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平成 30 年度 指定管理者監査報告書 公益財団法人直方文化青少年協会 直方市監査委員

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平 成 30 年 度

指 定 管 理 者 監 査 報 告 書

公益財団法人 直方文化青少年協会

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第 1 監査の概要 1.監査の種類 地方自治法第 199 条第 7 項の規定による監査 2.監査の対象 (1)公の施設 ユメニティのおがた、直方市立図書館、直方市美術館、直方市美術館別館、 直方歳時館、直方市石炭記念館 (2)指定管理者 公益財団法人 直方文化青少年協会 3.監査の範囲 平成29年4月1日から平成30年3月31日までに執行された公の施設の管理、 会計処理等に関する事務 4.監査の期間 平成30年9月3日から平成30年9月28日まで 説明聴取 平成30年9月12日 5.監査の方法 監査に当たっては、主に次の事項が適正に行われているかについて、指定管理者 に関係書類の提出を求め、関係諸帳簿及び証拠書類との照合による書類審査ならび に関係者からの説明聴取を実施した。 (1)監査要点 ア 協定書について ・協定書による義務の履行は適切に行われているか。 イ 出納管理について ・収支会計経理は適正になされているか。 ・料金徴収に係る事務処理手続が適切に行われているか。 ウ 経営改善について ・コスト削減を図る管理運営が行われているか。 ・稼働率向上のための対策が適切に行われているか。 エ 事業計画について ・施設の管理等が事業計画に沿って適切に行われているか。 オ 諸規定の整備について ・公の施設の管理に係る管理規程、経理規程について整備されているか。 (2)監査の実施方法 上記監査要点に基づき、以下の方法で監査を実施した。 ア 協定書の内容と提出書類等を突合し、適切に履行されているかを確認した。 イ 施設の収支状況につきヒアリングを実施し、関係書類を閲覧した。 ウ コスト削減のための施策の有無を確認し、内容につき検討した。 エ 稼働率向上のための施策の有無を確認し、内容につき検討した。 オ 事業計画に基づいた管理運営が適切に履行されているかヒアリングを実施し、 関係書類を閲覧した。

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(3)現地調査 ア 指定管理者が管理運営する主な施設について、その管理実態を確認するための 視察を行った。 イ 施設の管理・運営についての改善策や収入増加・コスト削減策等の提言及び実 施状況について聴取、関係書類を閲覧した。 ウ 施設利用の事務手続及び料金徴収事務の手続を確認し、現金、金券等の管理方 法を調査し、料金回収事務、現物管理の合理性を検証した。 第 2 「公の施設」の事業概要 1.「公の施設」の管理運営 (1)「公の施設」の設置及び管理 地方自治法によれば、地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定 めがあるものを除くほか、「公の施設」の設置及びその管理に関する事項は、条 例でこれを定めなければならないとされている (地方自治法第244条の2第1項)。 また、地方公共団体は、「公の施設」の設置の目的を効果的に達成するため必要 があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であって 当該地方公共団体が指定するもの(以下、「指定管理者」という。)に、当該「公 の施設」の管理を行わせることができ(地方自治法同条第3項)、当該条例には指定 管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な 事項を定めるものとされている (地方自治法同条第4項)。さらに、指定管理者の 指定期間を定めること、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲、その他必 要事項を定めること、指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ、議 会の議決を経なければならないこと、また、指定管理者は、毎年度終了後、その 管理する「公の施設」の管理業務に関し事業報告書を作成し、地方自治体に提出 することが定められている (地方自治法同条第5項~第7項)。 (2)指定管理制度 指定管理者の意義 地方自治体が所管する「公の施設」の管理・運営について、地方自治法の一部 改正に伴い、「管理委託制度」から「指定管理制度」に移行した。これまで「公 の施設」の管理を外部に委ねる場合は、公共的団体に限定されていたものを自治 体の長が条例で定めた手続きに基づき、議会の議決を経て指定された民間事業者、 NPO法人等にも委ねることを可能としたものである。 「指定管理制度」は、多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応す るため、民間事業者のノウハウを活用することにより、管理経費が縮減でき、そ の結果として施設の利用料金が下がる。また、利用者の満足度を上げ、より多く の利用者を確保しようとする民間事業者の発想を取り入れることにより、利用者 へのサービス向上につながるものと期待され、導入が進められた。 (3)直方市の方針 本市では、指定管理制度導入の検討を行い、指定管理者の指定手続に関する基本 的な事項を定めた「直方市公の施設に係る指定管理者の指定手続き等に関する条例」 (平成17年9月29日条例第19号)を制定した。 地方自治法の一部が改正されたことにより、導入された指定管理制度が、従前の 管理委託制度と比較し、業務の範囲を明示する中で、施設の使用許可権限も付与す ることができるなど、より管理実態に即した管理運営が可能となる。また、民間事 業者等の創意工夫、効率的な管理手法を活用することで、市民サービスの向上、コ

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ストの削減が期待できる。 このようなメリットが考えられるこの制度を十分に活用し、指定管理制度導入可 能な施設について、積極的な導入を前提として推進してきた。 直方市文化施設(以下「文化施設」という。)については、平成18年4月から指定 管理制度が導入された。 (4)利用料金制 地方公共団体は、適当と認めるときは、指定管理者にその管理する「公の施設」 の利用に係る料金(以下「利用料金」という。)を当該指定管理者の収入として収受 させることができる(地方自治法第244条の2第8項)とし、公益上必要があると認め る場合を除き、条例の定めるところにより、指定管理者が利用料金を定めるものと する。この場合において、指定管理者は、あらかじめ当該利用料金について当該地 方公共団体の承認を受けなければならない(地方自治法同条第9項)とされている。 文化施設については、平成 19 年度からこの「利用料金制」を採用している。 2.指定管理者の概要 (1)文化施設の指定管理者に指定されている公益財団法人 直方文化青少年協会(以下 「文化青少年協会」という。)の概要は次表のとおりである。 団 体 名 公益財団法人 直方文化青少年協会 団 体 所 在 地 直方市大字山部364番地4(ユメニティのおがた内) 団 体 代 表 者 名 理事長 谷 弥壽彦 団 体 設 立 年 月 日 平成3年4月11日 目的及び事業内容 【目 的】 文化事業を行うとともに、公共文化施設の管理運営を行い、もって広 く芸術文化の振興、地域活性化及び青少年の健全な育成を図り、多様 で豊かな魅力あるまちづくりの推進に寄与することを目的とする。 【事業内容】 ・音楽、演劇等の芸術文化の振興を図る事業 ・芸術文化施設の運営事業 ・青少年の育成に関する事業 ・その他この法人の目的を達成するために必要な事業 (2)指定管理者の選定 「直方市公の施設に係る指定管理者の指定手続き等に関する条例」第5条第1項第4 号に基づき、公募によらず選定されている。 (3)指定管理者の収支状況 指定管理者は、文化施設の管理運営に要する経費(支出)を利用料金収入、管理運営 業務の実施に伴い指定管理者が収受する収入及び直方市から支払われる指定管理者委 託料等をもって運営している。 文化施設の運営に関する指定管理者の収入及び支出状況及び利用料金収入状況は次 表のとおりである。

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指定管理者の収支状況 (単位:円) 収 入 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 事 業 収 入 9,049,748 17,939,998 12,852,561 11,555,080 13,958,044 指 定 管 理 料 143,766,897 148,213,992 144,575,095 146,028,447 156,489,496 利 用 料 金 30,738,828 30,366,468 31,273,750 31,537,734 32,341,435 そ の 他 の 収 入 2,737,731 4,541,734 307,086 2,280,795 11,452,851 収 入 合 計 186,293,204 201,062,192 189,008,492 191,402,056 214,241,826 支 出 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 人 件 費 78,277,110 79,371,995 81,529,625 82,362,278 78,025,263 事 務 費 22,728,359 25,513,572 26,125,394 23,106,866 25,362,190 事 業 費 21,956,448 33,827,698 25,911,630 24,230,788 26,409,002 管 理 費 光熱水費 28,988,084 26,691,787 24,498,841 23,669,823 28,903,069 委 託 等 31,046,869 31,858,294 31,644,191 33,070,621 34,928,207 修 繕 等 3,801,763 6,504,319 3,950,921 3,785,181 4,132,571 負 担 金 136,800 151,800 156,800 158,200 167,800 備 品 購 入 費 494,125 123,845 548,732 384,954 11,258,707 支 出 合 計 187,429,558 204,043,310 194,366,134 190,768,711 209,186,809 収 支 差 額 △1,136,354 △2,981,118 △5,357,642 633,345 5,055,017 ア 収支について 収入では、事業収入は、各施設において自主事業に積極的に取り組まれ、平成28年度 度と比べて増額となっている。 これはおもに、平成29年度において有名アーティストの招致など、ユメニティのおがたの 入場者数が増加したことによるものである。また、その他の収入では平成28年度依然と比較 し、大幅な増額となっているが、これは、平成29年度において、市からの受託金である備品 購入費(備品・図書購入費)をその他の収入として計上したことによるものである。 指定管理料については、平成29年度は平成28年度に比べ増加している。 利用料金については、年々増加傾向にある。 支出では、ユメニティのおがた館長(常務理事兼任)が直方市教育委員会からの出向とな り、職員構成の変更により人件費は減少している。事業費は石炭記念館での自主事業等の 拡充により増加し、光熱水費は、新たに管理対象となった美術館収蔵庫の電気料金などが 大幅に増加している。また、ユメニティのおがたの設備更新に伴う備品購入費、図書館の図

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書購入費等が増加したことにより、支出全体としては平成28年度と比較すると大幅に増加し ている。 決算収支では、平成28年度は黒字決算であったが、平成29年度においても505万 5,017円の黒字となった。この要因は、事業収入等が増加したことによるものである。 (4)利用料金収入状況 指定管理者は、ユメニティのおがた条例第 8 条第 3 項、直方市美術館条例第 9 条第 3 項、直方市石炭記念館条例第 7 条第 3 項及び直方歳時館条例第 8 条第 3 項の規定に より、利用料金を自らの収入とすることが認められている。 また、利用料金は、ユメニティのおがた条例第8条第2項、直方市美術館条例第9条 第2項、直方市石炭記念館条例第7条第2項及び直方歳時館条例第8条第2項の規定によ り指定管理者が市長の承認を得て、条例で定める金額の範囲内で設定できることとな っており、文化施設の利用料金は、それぞれ条例に定める金額と同額又は範囲内の利 用料金となっている。 指定管理者の文化施設利用料金収入状況は次表のとおりである。 文化施設利用料金収入の状況 (単位:円) 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 ユメニティ の お が た 27,562,570 27,139,502 27,481,492 27,057,277 29,225,015 直 方 市 立 図 書 館 77,128 48,011 222,798 40,202 41,760 直 方 市 美 術 館 901,160 978,435 993,840 1,586,665 557,420 直 方 市 石炭記念館 417,750 563,180 778,130 724,370 595,920 直方歳時館 1,780,220 1,637,340 1,797,490 2,129,220 1,921,320 合 計 30,738,828 30,366,468 31,273,750 31,537,734 32,341,435 文化施設利用料金の収入状況では、ユメニティのおがたの利用料金収入が大幅に増 加し、直方市美術館、直方市石炭記念館、直方歳時館では減少している。 3.施設の概要 (1)施設の概要状況は次表のとおりである。

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文化施設の概要 施 設 名 称 ユメニティのおがた 直方市立図書館 設 置 目 的 芸術・文化事業を通じて市民の福祉増進 及び生涯学習振興に寄与するため 市民の教育と文化の発展に寄与するため 所 在 地 直方市大字山部364番地4 直方市大字山部301番地11 竣工年月日 大ホール棟:平成12年3月 小ホール棟:平成13年3月 平成13年3月 建 物 概 要 構造:鉄筋コンクリート3階建 延床面積 5,822㎡ 大ホール棟 4,496㎡ 小ホール棟 1,326㎡ 構造: 鉄筋コンクリート2階建 延床面積 2,382㎡ 主 な 施 設 大ホール:1,018席、小ホール:250席 楽屋:3室、控室:1室、リハーサル室:1 室、会議室:4室、エントランスロビー、ホワイエ 閲覧室 一般閲覧室、児童閲覧室 各コーナー 郷土資料室 開 館 時 間 午前9時~午後10時 平日及び土曜日 午前10時~午後7時 日曜日及び祝日 午前10時~午後5時 休 館 日 毎月第1及び第3月曜日(国民の祝日の 場合を除く) 年末年始(12月29日~翌年1月3日) 月曜日(国民の祝日の場合を除く) 毎月最終水曜日(国民の祝日の場合その翌日) 年末年始(12月29日~翌年1月3日) 業 務 内 容 ・ユメニティの利用許可に関すること ・ユメニティの維持管理に関すること ・芸術・文化事業に関すること ・その他ユメニティの管理上、市長が必 要と認める業務 ・図書館の維持管理に関すること ・図書館法第 3 条に規定する図書館業 務に関すること ・その他図書館の管理上、教育委員会が 必要と認める業務 管理担当課 教育委員会 文化・スポーツ推進課 教育委員会 文化・スポーツ推進課 施 設 名 称 直方市美術館 直方市美術館別館 設 置 目 的 市民の美術に関する教養を高め、芸術及び文化の振興に寄与するため 所 在 地 美術館:直方市殿町10番35号 収蔵庫:直方市殿町6番5号(新) 直方市古町10番20号 竣工年月日 美術館:大正6年頃(新館 平成10年) 収蔵庫:平成29年3月(新) 大正2年 建 物 概 要 構造 木造瓦葺2階建(本館) 鉄骨スレート平屋建(新館) 鉄骨2階建(収蔵庫) 延床面積 1,855㎡(本館、新館) 840㎡(収蔵庫) 構造 鉄筋コンクリート(一部木造)瓦 葺2階建 延床面積 546㎡ 主 な 施 設 新館展示室、常設展示室、休憩室、茶室 ガラス展示室、古高取出土品展示室、 喫茶スペース 開 館 時 間 午前9時半~午後5時半まで 休 館 日 月曜日(国民の祝日を除く) 年末年始(12月29日から翌年1月3日) 業 務 内 容 ・施設の維持管理、美術品の収蔵、美術作品展示の企画・運営 ・貸館期間(10月~12月)の利用受付・許可業務 ・ワークショップ、工作教室、講演会、座談会等の開催 ・移動美術館事業、学校との連携による美術の授業 ・筑豊美術館ネットワーク(ちくネット)協賛事業の企画及び運営 管理担当課 教育委員会 文化・スポーツ推進課

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施 設 名 称 直方歳時館 直方市石炭記念館 設 置 目 的 伝統的な文化を通じて地域文化の発展を 図るとともに、生涯学習社会の構築に寄 与するため 石炭産業に関する資料を保存・展示し、 その活用を図り、もって市民文化の向上 に寄与するため 所 在 地 直方市新町1丁目1番18号 直方市大字直方692番地4 竣工年月日 平成10年12月 明治43年8月 建 物 概 要 構造 木造瓦葺平屋建 延床面積 498㎡ 構造 本館 木造瓦葺2階建 延床面積 246㎡ 別館 鉄骨2階建 延床面積 349㎡ 化学館 木造瓦葺平屋建 延床面積 70㎡ 主 な 施 設 貸室:和室 4 室、板の間 3 室 展示スペース(土蔵) 本館、別館、石炭化学館、救護訓練坑 道、野外展示資料(坑内炭鉱機械、蒸 気機関車等) 開 館 時 間 午前9時から午後9時まで 午前9時から午後5時まで 休 館 日 月曜日(国民の祝日を除く) 年末年始(12月29日から翌年1月3日) 月曜日(国民の祝日を除く) 年末年始(12月29日から翌年1月3日) 業 務 内 容 ・施設の維持管理 ・貸館利用の受付・許可業務 ・講演会、講座、教室等自主事業の企画 運営 ・施設の維持管理 ・石炭産業関連資料の保存 ・資料展示等自主事業の企画運営 管理担当課 教育委員会 文化・スポーツ推進課 教育委員会 文化・スポーツ推進課 (2)文化施設の利用者状況は次表のとおりである。 文化施設利用者状況 (単位:人) 施設 年度 ユメニ ティ の お が た 直 方 市 立 図 書 館 直 方 市 美 術 館 直 方 市 美術館別館 直方歳時館 直方市石炭 記 念 館 合 計 29 90,500 48,674 12,623 8,391 9,626 9,083 178,897 28 83,190 50,685 14,100 8,412 9,690 10,617 176,694 対前年増減 7,310 △2,011 △1,477 △21 △64 △1,534 2,203 対前年増減率 8.79% △3.97% △10.48% △0.25% △0.66% △14.45% 1.25% ユメニティのおがたについては、平成 29 年度は、90,500 人(対前年比 7,310 人、 8.79%増)となっており、その主な要因としては、有名アーティストの招致による 入場者数の増加や、大ホール・小ホールを始め、各部屋の貸館利用者の増加等が考え られる。 また、直方市立図書館については、近隣市町村の新しい図書館のオープンやリニュ ーアルに伴い、利用者が減少した。美術館については、企画展の魅力不足、また、石 炭記念館については、山本作兵衛作品の「ユネスコ世界記憶遺産」への登録や、三池 炭鉱(大牟田市)、八幡製鐡所(北九州市・中間市)が「明治日本の産業革命遺産」 として世界遺産に登録され、その関連遺産としてのブームの落ち着き等で、入場者が 減少している。その他の文化施設については、それぞれ微減している。

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第3 監査の結果 1.協定書について (1)備品等の現物管理について 平成26年度の監査の際に備品台帳の整理を求めたところであるが、今回の備品検査 で備品台帳と現品の照合を行った結果、台帳は整備され、概ね適正に整理されていた。 2.出納管理等について (1)徴収金の処理について 料金徴収に係る事務については、概ね適正に処理されていた。現金等の管理につい ては、金融機関に納入するまでの間、それぞれ金庫又は手提げ金庫で保管されており、 鍵の管理も適正に行われていた。 (2)委託契約事務について ア 直方市美術館植木剪定業務委託契約において、仕様書中の契約物件内に、直方 市美術館収蔵庫(旧篠原邸)が含まれている。 当該物件は平成29年度中に指定管理物件から除外されており、金額の変更も含 めた変更契約の締結が必要であったと思われる。今後は、契約内容等変更がある 場合は、速やかに変更契約を締結するなど適正な事務処理をされたい。 イ マークデータ保守契約書、新規購入図書マーク作成業務委託契約書において、 手書きで文言の追加を行っているが、相互承認の押印がない。 契約書において、文字の追加や訂正等がある場合は、その事実について相互承 認の証として、書面に「○字追加」などを記入し、契約当事者が契約書に記名押印 した印章の押印が必要である。今後は、契約に追加や訂正等がある際は、適切な事 務処理をされたい。 3.経営改善について (1)職員研修の実施 財団では、職員研修に取り組まれ、平成29年度においては、外部から講師を招き、 「公共施設における市民サービスについて考える」と題し、これからの公共施設のサ ービスのあり方や、直方市消防本部の協力のもと、AED研修にも取り組まれている。 平成30年度には、図書館サービスの研修、滑舌研修など、継続的な研修の実施が計 画されるなど、施設を利用される市民の方に、より良いサービスの提供が行われるよ うな取組みも実施されている。 (2)居心地の良い空間づくり 職員での除草やごみ拾いなど各施設の環境整備や、ユメニティのおがた小ホール前 のロビーや図書館入口に飲食が可能なテーブル席を設置し、施設利用者の憩いの場を 創出している。また、ユメニティのおがたのトイレ改修(洋式化)や、歳時館のトイ レには洗浄機能付便座が設置され、今後各施設においても順次交換が計画されるなど、 施設利用者の利便性を図る取組みが進められている。 (3)自主事業の充実 事業面では、それぞれの文化施設の設置目的に適った効率的な維持管理と、利用者 へのサービス向上へ向け、6施設全てが有機的に結びつき、相互に支えあい、高め合 いながら、事業に取り組まれている。 とりわけ、文化芸術へ触れる機会の創出として、施設外へ出向いての事業の充実が

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図られ、文化芸術の醸成に努めている。 また、平成28年度から、認知症普及啓発を目的として、認知症サポーターを広める 会の協力のもと、「図書館から広がる!つながる!認知症カフェ図書館事業」など、 新たな事業にも取組まれ、市民のための地域に根ざした図書館運営に努めている。 (4)アンケート調査の実施について 財団では、自主事業開催時に限らず、施設に記入式のアンケート用紙を常時設置し、 回収・集計・分析を行っている。 アンケートの内容は、受付・接客、美観、施設全般に渡る項目で、今後の施設管理、 事業運営への反映、事業計画等の参考にすることとされている。 今後も引続き、市民の意見を広く聴取するためのアンケート調査等を継続し、施設 運営の改善、集客率の向上、市民への文化芸術の醸成に努められるよう望むものであ る。 まとめ 以上が文化施設に関する指定管理者監査の結果である。 本市では、民間事業者等の能力、効率的管理手法が活用されることで、施設機能・ 市民サービスの向上と、行政コスト削減等のメリットがあると判断し、平成18年度か ら文化施設に指定管理制度を導入した。 指定管理者となった公益財団法人 直方文化青少年協会は、「文化事業を行うととも に、公共文化施設の管理運営を行い、もって広く芸術文化の振興、地域活性化及び青 少年の健全な育成を図り、多様で豊かな魅力あるまちづくりの推進に寄与する。」こ とを目的とし、その目的達成のため、それぞれの施設の特性を活かした様々な事業を 実施され、各文化施設の設置目的に沿った効率的な維持管理と、利用者のサービス向 上を目指した施設運営を実施されている。 指定管理による効果の検証は、数値的には利用者数と経費の推移が判断材料の一つ ではあるが、平成29年度においては、平成28年度と比較すると、ユメニティのおがた を除く全ての施設で利用者が減少している。 しかしながら、一方、市民への芸術文化に触れる機会の創出として、近年、特に青 少年の健全育成の視点から、子どもの頃の文化芸術活動の体験が大切であるとの考え のもと、子ども達に対する様々な活動に積極的に取り組まれている。 ユメニティのおがたの事業では、幼稚園・小学校にプロの音楽家や俳優が出向いて 実施される、音楽や演劇のアウトリーチ事業、図書館では、7か月の乳幼児検診時に、 保護者に絵本を通した親子のふれあいの時間を持つことの大切さを伝える「ブックス タート事業」が実施されている。 また、美術館では、美術館の収蔵品である優れた美術品を学校で鑑賞しながら授業 を行う「移動美術館授業」、歳時館では、和風建築としての施設の特徴を活かした子 ども向けの「茶道教室」、「いけ花教室」、「将棋教室」、「お琴教室」などが開催 されている。 石炭記念館では、市内の小学校3年生の社会科見学の受け入れ、クリーン・コール デー等における石炭燃焼実験や火力発電実験等も実施されている。 今後も心豊かな子どもを育むため、ひいては施設利用者増加につながるよう、更な る事業の充実に努められるよう望むものである。 また、石炭記念館本館及び救護練習所模擬坑道等の国史跡指定に向けた取組みの機 会を活かし、筑豊の石炭の歴史を現代に伝え、石炭記念館及び関連施設の価値を後世 に伝えるための取組みも望まれるところである。 施設整備の面では、平成29年度において、ユメニティのおがた小ホール前のロビー や、図書館中庭などにテーブルや椅子等を設置し、利用者の居心地の良さを拡充する

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ための取組みも行われた。あわせて、小ホールを活用したミニコンサートの開催など、 多くの市民の方が集う仕組みづくりも進められている。 経費面では、ユメニティのおがた館長(常務理事兼任)が直方市教育委員会からの 出向となり、職員構成の変更により人件費は減少している。ユメニティのおがたの設 備更新等による備品購入費や、新たに管理対象となった美術館収蔵庫の電気料金など は、大幅に増加している。 また、施設の老朽化等による修繕の必要な箇所が各施設で多数見られ、雨漏りや空 調を含めた施設・設備の計画的更新は、早急な対応が望まれるところである。更に美 術館や石炭記念館など施設のバリアフリー化、美術館のトイレ改修についても、公共 施設としては当然の機能であり、同様の措置が望まれるところである。 指定管理制度は、前述したように行政の直営ではなく、民間事業者等の能力、効率 的管理手法が活用されることで、施設機能・市民サービスの向上と、行政コスト削減 を図ることを目的として民間委託したものである。一方で営利事業ではなく、必ずし も増収増益を求めるものではないことから、事業判断に苦慮されるところである。 今後も、文化施設の活用施策など市教育委員会と十分に協議され、指定管理制度の 導入の目的を継続していくためにも、市民ニーズの的確な把握による事業の構築、施 設の利用促進、更なるコスト削減についての検討を実施し、適正な施設運営の執行に 努められるとともに、市民生活が心豊なものとなるような事業の実施を大いに期待す るものである。

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