際会議版のようなイメージで、た とえば、「ある国において、分離・独立紛争にともない、 政府軍によって独立支持者に対する拷問や殺害が行われ、 多数の難民が発生した」というシナリオの下、国連人権理 事会の特別会合で、政府関係者、NGO、国連人権高等弁 務官、国連難民高等弁務官といった役割に分かれて決議案 の採択に向けて議論をしたことがありました。演習の中で は、国際法上の論点だけでなく、国際会議におけるプレゼ ンテーション・ネゴシエーションの方法から国連文書の作 成方法まで学ぶことができ、極めて実践的なものでした。 アメリカのLLMとは違って履修科目が少なく、また、 司法試験を受験するわけでもないため(イギリスでは、 LLMの単位を取得しても受験資格は与えられません。)、 比較的時間に余裕があります。もちろん、基本的には週の ほとんどを図書館で過ごすわけですが、それでも、家族連 れ留学であった私にとっては、毎日、夕方には自宅に戻っ て子どもとたっぷり時間を過ごすことができる夢のような 生活でした。また、休みのたびにロンドンまで買い物に出 かけ、長期休暇には、ドイツやデンマークに足を運んでリ フレッシュをすることもできました。 最後に、これからエセックスに留学される方にアドバイ スを一つだけ。授業についていくためには(留学生活を楽 しむためには)、相当の語学力が必要です。アメリカ英語 に慣れた日本人にとって、(訛った)イギリス英語のリス ニングは大変苦労します。ようやく慣れたと思ったら、教 授とクラスメートがフランス語やスペイン語で話し始めた りもします(そうなると、もはやお手上げです。)。日本を 離れる前に、ポッドキャストでBBCの番組を聴くなどし て、最低限、イギリス英語に耳を慣らしておくことをおす すめします。 日本の弁護士にエセックスマフィアが増えることを心か ら期待しています。

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エセックス大学ロースクール人権センター研究員 

藤田早苗さん

エセックス大学人権センターからのメッセージ 私は2001年にエセックス大学でLLMを卒業した後、同大学ロースクールの博士 課程に進み研究を中心とした生活を送りましたが、それは客員研究員の経験と共通部 分は多いと思います。私は弁護士ではありませんが、エセックス大学人権センターに身 を置くものとして、同大学の魅力について簡単にご紹介したいと思います。 エセックス大学は138カ国からの留学生が学ぶ非常に国際色豊かな大学です。また、その人権 センターは1983年に当時の法学部に設立され、世界でも最も歴史のある人権センターの一つとして知られ ています。以来、そのプログラムにより指導を受けた卒業生は1500人以上にのぼり(出身は100カ国以上)、 多くが国連や欧州議会などの国際機関やアムネスティ・インターナショナルやHuman Rights Watchなど の国際NGOまた、ボスニア、コソボ、ネパール、スーダンなど内戦後の地域で活躍しています。そのため エセックス大学人権センターは、2009年にはその国際人権の法的かつより広範な実践を推進する先駆的な 役割を評価され、人権分野で初めてクイーンズ・アニバーサリー・プライズを授与されました。また研究に も力を入れており、健康への権利、拷問の禁止、宗教の自由、紛争における子ども、少数民族、人権と海外 投資の関係、などに関して幅広い分野のプロジェクトがニーズ応じて作られ、実務と研究の融合を行ってき ました。また、学外から専門家を招待してさまざまなシンポジウムや講演会も企画してきました。 センターは人権の教育・研究について、法学に限らず政治学、社会学、哲学など、人権にかかわる幅広い 分野から学際的に取り組んでいます。そしてそれらの分野で人権に関する研究を進める博士課程の院生のた めに、学部間の枠を超えて意見交換し議論する場として、Doctoral Affiliates Networkが設けられていま す。客員研究員の方もそこで自分の研究を発表し議論をすることで、さらに理解を深める機会があります。 さらにセンターが出版するEssex Human Rights Reviewに投稿する機会もあります。

博士課程の人も研究員の人も、LLMその他の授業は許可を得て自由に聴講することができますが、その選 択科目は多岐にわたっており、それぞれの分野に実際に関わってきた先生方の話を聞くことができます。私 は論文執筆の傍ら毎年授業を聴講することで、アップデートされた最新の情報を得ることができましたし、 世界各国からきている修士課程の人たちとも知り合う機会がありました。彼らの中には国連などの国際機関 やNGOで働いていた人も多く、興味深い経験を聞くことができました。 課題が決まっているLLMとは違い、研究員や博士課程においては、自主的に行動し研究を進めていくこと が必要です。積極的に先生方にコンタクトし質問や議論をすることで、自分の研究テーマをより深めること ができます。また、エセックスの先生方には国連やヨーロッパ人権裁判所に関わっておられる方も多く、彼 らの学外での活動から学ぶ機会もあると思います。私の指導教官は6年間、健康への権利に関する国連特別 報告者をされていましたが、私も国連人権理事会への報告やNGOまたは政府との議論の場に参加させても らい、そこで人脈を広げ、自分の研究に必要な情報を得る機会に多く恵まれました。また、LLMやMAの院 生のために人権センターが企画するものに、ジュネーブの国連機関やストラスブールのヨーロッパ人権裁判 所などの国際人権機関をまわるツアーなどがありますが、希望すれば研究員の人も参加できます。 エセックス大学のあるコルチェスターはロンドンの通勤圏でもあるので、ロンドンでのセミナーや講演会 などにも参加しやすいという利点があります。私は他大学の研究会や、実務家、学者、活動家などが一緒に 意見交換する企画に何度か日帰りで参加し、刺激を受けて帰ってきました。一方キャンパスは自然が豊かで、 二つの大きな池には白鳥や鴨がたくさんおり、いたるところでウサギも走り回っています。春先は水仙の花 が咲き乱れ、赤ちゃんウサギがお目見えする、という感じです。また大学からは近くの村に続くfootpath (小道)もあり、気持ちのいい散歩道になっています。私は研究で思考が行き詰ったようなときに、よくこ ういうところを散歩してリフレッシュしていました。 私はエセックス大学で国際人権のパイオニア的な存在の先生方から学び、世界の人権問題に関わってきた 留学生と交わる機会を通して、国際人権法は実際に使い、作っていくものである、ということを感じる研究 生活を送ることができました。研究員で来られる方も、積極的にいろんな人と交流をし、企画にも参加して、 資料からでは得られないものも感じて経験されることで国際人権問題を見る見方を深めることができるので は、と思います。

"I am delighted with this agreement between Essex and JFBA. It will be a great opportunity for Japanese lawyers to study international human rights norms and institutions, as well as to share their own experiences with colleagues from all parts of the world. I look for-ward to meeting them."

ナイジェル・ロドリー(エセックス大学ロースクール教授、同大学人権センター理事長、 国連自由権規約委員会委員、元拷問禁止に関する特別報告者)

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エセックス大学

ロースクール

エセックス大学

ロースクール

問い合わせ先

 日本弁護士連合会企画部国際課

 TEL : 03-3580-9741

 E-MAIL : [email protected]

2012年4月版

参照

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